JP5797503B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
また、旧第一種及び旧第二種の双方の遊技仕様を備えた一種二種混合のパチンコ機が存在する。
旧第二種の遊技仕様を含むパチンコ機においては、パチンコ機を叩いて、役物内に受け入れられた遊技球を無理矢理にV入賞特賞状態が発生する特定領域に導こうとする不正行為が行われる可能性がある。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものである。本発明に係る遊技機は、常時開状態の開口部を通過した遊技球を、始動領域の通過可能性の比較的高い外部領域と通過可能性の比較的低い外部領域とのいずれか一方の領域に機械的に導く構成の役物装置を備える。本発明は、かかる役物装置に発生する不正な振動を監視するのに好適な振動監視機能を有する遊技機を提供することを目的としている。
打ち出された遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、内部領域と外部領域とを隔てる外周壁と、常時、遊技球が前記内部領域へと流入可能な開状態にあって、通過した遊技球を前記内部領域へと流入させる開口部と、前記開口部を介して前記内部領域に流入した遊技球を、前記外部領域における、遊技球が前記始動領域を通過する可能性の比較的高い領域と遊技球が前記始動領域を通過する可能性の比較的低い領域とのいずれか一方の領域へと機械的に誘導する遊技球誘導部とを備える役物装置と、
遊技球の前記開口部の通過を検出する通過検出手段と、
当該遊技機に発生する振動を検出する振動検出手段と、
遊技球の前記開口部の通過を検出したことに応じて前記役物装置に発生する振動の監視を開始し、振動の監視中に、前記振動検出手段で検出した振動の状態が予め設定された不正振動検出条件に合致したと判定すると、不正な振動の検出状態を示す不正振動検出情報を出力する振動監視手段と、を備える。
このような構成であれば、通過検出手段において、役物装置の開口部を遊技球が通過したことが検出されると、振動監視手段において、振動の監視が開始される。振動監視手段は、振動の監視を開始してからの経過時間が振動監視有効時間(例えば、10分)内に、振動検出手段で検出される振動の状態が、不正振動検出条件に合致したと判定すると、不正振動検出情報を出力する。一方、振動監視手段は、振動の監視を開始してから振動監視有効時間が経過したと判定すると、振動の監視を終了する。
これにより、不正振動の監視対象である役物装置に遊技球が絡んでいる期間に、役物装置に発生する振動を監視することができる。これによって、日常的に発生する外来振動等によって役物装置に発生する振動を不正振動として誤検出することを低減することができる。
また、遊技球が、開口部を通過してから役物装置内を通って、始動領域を通過するのに十分な時間期間について、不正振動の監視を行うことが可能となる。つまり、不正が行われる可能性のある期間に限定して不正振動の検出を行うことが可能となる。
また、役物装置内に遊技球を不正に滞在させて、振動監視有効時間が経過後に遊技球を開放して、始動領域を高確率に通過可能な経路へと遊技球を人為的に導くような不正を検出することが可能となる。
かかる役物装置は、旧第二種の役物装置のように役物装置の入口を羽根部材などによって開閉せずに、役物内部への入口が常時開口状態となっている。加えて、旧第二種の特定領域(Vゾーン)などのように、役物内において機械的な抽選は行わず、あくまでも抽選開始の契機となる始動入賞口への遊技球の経路を変化させるものである。
また、不正振動検出情報は、不正振動が検出されたことを、例えば、ホールコンピュータや、ホールコンピュータとの中継装置等に知らせるための情報、不正振動が検出されたことに応じて、副制御装置等に警報を発する指令を与える情報等が該当する。
このような構成であれば、振動監視手段において、所定振動閾値以上の強さの振動でかつ振動継続時間以上継続する振動を不正振動として検出することが可能となる。これによって、振動の監視中において、遊技球の経路を変化させる程度に強くかつ継続して発生する振動を不正振動として検出することが可能となる。
このような構成であれば、不正振動の発生を検出後に、不正振動発生監視時間で決定される時間期間、不正振動の監視を行うことが可能となる。例えば、ホールコンピュータ等によって、不正振動を検出後の遊技状態を、適切な時間期間、監視することが可能となる。
このような構成であれば、遊技球が連続して開口部を通過した場合の不正振動の検出を適切に行うことが可能となる。また、役物装置からの遊技球の出力検出を行わずに、振動監視有効時間だけで監視を行うことが可能となる。
