JP5796001B2 - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、透明性、遮熱性、耐候性に優れ、かつ、吸湿による白化が起こらない合わせガラス用中間膜及びそれを用いてなる合わせガラスに関する。
従来より、合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損しても、ガラスの破片が飛散することが少なく安全であるので、自動車のような車両、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。上記合わせガラスとしては、少なくとも一対のガラス板間に、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得られるものが用いられている。
しかし、このような合わせガラスは、安全性には優れるが、遮熱性や耐湿性に劣るという問題点があった。
遮熱機能をもったガラスとしては、例えば、熱線カットガラスが市販されている。この熱線カットガラスは、直接太陽光の遮断を目的として、金属蒸着、スパッタリング加工等によって、ガラス板の表面に金属/金属酸化物の多層コーティングが施されたものである。しかし、この多層コーティングは、外部からの擦傷に弱く、耐薬品性も劣るので、例えば、可塑化ポリビニルブチラール樹脂等からなる中間膜を積層して合わせガラスとする方法が採用されていた。
しかしながら、上記の可塑化ポリビニルブチラール樹脂等からなる中間膜が積層された熱線カットガラスは、高価である、多層コーティングが厚いので透明性(可視光透過率)が低下する、多層コーティングと中間膜との接着性が低下し、中間膜の剥離や白化が起こる、又は、電磁波の透過を阻害し、携帯電話、カーナビ、ガレージオープナー等の通信機能に支障をきたす等の問題点があった。
その他の遮熱性能をもった合わせガラスとして、例えば、特許文献1(特公昭61−52093号公報)、特許文献2(特開昭64−36442号公報)等には、可塑化ポリビニルブチラール樹脂シートの間に、金属蒸着したポリエステルフィルムを積層した合わせガラスが提案されている。しかし、この合わせガラスは、可塑化ポリビニルブチラール樹脂シートとポリエステルフィルムとの間の接着性に問題があり、界面で剥離が起こるだけでなく、電磁波透過性も不充分である等の問題点があった。
また、この種の合わせガラスでは、上記の基本性能は良好で安全性に優れているが、耐湿性が劣るという問題点がある。即ち、上記合わせガラスを湿度の高い雰囲気中に置いた場合、合わせガラスの周縁では中間膜が直接環境空気と接触しているので、周縁部の中間膜が白化してしまう問題が起こる。特に、端部が露出する自動車のサイドガラスやフロントガラスにおいても、オープンエッジ化等に伴い、耐湿性において高い品質が要求されてきているが、上記熱線コーティングガラス使用合わせガラスや、金属蒸着PET積層合わせガラス等は、この点において問題があった。
特公昭61−52093号公報 特開昭64−36442号公報
本発明は、上記に鑑み、透明性、耐候性等の優れた基本性能を有し、かつ、遮熱性に優れ、更に、湿度の高い雰囲気中に置かれた場合でも合わせガラス周縁部に白化を起こすことが少ない合わせガラスを得るに適する合わせガラス用中間膜、及び、その合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、可塑化ポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜であって、合わせガラスとしたときに、上記合わせガラスは、波長380〜780nmでの可視光透過率Tvが75%以上、340〜1800nmでの日射透過率Tsが60%以下、ヘイズHが1.0%以下、及び、10〜2000MHzでの電磁波シールド性能ΔdBが10dB以下であり、かつ、80℃、相対湿度95%の環境下に2週間放置した際に合わせガラス端辺からの白化距離が7mm以下である合わせガラス用中間膜である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、上述のような構成からなるので、透明性、耐候性、耐貫通性に優れるとともに、遮熱性、電磁波透過性及びガラスとの接着性にも優れた性能を発揮する。更に、本発明の合わせガラス用中間膜は、耐湿性にも優れているので、高湿度下に置かれた場合でも周辺部に白化が起こりにくく、車両や建築物等の窓ガラスに好適に用いられる。
以下に、本発明を詳述する。
本発明の合わせガラス用中間膜を用いて作製された合わせガラスは、上記のような性質を有するので、透明性、遮熱性、耐候性に優れ、かつ、吸湿により白化が起こりにくい。
本発明の合わせガラス用中間膜を合わせガラスとしたときに、その合わせガラスのTvが75%未満であると、透明性が小さくなり、実使用上好ましくない。合わせガラスのTsが60%を超えると、遮熱性が不充分となる。合わせガラスのHが1.0%を超えると、透明性が小さいので実使用上好ましくない。合わせガラスのΔdBが10dBを超えると、電磁波透過性が不充分となる。また、80℃、相対湿度95%の環境下に2週間放置した際に合わせガラス端辺からの白化距離が7mmを超えると、耐湿性が不充分となる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、可塑化ポリビニルアセタール樹脂からなる。上記可塑化ポリビニルアセタール樹脂に用いられるポリビニルアセタール樹脂としては特に限定されず、従来安全ガラス用中間膜用樹脂として用いられる種類のものが使用でき、例えば、ブチラール化度60〜75モル%、重合度800〜3000のポリビニルブチラール等が好適に用いられる。
