JP5798088B2 - 仮固定用液状組成物及びそれを用いた半導体装置または光学表示パネルの製造方法 - Google Patents

仮固定用液状組成物及びそれを用いた半導体装置または光学表示パネルの製造方法 Download PDF

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本発明は、仮固定用液状組成物及びそれを用いた半導体装置または光学表示パネルの製造方法に関する。
従来から半導体装置や光学表示パネル等の製造過程においては、シリコンウエハ等の基材と支持体やガラスからなるキャリア基板と加工されるガラス基板およびフィルムを一時的に固定するために仮固定材料が使用されている。仮固定には、ピンで固定する方法や粘着テープ、溶剤系の粘着剤等で固定する手法が広く用いられている。粘着剤としては、アクリル粘着剤等の合成樹脂粘着剤やシリコーン粘着剤が知られている。
また、コスト削減および環境負荷低減の観点から、一連の製造工程を経た後、キャリア基板と加工された固片基板は分離され、キャリア基板は再利用されるため、仮固定材料には良好なリワーク性を有することが求められているが、粘着剤を用いた場合、リワーク性に問題があった。
近年、半導体装置や光学表示パネル等の製造過程において特殊な化学処理や200〜300℃の高温プロセスを用いるケースが増加しているが、従来の仮固定材料ではこれらの工程に耐えられず、位置ずれなどが発生する要因となるという問題があった。
耐熱性が重視される仮固定材料には、シリコーン系粘着剤(特許文献1)や、シリコーンゴム系粘着剤(特許文献2)が知られているが、いずれの材料も200℃以上の高温プロセスでのリワーク性を満足するものではない。
そのため、キャリア基板を分離する際に光照射および薬品処理等の特殊な工程を必要するという問題があった。
特開昭63−22886公報 特開2004−189945公報
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、高温プロセスへの耐性があり、かつ、特殊な工程を必要としない簡易な方法でリワーク可能な仮固定用の付加反応硬化型液状組成物及びそれを用いた半導体装置または光学表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する、25℃における粘度が10〜100,000mPa・sの直鎖状オルガノポリシロキサン、
(B)下記平均組成式(1)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、上記(A)成分中の全ケイ素原子結合アルケニル基に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、
SiO(4−a−b)/2 (1)
(式中、Rは独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数である。但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
(C)白金族金属系触媒を有効量、
(D)有機系離型剤を、上記(A)成分100質量部に対し0.1〜20質量部、
を含むことを特徴とする仮固定用液状組成物を提供する。
このような仮固定用液状組成物は、加熱または室温による硬化が可能であり、200〜300℃の高温プロセスにも変質することない耐熱性を有し、かつ、良好なリワーク性を与えることができる。
前記(D)成分が、脂肪酸、脂肪酸誘導体もしくはそれらの金属塩であることが好ましい。
前記(D)成分が、常圧での融点が、40℃から150℃であることが好ましい。
このような(D)成分を用いることにより、得られる仮固定用液状組成物に一層高いリワーク性を与えることができる。
半導体装置または光学表示パネルを製造する際、上記の仮固定用液状組成物の硬化物で基材と支持体を仮固定することが好ましい。
上記の仮固定用液状組成物を半導体装置または光学表示パネル等の製造過程に使用すると、高品質な半導体装置または光学表示パネル等を効率よく製造することができる。
以上説明したように、本発明の仮固定用液状組成物は、200〜300℃の高温工程でも変質することなく、かつ、良好なリワーク性を与えるので、半導体装置または光学表示パネルの製造過程において好適な仮固定材となり、当該仮固定用液状組成物を使用して製造した半導体装置または光学表示パネルは、高品質となる。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する直鎖状オルガノポリシロキサン、(B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)白金族金属系触媒、(D)有機系離型剤を必須成分とする付加反応硬化型シリコーンゴムである仮固定用液状組成物を用いることで、加熱または室温による硬化が可能であり、200〜300℃の高温プロセスにも変質することない耐熱性を有し、かつ、良好なリワーク性を与えるという知見を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する、25℃における粘度が10〜100,000mPa・sの直鎖状オルガノポリシロキサン、
(B)下記平均組成式(1)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、上記(A)成分中の全ケイ素原子結合アルケニル基に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、
