JP5795915B2 - ポリエチレン系樹脂発泡シート、発泡成形体、及びポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂発泡シート、発泡成形体、及びポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂発泡シート、発泡成形体、及びポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法に関する。
一般に、ポリエチレン系樹脂発泡シートは、石油由来ポリエチレン系樹脂を含む組成物に発泡剤を添加し、押出機から押出すことで得られる(例えば特許文献1)。
特開2005−289494号公報
しかしながら、近年、大気中の二酸化炭素の増加に対する地球温暖化の懸念、化石燃料資源の枯渇への危惧等が生じてきている。このため、この種の問題解決に貢献できるポリエチレン系樹脂発泡シート、発泡成形体、及びポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法の実現が要望されている。
本発明は、上記問題点に鑑み、環境負荷を低減したポリエチレン系樹脂発泡シート、発泡成形体、及びポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑みて、ポリエチレン系樹脂発泡シートにおいて植物由来のポリエチレン系樹脂を用いることに着目し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートは、ASTM(米国材料試験協会:American Society for Testing and Materials) D 6866により測定された植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を含み、植物度が1%以上である。
本発明者が鋭意研究した結果、植物由来のポリエチレン系樹脂を用いて発泡シートを作製しても、従来の化石燃料資源由来のポリエチレン系樹脂を用いて作製した発泡成形体と同等の性能を有することを見出した。このため、本発明の植物由来のポリエチレン系樹脂を含み、植物度が1%以上であるポリエチレン系発泡シートは、化石燃料資源由来のポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂発泡シートの代替となり得る。したがって、本発明は、環境負荷を低減したポリエチレン系樹脂発泡シートを提供することができる。
上記ポリエチレン系樹脂発泡シートは、植物由来ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、1000質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに含んでいてもよい。
本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートが上記範囲内の含有量の石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに含んでいても、植物度が1%以上のポリエチレン系樹脂発泡シートを提供することができる。また、石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに含むことにより、溶融張力を向上することができる。
上記ポリエチレン系樹脂発泡シートにおいて好ましくは、溶融張力が1.1cN以上6.0cN以下である。
これにより、ポリエチレン系樹脂発泡シートを用いて成形体を作製する際に、シートの破れを抑制することができる。
本発明の発泡成形体は、上記いずれかのポリエチレン系樹脂発泡シートを用いて成形されている。
本発明の発泡成形体によれば、植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂発泡シートを用いて成形されているので、環境負荷を低減した発泡成形体を提供することができる。
本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、上記いずれかのポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法であって、ASTM D 6866により測定された植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を用いて押出し発泡する工程を備える。
本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法によれば、植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を用いているので、環境負荷を低減したポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、植物由来ポリエチレン系樹脂を含むので、環境負荷を低減したポリエチレン系樹脂発泡シート、発泡成形体、及びポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、ASTM D 6866により測定された植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を含む。植物度が80%以上の場合、石油由来などの化石燃料資源由来ポリエチレン系樹脂を低減できるので、化石燃料資源の使用量を低減でき、環境問題及び化石燃料資源の枯渇の解決に貢献可能である。
植物由来ポリエチレン系樹脂は、植物度が80%以上であれば特に限定されず、例えばBraskem社製の商品名「SHC7260」、「SHD7255LSL」、「SLH218」、「SLL118」などを用いることができる。
ポリエチレン系樹脂発泡シートは、植物由来ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、1000質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに含んでいてもよい。この場合には、植物由来ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、850質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂を含んでいることが好ましく、70質量部以上840質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂を含んでいることがより好ましい。1000質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂を含んでいても、植物度が1%以上のポリエチレン系樹脂発泡シートを実現できるとともに、溶融張力を向上することができる。850質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂を含んでいる場合には、溶融張力を向上できると共に、植物度をより高めることができる。840質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂を含んでいる場合には、 溶融張力を向上できると共に、植物度をより効果的に高めることができる。 一方、70質量部以上の石油由来ポリエチレン系樹脂を含んでいる場合には、溶融張力を向上できる。