本発明の合わせガラス用中間膜に用いられる可塑化ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂が可塑剤により可塑化されたものである。
上記可塑剤としては特に限定されず、これまで中間膜用に提示されているものすべてを用いることができるが、例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、ジヘキシルアジペート(DHA)、テトラエチレングリコール−ジ−ヘプタノエート(4G7)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)等が好適に用いられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記可塑剤の含有量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して20〜60重量部であることが好ましい。
上記可塑剤の含有量が、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して20重量部未満であると、得られる合わせガラス用中間膜の耐衝撃性が低下することがある。60重量部を超えると、可塑剤がブリードアウトして接着力が低下することがある。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記可塑化ポリビニルアセタール樹脂は、熱線カット機能を有する金属酸化物微粒子を含有してなることが好ましい。熱線カット機能を有する金属酸化物微粒子を含有することにより、得られる合わせガラス用中間膜は、遮熱性に優れたものとなり、また、ヘイズ透過率等の光学特性にも優れ、更に、良好な電磁波透過性を有するものとなる。
また、本発明の合わせガラス用中間膜に用いられる熱線カット機能を有する金属酸化物微粒子は、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫及びアルミニウムドープ酸化亜鉛からなる群より選択される1種以上の金属酸化物であることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記金属酸化物微粒子の含有量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、0.1〜3.0重量部が好ましい。含有量が0.1重量部未満では、赤外線カット効果がでにくくなることがある。3.0重量部を超えると、可視光線の透過性が低下することがある。
また、本発明の合わせガラス用中間膜において、上記金属酸化物微粒子は、可塑化ポリビニルアセタール樹脂中に均一に分散されていることが好ましい。膜中に上記金属酸化物微粒子が均一に分散されていることにより、得られる合わせガラス用中間膜の遮熱性は、膜全体に渡って高いものとなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂中に、上記金属酸化物微粒子を分散させる方法としては特に限定されないが、金属酸化物微粒子を分散剤により可塑剤に分散させた分散液をポリビニルアセタール樹脂に添加する方法等が好ましい。上記の方法により、金属酸化物微粒子は膜中に均一に分散される。
上記分散剤としては特に限定されず、可塑剤に可溶で分散性がよければ、市販のどの分散剤を用いてもよく、例えば、ひまし油脂肪酸、リン酸エステル、ポリカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
上記分散剤を含有させることにより、得られる合わせガラス用中間膜は、高度の耐湿性を有するものとなる。
また、更に耐湿性を向上させるために、別途分散剤を後添加してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜において、上記金属酸化物微粒子を可塑剤中に分散させる方法としては特に限定されないが、可塑剤、分散剤、金属酸化物微粒子を混合し、一般の塗料の分散や配合に用いられる、サンドミル、ボールミル、ホモジナイザー、アトライター、高速回転攪拌装置、超音波分散装置等の装置にて分散することができる。
また、上記の方法で得た金属酸化物微粒子を分散した分散液は、合わせガラス用中間膜に含まれる金属酸化物微粒子の割合が上記の範囲になるよう、可塑化ポリビニルアセタール樹脂に直接添加してもよく、また、あらかじめ可塑剤中に添加し、その後ポリビニルアセタール樹脂と混合してもよい。
また、本発明の合わせガラス用中間膜には、必要に応じて、接着力調整剤が含有されていてもよい。
上記接着力調整剤としては、例えば、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が好適に用いられる。
上記のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。上記有機酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸等が挙げられる。上記無機酸としては特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。これらの接着力調整剤は単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のなかでも、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩及び炭素数2〜16の有機酸のアルカリ土類金属塩が好ましい。より好ましくは、炭素数2〜16のカルボン酸のマグネシウム塩である。
