JP5795133B1 - アスコルビン酸分散材、及びその製造方法 - Google Patents

アスコルビン酸分散材、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より化学的安定性が高く、皮膚につけたときの伸び、滑らかな感触などの使用感にさらに優れるアスコルビン酸分散材を提供すること。【解決手段】溶媒にアスコルビン酸結晶を分散させてなるアスコルビン酸分散材であって、上記アスコルビン酸結晶は、その形状が平板状であり、その平均粒子径が50〜100μmであり、上記アスコルビン酸結晶の粒度分布が、粒径30〜120μmの粒子が粒子全体の40〜80%を占める分布を有し、アスコルビン酸濃度が、20〜40重量%であるアスコルビン酸分散材。【選択図】図1

Description

本発明は、アスコルビン酸分散材、及びその製造方法に関する。
アスコルビン酸は抗酸化作用があり、コラーゲンの生成と維持に関与していることから、肌の老化防止に効果があるため、安全な美白原料として、シミ、ソバカスを防ぐ等の美白成分として、美白化粧品などに配合されている。
また、アスコルビン酸は、医薬品としても、ビタミンCの欠乏症の予防及び治療、並びに補給などに使用され、他にも多くの薬理効果が知られている。薬理効果としては、例えば、毛細血管に対する作用としての毛細血管抵抗性を増強し出血傾向を改善し又血液凝固能の上昇をもたらす効果、副腎皮質機能に対する作用としてのステロイドホルモンの生合成促進又は異化抑制効果、結合組織に対する作用としての細胞間基質とコラーゲンの形成・維持における特にコラーゲン中のプロリンからヒドロキシプロリンへの水酸化過程に関与し、アスコルビン酸の投与によりコラーゲンを増加させる効果、骨組織に対する作用としての骨形成の促進効果、メラニン色素生成に対する作用としてチロシンからメラニン生成過程におけるドーパからドーパキノンへの酸化過程を阻害しメラニン色素の生成を抑制する効果などの効果が挙げられる。このことから、鼻出血、歯肉出血、血尿などの毛細管出血の治療、副腎皮質機能障害、骨折時の骨基質形成・骨癒合促進、肝斑・雀卵斑・炎症後の色素沈着の抑制、アルコール、ニコチンなどの薬物中毒に対しても使用されている。
さらに、清涼飲料、保存食品、菓子類、健康食品等にも配合されている。
しかしながら、アスコルビン酸は水に溶解すると非常に不安定となり、光、熱、pH状態、金属イオンなどによって容易に酸化され、アスコルビン酸の高濃度水溶液を作成しても、安定に保存することは困難である。また、アスコルビン酸は上述のように化粧品材料などの経皮吸収型の薬剤として有用であるが、高濃度とすると結晶化させた際に結晶粒子が使用感を低下させるという問題があった。
このため、高濃度のアスコルビン酸を安定的に保存できるアスコルビン酸分散液等に関する技術並びに高濃度としても使用感が低下しない分散液が種々提案されている。
例えば、20μm未満のアスコルビン酸粒子を含有するアスコルビン酸懸濁液からなる経皮吸収液などが提案されている。
また、本願出願人らは、これまでに例えば、特許文献1及び2において、使用感(皮膚につけたときの伸び、滑らかな感触)に優れるアスコルビン酸を含有する化粧品基材に有用なアスコルビン酸のグリセリン懸濁液として、アスコルビン酸含有量が13質量%以上であって、アスコルビン酸の一部が、グリセリン又はジグリセリンを含むグリセリンに8〜12質量%の濃度で溶解しており、残りのアスコルビン酸が粒径25μm以下の微細結晶として析出させ、且つ均一分散してなるものを提案している。
また、例えば、特許文献3において、高濃度のアスコルビン酸を含有し、透明かつ安定なグリセリンの均一溶液の製造方法及び該グリセリン溶液からなる化粧料素材として、アスコルビン酸、グリセリン及びエチルアルコールを混合してアスコルビン酸を溶解させ、次いでエチルアルコールを除去するアスコルビン酸濃度が16〜45質量%であるグリセリン溶液の製造方法及び該グリセリン溶液からなる化粧料素材を提案している。
また、例えば、特許文献4において、高濃度のアスコルビン酸を含有するグリセリン溶液の品質に優れ、且つ安定な保存方法として、アスコルビン酸濃度が13質量%以上のグリセリン溶液を0℃〜−30℃で保管する低温保存方法を提案している。
