以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[ハードウェアの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るコンピュータ装置の一例としての携帯型ビデオゲーム機の内部構成を示すブロック図である。図1に示すように、この携帯型ビデオゲーム機(以下、「ゲーム機」)1は、カラー液晶のディスプレイ2、操作部22、図示しないメディア装着部、制御部8を備えている。メディア装着部には、ゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bが記録されている記録媒体であるゲームメディア5がセットされ、ゲーム機1の電源がオンされることにより、ゲームがスタートする。
制御部8にはCPU(Central Processing Unit)11、描画データ生成プロセッサ12、RAM(Random Access Memory)13、ROM(Read Only Memory)14、描画処理プロセッサ15、および音声処理プロセッサ18が含まれている。さらにゲーム機1は、この他にもVRAM(Video-RAM)16、アンプ19、スピーカ20、イヤホン端子21、操作部22、メディアインタフェース23、無線LANモジュール24、およびバス25を備えている。そして、これらのうちCPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM13、ROM14、描画処理プロセッサ15、音声処理プロセッサ18、操作部22、メディアインタフェース23、および無線LANモジュール24が、バス25によって相互にデータ伝送可能に接続されている。
操作部22は、プレイヤにより操作される方向キーと、操作されるボタン群とを含んでおり、プレイヤの操作を受け付けて、その操作内容に応じた操作信号をCPU11に入力する。また、方向キーおよびボタン群が有する各種のボタンは、プレイヤキャラクタの特定の動作を指示するための操作子である。また、操作部22には、これら操作子以外にゲーム機1の電源の入/切を行うための電源スイッチ等が含まれる。
メディアインタフェース23は、図示しないメディア装着部にセットされたゲームメディア5にアクセスしてゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bを読み出す。このうちゲームプログラム5aは、後述するように、プレイヤキャラクタが味方キャラクタとともにゲーム空間内にてモンスター等の敵キャラクタを討伐する内容のゲームをゲーム機1に実行させるものである。また、ゲームデータ5bには、前記ゲームを実行する上で必要なデータとして、キャラクタや背景の画像データ、ステータスなどの情報表示用の画像データ、効果音やBGMなどの音声データ、文字や記号によるメッセージデータ等が含まれている。なお、記録媒体であるゲームメディア5は、半導体メモリのほか、光ディスクの一種であるUMD(Universal Media Disc)(登録商標)を採用することができる。
RAM13には、ゲームの進行に応じてゲームメディア5から読み込まれたゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bを格納するロードエリア、並びに、CPU11がゲームプログラム5aを処理する際に使用するためのワークエリアが設定されている。ROM14には、ディスクローディング機能などのゲーム機1の基本的機能や、ゲームメディア5に記憶されているゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bの読み出し処理を制御する基本プログラムが記憶されている。
CPU11は、ゲームメディア5に記録されているゲームプログラム5aおよびゲームデータ5bの全部または一部を、メディアインタフェース23を通じてRAM13に読み込み、プレイヤによる操作部22の操作に応じてこれを実行し、ゲーム進行を制御する。より具体的には、プレイヤに操作されることによって操作部22から操作信号が入力されると、CPU11は、ゲームプログラム5aに従ってその操作信号に対応する所定のゲーム進行処理を行い、その処理結果を、ゲーム進行を示す画像(以下、「ゲーム画像」)としてディスプレイ2に表示すると共に、ゲーム進行を示す音声信号(以下、「ゲーム音声」)をスピーカ20やイヤホン端子21に出力する。
