JP2009155423A - ポリオレフィン系樹脂押出発泡シート及びその製造方法 - Google Patents

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秀樹 石井
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Abstract


【課題】 本発明は、高い帯電防止性、被包装物への高い表面汚染防止性を有すると共に、緩衝性、柔軟性にも優れ、更に剛性(コシ)にも優れるポリオレフィン系樹脂発泡シートであって、特にガラス基板包装用シート又は間紙としての使用に好適なポリオレフィン系樹脂発泡シートを提供することを課題とするものである。
【解決手段】 本発明のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートは、厚み0.2〜2mm、見掛け密度15〜180g/L、エタノールを用いた超音波洗浄後の表面抵抗率1×10〜1×1014(Ω)のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートにおいて、高分子型帯電防止剤の含有量が該発泡シートを構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部であり、該発泡シートのメルトマスフローレイトが0.5〜8g/10分であり、該発泡シート中には脂肪酸化合物が実質的に含まれていないことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、永久帯電防止性のポリオレフィン系発泡シートに関し、詳しくは永久帯電防止性及び表面汚染防止性に優れ、画像表示機器用のディスプレー用ガラスパネル用ガラス基板の包装に好適なポリオレフィン系発泡シートに関する。
従来から、ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、柔軟性があり緩衝性に富み、被包装物の表面を傷つけにくいことから好適な包装材料や緩衝材料として広く使用されてきた。一方、ポリオレフィン系樹脂発泡シートのような発泡体は静電気の作用により、帯電し易い性質があり、埃や塵が付着しやすいことから、帯電防止剤を用いて帯電防止性能を付与したポリオレフィン系樹脂発泡シートが知られている。
前記帯電防止剤としては、界面活性剤タイプの帯電防止剤が広く使用されてきた。しかし、界面活性剤タイプの帯電防止剤は、樹脂中から表面にブリードアウトし空気中の水分を吸着することにより帯電防止性能を発現することから、帯電防止性の発現が季節(温度、湿度)の影響を受けたり、ブリードアウト物が被包装物の表面に付着して表面を汚染したり、被包装物の表面を白化させたりする欠点を有している。
そこで、界面活性剤タイプの帯電防止剤の欠点を改良するために、該帯電防止剤に替えて高分子型帯電防止剤を用いることが行われている。例えば、特許文献1には、高分子型帯電防止剤とポリオレフィン系樹脂と発泡剤とを混練し押出発泡させたポリオレフィン系樹脂発泡体が開示されている。
前記特許文献1のポリオレフィン系樹脂発泡体は、持続性のある帯電防止性を有し、季節(温度、湿度)の影響を受けることなく帯電防止性を発揮することができる。しかし、特許文献1のポリオレフィン系樹脂発泡体は、各種の画像表示機器用のディスプレー用ガラスパネル用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう。)の包装シート又は間紙として使用するには、未だ改良の余地があるものである。即ち、ディスプレー用ガラスパネル用ガラス基板は、非常に高い表面汚染防止性を要求されるのに対し、場合によっては特許文献1のポリオレフィン系樹脂発泡体は表面を汚染してしまうことがあるからである。
本発明者等は、高分子型帯電防止剤で帯電防止化された発泡シートによる表面汚染の原因を追究した結果、ガラス基板の表面汚染の原因が、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造時に添加される脂肪酸化合物にあることを見出した。
即ち、無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートを押出発泡法にて製造する場合、発泡性溶融樹脂の発泡適性粘度範囲において、発泡性溶融樹脂の温度が変化すると溶融粘度も大きく変化してしまう。一方、押出発泡法における物理発泡剤の蒸発潜熱、発泡性溶融樹脂の温度と押出雰囲気温度との温度差、これらの影響による発泡途上にある樹脂の溶融粘度の変化は避けられない。従って、発泡性溶融樹脂の溶融粘度の変化はできるだけ小さくする必要がある。また、発泡性溶融樹脂の粘度が高いと発熱しやすいことから、良好な発泡をさせるには発泡性溶融樹脂の流動特性を向上させなければならない。更に、ポリオレフィン系樹脂に添加された高分子型帯電防止剤が、表面抵抗率1×10〜1×1014(Ω)の帯電防止特性を発揮するには、高分子型帯電防止剤が、得られる発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂のマトリックス中で網目構造、或いは縞構造で存在しなければならない。そのためには、発泡性溶融樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂中において、高分子型帯電防止剤を適度に分散させる必要があり、このような発泡性の混合溶融樹脂は、発泡時の伸び等の加工性において不充分なものとなり易い。
これらの問題を解決するために、高分子型帯電防止剤が添加されたポリオレフィン系発泡シートを製造する場合、押出発泡の際における樹脂の発熱を抑制し溶融樹脂の温度調整を正確に行うために、更に発泡途上にある樹脂の伸び等の粘弾性特性を改良して発泡適性粘度範囲を広げるために、滑剤や可塑剤を基材樹脂中に添加して溶融樹脂の流動特別、粘弾性特性を向上させなければならなかった。しかし、得られる発泡シート中に滑剤や可塑剤が含まれていると、それらが被包装物の表面を汚染することがあり、特にガラス基板などの高い表面汚染防止が要求されるときには、特に滑剤や可塑剤として脂肪酸化合物を添加してはいけないことを、本発明者等は見出した。
脂肪酸化合物による表面汚染の問題を解決するには、脂肪酸化合物を添加しないことが考えられる。しかしながら上記の通り、従来、脂肪酸化合物を添加することがポリオレフィン系樹脂発泡シートを製造する上で必須であるため、単に脂肪酸化合物を添加しないことだけでは、ガラス基板包装用シート又は間紙としての使用に好適な厚み0.2〜2mm、見かけ密度15〜180g/Lの範囲内の厳密な精度が要求される発泡シートを得ようとしても表面状態、気泡状態が悪化して外観、剛性(コシ)、緩衝性、厚み精度等が低下してしまうことを防ぐことが難しいものであった。
なお、発泡シートの剛性(コシ)が不充分な場合には、例えば、ガラス基板の上下部分又は左右部分を保護するために、ガラス基板の大きさよりも大きな発泡シートが間紙としてガラス基板からはみ出さして配置されている場合、ガラス基板から発泡シートを吸引パッドにて吸引排除する際にシワが生じたりして、発泡シートを排除する作業性が低下してしまう不都合や、ガラス基板の周縁からはみ出し部分が垂れ下がるので、該はみ出し部分を摘んで発泡シートを排除する作業性が低下してしまう不都合が発生してしまう。
特開2005−194433号公報
本発明は、上記の事情に鑑み、高い帯電防止性、被包装物への高い表面汚染防止性を有すると共に、緩衝性、柔軟性にも優れ、更に剛性(コシ)にも優れるポリオレフィン系樹脂発泡シートであって、特にガラス基板包装用シート又は間紙としての使用に好適なポリオレフィン系樹脂発泡シートを提供することを課題とするものである。
本発明によれば、以下に示すポリオレフィン系樹脂発泡シート、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法が提供される。