国際公開第2008/050676号 特開2013−166778号公報 特開2007−332094号公報 特開2008−013493号公報
しかしながら、上記のような20μm未満のアスコルビン酸粒子を含有するアスコルビン酸懸濁液からなる経皮吸収液などでは、結晶粒子が小さすぎて保存安定性に劣り、また経皮吸収型の薬剤としての使用感や吸収性にも劣るものであった。
また、特許文献1〜4の提案では、アスコルビン酸の化学的安定性や皮膚につけたときの伸び、滑らかな感触など改善されているものの、現在ではより高度な使用感並びに保存安定性が求められている。
このため、より化学的安定性が高く、皮膚につけたときの伸び、滑らかな感触などの使用感にもさらに優れるアスコルビン酸分散材の開発が要望されている。
したがって、本発明の目的は、より化学的安定性が高く、皮膚につけたときの伸び、滑らかな感触などの使用感にさらに優れるアスコルビン酸分散材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、アスコルビン酸分散材の製造方法における加熱、冷却、結晶成長の条件により、アスコルビン酸の結晶形態が変わることを知見すると共に結晶粒子の粒子径に使用感を向上させる、ほどよい粒子径範囲と粒子形態があることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.溶媒にアスコルビン酸結晶を分散させてなるアスコルビン酸分散材であって、
上記アスコルビン酸結晶は、その形状が平板状であり、その平均粒子径が50〜100μmであることを特徴とするアスコルビン酸分散材。
2.上記アスコルビン酸結晶の粒度分布が、粒径30〜120μmの粒子が粒子全体の40〜80%を占める分布を有することを特徴とする1記載のアスコルビン酸分散材。
3.上記溶媒がグリセリンを含有する1記載のアスコルビン酸分散材。
4.アスコルビン酸濃度が、20〜40重量%である1記載のアスコルビン酸分散材。
5.上記アスコルビン酸結晶の厚さが、0.05〜3μmであることを特徴とする記載のアスコルビン酸分散材。
6.平均密度が1.3〜1.4g/cmであることを特徴とする1記載のアスコルビン酸分散材。
7.粘度が5000〜300000mPa・sであることを特徴とする1記載のアスコルビン酸分散材。
8.溶媒にアスコルビン酸を投入し、所定温度に加熱してアスコルビン酸の溶解を行う加熱工程、アスコルビン酸の溶解された溶液を冷却して該溶液の粗熱を除去する冷却工程、及び上記冷却工程終了後の溶液を所定期間保存して結晶成長を促す成長工程を行うことを特徴とする1記載のアスコルビン酸分散材の製造方法。
本発明のアスコルビン酸分散材は、より化学的安定性が高く、皮膚につけたときの伸び、滑らかな感触などの使用感にさらに優れるものである。
また、本発明の製造方法は、本発明のアスコルビン酸分散材をより効率的に製造することができるものである。
図1は、実施例1のアスコルビン酸結晶の走査電子顕微鏡写真像(図面代用写真)である。 図2は、実施例2のアスコルビン酸結晶の走査電子顕微鏡写真像(図面代用写真)である。 図3は、実施例3のアスコルビン酸結晶の走査電子顕微鏡写真像(図面代用写真)である。 図4は、市販のアスコルビン酸結晶粉砕物の走査電子顕微鏡写真像(図面代用写真)である。 図5は、実施例1のアスコルビン酸分散材の粒度分布分析の結果を示すチャートである。 図6は、実施例2のアスコルビン酸分散材の粒度分布分析の結果を示すチャートである。 図7は、実施例3のアスコルビン酸分散材の粒度分布分析の結果を示すチャートである。 図8は、実施例1のアスコルビン酸結晶のX線回折分析の結果を示すチャートである。 図9は、実施例2のアスコルビン酸結晶のX線回折分析の結果を示すチャートである。 図10は、実施例3のアスコルビン酸結晶のX線回折分析の結果を示すチャートである。
以下、本発明のアスコルビン酸分散材を説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
(アスコルビン酸分散材の全体構成)
本発明のアスコルビン酸分散材は、溶媒にアスコルビン酸結晶を分散させてなるものであり、上記アスコルビン酸結晶は、特定の形状と粒子径を有するものである。
