[実施例1]
以下、本発明の実施例1について、図面を参照して詳細に説明する。実施例1に係る給電システムは、図1に示すように給電装置100と、電子機器200とを有する。実施例1における給電システムにおいて、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合、給電装置100は、電子機器200に無線給電を行う。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合、電子機器200は、給電装置100から出力される電力を無線により受け取る。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しない場合、電子機器200は、給電装置100から電力を受け取ることができない。なお、所定の範囲とは、給電装置100と電子機器200とが通信を行うことができる範囲であるものとする。
なお、給電装置100は、複数の電子機器に対しても、並行して電力を無線で供給することができるものであってもよいものとする。
電子機器200は、カメラ等の撮像装置であってもよく、音声データや映像データの再生を行う再生装置であってもよい。また、電子機器200は、携帯電話やスマートフォンのようなモバイル機器であってもよいものとする。また、電子機器200は、電池211を含む電池パックであってもよい。
また、電子機器200は、給電装置100から供給される電力によって駆動する車のような装置であってもよい。また、電子機器200は、テレビジョン放送を受信する装置、映像データを表示するディスプレイ、またはパーソナルコンピュータであってもよいものとする。また、電子機器200は、電池211が装着されていない場合であっても、給電装置100から供給される電力を用いて動作する装置であってもよい。
図2は、実施例1に係る給電システムのブロック図を示す。給電装置100は、図2に示すように、変換部101、発振器102、電力生成部103、整合回路104、変復調回路105、給電アンテナ106、CPU107、ROM108、RAM109、表示部110、操作部111及び反射電力検出回路112を有する。
変換部101は、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている場合、不図示のAC電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を給電装置100に供給する。
発振器102は、変換部101から供給される電力をCPU107によって設定された目標値に対応する電力に変換するように電力生成部103を制御するために用いられる周波数を発振する。なお、発振器102は、水晶振動子等を用いる。
電力生成部103は、変換部101から供給される電力と、発振器102によって発振される周波数とに基づいて、給電アンテナ106を介して外部に出力するための電力を生成する。電力生成部103は、内部にFET等を有し、発振器102によって発振される周波数に応じて、内部のFETのソース・ドレインの端子間に流れる電流を制御し、外部に出力するための電力を生成する。なお、電力生成部103によって生成された電力は、反射電力検出回路112を介して、整合回路104に供給される。また、電力生成部103によって生成される電力には、第1の電力と、第2の電力とがある。
第1の電力は、給電装置100が電子機器200と無線通信を行うために電子機器200に供給するための電力である。第2の電力は、給電装置100が電子機器200に対して給電を行う場合に電子機器200に供給するための電力である。例えば、第1の電力は、1W以下の電力であり、第2の電力は、2W〜10Wまでの電力である。なお、第2の電力は、10W以上の電力であってもよい。なお、第1の電力は、第2の電力よりも低い電力であるものとする。また、第1の電力は、給電装置100が無線通信を行うために用いられる電力であれば、1W以下の電力に限られないものとする。
なお、給電装置100が第1の電力を電子機器200に供給している場合、給電装置100は、給電アンテナ106を介して電子機器200とNFC(Near Field Communication)規格に対応する無線通信を行うことができる。しかし、給電装置100が第2の電力を電子機器200に供給している場合、給電装置100は、給電アンテナ106を介して電子機器200とNFC規格に対応する無線通信を行うことができないものとする。
整合回路104は、発振器102によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ106と、給電装置100に対応する装置が有する受電アンテナとの間で共振を行うための共振回路である。また、整合回路104は、電力生成部103と給電アンテナ106との間のインピーダンスマッチングを行うための回路である。
図3に整合回路104の構成を示す。整合回路104は、図3に示すように、可変コンデンサ301、可変コンデンサ302、コイル303及び抵抗304を有する。
CPU107は、発振器102によって発振される周波数を、共振周波数fに設定するために、可変コンデンサ301や可変コンデンサ302の値を制御する。なお、共振周波数fは、給電装置100と、給電装置100によって給電される装置とが共振を行うために用いられる周波数である。
共振周波数fは、下記の数式(1)によって示されるものとする。Lは、整合回路104のインダクタンス、Cは、整合回路104のキャパシタンスを示す。
また、可変コンデンサ301及び可変コンデンサ302は、インピーダンスマッチングを行うために用いられる。
CPU107は、発振器102によって発振される周波数が、共振周波数fになるように整合回路104に含まれる可変コンデンサ301や可変コンデンサ302を制御する。また、整合回路104のキャパシタンスCを変更する方法として、複数のコンデンサを並列に配置し、リレーICなどで切り替えるようにしてもよい。
また、整合回路104は、可変コンデンサ301、可変コンデンサ302、コイル303及び抵抗304以外にも、さらに他の素子を有していてもよいものとする。
なお、共振周波数fは、商用周波数である50/60Hzであってもよく、10〜数十MHzであってもよく、13.56MHzの周波数であってもよいものとする。
さらに、整合回路104は、給電アンテナ106に流れる電流及び給電アンテナ106に供給される電圧の変化を検出することもできる。
なお、発振器102によって発振される周波数が、共振周波数fに設定された状態において、電力生成部103によって生成された電力は、整合回路104を介して給電アンテナ106に供給される。
変復調回路105は、給電装置100と電子機器200との間で、NFC規格に対応する無線通信を行うために用いられる回路である。給電装置100が電子機器200を制御するための制御データ(以下、コマンドと呼ぶ。)を電子機器200に送信する場合、変復調回路105は、NFC規格に対応するプロトコルに基づいて、電力生成部103によって生成された電力の変調を行う。
変復調回路105は、電力生成部103によって発生された電力を、振幅変位を利用したASK(Amplitude Shift Keying)変調によって、パルス信号に変換する。コマンドとして変換されたパルス信号は、給電アンテナ106を介して電子機器200に送信される。電子機器200に送信されたパルス信号は、電子機器200に解析されることによって、「1」の情報と、「0」の情報とを含むビットデータとして電子機器200に検出される。なお、ASK変調は、振幅変位を利用した変調であり、ICカードと、カードリーダとの通信等で用いられる。