〔1〕厚み0.2〜2mm、見掛け密度15〜180g/L、エタノールを用いた超音波洗浄後の表面抵抗率1×10〜1×1014(Ω)のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートにおいて、高分子型帯電防止剤の含有量が該発泡シートを構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部であり、該発泡シートのメルトマスフローレイトが0.5〜8g/10分であり、該発泡シート中には脂肪酸化合物が実質的に含まれていないことを特徴とするポリオレフィン系樹脂押出発泡シート。
〔2〕前記発泡シートの坪量(g/m)と、該発泡シートの飽和電圧(kV)との積が75kV・g/m以下であることを特徴とする前記〔1〕に記載のポリオレフィン系樹脂押出発泡シート。
〔3〕前記発泡シートがポリエチレン系樹脂からなり、該発泡シートの厚みが0.2mm以上1mm未満であり、該発泡シートの連続気泡率が50〜90%であり、該発泡シートの平均気泡径が下記(1)、(2)及び(3)式を満足し、該発泡シートの190℃における溶融張力が3〜40cNであることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン系樹脂押出発泡シート。
0.2≦Z/X≦1.0・・・・(1)
0.2≦Z/Y≦1.0・・・・(1)
0.1≦Z≦0.5・・・・・・(3)
(但し、X、Y及びZは、順に押出方向の平均気泡径(mm)、幅方向の平均気泡径(mm)及び厚み方向の平均気泡径(mm)を表す。)
〔4〕脂肪酸化合物を実質的に添加することなく、ポリオレフィン系樹脂、高分子型帯電防止剤、気泡調節剤、および物理発泡剤を、押出機中にて溶融混練して発泡性溶融樹脂とし、該発泡性溶融樹脂を低圧域に押出して、厚み0.2〜2mm、見掛け密度15〜180g/L、エタノールを用いた超音波洗浄後の表面抵抗率1×10〜1×1014(Ω)の発泡シートを得るポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造方法であって、該ポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイトが0.5〜6g/10分、該高分子型帯電防止剤のメルトマスフローレイトが25〜60g/10分であり、該高分子型帯電防止剤がポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部の割合で添加されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
本発明のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートは、高分子型帯電防止剤を特定量含有していることにより、特定の表面抵抗率が1×10〜1×1014(Ω)であるという永久帯電防止性を有し、更に脂肪酸化合物を実質的に添加することなく製造されることにより表面汚染性が小さいので、画像表示機器用のディスプレー用ガラスパネル用ガラス基板等の包装シート又は間紙として好適に使用できるものである。
本発明のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造方法によれば、脂肪酸化合物を実質的に添加しないにもかかわらず、メルトマスフローレイト0.5〜6g/10分のポリオレフィン系樹脂と、メルトマスフローレイト25〜60g/10分の高分子型帯電防止剤を用いることにより押出発泡時の発熱を抑えているので、得られる発泡シートは、表面状態が良好で、適度な剛性(コシ)を有するものである。
以下、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡シートについて詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートともいう。)は、ポリオレフィン系樹脂と、これに添加された高分子型帯電防止剤とからなる混合樹脂を基材樹脂とする発泡体である。
本発明において基材樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂は、オレフィン成分単位が50モル%以上の樹脂である。該ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、表面硬度が低く柔軟性に優れ、被包装体の表面保護に優れることから好ましく用いられ、特にポリエチレン系樹脂が、より柔軟性に優れ、被包装体の表面保護性により優れているので好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン成分単位が50モル%以上の樹脂が挙げられ、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、さらにそれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂の中でも、密度が935g/L以下のポリエチレン系樹脂を主成分とするものが好ましい。具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることが好ましく、発泡性が良好な低密度ポリエチレンがより好ましい。
尚、密度が935g/L以下のポリエチレン系樹脂を「主成分」とするとは、該ポリエチレン樹脂の含有量が発泡シートの全重量の50重量%以上であることをいう。また、ポリエチレン系樹脂の密度の下限は概ね890g/Lである。
また、前記ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン重合体、またはプロピレンと共重合可能な他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンが例示される。また上記共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、さらに二元共重合体のみならず三元共重合体であってもよい。なお、上記共重合体中のプロピレンと共重合可能な他のオレフィンは、25重量%以下、特に15重量%以下の割合で含有されていることが好ましく、下限値としては0.3重量%が好ましい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記のポリプロピレン系樹脂の中でも好適な押出発泡性を有することから、一般のポリプロピレン系樹脂と比較して溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂が好ましい。具体的には、例えば、特開平7−53797号公報に記載されているような、(1)1未満の枝分かれ指数と著しい歪み硬化伸び粘度とを有するポリプロピレンや、(2)(a)Z平均分子量(Mz)が1.0×10以上であるか、またはZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が3.0以上であり、(b)かつ平衡コンプライアンスJが1.2×10−3Pa−1以上であるか、または単位応力当たりの剪断歪み回復Sr/Sが毎秒5m/N以上であるポリプロピレンを含むポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、本発明においては、(3)スチレン等のラジカル重合性単量体およびラジカル重合開始剤や添加剤などを含む配合物を、ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつラジカル重合開始剤の分解温度において溶融混練することによって改質されたポリプロピレン系樹脂、あるいは(4)ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂であってもよい。
また、上記ポリオレフィン系樹脂の融点は概ね100〜170℃である。該ポリオレフィン系樹脂の融点の測定方法としては、ポリオレフィン系樹脂3〜5mgを、示差走査熱量計(熱流束示差走査熱量測定)により、窒素ガス雰囲気下で、昇温速度10℃/分で室温(15〜30℃)から220℃まで昇温して1回目のDSC曲線を得た後、直ちに降温速度10℃/分で40℃まで降温し、その後もう一度昇温速度10℃/分で220℃まで昇温したときに得られる2回目のDSC曲線上に現れる主融解ピーク(最も面積の大きいピーク)の頂点の温度とする。尚、最も大きな面積を有するピークのピーク面積に対して80%以上のピーク面積を有するピークが他に存在する場合は、該ピークの頂点の温度と最も面積の大きいピークの頂点の温度との相加平均値を融点として採用する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂には、本発明の発泡シートの目的及び効果を阻害しない範囲で、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、エチレンプロピレンゴム等のエラストマー、ポリブテン等のブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、金属イオンとしてカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂を添加することができる。その場合の添加量は40重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、10重量%以下が特に好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂には、本発明の目的効果を阻害しない範囲において、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の機能性添加剤、無機充填剤等を含有していても良い。
本発明の発泡シートは、包装、梱包に使用される包装材料として用いられることから、その厚みは0.2〜2mmである。厚みがこの範囲内の発泡シートであれば、包装材料に要求される緩衝性、柔軟性を有するものとなる。特にガラス基板用の包装用シートまたは間紙として使用される場合には、其の下限は、好ましくは0.3mmであり、その上限は、好ましくは1.5mm、より好ましくは1mm、更に好ましくは0.7mm、特に好ましくは0.5mmである。
特に、基材樹脂がポリエチレン系樹脂からなる場合、発泡シートの厚みは0.2mm以上1mm未満が好ましく、更に0.3〜0.7mm、特に0.3mm〜0.5mmが好ましい。厚みが0.2mm以上であれば表面保護性が確保され、1mm未満であれば、ガラス基板用の間紙等として使用される場合に積載効率が低下することがない。従って、ポリエチレン系樹脂発泡シートの場合、上記範囲の厚みとすることにより、ガラス基板用の間紙等に要求される緩衝性、表面保護性、積載効率を上手くバランスさせることができる。
なお、本発明の発泡シートの厚みは、その全幅に亘って幅方向に1cm間隔で測定される発泡シートの厚み(mm)の算術平均値である。
具体的には、例えば、株式会社山文電気製オフライン厚み測定機TOF−4Rを使用して、発泡シート全幅について1cm間隔で厚みの測定を行い、各測定値を算術平均することにより、求めることができる。
本発明の発泡シートの見掛け密度は15〜180g/Lである。発泡シートの見掛け密度は高すぎると表面保護性が低下するので、発泡体を使用する意味がなくなる。一方、該見掛け密度が低すぎると発泡シートに所望されるコシの強さが低下する。このような観点から、該見掛け密度は30〜150g/Lが好ましく、より好ましくは40〜120g/L、更に好ましくは50〜100g/Lである。
上記発泡シートの見掛け密度は以下の通り測定される値である。発泡シートから縦25mm×横25mm×発泡シートの厚みの試験片を切り出して該試験片の重量(g)を測定し、該重量を1600倍して、単位換算することで坪量(g/m)を求める。次いで、求められた発泡シートの坪量(g/m)を前記発泡シートの厚み(mm)で除した値を単位換算し、発泡シートの見掛け密度(g/L)とする。
本発明の発泡シートの坪量は10〜80g/mが好ましく、より好ましくは12〜60g/m、更に好ましくは15〜50g/mである。該坪量が上記範囲内であることにより、コシの強さと表面保護性とのバランスにおいて特に優れたものとなる。
本発明のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートは、エタノール水溶液による超音波洗浄後の表面抵抗率が1×10〜1×1014(Ω)の値を示すものであり、好ましくは1×10〜5×1013(Ω)、より好ましくは1×10〜1×1013(Ω)の表面抵抗率を示すものである。エタノール水溶液による超音波洗浄後の表面抵抗率が上記の値を示すということは、帯電防止機能が使用環境によって容易に失われことがないことを意味し、本発明の発泡シートは、長期間に亘って相応の帯電防止効果(永久帯電防止性)を発現するものであることを示している。このような永久帯電防止性に優れる発泡シートは、ガラス基板等の包装シートや間紙として使用した場合に、包装物への塵や埃の付着を抑制するものであり、非包装物から発泡シートを除去する場合の剥離帯電も防止できるものである。
発泡シートのエタノール水溶液による超音波洗浄後の表面抵抗率は、下記の試験片の状態調整を行ったのち、JIS K6271(2001)に準拠して測定される。すなわち、測定対象物である発泡シートから縦100mm×横100mm(厚さは発泡シートの厚み)の大きさに切り出した試験片を23℃のエタノール40重量%水溶液中に沈めて超音波洗浄を24時間行った後、試験片を乾燥(温度30℃、相対湿度30%の雰囲気下に36時間放置する)することにより試験片の状態調整を行ってから、JIS K6271(2001)に準拠して印加電圧500Vの条件で、表面抵抗率が求められる。
なお、本発明の発泡シートの永久帯電防止性は、ポリオレフィン系樹脂と高分子型帯電防止剤と発泡剤からなる発泡性混練溶融物の押出発泡に際して、ポリオレフィン系樹脂中に高分子型帯電防止剤が良好なネットワークを形成して分散することにより発現していると推測される。
本発明の発泡シートは、前記のように帯電防止性に優れているものであるが、更に発泡シートの坪量(g/m)と、該発泡シートの飽和電圧(kV)との積が75kV・g/m以下であることが好ましい。この坪量(g/m)と飽和電圧(kV)との積は、発泡シートにおける帯電圧減衰性能の指標であり、この値が小さい発泡シートは帯電圧減衰性に優れていることを意味し、被包装物に発泡シートが纏わりつく現象が起き難くなる。
なお、発泡シートの厚みや坪量が大きくなると飽和電圧(kV)は小さくなり、厚みや坪量が小さくなると飽和電圧が大きくなる傾向がある。したがって、飽和電圧を小さくするには厚みや坪量を大きくすればよいが、本発明の発泡シートは、厚み2mm以下、見掛け密度180g/L以下であることから、厚みや坪量を大きくすることには限界がある。この限界の下で、坪量(g/m)と飽和電圧(kV)との積が75kV・g/m以下であることは、本発明の極めて薄く、坪量も小さい発泡シートの帯電防止性が、ガラス基板等の包装シート又は間紙として使用するのに十分なものであることを意味する。
本明細書において、発泡シートの飽和電圧(kV)の測定方法は、株式会社宍戸商会製のスタティック・オネストメーターTYPE S−5109装置を使用して、JIS L1094(1988)に基づいて測定される。具体的には、縦45mm、横45mmの正方形の試験片を測定面が上になるように測定装置上の試験片取付枠に取付け、印加部の針電極の先端から試験片上面までの距離を20mm、受電部の電極から試験片までの距離を15mmに各々調整する。次に、ターンテーブルを回転させながら(+)10kVの電圧を印加し、最大帯電圧に達し安定した電圧の値を当該飽和電圧とする。なお、測定は5回以上行いその平均値を採用する。
本発明においては、発泡シートに対して前記帯電防止性を付与するために高分子型帯電防止剤が、ポリオレフィン系樹脂に添加される。その添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部である。高分子型帯電防止剤の添加量が30重量部を超えると発泡が阻害され、連続気泡率が高くなって90%を超えるようになり、さらに気泡が粗大になって、表面保護性が低下し、被包装物の表面へのフィット性が大きく低下する虞がある。かかる観点から、其の上限は25重量部が好ましく、20重量部がより好ましい。一方、2重量部未満では、表面抵抗率1×1014(Ω)以下にすることが難しくなる。よって、高分子型帯電防止剤の添加量の下限は、好ましくは5重量部、より好ましくは8重量部である。
