[実施例1]
以下、本発明の実施例1について、図面を参照して詳細に説明する。実施例1に係る給電システムは、図1に示すように給電装置100と、電子機器200とを有する。実施例1における給電システムにおいて、図1のように電子機器200が給電装置100の上に置かれた場合、給電装置100は、給電アンテナ108を介して電子機器200に無線給電を行う。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合において、受電アンテナ201を有する電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100から出力される電力を無線により受け付ける。さらに、電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100から受け付けた電力によって、電子機器200に装着された電池210の充電を行う。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しない場合、電子機器200は、受電アンテナ201を有している場合であっても、給電装置100から電力を受け付けることができない。
なお、所定の範囲とは、電子機器200が給電装置100から供給される電力によって、通信を行うことができる範囲である。
なお、給電装置100は複数の電子機器に対しても、電力を無線で供給することができるものとする。
電子機器200は、電池210から供給される電力によって動作する電子機器であれば、デジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話、デジタルビデオカメラ等の撮像装置であってもよく、音声データや映像データの再生を行うプレイヤ等の再生装置であってもよい。また、電子機器200は、電池210から供給される電力によって駆動する自動車のような移動装置であってもよい。
また、電子機器200は、電池210が装着されていない場合であっても、給電装置100から供給される電力によって動作を行うことができる電子機器であってもよいものとする。
図2は、給電装置100と、電子機器200と有する給電システムのブロック図を示す図である。
給電装置100は、図2に示すように、発振器101、電力送信回路102、整合回路103、変復調回路104、CPU105、ROM106、RAM107、給電アンテナ108、タイマー109、記録部110及び変換部111を有する。さらに、給電装置100は、図2に示すように通信部112、表示部113及び操作部114を有する。
発振器101は、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される電力をCPU105によって設定された目標値に対応する電力に変換して電子機器200に供給するために用いられる高い周波数を発振する。なお、発振器101は、水晶振動子等を用いる。
電力送信回路102は、変換部111から供給される電力と、発振器101によって発振される周波数とに応じて、給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するための電力を生成する。電力送信回路102は、内部にFET等を有し、発振器101によって発振される周波数に応じて、内部のFETのソース・ドレインの端子間に流れる電流を制御することにより、電子機器200に供給するための電力を発生させる。なお、電力送信回路102によって生成された電力は、整合回路103を介して、給電アンテナ108に供給される。
また、電力送信回路102によって生成される電力には、第1の電力と、第2の電力とがある。
第1の電力は、給電装置100が電子機器200を制御するためのコマンドを電子機器200に送信するための電力である。第2の電力は、第1の電力よりも大きい電力である。例えば、第1の電力は、2W以下の電力であり、第2の電力は、3W〜10Wまでの電力である。
なお、給電装置100が第1の電力を電子機器200に供給している場合、給電装置100は、コマンドを電子機器200に送信することができる。しかし、給電装置100が第2の電力を電子機器200に供給している場合、給電装置100は、コマンドを電子機器200に送信することができない。
また、第1の電力は、給電装置100が電子機器200以外のどのような装置に対しても、給電装置100がコマンドを送信できるようにCPU105によって設定される電力である。
CPU105は、電子機器200に供給するための電力を、第1の電力及び第2の電力のいずれか一つに切り替えるように電力送信回路102を制御する。
また、電力送信回路102は、温度検出部102aを有する。温度検出部102aは、給電装置100の温度を示す温度情報を検出し、定期的にCPU105に対して温度情報を供給する。
整合回路103は、発振器101によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ108と、CPU105により選択された給電の対象となる装置が有する受電アンテナとの間で共振を行うための共振回路である。
整合回路103は、不図示の可変コンデンサ、可変コイルや抵抗等の素子を有する。整合回路103は、これらの素子に応じて、電力送信回路102と給電アンテナ108との間のインピーダンスマッチングを行う。
CPU105は、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するために、不図示の可変コンデンサ及び不図示の可変コイルの値を制御する。なお、共振周波数fは、給電装置100と、給電装置100が給電の対象となる装置とが共振を行うための周波数である。
給電装置100と、給電装置100が給電の対象となる装置とが共振を行うための周波数を以下「共振周波数f」と呼ぶ。
下記の数式(1)は、共振周波数fを示すものとする。Lは、整合回路103のインダクタンス、Cは整合回路103のキャパシタンスを示す。
また、整合回路103は、不図示の可変コンデンサ以外にもさらにコンデンサを有していてもよく、不図示の可変コイル以外にさらにコイルを有していてもよく、不図示の抵抗以外にさらに抵抗を有していてもよいものとする。
なお、CPU105は、不図示の可変コンデンサ及び可変コイルの値を制御することによって、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するようにした。しかし、これ以外の方法によって、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するようにしてもよい。
例えば、CPU105は、整合回路103に含まれるコンデンサと、整合回路103に含まれるコイルとの接続を切り替えることによって、発振器101によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するようにしてもよい。
なお、共振周波数fは、商用周波数である50/60Hzであってもよく、10〜数百kHzであってもよく、10MHz前後の周波数であってもよい。
さらに、整合回路103は、給電アンテナ108に流れる電流及び給電アンテナ108に供給される電圧の変化を検出することもできる。
発振器101によって発振される周波数が、共振周波数fに設定された状態で、電力送信回路102によって生成された電力は、整合回路103を介して給電アンテナ108に供給される。
変復調回路104は、電子機器200を制御するためのコマンドを電子機器200に送信するために、予め定められたプロトコルに応じて、電力送信回路102によって生成された電力の変調を行う。予め定められたプロトコルとは、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)等のISO/IEC 18092規格に準拠した通信プロトコルである。電力送信回路102によって発生された電力は、変復調回路104によって、電子機器200と通信を行うためのコマンドとして、パルス信号に変換され、給電アンテナ108を介して電子機器200に送信される。また、予め定められたプロトコルは、NFC(Near Field Communication)の規格と互換性がある通信プロトコルであってもよい。
電子機器200に送信されたパルス信号は、電子機器200により解析されることによって、「1」の情報と、「0」の情報とを含むビットデータとして検出される。なお、コマンドには、宛先を識別するための識別情報及びコマンドによって指示される動作を示すコマンドコード等が含まれる。なお、CPU105は、コマンドに含まれる識別情報を変更するように変復調回路104を制御することによって、電子機器200だけにコマンドを送信することもできる。また、CPU105は、コマンドに含まれる識別情報を変更するように変復調回路104を制御することによって、電子機器200及び電子機器200以外の装置に対しても、コマンドを送信することもできる。
変復調回路104は、電力送信回路102によって発生された電力を、振幅変位を利用したASK(Amplitude Shift Keying)変調によって、パルス信号に変換する。ASK変調は、振幅変位を利用した変調であり、ICカードと、ICカードと無線により通信を行うカードリーダとの通信等で用いられる。
変復調回路104は、変復調回路104に含まれるアナログ乗算器や負荷抵抗をスイッチングさせることにより電力送信回路102によって生成された電力の振幅を変更する。このことによって、変復調回路104は、電力送信回路102によって生成された電力の振幅をパルス信号に変更する。変復調回路104によって変更されたパルス信号は、給電アンテナ108に供給され、コマンドとして電子機器200に送信される。
さらに、変復調回路104は、所定の符号化方式による符号化回路を有する。
