JP2008088125A - ゲル組成物及びそれを用いた化粧料 - Google Patents

ゲル組成物及びそれを用いた化粧料 Download PDF

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正紀 岡田
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政道 石神
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Abstract

【課題】美白作用、酸化防止作用等に優れたビタミンC類を安定的に内包し、経時安定性に優れ且つ美的外観及び使用感が良好な化粧料等のゲル組成物を提供する。
【解決手段】ゲル(好ましくは平均粒径0.005〜0.1μmの微粒子セルロースゲル)中に、コレステリック液晶化合物(含有量;0.1〜10質量%)及びイソパルミチン酸アスコルビル等の油溶性アスコルビン酸誘導体(含有量;0.001〜1.0質量%)を配合し、ゲル組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧料、皮膚外用剤等の基材として有用なゲル組成物に関する。詳しくは、本発明は、ゲル中にコレステリック液晶化合物を含有し、且つ美白作用、酸化防止作用、老化防止作用等を有する油溶性アスコルビン酸誘導体を安定的に内包してなるゲル組成物、及びそれを用いた化粧料に関する。
L−アスコルビン酸及びその塩並びに誘導体(ビタミンC類)は、優れたメラニン生成抑制効果やメラニンに対する還元性を示す成分であり、美白作用、皮膚老化防止作用、抗酸化作用等を有しするため、肌に対する高い効果が期待される皮膚化粧料用有効成分として数多くの研究がなされている。
しかし、これら皮膚への有効成分は、その経時に伴う化学的安定性が低かったり、皮膚吸収性が低かったり、刺激感等の副作用があったり、さらには常温恒温下において短時間で分離、変色、変臭等が生じるという問題がしばしばあった。
このため、これらの有効成分の肌への効果を維持しながら該成分を化粧料へ配合するために、それぞれの成分を化学的に変性して安定化型にして配合したり、水溶性の有効成分を油溶性にして皮膚吸収性を向上させたり、成分の配合量を極微量にした剤形での検討がなされたりしている。
例えば、L−アスコルビン酸等の有効成分を保持するリポソーム水溶液を調製する方法(特許文献1参照)などが提案されている。また、L−アスコルビン酸を油溶性の脂肪酸エステルに変性して用いる方法も知られている。油溶性を有するL−アスコルビン酸脂肪酸エステルは、その使用性が良好であり、化粧品、医薬部外品に好適である。
しかしながら、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルも、経時的に化学的安定性が低下し、分解に伴って着色を生じたり、臭いを発生したりすることが問題となる場合がある。このような化学的安定性の低下による変色、変臭を防止する方法として、化粧料中に亜硫酸塩類を添加する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−179313号公報 特開2004−331524号公報
本発明が解決しようとする課題は、美白作用、酸化防止作用等に優れたビタミンC類を安定的に内包した、化粧料等に有用なゲル組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、コレステリック液晶化合物を配合したゲル組成物が油溶性のL−アスコルビン酸誘導体を安定的に内包し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すゲル組成物に関する。
(1)ゲル中に、コレステリック液晶化合物及び油溶性アスコルビン酸誘導体を含有してなる、ゲル組成物。
(2)油溶性アスコルビン酸誘導体の含有量が0.001〜1.0質量%である、(1)記載のゲル組成物。
(3)油溶性アスコルビン酸誘導体がアスコルビン酸脂肪酸エステルである、(1)又は(2)記載のゲル組成物。
(4)コレステリック液晶化合物の含有量が0.1〜10質量%である、(1)〜(3)のいずれかに記載のゲル組成物。
(5)ゲルが、粒径0.005〜0.1μmの微粒子セルロースゲルであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のゲル組成物。
(6)さらに1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、及び1,2−オクタンジオールからなる群から選択される1種又は2種以上のジオール類を0.1〜10質量%含有してなる、(1)〜(5)のいずれかに記載のゲル組成物。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のゲル組成物を用いた化粧料。