前記ゲーム画像の描画は、CPU11の指示により、描画処理プロセッサ15が行う。即ち、CPU11は、操作部22から入力される操作信号に基づき、ディスプレイ2に表示すべきゲーム画像の内容を決定し、その内容に対して必要な描画データを描画データ生成プロセッサ12に生成させる。そして、その描画データを描画処理プロセッサ15に転送して描画処理を行わせる。描画処理プロセッサ15は、描画データに基づいて1/60秒毎にゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像をVRAM16に書き込む。ディスプレイ2は、半透過型カラー液晶ディスプレイとバックライトLED(Light Emitting Diode)とを有し、VRAM16に書き込まれたゲーム画像を表示する。
また、CPU11は、ゲームの進行に応じて、スピーカ20から出力すべき効果音やBGM等の音声を決定し、その音声を発音するための音声データをRAM13から読み出して音声処理プロセッサ18に入力する。即ち、CPU11は、ゲームの進行に伴って発音イベントが発生すると、その発音イベントに応じた音声データ(ゲームメディア5からロードされた音声データ)をRAM13から読み出して音声処理プロセッサ18に入力する。音声処理プロセッサ18は、DSP(Digital Signal Processor)で構成されており、CPU11によって入力された音声データに対して所定の効果(例えば、リバーブ、コーラスなど)を付与したのちアナログ信号に変換して、アンプ19に出力する。アンプ19は、音声処理プロセッサ18から入力された音声信号を増幅したのち、スピーカ20およびイヤホン端子21に出力する。
無線LANモジュール24は、例えば通信規格IEEE802.11b(使用周波数帯2.4GHz、通信速度11Mbps)に準拠した無線LANによって他のゲーム機1とデータ通信を行い、ネットワークを構成するための通信モジュールである。
[ゲームシステムの説明]
図2は、ゲーム機1がゲームプログラム5aを実行することによって、ディスプレイ2に表示されるゲーム画面40のフレーム例を示す模式図である。本ゲーム機1により実現されるゲームでは、所定の広がりを有する仮想空間(エリア)が設定されており、このエリアの一部分が、地上(空中を含む)または水中を表現する仮想の三次元ゲーム空間41として構築され、ゲーム画面40に表示される。そして、これらのゲーム空間41には、プレイヤキャラクタC1、モンスター(ボスモンスターおよび雑魚モンスター等)である敵キャラクタC2、および味方キャラクタC3が登場する。
前記キャラクタのうちプレイヤキャラクタC1は、プレイヤが操作部22を操作することにより、その動作を直接的に制御することのできるキャラクタであり、本ゲームにおける「主人公」である。プレイヤは、操作部22の操作によってディスプレイ2で「主人公」となるプレイヤキャラクタC1の名前、性別、外見等を設定することができる。
一方、敵キャラクタC2および味方キャラクタC3は、いわゆるノンプレイヤキャラクタであり、プレイヤはその動作を直接的には制御することができず、ゲーム機1のCPU11によって動作が制御されるキャラクタである。このうち味方キャラクタC3は、プレイヤキャラクタC1につき従って行動するキャラクタであり、本ゲームでは、人間に近い知性、行動パターンあるいは外見等を持ったモンスター(亜人間型モンスター)であるが、犬や猛禽類等のように、非人間型で狩猟に随伴することができるモンスターまたは動物等のキャラクタであってもよい。また、敵キャラクタC2は、プレイヤキャラクタC1によって討伐される対象であり、さまざまな種類のモンスターが含まれる。
そして、本ゲームは、プレイヤの操作によってプレイヤキャラクタC1をゲーム空間41内で行動させ、味方キャラクタC3と協力して敵キャラクタC2と戦闘を行い、当該敵キャラクタC2を討伐するアクションゲームになっている。また、ゲーム空間41内では、さまざまなアイテムが設定されている。当該アイテムとしては、具体的には、プレイヤキャラクタC1が用いる武器、防具または装飾品、プレイヤキャラクタC1の採取行動や敵キャラクタC2の討伐行動で入手される素材等が挙げられる。
ここで、プレイヤキャラクタC1および味方キャラクタC3はそれぞれ装備品を装備している。この装備品はプレイヤキャラクタC1が装備するアイテムであって、武器、防具および装飾品を含む概念である。武器は敵キャラクタC2を攻撃するための装備品であり、防具は敵キャラクタC2からの攻撃を防御するための装備品である。装飾品は、武器または防具に設けられている「スロット」と呼ばれる穴にはめ込むことができるように設定された装備品であり、装飾品の種類によって所定のスキルポイントが設定されている。装飾品を武器または防具のスロットにはめ込むことで、スキルポイントに応じて武器または防具の「スキル」(ゲーム空間41内において、敵キャラクタC2との戦闘時においてプレイヤキャラクタC1に有利または不利に働く特殊能力)を向上させることができる。図2に示すフレーム例では、装備品として、プレイヤキャラクタC1が剣タイプのプレイヤ用武器A1を所持し、味方キャラクタC3も剣タイプの味方武器A3を所持している。
