JP5797036B2 - 電子レンジ調理用容器入り濃厚クリームスープ載置冷凍麺の調理方法 - Google Patents
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Description
冷凍麺の解凍加熱方法として様々な方法があるが電子レンジを使用する方法は特に簡便な方法である。
電子レンジを使用して調理するソースを付着させた冷凍麺として、容器の角部付近にあるα化済み冷凍麺の麺線に、過加熱防止液が添加されており、および前記過加熱防止液が、(a)麺用のスープ、麺用のソース、またはこれらの希釈液、および(b)塩、醤油、ソース、味噌の少なくとも1つ以上を含む調味溶液からなるグループから選択される、ことを特徴とする電子レンジ調理用容器入り冷凍麺が知られている(例えば特許文献1参照)。
この冷凍麺は、電子レンジでの加熱時の加熱むらを防止するため容器の角付近の麺にソースを添加している。
ソースを使用した冷凍麺としてさらに、Brix度の異なる冷凍ソース層を複数重層して構成された冷凍ソースの上に冷凍麺塊が載置されている包装冷凍麺類が知られている(例えば特許文献2参照)。
この発明は、ソースから茹で麺への水分移行の抑制を目的としている。
電子レンジを使用せず鍋などを使用して調理する即席冷凍麺として、小麦粉100重量部に対し、キサンタンガムを0.05〜0.8重量部、消泡性物質を0.1〜2.0重量部、食用油脂を0.1〜2.0重量部、卵白を0.2〜3.0重量部を含有したことを特徴とする即席冷凍麺が知られている(例えば特許文献3参照)。
この冷凍麺は調理時のふきこぼれを防止するため消泡性物質を麺に練り込んでいる。
冷凍麺ではないがふきこぼれを防止するために麺の表面に可食性で消泡性のある乳化剤を付着させた即席麺類が知られている(例えば特許文献4参照)。
従って、本発明は、表面に消泡性物質を付着させた冷凍麺と冷凍濃厚クリームスープとを前記冷凍麺の上部を前記冷凍濃厚クリームスープが被覆する状態で容器に収容し可食性の液体をその液面が前記冷凍麺と前記冷凍濃厚クリームスープの接する高さ以上、冷凍濃厚クリームスープの上面がかくれる程度以下となるように容器に加えて電子レンジで解凍加熱することを特徴とする電子レンジを使用した容器入り濃厚クリームスープ載置冷凍麺の解凍加熱方法である。
本発明の冷凍麺とは生麺、半生麺やα化麺を冷凍したものをいい、麺の種類として特に限定はなく、例えば、中華麺、うどん、そば、そうめん、スパゲッティ、マカロニなどの麺類を挙げることができる。
なかでも、電子レンジを使用した場合の簡便性の点からα化麺を冷凍した麺が好ましく麺の種類としては、電子レンジによる解凍加熱調理をした場合に食感の特徴が発揮できる点でスパゲッティなどのパスタ類が好ましい。
消泡性物質を麺に付着する方法は、特に限定はなく、噴霧や浸漬などによる方法が使用できる。
消泡性物質は使用量が多すぎると一般的に食味にえぐみなどの悪影響を与える場合があり使用量は麺質量に対して2質量%以下におさえることが好ましい。
本発明で使用できる消泡性物質は、食用の消泡性がある物質であれば特に限定はなく、シリコーン、アルコール、乳化剤などが使用できる。
これらの消泡性物質のうち乳化剤が効果の点で好ましく、消泡作用のある乳化剤の中でも特にHLBが8以下のものが好ましい。
HLBが8を超えるとふきこぼれの防止効果を十分に得ることができず好ましくない。
使用できる乳化剤としてはソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
また、麺には消泡性物質以外に麺同士の付着防止のために植物油などの剥離剤を付着することができる。
濃厚クリームスープの種類としては特に限定はないが、クリームス―プ、豆乳クリームスープ、カボチャクリームスープ、コーンクリームスープ、トマトクリームスープなどを挙げることができる。
可食性液体としては、水や牛乳、塩水、砂糖水その他の水を主体とした液状物を挙げることができる。
この濃厚クリームスープの濃度は、収容する容器に過食性液体を加えた場合にその液面が冷凍麺とソースの接する高さ以上になるように調整する。
濃厚クリームスープの濃度は容器の形状及び容量を調整することで調整できるが、好ましい濃厚クリームスープの濃度は40〜60質量%である。
なお、本発明では濃厚クリームスープの濃度は、濃厚クリームスープの質量を喫食時のスープの質量で除し100倍した値をいい、式「(濃厚クリームスープの質量/喫食時のスープの質量)×100(単位:質量%)」により求めることができる。