本発明のゲル組成物は、ゲル中にコレステリック液晶化合物と油溶性アスコルビン酸誘導体とを同時に内包しており、コレステリック液晶化合物が油溶性アスコルビン酸誘導体の安定化に寄与するため、経時に伴う化学的安定性の低下(分解)による分離、変色、変臭などの発生が抑制される。
また、細胞間脂質に類似した構造を有するコレステリック液晶化合物と抗酸化作用に優れたアスコルビン酸誘導体により、皮膚へのバリヤー機能が改善する。また、コレステリック液晶化合物は保湿性、エモリエント性に優れており、使用感の改善効果(肌との馴染みが良い、べたつきがない)が高い上に、液晶のもつ流動性のためさらに肌への馴染みが向上する。
さらに、外観の美的訴求効果が高い。すなわち、化粧料は保湿性、美白作用、肌の老化防止等の効能も重要であるが、美的な外観も心理的な効果として必要不可欠な因子の一つである。本発明のゲル組成物を用いた化粧料は、ゲルにコレステリック液晶化合物を配合し、色彩豊かな幾何学模様を形成させることができるので、そのような化粧料本来の効能とともに美的外観をも同時に満足させるものである。特に透明性の高いゲルを用いると、コレステリック液晶の幅広い発色性が損なわれないため、流動性を有する液晶により形成される幾何学模様が描きやすく、美的性がさらに高められる。
なお、コレステリック液晶化合物を充填したゲル組成物は化粧料として知られているが、これに更に油溶性アスコルビン酸誘導体を配合したものは知られていない。また、コレステリック液晶化合物の存在によりゲル組成物中に分散するアスコルビン酸誘導体が安定化することは知られていない。
1.ゲル組成物
本発明のゲル組成物は、ゲル中にコレステリック液晶化合物と油溶性アスコルビン酸誘導体とを含有してなるものである。
(1)油溶性アスコルビン酸誘導体
本発明で用いられるビタミンC類は、油溶性のアスコルビン酸誘導体である。油溶性のものは皮膚への吸収が良く効果の発現が早い、液晶に取り込み易いという利点がある。一方、水溶性のビタミンC誘導体を用いると液晶へ容易に取り込リ込むことができない。
油溶性アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸(L−アスコルビン酸)のカルボン酸エステルを挙げることができる。例えば、アスコルビン酸のモノカルボン酸エステル、ジカルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、テトラカルボン酸エステル等が挙げられる。
このうち好ましくは、L−アスコルビン酸の脂肪酸エステルを挙げることができる。前記脂肪酸エステルの脂肪酸残基の例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
このようなL−アスコルビン酸脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸アスコルビル、モノパルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、トリイソパルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルなどが挙げられる。これらのうちで特に好ましいものはトリイソパルミチン酸アスコルビル(VC−IP)である。
また、アスコルビン酸酢酸エステルなどのアスコルビン酸低級脂肪酸エステル、アスコルビン酸安息香酸エステルなどのアスコルビン酸芳香族カルボン酸エステル等を挙げることができる。
本発明のゲル組成物中における油溶性アスコルビン酸誘導体の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.001〜1.0質量%、より好ましくは0.005〜0.1質量%、特に好ましくは0.01〜0.05質量%である。また、油溶性アスコルビン酸誘導体の含有量はコレステリック液晶化合物全量に対し、2質量%以下である。
油溶性アスコルビン酸誘導体の含有量が多すぎるとコレステリック液晶の発色が消失し、美的外観の向上効果が十分に得られない場合がある。含有量が少なすぎると油溶性アスコルビン酸誘導体のもつ美白作用、抗酸化作用、老化防止作用等の効果が十分に期待できない場合がある。本発明においては、化粧料等の美白作用、抗酸化作用、老化防止作用等に有用な微量のビタミンC類を極めて安定的に内包したゲル組成物を得ることができる。
(2)コレステリック液晶化合物
コレステリック液晶化合物は優れた発色性を有することから、化粧料に配合することによって外観の美的性を高めることができる上に、保湿性、エモリエント性にも優れているため、化粧料の配合成分として近年使用されるようになっている。本発明では、化粧料用として公知のコレステリック液晶化合物を適宜使用することができる。