このような構成であれば、保留を狙って役物装置に加えられる不正振動の発生を適切に監視することが可能となる。例えば、左打ちで役物装置を介して遊技球に始動領域を通過させ、該通過による抽選で大当たりが発生後に、特別電動役物(例えば、大入賞口)または普通電動役物(例えば、電動チューリップ)狙いで左打ちから右打ちへと変化するような遊技仕様を当該遊技機に適用したとする。この場合に、右打ちを行うべき期間において、保留狙いで左打ちを行うような状況が発生しても、不正振動の検出を行うことが可能である。
本実施形態は、本発明に係る遊技機を、図1に示すように、パチンコ機に適用したものである。
(遊技盤面の構成)
まず、パチンコ機1における遊技盤面10の構成を説明する。
図1は、遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図1に示すように、遊技盤面10には、遊技球(図2、図3に示す「P」)の発射路20を構成する外レール21及び内レール22が設けられている。遊技盤面10では、外レール21及び内レール22によって囲まれた円形状の領域が、遊技球Pを転動させる遊技領域30となっている。
役物装置100の下方には、第一始動入賞口210が配設されている。第一始動入賞口210は、上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)であり、常時、遊技球Pが入賞可能な状態となっている。
第二始動入賞口220は、通常時は、開閉部材221が閉止状態となり、遊技球Pが入賞することができない状態となっている。そして、第二始動入賞口220は、普通図柄抽選に当選した場合に、開閉部材221が所定パターンで開放状態となり、遊技球Pが入賞可能な状態となる。
大入賞口240は、通常時は、開閉部材241が閉止状態となり、遊技球Pが入賞することができない状態となっている。そして、大入賞口240は、特別図柄抽選に当選して特賞状態が生起された場合に、開閉部材241が所定パターンで開放状態となり、遊技球Pが入賞可能な状態となる。
役物装置100の左方には、パチンコ機1の遊技状態を表示する遊技状態表示装置280が配設されている。遊技状態表示装置280は、LEDランプ、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。遊技状態表示装置280は、特別図柄表示部281と、普通図柄表示部282と、を有している。
普通図柄表示部282は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。普通図柄表示部282では、普通図柄抽選が実行された場合に、普通図柄の変動表示が行われ、その後、当該普通図柄抽選の結果に応じた態様による普通図柄の停止表示が行われる。
ここで、特別図柄抽選の保留数とは、連続して特別図柄及び数字及び図柄を含む演出図柄の変動表示を行うことが可能な回数である。また、普通図柄抽選の保留数とは、連続して普通図柄の変動表示を行うことが可能な回数である。
遊技領域30に打ち出された遊技球は、中央転動経路31、左側転動経路32及び右側転動経路33のうちいずれかの転動経路を、下方に向かって転動する。
なお、遊技領域30には、第一始動入賞口210、第二始動入賞口220、始動ゲート230、大入賞口240等に向かって遊技球Pを導くように、複数の釘nが配設されている。
次に、役物装置100の構成を説明する。
図2は、役物装置が備える遊技球搬送装置及び振分装置の斜視図である。図3は、役物装置が備える遊技球搬送装置の正面図である。図4は、図3に示す遊技球搬送装置の背面図である。
図1に示すように、役物装置100は、外周壁101と、外周壁101の内側に形成された中央転動経路31と、遊技球Pを中央転動経路31へ流入させる流入口102と、中央転動経路31を通過した遊技球Pを排出する排出口103と、を有している。
流入口102は、左上方に向かって開口しており、常時、この開口部を介して遊技球Pが役物装置100の内部へと流入可能な状態となっている。排出口103は、下方に向かって開口しており、常時、役物装置100の内部を経た遊技球Pを排出可能な状態となっている。
役物装置100は、遊技球搬送装置110と、遊技球搬送装置110の下流側に配設された振分装置150と、を有している。遊技球搬送装置110及び振分装置150は、中央転動経路31に配設されている。そして、役物装置100では、遊技球搬送装置110による遊技球Pの搬送経路が、中央転動経路31の一部を構成している。
図2及び図3に示すように、第一可動部120は、流入口102から流入した遊技球Pが落下する落下通路121と、落下通路121の下流側に配設された周壁122と、周壁122の内側に配設された回転部材123と、を有している。
落下通路121は、上下方向(図1に示す上下方向)に沿って延びるように構成されている。流入口102から流入した遊技球は、全て、落下通路121に誘導される。
