JP2011056130A - 軟質ポリウレタンフォームからなる枕芯材及び枕 - Google Patents

軟質ポリウレタンフォームからなる枕芯材及び枕 Download PDF

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Abstract

【課題】仰向け、横向けのどちらの寝姿勢にも対応した軟質ポリウレタンフォームからなる枕であって、適度な沈み込みで寝返りしやすく、さらに頭の荷重分散性に優れる枕を提供する。
【解決手段】反発弾性25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下である軟質ポリウレタンフォームからなり、枕芯材の中央部には仰向けの寝姿勢で頭を置くための凹部3、及び両端部には横向きの寝姿勢で頭を置くための凸部2が設けられている。
【選択図】図1

Description

本願発明は、横向き、仰向きのどちらの寝姿勢にも対応した軟質ポリウレタンフォームからなる枕芯材及び枕に関するものである。
枕の高さは使用者によって好みが分かれるため、様々な高さの枕が販売されており、使用者は自分の好みの高さの枕を選んで購入するのが一般的である。このような枕は、仰向けに寝る場合を想定したものが多く、枕全体の高さが一定のものであるが、そうすると、寝返りなどで横向きに寝る場合、肩が下にくるので、頭の位置が仰向けに寝るときよりも高くなり、枕が低いと感じるものであった。
そこで、頭を載せる部分の高さを、仰向けに寝る場合と横向けに寝る場合で変えてあり、どちらの寝姿勢にも対応した枕が提案されている(特許文献1)。
また、このような仰向け、横向けのどちらの寝姿勢にも対応した枕であって、頭を載せる部分が平坦であると、頭が固定されず、安定感が得られないことから、頭がフィットするように、頭を載せる部分を湾曲形状とした枕が提案されている(特許文献2)。
この場合、特許文献2では、枕の芯材としてウレタンチップ集成ゴムが使用されているが、他にも枕芯材としては、羽毛や綿などの繊維、ビーズなどの粒状物を筒状または袋状のカバー材に充填したもの、或いは軟質ポリウレタンフォームのようなクッション性のある合成樹脂発泡体のブロックを特定の形状に切断したものが用いられている。
特に、低反発ポリウレタンフォームからなる枕芯材であれば、硬さを感じることなく、頭をフォームに沈み込ませて安定させることができるので、特許文献2のように頭を載せる部分に湾曲形状を設ける必要がないものである(特許文献3)。
しかしながら、低反発ポリウレタンフォームは、温度依存性があり(感温性)、気温が高い夏場はフォームが柔らかくなり変形しやすく、気温が低い冬場はフォームが硬くなるものであった。また、低反発性であるため荷重の分散性には優れるが、頭の沈み込みが大きすぎて寝返りし難くなってしまう問題があった。
実開平03―7772号公報 登実3119790号公報 特開平07―067757号公報
本願発明は、仰向け、横向けのどちらの寝姿勢にも対応した枕であって、頭がフォームに適度に沈み込んで寝返りしやすく、さらに頭の荷重分散性に優れる枕を提供するものである。
上記課題を解決するため、本願発明は、仰向け及び横向けの寝姿勢に対応した枕芯材であって、反発弾性25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下である軟質ポリウレタンフォームからなり、枕芯材の中央部には仰向けの寝姿勢で頭を置くための凹部、及び両端部には横向きの寝姿勢で頭を置くための凸部が設けられていることを特徴とするものである。
上記軟質ポリウレタンフォームは、一般的な低反発ポリウレタンフォームと同程度の反発弾性を有しながら、一般的な高弾性ポリウレタンフォームと同程度のヒステリシスロス率を有するため、頭がフォームに適度に沈み込んで、頭部形状にフィットさせることができ、寝返りしやすく、さらに荷重分散性にも優れるものである。また、上記軟質ポリウレタンフォームを用いるため、本願発明のように、凹部と凸部を有している形状であっても、寝返りする際に、頭がフォームに適度に沈み込んでいるので、余計な力を入れずに、頭を載せる位置を凹部から凸部、又は凸部から凹部へスムーズに移動させることができる。
また、本願発明は、枕芯材の首周りに接触する部分に、湾曲形状の窪み部が形成されていてもよい。そうすれば、首が自然に支持され、寝返りする際の肩まわりも楽にでき、より寝心地に優れる。
また、本願発明は、枕芯材の凹部と凸部の境界部分の形状が、滑らかな曲線であることが好ましい。そうすれば、よりスムーズに寝返りができるようになる。
また、枕芯材に通気孔を設けることが好ましい。そうすれば、蒸れ感を軽減でき、快適な睡眠が得られる。