変復調回路104は、整合回路103において検出される給電アンテナ108に流れる電流の変化に応じて、電子機器200に送信したコマンドに対する電子機器200からの応答を符号化回路により復調することができる。このことによって、変復調回路104は、負荷変調方式によって電子機器200に送信したコマンドに対する応答を、電子機器200から受信することができる。変復調回路104は、CPU105からの指示に応じてコマンドを電子機器200に送信する。さらに、変復調回路104は、電子機器200からの応答を受信した場合、受信した応答を復調してCPU105に供給する。
CPU105は、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている場合、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される電力によって、給電装置100の各部を制御する。また、CPU105は、ROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、給電装置100の各部の動作を制御する。CPU105は電力送信回路102を制御することにより電子機器200に供給する電力を制御する。また、CPU105は、変復調回路104を制御することにより、コマンドを電子機器200に送信する。
また、CPU105は、給電装置100においてエラーが発生したか否かを判定する。例えば、CPU105は、温度検出部102aから供給される温度情報に応じて、給電装置100の温度が所定の温度以上になったか否かを判定する。このことによって、CPU105は、給電装置100においてエラーが発生したか否かを判定することができる。この場合、CPU105は、給電装置100の温度が所定の温度以上になったと判定した場合、給電装置100にエラーが発生したと判定する。また、この場合、CPU105は、給電装置100の温度が所定の温度以上ではないと判定した場合、給電装置100にエラーが発生していないと判定する。
ROM106は、給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。また、ROM106は、表示部113に表示させるための映像データを記録している。
RAM107は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、変復調回路104によって電子機器200から受信された情報等を記録する。
給電アンテナ108は、電力送信回路102により生成された電力を外部に出力するためのアンテナである。
給電装置100は、給電アンテナ108を介して電子機器200に電力を供給したり、コマンドを送信する。また、給電装置100は、給電アンテナ108を介して電子機器200からコマンド、電子機器200に送信したコマンドに対応する応答及び電子機器200から送信された情報を受信する。
タイマー109は、現在の時刻や各部で行われる動作や処理に関する時間を計測する。また、タイマー109によって計測される時間に対する閾値は、ROM106にあらかじめ記録されている。
記録部110は、通信部112によって受信された映像データや音声データ等のデータを記録媒体110aに記録する。
また、記録部110は、映像データや音声データ等のデータを記録媒体110aから読み出し、RAM107、通信部112及び表示部113に供給することもできる。
なお、記録媒体110aは、ハードディスクやメモリカード等であってもよく、給電装置100に内蔵されていても、給電装置100に着脱可能な外部の記録媒体であってもよい。
変換部111は、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている場合、不図示のAC電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を給電装置100全体に供給する。
通信部112は、RAM107及び記録媒体110aのいずれか一つから供給された映像データや音声データを電子機器200に送信する。また、通信部112は、電子機器200から給電装置100に送信される映像データや音声データを受信する。
例えば、通信部112は、USB(Universal Serial Bus)やHDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)等のインターフェースに応じて、通信を行ってもよい。また、通信部112は、無線通信方式に準拠した通信を行ってもよいものとする。また、例えば、通信部112は、無線LAN規格に規定されている802.11a、b、g、n規格に応じて無線通信を行ってもよい。通信部112は、無線LAN規格に準拠した信号に変調することにより映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。
なお、通信部112は、変復調回路104によりコマンドが給電アンテナ108を介して電子機器200に送信されている場合であっても、電子機器200から映像データや音声データを受信したり、映像データや音声データを電子機器200に送信できる。また、通信部112は、コマンドに対応する応答が給電アンテナ108を介して電子機器200から変復調回路104により受信されている場合でも、電子機器200から映像データや音声データを受信したり、映像データや音声データを電子機器200に送信できる。
表示部113は、記録部110によって記録媒体110aから読み出される映像データ、RAM107から供給される映像データ、ROM106から供給される映像データ及び通信部112から供給される映像データのいずれか一つの映像データを表示する。表示部113は、記録媒体110aから読み出された映像データやROM106にあらかじめ記録されているアイコンやメニュー画面等を表示することもできる。
操作部114は、給電装置100を操作するためのユーザインターフェースを提供する。操作部114は、給電装置100を操作するための電源ボタン、給電装置100の動作モードを切り換えるモード切換ボタン、給電装置100の設定を変更するための設定変更ボタン等を有し、各ボタンはスイッチ、タッチパネル等により構成される。CPU105は、操作部114を介して入力されたユーザの指示に従って給電装置100を制御する。なお、操作部114は、不図示のリモートコントローラから受信したリモコン信号に応じて給電装置100を制御するものであってもよい。
給電装置100は、さらに不図示のスピーカ部を有していてもよい。不図示のスピーカ部は、記録部110によって記録媒体110aから読み出される音声データ、ROM106から供給される音声データ、RAM107から供給される音声データ及び通信部112から供給される音声データのいずれか一つを出力するものとする。
給電装置100が電子機器200に対して給電アンテナ108を介して電力を供給する場合、電力送信回路102、整合回路103、変復調回路104及び給電アンテナ108によって、第1の電力及び第2の電力のいずれか一つが電子機器200に出力される。
給電装置100が電子機器200に対して給電アンテナ108を介してコマンドを送信する場合、電力送信回路102、整合回路103、変復調回路104及び給電アンテナ108によって、第1の電力と、コマンドとが電子機器200に供給される。
給電装置100が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200に送信する場合、通信部112によって、映像データ及び音声データの少なくとも一つが電子機器200に送信される。
給電装置100が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200から受信する場合、通信部112によって、映像データ及び音声データの少なくとも一つが電子機器200から受信される。
なお、通信部112が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200に送信している場合であっても、給電装置100は、コマンドや情報を給電アンテナ108を介して電子機器200に送信することができる。また、通信部112が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200に送信している場合であっても、給電装置100は、コマンドに対応する応答や情報を給電アンテナ108を介して電子機器200から受信することができる。
また、通信部112が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200から受信している場合であっても、給電装置100は、コマンドや情報を給電アンテナ108を介して電子機器200に送信することができる。また、通信部112が映像データ及び音声データの少なくとも一つを電子機器200から受信している場合であっても、給電装置100は、コマンドに対応する応答や情報を給電アンテナ108を介して電子機器200から受信することができる。
給電装置100は、高速通信モードと、低速通信モードとを含む複数の動作モードを有する。高速通信モードは、給電装置100が電子機器200や他の電子機器に対してコマンドや情報を給電アンテナ108を介して送信する場合に、コマンドや情報を送信するための通信の速度が所定の速度よりも速くなるようにするためのモードである。なお、コマンドや情報を電子機器200や他の電子機器に送信するための通信の速度を以下「通信速度」と呼ぶ。低速通信モードとは、給電装置100が電子機器200や他の電子機器に対してコマンドや情報を送信する場合に、通信速度が所定の速度よりも遅くなるようにするためのモードである。
給電装置100の動作モードが高速通信モードである場合、CPU105は、通信速度が所定の速度よりも速くなるように変復調回路104を制御する。
給電装置100の動作モードが低速通信モードである場合、CPU105は、通信速度が所定の速度よりも遅くなるように変復調回路104を制御する。
次に、図2を参照して、電子機器200の構成の一例について説明を行う。
なお、電子機器200の一例として、デジタルスチルカメラを挙げ、以下、説明を行う。