さらに、変復調回路105は、所定の符合化方式に対応する符合化回路を有する。
変復調回路105は、整合回路104によって検出される給電アンテナ106に流れる電流の変化に応じて、電子機器200に送信したコマンドに対する電子機器200からの応答データや電子機器200からの制御データを符号化回路により復調することができる。このことによって、変復調回路105は、電子機器200に送信したコマンドに対する応答データや電子機器200から送信される制御データを、負荷変調方式に基づいて、電子機器200から受信することができる。
変復調回路105は、CPU107からの指示に応じてコマンドを電子機器200に送信する。さらに、変復調回路105は、電子機器200から応答データや制御データを受信した場合、受信した応答データや制御データを復調してCPU107に供給する。
給電アンテナ106は、電力生成部103により生成された電力を外部に出力するためのアンテナである。給電装置100は、給電アンテナ106を介して電子機器200に電力を供給したり、給電アンテナ106を介して電子機器200にコマンドを送信する。また、給電装置100は、給電アンテナ106を介して、電子機器200から制御データ及び電子機器200に送信したコマンドに対応する応答データを受信する。
CPU(Central Processing Unit)107は、ROM108に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、給電装置100を制御する。CPU107は、電力生成部103を制御することによって電子機器200に供給する電力を制御する。
また、CPU107は、カウンタ107aを有する。カウンタ107aは、給電装置100で行われる処理に関する回数をカウントする。また、カウンタ107aによってカウントされる回数に対する閾値は、ROM108にあらかじめ記録されている。また、カウンタ107aによって計測される時間を示す情報は、RAM109に記録される。
ROM108は、給電装置100を制御するコンピュータプログラム及び給電装置100に関するパラメータ等の情報を記憶する。ROM108には、補正テーブルが記録されている。なお、補正テーブルとは、電子機器200のステータスデータと、VSWRに対応する補正値とが関連付けられているテーブルである。なお、電子機器200のステータスデータには、電子機器200の動作状態を示す情報や電子機器200の移動状態を示す情報等が含まれる。
RAM109は、書き換え可能なメモリであり、給電装置100を制御するコンピュータプログラム、給電装置100に関するパラメータ等の情報、変復調回路105によって電子機器200から受信されたデータ等を記録する。
表示部110は、RAM109から供給される映像データ及びROM108から供給される映像データのいずれか一つを表示する。
操作部111は、給電装置100を操作するためのユーザインターフェースを提供する。操作部111は、給電装置100の電源ボタン及び給電装置100のモード切換ボタン等を有し、各ボタンはスイッチ、タッチパネル等により構成される。CPU107は、操作部111を介して入力されたユーザの指示に従って給電装置100を制御する。
反射電力検出回路112は、給電アンテナ106によって出力される電力の進行波の振幅電圧V1を示す情報と、給電アンテナ106によって出力される電力の反射波の振幅電圧V2を示す情報とを検出する。反射電力検出回路112によって検出された振幅電圧V1を示す情報及び振幅電圧V2を示す情報は、CPU107に供給される。CPU107は、反射電力検出回路112から供給された振幅電圧V1を示す情報及び振幅電圧V2を示す情報をRAM109に記録する。
反射電力検出回路112の構成の一例を、図4に示す。反射電力検出回路112は、図4に示すように、トロイダルコア401、コンデンサ402、コンデンサ403、ダイオード404、抵抗405、コンデンサ406、コンデンサ407、ダイオード408及び抵抗409を有する。さらに、反射電力検出回路112は、A/Dコンバータ410及びA/Dコンバータ411を有する。
反射電力検出回路112は、給電アンテナ106によって出力される電力の進行波をCM(誘導性結合及び容量性結合)結合によって、コンデンサ407の電圧として検出する。さらに、反射電力検出回路112は、検出されたコンデンサ407の電圧をA/Dコンバータ410によってアナログ値からデジタル値に変更してからCPU107に供給する。反射電力検出回路112は、給電アンテナ106によって出力される電力の反射波をCM結合によって、コンデンサ403の電圧として検出する。さらに、反射電力検出回路112は、検出されたコンデンサ403の電圧をA/Dコンバータ411によってアナログ値からデジタル値に変更してからCPU107に供給する。
なお、反射電力検出回路112において、トロイダルコア401によって誘導性結合が行われ、コンデンサ402及びコンデンサ406によって容量性結合が行われる。
CPU107は、A/Dコンバータ410から供給された電圧を進行波の振幅電圧V1として検出し、A/Dコンバータ411から供給された電圧を反射波の振幅電圧V2として検出する。CPU107は、進行波の振幅電圧V1と、反射波の振幅電圧V2とによって、電圧反射係数ρを取得する。さらに、CPU107は、電圧反射係数ρによって電圧定在波比VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)を算出する。
電圧定在波比VSWRは、給電アンテナ106から出力される電力の進行波と、給電アンテナ106から出力される電力の反射波との関係を示す値である。電圧定在波比VSWRの値が1に近いほど、反射電力が少なく、給電装置100から外部の電子機器に対して供給される電力の損失が少なく、効率が良い状態であることを示す。
下記の数式(2)は、電圧反射係数ρを示すものとする。
下記の数式(3)は、電圧定在波比VSWRを示すものとする。
なお、以下、電圧定在波比VSWRを「VSWR」と呼ぶ。
CPU107は、算出したVSWRを用いて、給電装置100の近傍に異物が存在するか否かを判定する。
次に、図2を参照して、電子機器200の構成の一例について説明を行う。電子機器200は、受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203、変復調回路204、CPU205、ROM206、RAM207、電流・電圧検出部208、レギュレータ209、充電制御部210、電池211及びセンサ212を有する。
受電アンテナ201は、給電装置100から供給される電力を受電するためのアンテナである。電子機器200は、受電アンテナ201を介して、給電装置100から電力を受電したり、給電装置100とNFC規格に対応する通信を行う。また、電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100からコマンドを受信した場合、給電装置100から受信したコマンドに対応する応答データを給電装置100に送信する。