具体的には、コレステリルホルメート、コレステリルアセテート、コレステリルプロピオネート、コレステリルブチレート、コレステリルペンタネート、コレステリルヘキサネート、コレステリルヘプタネート、コレステリルオクタネート、コレステリルノナノエート、コレステリルデカネート、コレステリルドデカネート(コレステリルラウレート)、コレステリルミリステート、コレステリルパルミテート、コレステリルステアレート、コレステリルオレエート、コレステリルオレイルカーボネート、コレステリルリノレート、コレステリル12−ヒドロキシステアレート、コレステリルメルカプタン、コレステロールクロライド、コレステリルフルオライド、コレステリルブロマイド、コレステリルアイオダイド等を挙げることができる。
好ましいコレステリック液晶としては、アルキルコレステロール(例えばコレステロールナノエート)およびコレステリルハライド(例えばコレステロールクロライド)コレステリルオレイルカーボネート3種の混合物が挙げられ、これらの3つのタイプの液晶は常温で使用できるように混合して用いられるのが一般的である。
これらのうちでは、発色コレステリック液晶(ISP社製)が細胞間脂質に類似した構造を有し、保湿性に特に優れ、温度安定性も良いことから、好ましく使用できる。これらは、商品名「ISPCOLORFLOW100」(ピンク)、「ISPCOLORFLOW101」(緑)、「ISPCOLORFLOW102」(紫)、「ISPCOLORFLOW103」(緑)(いずれもISP社製)として市販されている。機能としてはほぼ同程度であり、発色の好みで選択することができる。これらは一種のみを使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
コレステリック液晶化合物の含有量は特に限定されず、目的とする美的意匠に従って適宜選択することができるが、好ましくはゲル組成物全量に対して0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは1〜5質量%とするのがよい。これは保湿性を維持するために最低限必要な量である。また美的外観にかかわる量であり、油溶性アスコルビン酸誘導体の安定化を維持するために必要な量でもある。かかる成分は、ゲルに包含され、幾何学模様状に充填されるため、ある程度の柔らかさをもち、且つ使用感も考慮している。よって、コレステリック液晶化合物の含有量が少なすぎると、保湿性が十分に維持されなくなる、油溶性アスコルビン酸誘導体の安定性が低下する、といった問題が生じる場合がある。また、幾何学模様等の美的外観を十分に形成できなくなる場合がある。一方、コレステリック液晶化合物の含有量が多すぎるとベタツキが生じたり、透明感が低下して外観の美的性を損なったりする場合がある。
コレステリック液晶化合物は流動性を有するため、従来品と比較し幾何学模様が描きやすく、肌への馴染みが良い。また、コレステリック液晶は幅広い発色性を有し、色素として用いることも可能である。また、乾燥後の被膜性が高いため、コレステリック液晶化合物を配合した化粧料はアンダーメークまたは化粧押さえにも適している。
また、本発明のゲル組成物においては、コレステリック液晶化合物を用いることにより、界面活性剤の使用量を低減させるか、あるいは実質的に使用しないこととすることができる。すなわち、通常はゲル状剤形を具現化するためには脂肪酸石鹸、非イオン型界面活性剤、硫酸エステル型アニオン界面活性剤、リン酸エステル型アニオン界面活性剤などの界面活性剤を使用しなければならないが、近年かかる界面活性剤について、皮膚刺激性や、加水分解によるホルマリンの発生などの懸念がされている。このような観点から、界面活性剤の使用量を避けることは、化粧料、皮膚外用医薬など皮膚外用剤の製剤化の上で重要なテーマとなっている。本発明では、このような状況を背景に、コレステリック液晶化合物を配合することにより、実質的に界面活性剤を用いない化粧料を提供することができる。
(3)ゲル
本発明のゲル組成物に使用するゲルは、従来から化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、例えばカルボキシビニルポリマー(カルボマー)、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸及び/又はその塩、アクリル酸/アクリル酸アルキルコポリマー、ポリエチレングリコール、ベントナイト、微粒子セルロースゲル等の化粧料に使用される通常の増粘剤を用いることができる。
ただし、ゲルとしてカルボマー、アクリル酸ナトリウム等を用いる場合、液晶の充填に技術的な難しさが伴う、あるいは使用感に劣る、といった問題が生じる場合がある。また、ポリマーを使用すると残存モノマーの問題が生じる場合もある。