上記のような枕芯材には、枕芯材の形状にフィットした枕カバーを被覆することが好ましい。そうすれば、本願発明で用いる軟質ポリウレタンフォームの感触を損なうことなく、枕芯材の意匠性も維持できる。
本願発明は、仰向け及び横向けの寝姿勢に対応した枕芯材であって、反発弾性25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下である軟質ポリウレタンフォームからなり、枕芯材の中央部には仰向けの寝姿勢で頭を置くための凹部、及び両端部には横向きの寝姿勢で頭を置くための凸部が設けられているため、頭がフォームに適度に沈み込んで、頭部形状にフィットさせることができ、寝返りしやすく、さらに荷重分散性にも優れ、寝心地のよいものである。
また、枕芯材の首周りに接触する部分に、湾曲形状の窪み部が形成されていれば、首が自然に支持され、寝返りする際の肩まわりも楽にでき、より寝心地に優れる。
さらに、枕芯材の凹部と凸部の境界部分の形状が、滑らかな曲線であれば、よりスムーズに寝返りができるようになる。
その上、枕芯材に通気孔を設ければ、蒸れ感を軽減できる。
上記のような枕芯材に、枕芯材の形状にフィットした枕カバーを被覆すれば、本願発明で用いる軟質ポリウレタンフォームの感触を損なうことなく、枕芯材の意匠性も維持できる本願発明の枕となる。
以下、本願発明を詳細に説明する。
本願発明は、反発弾性が25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを、仰向け、横向けのどちらの寝姿勢にも対応するように、枕の中央部に凹部、両端部に凸部を設けるように形成した枕芯材である。
本願発明で用いられる軟質ポリウレタンフォームは、一般的な低反発ポリウレタンフォームと同程度の反発弾性を有しながら、一般的な高弾性ポリウレタンフォームと同程度のヒステリシスロス率を有するため、荷重分散性に優れ、さらに、低反発ポリウレタンフォームのような感温性もなく、耐久性にも優れるフォームである。
ここで、反発弾性とは、JIS K6400−3に準拠して測定した値である。枕などの寝具に用いた場合、反発弾性が大きすぎるフォームでは、頭の荷重分散性に劣り、寝心地を損なってしまうが、反発弾性が小さいものは、荷重分散性に優れ、頭を沈み込ませて安定させることができるもである。
そこで、本願発明の枕芯材では、頭がフォームに適度に沈み込んで、荷重分散性が得られるように、反発弾性が25%以下の軟質ポリウレタンフォームを用いたものである。
なお、JIS K6401では、低反発フォームの反発弾性は15%未満、高弾性フォームでは50%を超えるものと定義されている。
また、ヒステリシスロス率とは、JIS K6400−2 B法に準拠して測定した値であり、変形及び回復の1サイクルにおける機械的エネルギーの損失率を示す。すなわち、ヒステリシスロス率が小さいものほど、復元力があるということを意味している。
例えば、高弾性ポリウレタンフォームのヒステリシスロス率は25%程度であるのに対し、低反発ポリウレタンフォームでは53%程度である。そのため、高弾性ポリウレタンフォームでは、ヒステリシスロス率が小さいので、復元力が大きく、寝返りしやすいものである。一方、低反発ポリウレタンフォームでは、荷重分散性には優れるが、ヒステリシスロス率が大きいので、復元力が小さく、頭がフォームに沈み込み過ぎてしまい、寝返りしにくい傾向にある。
そのため、本願発明は、ヒステリシスロス率を35%以下としたものである。そうすれば、寝返りなどで頭を動かした場合でも、荷重移動に応じて、頭がフォームに適度に沈み込み、かつ復元力が作用するので、寝返りしやすくなる。
以上のことから、本願発明の枕芯材に用いる軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が25%以下であり、ヒステリシスロス率が35%以下としたものである。
このような枕芯材の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、整泡剤、触媒、発泡剤およびその他の添加剤を用いて発泡、硬化させて得られる。
ポリオール成分としては、特に制限はなく、通常の軟質ポリウレタンフォームの原料として使用されるポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールを用いることができるが、水酸基価が10〜60mgKOH/gで、分子量が5000〜10000のポリオール(A)と、水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量400〜750のポリオール(B)と、水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量が500〜2000のポリオール(C)とを含有すると、反発弾性が25%以下であり、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを得られやすく、好ましい。