上記アスコルビン酸結晶の形状や粒子径の詳細については、後述する。
(溶媒)
本発明で用いられる上記溶媒は、特に制限されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、下記式で示されるポリグリセリン、プロピレングリコールなどを用いることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上混合して用いることができる。

式中nは、3〜10の整数である。

中でも、アスコルビン酸を後述する結晶形状としやすい点、皮膚をはじめとする人体への安全性、皮膚に塗布した場合における使用感の点から、グリセリン、ジグリセリンであるのが好ましい。また、グリセリン及びジグリセリンの混合溶媒とする場合、ジグリセリンの配合割合は、溶媒中0.1〜5重量%とするのが好ましい。
(アスコルビン酸結晶)
本発明のアスコルビン酸分散材における上記アスコルビン酸結晶は、形状が平板状のものである。また、上記アスコルビン酸結晶は角の尖りが緩やかで鋭角な角の少ないものである(図1〜3参照)
これにより、本発明のアスコルビン酸分散材は、皮膚につけたときに感触がなめらかになり、使用感に優れるものになる。また、理由は定かではないが、結晶の凝集が起こりにくくアスコルビン酸の化学的安定性がより高くなる。
なお、アスコルビン酸結晶には球状等平板状以外の形状の結晶も存在してもよいが、これらの存在率は通常10重量%以下である。
上記アスコルビン酸結晶の厚さは、特に制限されないが、0.05〜3μmであるのが好ましい。この範囲であると、上述の使用感が、より優れるものになる。
なお、ここで、上記アスコルビン酸結晶の厚さとは、走査電子顕微鏡像からランダムに100個の結晶を選択し、画像解析により選択された各結晶の厚さを求め、その平均値を求めたものである。また、粒子形状などは走査電子顕微鏡により求めたものであり、その測定に際しては後述する粒子径の測定において得られた粒子粉末を用いた。
(粒子径)
上記アスコルビン酸結晶の平均粒子径は、50〜100μm、好ましくは60〜95μmである。この範囲であると上述の使用感が、より優れるものになる。
なお、上記平均粒子径や粒子の形状は、下記方法により測定したものである。
方法:
1. アセトンに市販のアスコルビン酸結晶を投入し、溶解させ、飽和状態にする。
2. 1のアスコルビン酸飽和アセトン溶液に存在するアスコルビン酸の結晶微粒子を通常公知の超遠心機を用い、通常公知の方法で超遠心処理し、アスコルビン酸の粒子を沈殿除去し、アスコルビン酸の結晶微粒子を含まないアスコルビン酸飽和アセトン溶液(以下分散媒と呼ぶ。)を調整する。
3. 検体としての本発明のアスコルビン酸分散材の少量(5mL)を、2で調整した分散媒20mLに投入し、軽く振って混和する。
4. 3の懸濁液を、超遠心機を用い、通常公知の条件で超遠心処理し、アスコルビン酸の粒子を沈殿させ、上精を除去する。
5. 得られた沈殿に、2で調整した分散媒20mLを添加し、軽く振って分散させる。
6.4〜5の操作をさらに行い、本発明のアスコルビン酸分散材の溶媒成分を除去した後、さらに4の操作を行いアスコルビン酸の粒子を沈殿させ、上精を除去し、低温で乾燥させて粒子粉末を得る。
7.6で得られた粒子粉末に粒度分布測定用のヘキサンを適量添加し、沈殿を軽く分散させ、粒度分析用試料とする。
8.7の粒度分析用試料の、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定を行う。
なお、市販のアスコルビン酸結晶を粉砕しヘキサンに分散させて測定した粒子径及び粒子形状と、市販のアスコルビン酸結晶を粉砕し上記方法を用いて測定した粒子径及び粒子形状とにおいて、有意な差は見られなかった(図示せず)。このことから、上記方法により抽出した粒子は分散材中の粒子の形状及び粒子径を忠実に再現できるものである。
(粒度分布)
上記アスコルビン酸結晶の粒度分布は、特に制限されないが、粒径が30〜120μmの粒子が、粒子全体の40〜80%を占めるのが好ましく、より好ましくは50〜75%である。この範囲であると、上述の使用感が、より優れるものになる。
なお、上記粒度分布は、上述の粒子径の測定方法において得られた粒度分析用試料を用い、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定を行い、求めた値をいう。