具体的には、第一可動部120は、落下通路121を落下してきた遊技球Pを、回転部材123の保持凹部123bに収容する。ここで、第一可動部120では、回転部材123の阻止部123cのいずれかが周壁122の受入口122aの位置に回動した際には、遊技球Pが周壁122の内側に進入できない状態となる。このことは、回転部材123の阻止部123cの一部分が受入口122aの位置にあった場合でも同じである。一方、第一可動部120では、回転部材123の保持凹部123bのいずれかが周壁122の受入口122aの位置に回動した際には、遊技球Pが周壁122の内側(保持凹部123b)に進入できる状態となる。但し、保持凹部123bの全体が、受入口122aの位置に回動した状態となる必要がある。
さらに、第一可動部120は、遊技球Pを保持している保持凹部123bが周壁122の排出口122bの位置に回動することによって、遊技球Pの保持が解除される。これによって、第一可動部120は、周壁122の内周面と保持凹部123bとの間に保持していた遊技球Pを、周壁122の排出口122bから下方に向かって排出する。
本実施形態では、転動面133は、第一転動面133aと、第二転動面133bと、第一転動面133a及び第二転動面133bの間に設けられた誘導溝133cと、を有している。
誘導通路132は、樋状に形成されている。誘導通路132は、前後方向に沿って延びるように配設されている。誘導通路132は、後側に向かって低くなるように傾斜している。
周壁142は、誘導通路132の左側後端部及び右側後端部からそれぞれ平面視で円弧を描いて下方に伸びる壁体である。この左側及び右側後端部からそれぞれ伸びる円弧形状の壁は、平面視で双方によって円を描くように形成されており、双方の壁体の先端(下端)部が、誘導通路132の通路幅と略同幅の間隙を挟んで対向するように形成されている。周壁142の、誘導通路132の左側後端部及び右側後端部と周壁142の上端部との接続部は、誘導通路132の後端から排出された遊技球Pを周壁142の内側に受け入れるための受入口142aを形成している。また、上記壁体の左右先端部間に形成された間隙は、周壁122の内側に受け入れた遊技球Pを周壁142の外側に排出するための排出口142bを形成している。また、遊技球搬送装置110における、上記円弧形状の壁体の略円中心の位置に、前後方向に貫通する軸穴142cが形成されている。
回転部材143の外周面には、回転部材123と同様に、遊技球Pを保持するための保持凹部143bが設けられている。各保持凹部143bは、遊技球Pを収容することが可能となるようにU字形のポケット形状に形成されている。本実施形態では、回転部材143の外周面には、3つの保持凹部143bが設けられている。3つの保持凹部143bは、回転部材143の外周面において、均等な間隔で設けられている。また、回転部材143の外周面における保持凹部143bが設けられていない部分は、遊技球Pが周壁142の内側に流入することを阻止する阻止部143cとなっている。
具体的には、第二可動部140は、誘導通路132の後端から排出された遊技球Pを、回転部材143の保持凹部143bに収容する。ここで、第二可動部140では、回転部材143の阻止部143cの一部分でも周壁142の受入口142aの位置に回動している際には、遊技球Pが周壁142の内側に進入できない状態となる。一方、第二可動部140では、回転部材143の保持凹部143bが周壁142の受入口142aの位置に全体が回動している際には、遊技球Pが周壁142の内側(保持凹部143b)に進入できる状態となる。
さらに、第二可動部140では、遊技球Pを保持している保持凹部143bの全体が周壁142の排出口142bの位置に回動することによって、遊技球Pの保持が解除される。これによって、第二可動部140は、周壁142の内周面と保持凹部143bとの間に保持していた遊技球Pを、周壁142の排出口142bから下方に向かって排出する。
第二役物モータ324は、主制御装置400からの制御信号に応じて駆動する。本実施形態では、第二役物モータ324として、ステッピングモータを用いている。
受容部151は、円筒状に形成されている。受容部151は、回転軸154が上下方向に沿って延びるように配設されている。
受容部151の底面153及び誘導部152の底面には、連続する誘導溝155が設けられている。受容部151の底面153は、誘導溝155に向かって低くなるように傾斜している。誘導溝155は、前側(誘導部152の先端側)に向かって低くなるように傾斜している。
また、本実施形態では、図4に示すように、駆動部160の左側、基板上に、役物装置100に発生する振動を検出する振動検知センサ600が配設されている。