前記装備品は、ゲーム空間41内の「武器屋」で購入することもできるが、より強力でカスタマイズされた装備品を得るには、「加工屋」で作製してもらう。また、「加工屋」では、装備品を新規に生産するだけでなく、既に保有している武器または防具を強化することもできる。このような装備品の生産または強化(すなわち作製)には、ゲーム空間41内で流通する「お金」だけでなく、プレイヤキャラクタC1がゲーム空間41内で取得した素材を「加工屋」に提供する必要がある。プレイヤキャラクタC1は、例えば、素材として鉱石等を取得することができ、また、討伐した敵キャラクタC2の皮革や骨等を素材とすることができる。
また、具体的には図示しないが、ゲーム画面40には、仮想的なカメラで撮像された仮想のゲーム空間41が描画される。この仮想的なカメラは、基本的にはプレイヤキャラクタC1の背後(手前)に配置されており、このカメラで撮像された各キャラクタC1〜C3およびゲーム空間41の映像が描画される。但し、カメラの位置は、プレイヤによる操作部22の操作によって、プレイヤキャラクタC1を中心とする所定の円周上の任意の位置に変更することも可能であり、位置が変更された場合には、変更された位置でカメラによって撮像された映像が描画される。
なお、図2に示す地上のゲーム空間41は、プレイヤキャラクタC1および味方キャラクタC3が、地面に平行な二次元的な範囲内での動作(即ち、前後方向および左右方向の動作)が許容される空間(二次元動作許容ゲーム空間)として設定されている。なお、本ゲームにおけるゲーム空間41は、二次元動作許容ゲーム空間だけでなく、三次元的な範囲内での動作(即ち、前後方向、左右方向、および上下方向の動作)が許容される空間(三次元動作許容ゲーム空間)も含まれる。具体的には、例えば、水中、空中、宇宙空間等のゲーム空間を挙げることができる。従って、以下の説明ではゲーム空間として地上の場合を例示しているが、これに代えてゲーム空間を、水中、空中または宇宙空間として設定してもよい。
ところで、図1に示すように、ゲーム機1の制御部8は、当該ゲーム機1が備えるCPU11、描画データ生成プロセッサ12、RAM13、ROM14、描画処理プロセッサ15、および音声処理プロセッサ18を備えている。そして、この制御部8は、ゲーム機1がゲームプログラム5aを実行して前述のようなゲームを実現するにあたって、所定の機能を発揮する。この所定の機能について、ゲーム機1が備える制御部8の機能的な構成を示すブロック図である図3を参照し、具体的に説明する。図3は、ゲーム機1が備える制御部8の機能的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部8は、ゲーム空間生成手段8a、プレイヤキャラクタ制御手段8b、味方キャラクタ制御手段8c、敵キャラクタ制御手段8d、装備品作製手段8e、および素材転化手段8fを備えている。このうちゲーム空間生成手段8aは、各キャラクタC1〜C3が行動するゲーム空間41を生成する。プレイヤキャラクタ制御手段8bは、プレイヤによる操作部22の操作に応じて、ゲーム空間41内で行動するプレイヤキャラクタC1の動作を制御する。
また、味方キャラクタ制御手段8cは、適宜プレイヤキャラクタC1および/または敵キャラクタC2の位置や動作等に関連させて、ゲーム空間41内で行動する味方キャラクタC3の動作を制御する。敵キャラクタ制御手段8dは、ゲームプログラム5aから読み出したデータに基づき、かつ、適宜プレイヤキャラクタC1および/または味方キャラクタC3の位置や動作等に関連させて、ゲーム空41間内で行動する敵キャラクタC2の動作を制御する。
さらに、装備品作製手段8eは、プレイヤによる操作部22の操作に応じて、ゲームプログラム5aからデータを読み出し、プレイヤキャラクタC1および味方キャラクタC3が装備する装備品を、各種素材を用いて生産したり強化したりするとともに、当該装備品の生産または強化(作製)に伴って、新たな素材を生成する。装備品は、前述のとおりゲーム空間41内におけるアイテムであるので、装備品作製手段8eは、アイテム作製手段に相当する。なお、新たな素材は、プレイヤキャラクタC1の装備品を作製する場合にのみ生成され得るようになっている。また、素材転化手段8fは、プレイヤによる操作部22の操作に応じて、ゲームプログラム5aからデータを読み出し、プレイヤキャラクタC1の装備品を作製するために用いられる素材を、新たな素材に直接転化させる。この素材転化手段8fもアイテム作製手段に相当する。