電子機器200は、受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203、変復調回路204、CPU205、ROM206、RAM207、レギュレータ208、充電制御部209、電池210及びタイマー211を有する。さらに、電子機器200は、通信部212、撮像部213、記録部214及び操作部215を有する。
受電アンテナ201は、給電装置100から供給される電力を受電するためのアンテナである。電子機器200は、受電アンテナ201を介して、給電装置100から電力を受電したり、コマンドを受信する。また、電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100を制御するためのコマンド及び給電装置100から受信したコマンドに対応する応答を送信する。
整合回路202は、受電アンテナ201と整流平滑回路203との間のインピーダンスマッチングを行い、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するための共振回路である。整合回路202は、整合回路103と同様に不図示のコンデンサ、コイル、可変コンデンサ、可変コイル及び抵抗等を有する。整合回路202は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、可変コンデンサのキャパシタンスの値、可変コイルのインダクタンスの値及び可変抵抗のインピーダンスの値を制御する。
また、整合回路202は、受電アンテナ201によって受電される電力を整流平滑回路203に供給する。
整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電された電力からコマンド及びノイズを取り除き、直流電力を生成する。さらに、整流平滑回路203は、生成した直流電力をレギュレータ208に供給する。整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電される電力から取り除いたコマンドを変復調回路204に供給する。なお、整流平滑回路203は、整流用のダイオードを有し、全波整流及び半波整流のいずれか一つにより直流電力を生成する。
変復調回路204は、整流平滑回路203から供給されたコマンドを給電装置100と予め決められた通信プロトコルに応じて解析し、コマンドの解析結果をCPU205に供給する。
給電装置100から電子機器200に対して電力が供給されている場合、CPU205は、コマンド、コマンドに対する応答及び所定の情報を給電装置100に送信するために変復調回路204に含まれる負荷を変動させるように変復調回路204を制御する。変復調回路204に含まれる負荷が変化する場合、給電アンテナ108に流れる電流が変化する。これにより、給電装置100は、給電アンテナ108に流れる電流の変化を検出することによって、電子機器200から送信されるコマンド、コマンド対する応答及び所定の情報を受信する。
CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果に応じて変復調回路204が受信したコマンドがどのコマンドであるかを判定し、受信したコマンドに対応するコマンドコードによって指定されている処理や動作を行うように電子機器200を制御する。
また、CPU205は、ROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、電子機器200の各部の動作を制御する。また、CPU205は、電子機器200において行われる動作や処理に必要な電力を示す情報を検出することができる。なお、電子機器200において行われる動作や処理に必要な電力を示す情報を以下「動作情報」と呼ぶ。
なお、CPU205は、電子機器200の動作モードがどのモードであるかを判定することによって、電子機器200の動作モードに対応する動作情報を検出することができる。
さらに、CPU205は、レギュレータ208から電子機器200のどの箇所に電力が供給されているのかを判定し、レギュレータ208から電力が供給されている箇所に対応する動作情報を検出してもよい。
なお、電子機器200の動作モードが充電モードである場合、動作情報には、電池210の充電のための電力を示す情報が含まれる。また、電子機器200の動作モードが撮影モードである場合、動作情報には、撮像部213を動作させるための電力を示す情報が含まれる。また、電子機器200の動作モードが充電モードであり、かつ、電子機器200が映像データを給電装置100に送信する場合、動作情報には、電池210の充電のための電力を示す情報及び通信部212を動作させるための電力を示す情報が含まれる。また、電子機器200の動作モードが撮影モードであり、かつ、電子機器200が映像データを給電装置100に送信する場合、動作情報には、撮像部213を動作させるための電力を示す情報及び通信部212を動作させるための電力を示す情報が含まれる。CPU205は、あらかじめROM206に記録されている電子機器200の各部で行われる動作や処理に対する電力を示す情報から動作情報を検出してもよい。また、CPU205は、電子機器200の消費電力を検出し、検出した消費電力から動作情報を検出しても良い。
ROM206は、電子機器200の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。また、ROM206には、電子機器200の識別情報、電子機器200のデバイス情報及び表示データ等が記録される。電子機器200の識別情報とは、例えば、電子機器200のIDを示す情報や電子機器200の通信でのアドレスを示す情報である。電子機器200のデバイス情報には、電子機器200のメーカー名、電子機器200の装置名、電子機器200の製造年月日、及び電子機器200の受電情報等が含まれる。
電子機器200の受電情報には、電子機器200が受電できる最大の電力を示す情報、電子機器200が受電できる最小の電力を示す情報及び電子機器200がコマンドによって給電装置100と通信を行う場合に必要な電力を示す情報等が含まれる。さらに、電子機器200の受電情報には、電子機器200が通信部212を動作させるために必要な電力を示す情報、電子機器200が充電を行うために必要な電力を示す情報及び電子機器200が撮像部213を動作させるために必要な電力を示す情報が含まれる。さらに、電子機器200の受電情報には、電子機器200が記録部214を動作させるために必要な電力を示す情報等が含まれる。
RAM207は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、給電装置100から送信された情報等を記録する。
レギュレータ208は、整流平滑回路203から供給される直流電力の電圧及び電池210から供給される電力の電圧のいずれか一つがCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。なお、レギュレータ208は、スイッチングレギュレータであっても、リニアレギュレータであっても良いものとする。
レギュレータ208は、電池210から電力が供給されていないが、給電装置100から電力が供給されている場合、整流平滑回路203から供給される直流電力を電子機器200全体に供給する。
レギュレータ208は、給電装置100から電力が供給されていないが、電池210から電力が供給されている場合、電池210から供給される電力を電子機器200全体に供給する。
レギュレータ208は、給電装置100及び電池210から電力が供給されている場合、整流平滑回路203から供給される直流電力と、電池210から供給される電力とを電子機器200全体に供給することもできる。
充電制御部209は、レギュレータ208から電力を供給された場合、供給される電力に応じて、電池210の充電を行う。なお、充電制御部209は、定電圧定電流方式により電池210の充電を行うものとする。また、充電制御部209は、装着されている電池210の残りの容量を示す情報を定期的に検出し、CPU205に供給する。
なお、電池210の残りの容量を示す情報を以下「残容量情報」と呼ぶ。
CPU205は、残容量情報をRAM207に記録する。
なお、残容量情報には、さらに電池210が満充電であるか否かを示す情報が含まれていてもよく、充電制御部209によって、電池210の充電が開始されてから経過した時間を示す情報が含まれていてもよい。また、残容量情報には、充電制御部209が電池210を定電圧制御に応じて充電を行っていることを示す情報や、充電制御部209が電池210を定電流制御に応じて充電を行っていることを示す情報等が含まれていてもよい。
また、充電制御部209は、電池210の充電を行う場合、電池210に流れる電流及び電池210に供給される電圧を検出し、CPU205に供給する。CPU205は、充電制御部209から供給された電池210に流れる電流を示す情報及び電池210に供給される電圧を示す情報をRAM207に記録する。
電池210は、電子機器200に着脱可能な電池である。また、電池210は、充電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン電池等である。電池210は、電子機器200の各部に対して電力を供給することができる。なお、電池210は、リチウムイオン電池以外の電池であってもよいものとする。
タイマー211は、現在の時刻や各部で行われる動作や処理に関する時間を計測する。また、タイマー211によって計測される時間に対する閾値は、ROM206にあらかじめ記録されている。
通信部212は、ROM206や記録媒体214aに記録されている映像データや音声データを給電装置100に送信したり、給電装置100から映像データや音声データを受信することもできる。
通信部212は、通信部112と共通する通信プロトコルに応じて、映像データや音声データの送信や受信を行う。また、例えば、通信部212は、無線LANとして規定されている802.11a、b、g、n規格に従って、映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。