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図5は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、パチンコ機1は、流入口スイッチ309と、始動入賞口スイッチ310と、始動ゲートスイッチ311と、大入賞口スイッチ313と、左一般入賞口スイッチ314と、右一般入賞口スイッチ315と、振動検知センサ600とを備えている。
主制御装置400は、主として、始動入賞口スイッチ310からの検出信号の入力に応じて、各種の乱数カウンタから乱数を取得する(各種の抽選を実行する)。そして、主制御装置400は、取得した各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。
特に、主制御装置400は、パチンコ機1の稼働中において、常時、第一役物モータ323及び第二役物モータ324を駆動させる。この際、主制御装置400は、振分装置150の誘導部152の先端が一定の周期で左右方向に揺動されるように、第一役物モータ323を駆動させる。
入力ポート440は、流入口スイッチ309、始動入賞口スイッチ310、始動ゲートスイッチ311、大入賞口スイッチ313、左一般入賞口スイッチ314、右一般入賞口スイッチ315及び振動検知センサ600のそれぞれから入力された検出信号をCPU410に出力する。
RAM430は、主制御装置400に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。さらに、RAM430は、役物装置100に発生する不正振動を監視するためのフラグ等も一時的に記憶する。
副制御装置500は、主制御装置400と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
副制御装置500のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。さらに、役物装置100に不正振動が発生した際に、主制御装置400からの振動検出状態コマンドに応じて実行する動作を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。
次に、主制御装置400のCPU410において、ROM420に記憶された監視プログラムを実行することによって実現される、不正振動等の監視機能について説明する。
図6は、主制御装置400の不正振動等の監視に係る機能構成である監視機能構成部700の一例を示すブロック図である。
監視機能構成部700は、通過検出部710と、振動監視部720と、滞在監視部730とを備える。
通過検出部710は、流入口スイッチ309から入力ポート440を介して入力される流入口通過検出信号に基づき、振動検出信号確認有効状態フラグの設定を行うと共に、振動検出有効時間監視タイマの設定を行う。監視機能構成部700は、これら設定値を、RAM430に格納する。
具体的に、振動監視部720は、振動検知センサ600からの振動検出信号と、振動検出タイマの値とに基づき、役物装置100に発生する不正振動を検出する。不正振動の検出は、振動の監視を開始してから、振動検出有効時間監視タイマで設定された時間が経過するまでの期間内で行われる。さらに、振動監視部720は、不正振動を検出すると、振動検出フラグをON設定し、不正振動検出時間監視タイマで設定された時間が経過するまでの期間、不正振動検出情報を出力する。
滞在監視部730は、振動検出信号確認有効状態フラグと、振動検出有効時間監視タイマとに基づき、役物装置100の内部における、遊技球Pの不正滞在の発生を監視する。
ここで、不正滞在検出フラグは、ON状態(例えば、値「1」)のとき、不正滞在を検出した状態を示す。一方、OFF状態(例えば、値「0」)のとき、不正滞在を検出していない状態を示す。
次に、通過検出部710によって実行される通過検出処理の処理手順について説明する。
図7は、通過検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
CPU420によって監視プログラムが実行されると、通過検出部710は、図7に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、通過検出部710において、流入口スイッチ309から入力ポート440を介して入力される流入口通過検出信号に基づき、流入口102を遊技球Pが通過したか否かを判定する。遊技球Pが流入口102を通過したと判定した場合(Yes)は、ステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