上記水酸基価が10〜60mgKOH/gで、分子量が5000〜10000のポリオール(A)は、活性水素数が2である開始剤を主成分として製造され、官能基が2.0〜2.4であることが好ましい。
上記水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量400〜750のポリオール(B)は、活性水素数が2である開始剤を主成分として製造され、官能基が2.0〜2.4であることが好ましい。
上記水酸基価が70〜250mgKOH/gで、分子量が500〜2000のポリオール(C)は、活性水素数が3である開始剤を主成分として製造され、官能基が2.7〜3.0であることが好ましい。
本発明において、ポリオール(A)/ポリオール(B)=35〜50/65〜50の割合で用いると、低温雰囲気下においてもフォームが硬くなりにくく、荷重分散性能を発現するため、好ましい。
また、上記ポリオール(A)、ポリオール(B)、ポリオール(C)に加え、エチレンオキシドの含有量が60〜90重量%のポリオール(D)を添加することが好ましい。ポリオール(D)を添加すると、フォームの連通化が促され、性状の良好なフォームが得られやすい。また、フォームの戻りが遅く、荷重分散性にも優れる。
ポリイソシアネート成分としては、特に制限がなく、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネートや、これらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを1種または2種以上の混合物で使用できる。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のポリイソシアネート、またこれらのプレポリマー型の変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。これらのうちでも、TDI、MDI、TDIとMDIの混合物が、発泡安定性に優れるため、好ましく用いられる。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、通常イソシアネートインデックスで表される。ポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネートインデックスで100以上であり、100〜130の範囲が好ましく、105〜120の範囲がより好ましい。イソシアネートインデックスが100未満であってもフォームは形成できるが、硬度の高いフォームが得られにくく、加熱又は水を含むと強度低下を起こすため、上記イソシアネートインデックスで製造されることが好ましい。
本願発明の枕芯材の軟質ポリウレタンフォームに用いる整泡剤はポリシロキサン鎖およびポリオキシアルキレン鎖を有するシリコーン系化合物を含有するものが好ましく用いられる。シリコーン系化合物中のポリシロキサン鎖およびポリオキシアルキレン鎖は、ブロック型構造を有していてもよいし、主鎖のポリシロキサン鎖にポリオキシアルキレン鎖がグラフトしたグラフト型構造を有していてもよい。また、これらが混在した構造を有していてもよい。成形性がより改善されることから、グラフト型構造を有するシリコーン系化合物が好ましい。シリコーン系化合物のポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等の単一のオキシアルキレン基から構成されるもの、または、オキシエチレンオキシプロピレンブロック鎖、オキシエチレンオキシプロピレンランダム鎖等の複数種のオキシアルキレン基から構成されるものが挙げられ、これらの組み合わせから構成されていてもよい。 整泡剤は、シリコーン系化合物と他の化合物との混合物でもよい。他の化合物としては、グリコール類、ポリオキシアルキレン化合物が挙げられ、グリコール類が好ましい。
整泡剤の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して0.1質量部〜5質量部以下が好ましく、0.5質量部〜2質量部がより好ましい。整泡剤の使用量を0.1質量部以上とすることで、軟質ポリウレタンフォームを製造する際のセル粗れや陥没を抑制できる。また、整泡剤の使用量を5質量部以下とすることで、軟質ポリウレタンフォームの収縮を抑制できる。