撮像部213は、被写体の光学から映像データを生成するための撮像素子、撮像素子で生成された映像データに対して画像処理を行う画像処理回路、映像データを圧縮したり、圧縮された映像データを伸長したりする圧縮伸長回路等を有する。撮像部213は、被写体の撮影を行い、撮影の結果により得られた静止画像や動画像等の映像データを記録部214に供給する。
記録部214は、撮像部213から供給された映像データを記録媒体214aに記録する。撮像部213は、被写体の撮影を行うための必要な構成をさらに有していてもよい。
記録部214は、通信部212及び撮像部213のいずれか一つから供給された映像データや音声データ等のデータを記録媒体214aに記録する。
また、記録部214は、映像データや音声データ等のデータを記録媒体214aから読み出し、RAM207及び通信部212に供給することもできる。
なお、記録媒体214aは、ハードディスクやメモリカード等であってもよく、給電装置100に内蔵されていても、給電装置100に着脱可能な外部の記録媒体であってもよい。
操作部215は、電子機器200を操作するためのユーザインターフェースを提供する。操作部215は、電子機器200を操作するための電源ボタン及び電子機器200の動作モードを切り換えるモード切換ボタン等を有し、各ボタンはスイッチ、タッチパネル等により構成される。CPU205は、操作部215を介して入力されたユーザの指示に従って電子機器200を制御する。なお、操作部215は、不図示のリモートコントローラから受信したリモコン信号に応じて電子機器200を制御するものであってもよい。
なお、給電アンテナ108及び受電アンテナ201は、ヘリカルアンテナであっても、ループアンテナであってもよく、メアンダラインアンテナ等の平面状のアンテナであってもよいものとする。
また、実施例1において、給電装置100によって行われる処理は、給電装置100が電磁界結合によって電子機器200に対して無線で電力を供給するシステムにおいても適用できるものとする。同様に、実施例1において、電子機器200によって行われる処理は、給電装置100が電磁界結合によって電子機器200に対して無線で電力を供給するシステムにおいても適用できるものとする。
また、給電アンテナ108として電極を給電装置100に設け、受電アンテナ201として電極を電子機器200に設けることにより、給電装置100が電界結合により電力を電子機器200に供給するシステムにおいても、本発明を適用することができる。
また、給電装置100が電磁誘導によって無線で電子機器200に電力を供給するシステムにおいても、本発明を適用できるものとする。
また、実施例1において、給電装置100は、電子機器200に対して無線で電力を送信し、電子機器200は、給電装置100から無線で電力を受電するものとした。しかし、「無線」を「非接触」や「無接点」と言い換えてもよいものとする。
(通信処理)
次に、実施例1において、給電装置100によって行われる通信処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3に示す通信処理は、所定の範囲内に存在する電子機器に対して給電装置100によって行われる処理である。
以下、給電装置100が電子機器200に対して図3の通信処理を行う場合を一例として、説明を行う。なお、このとき、給電装置100と、電子機器200との距離は、所定の範囲内に存在するものとする。また、このとき、給電装置100は、電子機器200が所定の範囲内に存在することを検出し、電子機器200の識別情報を既に取得しているものとする。なお、図3のフローチャートに示す処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。
S301において、CPU105は、第1の電力を電子機器200に供給するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。この場合、本フローチャートはS301からS302に進む。なお、CPU105は、第1の電力を電子機器200に供給する場合、第1の電力の値を示す情報を電子機器200に給電アンテナ108を介して送信するようにしてもよい。
S302において、CPU105は、電子機器200のデバイス情報を要求するための第1のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS302からS303に進む。
電子機器200は、第1のコマンドを受け付けた場合、ROM206に記録されている電子機器200のデバイス情報を読み出して、第1のコマンドに対する応答として電子機器200のデバイス情報を給電装置100に送信する。
S303において、CPU105は、S302において電子機器200に送信された第1のコマンドに対する応答として、電子機器200のデバイス情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
CPU105によって、電子機器200のデバイス情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S303でYes)、CPU105は、変復調回路104から電子機器200のデバイス情報を取得し、RAM107に記録する。この場合(S303でYes)、本フローチャートは、S303からS304に進む。
CPU105によって、電子機器200のデバイス情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S303でNo)、本フローチャートは、S303からS317に進む。
S304において、CPU105は、電子機器200から取得した電子機器200のデバイス情報に応じて、通信電力値及び給電電力値を設定する。
通信電力値とは、給電装置100が電子機器200に対して供給することができる最大の第1の電力の値を示すものである。給電電力値とは、給電装置100が電子機器200に対して供給することができる最大の第2の電力の値を示すものである。
CPU105は、S303で取得した電子機器200のデバイス情報に含まれる受電情報から、電子機器200が受け付けることができる最大の電力の値を示す情報を取得し、通信電力値及び給電電力値を設定する。そのため、CPU105によって設定される通信電力値は、電子機器200が受け付けることができる最大の電力の値以下であって、かつ、電力送信回路102によって生成することができる最大の第1の電力の値以下の値となる。
また、CPU105によって設定される給電電力値は、電子機器200が受け付けることができる最大の電力の値以下であって、かつ、電力送信回路102によって生成することができる最大の第2の電力の値以下の値となる。
CPU105によって設定された通信電力値及び給電電力値は、RAM107に記録される。CPU105によって通信電力値及び給電電力値が設定された場合、本フローチャートは、S304からS305に進む。
S305において、CPU105は、電子機器200の残容量情報を要求するための第2のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS305からS306に進む。
電子機器200は、第2のコマンドを受け付けた場合、RAM207に記録されている電子機器200の残容量情報を読み出して、第2のコマンドに対する応答として電子機器200の残容量情報を給電装置100に送信する。
S306において、CPU105は、S305において電子機器200に送信された第2のコマンドに対する応答として、電子機器200の残容量情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
CPU105によって、電子機器200の残容量情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S306でYes)、CPU105は、変復調回路104から電子機器200の残容量情報を取得し、電子機器200の残容量情報をRAM107に記録する。この場合(S306でYes)、本フローチャートは、S306からS307に進む。
CPU105によって、電子機器200の残容量情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S306でNo)、本フローチャートは、S306からS317に進む。
S307において、CPU105は、電子機器200の動作情報を要求するための第3のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS307からS308に進む。
電子機器200は、第3のコマンドを受け付けた場合、RAM207に記録されている電子機器200の動作情報を読み出して、第3のコマンドに対する応答として電子機器200の動作情報を給電装置100に送信する。
S308において、CPU105は、S307において電子機器200に送信された第3のコマンドに対する応答として、電子機器200の動作情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
CPU105によって、電子機器200の動作情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S308でYes)、CPU105は、変復調回路104から電子機器200の動作情報を取得し、電子機器200の動作情報をRAM107に記録する。この場合(S308でYes)、本フローチャートは、S308からS309に進む。
CPU105によって、電子機器200の動作情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S308でNo)、本フローチャートは、S308からS317に進む。
S309において、CPU105は、電子機器200の動作情報に応じて、動作電力値を算出する。