上記高分子型帯電防止剤は、表面抵抗率が1×1012(Ω)未満、好ましくは1×1010(Ω)未満の樹脂からなるものである。具体的には、金属イオンとしてカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂、あいはポリエーテルエステルアミドやポリエーテル等の親水性樹脂を主成分とするものが好ましい。また高分子型帯電防止剤は、発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果を付与すると共に、帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために、ポリオレフィン系樹脂をブロック共重合させた樹脂を用いることが更に好ましい。
特に好ましい高分子型帯電防止剤としては、特開平3−103466号公報、特開2001−278985号公報に記載されている組成物が挙げられる。
特開平3−103466号公報記載の組成物は、(I)熱可塑性樹脂、(II)ポリエチレンオキサイドまたは50重量%以上のポリエチレンオキサイドブロック成分を含有するブロック共重合体、及び(III)上記(II)中のポリエチレンオキサイドブロック成分と固溶する金属塩からなるものであり、特開2001−278985号公報記載の組成物は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が1×10〜1×1011Ω・cmの親水性樹脂(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2000〜60000のブロック共重合体である。上記(a)のブロックと(b)のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものである。これらの高分子型帯電防止剤の詳細については、特開平3−103466号公報、特開2001−278985号公報を参照されたい。
本発明において使用される高分子型帯電防止剤の数平均分子量としては、2000以上が好ましく、より好ましくは2000〜100000、更に好ましくは5000〜60000、特に好ましくは8000〜40000であり、界面活性剤からなる帯電防止剤とは区別される。尚、該高分子型帯電防止剤の数平均分子量の上限は概ね500000である。高分子型帯電防止剤の数平均分子量を上記の範囲とすることにより、帯電防止性能が湿度等の環境に左右されずより安定的に発現され、また被包装体へ帯電防止剤が移行して被包装体表面を汚染することも抑制される。
上記数平均分子量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求められる。例えば、高分子型帯電防止剤がポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とするものの場合にはオルトジクロロベンゼンを溶媒として試料濃度3mg/mlとし、ポリスチレンを基準物質としてカラム温度135℃の条件にて測定される値である。なお、上記溶媒の種類、カラム温度は、高分子型帯電防止剤の種類に応じて適宜変更される。
また、高分子型帯電防止剤の融点は、好ましくは70〜270℃、より好ましくは80〜230℃、特に好ましくは80〜200℃であることが、帯電防止機能の発現性の観点から望ましい。
高分子型帯電防止剤の融点は、JIS K7121−1987に準拠する方法により測定することができる。即ちJIS K7121−1987における試験片の状態調節(2)の条件(但し、冷却速度は10℃/分)により前処理を行い、10℃/分にて昇温することにより融解ピークを得る。そして得られた融解ピークの頂点の温度を融点とする。尚、融解ピークが2つ以上現れる場合には、主融解ピーク(最も面積の大きいピーク)の頂点の温度とする。尚、最も大きな面積を有するピークのピーク面積に対して80%以上のピーク面積を有するピークが他に存在する場合には、該ピークの頂点温度と最も面積の大きいピークの頂点の温度との相加平均値を融点として採用する。
上記高分子帯電防止剤はそれぞれ単独で使用することができるが、組み合わせて使用してもよい。尚、前記のような高分子型帯電防止剤は、例えば三井・デュポンポリケミカル株式会社製「SD100」、三洋化成工業株式会社製「ペレスタット300」という商品名で市販されている。
本発明の発泡シートは、脂肪酸化合物を含まないものである。即ち、発泡シートの製造時に樹脂の発熱を抑えるための脂肪酸化合物を実質的に添加することなく製造されたものである。従って、該発泡シートは、ガラス基板等の被包装物の表面を汚染する可能性が小さいものである。
なお、本発明において脂肪酸化合物が実質的に含まれておらず、或いは脂肪酸化合物を実質的に添加することなくとは、脂肪酸化合物が全く含まれていないこと、或いは脂肪酸化合物を全く添加しないことはもとより、ガラス基板等の表面を汚染することがない程度に添加されたもののように、本発明の目的が達成される範囲内において発泡シートに脂肪酸化合物が含まれていてもよいこと、或いは本発明の目的が達成される範囲内において発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂に脂肪酸化合物を添加してもよいことを意味する。具体例としては、原料のポリオレフィン系樹脂として、脂肪酸化合物が既に配合されているリサイクル原料を少量併用することにより、得られる発泡シートが本発明の目的が達成できる範囲内において脂肪酸化合物を含有するものとなったものや、脂肪酸化合物が本発明の目的が達成できる範囲内において添加されたもの等が本発明の発泡シートに含まれる。これらの発泡シートにおける脂肪酸化合物の具体的な含有量としては、0.05重量%以下(0も含む。)が好ましく、より好ましくは0.03重量%以下(0も含む。)である。
本発明における脂肪酸化合物としては、例えば脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルが挙げられる。
脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸、更に前記モノカルボン酸の他に、ダイマー酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪酸金属塩を構成する金属としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等が挙げられる。
脂肪酸アミドとは、脂肪酸から誘導される酸アミドのことであり、脂肪酸アミドとしては、脂肪族アミン由来のものであればいずれも含まれる。脂肪酸アミドの具体例としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、ベヘニン酸モノグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(5)グリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)グリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレン(5)モノオレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ポリアジピン酸ペンタエリストールステアレート、ステアリン酸ステアリル、1,2−オキシステアリン酸、硬化ひまし油等が挙げられる。
なお、これらの脂肪酸化合物の中で、ステアリン酸アミドやステアリン酸カルシウムが、従来必須の添加剤として本発明における厚み、見掛け密度範囲のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造に用いられている。