ステップS104では、通過検出部710において、振動検出有効時間監視タイマの値ct1にt1秒を設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。本実施形態では、後述する振動監視処理の繰り返し周期に基づき、振動検出有効時間監視タイマの値ct1を設定する。例えば、4[ms]周期であれば、ct1=t1/4[ms]に設定する。
次に、振動監視部720によって実行される振動監視処理の処理手順について説明する。
図8は、振動監視処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
CPU420によって監視プログラムが実行されると、振動監視部720は、図8に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、振動監視部720において、RAM430から振動検出信号確認有効状態フラグを読み出して、ステップS202に移行する。
ステップS204に移行した場合は、振動監視部720において、振動検出有効時間監視タイマの値ct1をαだけ減算(ct1=ct1−α)して、ステップS206に移行する。
ステップS208に移行した場合は、振動監視部720において、振動検出信号確認有効状態フラグをOFFに設定して、ステップS210に移行する。
ステップS212では、振動監視部720において、RAM430から振動検出フラグを読み出して、ステップS214に移行する。
ステップS214では、振動監視部720において、ステップS212で読み出した振動検出フラグがON状態か否かを判定し、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS232に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS216に移行する。
ステップS218では、振動監視部720において、ステップS216で取得した検出信号の振動レベルと予め設定された振動レベル閾値とを比較することで、振動検出信号がON状態であるか否かを判定する。具体的に、取得した振動検出信号のレベルが振動レベル閾値以上である場合に、振動検出信号がON状態であると判定し、一方、振動レベル閾値未満である場合に、振動検出信号がOFF状態(例えば、値「0」)であると判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS220に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS230に移行する。
ステップS222では、振動監視部720において、振動検出タイマの値ct2が予め設定された振動の継続時間t4秒に対応する値OCT以上になったか否かを判定し、OCT以上になったと判定した場合(Yes)は、ステップS224に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。本実施形態では、振動監視処理の繰り返し周期に基づき、OCTを設定する。例えば、4[ms]周期であれば、OCT=t4/4[ms]などの値に設定する。
ステップS226では、振動監視部720において、不正振動検出時間監視タイマの値ct3にt2秒を設定して、ステップS228に移行する。本実施形態では、振動監視処理の繰り返し周期に基づき、不正振動検出時間監視タイマの値ct3を設定する。例えば、4[ms]周期であれば、ct3=t2/4[ms]に設定する。
ステップS228では、振動監視部720において、不正振動検出情報を出力して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
また、ステップS232に移行した場合は、振動監視部720において、RAM430から振動検出フラグを読み出して、ステップS234に移行する。
ステップS234では、振動監視部720において、ステップS232で読み出した振動検出フラグがOFF状態か否かを判定する。そして、OFF状態であると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して、元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS236に移行する。
ステップS238では、振動監視部720において、不正振動検出時間監視タイマの値ct3が0になったか否かを判定し、0になったと判定した場合(Yes)は、ステップS240に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して、元の処理に復帰する。
ステップS242では、振動監視部720において、不正振動検出解除情報を出力して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