動作電力値とは、電子機器200から取得した電子機器200の動作情報によって示される電子機器200の動作状態に対応する電力の値である。電子機器200の動作状態は、電子機器200によって行われる動作や処理を示す状態である。
CPU105によって、電子機器200の動作情報から算出された動作電力値は、RAM107に記録される。CPU105によって動作電力値が算出された場合、本フローチャートは、S309からS310に進む。
S310において、CPU105は、設定処理を行う。なお、設定処理は、電力送信回路102によって生成される第1の電力の値と、電力送信回路102によって生成される第2の電力の値とを設定するための処理である。CPU105は、S310の処理を行うことによって、給電装置100が電子機器200に供給する電力の設定を行う。なお、設定処理については、後述する。CPU105によって、設定処理が行われた場合、本フローチャートは310からS311に進む。S310の処理が行われた場合、CPU105は、設定処理によって設定された第1の電力の値に応じて、第1の電力の生成を行うように電力送信回路102を制御する。
S311において、CPU105は、電池210の残容量が動作電力値に対応する動作電力量以上であるか否かを判定する。なお、S311における動作電力値は、S309において、CPU105によって算出された値である。動作電力量とは、動作電力値と、電子機器200によって行われる動作や処理の時間との積によって算出される値である。
S311において、CPU105は、動作電力量を示す情報を電子機器200から取得してもよい。
また、S311において、CPU105は、電子機器200によって行われる動作や処理の時間を示す情報を電子機器200から取得してもよい。この場合、CPU105は、S309において算出された動作電力値と、電子機器200によって行われる動作や処理の時間とに応じて動作電力量を算出する。
なお、CPU105は、CPU105によって、電子機器200の残容量情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S306でYes)、電子機器200から取得した電子機器200の残容量情報に応じて、電池210の残容量を取得する。
CPU105によって、電池210の残容量が動作電力量以上であると判定された場合(S311でYes)、本フローチャートはS311からS314に進む。
CPU105よって、電池210の残容量が動作電力量以上でないと判定された場合(S311でNo)、本フローチャートはS311からS312に進む。
S312において、CPU105は、電力送信回路102によって生成される第1の電力が動作電力値以上であるか否かを判定する。
なお、S312における動作電力値は、S309において、CPU105によって算出された値である。
CPU105によって、電力送信回路102によって生成される第1の電力が動作電力値以上であると判定された場合(S312でYes)、本フローチャートは、S312からS314に進む。CPU105によって、電力送信回路102によって生成される第1の電力が動作電力値以上でないと判定された場合(S312でNo)、本フローチャートは、S312からS313に進む。
S313において、CPU105は、給電処理を行う。なお、給電処理とは、給電装置100が給電の対象である装置に対して、第2の電力を供給するための処理である。なお、CPU105は、S310の処理を行うことによって、電子機器200に第2の電力を供給する。なお、給電処理については、後述する。CPU105によって、給電処理が行われた場合、本フローチャートは終了する。
S314において、CPU105は、電力送信回路102において生成される第1の電力が、所定値P以上であるか否かを判定する。なお、所定値Pは、あらかじめROM106に記録されている値であってもよく、ユーザによって設定可能な値であってもよい。また、所定値Pは、CPU105が電子機器200から取得した情報に応じて設定するものであってもよい。
CPU105によって、第1の電力が所定値P以上であると判定された場合(S314でYes)、本フローチャートはS314からS315に進む。
CPU105よって、第1の電力が所定値P以上でないと判定された場合(S314でNo)、本フローチャートはS314からS318に進む。
S315において、CPU105は、給電装置100の動作モードを低速通信モードに変更するように制御する。
CPU105は、電力送信回路102によって生成される第1の電力の値と、ROM106に記録されている図6の(a)の通信速度テーブルとに応じて通信速度を検出する。
ROM106には、あらかじめ図6の(a)に示すような通信速度テーブルが記録されているものとする。この通信速度テーブルは、電力送信回路102によって生成される電力と、通信速度とを対応させたテーブルである。図6の(a)における給電電力値は、例えば、CPU105によって電子機器200のデバイス情報に応じて設定された給電電力値に対応するものとする。図6の(a)における所定値Pは、S314における所定値Pである。
さらに、CPU105は、検出された通信速度に応じて、変復調回路104を制御する。給電装置100の動作モードが低速通信モードに変更された場合、CPU105は、通信速度が所定値S以下になるように変復調回路104によって行われる振幅変調を制御する。所定値Sは、あらかじめROM106に記録されている値であってもよく、ユーザによって設定可能な値であってもよい。また、所定値Sは、CPU105が電子機器200から取得した情報に応じて設定するものであってもよい。
さらに、給電装置100の動作モードが低速通信モードである場合、CPU105は、電子機器200に送信するコマンドや情報に応じて、検出された通信速度に対する補正を行ってもよい。この場合、CPU105は、変復調回路104で生成されるコマンドや情報等のデータの容量を検出し、検出されたデータの容量に応じて、検出された通信速度に対して補正を行う。変復調回路104で生成されるコマンドや情報等のデータの容量が所定の容量よりも大きい場合、CPU105は、変復調回路104で生成されるコマンドや情報等のデータの容量が所定の容量以下である場合よりも、通信速度が高くなるように補正を行う。なお、給電装置100の動作モードが低速通信モードである場合、変復調回路104で生成されるコマンドや情報等のデータの容量が所定の容量よりも大きい場合であっても、CPU105は、通信速度が所定値S以下になるようにする。これにより、CPU105は、変復調回路104で生成され、給電アンテナ108を介して電子機器200に送信されるコマンドや情報等のデータの容量に応じて、通信速度を設定することができる。
給電装置100の動作モードが低速通信モードに変更された場合、本フローチャートはS315からS316に進む。
S316において、CPU105は、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止するか否かを判定する。電子機器200に対して電力を供給する処理とは、給電装置100が第1の電力及び第2の電力のいずれか一つを電子機器200に供給するための処理である。
なお、CPU105は、例えば、給電装置100にエラーが発生したか否かを判定することよって、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止するか否かを判定してもよい。この場合、CPU105によって、給電装置100にエラーが発生したと判定された場合、CPU105は、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止すると判定する(S316でYes)。この場合、CPU105によって、給電装置100にエラーが発生していないと判定された場合、CPU105は、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止しないと判定する(S316でNo)。
また、例えば、CPU105は、電子機器200によって電池210の充電が行われている場合、電池210の残容量が満充電であるか否かを判定することで、電子機器200に電力を供給する処理を停止するか否かを判定してもよい。この場合、CPU105は、電池210の残容量が満充電であると判定した場合、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止すると判定する(S316でYes)。この場合、CPU105は、電池210の残容量が満充電でないと判定した場合、電子機器200に対して電力を送信する処理を停止しないと判定する(S316でNo)。
また、例えば、CPU105は、電子機器200にエラーが発生したか否かを判定することによって、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止するか否かを判定してもよい。この場合、CPU105は、電子機器200からエラー情報を受信したと判定した場合、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止すると判定する(S316でYes)。この場合、CPU105は、電子機器200からエラー情報を受信していないと判定した場合、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止しないと判定する(S316でYes)。
また、例えば、CPU105は、電子機器200が所定の範囲内から取り外されたことを検出したか否かを判定することによって、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止するか否かを判定してもよい。