SiO(4−a−b)/2 (1)
(式中、Rは独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
(C)白金族金属系触媒を有効量、
(D)有機系離型剤を、上記(A)成分100質量部に対し0.1〜20質量部、
を含むことを特徴とする仮固定用液状組成物である。
以下、上記組成物の(A)〜(D)の各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、Meはメチル基を表し、Viはビニル基を表す。
<(A)成分>
(A)成分は、組成物の硬化後にゴム弾性をもたらすための成分である。(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜5個有し、25℃における粘度が10〜100,000mPa・s、好ましくは100〜5,000mPa・sの、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、基本的に直鎖状の分子構造を有するオルガノポリシロキサンである。粘度が100,000mPa・sを超える場合には、組成物の粘度が高くなり過ぎ、作業性が低下する。
なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定した値である。以下、同様である。
前記ケイ素原子に結合したアルケニル基は、炭素原子数が、通常2〜8のものであり、好ましくは2〜4のものである。その具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
このケイ素原子に結合したアルケニル基は、(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子中において、分子鎖末端及び分子鎖非末端(即ち、分子鎖側鎖)のいずれかに存在しても、あるいはこれらの両方に存在してもよいが、少なくとも分子鎖両末端に存在することが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサン分子中において、前記アルケニル基以外の、ケイ素原子に結合した有機基は、脂肪族不飽和結合を有しないものであれば特に限定されず、例えば、非置換又は置換の、炭素原子数が、通常、1〜12、好ましくは1〜10の一価炭化水素基である。この非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、例えば、下記平均組成式(2)で表される。
SiO(4−c−d)/2 (2)
(式中、Rは独立に脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Rは独立にアルケニル基であり、cは1.9〜2.1の数、dは0.005〜1.0の数であり、但し、c+dは1.95〜3.0を満たす。)
上記平均組成式(2)中、Rで表される脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基は、前記アルケニル基以外の、ケイ素原子に結合した有機基として例示したものと同種のものである。また、Rで表されるアルケニル基は、前記ケイ素原子に結合したアルケニル基として例示したものと同種のものである。
cは1.95〜2.00の数であることが好ましく、dは0.01〜0.5の数であることが好ましく、c+dは1.98〜2.5を満たすことが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(3)〜(9)で表されるもの等が例示される。
ViR SiO(R SiO)SiR Vi (3)
ViR SiO(RViSiO)(R SiO)SiR Vi (4)
ViSiO(R SiO)SiRVi (5)
ViSiO(R SiO)SiVi (6)
ViSiO(RViSiO)(R SiO)SiRVi (7)
ViSiO(RViSiO)(R SiO)SiVi (8)
SiO(RViSiO)(R SiO)SiR (9)
(式中、Rは独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、e、f、gは0又は1以上の整数であり、10≦e≦2,000を満たす整数であるのが望ましく、より好ましくは50≦e≦1,500である。また、10≦f+g≦2,000を満たす整数であるのが望ましく、より好ましくは50≦f+g≦1,500であり、かつ0≦f/(f+g)≦0.20を満足する整数である。)
上記一般式(3)〜(9)中、Rで表される非置換又は置換の1価炭化水素基は、炭素原子数が、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のものである。その具体例としては、上記したアルケニル基以外の、ケイ素原子に結合した有機基として例示した中で、アリール基、アラルキル基以外のものと同種のものが好ましいものとして挙げられる。得られる硬化物の耐候性及び耐熱性が優れることより、アルキル基、特に好ましくはメチル基がより好ましいものとして挙げられる。
(A)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<(B)成分>