ここで、装備品作製手段8eにより実行される装備品の作製(生産または強化)と、素材転化手段8fにより実行される素材の転化について、図4(a),(b)を参照してさらに詳述する。図4(a)は、素材からプレイヤキャラクタC1が所持する武器を作製するとともに新たな素材を生成する例を示す模式図であり、図4(b)は、素材から直接、新たな素材を生成する(すなわち新たな素材を転化させる)例を示す模式図である。
上述したとおり、装備品作製手段8eは、プレイヤキャラクタC1が作製を希望する装備品のデータと、ゲーム空間41内で取得した素材のデータとに基づいて、装備品を生産したり強化したりする処理を行う。このとき、装備品作製手段8eは、装備品の生産または強化に伴って「副素材」という新しい素材を生成する処理も行う。つまり、装備品作製手段8eは、素材というアイテム(第一のアイテム)から装備品という新たなアイテム(第二のアイテム)を作製するとともに、素材(第一のアイテム)および装備品(第二のアイテム)とは異なる新たなアイテムである副素材(第三のアイテム)を生成することができるアイテム作製手段となっている。また、副素材の生成の処理は、作製しようとする装備品の情報、または、装備品の作製に使用される素材の情報に基づいて行われる。なお、本明細書においては、装備品の作製に使用される素材を、前記副素材と区別するために「原素材」と称する。
具体的には、プレイヤによる操作部22の操作に応じて、プレイヤキャラクタC1がゲーム空間41内に設定された「加工屋」に移動し、この「加工屋」で特定の武器(第二のアイテム)、例えば「アイアンソード」の作製が指定されたとする。このとき、装備品作製手段8eは、指定された武器(アイアンソード)のデータと、プレイヤキャラクタC1が取得した原素材(第一のアイテム)のデータとを参照する。例えば、図4(a)に示すように、アイアンソードA1(プレイヤ用武器)の作製には、原素材として、5個の鉄鉱石M1と3個のマカライト鉱石M2が必要である。そこで、装備品作製手段8eは、プレイヤキャラクタC1が保有する原素材のデータを参照し、必要な個数の鉄鉱石M1およびマカライト鉱石M2を当該プレイヤキャラクタC1が保有しているか否か判定する。
そして、装備品作製手段8eは、プレイヤキャラクタC1が、鉄鉱石M1を5個以上、マカライト鉱石M2を3個以上保有していると判定すれば、アイアンソードA1を作製してプレイヤキャラクタC1に引き渡す。一方、作製に必要な原素材が足りないと判定したときは、アイアンソードA1の作製を行わず、図示しないが、足りない原素材の種類、個数等(例えば鉄鉱石M1が2個足りない、マカライト鉱石M2が1個足りない等)の情報を、ディスプレイ2を介してプレイヤに提示する。
さらに、装備品作製手段8eは、図4(a)に示すように、アイアンソードA1を作製するに伴って、副素材(第三のアイテム)である鉱石の副素材M3も生成する。この副素材の情報は、プレイヤキャラクタC1が指定したアイアンソードA1等の装備品、あるいは、装備品の作製に用いられる原素材、さらにはこれらの双方に関連付けて設定されていればよい。図4(a)に示す例では、装備品に関連付けて副素材の種類、個数等の情報が設定されているので、装備品作製手段8eは、プレイヤキャラクタC1がアイアンソードA1を指定した時点で、関連付けられている副素材の情報「2個の鉱石の副素材M3」をゲームデータ5bから読み出し、アイアンソードA1の作製とともに2個の鉱石の副素材M3を生成させるよう制御する。この鉱石の副素材M3は、アイアンソードA1とともにプレイヤキャラクタC1に引き渡される。
ここで、プレイヤキャラクタC1は引き渡された鉱石の副素材M3を、新たなアイテム、例えば、味方キャラクタC3のための装備品(味方用装備品)の作製のために用いることができる。なお、以下の説明では、味方用装備品との区別を明確とするために、プレイヤキャラクタC1が用いる装備品については、適宜「プレイヤ用装備品」と略記する。また、味方用装備品は、第一〜第三のアイテムとは異なる新たなアイテムであるため、第四のアイテムと称する。
前記味方用装備品(第四のアイテム)の作製においては、プレイヤキャラクタC1が、味方キャラクタC3のために武器、例えば「アイアンオトモ剣」の作製を指定すれば、装備品作製手段8eは、指定された武器(アイアンオトモ剣)のデータと、プレイヤキャラクタC1が取得した素材のデータとを参照する。図4(a)に示す例では、装備品作製手段8eは、アイアンオトモ剣A3−1(第四のアイテム)が2個の鉱石の副素材M3(第三のアイテム)で作製できるものであるか否かを判定し、作製可能であれば、アイアンオトモ剣A3−1を作製してプレイヤキャラクタC1に引き渡す。一方、作製に必要な素材が足りないと判定したときは、アイアンオトモ剣A3−1の作製を行わず、前記のとおり、足りない素材の種類、個数等の情報を、ディスプレイ2を介してプレイヤに提示する。