この場合、CPU105は、電子機器200が所定の範囲内から取り外されたことを検出したと判定した場合、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止すると判定する(S316でYes)。この場合、CPU105は、電子機器200が所定の範囲内から取り外されていないことを検出したと判定した場合、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止しないと判定する(S316でNo)。なお、CPU105は、電子機器200に対して所定の範囲内に存在することを確認するためのコマンドを送信し、電子機器200からの応答に応じて、電子機器200が所定の範囲内から取り外されたか否かを判定してもよい。
また、例えば、CPU105は、電子機器200に対して電力を供給する必要があるか否かを判定することによって、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止するか否かを判定してもよい。この場合、CPU105は、電子機器200に対して、電子機器200が不図示のAC電源と接続されているか否かを問い合わせるようにしてもよい。
この場合、例えば、CPU105は、電子機器200が不図示のAC電源に接続されていないと判定した場合、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止すると判定する(S316でYes)。
この場合、CPU105は、電子機器200が不図示のAC電源に接続されていると判定した場合に、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止しないと判定する(S316でNo)。
CPU105によって、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止すると判定された(S316でYes)、本フローチャートは、S316からS317に進む。
CPU105によって、電子機器200に対して電力を供給する処理を停止しないと判定された(S316でNo)、本フローチャートは、S316からS305に進む。
S317において、CPU105は、電子機器200に対する第1の電力の供給停止するように、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。電力送信回路102によって第1の電力が生成されている場合、CPU105は、電子機器200への第1の電力の供給を停止するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。この場合、本フローチャートは終了する。なお、S317において、CPU105は、整合回路103に含まれる可変コンデンサや可変コイルの値を制御して給電装置100と電子機器200との共振を切断することにより、電子機器200への第1の電力の供給を停止させてもよい。また、S317において、CPU105は、発振器101による発振を停止させることによって、電子機器200への第1の電力の供給を停止させてもよい。また、S317において、CPU105は、電力送信回路102による第1の電力の生成を停止させることによって、電子機器200への第1の電力の供給を停止させてもよい。
S318において、CPU105は、給電装置100の動作モードを高速通信モードに変更するように制御する。この場合、CPU105は、電力送信回路102によって生成される第1の電力の値と、ROM106に記録されている図6の(a)の通信速度テーブルとに応じて通信速度を検出する。さらに、CPU105は、検出された通信速度に応じて、変復調回路104を制御する。給電装置100の動作モードが高速通信モードに変更された場合、CPU105は、通信速度が所定値Sよりも高くなるように変復調回路104によって行われる振幅変調を制御する。
さらに、給電装置100の動作モードが高速通信モードである場合、CPU105は、電子機器200に送信するコマンドや情報に応じて、検出された通信速度に対する補正を行ってもよい。この場合、CPU105は、変復調回路104で生成されるコマンドや情報等のデータの容量を検出し、検出されたデータの容量に応じて、検出された通信速度に対して補正を行う。変復調回路104で生成されるコマンドや情報等のデータの容量が所定の容量よりも大きい場合、CPU105は、変復調回路104で生成されるコマンドや情報等のデータの容量が所定の容量以下である場合よりも、通信速度が高くなるようする。これにより、CPU105は、変復調回路104で生成され、給電アンテナ108を介して電子機器200に送信されるコマンドや情報等のデータの容量に応じて、通信速度を設定することができる。
なお、給電装置100の動作モードが高速通信モードに変更された場合、本フローチャートはS318からS316に進む。
なお、電池210の残容量が動作電力量以上であると判定された場合(S311でYes)であっても、操作部114を介して、電子機器200に対して給電処理を開始するための操作が行われたとき、CPU105は、S313の給電処理を行うようにする。
また、第1の電力が動作電力値以上であると判定された場合(S312でYes)であっても、操作部114を介して、電子機器200に対して給電処理を開始するための操作が行われたとき、CPU105は、S313の給電処理を行うようにする。
なお、CPU105によって、図3の通信処理が行われている場合であっても、CPU105は、給電装置100にエラーが発生したことを検出した場合、電力送信回路102において生成される電力が所定値Pよりも低くなるように変更する。さらに、CPU105は、所定値Pよりも低い第1の電力を電子機器200に供給し、給電装置100にエラーが発生したことを通知するコマンドを電子機器200に送信するようにする。
この場合、CPU105は、給電装置100の動作モードを自動的に高速通信モードに変更し、通信速度が最大の速度になるようにするために変復調回路104を制御するようにしてもよい。この場合、通信速度は、給電装置100が電子機器200に対してデータ送信するための最大の速度を示す値になるようにCPU105によって制御される。
なお、S311において、CPU105は、電池210の残容量が動作電力量以上であるか否かを判定するようにしたが、電池210の残容量が、特定の値以上の残容量であるか否かを判定するようにしてもよい。
(設定処理)
次に、実施例1において、給電装置100によってS310の処理において行われる設定処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。図4に示す設定処理は、CPU105によって行われる。
なお、図4のフローチャートに示す処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。
S401において、CPU105は、動作電力値が通信電力値以上であるか否かを判定する。なお、通信電力値は、S304において取得された値であり、動作電力値は、S309において算出された値である。
CPU105によって、動作電力値が通信電力値以上であると判定された場合(S401でYes)、本フローチャートはS401からS405に進む。
CPU105よって、動作電力値が通信電力値以上でないと判定された場合(S401でNo)、本フローチャートはS401からS402に進む。
S402において、CPU105は、第1の電力の値を、S309において算出された動作電力値に応じて設定する。なお、CPU105は、第1の電力の値がS309において算出された動作電力値以上であり、かつ、第1の最大電力値よりも小さくなるようになるように設定するようにする。CPU105によって設定された第1の電力の値は、RAM107に記録される。第1の電力の値が設定された場合、本フローチャートはS402からS403に進む。
S403において、CPU105は、動作電力値が給電電力値以上であるか否かを判定する。なお、給電電力値は、S304において取得された値であり、動作電力値は、S309において算出された値である。
CPU105によって、動作電力値が給電電力値以上であると判定された場合(S403でYes)、本フローチャートはS403からS406に進む。
CPU105よって、動作電力値が給電電力値以上でないと判定された場合(S403でNo)、本フローチャートはS403からS404に進む。
S404において、CPU105は、第2の電力の値を、S309において算出された動作電力値に応じて設定する。なお、CPU105は、第2の電力の値がS309において算出された動作電力値以上であり、かつ、第2の最大電力値よりも小さくなるように設定するようにする。CPU105によって設定された第2の電力の値は、RAM107に記録される。第2の電力の値が設定された場合、本フローチャートは、終了する。
S405において、CPU105は、第1の電力の値を、S304において取得された第1の最大電力値に応じて設定する。なお、CPU105は、第1の電力の値が、S304において算出された通信電力値になるように設定する。CPU105によって設定された第1の電力の値は、RAM107に記録される。第1の電力の値が設定された場合、本フローチャートはS405からS403に進む。
S406において、CPU105は、第2の電力の値を、S304において取得された給電電力値に応じて設定する。なお、CPU105は、第2の電力の値が、S304において取得された第2の最大電力値になるように設定する。CPU105によって設定された第2の電力の値は、RAM107に記録される。第2の電力の値が設定された場合、本フローチャートは、終了する。
(給電処理)
次に、実施例1において、給電装置100によってS313の処理において行われる給電処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。図5に示す給電処理は、給電装置100によって、給電の対象となる電子機器が選択された場合に、CPU105によって行われる。
以下、CPU105によって給電の対象として電子機器200が選択された場合を一例として、給電処理の説明を行う。なお、図5のフローチャートに示す処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。