(B)成分は、(A)成分中のアルケニル基とヒドロシリル化反応することにより架橋剤として働く成分である。(B)成分は、下記平均組成式(1)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1分子中に少なくとも2個(通常、2〜200個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜100個程度)有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
SiO(4−a−b)/2 (1)
(式中、Rは独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
上記平均組成式(1)中、Rで表される脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基は、上記(A)成分において、アルケニル基以外の、ケイ素原子に結合した有機基として例示したものと同種のものである。
aは1.0〜2.0、bは0.01〜1.0、a+bは1.1〜2.6の数であることが好ましい。
(B)成分中、前記ケイ素原子に結合した水素原子の含有量は、(A)成分1g当たり、0.001〜0.02molの範囲であることが好ましく、0.002〜0.017molの範囲であることがより好ましい。
一分子中に2個以上、好ましくは3個以上含有されるケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、通常2〜400個、好ましくは3〜200個、より好ましくは4〜100個程度のものが望ましい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃における粘度が、好ましくは1,000mPa・s以下(通常、1〜1,000mPa・s)、より好ましくは5〜200mPa・sである。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CHHSiO1/2単位と(CHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CHHSiO1/2単位とSiO4/2単位と(CSiO1/2単位とからなる共重合体等が挙げられるほか、下記一般式(10)、(11):
SiO[SiR(H)O]SiR (10)
環状の[SiR(H)O] (11)
(式中、Rは前記のとおりであり、tは2以上の整数であり、uは4〜8の整数である。)
で表されるもの、下記一般式で表されるもの等が例示される。
Figure 0005798088
(式中、Rは前記のとおりであり、hは0以上の整数、iは1以上の整数、jは0以上の整数、kは1以上の整数、pは2以上の整数である。)
(B)成分の具体例としては、下記一般式(12)で表されるもの、
MeSiO[SiMe(H)O]SiMe (12)
(式中、tは前記のとおりである。)
下記平均構造式で表されるもの等が挙げられる。
Figure 0005798088
Figure 0005798088
(式中、h、i、j、k、pは前記のとおりである。)
(B)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分中の全ケイ素原子に結合したアルケニル基に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量である。かかる配合量が0.5〜5.0倍モルとなる量を満たさない場合は、架橋のバランスが不適切なものとなることがある。
また、上記(B)成分の配合量は、仮固定用液状シリコーンゴム組成物中の全ケイ素原子に結合したアルケニル基に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.6〜3.0倍モルとなる量であることがさらに好ましく、0.7〜2.5倍モルとなる量であることがより好ましい。
<(C)成分>
(C)成分である白金族金属系触媒は、上記(A)成分と(B)成分のヒドロシリル化反応を進行及び促進させるための成分である。
白金族金属系触媒は特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属;塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物等の白金化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物等が挙げられるが、(A)成分、(B)成分との相溶性及びクロル不純物をほとんど含有しないことを考慮すると、塩化白金酸をシリコーン変性したものが好ましい。
なお、(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、触媒としての有効量であればよいが、通常、(A)成分と(B)成分の合計に対して、白金族金属元素の質量換算で0.1〜1000ppm、好ましくは1〜200ppm、好ましくは3〜100ppmである。
<D成分>
(D)成分である有機系離型剤は、本発明の仮固定用液状組成物のリワーク性を高めるために配合されるものである。
また、上記有機系離型剤は、常圧での融点が、40℃から150℃であることが好ましい。
(D)成分である有機系離型剤は、具体的には脂肪酸あるいは脂肪酸誘導体もしくはそれらの金属塩の1種類以上であり、好ましくは、炭素数8〜30、より好ましくは炭素数12〜30の脂肪酸あるいは脂肪酸誘導体もしくはそれらの金属塩である。