(アスコルビン酸濃度)
本発明のアスコルビン酸分散材におけるアスコルビン酸の濃度は、特に制限されないが、アスコルビン酸分散材全体中にアスコルビン酸が10〜45重量%であるのが好ましく、20〜40重量%であるのがさらに好ましい。この範囲であると、アスコルビン酸を高濃度で効果的に使用することができ、また、化粧品や皮膚外用剤などに用いる場合、皮膚への効果がより優れるものになる。
なお、上記濃度におけるアスコルビン酸の状態は、特に制限されず、例えば、結晶、非結晶、溶媒に溶解した状態などが含まれる。
(密度)
本発明のアスコルビン酸分散材の密度は、特に制限されないが、平均密度が1.30〜1.40g/cmであるのが好ましく、さらに好ましくは1.31〜1.39g/cmである。この範囲であると、アスコルビン酸を高濃度で効果的に使用することができ、また、化粧品や皮膚外用剤などに用いる場合、上述の効果や使用感がより優れるものになる。
なお、上記密度は、乾式密度計により測定した値をいう。
(粘度)
本発明のアスコルビン酸分散材の粘度は、特に制限されないが、保存安定性および使用感の観点から、平均粘度が、5000〜300000mPa・sであるのが好ましく、8000〜240000mPa・sであるのがより好ましい。この範囲であると、アスコルビン酸を高濃度で効果的に使用することができ、また、化粧品や皮膚外用剤などに用いる場合、上述の使用感がより優れるものになる。
ここで、上記平均粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて、20℃の温度条件で測定した値をいう。
(製造方法)
本発明のアスコルビン酸分散材の製造方法は、特に限定されないが、下記する本発明の製造方法により製造するのが好ましい。
本発明の製造方法は、溶媒にアスコルビン酸を投入し、所定温度に加熱してアスコルビン酸の溶解を行う加熱工程、
アスコルビン酸の溶解された溶液を冷却して該溶液の粗熱を除去する冷却工程、
及び上記冷却工程終了後の溶液を所定期間保存して結晶成長を促す成長工程からなる。
これにより、より効率的に本発明のアスコルビン酸分散材を製造することができる。
以下、各工程を説明する。
〔加熱工程〕
上記加熱工程は、溶媒にアスコルビン酸を投入し、所定温度に加熱してアスコルビン酸の溶解を行う工程である。
上記アスコルビン酸の原料は、特に制限されず、例えば、市販のアスコルビン酸の結晶粉末などを用いることができ、粉砕などの処理をしたものでもよい。
上記溶媒は、上述の通りであり、例えば、グリセリンなどを用いることができる。
上記溶媒にアスコルビン酸を投入する方法は、特に制限されず、上記アスコルビン酸の原料粉末を上記溶媒に直接投入する方法などの方法により行うことができる。
上記溶媒にアスコルビン酸の原料粉末を投入した後、所定の温度に加熱することで、アスコルビン酸の原料粉末は溶解する。
上記の加熱の温度は、原料のアスコルビン酸の形状・濃度、溶媒の種類などにより異なるが、溶媒の温度で100〜125℃であるのが好ましい。
また、上記の溶解の方法は、溶解速度が速く均一に分散させる観点から、撹拌により行うのが好ましい。なお、上記の加熱温度条件下における撹拌は、公知の方法で実施することができる。例えば、公知の加熱装置を用いて加熱し、公知の撹拌機により実施することができる。
また、上記の溶解における加熱は、原料のアスコルビン酸の形状・濃度、溶媒の種類などにより異なるが、過度の加熱によるアスコルビン酸の変性、分解を防ぐ観点から、溶解が完了した後に速やかに終了するのが好ましい。
上記の溶解の完了は、例えば、上記溶媒がグリセリンである場合、該混合液の色が透明に変化することでわかる。
また、上記の溶解を行う容器は、溶媒、アスコルビン酸などに耐性があり、且つ本加熱工程や後述する冷却工程における温度に耐性があれば、特に制限されず、例えば、ガラス製、プラスチック製の容器を用いることができる。上記容器の形状も、特に制限されず、一般的なビーカーやフラスコ形状のものを用いることができる。また、上記容器は、本発明のアスコルビン酸分散液の製造後の保存まで同一容器で行うことができる観点から、密閉及び遮光性がある容器が好ましい。
