JP5800379B2 - マットレス - Google Patents

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Description

本発明は、物性の異なる軟質ポリウレタンフォームの積層体からなるマットレスに関するものである。
寝具用のマットレスなどに使用される軟質ポリウレタンフォームとして、特許文献1のような、体圧分散性に優れる低反発ポリウレタンフォームが使用されている。このような低反発ポリウレタンフォームは、長時間同じ体位を取っている場合でも、身体の荷重による局所的な圧迫によって起こる床ずれや血流障害を防ぐことができる。しかし、低反発ポリウレタンフォームは柔らかく、粘性が高いため、身体がフォームに沈み込みやすくなってしまい、体位を変換する際に、身体を支えることが困難となり、寝返りしにくくなるという問題があった。また、低反発ポリウレタンフォームは、低温下(冬季)では硬く、高温化(夏季)では柔らかい、というように、温度による硬さ変化(感温性)を伴う問題があった。
これを解決するために、硬めの軟質ポリウレタンフォームの上に柔かい軟質ポリウレタンフォームを積層して、身体の沈み込みを抑えることが特許文献2に開示されている。また、特許文献2には、身体の荷重が集中する部分の上層のフォーム厚みを厚くすると、寝返りした場合に、自然な沈み込みが可能であることが開示されている。
しかしながら、特許文献2のような軟質ポリウレタンフォームの積層体であっても、フォームが沈み込んでしまうのを解決するには不十分あった。
また、特許文献3のように、体圧分散性に優れ、沈み込みの少ない軟質ポリウレタン フォームと高弾性ポリウレタンフォームの積層体が記載されているが、軟質ポリウレタンフォームの密度や硬さを調整するだけでは、適度に沈み込みを抑えるには限界があった。
そこで、本出願人は、フォームの沈み込みやすさがヒステリシスロス率の大きさに起因していることに着目し、体圧分散性に優れ、寝返りしやすい上、低反発ポリウレタンフォームのような感温性もなく、耐久性に優れる軟質ポリウレタンフォームの開発に至った(特許文献4)。
このような軟質ポリウレタンフォームでも、ある程度の厚みを有するベッド用マットレス等に単層で使用する場合には、まだ部分的な沈み込みがあるものであった。
特開2000−5244号公報 特開2006−296461号公報 特許3886095号公報 特願2009−33012号
本発明は、体圧分散性に優れる寝具として使用でき、さらに寝返りしやすく、自然な寝姿勢が得られるマットレスを提供することを目的としている。
上記問題を達成するため、本発明は、物性の異なる軟質ポリウレタンフォームを積層させてなるマットレスであって、反発弾性が50%を超える高弾性ポリウレタンフォーム層に、表面層として反発弾性が25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを積層してなり、
更に前記マットレスは、頭部周辺領域A、胸部周辺領域B、腰部周辺領域C、脚部周辺領域Dの4つの領域からなり、前記表面層における幅方向全体の厚みが、A≧D>B>Cの関係になっているとともに、前記表面層が薄くなる分、前記高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みが、厚くなっていることを特徴とするマットレスである
このように、反発弾性が50%を超える高弾性ポリウレタンフォーム層に、表面層として低反発ポリウレタンフォームと同等の体圧分散性を有し、かつ高弾性ポリウレタンフォームと同様のヒステリシスロス率を有している、反発弾性が25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを積層すると、体圧分散性に優れ、適度な沈み込みが得られ、寝返りしやすい効果が得られる上、余計な沈み込みを抑えることができる。
また、マットレスが頭部周辺領域A、胸部周辺領域B、腰部周辺領域C、脚部周辺領域Dの4つの領域からなり、表面層における幅方向全体の厚みが、A≧D>B>Cの関係になっているとともに、表面層が薄くなる分、高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みが、厚くなっている。
そうすれば、フォーム物性との相乗効果により、より体圧分散性に優れ、適度な沈み込みが得られ、寝返りなど荷重移動した場合でも、部分的な沈み込みのない自然な寝姿勢が維持できる。
さらに、本発明の好ましい形態としては、A−B間、B−C間、C−D間の境界部分で、表面層および高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みが滑らかに変化している。
そうすれば、境界部分の硬さが、急激に変化することがないので、部分的な沈み込みのない自然な寝姿勢が維持でき、さらに寝心地に優れるものとなる。