上記炭素数2〜16のカルボン酸のマグネシウム塩としては特に限定されず、例えば、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
上記接着力調整剤の含有量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。0.001重量部未満では、高湿度雰囲気下で周辺部の接着力低下が起こることがある。0.5重量部を超えると、得られる合わせガラス用中間膜の接着力が低くなりすぎるうえに、膜の透明性が失われることがある。上記接着力調整剤の含有量は、より好ましくはポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して0.01〜0.2重量部である。
また、接着力調整剤として、特公昭55−29950号公報に開示されている変性シリコンオイルを併用してもよい。
上記変性シリコンオイルとは、一般には、ポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させて得られる、粘調な液体である。上記変性シリコンオイルとしては特に限定されず、例えば、エーテル変性シリコンオイル、エポキシ変性シリコンオイル、エステル変性シリコンオイル、アミン変性シリコンオイル等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
上記変性シリコンオイルの含有量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して0.005〜0.5重量部であることが好ましい。0.5重量部を超えると、得られる合わせガラス用中間膜とガラスとの接着力が低くなりすぎて、剥離、発泡等が起こる。より好ましくは、0.02〜0.2重量部である。
本発明の合わせガラス用中間膜には、その他添加剤として、押出機中での熱による変質を防止するための酸化防止剤、耐候性や耐光性改善のための紫外線吸収剤、各種安定剤等が1種又は2種以上添加されてもよい。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、住友化学工業社製の商品名「スミライザーBHT」、チバガイギー社製の商品名「イルガノックス1010」等のフェノール系のもの等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、チバガイギー社製の商品名「チヌビンP」、「チヌビン320」、「チヌビン326」、「チヌビン328」等のベンゾトリアゾール系のもの等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜を成形する方法としては特に限定されず、例えば、上記ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤、金属酸化物微粒子、分散剤の各所定量と、必要に応じて添加される各種添加剤とを配合し、これを均一に混練した後、押出法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等によりシート状に成膜すればよい。
本発明の合わせガラス用中間膜の全体の膜厚は、特に限定されるものではないが、合わせガラスとして最小限必要な耐貫通性や耐候性等を考慮すると、実用的には、0.3〜0.8mmであることが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、上述のような構成からなるので、透明性、遮熱性、電磁波透過性、耐光性等に優れており、また、ガラスとの接着力調整が良好である。更に、吸湿による白化が起こりにくい。
本発明2は、少なくとも1対のガラス板間に、本発明1の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなる合わせガラスである。
本発明2の合わせガラスの製造方法としては特に限定されず、例えば、2枚の透明なガラス板の間に、本発明1の合わせガラス用中間膜を挟み、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70〜110℃の温度で予備接着し、次いで、オートクレーブを用いて約120〜150℃の温度で、約1〜1.5MPaの圧力で本接着を行うことにより、所望の合わせガラスを得ることができる。
上記ガラス板としては特に限定されず、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入りガラス、着色された板ガラス等の各種無機ガラス板等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
また、本発明1の合わせガラス用中間膜は、無機ガラス以外の有機ガラス、即ち、剛性の高い透明体で挟着されてもよい。上記透明体としては、例えば、ポリカーボネート樹脂よりなるもの等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
ポリビニルアセタール樹脂として、ブチラール化度68モル%、残存アセチル化度1モル%、残存ビニルアルコール31モル%、平均重合度1700のポリビニルブチラール樹脂を用いた。
このポリビニルブチラール樹脂100重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート40重量部、更に、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を中間膜中の含有量が1.0重量%となるように添加混合し、接着力調整剤として酢酸マグネシウム50ppm、紫外線吸収剤、酸化防止剤を加え、ミキシングロールに供給して混練した。混練して得られた混練物を、プレス成形機にて150℃で30分間プレス成形し、厚さ約0.8mmの中間膜を得た。このとき、分散剤として、プライサーフA212E(第一工業製薬社製)を0.4重量部含有させた。この中間膜を、恒温恒湿室で含水率が0.3〜0.5%になるように調整し、2.4mm厚のフロート板ガラス2枚の間に挟み込み、ロール法で予備接着した。次いで、140℃のオートクレーブで、圧力1.2MPaにて圧着し、合わせガラスを得た。