なお、上記の溶解は、必要に応じて、窒素ガス等の不活性気流中で行うこともできる。
〔冷却工程〕
上記冷却工程は、上記加熱工程の後に得られるアスコルビン酸が溶解する溶液を、冷却して該溶液の粗熱を除去する工程である。
上記の冷却の方法は、特に制限されないが、冷却速度が5〜20℃/分であるのが好ましい。このような冷却は、上記加熱工程終了後、上記加熱工程で用いた容器を、該溶液が入ったまま、その容器ごと水中に漬け込むこと等の方法で行うことができる。この場合に使用する水は、特に制限されず、水道水をそのまま用いることができる。また、使用する水の量は、後述する温度に冷却するために十分な量を用いるのが好ましく、温度が通常4〜20℃程度ものを使用するのが好ましい。
本工程における粗熱の除去とは、内部の溶液の温度を35〜50℃、好ましくは40℃程度にすることをいい、この範囲の温度になれば、粗熱の除去完了である。
〔成長工程〕
上記成長工程は、上記冷却工程の後の溶液を所定期間保存して結晶成長を促す工程である。
上記成長工程は、上記冷却工程後の上記溶液を、好ましくは27〜38℃、より好ましくは30℃程度に保温することで行うことができる。
上記の成長工程の期間は、5時間以上、上記結晶が所望の大きさ(粒子径、厚さ)に成長するまで行う。
具体的な上記の期間は、溶媒の種類、アスコルビン酸の濃度などにより異なるが、例えば、上記溶媒がグリセリンで、アスコルビン酸とグリセリンとの合計量100重量部中アスコルビン酸が10〜45重量部の場合、上記の期間は、3時間以上、好ましくは半日以上である。
上記成長工程を行った後、本発明のアスコルビン酸分散材を得ることができる。
本発明のアスコルビン酸分散材においては、上述のように製造することにより、従来では得られなかった本発明の分散材における上記アスコルビン酸結晶を得ることができる。
例えば、加熱して溶解させた後、ドライアイスを用いて急冷させることにより、急激に多数の結晶核を生成させる方法がある。多数の結晶核が発生するので結晶成長用の分子の数が少なくなり、結晶粒子径が小さい結晶粒子に成長する。また、急激に冷却することにより溶媒であるグリセリンの粘度も急に上昇し溶液の自由度が小さくなる。このため結晶成長もしにくい状況となり粒子径の小さい結晶(上記アスコルビン酸結晶よりも粒子径の小さい結晶)になると考えられる。
これに対して本発明では、冷却ではなく粗熱を除去するにとどめているため、徐々に結晶核が発生する。このため十分に結晶成長を促すことができ、形の整った結晶を得ることができる。また、グリセリンの自由度も高い状態で成長工程を行うことができるのでこれによっても結晶の成長を十分に行うことができ、上述の特徴的な結晶形状のアスコルビン酸結晶を分散されてなる分散材を得ることができる。
以下、本発明のアスコルビン酸分散材の用途や使用方法を説明する。
(用途)
本発明のアスコルビン酸の分散材は、上述の性質を有するため、化粧品、皮膚外用剤、医薬部外品、医薬品、アスコルビン酸の保存液、食品添加物など、種々用途に用いることができる。中でも、アスコルビン酸が有する抗酸化作用、コラーゲンの生成と維持、肌の美白などの効能があるため、化粧品、皮膚外用剤として好適に使用することができる。
(使用方法)
本発明のアスコルビン酸分散材を、化粧品や皮膚外用剤として用いる場合、本発明のアスコルビン酸分散材を、皮膚に塗布することで使用することができる。
なお、本発明のアスコルビン酸分散材を、化粧品や皮膚外用剤として用いる場合、上記溶媒は皮膚や人体への安全性の観点、皮膚に塗布した場合における使用感の観点(刺激性の観点)等から、グリセリンを含有する溶媒であるのが好ましい。また、化粧品や皮膚外用剤として用いる場合における、上記アスコルビン酸の結晶の好ましい態様は、上述の通りである。
(保管)
本発明のアスコルビン酸分散材は、25℃以上になると再溶解が始まるので、25℃以下で保管するのが好ましい。また、光による分解を防ぐ観点から、遮光保存が好ましい。また、溶存酸素によるアスコルビン酸の分解、変性を防ぐために窒素ガスなどを封入、置換などの後、密閉して保存するのが好ましい。このように保存することにより、アスコルビン酸の分解・変性を抑制し、より長期の保存を行うことができる。
本発明は上述した実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