整合回路202は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、インピーダンスマッチングを行うための共振回路である。整合回路202は、整合回路104と同様に可変コンデンサ、コイル及び抵抗等を有する。CPU205は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、整合回路202を制御する。また、整合回路202は、受電アンテナ201によって受電される電力を整流平滑回路203に供給する。
整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電された電力からコマンド及びノイズを取り除き、直流電力を生成する。さらに、整流平滑回路203は、生成した直流電力を電流・電圧検出部208を介してレギュレータ209に供給する。整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電される電力から取り除いたコマンドを変復調回路204に供給する。整流平滑回路203によって生成された直流電力は、レギュレータ209に供給される。
変復調回路204は、整流平滑回路203から供給されたコマンドを給電装置100に対応する通信プロトコルに応じて解析し、コマンドの解析結果をCPU205に供給する。給電装置100から電子機器200に第1の電力が供給されている場合、CPU205は、コマンドに対する応答データを給電装置100に送信するために変復調回路204に含まれる負荷を変動させるように変復調回路204を制御する。変復調回路204に含まれる負荷が変化する場合、給電アンテナ106に流れる電流が変化する。これにより、給電装置100は、給電アンテナ106に流れる電流の変化を検出することによって、電子機器200から送信されるコマンド対する応答データを受信する。
CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果に応じて変復調回路204が受信したコマンドがどのコマンドであるかを判定し、受信したコマンドに対応するコマンドコードによって指定されている処理や動作を行うように電子機器200を制御する。また、CPU205は、ROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、電子機器200を制御する。
ROM206は、電子機器200を制御するコンピュータプログラムを記憶する。また、ROM206には、電子機器200に関する情報等が記録される。RAM207は、書き換え可能なメモリであり、電子機器200を制御するコンピュータプログラム、給電装置100から送信されたデータ等を記録する。さらに、RAM207は、電子機器200のステータスデータを記録する。
電子機器200のステータスデータには、電子機器200の動作モードを示す情報、電子機器200の動作のために消費される電力を示す情報及び電子機器200の負荷の状態を示す情報の少なくとも一つが含まれる。また、電子機器200のステータスデータには、電子機器200の位置を示す情報や電子機器200の移動距離を示す情報が含まれていても良いものとする。CPU205は、定期的に電子機器200のステータスデータを検出し、RAM207に記録する。
電流・電圧検出部208は、整流平滑回路203から供給される電力の電圧と電流を検出し、検出した電圧情報及び電流情報をCPU205に供給する。
レギュレータ209は、CPU205からの指示に応じて、整流平滑回路203から供給される電力及び電池211から供給される電力のいずれか一つを電子機器200に供給するように制御する。
充電制御部210は、レギュレータ209から電力を供給される場合、電池211の充電の制御を行う。電池211は、電子機器200に着脱可能な電池である。また、電池211は、充電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池等である。また、電池211は、リチウムイオン電池以外のものであっても良いものとする。
センサ212は、電子機器200の位置を検出するセンサである。センサ212によって検出された電子機器200の位置を示す情報はCPU205に供給される。電子機器200の位置を示す情報とは、例えば、給電装置100の給電アンテナ106が設置された面に対する電子機器200の受電アンテナ201の位置を示す情報である。また、電子機器200の位置を示す情報は、例えば、給電装置100の給電アンテナ106が設置された面上に置かれている電子機器200の位置を示す情報であってもよい。また、電子機器200の位置を示す情報は、給電装置100の給電アンテナ106が設置された面上の空中に存在する電子機器200の位置を示す情報であってもよい。
CPU205は、定期的にセンサ212によって検出される位置情報を取得し、取得した位置情報に応じて、電子機器200の移動距離を示す情報を検出する。なお、電子機器200の位置を示す情報及び電子機器200の移動距離を示す情報はRAM207に記録される。
なお、センサ212は、電子機器200がユーザによって動かされた距離を検出するセンサであってもよいものとする。
なお、給電アンテナ106及び受電アンテナ201は、ヘリカルアンテナであっても、ループアンテナであってもよく、メアンダラインアンテナ等の平面状のアンテナであってもよいものとする。
また、実施例1において、給電装置100によって行われる処理は、給電装置100が電磁界結合によって電子機器200に対して無線で電力を供給するシステムにおいても適用できるものとする。また、実施例1において、給電装置100によって行われる処理は、電極を給電装置100に設け、かつ、電極を電子機器200に設けた場合に、給電装置100が電界結合によって電力を電子機器200に供給するシステムにおいても、適用できるものとする。また、実施例1において、給電装置100によって行われる処理は、給電装置100が電磁誘導によって無線で電子機器200に電力を供給するシステムにおいても、適用できるものとする。
また、実施例1において、給電装置100は、電子機器200に対して無線で電力を出力し、電子機器200は、給電装置100から無線で電力を受電するものとした。しかし、「無線」を「非接触」や「無接点」と言い換えてもよいものとする。
実施例1において、給電装置100は、NFC規格に対応する無線通信を電子機器200と行うものとする。このため、CPU107は、給電装置100における共振周波数fが、13.56MHzになるように設定するものとする。
(異物検出処理)
次に、実施例1において、給電装置100によって行われる異物検出処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。異物検出処理は、CPU107がROM108に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。図5に示す異物検出処理は、異物が給電装置100の近傍に存在するか否かを検出し、異物の有無に応じて、給電を制御するための処理を含む。
なお、異物とは、NFC規格に対応する無線通信を行う手段及び給電装置100から供給される電力を受電するための手段の少なくとも一つを有していないデバイスである。また、異物は、給電装置100から供給される電力によって故障する可能性のあるデバイスであっても良いものとする。なお、異物は、例えば、金属やICカードのようなものであるものとする。また、異物は、給電装置100に対応していない装置であっても良いものとする。