本発明で使用する表面層の軟質ポリウレタンフォームは、低反発ポリウレタンフォームと同等の体圧分散性を有しながら、感温性がなく、耐久性に優れるフォームであり、その上、高弾性ポリウレタンフォームと同等のヒステリシスロス率を有しているため、体圧分散性に優れ、適度な沈み込みが得られ、寝返りしやすいフォームである。本発明は、このような軟質ポリウレタンフォームと高弾性ポリウレタンフォームを積層したので、体圧分散性に優れ、適度な沈み込みが得られ、寝返りしやすい効果に加え、余計な沈み込みを抑えることができる。
また、本発明は、表面層と高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みを調整して、身体の荷重が集中する部分の硬さを硬くし、さらに境界部分では、表面層および高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みを滑らかに変化させて、硬さの急激な変化が生じないような積層構造としたため、フォーム物性との相乗効果により、より体圧分散性に優れ、適度な沈み込みが得られ、寝返りなど荷重移動した場合でも、部分的な沈み込みのない自然な寝姿勢が維持でき、寝心地にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、反発弾性が50%を超える高弾性ポリウレタンフォーム層に、表面層として反発弾性が25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを積層したものである。
本発明において、表面層として使用される軟質ポリウレタンフォームは、一般的な低反発ポリウレタンフォームと同程度の反発弾性を有しながら、一般的な高弾性ポリウレタンフォームと同程度のヒステリシスロス率を有するため、体圧分散性に優れ、寝返りしやすく、さらに、低反発ポリウレタンフォームのような感温性もなく、耐久性にも優れるフォームである。
ここで、反発弾性とは、JIS K6400−3に準拠して測定した値である。反発弾性が大きすぎるフォームでは、マットレスなどの寝具に用いた場合、体圧分散性に劣り、寝心地を損ない、床ずれなどの原因となってしまうため、本発明の表面層では、適度に身体が沈み込んで、体圧分散性が得られるように、反発弾性を25%以下としたものである。
なお、JIS K6401では、低反発フォームの反発弾性は15%未満、高弾性フォームでは50%を超えるものと定義されている。
また、ヒステリシスロス率とは、JIS K6400−2 B法に準拠して測定した値であり、変形及び回復の1サイクルにおける機械的エネルギーの損失率を示す。すなわち、ヒステリシスロス率が小さいものほど、復元力があるということを意味している。
例えば、高弾性ポリウレタンフォームのヒステリシスロス率は25%程度であるのに対し、低反発ポリウレタンフォームでは53%程度である。そのため、高弾性ポリウレタンフォームでは、ヒステリシスロス率が低く、寝返りしやすいものであるが、低反発ポリウレタンフォームでは、体圧分散性には優れるが、ヒステリシスロス率が高いため、身体がフォームに沈み込みやすく、寝返りしにくい。
そのため、本発明の表面層は、ヒステリシスロス率を35%以下としたものである。そうすれば、寝返りなどで身体を動かした場合でも、荷重移動に応じて、身体がフォームに適度に沈み込み、かつ復元力が作用するので、寝返りしやすくなる。
以上のことから、本発明の表面層の軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が25%以下であり、ヒステリシスロス率が35%以下としたものである。
このような表面層の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、整泡剤、触媒、発泡剤およびその他の添加剤を用いて発泡、硬化させて得られる。
ポリオール成分としては、特に制限はなく、通常の軟質ポリウレタンフォームの原料として使用されるポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールを用いることができるが、水酸基価が10〜60mgKOH/gで、分子量が5000〜10000のポリオール(A)と、水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量400〜750のポリオール(B)と、水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量が500〜2000のポリオール(C)とを含有すると、反発弾性が25%以下であり、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを得られやすく、好ましい。
上記水酸基価が10〜60mgKOH/gで、分子量が5000〜10000のポリオール(A)は、活性水素数が2である開始剤を主成分として製造され、官能基が2.0〜2.4であることが好ましい。