このような状況を反映し、本発明ではゲルとしてセルロースゲルを用いるのが好ましい。セルロースゲルとしては、平均粒径0.005〜0.1μm、より好ましくは0.05〜0.08μmの微粒子セルロースゲルがより好ましい。このような微粒子セルロースゲルは高い透明性を有するゲルであって、ナノサイズまでに微細化したセルロース粒子が水に分散した天然成分からなる透明なゲル基材を、希釈してホモジナイズすることにより形成される。かかる作用を発揮するセルロースゲルは、化粧料用原料として汎用されており、本発明では化粧料用として市販されているものを使用することができる。具体的には、商品名「ナノウォープ」(第一製薬(株)製;透明セルロースゲル)を挙げることができる。
上記ゲルは、固形分濃度として0.1%〜5%程度のものを使用するのが、化粧料としての使用感、あるいはゲル強度の点から好適である。ゲルの固形分濃度が低すぎるとコレステリック液晶化合物が十分に固定されず、美しい幾何学模様の外観を形成できない場合がある。一方、ゲルの固形分濃度が高すぎると、泡が混入した場合に脱泡できず美的を損なう場合があり、また液晶を充填しにくくなる場合もある。
本発明におけるゲルの配合量は、ゲル組成物全量に対するゲル固形分濃度として0.1〜3質量%、好ましくは0.5〜2質量%、特に好ましくは1〜1.5質量%となるように調整するのが好ましい。このゲル組成物中のゲル固形分濃度が少なすぎるとゲル組成物中でゲルが十分形成されない場合がある。一方、ゲル組成物中のゲル固形分濃度が多すぎると、ゲル組成物が白濁する、ゲル構造が強すぎて油性成分(コレステリック液晶化合物)がうまく幾何学的に包含されないことがある、あるいは泡の混入があった場合に脱泡しにくい、といった欠点が生じる場合がある。
これらの微粒子セルロースゲルは、チキソトロピック性があるため肌との馴染みが良く、またカルボマー特有のべたつきがなく使用感に優れている。よって、経皮吸収基材として期待できる。また、微粒子セルロースゲルは透明性が良好であるので、発色性を有するコレステリック液晶化合物を配合した場合に、美的外観を妨げることがない。よって、美しい幾何学模様の外観を形成させることができる。
(4)多価アルコール
本発明のゲル組成物には、必要に応じて1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、及び1,2−オクタンジオールからなる群から選択される1種又は2種以上のジオール類を含有させるのが好ましい。これらのジオール類は防腐剤の役割を果たす。
従来、化粧料等に使用されるゲル組成物中には、防腐剤としてパラベンが配合されているが、パラベンを使用すると人によってはヒリヒリ、チクチクといった刺激を感じる場合がある。本発明のゲル組成物は、防腐剤として上記ジオール類を用いることにより、肌への刺激感を緩和させることができる。これらのジオール類の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%である。上記ジオール類の含有量が少なすぎると防腐力が低くなる場合があり、多すぎると刺激感が高くなる場合がある。
さらに、防腐剤として上記ジオール類とフェノキシエタノール等の溶剤とを併用することにより、肌への刺激感をより緩和することができる。そのような溶剤の好ましいものとしては、例えば商品名「ハイソルブ」(東邦化学工業(株)製)が挙げられる。特に1,2−ペンタンジオールとフェノキシエタノールとを組み合わせることにより、刺激感を誘発するパラベンを使用することなく防腐効果を得ることができ、いっそう肌への刺激感の少ない化粧料が得られる。
また、目的に応じてさらにグリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール等を含有させることができる。
(5)その他の任意成分
本発明のゲル組成物には、化粧料、皮膚外用剤等に通常用いられる成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。そのような任意成分としては、以下に示すような脂肪酸、高級アルコール、炭化水素類、合成エステル油類、油剤類、界面活性剤類、多価アルコール類、増粘剤、顔料その他の粉体類、紫外線吸収剤類、低級アルコール類、その他の有効成分等が挙げられる。これらは各々一種のみを用いても、二種以上を併用してもよい。
<脂肪酸類>
脂肪酸類としては、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等を挙げることができる。
<高級アルコール>
高級アルコールとしては、具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが好適に例示できる。これらのうちでは、炭素数16以上のものが好ましく、具体的にはセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
<炭化水素類>