得られた合わせガラスの性能を以下の方法で評価し、結果を表1に示した。
1)耐湿性
合わせガラスを、80℃、相対湿度95%の環境に2週間置いた後、取り出してすぐに端部の白化状態を確認した。合わせガラス周辺からの白化距離を測定し、評価を行った。
2)光学特性
分光光度計(島津製作所社製、UV3100)を使用して、合わせガラスの340〜1800nmの透過率を測定し、JIS Z 8722、JIS R 3106及びJIS Z 8701に準拠して、380〜780nmの可視光透過率Tv、340〜1800nmの日射透過率Tsを評価した。
3)ヘイズH
JIS K 6714に準拠して測定した。
4)電磁波透過性
KEC法測定(電磁波シールド効果試験)に準拠し、10〜2000MHzの範囲の反射損失値(dB)を、通常の板厚3mmのフロートガラス単板と比較して測定し、上記周波数の範囲での差の最大値をΔdBmaxとして評価した。
5)パンメル値
中間膜のガラスに対する接着性は、パンメル値で評価した。その試験方法の詳細は次の通りである。
合わせガラスを、−18℃±0.6℃の温度に16時間放置して調整し、これを頭部が0.45kgのハンマーで打って、ガラスの粒径が6mm以下になるまで粉砕した。次いで、ガラスが部分剥離した後の膜の露出度を、あらかじめグレード付けした限度見本で判定し、その結果を表1に示す判定基準に従ってパンメル値として表した。なお、上記パンメル値が大きいほど中間膜とガラスとの接着力も大きく、パンメル値が小さいほど中間膜とガラスとの接着力も小さい。
Figure 0005796001
実施例2
分散剤プライサーフA212Eを、その含有量が0.8重量部となるように添加したこと以外は、実施例1と同様の方法で製膜し、合わせガラスを得た。また、この合わせガラスを用いて、上記の評価方法にて評価を行った。評価結果を表2に示した。
実施例3
ITOの代わりに、アンチモンドープ酸化錫(ATO)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で製膜し、合わせガラスを得た。また、この合わせガラスを用いて、上記の評価方法にて評価を行った。評価結果を表2に示した。
比較例1
中間膜の製造において、ITOを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で製膜し、合わせガラスを得た。また、この合わせガラスを用いて、上記の評価方法にて評価を行った。評価結果を表2に示した。
比較例2
実施例1において、ITOを添加せずに中間膜を製造し、透明なフロート板ガラスの代わりに、ITOを蒸着したガラスを用いて合わせガラスを得た。また、この合わせガラスを用いて、上記の評価方法にて評価を行った。評価結果を表2に示した。
比較例3
実施例1において、ITOを添加せずに膜厚0.38mmの中間膜を製造し、この中間膜2枚の間にITOを蒸着した膜厚50μmのポリエステルフィルムを挟着したものを合わせガラス用中間膜として用いて、合わせガラスを得た。また、この合わせガラスを用いて、上記の評価方法にて評価を行った。評価結果を表2に示した。
Figure 0005796001
表2より、実施例1〜3で作製した合わせガラスは、透明性、遮熱性に優れ、電磁波透過性が良好であり、湿度が高い環境に置かれた場合でも白化が起こりにくい優れた耐湿性を有するものであった。一方、比較例1で作製した合わせガラスは、耐湿性が悪かった。比較例2、3で作製した合わせガラスは、電磁波透過性が悪く、耐湿性にも劣っていた。

Claims (3)

  1. 可塑化ポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜であって、
    前記可塑化ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂が可塑剤により可塑化されたものであり、
    合わせガラスとしたときに、前記合わせガラスは、波長380〜780nmでの可視光透過率Tvが75%以上、340〜1800nmでの日射透過率Tsが60%以下、ヘイズHが1.0%以下、及び、10〜2000MHzでの電磁波シールド性能ΔdBが10dB以下であり、かつ、80℃、相対湿度95%の環境下に2週間放置した際に合わせガラス端辺からの白化距離が7mm以下であり、
    前記可塑剤とは別にリン酸エステルと、接着力調整剤と、熱線カット機能を有する金属酸化物微粒子とを含有し、
    前記接着力調整剤は、炭素数2〜16のカルボン酸のマグネシウム塩であることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  2. 熱線カット機能を有する金属酸化物微粒子は、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫及びアルミニウムドープ酸化亜鉛からなる群より選択される1種以上の金属酸化物であることを特徴とする請求項記載の合わせガラス用中間膜。
  3. 少なくとも1対のガラス板間に、請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする合わせガラス。
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