植物由来ポリエチレン系樹脂及び石油由来ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンとα−オレフィン単量体との共重合体、エチレンと官能基に炭素、酸素、及び水素原子だけを持つ非オレフィン単量体との共重合体が挙げられ、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
植物由来ポリエチレン系樹脂は、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE:密度 0.910〜0.940g/cm3)、高密度ポリエチレン系樹脂(HDPE:密度 0.940〜0.970g/cm3)などであってもよい。耐衝撃性が必要な用途には、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)であることが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を用いて発泡シートを作製すると、高い耐衝撃性を発揮することができる。また、低摩擦抵抗が必要な用途には、高密度ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。高密度ポリエチレン系樹脂を用いて発泡シートを作製すると、低い摩擦抵抗を発揮することができる。
植物由来ポリエチレン系樹脂は、0.93g/cm3以上0.97g/cm3以下の密度を有していることが好ましい。石油由来ポリエチレン系樹脂は、0.91g/cm3以上0.97g/cm3以下の密度を有していることが好ましい。植物由来ポリエチレン系樹脂及び石油由来ポリエチレン系樹脂の密度が上記範囲内であると、発泡シートの発泡倍率及び伸びを向上できるため、成型性を向上することができる。
ここで、上記「ポリエチレン系樹脂の密度」は、JIS K 6922−1に準拠して測定される値である。
植物由来ポリエチレン系樹脂の190℃、2.16kgf荷重時のメルトフローレート(MFR)は、0.15g/10分以上10g/10分以下であることが好ましい。石油由来ポリエチレン系樹脂の190℃、2.16kgf荷重時のメルトフローレート(MFR)は、0.15g/10分以上10g/10分以下であることが好ましい。MFRが0.15g/10分以上では、溶融流れを良好にできるので押出が容易になり、シート加工性が優れる。MFRが10g/10分以下では、破泡を抑制でき、シートの表面荒れを抑制でき、カーテン状の波打ち(菊模様)の発生を抑制でき、フラット化が容易になる。
ここで、上記「ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート」は、JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kgf荷重にて測定される値である。
植物由来ポリエチレン系樹脂の190℃における溶融張力は、0.3cN以上5cN以下であることが好ましい。石油由来ポリエチレン系樹脂の190℃における溶融張力は、1cN以上7cN以下であることが好ましい。これにより、破泡や連続気泡化が起こりにくくなり、独立気泡の多い良質な発泡体を得ることができる。溶融張力が1cN以上では、破泡や連続気泡化を抑制できる。溶融張力が7cN以下では、発泡を促進できる。
ここで、上記「ポリエチレン系樹脂の溶融張力」は、原料として使用するポリエチレン系樹脂の樹脂ペレットを垂直方向に配された内径15mmのシリンダー内に収容させて、190℃の温度で5分間加熱して溶融させた後に、シリンダーの上部からピストンを挿入して、該ピストンで押出し速度が0.0773mm/s(一定)となるようにしてシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90度(コニカル))から溶融樹脂を紐状に押出させ、この紐状物を、上記キャピラリーの下方に配置した張力検出プーリーに通過させた後、巻き取りロールを用いて巻き取らせることで測定することができ、巻取り初めの初速を4mm/sとし、その後の加速を12mm/s2として徐々に巻取り速度を速め、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻取り速度を“破断点速度”として決定し、この“破断点速度”が観察されるまでの最大張力である。
ポリエチレン系樹脂発泡シートは、1%以上の植物度を有し、好ましくは10%以上の植物度を有し、より好ましくは25%以上の植物度を有する。1%以上の場合、社団法人 日本有機資源協会(JORA)によりバイオマスマークとして認定され、25%以上の場合、日本バイオプラスチック協会(JBPA)によりバイオマス由来のプラスチック製品(バイオマスプラ)として認定される。
ポリエチレン系樹脂発泡シートの溶融張力は、0.6cN以上6.0cN以下であることが好ましく、1.1cN以上4.7cN以下であることがより好ましい。溶融張力がこの範囲内であると、成型性を向上することができる。
ここで、上記「ポリエチレン系樹脂発泡シートの溶融張力」は、ポリエチレン系樹脂発泡シートを200℃の熱プレス機にて5分間10MPaでプレスすることで得られた樹脂組成物を垂直方向に配された内径15mmのシリンダー内に収容させて、190℃の温度で5分間加熱して溶融させた後に、シリンダーの上部からピストンを挿入して、該ピストンで押出し速度が0.0773mm/s(一定)となるようにしてシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90度(コニカル))から溶融樹脂を紐状に押出させ、この紐状物を、上記キャピラリーの下方に配置した張力検出プーリーに通過させた後、巻き取りロールを用いて巻き取らせることで測定することができ、巻取り初めの初速を4mm/sとし、その後の加速を12mm/s2として徐々に巻取り速度を速め、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻取り速度を“破断点速度”として決定し、この“破断点速度”が観察されるまでの最大張力である。