給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在することがCPU107によって検出された場合に、電子機器200が給電の対象として選択されたとき、CPU107は、電子機器200に第2の電力を供給するように給電装置100を制御する。
S501において、CPU107は、第2の電力を給電アンテナ106を介して電子機器200に供給するように発振器102、電力生成部103及び整合回路104を制御する。この場合、本フローチャートは、S502に進む。
S502において、CPU107は、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を設定値C1に設定し、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定値C2に設定する。さらに、CPU107は、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値が設定値C1に設定され、かつ、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値が設定値C2に設定された状態で、VSWRを算出する。さらに、CPU107は、現在、設定されている設定値C1、設定値C2及び取得したVSWRを関連付けてRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは、S503に進む。なお、S502において、CPU107によって算出されるVSWRを「VSWR1」と呼ぶものとする。
なお、設定値C1及び設定値C2は、あらかじめROM108に記録されている値であってもよい。また、設定値C1及び設定値C2は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在すると判定される前に、給電装置100の共振周波数fが、13.56MHzとなるように調整されたキャパシタンスの値であっても良いものとする。
S503において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR1が所定値A以上であるか否かを判定する。所定値Aは、異物が給電装置100の近傍に存在するか否かを検出するための閾値である。例えば、所定値Aは、3〜4までの値である。CPU107によって、VSWR1が所定値A以上でないと判定された場合(S503でNo)、本フローチャートは、S503からS504に進む。CPU107によって、VSWR1が所定値A以上であると判定された場合(S503でYes)、CPU107は、異物を検出する。
給電装置100の近傍に異物が置かれた場合、VSWRは、急激に大きく変化する。この場合、給電装置100の近傍に異物が置かれた場合におけるVSWRの値は、給電装置100の近傍に給電装置100に対応する装置が置かれた場合におけるVSWRの値よりも大きくなる。そのため、給電装置100の近傍に給電装置100に対応する装置が置かれた場合におけるVSWRの値よりも大きい値になるように、所定値Aを設定することにより、CPU107は、VSWRと所定値Aとを比較することで、異物を検出することができる。この場合(S503でYes)、本フローチャートは、S503からS520に進む。
S504において、CPU107は、後述の調整処理を行う。調整処理は、VSWRが1となるように、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値及び可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を調整するための処理である。調整処理がCPU107によって行われた場合、CPU107は、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を調整するための設定値C3及び可変コンデンサ302キャパシタンスの値を調整するための設定値C4を取得する。この場合、本フローチャートは、S505に進む。
S505において、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を設定値C3に設定し、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定値C4に設定する。さらに、CPU107は、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値が設定値C3に設定され、かつ、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値が設定値C4に設定された状態で、VSWRを算出する。さらに、CPU107は、現在、設定されている設定値C3、設定値C4及び取得したVSWRを関連付けてRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは、S506に進む。なお、S505において、CPU107によって算出されるVSWRを「VSWR2」と呼ぶものとする。なお、VSWR2は、VSWR1とは別にRAM109に記録されるものとする。
S506において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR2が所定値A以上であるか否かを判定する。CPU107によって、VSWR2が所定値A以上でないと判定された場合(S506でNo)、本フローチャートは、S506からS507に進む。CPU107によって、VSWR2が所定値A以上であると判定された場合(S506でYes)、CPU107は、異物を検出する。この場合(S506でYes)、本フローチャートは、S506からS520に進む。
S507において、CPU107は、S502と同様に、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を設定値C1に設定し、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定値C2に設定し、VSWRを算出する。さらに、CPU107は、現在、設定されている設定値C1、設定値C2及び取得したVSWRを関連付けてRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは、S508に進む。なお、S507において、CPU107によって算出されるVSWRを「VSWR3」と呼ぶものとする。なお、VSWR3は、VSWR1やVSWR2とは別にRAM109に記録されるものとする。
S508において、CPU107は、第1の電力を給電アンテナ106を介して電子機器200に供給するように電力生成部103を制御する。この場合、本フローチャートはS509に進む。
S509において、CPU107は、電子機器200のステータスデータを取得するために、NFC規格に対応する無線通信を行うように変復調回路105を制御する。電子機器200のステータスデータが変復調回路105によって取得された場合、CPU107は、取得した電子機器200のステータスデータをRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは、S510に進む。