上記水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量400〜750のポリオール(B)は、活性水素数が2である開始剤を主成分として製造され、官能基が2.0〜2.4であることが好ましい。
上記水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量が500〜2000のポリオール(C)は、活性水素数が3である開始剤を主成分として製造され、官能基が2.7〜3.0であることが好ましい。
本発明において、ポリオール(A)/ポリオール(B)=35〜50/65〜50の割合で用いると、低温雰囲気下においてもフォームが硬くなりにくく、体圧分散性能を発現するため、好ましい。
また、上記ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)に加え、エチレンオキシドの含有量が60〜90重量%のポリオール(D)を添加することが好ましい。ポリオール(D)を添加すると、フォームの連通化が促され、性状の良好なフォームが得られやすい。また、フォームの戻りが遅く、体圧分散性にも優れる。
ポリイソシアネート成分としては、特に制限がなく、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネートや、これらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを1種または2種以上の混合物で使用できる。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のポリイソシアネート、またこれらのプレポリマー型の変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。これらのうちでも、TDI、MDI、TDIとMDIの混合物が、発泡安定性に優れるため、好ましく用いられる。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、通常イソシアネートインデックスで表される。ポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネートインデックスで100以上であり、100〜130の範囲が好ましく、105〜120の範囲がより好ましい。イソシアネートインデックスが100未満であってもフォームは形成できるが、硬度の高いフォームが得られにくく、加熱又は水を含むと強度低下を起こすため、上記イソシアネートインデックスで製造されることが好ましい。
本発明の表面層の軟質ポリウレタンフォームに用いる整泡剤はポリシロキサン鎖およびポリオキシアルキレン鎖を有するシリコーン系化合物を含有するものが好ましく用いられる。シリコーン系化合物中のポリシロキサン鎖およびポリオキシアルキレン鎖は、ブロック型構造を有していてもよいし、主鎖のポリシロキサン鎖にポリオキシアルキレン鎖がグラフトしたグラフト型構造を有していてもよい。また、これらが混在した構造を有していてもよい。成形性がより改善されることから、グラフト型構造を有するシリコーン系化合物が好ましい。シリコーン系化合物のポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等の単一のオキシアルキレン基から構成されるもの、または、オキシエチレンオキシプロピレンブロック鎖、オキシエチレンオキシプロピレンランダム鎖等の複数種のオキシアルキレン基から構成されるものが挙げられ、これらの組み合わせから構成されていてもよい。 整泡剤は、シリコーン系化合物と他の化合物との混合物でもよい。他の化合物としては、グリコール類、ポリオキシアルキレン化合物が挙げられ、グリコール類が好ましい。
整泡剤の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して0.1質量部〜5質量部以下が好ましく、0.5質量部〜2質量部がより好ましい。整泡剤の使用量を0.1質量部以上とすることで、軟質ポリウレタンフォームを製造する際のセル粗れや陥没を抑制できる。また、整泡剤の使用量を5質量部以下とすることで、軟質ポリウレタンフォームの収縮を抑制できる。
本発明の表面層の軟質ポリウレタンフォームに用いる触媒としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類およびそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート等のカルボン酸金属塩などの有機金属化合物等が挙げられる。これらの中で、好ましいものは、3級アミン類であり、さらに好ましいのはトリエチレンジアミンおよびビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテルである。触媒の使用量は、ポリオール成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜6質量部、さらに好ましくは0.2〜5質量部である。