濃厚クリームスープの濃度は製造時に加水量などを控えることで調製できる。
濃厚クリームスープの濃度が高すぎると製造時に粘度が高くなり製造しにくく、低すぎると冷凍濃厚クリームスープの量が多くなり解凍加熱処理に時間がかかるのでいずれの場合も好ましくない。
濃厚クリームスープと冷凍麺を容器に収容する方法は、従来の冷凍麺の上部をソースで被覆してあるソース付冷凍麺と同様でよい。
一例を挙げれば、α化した麺を容器に収容し、濃厚クリームスープを麺の上から麺を被覆するように添加し、これを急速冷凍することで容器入り濃厚クリームスープ載置冷凍麺を得ることができる。
濃厚クリームスープによる被覆は麺の上面全体でもその一部でもよい。
トッピング具材を使用する場合は冷凍麺と濃厚クリームスープの間や濃厚クリームスープの上に載せることで使用できる。
使用する容器の平面形状は特に限定されないが、容器の深さはスープがこぼれない深さが必要である。
容器の材質は電子レンジによる加熱調理に適し、ある程度の重量に耐えられる強度を持ったポリプロピレン容器が好ましい。
ふきこぼれを防止するだけであれば可食性液体の液面の高さを冷凍麺と冷凍濃厚クリームスープの接する高さより低くすることで足りるが解凍加熱時に麺に加熱むらができてしまい好ましくない。
逆に可食性液体の液面の高さが、冷凍濃厚クリームスープの上面より高くなりすぎる場合は解凍加熱時に冷凍濃厚クリームスープの解凍した部分が突沸しふきこぼれしやすくなるので好ましくない。
よって、可食性液体の液面の高さは、冷凍濃厚クリームスープの上面がかくれる程度以下までが好ましい。
冷凍濃厚クリームスープは電子レンジによる加熱により周縁部から解凍が始まるが、可食性液体の液面が冷凍麺と冷凍濃厚クリームスープの接する高さ以上にあることから、解凍が始まった部分と消泡性物質が溶け出した可食性の液体とが接するので濃厚クリームスープの突沸を効果的に防止でき、ふきこぼれを防止することができる。
なお、可食性の液体は、消泡性物質が溶け出しているので突沸することはない。
本発明の方法によれば冷凍濃厚クリームスープを突沸させず解凍加熱することができるが濃厚クリームスープと可食性液体は十分にまざりあっていないのでこれをよく混ぜてから食するとよい。
[試験例]
茹でたスパゲッティ100質量部に対しサラダオイル2質量部、HLB7のグリセリン脂肪酸エステルを表1に示す量加えて良く和え茹でたスパゲッティ表面に付着した。
電子レンジ加熱用耐熱容器(縦170mm、横120mm、高さ40mm)に前記スパゲティ130gを入れ、濃縮度50質量%の濃縮ホワイトソース110gをその上に盛り付けた。濃縮ホワイトソースとは小麦粉と油脂でルーを作り、これを牛乳などでのばして調味料を加えて加熱した後20℃まで真空冷却したものである。
これを直ちに−40℃の急速冷凍庫で30分間急速冷凍し容器入り濃厚クリームスープ載置冷凍麺を得た。
前記容器入り濃厚クリームスープ載置冷凍麺の容器に水を110g加えた。
このとき冷凍麺と冷凍濃厚クリームスープの接する高さは底面から20mm、水面の高さは底面から25mm、冷凍濃厚クリームスープの上面の高さは底面から30mmであった。
これを600W電子レンジで6分間加熱し、ふきこぼれの状況及び食味を以下の評価基準で10名のパネラーにより評価を行った。
食味
5点 エグ味が全く感じられない。
4点 エグ味がほとんど感じられない。
3点 エグ味を若干感じる。
2点 エグ味を感じる。
1点 エグ味を強く感じる。
ふきこぼれ
5点 ふきこぼれが全くない。
4点 ふきこぼれがほとんどない。
3点 ふきこぼれが若干ある。
2点 ふきこぼれが多い。
1点 ふきこぼれが非常に多い。
ふきこぼれ防止効果は、0.10質量部以上の添加量で十分であった。
Claims (1)
- 表面に消泡性物質を付着させた冷凍麺と冷凍濃厚クリームスープとを前記冷凍麺の上部を前記冷凍濃厚クリームスープが被覆する状態で容器に収容し可食性の液体をその液面が前記冷凍麺と前記冷凍濃厚クリームスープの接する高さ以上、冷凍濃厚クリームスープの上面がかくれる程度以下となるように容器に加えて電子レンジで解凍加熱することを特徴とする電子レンジを使用した容器入り濃厚クリームスープ載置冷凍麺の解凍加熱方法。
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