発泡シート中の脂肪酸化合物の含有量の測定方法は、公知の方法を用いることができる。本発明では特にその方法を規定するものではないが、例えば以下のような方法が用いられる。
前記脂肪酸については、次のように測定される。
エーテル、またはクロロホルムに発泡体を浸漬して抽出し、抽出物を逆相の高速液体クロマトグラフィーで分析するか、抽出物を乾固後メチルエステル化等の揮発性誘導体化処理後ガスクロマトグラフィーで分析する。
脂肪酸金属塩については、例えば次のように測定される。
沸騰メタノールに発泡体を浸漬して抽出し、放冷して析出した沈殿をろ別する。析出物を希塩酸中に懸濁し、エーテルを用いて溶媒抽出すると、エーテル相に遊離した脂肪酸が、水相に金属がそれぞれ抽出されるので脂肪酸は上述の手法で、金属はICP(誘導結合プラズマ)発光分析装置等により金属種の特定と定量を行う。
脂肪酸アミドは、例えば次のように測定される。
エーテル、またはクロロホルムに発泡体を浸漬して抽出し、抽出物を逆相の高速液体クロマトグラフィーで分析するか、ガスクロマトグラフィーで分析する。
また脂肪酸エステルは、例えば次のように測定される。
エーテルに発泡体を浸漬して抽出し、抽出物をガスクロマトグラフィーで分析する。
本発明においては、発泡シートのメルトマスフローレイト(以下、MFRともいう。)が0.5〜8g/10分であることを要する。本発明の発泡シートは、発泡シートのメルトマスフローレイトが上記範囲内にあることにより、押出発泡時における樹脂の発熱を抑えて製造されたものである。従って、前記脂肪酸化合物を実質的に添加することなく製造されたものであるにもかかわらず、発泡シートの厚み、見掛け密度の構成と相俟って、緩衝性、柔軟性、外観および剛性に優れた発泡シートとなっている。したがって、本発明の発泡シートは、被包装物に対する非常に高いレベルの表面汚染防止性を要求されるガラス基板包装用シートや間紙として好適に使用可能なものである。
上記メルトマスフローレイトが0.5g/10分未満の場合には、押出発泡時の樹脂の発熱が大きいものであったことを意味しており、押出発泡時の樹脂の発熱が大きかった場合には得られる発泡シートは表面状態が悪いものになってしまう。一方、8g/10分超の場合には、得られる発泡シートは剛性の低いものになってしまう。
かかる観点から、発泡シートのメルトマスフローレイトの下限は0.7g/10分が好ましく、より好ましくは0.8g/10分、更に好ましくは1g/10分である。また、其の上限は7g/10分が好ましく、より好ましくは6g/10分である。
なお、発泡シートは、高分子型帯電防止剤とポリオレフィン系樹脂とから構成され、発泡シートのメルトマスフローレイトは概ね、原料である高分子型帯電防止剤のメルトマスフローレイトとポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイトと高分子型帯電防止剤の添加量を目安として調整できる。
上記メルトマスフローレイトは、JIS K7210−1999に従って、基材樹脂を構成しているポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂の場合には条件コードMを、ポリエチレン系樹脂の場合には条件コードDを採用して測定される値である。発泡シートから測定試料を調整する場合、発泡シートを真空オーブンにて加熱し脱泡したものを試料とする。その際の真空オーブンでの脱泡条件は、発泡シートの基材樹脂を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度、かつ減圧下とする。
また、本発明においては、発泡シートの溶融張力が3〜40cNであることが好ましい。特に、発泡シートがポリエチレン系樹脂からなる場合、このような溶融特性を有し、更に後記特定の気泡構造からなることにより、厚みが薄く、軽量なものでありながらコシが強く、表面保護性に優れた発泡シートとなっている。なお、発泡シートを構成する基材樹脂は、高分子型帯電防止剤とポリオレフィン系樹脂とからなる混合樹脂であり、発泡シートの溶融張力は概ね、原料であるポリオレフィン系樹脂の溶融張力、及び高分子型帯電防止剤とポリオレフィン系樹脂との配合比を目安として調整できる。更に詳しくは、高分子型帯電防止剤と概ね溶融張力が3〜40cNのポリオレフィン系樹脂とを、発泡シートを得る際の押出機を使用して溶融混練し得られたものの溶融張力を目安として調整することができる。
ただし、押出時の温度条件およびパスタイムは押出発泡時の条件と略同じとなるように調整する。この方法に拠れば、ポリオレフィン系樹脂が複数のポリオレフィン系樹脂の混合物からなる場合であっても、発泡シートを構成する樹脂の溶融張力を調整することができる。
上記溶融張力が40cN以下であれば、押出発泡する際の押出機内、ダイ内での溶融樹脂の発熱が過大になっていないので、得られる発泡シートの気泡膜に多数のシワが発生したり、気泡膜が脆弱になったり、発泡シートの表面の凸凹が大きくなったりすることが防止される。よって、発泡シートのコシの強さが確保され、ガラス基板用包装材として取扱いやすいものとなる。一方、上記溶融張力が3cN以上であれば、押出発泡する際の溶融樹脂の発泡性が確保されているので、外観が良好で軽量な発泡シートを得ることができている。よって、発泡シートのコシの強さが確保され、ガラス基板用包装材として取扱いやすいものとなっている。
特に、発泡シートの基材樹脂がポリエチレン系樹脂の場合、発泡シートを構成する樹脂の溶融張力は、3〜25cNであることが好ましく、さらに4〜20cNであることがより好ましい。
上記溶融張力は、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1Dによって測定される。具体的には、シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用い、シリンダー及びオリフィスの設定温度を、基材樹脂を構成しているポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂の場合には230℃、ポリエチレン系樹脂の場合は190℃とし、試料の必要量を該シリンダー内に入れ、4分間放置してから、ピストン速度を10mm/分として溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛け、4分で引き取り速度が0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーで紐状物を引取って紐状物が破断した際の直前の張力の極大値を得る。ここで、引取り速度が0m/分から200m/分に達するまでの時間を4分とした理由は、樹脂の熱劣化を抑えるとともに得られる値の再現性を高めるためである。上記操作を異なる試料を使用し、計10回の測定を行い、10回で得られた極大値の最も大きな値から順に3つの値と、極大値の最も小さな値から順に3つの値を除き、残った中間の4つの極大値を相加平均して得られた値を溶融張力(cN)とする。
但し、上記した方法で溶融張力の測定を行い、引取り速度が200m/分に達しても紐状物が切れない場合には、引取り速度を200m/分の一定速度にして得られる溶融張力(cN)の値を採用する。詳しくは、上記測定と同様にして、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を張力検出用プーリーに掛け、4分間で0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーを回転させ、回転速度が200m/分になるまで待つ。回転速度が200m/分に到達してから溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られたテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を本発明方法における溶融張力とする。