S510において、CPU107は、S509において取得された電子機器200のステータスデータを用いて、電子機器200のステータスが変更されたか否かを判定する。CPU107によって、電子機器200のステータスが変更されていないと判定された場合(S510でNo)、本フローチャートは、S510からS511に進む。CPU107によって、電子機器200のステータスが変更されたと判定された場合(S510でYes)、本フローチャートは、S510からS518に進む。
S511において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR3が所定値A以上であるか否かを判定する。CPU107によって、VSWR3が所定値A以上でないと判定された場合(S511でNo)、本フローチャートは、S511からS512に進む。CPU107によって、VSWR3が所定値A以上であると判定された場合(S511でYes)、CPU107は、異物を検出する。この場合(S511でYes)、本フローチャートは、S511からS520に進む。
S512において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR1とVSWR3とを比較することによって、VSWR1とVSWR3との差分D1を算出する。さらに、CPU107は、差分D1が所定値B以上であるか否かを判定する。所定値Bは、所定値Bは、異物が給電装置100の近傍に存在するか否かを検出するための閾値である。CPU107によって、差分D1が所定値B以上でないと判定された場合(S512でNo)、本フローチャートは、S512からS513に進む。CPU107によって、差分D1が所定値B以上であると判定された場合(S512でYes)、CPU107は、異物を検出する。
給電装置100の近傍に異物が置かれた場合、給電装置100の近傍に異物が置かれた場合におけるVSWRの変化量は、給電装置100の近傍に給電装置100に対応する装置が置かれた場合におけるVSWRの変化量よりも大きくなる。そのため、給電装置100の近傍に給電装置100に対応する装置が置かれた場合におけるVSWRの変化量よりも大きい値になるように所定値Bを設定することで、CPU107は、VSWRの変化量と所定値Bとを比較し、異物を検出することができる。この場合(S512でYes)、本フローチャートは、S512からS520に進む。
S513において、CPU107は、S505と同様に、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を設定値C3に設定し、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定値C4に設定し、VSWRを算出する。さらに、CPU107は、現在、設定されている設定値C3、設定値C4及び取得したVSWRを関連付けてRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは、S514に進む。なお、S513において、CPU107によって算出されるVSWRを「VSWR4」と呼ぶものとする。なお、VSWR4は、VSWR1、VSWR2やVSWR4とは別にRAM109に記録されるものとする。
S514において、CPU107は、S509において取得された電子機器200のステータスデータを用いて、電子機器200のステータスが変更されたか否かを判定する。CPU107によって、電子機器200のステータスが変更されていないと判定された場合(S514でNo)、本フローチャートは、S514からS515に進む。CPU107によって、電子機器200のステータスが変更されたと判定された場合(S514でYes)、本フローチャートは、S514からS519に進む。
S515において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR4が所定値A以上であるか否かを判定する。CPU107によって、VSWR4が所定値A以上でないと判定された場合(S515でNo)、本フローチャートは、S515からS516に進む。CPU107によって、VSWR4が所定値A以上であると判定された場合(S515でYes)、CPU107は、異物を検出する。この場合(S515でYes)、本フローチャートは、S515からS520に進む。
S516において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR2とVSWR4とを比較することによって、VSWR2とVSWR4との差分D2を算出する。さらに、CPU107は、差分D2が所定値B以上であるか否かを判定する。CPU107によって、差分D2が所定値B以上でないと判定された場合(S516でNo)、本フローチャートは、S516からS517に進む。CPU107によって、差分D2が所定値B以上であると判定された場合(S516でYes)、本フローチャートは、S516からS520に進む。
S517において、CPU107は、電子機器200に対する給電を停止するか否かを判定する。CPU107によって、電子機器200に対する給電を停止すると判定された場合(S517でYes)、本フローチャートは、S517からS521に進む。
CPU107によって、電子機器200に対する給電を停止しないと判定された場合(S517でNo)、本フローチャートは、S521からS501に戻る。この場合、CPU107は、再び、第2の電力を電子機器200に供給するように給電装置100を制御する。
電子機器200のステータスが変更されたと判定された場合(S510でYes)、S518において、CPU107は、電子機器200のステータスの変化に応じて、VSWR3を補正する。
これは、電子機器200の動作モードや負荷の状態が変化した場合、または、電子機器200の移動距離が特定の距離以上である場合、電子機器200のステータスの変化に伴い、VSWRが変化する場合があるからである。この場合、CPU107は、異物が給電装置100の近傍に存在しない場合であっても、電子機器200のステータスの変化によるVSWRの変化を、異物が給電装置100の近傍に置かれたことによるVSWRの変化であると誤検出してしまう場合があった。
このような誤検出を防ぐため、CPU107は、ROM108に記録されている補正テーブルと、電子機器200から取得された電子機器200のステータスデータとを用いて、補正値を検出し、検出された補正値に応じて、VSWR3を補正する。さらに、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR3が補正されたVSWR3に上書きされるようにする。この場合、本フローチャートは、S511に進む。
電子機器200のステータスが変更されたと判定された場合(S514でYes)、S519において、CPU107は、電子機器200のステータスの変化に応じて、VSWR4を補正する。CPU107は、ROM108に記録されている補正テーブルと、電子機器200から取得された電子機器200のステータスデータとを用いて、補正値を検出し、検出された補正値に応じて、VSWR4を補正する。さらに、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR4が補正されたVSWR4に上書きされるようにする。この場合、本フローチャートは、S515に進む。