このように味方用装備品の作製は、プレイヤ用装備品と同様に、特定の副素材から特定の味方用装備品(武器等)が作製されるように予め設定されている。味方用装備品の代表例として武器を挙げると、次の表1に示すように、2個の副素材から1個の味方用武器を作製する構成が挙げられる。したがって、副素材が1個しかない場合等には、装備品作製手段8eは、味方用武器を作製できないので、前記のとおり、足りない副素材の種類、個数等の情報を、プレイヤに提示することになる。
表1の例iは、図4(a)に示すアイアンオトモ剣A3−1の例であり、例iiは、後述するボーンオトモソードA3−2(図4(b)参照)の例である。例iは鉱石系の副素材から鉄系の味方用武器を作製しており、例iiは骨系の副素材から骨系の味方用武器を作製している。また、例iiiおよび例ivは、モンスター系の副素材からモンスター系の味方用武器を作製している。なお、表1では、例i〜iiiは、同一種の副素材を2個ずつ用いて味方用武器を作製しているが、もちろんこれに限定されず、例ivに示すように、火竜の副素材および雌火竜の副素材をそれぞれ1個ずつ用いて味方用武器を作製できるし、3種類以上の副素材を用いて味方用武器(あるいは他の味方用装備品)を作製することができる。
上述した副素材の生成の制御は、プレイヤ用装備品の作製に伴って、当該プレイヤ用装備品の情報または原素材の情報に基づいて行われればよい。プレイヤ用装備品が武器である場合の典型的な例としては、次の表2に示す5つの例が挙げられる。
表2の例iは、図4(a)に示すアイアンソードA1(鉄系の武器)を作製したときに鉱石の副素材M3が生成する例であって、原素材はいずれも鉱石系のアイテムである。また、例iiは、図示しないが、原素材として骨系のアイテムである竜骨(小および大)が用いられ、プレイヤ用装備品として骨系のボーンソードが作製され、副素材として2個の骨の副素材が生成する例である。同様に例iii〜vも図示しないが、原素材として、モンスター(敵キャラクタC2)を討伐したときに得られるモンスター系のアイテムが主に用いられ、モンスター系のプレイヤ用装備品とともに1種または2種のモンスター系の副素材が生成する。
プレイヤ用装備品の作製に伴って生成する副素材は、原素材とは異なる「新たな素材」であるので、基本的には、どのような素材であっても設定できるが、原素材と同材質の素材であることが好ましい。如何に新しい素材であるとはいえ、副素材は原素材から「副生」する素材であることから、全く別の素材が生成することはゲームの展開上で不自然となり得る。なお、「加工屋」が例えば魔術や錬金術を駆使する設定であれば、違和感の無い範囲内で全く別の副素材が生成されてもよい。
表2に示す例であれば、例iにおいては、鉱石系の原素材から鉱石系の副素材が生成し、例iiにおいては、骨系の原素材から骨系の副素材が生成し、例iiiにおいては、モンスター系の原素材(火竜の鱗および火竜の甲殻)からモンスター系の副素材(火竜の副素材)が生成するように設定されている。なお、モンスター系の副素材については、例iiiに示すように、原素材がモンスターの特定部位(鱗または甲殻)である場合、当該部位に関連付けられた副素材(鱗の副素材または甲殻の副素材)ではなく、モンスターの種類に関連付けられた副素材に設定することができる。例iiiでは、原素材のモンスターが火竜であるので、生成する副素材も火竜の副素材とすればよい。また、例ivでは、原素材に雌火竜の鱗が用いられているので、生成する副素材も鱗の副素材ではなく雌火竜の副素材とすればよい。
ここで、原素材に予め優先度を設定しておけば、装備品作製手段8eは、複数種類の原素材を用いてプレイヤ用装備品を作製するときには、優先度が高い原素材に設定されている副素材の情報に基づいて、当該副素材を生成させる処理を行うことができる。表2においては、例ivに示すように、原素材として、モンスター系の素材である雌火竜の鱗と、骨系の素材である竜骨(大)と、鉱石系の素材である鉄鉱石が用いられ、プレイヤ用装備品(武器)として雌火竜剣リオレイアが作製される。このとき、モンスター系の原素材に、骨系および鉱石系の原素材よりも高い優先度を設定しておけば、生成する副素材は、雌火竜の副素材のみとなって、骨の副素材および鉱石の副素材は生成しない。