本発明の表面層の軟質ポリウレタンフォームに用いる発泡剤としては、水のみを発泡剤として用いるのが環境的に好ましいが、必要に応じてメチレンクロライド等の低沸点の有機化合物や、空気、二酸化炭素等の気体も使用することができる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームには、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を適宜添加してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系、ラクトン系等が、光安定剤としてはヒンダートアミン系、ベンゾエート系等が、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等が挙げられる。その他添加剤としては、必要に応じて従来公知の難燃剤、顔料等を使用できる。
本発明の表面層の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、従来の軟質ポリウレタンフォームの製造方法に基づいて行なうことができ、例えば、プレポリマー法、ワンショット法等を適用できる。
このようにして得られた軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下である。さらに、密度56〜64kg/m、硬さ57〜93Nであることが好ましい。
次に、本発明の高弾性ポリウレタンフォーム層について説明する。
本発明の高弾性ポリウレタンフォーム層で使用される軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が50%を超えるものである。好ましくは、51〜60%である。そうすれば、上記表面層を積層した場合、余計な沈み込みを抑えることができる。
このような高弾性ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、整泡剤、触媒、発泡剤およびその他の添加剤を用いて発泡、硬化させて得られる。
ポリオール成分としては、特に制限はなく、通常の軟質ポリウレタンフォームの原料として使用されるポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールを使用することができるが、官能基数が2〜3、水酸基価が15〜80mgKOH/g、分子量が2000〜8000のポリオールの群から選ばれた少なくとも1種および/または官能基数が2〜4、水酸基価56〜300mgKOH/g、分子量が600〜2000のポリオール群から選ばれた少なくとも1種とすれば、反発弾性が50%を超える高弾性フォームが得られやすい。
ポリイソシアネート成分としては、特に制限がなく、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネートや、これらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを1種または2種以上の混合物で使用できる。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネートインデックスで100以上であり、100〜130の範囲が好ましく、105〜120の範囲がより好ましい。
整泡剤としては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造原料として使用される整泡剤をそのまま使用することができる。具体的には、エチレンオキシド−プロピレンオキシドからなる界面活性剤や、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルの共重合体であるシリコーン系の界面活性剤が挙げられ、そのうちの1種または2種以上を混合して使用することができる。特に、ポリオールとの相溶性が良好なシリコーン系界面活性剤が好ましい。
触媒や発泡剤、添加剤としては、上記の表面層の軟質ポリウレタンフォームで使用できると挙げたものと同じものが使用でき、それらの使用量は、特に制限するものではなく、通常の軟質ポリウレタンフォームの製造の際に適用される使用量とすればよい。
本発明の高弾性ポリウレタンフォームの製造方法は、表面層と同様、従来の軟質ポリウレタンフォームの製造方法に基づいて行なうことができ、例えば、プレポリマー法、ワンショット法等を適用できる。
このようにして得られた高弾性ポリウレタンフォームは、反発弾性が50%を超えるものである。さらに、密度30〜50kg/m、硬さ105〜155Nであることが好ましい。