S520において、CPU107は、異物が検出されたことを通知するための警告データを表示するように表示部110を制御する。この場合、本フローチャートは、S521に進む。
S521において、CPU107は、給電アンテナ106を介して外部に出力している電力を制限するようにするために発振器102、電力生成部103及び整合回路104の少なくとも一つを制御する。
例えば、給電アンテナ106を介して、外部に第1の電力が出力されている場合、CPU107は、第1の電力の出力を停止するように制御する。また、給電アンテナ106を介して、外部に第2の電力が出力されている場合、CPU107は、第2の電力の出力を停止するように制御する。
また、例えば、給電アンテナ106を介して、外部に第1の電力が出力されている場合、CPU107は、第1の電力の値が徐々に小さくなるように制御してもよい。また、給電アンテナ106を介して、外部に第2の電力が出力されている場合、CPU107は、第2の電力から第1の電力を出力するように制御してから第1の電力の出力を停止するように制御してもよい。
この場合、本フローチャートは終了する。なお、CPU107は、給電を停止する前に、給電を停止することを電子機器200やユーザに通知するようにしてもよい。
なお、所定値A及び所定値Bは、あらかじめROM108に記録されているものであっても、電子機器200から取得されたデータに応じてCPU107によって設定されるものであってもよいものとする。
また、S502からS507までの処理は、給電装置100が第2の電力を出力している場合に、CPU107によって行われるようにしたが、これに限られないものとする。例えば、S502からS507までの処理は、給電装置100が第1の電力を出力している場合に、CPU107によって行われてもよいものとする。
(調整処理)
次に、実施例1において、S504において給電装置100によって行われる調整処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。調整処理は、CPU107がROM108に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。
S601において、CPU107は、RAM109に記録されている第1の回数T1、第2の回数T2及び第3の回数T3の値をリセットするように制御する。この場合、本フローチャートは、S602に進む。なお、第1の回数T1、第2の回数T2及び第3の回数T3は、カウンタ107aによってカウントされる値であり、第1の回数T1、第2の回数T2及び第3の回数T3については後述する。
給電装置100の近傍に電子機器200が存在する場合、整合回路104のインダクタンスLやCPU107によって算出されるVSWRが電子機器200から影響を受ける場合があった。このような場合において、給電装置100が電子機器200に給電する場合、給電装置100は、電力の損失を減少させ、効率よく電力の伝送を行うようにする必要がある。電力の伝送を効率良く行うためには、VSWRが1になることが望ましい。このため、CPU107は、整合回路104に含まれる可変コンデンサ301及び可変コンデンサ302の少なくとも一つを制御し、反射電力検出回路112によって検出されるVSWRが1になるように調整する。
S602において、CPU107は、共振周波数fが13.56MHzになるようにしながら、VSWRの値が1以上になるように可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を変更するようにする。さらに、CPU107は、変更された可変コンデンサ301のキャパシタンスの値をRAM109に記録する。CPU107は、第1の回数T1に1を加算するようにカウンタ107aを制御する。なお、第1の回数T1は、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値が変更された回数を示す。この場合、本フローチャートはS603に進む。
S603において、CPU107は、VSWRを算出し、S602において変更された可変コンデンサ301のキャパシタンスの値と算出されたVSWRとを関連付けてRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは、S604に進む。なお、S603において、CPU107によって算出されるVSWRを「VSWR5」と呼ぶものとする。なお、VSWR5は、VSWR1、VSWR2、VSWR3やVSWR4とは別にRAM109に記録されるものとする。
S604において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR5が所定値C以下であり、かつ、1以上であるか否かを判定する。所定値Cは、VSWRに対応する閾値である。例えば、所定値Cは、1.1〜1.3までの値である。CPU107によって、VSWR5が、所定値C以下であり、かつ、1以上であると判定された場合(S604でYes)、本フローチャートは、S604からS615に進む。
CPU107によって、VSWR5が、所定値Cよりも大きいと判定された場合(S604でNo)、本フローチャートは、S604からS605に進む。CPU107によって、VSWR5が、1よりも小さいと判定された場合(S604でNo)、本フローチャートは、S604からS605に進む。
S605において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR5が所定値D以上であるか否かを判定する。所定値Dは、VSWRに対応する閾値である。例えば、所定値Dは、2〜2.5までの値である。CPU107によって、VSWR5が所定値D以上でないと判定された場合(S605でNo)、本フローチャートは、S605からS607に進む。CPU107によって、VSWR5が所定値D以上であると判定された場合(S605でYes)、本フローチャートは、S605からS606に進む。
S606において、CPU107は、RAM109に記録されている第1の回数T1が所定の回数E以上であるか否かを判定する。所定の回数Eは、第1の回数T1に対応する閾値である。例えば、所定の回数Eは、1以上の値であればどのような値であっても良いものとする。CPU107によって、第1の回数T1が所定の回数E以上であると判定された場合(S606でYes)、本フローチャートは、S606からS607に進む。CPU107によって、第1の回数T1が所定の回数E以上でないと判定された場合(S606でNo)、本フローチャートは、S606からS602に戻る。
S607において、CPU107は、変更された可変コンデンサ301のキャパシタンスの値の中で算出されたVSWRが最も1に近くなるように、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を設定する。この場合、本フローチャートはS608に進む。