本願発明の枕芯材の軟質ポリウレタンフォームに用いる触媒としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類およびそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート等のカルボン酸金属塩などの有機金属化合物等が挙げられる。これらの中で、好ましいものは、3級アミン類であり、さらに好ましいのはトリエチレンジアミンおよびビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテルである。触媒の使用量は、ポリオール成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜6質量部、さらに好ましくは0.2〜5質量部である。
本願発明の枕芯材の軟質ポリウレタンフォームに用いる発泡剤としては、水のみを発泡剤として用いるのが環境的に好ましいが、必要に応じてメチレンクロライド等の低沸点の有機化合物や、空気、二酸化炭素等の気体も使用することができる。
本願発明の軟質ポリウレタンフォームには、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を適宜添加してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系、ラクトン系等が、光安定剤としてはヒンダートアミン系、ベンゾエート系等が、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等が挙げられる。その他添加剤としては、必要に応じて従来公知の難燃剤、顔料等を使用できる。
本願発明の枕芯材の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、従来の軟質ポリウレタンフォームの製造方法に基づいて行なうことができ、例えば、プレポリマー法、ワンショット法等を適用できる。
このようにして得られた軟質ポリウレタンフォームは、反発弾性が25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下である。
次に、本願発明の枕芯材の形状について、図面に基づいて説明する。ここで、図1は本願発明の枕芯材の斜視図、図2は正面図、図3は平面図、図4は本願発明の枕芯材であって、通気孔を設けた場合の平面図、図5は本願発明の枕の斜視図、図6は断面形状が半瓢箪である比較例4の斜視図、図7は荷重分布図であり、斜線部は頭の位置を示す。
本願発明の枕芯材の形状は、例えば、図1〜図3のように、中央部に凹部3、両端部に凸部2が設けられている。このような形状であれば、仰向け時には、中央部の凹部3に頭を置き、横向け時には、両端部の凸部2に頭を置くことができるので、どちらの寝姿勢にも対応した枕芯材1となる。
また、上記軟質ポリウレタンフォームを用いるため、本願発明のように、凹部3と凸部2を有している形状であっても、寝返りする際に、頭がフォームに適度に沈み込んでいるので、余計な力を入れずに、頭を載せる位置を凹部3から凸部2、又は凸部2から凹部3へスムーズに移動させることができる。
枕芯材が軟質ポリウレタンフォームからなる枕の一般的な大きさは、幅400mm〜600mm、長さ250mm〜400mm、高さ50mm〜120mmである。例えば、幅500mmの場合、本願発明の枕芯材では、上記凸部2は、枕芯材の幅方向に対して、片側100mm〜200mmであることが好ましい。また、凹部3は、幅方向に対して、100mm〜300mmであることが好ましい。そうすれば、寝返りするだけで、頭が凹部から凸部に移動でき、無駄な動きを行わないですむ。
このような凸部2と凹部3の高さの差は、15mm〜50mmであることが好ましい。50 mmよりも大きければ、横向きから仰向けに寝返りする場合、頭が落下するように感じたり、寝返りし難くなる虞がある。また、15mmよりも小さければ、横向きの寝姿勢時の高さが不十分となり、寝心地が良くなく、不自然な寝姿勢となってしまう傾向にある。
なお、このような高低差は、本願の軟質ポリウレタンフォームを用いるからであって、本願の軟質ポリウレタンフォームよりも、沈み込みの大きい低反発ポリウレタンフォーム、或いは沈み込みの少ない一般軟質ポリウレタンフォームや高弾性ポリウレタンフォームを用いた場合では、上記高低差としても、本願のように、寝返りのしやすい枕となるものではない。
別の実施形態としては、図3のように、枕芯材の首周りが接触する部分に、湾曲形状の窪み部4が形成されていてもよい。そうすれば、首が自然に支持され、寝返りする際の肩周りも楽にでき、より寝心地に優れる。