S501において、CPU105は、電子機器200に対して第2の電力を供給するための処理を開始することを電子機器200に通知するための第4のコマンドを電子機器200に送信するように整合回路103及び変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS501からS502に進む。
S502において、CPU105は、S501において電子機器200に送信した第4のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
CPU105によって、第4のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信したと判定された場合(S502でYes)、CPU105は、電子機器200が給電装置100から供給される第2の電力の受電を行うことができるモードに変更されたと判定する。この場合(S502でYes)、本フローチャートは、S502からS503に進む。
CPU105によって、第4のコマンドに対する応答を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S502でNo)、CPU105は、電子機器200が給電装置100から供給される第2の電力の受電を行うモードに変更されていないと判定する。この場合(S502でNo)、本フローチャートはS502からS517に進む。
S503において、CPU105は、第2の電力を給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。
なお、CPU105は、第2の電力を電子機器200に供給する場合、第2の電力の値を示す情報を電子機器200に給電アンテナ108を介して送信するようにしてもよい。
なお、CPU105は、図4の設定処理において設定された第2の電力の値に応じて、第2の電力を出力するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。第2の電力が給電アンテナ108を介して出力される場合、CPU105は、第2の電力が給電アンテナ108を介して出力されてから経過した時間を計測するようにタイマー109を制御する。タイマー109によって計測される時間を示す情報はRAM107に記録される。この場合、本フローチャートは、S503からS504に進む。
S504において、CPU105は、電力送信回路102において生成される第2の電力の値が、所定値P以上であるか否かを判定する。なお、S504における所定値Pは、S314における所定値Pと同一であるとする。
CPU105によって、第2の電力の値が所定値P以上であると判定された場合(S504でYes)、本フローチャートはS504からS505に進む。
CPU105よって、第2の電力の値が所定値P以上でないと判定された場合(S504でNo)、本フローチャートはS504からS519に進む。
S505において、CPU105は、給電装置100の動作モードを低速通信モードに変更するように制御する。
CPU105は、電力送信回路102によって生成される第2の電力の値と、ROM106に記録されている図6の(a)の通信速度テーブルとに応じて通信速度を検出する。
さらに、CPU105は、検出された通信速度に応じて、変復調回路104を制御する。給電装置100の動作モードが低速通信モードに変更された場合、CPU105は、通信速度が所定値S以下になるように変復調回路104によって行われる振幅変調を制御する。
給電装置100の動作モードが低速通信モードに変更された場合、本フローチャートはS505からS506に進む。
S506において、CPU105は、S503において、タイマー109によって計測された時間が所定の時間Tに達したか否かを判定する。
CPU105よって、タイマー109によって計測された時間が所定の時間Tに達した場合(S506でYes)、所定の時間Tが経過したと判定する。この場合(S506でYes)、本フローチャートはS506からS507に進む。また、この場合(S506でYes)、CPU105は、時間の計測を停止するようにタイマー109を制御する。
CPU105よって、タイマー109によって計測された時間が所定の時間Tに達していない場合(S506でNo)、所定の時間Tが経過していないと判定する。この場合(S506でNo)、本フローチャートはS506からS506に戻る。
S507において、CPU105は、第1の電力を出力するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。なお、CPU105は、図4の設定処理において設定された第1の電力の値に応じて、第1の電力を出力するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。この場合、本フローチャートはS507からS508に進む。
S508において、CPU105は、S314と同様に電力送信回路102において生成される第1の電力の値が、所定値P以上であるか否かを判定する。
CPU105によって、第1の電力の値が所定値P以上であると判定された場合(S508でYes)、本フローチャートはS508からS509に進む。
CPU105よって、第1の電力の値が所定値P以上でないと判定された場合(S508でNo)、本フローチャートはS508からS520に進む。
S509において、CPU105は、S315と同様に、給電装置100の動作モードを低速通信モードに変更するように制御する。
CPU105は、電力送信回路102によって生成される第1の電力の値と、ROM106に記録されている図6の(a)の通信速度テーブルとに応じて通信速度を検出し、検出された通信速度に応じて、変復調回路104を制御する。給電装置100の動作モードが低速通信モードに変更された場合、CPU105は、通信速度が所定値S以下になるように変復調回路104によって行われる振幅変調を制御する。
給電装置100の動作モードが低速通信モードに変更された場合、本フローチャートはS509からS510に進む。
S510において、CPU105は、S316と同様に電子機器200に対して電力を送信する処理を停止するか否かを判定する。CPU105によって、電子機器200に対して電力を送信する処理を停止すると判定された場合(S510でYes)、本フローチャートは、S510からS517に進む。
CPU105によって、電子機器200に対して電力を送信する処理を停止しないと判定された(S510でNo)、本フローチャートは、S510からS511に進む。
S511において、CPU105は、S305と同様に、第2のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS511からS512に進む。
S512において、CPU105は、S511において電子機器200に送信された第2のコマンドに対する応答として、電子機器200の残容量情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
CPU105によって、電子機器200の残容量情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S512でYes)、CPU105は、変復調回路104から電子機器200の残容量情報を取得し、電子機器200の残容量情報をRAM107に記録する。この場合(S512でYes)、本フローチャートは、S512からS513に進む。
CPU105によって、電子機器200の残容量情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S512でNo)、本フローチャートは、S512からS517に進む。
S513において、CPU105は、第3のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS513からS514に進む。
S514において、CPU105は、S513において電子機器200に送信された第3のコマンドに対する応答として、電子機器200の動作情報を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
CPU105によって、電子機器200の動作情報を変復調回路104が受信したと判定された場合(S514でYes)、CPU105は、変復調回路104から電子機器200の動作情報を取得し、これをRAM107に記録する。この場合(S514でYes)、本フローチャートは、S514からS515に進む。
CPU105によって、電子機器200の動作情報を変復調回路104が受信していないと判定された場合(S514でNo)、本フローチャートは、S514からS517に進む。
S515において、CPU105は、S309と同様に、電子機器200の動作情報に応じて、動作電力値を算出する。なお、S515における電子機器200の動作情報は、S514において取得されたものである。CPU105によって算出された動作電力値は、RAM107に記録される。CPU105によって動作電力値が算出された場合、本フローチャートは、S515からS516に進む。
S516において、CPU105は、電子機器200の残容量情報に応じて、電子機器200の電池210が満充電であるか否かを判定する。なお、電子機器200の残容量情報は、S512において取得された情報である。
CPU105によって、電子機器200の電池210が満充電であると判定された場合(S516でYes)、本フローチャートはS516からS517に進む。
CPU105によって、電子機器200の電池210が満充電でないと判定された場合(S516でNo)、本フローチャートはS516からS521に進む。
S517において、CPU105は、電子機器200に対する第2の電力の供給を停止することを電子機器200に通知するための第5のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。この場合、本フローチャートはS517からS518に進む。