ここで、上記Tmaxとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたピーク(山)値の合計値を検出された個数で除した値であり、上記Tminとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたディップ(谷)値の合計値を検出された個数で除した値である。
尚、当然のことながら上記測定において溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出す際には該紐状物に、できるだけ気泡が入らないようにする。また、発泡シートから測定試料を調整する場合、発泡シートを真空オーブンにて加熱し脱泡したものを試料とし、その際の真空オーブンでの脱泡条件は、発泡シートの基材樹脂を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度、かつ減圧下とする。
本発明の発泡シートは、前記の通りポリオレフィン系樹脂からなり、其の中でもポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂が好ましいが、表面硬度が低く柔軟性に優れ、被包装体の表面保護性に優れることから、特にポリエチレン系樹脂からなるものが好ましく、更にガラス基板包装用シートや間紙として用いるには、次の要件を備える発泡シートが好ましい。
ポリエチレン系樹脂からなる発泡シートをガラス基板間紙として用いる場合、その厚みは、前記の通り0.2mm以上1mm未満が好ましく、更に0.3〜0.7mm、特に0.3mm〜0.5mmが好ましい。
本発明の発泡シートの連続気泡率は50〜90%が好ましい。該連続気泡率が50〜90%の範囲内であれば、ガラス基板などの被包装物表面とのフィット性に優れ、優れた表面保護性を発揮する発泡シートとなる。さらに、熱成形する場合、金型再現性に優れ、金型と同じ形状に成形できる。かかる観点から連続気泡率の下限は55%がより好ましく、更に60%、特に70%が好ましい。
本明細書において、発泡シートの連続気泡率:S(%)は、ASTM D2856−70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される発泡体試験片の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和):Vx(L)から、下記(4)式により算出される値である。
S(%)=(Va−Vx)×100/(Va−W/ρ)・・・(4)
但し、上記(4)式中の、Va、W、ρは以下の通りである。
Va:測定に使用した発泡体試験片の外寸法から計算される見掛け容積(L)
W:発泡シート試験片の重量(g)
ρ:発泡シート試験片を構成する樹脂の密度(g/L)
尚、発泡シート試験片を構成する樹脂の密度ρ(g/L)及び発泡シート試験片の重量W(g)は、発泡シートを加熱プレスにより加熱し気泡を脱泡させてから冷却する操作を行い、得られた樹脂から求めることができる。発泡体試験片は、空気比較式比重計に付属のサンプルカップに非圧縮状態で収納しなければならないので、縦が25mm、横40mmで試験片の見掛け体積が概ね0.025L(25cm)となるような最小限の枚数とする。
本発明のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの平均気泡径は、下記(1)、(2)及び(3)式を満足することが好ましい。
0.2≦Z/X≦1.0・・・・(1)
0.2≦Z/Y≦1.0・・・・(2)
0.1≦Z≦0.5・・・・・・(3)
(但し、X、Y及びZは、順に押出方向の平均気泡径(mm)、幅方向の平均気泡径(mm)及び厚み方向の平均気泡径(mm)を表す。)
なお、発泡シートの基材樹脂がポリエチレン系樹脂で構成される場合、(1)式の下限は0.25がより好ましく、その上限は0.7がより好ましく、更に好ましくは0.5であり、(2)式の下限は0.25が好ましく、より好ましくは0.3であり、その上限は0.7がより好ましく、更に好ましくは0.5である。
本発明の発泡シートにおいて、気泡形状が上記の式の関係を満足することにより、発泡シートは更に優れた剛性(コシ)を有するものとなり、例えば、縦置きに配置されたガラス基板の間紙として使用した場合にシートの垂れ下がりや腰折れが抑えられるので、特に大寸法のガラス基板の包装用シートまたは間紙として好適な発泡シートとなる。また、発泡シートの剛性が高ければ、大寸法のガラス基板の間紙としてガラス基板間に介在させた発泡シートをガラス基板表面から、例えば吸引除去する際の作業性が特に良好なものとなる。
本発明の発泡シートにおいて、厚み方向の平均気泡径:Z(mm)が上記(3)式で示す範囲であれば、発泡シートの柔軟性と剛性(コシ)とのバランス、表面平滑性、表面保護性に優れ、外観が特に良好なものとなる。なお、Zの範囲の上限は、好ましくは0.4mm、更に好ましくは0.3mm、特に好ましくは0.2mmである。
なお、上記の式において、押出方向の平均気泡径:X(mm)、幅方向の平均気泡径:Y(mm)及び厚み方向の平均気泡径:Z(mm)は下記の方法により測定される。
〔押出方向の平均気泡径:X(mm)〕
発泡シートの幅方向中心部を、押出方向に沿って垂直に切断し、その断面の中央部付近に押出方向に長さ30mmの線分を引き、この線分と交差する気泡の数nを測定し、線分の長さを(気泡数n−1)で割った値を押出方向の平均気泡径:X(mm)として採用する。
〔幅方向の平均気泡径:Y(mm)〕
発泡シートの押出方向に対して直交する垂直断面の中央部付近に幅方向に長さ30mmの線分を引き、この線分と交差する気泡の数nを測定し、線分の長さを(気泡数n−1)で割った値を幅方向の平均気泡径:Y(mm)として採用する。
〔厚み方向の平均気泡径:Z(mm)〕
発泡シートの幅方向中心部を、押出方向に沿って垂直に切断し、その断面の中央部付近に発泡シートの全厚みに亘る線分を引き、この線分と交差する気泡の数を測定し、線分の長さを気泡数で割った値を厚み方向の平均気泡径:Z(mm)として採用する。
なお、平均気泡径X、Y、Zを求める際に気泡数nの測定は、線分と部分的に交差する気泡についてもカウントするものとする。
上記の(1)〜(3)の平均気泡径X、Y、Zの調整方法としては、例えば、ダイの圧力を上げること、気泡調整剤の量を増量することによって平均気泡径を小さく調整することができる。また、Z/X、Z/Yの気泡形状の調整方法としては、例えば、押出方向に気泡を偏平状にする場合には吐出量を減少させる、引き取り速度を上げる等の方法で調整できる。幅方向に気泡を偏平状にする場合には、発泡体が幅方向に広がるように押出する方法で調整でき、環状ダイを用いる場合は、環状ダイの吐出口径と円柱状の冷却装置であるマンドレルの直径との比(マンドレルの直径/環状ダイの吐出口径)を大きくする方法で調整できる。
一方、気泡を球状にする場合には、吐出量を増加させる、引き取り速度を下げる、発泡体が幅方向に広がらないように押出する方法で調整でき、環状ダイを用いる場合は、環状ダイの吐出口径と円柱状の冷却装置であるマンドレルの直径との比を小さくする方法で調整できる。Z/X、Z/Yの調整は、これらの方法を適宜組み合わせて調整することができる。
以下、本発明のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造方法について説明する。
本発明の発泡シートの製造方法においては、前記ポリオレフィン系樹脂と、前記高分子型帯電防止剤と、気泡調節剤とを、押出機中にて溶融混練して溶融樹脂とする。但し、その際に作為、無作為に関わらず原料の一部として前記脂肪酸化合物を実質的に添加することなく該溶融樹脂を得ることとする。次いで該溶融樹脂に物理発泡剤を圧入し混練して発泡性溶融樹脂とし、発泡性溶融樹脂を発泡適正温度に調整してから、押出機出口に取付けられた円環状ダイから低圧域に押出して筒状の発泡体として押出し、冷却装置(マンドレル)に沿わせて引取りながらシート状に切開くことにより、厚み0.2〜2mm、見掛け密度15〜180g/Lの発泡シートが製造される。
