JP5796623B2 - 電池 - Google Patents
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Description
これらの要求を満たす二次電池として、非水電解質を含む非水電解質二次電池が挙げられる。
蓋部23の中央部には、平板状の頭部24a及び円筒状の脚部24bを有し、断面視がT字状をなす負極端子24が、該負極端子24の表面を除き、合成樹脂製のガスケット25に包囲された状態で、蓋部23を貫通するように設けられている。
蓋部23の裏面には合成樹脂製の絶縁体26が、蓋部3の一端部側の長さが他端部側の長さより短くなる状態で配置されている。絶縁体26は凹部26aを有し、該凹部26aには、銅製であり、板状をなす集電体27が収容されている。集電体27はタブ27bを有し、タブ27bに前記電極群の負極板に接続された負極リードが接続されるように構成されている。絶縁体26,集電体27には、負極端子24の脚部24bを挿通する挿通孔26b,27aが設けられている。
まず、負極端子24を嵌め込んだガスケット25を、蓋部23の中央部に設けられた孔に、脚部24bが裏面側に突出する状態で挿通する。そして、蓋部23の裏面に、脚部24bの端部を挿通孔26bに挿通した状態で絶縁体26を配する。さらに、脚部24bの端部を挿通孔27aに挿通した状態で集電体27を絶縁体26の凹部26aに収容した後、脚部24bの端部をかしめて(カーリングプレスして)集電体27に接合する。
負極端子24を挿通孔27aに挿通し(図12(a))、脚部24bの端部をかしめてかしめ部24cを形成することにより、負極端子24は集電体27と接合され、すなわち、電気的に接続され(図12(b))、該集電体27及び絶縁体26を介して、蓋部23に固定される。
また、集電体の厚みは通常略0.2mmであり、薄いので、端子を集電体にかしめるときに力が逃げやすく、接続が強固でなく、内部抵抗値が上昇しやすいという問題がある。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る電池としてのリチウムイオン二次電池(以下、電池という)1を示す斜視図、図2は電池1の蓋部3を裏側から見た状態を示す斜視図、図3は蓋部3を示す一部破断側面図、図4は蓋部3の要部を示す縦断面図である。図2において、凹部32と集電体8との接続部分は省略している。
蓋部3の一端部には平面視が矩形状をなす凹部32が設けられており、該凹部32の下側には突設部33が設けられている。突設部33には、アルミニウム製であり、板状をなす集電体8が接続されている。該集電体8に垂設したタブ81に、電極群10の正極板に接続された正極リードが接続される。
負極端子4は、表面が露出する状態で合成樹脂製のガスケット5に覆われている。負極端子4を嵌め込んだガスケット5は、蓋部3の中央部に設けられた孔3aに、脚部42の端部が裏面側に突出する状態で挿通されている。
パッキン9の材料として、外力に対して変形しない強度を有すること、非水電解質を透過させないこと、非水電解質に対する化学的安定性を示すこと、使用される温度範囲内において、高温での軟化及び変質,低温での固化を起こさないこと、柔軟性及び弾性を有し、接する部材と良好に密着性すること等の性質を備えている合成樹脂が用いられる。
具体的には、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂,例えばPFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフルオロカーボン系熱可塑性樹脂,PPS(ポリフェニレンスルフィド)等の熱可塑性樹脂、及び例えばEPDM(エチレンプロピレンゴム),SBR(スチレンブタジエンゴム)等の熱硬化性エラストマー等が挙げられる。中でも、シール性と耐熱性の観点から、EPDMが好ましい。
パッキン9は、後述するかしめ部43の縁部に対向する部分を含み、集電体7の内径の30%以上の幅(挿通孔91と縁辺部との間隔)を有するのが好ましい。そして、十分に効果が奏されるという観点から、前記幅は前記内径の30%以上50%以下であるのがより好ましい。
そして、本実施の形態においては、パッキン9を挟み込んだ状態で、脚部42の端部が集電体7にかしめられることによりかしめ部43が形成されている。
以上のように構成された電池1は、ケース2の負極端子4が設けられている部分以外の部分が正極(端子)とされる。