脂肪酸の例としては、カプリル酸、ウンデシレン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラギン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが例示される。
脂肪酸誘導体の例としては、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールのエステルなどが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、上記脂肪酸等とC〜Cの低級アルコールとのエステル、ソルビタンエステル、グリセリンエステル等の多価アルコールとのエステルが例示される。脂肪族アルコールのエステルとしては、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール等の飽和アルコールなどの脂肪族アルコールと塩基酸とのエステルであるグルタル酸エステルやスペリン酸エステルのような2塩基酸エステル、クエン酸エステルのような3塩基酸エステルが例示される。
脂肪酸金属塩における脂肪酸の例としては、カプリル酸、ウンデシレン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラギン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられ、金属としては、例えば、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などが例示される。
これらの脂肪酸あるいは脂肪酸誘導体もしくはそれらの金属塩の中でも特に、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛、あるいはエステル系ワックスが好ましい。
また、(D)成分である有機系離型剤は、平均重合度が3,000以上の生ゴム状オルガノポリシロキサンや(A)成分のポリマーの一部と事前に混合し、ペースト化しておくことが好ましい。また、この場合三本ロール処理することがより好ましい。ペースト化して上記(D)成分として添加すると、得られる仮固定用液状組成物のリワーク性を安定的に一層高めることができる。
上記(D)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。0.1質量部未満であると、良好なリワーク性が得られず、20質量部を越えると、表面への過剰な溶出もしくは成型性の低下が認められる。
また、本発明の仮固定用液状組成物には、通常付加硬化型シリコーン組成物に用いられる常用の成分を配合することができる。
例えば、エチニルシクロヘキサノール等の硬化制御剤、シリカ微粉末等の補強性充填材、耐熱性向上剤、顔料等が挙げられる。
本発明の仮固定用液状組成物は、通常の硬化性シリコーンゴム組成物と同様に、2液に分け、使用時にこの2液を混合して硬化させる、所謂二液型の組成物でもよいが、組成物を使用する際の作業性等の点から、一液型とすることが好ましい。
このようにして得られる本発明の仮固定用液状組成物は、使用条件に合わせて、適宜、流動性のあるものや、チキソトロピック性のあるものなどに調製することができる。
このような仮固定用液状組成物の、基材への塗布方法としては、スクリーン印刷やスピンコートなどの各種コーティング法、スプレー法を用いることができる。
本発明の仮固定用液状組成物は、公知の硬化型シリコーンゴム組成物と同様の方法、条件で硬化し得、例えば常温でも十分硬化し得るが、必要に応じて加熱してもよい。
仮固定は、本発明の仮固定用液状組成物を半導体ウエハやガラス等の基材に塗布し、支持体と重ね合わせてから硬化させても、塗布し、硬化させた後支持体を重ね合わせてもよい。また、基材と支持体の間に挿入させ、硬化させてもよい。
仮固定した硬化物は、各種工程終了後、基材や支持体からきれいに剥離することができる。
上記の仮固定用液状組成物は、200〜300℃の高温工程でも変質することなく、かつ、良好なリワーク性を与えることができるので、半導体装置または光学表示パネル等の製造過程に耐えることができ、位置ずれなどが発生することもなく、仮固定材として好適である。このため、上記の仮固定用液状組成物を使用し製造した半導体装置または光学表示パネルは、品質が優れている。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例、比較例]
下記原料を使用し、表1に示す組成の一液仮固定用液状組成物を調製した。
この一液仮固定用液状組成物を2枚のガラス間に挟みこみ、150℃、30分の硬化条件にて硬化し、リワーク性を確認した。また、高温工程を想定し、230℃×2時間後および300℃2時間後のリワーク性を確認した。また、成型性についても確認した。結果を表1に併記する。
[原料]
(A)成分として、下記式で表される、ビニル基含有の直鎖状オルガノポリシロキサン(ポリシロキサン)
Figure 0005798088
(nは、該シロキサンの25℃における粘度が1000mPa・sとなるような数である。)

(B)成分として、下記式で表される、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(ハイドロシロキサン)
Figure 0005798088
(C)成分である白金族金属触媒として、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(白金化合物) 白金元素含有量0.5質量%

(D)成分として、脂肪酸、脂肪酸金属塩