たとえば、本発明のアスコルビン酸分散材に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の成分を含有させることができる。このような他の成分の例としては、医薬品類、医薬部外品類、化粧品類などの製剤に使用される有用成分、例えば、紫外線防止剤、美白剤;香料などが挙げられる。また、上記他の成分の配合は、上記加熱工程〜冷却工程中、冷却工程終了後など、配合のタイミングは特に制限されず、行うことができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(アスコルビン酸分散材の製造)
〔加熱工程〕
アスコルビン酸原料微粉末(局方、DSMニュートリション社製)38g、溶媒としてのグリセリン62gをそれぞれ秤量し、ガラス製の三角フラスコに投入した。投入後、該混合物の温度が115℃になるように加熱した状態で、羽根式撹拌装置を用いて攪拌した。該混合物の温度が115℃になった後すぐに該混合液の色が黄色から透明に変化した。これにより、アスコルビン酸が完全に溶解したことを確認し、加熱工程を終了した。
〔冷却工程〕
上記加熱工程終了後の三角フラスコを、温度20℃、5Lの水道水で、温度を温度計でモニターし、混合物の温度が40℃になるまで冷却した。
なお、冷却時間は5分であった。
〔成長工程〕
上記冷却工程終了後の三角フラスコをゴム栓で密閉し、温度30℃のインキュベーターに入れ、3日間、保温し、38重量%アスコルビン酸濃度の本発明のアスコルビン酸分散材(以下、GAG38と表記することもある。)を得た。
〔実施例2〕
加熱工程におけるアスコルビン酸原料微粉末量を30g、溶媒としてのグリセリン量を70gにし、成長工程における保温時間を2日にした以外は、実施例1と同様にして、30重量%アスコルビン酸濃度の本発明のアスコルビン酸分散材(以下、GAG30と表記することもある。)を得た。
〔実施例3〕
加熱工程におけるアスコルビン酸原料微粉末量を22g、溶媒としてのグリセリン量を78gにし、成長工程における保温時間を1日にした以外は、実施例1と同様にして、22重量%アスコルビン酸濃度の本発明のアスコルビン酸分散材(以下、GAG22と表記することもある。)を得た。
〔試験例1〕走査電子顕微鏡による結晶の観察
実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材に含まれるアスコルビン酸結晶を走査電子顕微鏡により観察した。
なお、対照試料として、市販のアスコルビン酸の結晶を乳鉢で粉砕したものを、合わせて観察した。
(走査電子顕微鏡用試料の調整)
走査電子顕微鏡用試料の調整は、下記方法により行った。
方法:
1. アセトンにアスコルビン酸結晶を投入し、溶解させ、飽和状態にした。
2. 1のアスコルビン酸飽和アセトン溶液に存在するアスコルビン酸の結晶微粒子を超遠心機で、通常公知の条件で超遠心処理し、アスコルビン酸の粒子を沈殿除去し、アスコルビン酸の結晶微粒子を含まないアスコルビン酸飽和アセトン溶液(以下、分散媒と呼ぶ。)を調整した。
3. 検体としての実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材5mL、市販のアスコルビン酸結晶粉砕物の0.5gを、それぞれ、2で調整した分散媒20mLに投入し、軽く振って混和した。
4. 3の懸濁液を、超遠心機で通常公知の条件で超遠心処理し、アスコルビン酸の粒子を沈殿させ、上精を除去した。
5. 得られた沈殿に、2で調整した分散媒20mLを添加し、軽く振って分散させた。
6.4〜5の操作をさらに行い、本発明のアスコルビン酸分散材の溶媒成分を除去した後、さらに4の操作を行いアスコルビン酸の粒子を沈殿させ、上精を除去し、低温で乾燥させて粒子粉末を得た。
7.得られた粒子粉末を走査電子顕微鏡用試料とした。
(走査電子顕微鏡による観察)
得られた走査電子顕微鏡用試料を、走査電子顕微鏡を用いて、下記条件で電子顕微鏡像を取得し、取得した像の観察を行った。
条件:
加速電圧:10kV
倍率:1000倍 (対照試料のアスコルビン酸粉砕物は5000倍)