S608において、CPU107は、共振周波数fが13.56MHzになるようにしながら、VSWRの値が1以上になるように可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を変更するようにする。さらに、CPU107は、変更された可変コンデンサ302のキャパシタンスの値をRAM109に記録する。CPU107は、第2の回数T2に1を加算するようにカウンタ107aを制御する。なお、第2の回数T2は、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値が変更された回数を示す。この場合、本フローチャートはS609に進む。
S609において、CPU107は、VSWRを算出し、S608において変更された可変コンデンサ302のキャパシタンスの値と算出されたVSWRとを関連付けてRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは、S610に進む。なお、S609において、CPU107によって算出されるVSWRを「VSWR6」と呼ぶものとする。なお、VSWR6は、VSWR1、VSWR2、VSWR3、VSWR4やVSWR5とは別にRAM109に記録されるものとする。
S610において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR6が所定値C以下であり、かつ、1以上であるか否かを判定する。CPU107によって、VSWR6が、所定値C以下であり、かつ、1以上であると判定された場合(S610でYes)、本フローチャートは、S610からS615に進む。CPU107によって、VSWR6が、所定値Cよりも大きいと判定された場合(S610でNo)、本フローチャートは、S610からS611に進む。CPU107によって、VSWR6が、1よりも小さいと判定された場合(S610でNo)、本フローチャートは、S610からS611に進む。
S611において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR6が所定値F以上であるか否かを判定する。所定値Fは、VSWRに対応する閾値である。例えば、所定値Fは、1.3〜1.5までの値である。CPU107によって、VSWR6が所定値F以上でないと判定された場合(S611でNo)、本フローチャートは、S611からS616に進む。CPU107によって、VSWR6が所定値F以上であると判定された場合(S611でYes)、本フローチャートは、S611からS612に進む。
S612において、CPU107は、RAM109に記録されている第2の回数T2が所定の回数G以上であるか否かを判定する。所定の回数Gは、第2の回数T2に対応する閾値である。例えば、所定の回数Gは、1以上の値であればどのような値であっても良いものとする。CPU107によって、第2の回数T2が所定の回数G以上でないと判定された場合(S612でNo)、本フローチャートは、S612からS608に戻る。CPU107によって、第2の回数T2が所定の回数G以上であると判定された場合(S612でYes)、CPU107は、第3の回数T3に1を加算するようにカウンタ107aを制御する。なお、第3の回数T3は、S602〜S612までの処理が行われた回数を示す。CPU107によって、第2の回数T2が所定の回数G以上であると判定された場合(S612でYes)、本フローチャートは、S612からS613に進む。
S613において、CPU107は、RAM109に記録されている第3の回数T3が所定の回数H以上であるか否かを判定する。所定の回数Hは、第3の回数T3に対応する閾値である。例えば、所定の回数Hは、1以上の値であればどのような値であっても良いものとする。CPU107によって、第3の回数T3が所定の回数H以上であると判定された場合(S613でYes)、本フローチャートは、S613からS614に進む。CPU107によって、第3の回数T3が所定の回数H以上でないと判定された場合(S613でNo)、本フローチャートは、S613からS617に進む。
S614において、CPU107は、変更された可変コンデンサ301のキャパシタンスの値と変更された可変コンデンサ302のキャパシタンスの値との組み合わせの中で、算出されたVSWRが最も1に近くなるようなキャパシタンスの組み合わせを設定する。この場合、CPU107は、算出されたVSWRが最も1に近くなるように、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値及び可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定する。この場合、本フローチャートはS615に進む。
S615において、CPU107は、現在、設定されている可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を設定値C3としてRAM109に記録する。さらに、CPU107は、現在、設定されている可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定値C4としてRAM109に記録する。この場合、本フローチャートは終了する。なお、このことによって、CPU107は、設定値C3及び設定値C4を取得することができる。
S616において、CPU107は、変更された可変コンデンサ302のキャパシタンスの値の中で、算出されたVSWRが最も1に近くなるように可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定する。この場合、本フローチャートはS615に進む。
S617において、CPU107は、S616と同様に、変更された可変コンデンサ302のキャパシタンスの値の中で、算出されたVSWRが最も1に近くなるように可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を設定する。この場合、本フローチャートはS602に戻る。
このように、実施例1に係る給電装置100は、外部に出力する電力の反射に関するVSWRを用いて異物の検出を行うようにした。このため、給電装置100は、電力を電子機器200に供給している場合に異物が給電装置100の近傍に置かれた場合であっても、異物の存在を検出することができる。
また、給電装置100は、VSWRの値及びVSWRの変化量に応じて、異物の検出を行うようにしたので、電子機器200のステータスの変化に伴うVSWRの変化を異物の影響によるVSWRの変化として誤検出しないようにすることができる。
さらに、給電装置100は、異物を検出した場合、電子機器200への電力の供給を制限するようにするので、異物に電力を供給しないようにしながら、電子機器200に対して安全に電力を供給するようにすることができる。このため、給電装置100によって検出された異物が金属である場合、金属を給電装置100からの給電によって発熱させないようにすることができる。また、給電装置100によって検出された異物がICカードのようなデバイスである場合、ICカードを給電装置100からの給電によって故障させないようにすることができる。
したがって、給電装置100は、異物の有無に応じて、適切な給電を行うようにすることができる。
なお、給電装置100は、VSWRを用いて異物を検出するようにしたが、SWRを用いて異物を検出するようにしても良いものとする。
[実施例2]
以下、本発明に係る実施例2について、説明を行う。なお、実施例2が実施例1と同様な構成を有する場合や、実施例1と同様な処理及び動作を行う場合、共通する説明を省略する。