また、凹部と凸部の境界部分は、滑らかな曲線状に形成されていれば、さらにスムーズに寝返りを行うことができるため好ましい。
さらに、枕芯材に通気孔を設ければ、蒸れ感を軽減できる。設ける箇所や孔形状については、特に限定しないが、本願発明の枕の効果を損ねなければよい。
例えば、図4のように、縦方向に貫通した通気孔5を等間隔で設けてもよく、通気孔の径の大きさを、部分的に変えてもよい。
本願発明の枕芯材の製造方法としては、例えば、上記の方法で得られた軟質ポリウレタンフォームのブロック体を2次元カッターなどで切断する。
次に、本願発明の枕について説明する。
図5のように、本願発明の枕は、上記のように得られた枕芯材に、枕芯材の形状にフィットしたカバー材を被覆させてなるものである。
ここで、“枕芯材の形状にフィットした”とは、例えば、本願発明でいう凸部と凹部の境界部分や首周りの窪み部4の形状を損ねずにフィットしたもので、使用時においても、部分的にカバー材に皺が寄ったり、撓むことがなく、枕芯材の形状を維持していることを意味する。
このようなカバー材としては、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、綿等の天然繊維等の編織布が挙げられるが、枕形状にフィットするように、伸縮性のある素材を用いることが好ましい。そうすれば、本願発明で用いる軟質ポリウレタンフォームの感触を損なうことなく、枕芯材の意匠性も維持できる。
また、部分的にメッシュ生地などの通気性を有する布を用いてもよい。特に、通気孔を設けた箇所に、メッシュ生地を用いれば、より通気性のよい枕となる。例えば、図4のように上下方向に貫通する通気孔を設けた場合、枕底面と背面にメッシュ生地を設ければよい。
或いは、2重にカバー材を設けてもよく、例えば、頭が直接接触する表面側のカバー材を脱着可能にすれば、カバー材を洗濯することができ、清潔性を保つことができる。
さらに、このような伸縮性のある素材を立体裁断して縫製すれば、より枕形状にフィットしたカバー材を設けることができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は実施例に限られるものではない。
表1に示す物性を有する軟質ポリウレタンフォームを使用して、図1に示す本願発明の形状の枕芯材を作成し、それぞれ実施例1及び比較例1〜3とした。具体的には、全体の大きさが幅500mm、長さ330mmであって、凸部の幅が両端部それぞれ150mm、高さ100mm、凹部の幅200mm、高さ70mmであり、首周りが接触する部分には、湾曲形状の窪み部を形成するように、軟質ポリウレタンフォームのブロック体を2次元カッターで切断した。
使用した軟質ポリウレタンフォーム及び物性の測定方法を以下に示す。
実施例1:本願発明に用いられる軟質ポリウレタンフォーム(OGA:アキレス株式会社製)
比較例1:低反発ポリウレタンフォーム(RIK:アキレス株式会社製)
比較例2:一般的な軟質ポリウレタンフォーム(HD:アキレス株式会社製)
比較例3:高弾性ポリウレタンフォーム(KI:アキレス株式会社製)
〔測定方法〕
密度 JIS K7222
硬さ JIS K6400−2
反発弾性 JIS K6400−3
ヒステリシスロス率 JIS K6400−2 B法
また、比較例4として、図6に示す縦断面が半瓢箪形状の低反発ポリウレタンフォームからなる枕芯材を用意した(低反発ウォッシャブルピロー;篠原化学株式会社製)。なお、この枕芯材の大きさは、幅500mm、長さ330mm、高さ70〜100mmである。
実施例2として、全体の大きさが幅500mm、長さ330mmであって、凸部の幅が両端部それぞれ130mm、高さ80mm、凹部の幅240mm、高さ55mmであり、首周りに接する部分に湾曲形状の窪み部を形成するように、実施例1と同様の軟質ポリウレタンフォームのブロック体を2次元カッターで切断し、上下方向に貫通する通気孔を、図4に示すように設けた枕芯材を得た。
上記6種類の枕芯材において、以下に示す測定方法によって、荷重分散性及び沈み込み量の測定を行った。
〔荷重分散性〕
枕芯材に座面用センサーを設置し、FSA体圧分布測定装置(カナダ製)において、仰向けに寝た状態における頭の荷重(圧力)を測定し、最高圧力(mmHg)、平均圧力(mmHg)および1mmHg以上の荷重を検出したセンサー接触数を測定した。座面用センサーは、縦500mm、横540mmの大きさで、センサー数は縦16列、横16列の計256個のものを使用した。また、体重の異なる2人の被験者を対象にして、仰向け状態をとってから3分後に計測を行った。測定結果を表2に示す。なお、一般的に、頭部の重さは、体重の約8%を占めると言われている。