本発明は、上記高弾性ポリウレタンフォームに、上記軟質ポリウレタンフォームからなる表面層を積層させて得られるものである。このように、高弾性ポリウレタンフォームと積層することで、余計な沈み込みを抑えることができる。
さらに、本発明は、身体の荷重が集中する部分が他の部分より硬くなるように、表面層と高弾性ポリウレタンフォーム層のフォームの厚み比を変えて硬さを調節し、さらに境界部分の表面層および高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みを滑らかに変化させることで、硬さの急激な変化が生じないようにしたものである。そうすることで、フォーム物性との相乗効果により、より体圧分散性に優れ、適度な沈み込みが得られ、寝返りなど荷重移動した場合でも、部分的な沈み込みのない自然な寝姿勢が維持でき、寝心地にも優れるマットレスとなる。
以下、本発明の積層構造を図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明のマットレスの平面図、図2は表面層と高弾性ポリウレタンフォーム層の積層構造を説明するためのマットレスの側面図である。
一般的に、身体の荷重は、頭部、脚部、胸部、腰部の順に重くなる。そのため、本発明は、図1示すように、マットレス3を頭部周辺領域A、胸部周辺領域B、腰部周辺領域C、及び脚部周辺領域Dの4つに区切り、それぞれの部分の硬さを調整したものであり、図2のように、表面層1の厚みが、A≧D>B>Cの関係になるとともに、表面層1が薄くなる分、高弾性ポリウレタンフォーム層2の厚みが厚くなっている。
さらに本発明は、A−B間、B−C間、C−D間の境界部分では、表面層1および高弾性ポリウレタンフォーム層2の厚みが滑らかに変化している。そのため、境界部分において、硬さの急激な変化がなく、寝心地や寝返り性を損なわず、優れたマットレスが得られる。
また、一般的なマットレスの厚みは、80〜200mmであり、本発明のマットレスは、例えば、マットレスの厚みが180mmである場合、表面層の厚みが、30mm〜85mm、高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みが、95mm〜150mmであるのが好ましい。表面層が30mm未満であると、体圧分散性を悪化させる傾向にある。また、85mmを超えると、沈み込みが大きくなり、寝心地を損なうとともに、重量が増し、コストが上昇してしまう傾向にある。
マットレスの厚みを180mmとした場合、上記のような厚みの範囲であれば、硬さが、胸部周辺領域Bで135〜185N、腰部周辺領域Cで155〜200N、頭部周辺領域A及び脚部周辺領域Dで110〜165N、好ましくは、Bで150〜175N、Cで165〜185N、A及びDで130〜150Nとなるように、フォーム厚みを調整することができる。そうすれば、体圧分散性に優れ、寝返りしやすいマットレスが得られる。
なお、平均的な身体を基準とすると、マットレスの長さ1970mmに対して、Aは340mm〜400mm、Bは385mm〜445mm、Cは485mm〜545mm、Dは620mm〜680mmである。
本発明のマットレスの製造方法は、例えば、上記の方法で得られた表面層の軟質ポリウレタンフォーム、高弾性ポリウレタンフォームをそれぞれ部分的に厚みが変わるように二次元カッターなどで切断する。そして、軟質ポリウレタンフォームおよび/または高弾性ポリウレタンフォームの接着面に接着剤を塗布して貼り合わせる。接着剤の塗布方法には、フォームの厚さ変化に対応するために、スプレー塗布、フローコーティング等が挙げられるが、スプレー塗布が設備上安価であり好ましい。
また、接着剤としては、特に制限されるものではなく、一般的にウレタンフォームの接着に用いられる水溶性又は溶剤型のものを使用できる。具体的には、水溶性または溶剤型のウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の合成樹脂系接着剤や、合成ゴム系接着剤等が挙げられるが、特に安全面、環境面より、水溶性の接着剤が好ましい。
また、高弾性ポリウレタンフォーム層の裏面に、通気性を持たせるための加工を施してもよい。例えば、マットレスの幅方向に平行な溝を、長さ方向に複数設けたものや、格子状の溝を設けたものであってもよく、特に限定するものではない。
さらに、高弾性ポリウレタンフォーム層の裏面には、用途に応じて、他の層を設けでもよい。
一般的に、本発明のマットレスは、カバー材を被覆させて使用するものである。カバー材としては、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、綿等の天然繊維等の編織布が挙げられるが、本発明のマットレスの機能を損ねない、伸びを有するものであればよい。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は実施例に限られるものではない。