また、原素材として用いられるアイテムの優先度が同等であれば、装備品作製手段8eは、それぞれの原素材に関連付けられている副素材の情報に基づいて、複数種類の副素材を生成させる処理を行えばよい。表2においては、例vに示すように、原素材として異なるモンスターである火竜と雌火竜の鱗が用いられている場合、優先度はいずれも同等であるので、プレイヤ用装備品である雌雄剣レウスレイアを作製するに伴い、火竜の副素材と雌火竜の副素材とがそれぞれ1個ずつ生成するように設定されている。
副素材の生成の処理に伴って装備品作製手段8eが参照する情報のうち、前記原素材および副度材の情報としては、各素材の種類(材質等)、各素材の個数、各素材の寸法等が含まれていればよい。これらの情報は、各素材において全て含まれてもよいが少なくとも1個であってもよい。例えば、表2における例iでは、原素材の情報が、5個の鉄鉱石および3個のマカライト鉱石であるが、例iiでは、原素材の情報が、8個の竜骨(小)および3個の竜骨(大)である。前者の場合、原素材の情報が素材の種類および個数で構成されているが、後者の場合、素材の種類および個数だけでなく寸法(大または小)も含まれている。また例示しないが、流動性のある液状の副素材が生成する場合には、原素材の情報に個数が含まれなくてもよい。
ところで、前述したとおり、装備品作製手段8eによって味方用装備品を作製する処理において、プレイヤキャラクタC1が保有する副素材が前記味方用装備品を作製するには足りない場合がある。このとき、副素材を得るためだけを目的にプレイヤ用装備品を作製することは、本来不要なプレイヤ用装備品を作製することであるから非効率的であって好ましくない。そこで、これに対処するために、素材転化手段8fは、図4(b)に示すように、プレイヤキャラクタC1が保有する原素材から直接副素材を生成する処理を行うことができる。
例えば、プレイヤキャラクタC1が味方用武器として「ボーンオトモソード」の作製(表1の例ii参照)を指定したとする。しかしながら、プレイヤキャラクタC1が保有する副素材のデータには、2個の骨の副素材が含まれていないが、原素材として竜骨(大)を保有しているとする。このとき、プレイヤによる操作部22の操作に応じて、プレイヤキャラクタC1は、図4(b)に示すように、原素材である竜骨(大)M4を副素材に転化するように「加工屋」に依頼する。これにより、素材転化手段8fは、1個の竜骨(大)M4から3個の骨の副素材M5を生成する。その結果、「ボーンオトモソード」の作製に必要な副素材(2個の骨の副素材)が入手できるため、前述したように、装備品作製手段8eによって、3個のうち2個の骨の副素材を用いてボーンオトモソードA3−2を作製する処理を行うことができる。
このように、味方用装備品を作製するときに副素材が足りない場合には、プレイヤの操作に応じて、素材転化手段8fが、原素材から、プレイヤ用装備品を作製する動作を介することなく、副素材を直接生成(転化)させる処理を行うことができる。これによって、プレイヤキャラクタC1が副素材を獲得するために、必要性のないプレイヤ用装備品の作製を行う必要がなくなる。
ここで、原素材から副素材を転化する場合は、原素材の情報に関連付けて副素材の情報が予め設定されていればよい。例えば、表3に示す4つの例のように、原素材の種類に応じて、1個の原素材から1〜3個の副素材を転化させることができる。なお、表3の例iiが図4(b)に示す例に対応する。
表3の例iおよび例iiiでは1個の原素材から1個の副素材のみしか得られないが、例ivでは1個の原素材から2個の副素材が得られ、例iiでは1個の原素材から3個の副素材が得られる。このように生成する副素材の個数が異なる理由は、本ゲームで設定されている原素材の価値の違いに基づいている。表3の例では、鉄鉱石および火竜の鱗の価値は略同等であり、火竜の尻尾はこれらよりも価値が高く、竜骨(大)は最も価値が高く設定されているため、生成する副素材の個数も価値に合わせて異なるように設定されている。また例iiiおよび例ivは、原素材が同じモンスター系であるため、生成する副素材も同じモンスター系の副素材となるが、原素材の価値が異なるため、得られる副素材の数も異なるよう設定されている。
なお、装備品作製手段8eおよび素材転化手段8fにおいては、原素材に設定されている属性も参照して、生成(または転化)する副素材の種類や個数を特定するように構成されてもよい。例えば、「火」の属性を有する原素材からは「火」の属性を有する副素材が生成されてもよいし、「水」の属性を有する原素材からは「水」の属性を有する副素材が生成されてもよいし、「火」の属性を有する原素材と「水」の属性を有する原素材とを用いた場合には、例えば「水」の属性を有する副素材が優先して生成されてもよい。言い換えれば、装備品作製手段8eおよび素材転化手段8fは、副素材を生成するときに参照する、ゲームデータ5bに含まれる原素材の情報には、原素材の種類、個数、寸法等に加えて、原素材の属性も含まれてよい。もちろん、ゲームの設定や世界観に応じて、これら以外の情報が含まれてもよいことはいうまでもない。