また、実施例2及び比較例4での荷重分布図を図7に示す。荷重分布図とは、上記測定で得られた荷重の大きさを色調の段階的変化で図示したものである。
〔沈み込み量〕
比較例4以外の枕芯材において、直径220mm、6.8kgのボーリング用ボールを枕芯材の凹部に載置し、3分後の沈み込み量を計測した。測定結果を表3に示す。
表2より、実施例1及び2は、低反発ポリウレタンフォームを用いた比較例1及び4と同程度の圧力を示し、一般軟質ポリウレタンフォームや高弾性ポリウレタンフォームを用いた比較例2や3と比較して、低いものであった。また、センサー接触数とは、荷重が分散している範囲の広さを示しているため、センサー接触数の多い実施例1、2や比較例1、4は、荷重分散性に優れるものであった。
以上より、実施例1及び2の枕芯材は、低反発ポリウレタンフォームと同程度の荷重分散性を有し、頭をフォームに沈み込ませて頭部形状にフィットさせることができるものであった。
また、図7(a)の左図は実施例2(体重58kg)の荷重分布図であって、右図の斜線部は、荷重測定時の頭の位置を示している。図7(b)の左図は比較例4(体重58kg)の荷重分布図であって、右図の斜線部は、荷重測定時の頭の位置を示している。
図7より、枕形状によって、荷重が分散している範囲が異なっていることがわかる。実施例2では頭部形状に応じた略楕円形の範囲で荷重を分散しており、一方、比較例4では、荷重が略三角形の範囲で荷重を分散している。すなわち、センサー接触数は同程度であるが、本願発明の形状の方が、比較例4のような半瓢箪形状よりも、均一に荷重を分散することができるものであった。
表3より、沈み込み量は、低反発ポリウレタンフォームである比較例1がもっとも大きく、次いで実施例2、実施例1、比較例2、3の順に、小さくなった。このように、比較例1は頭が沈み込み過ぎてしまい、荷重分散性には優れるが、寝返りし難いものであった。また、比較例2や3では、沈み込み量が小さく、寝返りしやすいものであったが、頭の安定感(フィット感)や荷重分散性に劣るため、寝心地を悪化させるものであった。
それに対し、実施例1及び2は、反発弾性が25%以下であって、ヒステリシスロス率が35%以下の軟質ポリウレタンフォームを用いたため、低反発ポリウレタンフォームと同等の荷重分散性を有し、頭がフォームに適度に沈み込んで頭部形状にフィットさせることができ、また高弾性ポリウレタンフォームと同等のヒステリシスロス率であるので、寝返りしやすいものであった。
本願発明は、仰向け、横向けのどちらの寝姿勢にも対応した枕芯材であって、さらに頭がフォームに適度に沈み込んで頭部形状にフィットしやすい軟質ポリウレタンフォームを用いているので、寝返りしやすく、自然な寝姿勢を維持するのに適している。
本願発明の枕芯材の斜視図 本願発明の枕芯材の正面図 本願発明の枕芯材の平面図 本願発明の枕芯材であって、通気孔を設けた場合の平面図 本願発明の枕の斜視図 比較例4の枕芯材の側面図或いは斜視図 荷重分布図(a)実施例2 (b)比較例4
1・・・枕芯材、2・・・凸部、3・・・凹部、4・・・窪み部、5・・・通気孔

Claims (5)

  1. 仰向け及び横向けの寝姿勢に対応した枕芯材であって、反発弾性25%以下、ヒステリシスロス率が35%以下である軟質ポリウレタンフォームからなり、枕芯材の中央部には仰向けの寝姿勢で頭を置くための凹部、及び両端部には横向きの寝姿勢で頭を置くための凸部が設けられていることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームからなる枕芯材。
  2. 前記枕芯材の首周りに接触する部分に、湾曲形状の窪み部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォームからなる枕芯材。
  3. 前記枕芯材の凹部と凸部の境界部分の形状が、滑らかな曲線であることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームからなる枕芯材。
  4. 前記枕芯材に通気孔を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームからなる枕芯材。
  5. 請求項1〜4記載の枕芯材に、前記枕芯材の形状にフィットしたカバー材を被覆してなることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームからなる枕。
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