ポリエチレン系樹脂発泡シートの密度は、0.09g/cm3以上0.65g/cm3以下であることが好ましく、0.11g/cm3以上0.30g/cm3以下であることがより好ましい。密度が0.09g/cm3以上では機械的強度を向上でき、0.11g/cm3以上では機械的強度をより向上できる。密度が0.65g/cm3以下では耐熱性、軽量性及び柔軟性を向上でき、0.30g/cm3以下では耐熱性、軽量性及び柔軟性をより向上できる。
ここで、上記「ポリエチレン系樹脂発泡シートの密度」は、シートから試験片を切り出して、試験片の体積及び重量を測定し、重量を体積で除すことで得られる値である。
ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みは、0.4mm以上3mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることがより好ましい。厚みが0.4mm以上では機械的強度及び断熱性を向上でき、1mm以上では機械的強度及び断熱性をより向上できる。厚みが3mm以下では、成形性を向上できる。
続いて、本実施の形態におけるポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法について説明する。
まず、ASTM D 6866により測定された植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を押出機に供給する。この時、石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに添加してもよい。石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに添加する場合には、石油由来ポリエチレン系樹脂は、植物由来ポリエチレン系樹脂100質量部に対して1000質量部以下であることが好ましく、850質量部以下であることがより好ましい。
なお、必要に応じて、植物由来ポリエチレン系樹脂と併せて気泡核剤等の添加物を押出機に供給してもよい。
次に、押出機に物理発泡剤を圧入し、押出機から押出し発泡し、円筒状の成形体を形成する。その後、この円筒状の成形体を押出方向に切断することで、ポリエチレン系樹脂発泡シートを製造することができる。
なお、本発明は、押出し発泡する方法に限定されず、押出機にTダイを取り付けて、シート状に押出し発泡してもよく、共押出や後工程でラミネートするなどの方法で非発泡層と積層してもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態の発泡成形体は、実施の形態1のポリエチレン系樹脂発泡シートを用いて成形されている。発泡成形体は、例えば食品トレーなどである。
本実施の形態の発泡成形体の製造方法は、上述した実施の形態1のポリエチレン系樹脂シートの製造方法によりポリエチレン系樹脂シートを製造する工程と、製造したポリエチレン系樹脂シートを熱成形する工程とを備える。
次に、実施例1〜5及び比較例1を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
以下に、実施例1〜5及び比較例1中の各種値の測定方法を記載する。
(ポリエチレン系樹脂及び発泡シートの植物度)
ポリエチレン系樹脂及び発泡シートの植物度は、ASTM D6866 により測定した。
(実施例1〜5及び比較例1のポリエチレン系樹脂の物性値)
実施例1〜5及び比較例1で用いたポリエチレン系樹脂について、上記測定方法により測定された物性値を以下に記載する。なお、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート、ポリエチレン系樹脂及び発泡シートの溶融張力、ポリエチレン系樹脂及び発泡シートの密度は、上述した方法で測定した。
Figure 0005795915
(実施例1)
密度が0.95g/cm3であり、植物度が94.5%の高密度ポリエチレン(Braskem社製 商品名「SHD7255LSL」 MFR:4.5g/10分)100質量部に対し、気泡核剤として熱分解型発泡剤マスターバッチ(三協化成社製 商品名「ポリスレンEE515」)を1重量部配合した高密度ポリエチレン系樹脂組成物を第1押出機に供給するとともに、第1押出機に物理発泡剤としてブタンガスを発泡体密度が0.65g/cm3になるように圧入し、上記第1押出機先端に接続した第2押出機に送り、樹脂温度が143℃となるように第2押出機にて冷却後、第2押出機先端に取り付けた145℃に調節されたサーキュラーダイから円筒状に吐出量30kg/hrにて押出発泡した。なお、サーキュラーダイの内、ダイの外形は70mm、スリットクリアランスは0.4mmであった。そして、この円筒状発泡成形体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルに供給して、該マンドレルの外周側に円筒状発泡成形体の内周面を接触させることによって円筒状発泡成形体を冷却した。その後、この円筒状発泡成形体をその押出方向に連続していない外面間に沿って切断、展開して、実施例1のポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。このときの冷却マンドレルの外径が206mmで、かつ長さが400mmの円筒状であった。
実施例1のポリエチレン系樹脂発泡シートの密度は0.65g/cm3、厚みは0.46mm、植物度は93.6%であった。
(実施例2)
植物由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレン(Braskem社製 商品名「SHD7255LSL」 MFR:4.5g/10分)100質量部に対し、石油由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ社製 商品名「クレオレックスQT5580」 MFR:8g/10分)88質量部をさらに添加し、ブタンガスを発泡体密度が0.24g/cm3となるように圧入した以外は実施例1と同様にし、実施例2のポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
実施例2のポリエチレン系樹脂発泡シートの密度は0.24g/cm3、厚みは1.25mm、植物度は50%であった。
(実施例3)
植物由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレン(Braskem社製 商品名「SHD7255LSL」)100質量部に対し、石油由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレン商品名「クレオレックスQT5580」(旭化成ケミカルズ社製 MFR:8g/10分)を840質量部をさらに添加し、ブタンガスを発泡体密度が0.24g/cm3となるように圧入した以外は実施例1と同様にし、実施例3のポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