[副素材を生成する処理の説明]
次に、装備品作製手段8eが副素材を生成する処理の一例について、図5および図6を参照して具体的に説明する。図5および図6は、プレイヤ用装備品の作製に伴って副素材が生成する制御の一例をそれぞれ示すフローチャートである。
前述した通り、新たな素材である副素材は、原則としてプレイヤ用装備品の作製(生産および強化)に伴って生成するが、本ゲームでは、あらゆる種類のプレイヤ用装備品を作製したときに常に副素材を生成するのではなく、副素材が生成する条件をある程度絞り込んでおけばよい。
具体的には、プレイヤ用装備品が武器の場合には、武器を生産または強化したときには必ず副素材が得られる。一方、プレイヤ用装備品が防具の場合には、防具を生産したときには副素材が得られるが、防具を強化したときには副素材は得られない。また、プレイヤ用装備品が装飾品の場合には、装飾品を生産しても副素材は得られない。さらに装飾品においては、強化する処理は設定されておらず、代わりに武器または防具への取付けおよび取外しが可能に設定されているが、もちろん取付けおよび取外しにおいても副素材は得られない。
このように、装備品作製手段8eにおいては、特定のカテゴリーの特定のプレイヤ用装備品について、特定の動作を行ったときだけに副素材を生成するように処理することが好ましい。例えば、寸法の小さな装飾品を生産する過程で副素材が生成するとすれば、プレイヤから見れば原素材を無駄にしているように見えてしまうおそれがある。それゆえ、プレイヤから見て、副素材を生成する処理に違和感が生じないような条件を満たすときに、副素材を生成するように設定しておけばよい。
なお、上述の例では、武器の生産および強化と防具の生産については、一律で副素材を生成させているが、副素材の生成の処理はこれに限定されず、武器の種類または防具の種類に応じて、あるいは、用いられる原素材の種類に応じて、副素材が得られない条件を設定することもできるし、装飾品の生産時であっても、装飾品の種類によっては副素材が生成するように設定してもよい。
次に、副素材を生成する条件が、前述の通り、武器の生産または強化時と防具の生産時とに限定されている場合について、装備品作製手段8eによる副素材の生成の処理の一例を、図5を参照して説明する。なお、図5に示す処理フローは、特に、原素材に関する情報に基づいて、生成される副素材が決定される場合の処理を示している。
まず、図5に示すように、装備品作製手段8eは、プレイヤキャラクタC1が作製しようとするプレイヤ用装備品が装飾品であるか否かを判定する(ステップS101)。装飾品であれば(ステップS101でYES)、副素材の生成は不要なので処理を終了する。一方、装飾品でなければ(ステップS101でNO)、プレイヤ用装備品が防具であるか否かを判定する(ステップS102)。防具であれば(ステップS102でYES)、さらに防具の強化であるか否かを判定する(ステップS103)。防具の強化であれば(ステップS103でYES)、副素材の生成は不要なので処理を終了する。
プレイヤ用装備品が防具でない場合(ステップS102でNO)、または、プレイヤ用装備品が防具であり、かつ、防具の強化でない場合(ステップS103でNO)には、プレイヤキャラクタC1の要求が、武器の生産、武器の強化、防具の生産のいずれかであって、副素材を生成する条件に合致するので、次に、装備品作製手段8eは、武器の生産、武器の強化、または防具の生産に用いられる原素材が、複数種類であるか否かを判定する(ステップS104)。
複数種類である場合(ステップS104でYES)には、装備品作製手段8eは、この複数種類の原素材の中に優先度が高いものがあるか否かを判定する(ステップS105)。優先度が高い原素材が含まれていれば(ステップS105でYES)、さらに優先度の高い原素材が1種類であるか否かを判定する(ステップS106)。
優先度の高い原素材が1種類である場合(ステップS106でYES)、または、原素材が複数種類でなく1種類である場合(ステップS104でNO)には、装備品作製手段8eは、特定の1種類の原素材から予め設定されている副素材を生成し(ステップS107)、その後この一例の処理を終了する。
一方、前記複数種類の原素材の中に優先度の高いものがない場合(ステップS105でNO)、または、優先度の高い原素材が1種類でない場合(ステップS106でNO)には、装備品作製手段8eは、これら複数種類の原素材から予め設定されている副素材を生成し(ステップS107)、その後この一連の処理を終了する。