得られた結果を図1(実施例1:GAG38)、図2(実施例2:GAG30)、図3(実施例3:GAG22)、図4(対照試験:市販のアスコルビン酸結晶粉砕物)に示す。
(結晶の厚さの測定)
さらに、得られた走査電子顕微鏡像からランダムに100個の結晶を選択し、得られた走査電子顕微鏡像の画像解析を行い、選択した結晶の厚さの平均値を求めた。
その結果を以下に示す。
結晶の厚さの平均値:
実施例1(GAG38):1.194μm
実施例2(GAG30):1.040μm
実施例3(GAG22):0.924μm
(結果と考察)
結果から、実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材に含まれるアスコルビン酸結晶は、大部分の結晶の形状が、平板状であり、角の尖りが緩やかで鋭角な角の少なく、厚さが薄く且つばらつきも少ない、ものであることがわかる。
一方、対象試料であるアスコルビン酸結晶の粉砕物は、結晶の形状が不定形な粒状であり、本発明のアスコルビン酸分散材に含有されるアスコルビン酸の結晶とは形状が全く異なるものであることがわかる。
本発明のアスコルビン酸分散材は、結晶構造の性質により、皮膚に塗布した場合における使用感が優れるものになると考えられる。
〔試験例2〕粒度分析
実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材に含まれるアスコルビン酸結晶の粒度分析を行った。
(粒度分析用試料の調整)
粒度分析用試料の調整は、実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材から、試験例1の走査電子顕微鏡用試料の調整において用いた方法のステップ1〜6と同様にして粒子粉末を得、該粒子粉末に、粒度分布測定用のヘキサンを適量添加し、沈殿を軽く分散させ、粒度分析用試料とした。
(粒度分析)
レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(型名:LA−950V2、株式会社堀場製作所製)を用い、得られた粒度分析用試料の粒度分析を行った。
得られた結果(ヒストグラム)を図5(実施例1:GAG38)、図6(実施例2:GAG30)、図7(実施例3:GAG22)に示す。
結果(粒子径と頻度)を表1(実施例1:GAG38)、表2(実施例2:GAG30)、表3(実施例3:GAG22)に示す。
また、平均粒子径、メジアン径、モード径、粒径が30〜120μmの粒子の割合、を表4に示す。
(結果と考察)
結果から、実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材に含まれるアスコルビン酸の粒子は、粒子径の偏りが少ないのがわかる。これにより、皮膚に塗布した場合における使用感が、より優れると考えられる。
〔試験例3〕X線回折分析
実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材に含まれるアスコルビン酸結晶のX線回折分析を行った。なお、対照試料として、市販のアスコルビン酸を乳鉢で粉砕したものを、合わせて試験した。
(X線回折分析用試料)
X線回折分析用の試料は、試験例1で作製した走査電子顕微鏡用試料(粒子粉末)を用いた。
(X線回折分析)
得られたX線回折分析用試料のX線回折分析を、X線回折分析装置(装置名:XPERT−PRO MPD、PANalytical社製)を用い、下記条件で行った。
条件:
走査範囲(°2θ):10.000〜30.00
ターゲット:Cu
X線出力設定:40 mA, 45 kV
ステップサイズ(°2θ):0.017
スキャンの種類:連続
試料幅(mm):10.00

得られた結果を図9(実施例1:GAG38)、図10(実施例2:GAG30)、図11(実施例3:GAG22)に示す。
(結果と考察)
結果から、実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材に含まれるアスコルビン酸結晶は、X線回折分析において、2θ角が10.6、15.9、16.2、17.6、20.0、25.4、27.0、27.3及び28.2度(±0.2度)のピークを含むことがわかる。このことから、これらは、特定の結晶構造を有するものであることがわかる。
〔試験例4〕粘度分析