まず、負極端子4をガスケット5に嵌め込み、該ガスケット5を、蓋部3の中央部に設けられた孔3aに、脚部42が裏面側に突出する状態で挿通する。次に、蓋部3の裏面に、挿通孔6bにガスケット5の端部を挿通した状態で絶縁体6を配する。そして、集電体7を、挿通孔72に脚部42の端部を挿通した状態で絶縁体6の凹部6aに収容する。さらに、脚部42の端部にパッキン9を嵌めた上で、前記端部をかしめて集電体7に接合する。
負極端子4を集電体7に接合させる場合、まず、負極端子4の脚部42の端部を集電体7の挿通孔72に挿通し、さらにパッキン9の挿通孔91に挿通する(図5(a))。
そして、負極端子4の脚部42の端部をかしめることによりかしめ部43が形成され、負極端子4は集電体7に固定される(図5(b))。
従って、電池1は良好な品質を保持する。
図6は、他のパッキン19を示す平面図である。パッキン19はドーナツ状をなしている。パッキン19は、かしめ部43の縁部に対向する部分を含み、集電体7の内径の30%以上の幅を有するのが好ましい。
本発明の実施の形態2に係る電池は、実施の形態1に係る電池1と同様の構成を有し、集電体17の構成が実施の形態1の集電体7を構成と異なる。図7は実施の形態2に係る電池の蓋部13を裏側から見た状態を示す斜視図、図8は蓋部13の要部を示す縦断面図である。図中、図2、図4と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
そして、肉厚部17aのタブ17c寄りには、脚部42の端部を挿通させる挿通孔17bが設けられている。
肉厚部17aの厚みは、負極端子4との接続強度がより高くなるので、本体の他部の厚みの1.5倍以上であるのが好ましく、かしめ接続の安定化と電池内部空間の効率化の観点から本体の他部の厚みの1.5倍以上2.0倍以下であるのがより好ましい。
パッキン29の材料としては、例えばPE、PP等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂,例えばPFA等のフルオロカーボン系熱可塑性樹脂,PPS等の熱可塑性樹脂、及び例えばEPDM),SBR等の熱硬化性エラストマー等が挙げられる。
まず、負極端子4をガスケット5に嵌め込み、該ガスケット5を、蓋部13の中央部に設けられた孔13aに、脚部42が裏面側に突出する状態で挿通する。次に、蓋部13の裏面に、挿通孔6bにガスケット5の端部を挿通した状態で絶縁体6を配する。そして、集電体17を、挿通孔17bに脚部42の端部を挿通した状態で絶縁体6の凹部6aに収容する。さらに、脚部42の端部にパッキン29を嵌めた上で、前記端部をかしめて集電体7に接合する。
図9において、蓋部13、ガスケット5、及び絶縁体6は省略している。
負極端子4を集電体17に接合させる場合、まず、負極端子4の脚部42の端部を集電体17の挿通孔17bに挿通し、さらにパッキン29の挿通孔29aに挿通する(図9(a))。
そして、負極端子4の脚部42の端部をかしめることによりかしめ部43が形成され、負極端子4は肉厚部17aに固定される(図9(b))。
実施例1として、前記実施の形態1に係る電池1と同一の構成を有する電池を作製した。
正極板は、以下のようにして作製した。
正極活物質として平均粒子径が3μmであるLiCoO2粒子、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)、及びバインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、LiCoO2/AB/PVDF=94/3/3(質量部)となるように混合して正極合剤とし、これをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させることにより正極ペース
トを調整した。
この正極ペーストを、NMPを除いた正極合剤の質量が片面につき0.020g/cm2となるように、ドクターブレードを用いて、厚み13μmであり、アルミニウム製の正極集電体の両面に均一に塗布した後、150℃で1時間の乾燥を行った。そして、室温にて厚みが130μmとなるように極板をプレスし、正極集電体の両面に、合剤層が形成された正極板を得た。
負極活物質としてのグラファイト(黒鉛)、及びバインダとしてのPVDFを質量比で90:10となるように混合して負極合剤とし、これにNMPを適量加えて分散させ、負極ペーストを得た。
この負極ペーストを、NMPを除いた負極合剤の質量が片面につき0.0095g/cm2となるように、ドクターブレードを用いて、厚み6μmであり、銅製の負極集電体の両面に均一に塗布した後、150℃で1時間の乾燥を行った。そして、室温にて厚みが145μmとなるように極板をプレスし、負極板を得た。