ここで、不正振動検出解除情報は、不正振動の検出状態を解除する情報である。不正振動検出解除情報としては、外部端子板650を介してホールコンピュータ800に出力する、不正振動の検出状態の解除を通知する情報を含む。さらに、不正振動検出解除情報は、副制御装置500に対して出力する、副制御装置500に不正振動検出時の動作を停止させる振動検出状態解除コマンドを含む。
次に、滞在監視部730によって実行される滞在監視処理の処理手順について説明する。
図9は、滞在監視処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
CPU420によって監視プログラムが実行されると、滞在監視部730は、図9に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、滞在監視部730において、RAM430から不正滞在検出フラグを読み出して、ステップS302に移行する。
ステップS304に移行した場合は、滞在監視部730において、RAM430から振動検出信号確認有効状態フラグを読み出して、ステップS306に移行する。
ステップS308に移行した場合は、滞在監視部730において、状態検出フラグをONに設定して、ステップS310に移行する。
ここで、状態検出フラグは、ON状態(例えば、値「1」)のときに、前回の振動検出信号確認有効状態フラグがON状態であったことを示すフラグである。一方、OFF状態(例えば、値「0」)のときに、前回の振動検出信号確認有効状態フラグがOFF状態であったことを示すフラグである。
ここで、移行状態検出フラグは、ON状態(例えば、値「1」)のときに、振動検出信号確認有効状態フラグがON状態からOFF状態に変化したことを示すフラグである。一方、OFF状態(例えば、値「0」)のときに、振動検出信号確認有効状態フラグがON状態からOFF状態に変化していないことを示すフラグである。
ステップS314に移行した場合は、滞在監視部730において、状態検出フラグをOFFに設定して、ステップS316に移行する。
ステップS316では、滞在監視部730において、移行状態検出フラグをONに設定して、ステップS320に移行する。
ステップS322に移行した場合は、滞在監視部730において、不正滞在検出フラグをONに設定して、ステップS324に移行する。
ステップS326では、滞在監視部730において、不正滞在検出情報を出力して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
ステップS330では、滞在監視部730において、不正滞在検出時間監視タイマの値ct4が0になったか否かを判定し、0になったと判定した場合(Yes)は、ステップS332に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
ステップS334では、滞在監視部730において、不正滞在検出解除情報を出力して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
ここで、不正滞在検出解除情報は、不正滞在の検出状態を解除する情報である。本実施形態において、不正滞在検出解除情報としては、外部端子板650を介してホールコンピュータ800に出力する、不正滞在の検出状態の解除を通知する情報を含む。さらに、不正滞在検出解除情報は、副制御装置500に対して出力する、副制御装置500に不正滞在検出時の動作を停止させる滞在検出状態解除コマンドを含む。
次に、本実施形態に係るパチンコ機1の動作を説明する。
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御装置400により、遊技制御処理が実行され、遊技可能な状態となる。遊技者は、貸し出しを受けた遊技球Pをパチンコ機1に装填し、発射装置を操作して遊技球Pを遊技盤面10に発射する(打ち出す)ことにより遊技を行うことができる。本実施形態において、主制御装置400は、遊技制御処理(メインルーチン)を、4[ms]周期で繰り返し実行する。
そして、遊技盤面10に発射された遊技球Pが役物装置100の流入口102に流入したとする。これにより、流入口スイッチ309から遊技球Pの通過検出を示す流入口通過検出信号が入力ポート440を介して主制御装置400に入力される。
現在、振動検出有効時間監視タイマの値ct1は249であるため、振動監視部720は、振動検出有効時間監視タイマの値ct1は0では無いと判定し(S206のNo)、RAM420から振動検出フラグを読み出す(S212)。振動検出フラグは、初期化によりOFF状態となっているので、振動監視部720は、OFF状態であると判定し(S214のNo)、入力ポート440を介して振動検出信号を取得する(S216)。振動監視部720は、取得した振動検出信号の示す振動レベルと、予め設定された振動レベル閾値とを比較する。そして、振動監視部720は、振動レベルが振動レベル閾値未満であると判定すると(S218のNo)、振動検出タイマの値ct2を0にクリアする(S230)。その後、一連の処理を終了し、元の処理(メインルーチン)へと復帰する。