S518において、CPU105は、電子機器200に対して供給する第1の電力を停止するように、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103のいずれかを制御する。この場合、本フローチャートは終了する。
S519において、CPU105は、給電装置100の動作モードを高速通信モードに変更するように制御する。この場合、CPU105は、電力送信回路102によって生成される第2の電力の値と、ROM106に記録されている図6の(a)通信速度テーブルとに応じて通信速度を検出する。給電装置100の動作モードが高速通信モードに変更された場合、CPU105は、通信速度が所定値Sよりも高くなるように変復調回路104によって行われる振幅変調を制御する。
なお、給電装置100の動作モードが高速通信モードに変更された場合、本フローチャートはS519からS506に進む。
S520において、CPU105は、S318と同様に給電装置100の動作モードを高速通信モードに変更するように制御する。この場合、CPU105は、電力送信回路102によって生成される第1の電力の値と、ROM106に記録されている図6の(a)の通信速度テーブルとに応じて通信速度を検出する。さらに、CPU105は、検出された通信速度に応じて、変復調回路104を制御する。給電装置100の動作モードが高速通信モードに変更された場合、本フローチャートはS520からS510に進む。
S521において、CPU105は、動作電力値が変更されたか否かを判定する。CPU105は、S309において算出された電子機器200の動作電力値と、S515において算出された電子機器200の動作電力値とに応じて、動作電力値が変更されたか否かを判定する。
CPU105によって、S309において算出された電子機器200の動作電力値と、S515において算出された電子機器200の動作電力値とが一致しないと判定された場合、CPU105は、動作電力値が変更されたと判定する(S521でYes)。CPU105によって、S309において算出された電子機器200の動作電力値と、S515において算出された電子機器200の動作電力値とが一致すると判定された場合、CPU105は、動作電力値が変更されていないと判定する(S521でNo)。
CPU105によって、動作電力値が変更されたと判定された場合(S521でYes)、本フローチャートは、S521からS522に進む。CPU105によって、動作電力値が変更されていないと判定された場合(S521でNo)、本フローチャートは、S521からS503に戻る。
S522において、CPU105は、図4の設定処理を行う。S522において、CPU105は、S515で算出された動作電力値に応じて、第1の電力の値及び第2の電力の値を設定する。S522において、図4の設定処理が行われる場合、S401において、通信電力値と比較される動作電力値は、S515において算出された動作電力値である。また、S522において、図4の設定処理が行われる場合、S403において、給電電力値と比較される動作電力値は、S515において算出された動作電力値である。
CPU105によって、設定処理が行われた場合、本フローチャートはS522からS503に戻る。S522の処理が行われた場合、CPU105は、S522の設定処理において設定された第1の電力の値に応じて、第1の電力の生成を行うように電力送信回路102を制御する。さらにCPU105は、S522の設定処理において設定された第2の電力の値に応じて、第2の電力の生成を行うように電力送信回路102を制御する。
なお、第2の電力は、CPU105によって、タイマー109によって計測される時間が所定の時間Tに達した(S505でYes)と判定されるまで、給電装置100から電子機器200に給電アンテナ108を介して供給される。
なお、給電装置100が第2の電力を電子機器200に出力しているとき、給電装置100は、電子機器200にコマンドや情報を給電アンテナ108を介して送信することはできない。このため、給電装置100の動作モードが低速通信モードである場合であっても、給電装置100が第2の電力を電子機器200に出力しているとき、CPU105は、電子機器200に送信するコマンドや情報に応じて、検出された通信速度に対する補正を行わない。同様に、給電装置100の動作モードが高速通信モードである場合であっても、給電装置100が第2の電力を電子機器200に出力しているとき、CPU105は、電子機器200に送信するコマンドや情報に応じて、検出された通信速度に対する補正を行わない。S505及びS519において、CPU105は、第2の電力の値と、図6の(a)の通信速度テーブルとに応じて通信速度を設定するが、電子機器200に送信するコマンドや情報に応じて、通信速度を設定しないようにする。
実施例1において、CPU105は、給電装置100が給電アンテナ108を介して、電子機器200にコマンドや情報を送信する通信速度を、電力送信回路102で生成される電力と、図6の(a)の通信テーブルとに応じて検出するようにした。しかし、これに限られないものとする。例えば、CPU105は、給電装置100が給電アンテナ108を介して、電子機器200にコマンドや情報を送信する通信速度を、電力送信回路102で生成される電力と、図6の(b)の通信テーブルとに応じて検出するようにしてもよい。
図6の(b)の通信速度テーブルは、電力送信回路102によって生成される電力と、通信速度とを対応させたテーブルである。図6の(b)における給電電力値は、例えば、S304において算出された給電電力値に対応するものとする。図6の(b)における所定値Pは、例えば、S314、S504及びS508において用いられる所定値Pに対応するものとする。なお、給電装置100の動作モードが高速通信モードである場合、CPU105は、図6の(b)における所定値S以上の通信速度でコマンドやデータの送受信を電子機器200と行うようにする。なお、給電装置100の動作モードが低速通信モードである場合、CPU105は、図6の(b)における所定値Sよりも低い通信速度でコマンドやデータの送受信を電子機器200と行うようにする。
このように、実施例1に係る給電装置は、給電装置で生成された電力を電子機器に供給する場合、給電装置で生成される電力に応じて、コマンドや情報を電子機器に送信するための通信速度を設定するようにした。
このため、給電装置で生成される第1の電力が所定値P以上である場合(S314でYes)、通信速度が所定値よりも小さくなるように設定するので、通信速度が所定の速度よりも遅くなるようにすることができる。
また、給電装置で生成される第1の電力が所定値P以上でない場合(S314でNo)、通信速度が所定値よりも大きくなるように設定するので、通信速度が所定の速度以上早くなるようにすることができる。
さらに、電子機器に給電装置で生成された第1の電力が供給される場合、給電装置は、電子機器に送信されるコマンドや情報のデータ容量に応じて通信速度を設定するので、電子機器に送信するデータの容量に応じて通信を電子機器と行うことができる。
これにより、給電装置は、電子機器に送信するデータの容量が所定の容量よりも大きい場合、通信速度を速くして、データを電子機器に送信することができる。また、給電装置は、電子機器に送信するデータの容量が所定の容量以下である場合、通信速度を遅くして、データを電子機器に送信することができる。
また、給電装置で生成される第2の電力が所定値P以上である場合(S504でYes)、通信速度が所定値よりも小さくなるように設定するので、通信速度が所定の速度よりも遅くなるようにすることができる。
また、給電装置で生成される第2の電力が所定値P以上でない場合(S504でNo)、通信速度が所定値よりも大きくなるように設定するので、通信速度が所定の速度以上早くなるようにすることができる。
また、給電装置は、給電装置から電子機器に供給される電力に応じて、給電装置の通信速度を設定するようにしたので、給電装置の通信速度を設定するための操作をユーザに行わせる必要もなく、ユーザへの負荷を軽減することもできる。
また、給電装置は、給電装置から電子機器に供給される電力に応じて、給電装置の通信速度を設定するようにしたので、給電装置から電子機器に無線給電を行うことに伴う不要輻射を軽減することができる。給電装置は、不要輻射の発生を軽減することによって、電子機器に対して適正な給電を行い、データを電子機器に送信することができる。また、給電装置は、給電装置から電子機器に供給される電力に応じて、給電装置の通信速度を設定することにより、例えば、特定の規定に応じて、電子機器に対して適正な給電を行いながら、コマンドや情報等のデータを電子機器に送信することもできる。
なお、特定の規定とは、例えば、日本で定められている電波法やFCC Part 15等の電波に関する規定である。
したがって、給電装置は、電子機器に対して給電を行いながら、電子機器にデータを送信する処理を適正に行うことができる。
(他の実施例)
本発明に係る給電装置100は、実施例1で説明した給電装置100に限定されるものではない。また、本発明に係る電子機器200も実施例1で説明した電子機器200に限定されるものではない。例えば、本発明に係る給電装置100及び電子機器200は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
また、実施例1で説明した様々な給電装置100の処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。また、実施例1で説明した様々な電子機器200の処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、実施例1で説明した様々な機能を実現することになる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。