(d−1)ステアリン酸亜鉛のジメチルポリシロキサン生ゴムペースト(ステアリン酸亜鉛含有量50質量%)
(d−2)ステアリン酸亜鉛の(A)成分とのペースト(ステアリン酸亜鉛含有量50質量%)
(d−3)ステアリン酸の(A)成分とのペースト(ステアリン酸亜鉛含有量50質量%)
(E)硬化制御剤として、エチニルシクロヘキサノール
[実施例1〜3]
実施例1〜3はそれぞれ、上記(A)成分を100質量部、上記(B)成分を5質量部、上記(C)成分を0.2質量部、上記(E)成分を0.2質量部含み、さらに、実施例1は、上記(D)成分の(d−1)を5質量部、実施例2は、(d−2)を5質量部、実施例3は、(d−3)を5質量部含んだ一液仮固定用液状組成物である。
[比較例1、2]
比較例1、2はそれぞれ、上記(A)成分を100質量部、上記(B)成分を5質量部、上記(C)成分を0.2質量部、上記(E)成分を0.2質量部含み、さらに、比較例の2は、上記(D)成分の(d−1)を60質量部含んだ一液仮固定用液状組成物である。
Figure 0005798088
成型性:シリコーンゴム組成物を硬化させた際のしわや表面タックを確認
しわおよび/または表面タックなし ○
しわおよび/または表面タックあり ×
リワーク性:はり合わせた2枚のガラスを剥がせるかどうかを確認。
容易に剥がせる ○
容易に剥がせない ×
実施例1〜3は、成型性、高温暴露後のリワーク性ともに比較例1、2に比して顕著に優れていることが明らかである。
[実施例4、比較例3]
実施例4は、(A)成分のオルガノポリシロキサン(ポリシロキサン)100部、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン(ハイドロシロキサン)5部、(C)成分の白金族金属触媒0.2部、(D)成分としてステアリン酸亜鉛を2.5部、(E)成分の硬化制御剤0.2部を混合し、脱泡したのち、シリコンウェハ上に1000rpm×2分でスピンコートし、厚さおよそ100μmとした。比較例3は、(D)成分を添加しない以外は当該実施例と同様に調製した。これらを150℃×30分加熱することで硬化させたのち、株式会社寺岡製作所製プトンテープ650S #25/25mm×20mを張り合わせ、180°ピール試験により剥離強度を測定した。
この結果を下記表2に示す。
Figure 0005798088
離型成分である上記(D)成分を含む実施例4は、当該(D)成分を含まない比較例3に比して、剥離強度が著しく低いことが明らかである。
以上のことから、本発明の仮固定用液状組成物は、高温工程でも変質することなく、良好なリワーク性を与えることができるので、半導体装置または光学表示パネルの製造過程において好適な仮固定材となり、上記の仮固定用液状組成物を使用し製造した半導体装置または光学表示パネルは、高品質なものとなる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。




























Claims (7)

  1. (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有する、25℃における粘度が10〜100,000mPa・sの直鎖状オルガノポリシロキサン、
    (B)下記平均組成式(1)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、上記(A)成分中の全ケイ素原子結合アルケニル基に対して、(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5.0倍モルとなる量、
    SiO(4−a−b)/2 (1)
    (式中、Rは独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、aは0.7≦a≦2.1、bは0.001≦b≦1.0を満たす数であり、但し、a+bは0.8≦a+b≦3.0を満たす数である。)
    (C)白金族金属系触媒を有効量、
    (D)有機系離型剤を、上記(A)成分100質量部に対し0.1〜20質量部、
    を含むことを特徴とする仮固定用液状組成物。
  2. 前記(D)成分が、脂肪酸、脂肪酸誘導体もしくはそれらの金属塩であることを特徴とする請求項1記載の仮固定用液状組成物。
  3. 前記(D)成分が、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1記載の仮固定用液状組成物。
  4. 前記(D)成分が、常圧での融点が、40℃から150℃であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の仮固定用液状組成物。
  5. 200〜300℃の製造工程における仮固定用であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の仮固定用液状組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の仮固定用液状組成物の硬化物で基材
    と支持体を仮固定することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の仮固定用液状組成物の硬化物で基材
    と支持体を仮固定することを特徴とする光学表示パネルの製造方法。
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