本実施形態では、メインルーチンにおいて、通過検出処理、振動監視処理、滞在監視処理の順番で処理が実行されるとする。
なお、遊技球搬送装置110は、遊技球搬送装置110による遊技球Pの搬送周期が不規則となる構成を採用している。具体的には、一定の周期で遊技球Pを搬送する第一可動部120と、一定の周期で遊技球Pを搬送する第二可動部140との間に、滞在時間が不規則となるように遊技球Pを滞在させることが可能な遊技球転動部130を配設している。
そのため、回転部材143からの、第一始動入賞口210に入賞する可能性の高い遊技球Pの排出タイミングを、誘導部152の先端の位置から割り出せる場合など、排出タイミングを人為的に変化させるゴト行為が発生する可能性がある。例えば、役物装置100に遊技球が絡んでいるときに、パチンコ機1に人為的に振動を加えたり、役物装置100の内部に人為的に遊技球Pを滞在させたりすることによって排出のタイミングを変化させる。
引き続き、振動監視処理が繰り返し実行されて、振動検出有効時間監視タイマの値ct1が減少し、例えば、残り100くらいになったとする。また、この時間経過によって、流入口102を通過した遊技球Pが、回転部材143に到達したとする。
滞在監視部730は、現在、振動検出信号確認有効状態フラグがON状態になっているため(S306のYes)、状態検出フラグをONに設定する(S308)。さらに、移行状態検出フラグをOFFに設定して、一連の処理を終了し、元の処理(メインルーチン)へと復帰する。
これにより、副制御装置500は、不正振動が発生していることを、表示部へのメッセージの表示や、ランプの点滅、効果音の出力等により報知する。
なお、本実施形態において、パチンコ機1は、不正振動が検出されても遊技を停止しないようになっている。
これにより、副制御装置500は、不正振動を発生時の動作を停止して、通常の動作へと移行する。
また、上記不正振動を引き起こすゴト行為ではなく、役物装置100の内部に人為的に遊技球Pを滞在させるゴト行為が発生したとする。
かかるゴト行為によって、遊技球Pが役物装置100の内部に滞在している期間に、新たな遊技球Pが流入口102を通過することも無く、振動検出有効時間監視タイマの値ct1が0になったとする。振動検出有効時間監視タイマの値ct1が0になると、振動検出信号確認有効状態フラグがOFFに設定される(S208)。
従って、滞在監視部730は、RAM430に記憶された前回の振動検出信号確認有効状態フラグのON状態と、今回のOFF状態とから、振動検出信号確認有効状態フラグがON状態からOFF状態へと変化したと判定する(S312のYes)。
引き続き、滞在監視部730は、始動入賞口スイッチ310から入力ポート440を介して入力される始動口通過検出信号に基づき、遊技球Pが第一始動入賞口210に入賞したか否かを判定する(S320)。ここでは、入賞していないとして、滞在監視部730は、流入口102を通過した遊技球Pが第一始動入賞口210に入賞していないと判定し(S320のNo)、一連の処理を終了して、元の処理(メインルーチン)へと復帰する。
つまり、流入口102を通過してから、振動検出有効時間監視タイマの値ct1が0になった後(10秒経過後)に、遊技球Pが第一始動入賞口210に入賞した場合に、遊技球Pが役物装置100の内部に不正に滞在させられていた状態を検出したと判定する。
これにより、副制御装置500は、不正滞在が発生していることを、表示部へのメッセージの表示や、ランプの点滅、効果音の出力等により報知する。
なお、本実施形態において、パチンコ機1は、不正滞在が検出されても遊技を停止しないようになっている。
これにより、副制御装置500は、不正滞在を発生時の動作を停止して、通常の動作へと移行する。
このようにして、本実施形態のパチンコ機1は、通過検出部710において、流入口102の遊技球Pの通過を検出すると、振動検出信号確認有効状態フラグをONに設定し、さらに、振動検出有効時間監視タイマの値ct1にt1秒(例えば、10秒)を設定することができる。
また、流入口102の遊技球Pの通過を検出する毎に、振動の監視を行うようにしたので、例えば、時短発生時などにおいて、第一始動入賞口210の不正振動による保留狙いで、流入口102を狙い打たれても、不正振動の検出を行うことが可能である。
これにより、振動監視部720の振動の監視期間が終了するまで、役物装置100の内部に遊技球Pを不正に滞在させるゴト行為が行われたことを検出することが可能となる。