本発明方法により得られる発泡シートは、厚み0.2〜2mm、見掛け密度15〜180g/Lに調整されたものであって、ガラス基板用間紙などのガラス基板用包装材として好適に用いられるものである。そのために、包装緩衝材としての優れた外観、柔軟性、剛性(コシ)、緩衝性、厚み精度が必要である。これらの優れた特性を有する良好な無架橋の発泡シートを、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸化合物を滑剤等として実質的に添加せずに得るためには、発泡性溶融樹脂の発泡適性温度範囲において溶融樹脂の温度変化に対して溶融粘度が大きく変化したとしても、それに耐えられるだけの溶融樹脂の粘弾性特性を有し、押出発泡の際における樹脂の発熱を抑制し、溶融樹脂の温度調整を正確に行えるようにし、押出発泡直後の樹脂の伸びを確保するために、原料ポリオレフィン系樹脂および高分子型帯電防止剤のメルトマスフローレイトの調整が重要である。また、脂肪酸化合物を実質的に添加しないことによる押出発泡時のダイ内樹脂流路での発熱を防ぐために押出機先端に取付けられるダイの構造を工夫することが好ましい。
ダイの構造に関しては、ポリオレフィン系樹脂の発熱を極力抑える形状とすることが肝要である。そのためには、樹脂流路の断面積を大きくする、樹脂流路の内面を鍍金処理するなどしてすべり性を向上させる等、周知の低発熱ダイの技術を採用することができる。該発熱が小さい状況で得られる発泡シートは、発泡シートを構成している気泡壁に張りがあって、しわが無くなり、コシの強さが更に向上する。
本発明方法においては、発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂としては、前記の通り、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂が好ましく用いられ、厚み0.2〜2mm、見掛け密度が15〜180g/L、特定の表面抵抗率1×10〜1×1014(Ω)である。更に、柔軟性、表面保護性に特に優れる発泡シートが得られ易いという点で、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。
本発明方法においては、メルトマスフローレイト0.5〜6g/10分のポリオレフィン系樹脂とメルトマスフローレイト25〜60g/10分の高分子型帯電防止剤を原料として用いることを要する。これらを原料として本発明方法によって得られる発泡シートのメルトマスフローレイトは、前述の通り、0.5〜8g/10分となる。このことにより、最終的に得られる発泡シートにおいて高分子型帯電防止剤の良好なネットワーク構造を形成することができ良好な帯電防止性能が発現される。かかる観点から、ポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイトの下限は、0.6g/10分が好ましく、0.7g/10分がより好ましく、其の上限は、5g/10分が好ましい。高分子型帯電防止剤のメルトマスフローレイトの上限は、50g/10分が好ましい。
本発明方法において、ポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイトが6g/10分を超える場合、添加する高分子型帯電防止剤の流動性が高いものであるため、発泡性が低下し、目的の見掛け密度の発泡シートが得られ難くなる。従って、発泡シートのコシの強さも低下し、ガラス基板用包装間紙などの包装材としての取扱いが難しくなる。また、発泡シート幅方向の厚み精度にも悪影響を及ぼし、厚み精度が悪くなって、積み重ねて搬送する際の積載効率が低下する等の問題が発生する虞がある。一方、ポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイトが0.5g/10分未満の場合、前述したようにダイ内での発熱が大きくなり、そのために発泡シートを構成している気泡が収縮して気泡壁に張りがなくなり、発泡シート表面に細かな裂けが発生する場合もある。また、最終的に得られる発泡シートの帯電防止性能が不充分なものとなる虞もある。よって、前述した様にコシの強さも低下し、ガラス基板用間紙として用いることが困難になる。尚、ポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイトの測定は、試料を原料ポリオレフィン系樹脂とする以外には、前述の発泡シートにおけるメルトマスフローレイトの測定方法と同様にして行なうことができる。
更に、原料となるポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂としては、溶融張力3〜40cNのものが好ましく用いられる。該溶融張力が3cN以上であれば、発泡性が確保され、目的の見掛け密度、連続気泡率の発泡シートを得ることができる。得られた発泡シートは、外観、剛性(コシ)、厚み精度が更に向上し、特にガラス基板用間紙としてのコシの強さを有し、ガラス基板用間紙として好適に使用することができる。一方、ポリオレフィン系樹脂の溶融張力が40cN以下であれば、押出発泡時にダイ内での発熱が過大になることが防止され、発泡シートを構成する気泡膜の強度が確保され、気泡が収縮することもなく、コシの強さが確保され、ガラス基板用間紙として好適なものとなる。尚、ポリオレフィン系樹脂の溶融張力の測定は、試料を原料ポリオレフィン系樹脂とする以外は、前述の発泡シートにおける溶融張力の測定方法と同様にして行なうことができる。
本発明方法においては、得られる発泡シートの前記特定の表面抵抗率を1×10〜1×1014(Ω)とするために、前記高分子型帯電防止剤をポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部の割合で添加することを要する。高分子型帯電防止剤の添加量が30重量部を超えると発泡が阻害され、連続気泡率が高くなり、さらに気泡が粗大になって、表面保護性が低下し、被包装物へのフィット性が悪くなる虞がある。一方、2重量部未満では、表面固有抵抗率を1×1014(Ω)以下にすることが難しくなる。
該高分子型帯電防止剤のメルトマスフローレイトは、25〜60g/10分であり、好ましくは30〜50g/10分、より好ましくは30〜45g/10分である。該メルトマスフローレイトが25g/10分未満では、発泡が阻害され良好な発泡体が得られないだけでなく、高分子型帯電防止剤の分散状態が悪化し、帯防性能も低下する。一方、60g/10分超では、発泡シートの溶融張力が低下し、やはり良好な発泡体が得られない。
本発明方法によれば、脂肪酸化合物を実質的に添加しなくとも、前記範囲のMFRを示すポリオレフィン系樹脂と高分子型帯電防止剤との混合物を使用することにより、ガラス基板用間紙として好適な発泡シートを得る事ができる。
本発明方法で用いられる物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素や脂環式炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のフッ化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類、その他、ジメチルカーボネート、メタノール、エタノール等の有機系物理発泡剤、酸素、窒素、二酸化炭素、空気、水等の無機系発泡剤が挙げられる。これらの物理発泡剤は、2種以上を混合して使用することが可能である。これらのうち、ポリオレフィン系樹脂との相溶性、発泡性の観点から有機系物理発泡剤が好ましく、中でもノルマルブタン、イソブタン、又はこれらの混合物を主成分とするものが好適である。また、物理発泡剤ではないがアゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤も発泡剤として併用することができる。
上記発泡剤の添加量は、物理発泡剤の種類、目的とする発泡シートの見掛け密度に応じて調整する。特に、本発明方法では気泡膜の形成による延伸効果が帯電防止性に関連があるため物理発泡剤の注入量は重要である。具体的には、物理発泡剤としてイソブタン30重量%とノルマルブタン70重量%とのブタン混合物などの物理発泡剤を用いた場合、基材樹脂100重量部当たり4〜35重量部、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは6〜25重量部である。