電極群10は、前記正極板と負極板とでセパレータを挟み、これを巻回して、作製した。
非水電解質としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で3:7で混合した混合溶媒にLiPF6を1.1mol/L溶解させたものを用いた。
実施例2として、前記実施の形態2に係る電池と同一の構成を有する電池を作製した。
実施例1の集電体7に代えて、肉厚部17aを有する集電体17を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の電池を作製した。
電池の寸法、構成部材の寸法は集電体17の寸法が異なること以外は実施例1の電池の寸法、構成部材の寸法と同一である。
集電体17の寸法は本体の厚み:0.2mm,肉厚部17aの厚み:0.3mm,挿通孔17bの内径:1.4mmである。
パッキン9を備えないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の電池を作製した。
実施例1及び2、並びに比較例1の電池を各10個作製し、以下の落下試験を行った。
落下試験は、電池を1.5mの高さからコンクリート面へと自由落下させて実施した。
電池の6面を順に下に向けて落下させるのを1サイクルとし、各電池につき、1サイクル落下毎に電池の内部抵抗を測定し、10mΩ以上の抵抗上昇があった場合のサイクル数を求めた。この落下試験の結果を下記の表1に示す。
以上より、本発明の実施例の場合、集電体と負極端子との接合部分にパッキン9,29を介在させており、集電体と負極端子との接続界面への電解液の侵入等を抑制し接触状態が安定化するため、電池が落下して衝撃が加わった場合に接触不良が生じて接続抵抗が上昇するのが抑制されていることが確認された。
[実施例3]
集電体17と負極端子4との接合部分にパッキン29を介在させなかったこと以外は、実施例2と同様にして実施例3の電池を作製した。
電池の寸法、パッキン29以外の構成部材の寸法は、実施例2の電池の寸法、構成部材の寸法と同一である。集電体17の肉厚部17aの厚みは0.3mmであり、集電体17の本体の厚み(0.2mm)の1.5倍である。
集電体17の肉厚部17aの厚みを0.4mm(集電体17の本体の厚みの2倍)にしたこと以外は、実施例3と同様にして製造例2の電池を作製した。
[実施例5]
集電体17の肉厚部17aの厚みを0.25mm(集電体17の本体の厚みの1.25倍)にしたこと以外は、実施例3と同様にして製造例3の電池を作製した。
集電体に肉厚部を設けなかったこと以外は、実施例3と同様にして比較例2の電池を作製した。
以上より、肉厚部17aを有する集電体17を用い、該肉厚部17aにパッキン29を介在させた上で、負極端子4の脚部42の端部をかしめてなる本発明の実施の形態2に係る電池は、肉厚部17aの厚みを集電体本体の厚みの1.5倍以上にすることにより、より集電体17と負極端子4との接続状態が安定化することが推察される。
そして、前記実施の形態1及び2においては、ケース2が略直方体状をなす場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、本発明の構造は、ケース2の開口面が長円状をなす、すなわち、幅狭の側面が曲面状をなすように構成された角型のリチウムイオン二次電池に適用することが可能であり、円筒型のリチウムイオン二次電池に適用することも可能である。
さらに、本発明の構造は、ニッケル・水素二次電池、ニッケル・カドミウム二次電池等の他の二次電池に適用することが可能であり、一次電池に適用することも可能である。
2 ケース
3、13 蓋部
3a、13a 孔
32 凹部
33 突設部
4 負極端子
41 頭部
42 脚部
43 かしめ部
5 ガスケット
6 絶縁体
6a 凹部
6b 挿通孔
7、8、17 集電体
71、17c、81 タブ
72、17b 挿通孔
17a 肉厚部
9、29 パッキン
91、29a 挿通孔
Claims (1)
- 開口を有するケースと、
前記ケースを閉塞する蓋部と、
頭部及び筒状の脚部を有し、前記蓋部を貫通する端子と、
前記脚部を挿通する挿通孔を有する集電体と、を備え、
前記集電体は、前記挿通孔の周囲に肉厚部を有し、
前記脚部は、前記肉厚部にかしめられたかしめ部を有し、
前記肉厚部は、前記脚部が前記挿通孔を挿通する方向において前記かしめ部の縁部に対向する部分を含み、
前記集電体は、前記肉厚部と他部との間に傾斜面が形成されている電池。
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