上記実施形態において、流入口102が、開口部を構成し、流入口スイッチ309が、通過検出手段を構成し、振動検知センサ600が、振動検出手段を構成し、監視機能構成部700が、振動監視手段を構成する。
なお、上記実施形態において、振動検出有効時間監視タイマによって計測する時間を10秒に設定する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、不正振動を検出できる範疇であれば、他の秒数に設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態において、振動検出タイマの計測時間が0.8[ms]以上(ct≧3)となったときに不正振動の発生を検出する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、0.4[ms]以上、又は1.2[ms]以上など、不正振動を検出できる範疇であれば、他の構成としてもよい。
また、上記実施形態において、不正滞在検出時間監視タイマによって計測する時間を60秒に設定する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、不正滞在を監視するのに有効な時間であれば、他の秒数に設定する構成としてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
また、上記各実施の形態においては、パチンコ機である遊技機に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。
10 遊技盤面
30 遊技領域
100 役物装置
102 流入口
103 排出口
110 遊技球搬送装置
120 第一可動部
123 回転部材
130 遊技球転動部
131 転動ステージ
132 誘導通路
133 転動面
133a 第一転動面
133b 第二転動面
133c 誘導溝
140 第二可動部
142a 受入口
142b 排出口
143 回転部材
155 誘導溝
160 駆動部
280 遊技状態表示装置
309 流入口スイッチ
310 始動入賞口スイッチ
400 主制御装置
410 CPU
420 ROM
430 RAM
440 入力ポート
450 出力ポート
500 副制御装置
530 ランプ
540 スピーカ
700 監視機能構成部
710 通過検出部
720 振動監視部
730 滞在監視部
650 外部端子板
800 ホールコンピュータ
Claims (2)
- 役物装置の内部を経て排出された遊技球が通過可能な始動領域を備え、遊技球の前記始動領域の通過を契機として遊技者に有利な遊技状態を生起させるか否かの抽選を行い、当該抽選の結果、当選した場合に前記遊技者に有利な遊技状態を生起する遊技機であって、
打ち出された遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、内部領域と外部領域とを隔てる外周壁と、常時、遊技球が前記内部領域へと流入可能な開状態にある開口部と、前記開口部を介して前記内部領域に流入した遊技球を、前記外部領域における、遊技球が前記始動領域を通過する可能性の比較的高い領域と遊技球が前記始動領域を通過する可能性の比較的低い領域とのいずれか一方の領域へと機械的に誘導する遊技球誘導部とを備える役物装置と、
遊技球の前記開口部の通過を検出する通過検出手段と、
当該遊技機に発生する振動を検出する振動検出手段と、
遊技球の前記開口部の通過を検出したことに応じて前記役物装置に発生する振動の監視を開始し、振動の監視中に、前記振動検出手段で検出した振動の状態が予め設定された不正振動検出条件に合致したと判定すると、不正な振動の検出状態を示す不正振動検出情報を出力する振動監視手段と、を備え、
前記振動監視手段は、前記振動の監視を開始してからの経過時間が予め設定された、遊技球が前記開口部を通過してから前記始動領域を通過するまでに必要な最長時間である振動監視有効時間を経過したと判定すると、前記振動の監視を終了し、遊技球の前記開口部の通過を検出してから前記振動監視有効時間の経過後に、遊技球が前記始動領域を通過したと判定すると、前記役物装置の内部に遊技球を不正に滞在させる状態の発生を示す不正滞在情報を出力することを特徴とする遊技機。 - 前記振動監視手段は、前記振動監視有効時間内において、前記通過検出手段が遊技球の前記開口部の通過を検出する毎に、前記振動の監視を開始してからの経過時間の計測を初期値から実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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