本実施例において、表1に示す物性を有する軟質ポリウレタンフォームを使用した。
(実施例1)
表面層として、厚さ70mmの軟質ポリウレタンフォーム1と、高弾性ポリウレタンフォーム層として、厚さ110mmの高弾性の軟質ポリウレタンフォーム2を積層したマットレスを得た。
(実施例2)
図2に示した積層構造の形状に、表面層の軟質ポリウレタンフォーム1と高弾性の軟質ポリウレタンフォーム2を二次元カッターで切断して積層したマットレスを得た。なお、厚さは、頭部周辺領域A及び脚部周辺領域Dでは表面層70mmと高弾性ポリウレタンフォーム層110mm、胸部周辺領域Bは55mmと125mm、腰部周辺領域Cは45mmと135mmとした。また、長さ方向のA、B、C、Dの長さは、それぞれ370mm、415mm、515mm、650mmとした。
(比較例1)
表面層が低反発の軟質ポリウレタンフォーム3であること以外は、実施例2と同じマットレスを得た。
なお、すべてのマットレスは、使用する両方の軟質ポリウレタンフォームの接着面に水溶性のクロロプレンゴム系接着剤を塗布して貼り合わせて形成した。また、得られたマットレスの大きさは、幅970mm、長さ1950mm、厚さ180mmであった。
得られたそれぞれのマットレスの頭部周辺領域A、胸部周辺領域B、腰部周辺領域C、脚部周辺領域Dで、以下の物性を測定した。結果を表2に示す。
測定方法
・密度 JIS K7222
・硬さ JIS K6400−2
・反発弾性 JIS K6400−3
・ヒステリシスロス率 JIS K6400−2 B法
・圧縮残留歪み、繰返圧縮残留歪み JIS K6400−4
Figure 0005800379

・ 軟質ポリウレタンフォーム1 OGA;アキレス株式会社製
・ 軟質ポリウレタンフォーム2 KI;アキレス株式会社製
・ 軟質ポリウレタンフォーム3 RIK;アキレス株式会社製
Figure 0005800379
実施例1について、高弾性ポリウレタンフォームを積層したため、表1の軟質ポリウレタンフォーム1の単層よりも、ヒステリシスロス率が小さくなり、適度な沈み込みが得られ、自然な寝姿勢が得られた。さらに耐久性にも優れるものであった。
実施例2のマットレスは、身体の荷重が集中する部分の硬さが、C>B>A=Dの関係となり、実施例1よりも寝心地や寝返りのしやすさに優れるマットレスが得られた。
また、ヒステリシスロス率が、厚みに関わらずほぼ一定であることから、寝返りなどで荷重移動しても、自然な寝姿勢を維持できた。
さらには、圧縮率が5〜10%と低い場合でも、硬さが低いため、入床時の寝心地を損なわないものであった。
その上、実施例2では、比較例1よりも繰返圧縮残留歪が小さいことから、耐久性にも優れるものであった。
それに対して、比較例1では、積層構造が実施例2と同様であるので、硬さがC>B>A=Dの関係となっているが、実施例2と比較して、硬さの差が大きいものであり、寝心地に劣るものであった。
また、実施例2と違い、ヒステリシスロス率が厚みによって変化しているため、自然な寝姿勢が得られにくいものであった。
さらに、圧縮率が5〜10%と低い場合に、硬いため、入床時の寝心地があまりよくないものであった。
本発明は、体圧分散性に優れる寝具として使用できるマットレスであって、さらに適度な沈み込みが得られ、寝返りなど荷重移動した場合でも、部分的な沈み込みのない自然な寝姿勢が維持でき、寝心地にも優れる。
本発明のマットレスの平面図 本発明の積層構造を説明するためのマットレスの側面図
1・・・表面層、2・・・高弾性ポリウレタンフォーム層、3・・・マットレス
A・・・頭部周辺領域、B・・・胸部周辺領域、C・・・腰部周辺領域、D・・・脚部周辺領域
a・・・A−B間境界部分、b・・・B−C間境界部分、c・・・B−C間境界部分

Claims (2)

  1. 物性の異なる軟質ポリウレタンフォームを積層させてなるマットレスであって、反発弾性が50%を超える高弾性ポリウレタンフォーム層に、表面層として反発弾性が25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを積層してなり、
    更に前記マットレスは、頭部周辺領域A、胸部周辺領域B、腰部周辺領域C、脚部周辺領域Dの4つの領域からなり、前記表面層における幅方向全体の厚みが、A≧D>B>Cの関係になっているとともに、前記表面層が薄くなる分、前記高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みが、厚くなっていることを特徴とするマットレス。
  2. 前記A−B間、B−C間、C−D間の境界部分では、表面層および高弾性ポリウレタンフォーム層の厚みが滑らかに変化していることを特徴とする請求項に記載のマットレス。
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