(調整処理)
次に、実施例2において、CPU107によって図5の異物検出処理のS504において給電装置100によって行われる調整処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。図7の調整処理は、CPU107がROM108に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。
なお、実施例1において説明された調整処理と同様である処理の説明を省略し、異なる処理について説明を行う。
なお、図7のS701〜S703、S706〜S708、S711及びS712は、図6のS602〜S604、S608〜S610、S614及びS615と共通する処理を行うため、説明を省略する。
S704において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR5が所定値D以上であるか否かを判定する。所定値Dは、VSWRに対応する閾値である。CPU107によって、VSWR5が所定値D以上でないと判定された場合(S704でNo)、本フローチャートは、S704からS706に進む。CPU107によって、VSWR5が所定値D以上であると判定された場合(S704でYes)、本フローチャートは、S704からS705に進む。
S705において、CPU107は、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値の変更を全てのパターン行ったか否かを判定する。CPU107によって、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値の変更を全てのパターン行っていないと判定された場合(S705でNo)、本フローチャートは、S705からS701に戻る。CPU107によって、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値の変更を全てのパターン行ったと判定された場合(S705でYes)、本フローチャートは、S705からS706に進む。
S709において、CPU107は、RAM109に記録されているVSWR6が所定値F以上であるか否かを判定する。CPU107によって、VSWR6が所定値F以上でないと判定された場合(S709でNo)、本フローチャートは、S709からS711に進む。CPU107によって、VSWR6が所定値F以上であると判定された場合(S709でYes)、本フローチャートは、S709からS710に進む。
S710において、CPU107は、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値の変更を全てのパターン行ったか否かを判定する。CPU107によって、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値の変更を全てのパターン行っていないと判定された場合(S710でNo)、本フローチャートは、S710からS706に戻る。CPU107によって、可変コンデンサ302のキャパシタンス値の変更を全てのパターン行ったと判定された場合(S710でYes)、本フローチャートは、S710からS711に進む。
なお、実施例2において、給電装置100が実施例1と共通する処理を行う場合においては、実施例1と同様な効果が得られるものとする。
実施例2に係る給電装置100は、可変コンデンサ301のキャパシタンスの値を全パターン変更し、全パターンのキャパシタンスの値に対応するVSWRを用いて、設定値C3を取得するようにした。さらに、給電装置100は、可変コンデンサ302のキャパシタンスの値を全パターン変更し、全パターンのキャパシタンス値に対応するVSWRを用いて、設定値C4を取得するようにした。
このことによって、可変コンデンサ301が設定値C3に設定され、かつ、可変コンデンサ302が設定値C4に設定されている間、給電装置100は、電子機器200に対する電力の伝送を効率良く行うことができる。
なお、実施例1及び2に係る給電装置100の整合回路104は、図3に示すような回路として説明を行ったが、これに限られないものとする。給電装置100の整合回路104は、例えば、図8に示すような回路であっても良いものとする。図8に示される整合回路104は、可変コンデンサ301及び可変コンデンサ302の他にさらに、可変コンデンサ305及び可変コンデンサ306を有する。なお、給電装置100が図8のような整合回路104を有する場合、図5の異物検出処理及びS504の調整処理が行われる場合、CPU107は、可変コンデンサ305を可変コンデンサ301と同様に制御する。また、この場合、CPU107は、可変コンデンサ306を可変コンデンサ302と同様に制御するようにする。
実施例1及び2において、給電装置100と電子機器200とがNFC規格に対応する無線通信を行うものとして説明を行った。しかし、これに限られないものとする。例えば、給電装置100と電子機器200とがRFID(Radio Frequency IDentification)等のISO/IEC 18092規格に対応する無線通信を行っても良いものとする。また、例えば、給電装置100と電子機器200とがMIFARE(登録商標)の規格に対応する無線通信を行っても良いものとする。また、例えば、給電装置100と電子機器200とがFelica(登録商標)の規格に対応する無線通信を行っても良いものとする。また、例えば、給電装置100と電子機器200とがTransfer Jet(登録商標)の規格に対応する無線通信を行っても良いものとする。
給電装置100と電子機器200とがNFC規格以外の規格に対応する無線通信を行う場合、CPU107は、給電装置100の共振周波数fが、NFC規格以外の規格に対応する周波数となるように整合回路104を制御するものとする。例えば、給電装置100と電子機器200とがTransfer Jet規格に対応する無線通信を行う場合、CPU107は、給電装置100の共振周波数fが、Transfer Jet規格に対応する周波数となるように整合回路104を制御する。
給電装置は、外部に所定の電力を出力する給電手段と、第1の値と第2の値とを用いて、異物を検出する制御手段とを有し、前記第1の値は、外部装置と共振を行うための共振手段の状態が第1の状態である場合に検出される前記所定の電力の反射を示す値であり、前記第2の値は、前記第1の値が検出された後に前記共振手段の状態が第2の状態から前記第1の状態に変更された場合に検出される所定の電力の反射を示す値であることを特徴とする。
(他の実施例)
本発明に係る給電装置100は、実施例1及び2で説明した給電装置100に限定されるものではない。例えば、本発明に係る給電装置100は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
また、実施例1及び2で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、実施例1及び2で説明した様々な機能を実現することになる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1及び2で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。