また、発泡シートを製造する際には、前記押出機に供給されるポリオレフィン系樹脂中に、通常、気泡調整剤が添加される。気泡調整剤としては有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、有機系気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。また、クエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることができる。
上記気泡調整剤の添加量は、主として目的とする発泡シートの気泡径に応じて調節するが、一般的には、基材樹脂100重量部当たり、0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜3重量部である。
また、その他所望により、ポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造には、着色剤、紫外線防止剤、酸化防止剤など一般に使用される種々の添加剤を配合することもできる。
なお、発泡シートの見掛け密度を15〜180g/Lにするには、物理発泡剤の添加量と押出樹脂温度を調整することにより行うことができ、厚みを0.2〜2mmに調整するのは、物理発泡剤の添加量、引取速度を調整することにより行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例の結果は、両者の対比によって本発明の有意性を開示するものであって、本発明の権利範囲が当該結果によって制限されるものではない。
実施例、比較例におけるポリオレフィン系樹脂として、以下に示すものを用い、これらを配合して表1に示す溶融張力、MFRのポリオレフィン系樹脂とした。
(1)住友化学工業株式会社製低密度ポリエチレン「F102」(溶融張力:17.2cN、密度:922g/L、 MFR:0.3g/10分)
(2)日本ユニカー株式会社製低密度ポリエチレン「NUC8321」(溶融張力:6.8cN、密度:922g/L、MFR:2.4g/10分)
(3)日本ユニカー株式会社製低密度ポリエチレン「NUC8008」(溶融張力:6.5cN、密度:917g/L、MFR:4.7g/10分)
高分子型帯電防止剤として、三洋化成工業株式会社製ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体「商品名;ぺレスタット300」(融点136℃、数平均分子量14000、密度990g/L、MFR:23〜43g/10分)を用いた。なお、ぺレスタット300は、そのMFRが商品ロッド番号毎に異なっていたために、同じぺレスタット300であっても表1の実施例、比較例に示す通り、高分子型帯電防止剤のMFRが23〜43g/10分となっている。
実施例1〜4、比較例1〜4で用いた気泡調整剤としては、低密度ポリエチレンにタルクを20重量%配合してなるマスターバッチを用いた。
実施例1〜4、比較例1〜4
直径115mmと直径150mmの2台の押出機からなるタンデム押出機を使用し、直径150mmの押出機の出口にダイリップ径195mmのダイを取り付け、冷却装置として直径840のマンドレルを用いた(ブローアップ比4.3)。
表1に示す溶融張力、MFRのポリエチレン系樹脂100重量部に対して、高分子型帯電防止剤を表1に示す割合にて配合して基材樹脂とし、基材樹脂100重量部に対して、気泡調整剤マスターバッチを4〜6重量部、配合した原料樹脂を、直径115mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱混練し、約200℃に調整された溶融樹脂とした。該溶融樹脂に、表1に示す量の物理発泡剤(ノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%の混合ブタン)を圧入し、次いで表1に示す押出樹脂温度に冷却して発泡性溶融樹脂とし、該発泡性溶融樹脂を環状ダイから表1に示す吐出量で押出し、押出された筒状発泡体を冷却されたマンドレルに沿わせて、表1に引き引取速度で取りながら切開いて、発泡シートを得た。
なお、実施例1〜4、比較例3、4においては、脂肪酸化合を添加することなく、比較例1、2においては、表1に示す種類、量の脂肪酸化合物を添加した。
得られた発泡シートの厚み、見掛け密度、エタノールを用いた超音波洗浄後の表面抵抗率、発泡シートを加熱脱泡した後のメルトマスフローレイト(MFR)を表2に示す。また、表2に得られた発泡シートの坪量、飽和電圧、坪量と飽和電圧との積、連続気泡率、平均気泡径(Z/X、Z/Y、Z)、被包装物の非汚染性評価を示す。
なお、発泡シートの加熱脱泡は、EYELA社製の真空定温乾燥器等のバキュームドライオーブンを使用して、温度150℃にて減圧条件下となるように真空度を適切に調整して行った。
被包装物の非汚染性評価の基準
スライドガラス(サイズ26×76mm、表面脱脂済み)を発泡シートで挟み、その上から42g/cmの荷重をかけ、60℃、90%RHの雰囲気に24時間放置した。その後、スライドガラス表面に呼気を吹きかけ曇り具合(汚れ具合)を目視にて観察した。観察の結果により汚染性を以下のように評価した。
○:曇りがない
×:曇りが僅かに点在、若しくは多数存在する

Claims (4)

  1. 厚み0.2〜2mm、見掛け密度15〜180g/L、エタノールを用いた超音波洗浄後の表面抵抗率1×10〜1×1014(Ω)のポリオレフィン系樹脂押出発泡シートにおいて、高分子型帯電防止剤の含有量が該発泡シートを構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部であり、該発泡シートのメルトマスフローレイトが0.5〜8g/10分であり、該発泡シート中には脂肪酸化合物が実質的に含まれていないことを特徴とするポリオレフィン系樹脂押出発泡シート。
  2. 前記発泡シートの坪量(g/m)と、該発泡シートの飽和電圧(kV)との積が75kV・g/m以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂押出発泡シート。
  3. 前記発泡シートがポリエチレン系樹脂からなり、該発泡シートの厚みが0.2mm以上1mm未満であり、該発泡シートの連続気泡率が50〜90%であり、該発泡シートの平均気泡径が下記(1)、(2)及び(3)式を満足し、該発泡シートの190℃における溶融張力が3〜40cNであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂押出発泡シート。
    0.2≦Z/X≦1.0・・・・(1)
    0.2≦Z/Y≦1.0・・・・(1)
    0.1≦Z≦0.5・・・・・・(3)
    (但し、X、Y及びZは、順に押出方向の平均気泡径(mm)、幅方向の平均気泡径(mm)及び厚み方向の平均気泡径(mm)を表す。)
  4. 脂肪酸化合物を実質的に添加することなく、ポリオレフィン系樹脂、高分子型帯電防止剤、気泡調節剤、および物理発泡剤を、押出機中にて溶融混練して発泡性溶融樹脂とし、該発泡性溶融樹脂を低圧域に押出して、厚み0.2〜2mm、見掛け密度15〜180g/L、エタノールを用いた超音波洗浄後の表面抵抗率1×10〜1×1014(Ω)の発泡シートを得るポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造方法であって、該ポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイトが0.5〜6g/10分、該高分子型帯電防止剤のメルトマスフローレイトが25〜60g/10分であり、該高分子型帯電防止剤がポリオレフィン系樹脂100重量部に対して2〜30重量部の割合で添加されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂押出発泡シートの製造方法。
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