実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材の粘度分析を行った。
粘度分析は、実施例1及び2で得られた本発明のアスコルビン酸分散材については、ブルックフィールド型粘度計(商品名:RVDV−I+、BROOKFIELD社製)を用いて、下記条件で行った。
条件:
温度:20度
回転速度:6r/min、1分後
ローターNo: No.7
実施例3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材については、ブルックフィールド型粘度計(商品名:LVDV−I+、BROOKFIELD社製)を用いて、下記条件で測定を行った。
条件:
温度:20度
回転速度:6r/min、1分後
ローターNo: No.64
得られた結果を表5に示す。
(結果と考察)
得られた結果から、本発明のアスコルビン酸分散材は、アスコルビン酸濃度が高いほど粘性が高くなることがわかる。
また、実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材の粘性は、皮膚などの塗布剤として適当な粘性であるのがわかる。これにより、皮膚に塗布した場合における使用感がより優れると考えられる。
〔試験例5〕密度分析
実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材の密度分析を行った。
密度は、乾式自動密度計(商品名:AccuPycII、株式会社島津製作所社製)により測定した。
その結果を表6に示す。
(結果と考察)
結果から、本発明のアスコルビン酸分散材は、アスコルビン酸濃度が高いほど密度が高く、適度な密度であることがわかる。
また、実施例1〜3で得られた本発明のアスコルビン酸分散材は、皮膚に塗布した場合における使用感がより優れるものであるが、上述の特性に加え、本試験により得られた密度の特性を有するものである。
以上から、本発明のアスコルビン酸分散材は、より化学的安定性が高く、皮膚につけたときの伸び、滑らかな感触などの使用感にさらに優れるものであることがわかる。

Claims (8)

  1. 溶媒にアスコルビン酸結晶を分散させてなるアスコルビン酸分散材であって、
    上記アスコルビン酸結晶は、その形状が平板状であり、その厚さが0.05〜3μmであり且つその平均粒子径が50〜100μmである
    ことを特徴とするアスコルビン酸分散材。
  2. 上記アスコルビン酸結晶の粒度分布が、粒径30〜120μmの粒子が粒子全体の40〜80%を占める分布を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のアスコルビン酸分散材。
  3. 上記溶媒がグリセリン、ジグリセリン、下記式で示されるポリグリセリン及びプロピレングリコールからなる群より選択される1種以上である
    請求項1記載のアスコルビン酸分散材。
  4. アスコルビン酸濃度が、20〜40重量%である
    請求項1記載のアスコルビン酸分散材。
  5. 平均密度が1.3〜1.4g/cmである
    ことを特徴とする請求項1記載のアスコルビン酸分散材。
  6. 粘度が5000〜300000mPa・sである
    ことを特徴とする請求項1記載のアスコルビン酸分散材。
  7. グリセリン、ジグリセリン、下記式で示されるポリグリセリン及びプロピレングリコールからなる群より選択される1種以上である溶媒にアスコルビン酸を投入し、所定温度に加熱してアスコルビン酸の溶解を行う加熱工程、
    アスコルビン酸の溶解された溶液を冷却速度5〜20℃/分にて溶液の温度が35〜50℃になるまで冷却して該溶液の粗熱を除去する冷却工程、及び
    上記冷却工程終了後の溶液を27〜38℃にて所定期間保存して結晶成長を促す成長工程
    を行うことを特徴とする請求項1記載のアスコルビン酸分散材の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアスコルビン酸分散材を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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