実施例3のポリエチレン系樹脂発泡シートの密度は0.27g/cm3、厚みは1.11mm、植物度は10%であった。
(実施例4)
植物由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレンとして、商品名「SHD7255LSL」の代わりに、商品名「SHC7260」(Braskem社製 植物度:94.5% MFR:7.2g/10分 密度:0.96g/cm3)を使用した以外は、実施例2と同様にし、実施例4のポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
実施例4のポリエチレン系樹脂発泡シートの密度は0.25g/cm3、厚みは1.2mmで、植物度は50%であった。
(実施例5)
植物由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレン(商品名「SHD7255LSL」の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン(Braskem社製 商品名「SLH218」 植物度:87% MFR:2.3g/10分 密度:0.92g/cm3)を使用した点、及び石油由来ポリエチレン系樹脂を88質量部の代わりに73質量部添加した点以外は、実施例2と同様にし、実施例5のポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
実施例5のポリエチレン系樹脂発泡シートの気泡径の密度は0.3g/cm3、厚みは1.0mmで、植物度は50%であった。
(実施例6)
石油由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレン商品名「クレオレックスQT5580」(旭化成ケミカルズ社製)の代わりに、商品名「TOSOH−HMS CK57」(東ソー社製 MFR:4g/10分)を用いた以外は実施例3と同様にし、実施例6のポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
実施例6のポリエチレン系樹脂発泡シートの密度は0.25g/cm3、厚みは1.2mmで、植物度は10%であった。
(比較例1)
石油由来ポリエチレン系樹脂としての高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ社製 商品名「クレオレックスQT5580」 MFR:8g/10分)のみを使用した以外は実施例2と同様にし、比較例1のポリエチレン系樹脂発泡シートを得た。
比較例1のポリエチレン系樹脂発泡シートの密度は0.11g/cm3、厚みは2.73mmで、植物度は0%であった。
(評価結果)
Figure 0005795915
なお、表2における「成形性」とは、以下の方法で評価した。まず、押出シート化後1週間後のエチレン系樹脂発泡シートから一辺300mmの平面正方形状の試験片を切り出した。この試験片をクリアランス2mm、温度127℃の平行熱板の間で30秒間加熱し、次に、底面が縦180mm×横100mmの平面長方形状で深さが28mmの皿状の金型で10秒間挟み込み成型した。そして、成型品の角部が正確に成型されており、破断も見られなかったものを「○」、部分的に薄くなっているが成型できているものを「△」、破断などが見られるものを「×」として、成型性を目視観察にて判断した。
表2に示すように、植物由来のポリエチレン系樹脂を用いた実施例1〜6の各々と、石油由来のポリエチレン系樹脂を用いた比較例1とを対比すると、同等の特性を有していることがわかった。このことから、植物由来のポリエチレン系樹脂を備えた場合であっても、実用的な物性を有するポリエチレン系樹脂発泡シートを提供できることがわかった。したがって、植物由来のポリエチレン系樹脂を備え、かつ植物度が1%以上の発泡シートの実用化が可能であるので、石油由来などの化石燃料資源由来のポリエチレン系樹脂のみを用いたときに生じる地球温暖化問題及び化石燃料資源の枯渇に対して解決に貢献可能であり、環境負荷を低減できることがわかった。
また、石油由来ポリエチレンを含まない実施例1のポリエチレン系樹脂発泡シートは、90%以上の植物度を有していたので、環境負荷の低減に大きな貢献をできることがわかった。
一方、植物由来ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、1000質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに含む実施例2〜5は、植物度を1%以上に維持するとともに、溶融張力を向上できたので、実施例1よりも成型性を高めることができた。このため、植物由来ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、1000質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに含むことにより、成型性を向上できることがわかった。
さらに、本発明例1と、本発明例2〜6とを比較すると、発泡シートの溶融張力が1.1cN以上6.0cN以下の場合には、成型性を向上できることもわかった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (5)

  1. ASTM D 6866により測定された植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を含み、
    植物度が1%以上であり、
    前記植物由来ポリエチレン系樹脂の密度が、0.940g/cm 以上0.970g/cm 以下である、ポリエチレン系樹脂発泡シート。
  2. 前記植物由来ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、1000質量部以下の石油由来ポリエチレン系樹脂をさらに含む、請求項1に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  3. 溶融張力が1.1cN以上6.0cN以下である、請求項1または2に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シートを用いて成形された、発泡成形体。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法であって、
    ASTM D 6866により測定された植物度が80%以上の植物由来ポリエチレン系樹脂を用いて押出し発泡する工程を備える、ポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
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