図5に示す処理の例では、原素材の種類および優先度をステップ毎に判定しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、前述した表2に示すように、少なくとも前記副素材の情報を、作製しようとするプレイヤ用装備品または原素材の情報とともに予め副素材生成テーブルとしてまとめて用意しておき、装備品作製手段8eは、武器の生産等において、前記副素材生成テーブルを参照して副素材を生成させる処理を行ってもよい。
この処理について、図6を参照して具体的に説明する。図6に示す例は、ゲームデータ5b中に予め用意しておいた副素材生成テーブルを参照して、作製しようとするプレイヤ用装備品に関連付けられた副素材を生成する場合の処理を示している。
まず、図6において、プレイヤキャラクタC1の要求が、装飾品に関するものであるか(ステップS201)、並びに、プレイヤ用装備品が防具で(ステップS202)その強化に関するものであるか(ステップS203)、を判定するステップは、図5に示すステップS101〜S103と同様であるが、プレイヤキャラクタC1の要求が、武器の生産、武器の強化、防具の生産のいずれかであれば、装備品作製手段8eは、前記副素材生成テーブルを参照し(ステップS204)、当該副素材生成テーブルから得られる情報(作製しようとするプレイヤ用装備品と生成する副素材とを関連付ける情報)に基づいて、武器または防具の種類に基づいた副素材を生成し(ステップS205)、この一連の処理を終了する。
このように、副素材生成テーブルを用いれば、装備品作製手段8eによる副素材の処理を簡素化することができる。また、副素材生成テーブルを設定しておく場合には、得られる武器または防具を基準とした方が、原素材の種類または組合せ等を基準とするよりも、生成される副素材を容易に特定できるという利点もある。
さらに、素材転化手段8fによって、原素材から副素材を直接生成(転化)する処理の例について説明する。素材転化手段8fは、プレイヤから原素材を副素材に転化させる要求があったときには、要求された副素材に対応する原素材があれば、原素材から副素材を直接生成(転化)する。例えば、プレイヤキャラクタC1が、副素材として骨の副素材を要求しているとする。このとき、骨の副素材を直接生成するためには、表3に示す例iiのように、プレイヤキャラクタC1が竜骨(大)を保持していればよいので、プレイヤキャラクタC1が竜骨(大)を保持していれば、素材転化手段8fは、原素材(竜骨(大))から副素材(骨の副素材)を直接3個生成する。
なお、本実施の形態で例示した副素材は、いわゆる「端材」であるが、本発明はこれに限定されず、武器または防具の作製過程で副生する副生材のようなものであってもよい。また、「加工屋」が、原素材から副素材として中間素材を調製するだけの作業を請け負うように構成してもよい。つまり、素材転化手段8fは、原素材から同系の副素材を生成するのではなく、中間素材を調製する処理を行うように構成されてもよい。
また、本実施の形態では、図5に示すフローチャートで例示したように、防具の強化または装飾品の生産時には副素材を生成しないが、本発明はこれに限定されず、装備品作製手段8eは、防具を強化したときに副素材を生成するように制御する構成であってもよいし、装飾品を生産したときにも副素材を生成するように制御する構成であってもよい。
さらに、本実施の形態では、副素材を生成するための手段として、装備品作製手段8e(及び素材転化手段8f)を例示しているが、本発明はこれに限定されず、コンピュータを、第一のアイテムを用いて新たなアイテムである第二のアイテムを作製するアイテム作製手段として機能させ、当該アイテム作製手段が、第一のアイテム及び第二のアイテムとは異なる第三のアイテムを生成し、さらに必要に応じて第四のアイテムを作製するように構成されていればよい。なお、本実施の形態では、前述したとおり、原素材が第一のアイテムに相当し、装備品が第二のアイテムに相当し、副素材が第三のアイテムに相当し、味方装備品が第四のアイテムに相当するが、第一〜第四のアイテムはこれら具体例に限定されず、ゲーム空間41内で設定されている他のさまざまなアイテムに適用することができる。
また、本実施の形態では、生成した副素材は、味方キャラクタC3が装備する味方用装備品の生産にのみ用いられるが、当該味方用装備品の強化に用いられてもよいし、プレイヤキャラクタC1が装備するプレイヤ用装備品の作製に利用してもよい。また、本実施の形態では、ゲーム装置が携帯ゲーム機である場合について例示したが、本発明はこれに限定されず、据え置き型のゲーム装置、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置においても適用することができる。