炭化水素類としては、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
<合成エステル油類>
合成エステル油類としては、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等が挙げられる。
<油剤類>
油剤類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
<界面活性剤類>
界面活性剤類としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類等の、ポリオキシエチレン付加型以外の界面活性剤類が挙げられる。なお、界面活性剤はコレステリック液晶を破壊するため配合量に注意が必要であり、さらには界面活性剤を使用しないのが好ましい。
<多価アルコール類>
ポリエチレングリコール等の前記多価アルコール以外の多価アルコール類を添加しても良い。
<増粘剤>
増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
<顔料その他の粉体類>
表面を処理されていても良いマイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類; 表面を処理されていても良いベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類; 表面を処理されていても良い雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類; レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類; ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類を添加しても良い。
<紫外線吸収剤類>
パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類を添加しても良い。
<低級アルコール類>
エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類を添加しても良い。
<その他の有効成分>
ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類や、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などを添加することができる。なお、イオン性化合物はセルロースの凝集を起こすこともあるので、配合量に注意が必要である。
(6)ゲル組成物
本発明のゲル組成物は、上記必須成分及び必要に応じて用いられる任意成分し、並びに残余として水を含有してなるものである。ゲル組成物は、水相を連続相としてその中に油滴が分散した形態、或いは、油性成分を連続相としてその中に水滴が分散した形態等のように、水性成分と油性成分が共存する安定系であり、その中に油性成分も水性成分も含有させることができること、及び、経皮的に吸収されやすい特性を有することなどから、化粧料剤形として、或いは皮膚外用剤剤形として、広く使用されている。
本発明においては、かかる剤形において、コレステリック液晶化合物を配合することにより、美白作用、皮膚老化防止作用、抗酸化作用等に優れた油溶性アスコルビン酸誘導体を極めて安定的に内包させることができたものである。すなわち、本発明のゲル組成物において、油溶性アスコルビン酸誘導体は、コレステリック液晶化合物中に安定的に内包されている。
また、本発明のゲル組成物は、コレステリック液晶化合物を幾何学模様に充填されることにより、優れた美的外観を有することができる。幾何学模様としては、特段の限定はされない。また、本発明のゲル組成物は、高分子ゲルではなく透明性に優れた微粒子ゲルで形成することができるため、内包する液晶の発色が妨げられず色彩的にも優れた美的外観が得られる。
さらに、本発明のゲル組成物は適度な流動性を有し、ゲルと液晶がスムースに塗布されるため、肌への塗布性も良好である。よって、本発明のゲル組成物は、界面活性剤、特に、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの、皮膚刺激性や加水分解によるホルマリンの発生などが懸念されるポリオキシエチレン付加型界面活性剤を使用することなく、良好な塗布性を有する化粧料を提供することができる。液晶が吐出されるときポンプのミキシング効果により分散されれば、より塗布性が向上する。
(7)ゲル組成物の製造方法
本発明のゲル組成物は、上記必須成分及び任意成分を常法に従って処理することにより、製造することができる。ゲル組成物は、ホモミキサー、マイクロフルイダイザー等を用いて剪断力を与えることにより微粒子分散させることができる。これらのうちで、マイクロフルイタイザーを用いるのが剪断力の点で好ましく、より微粒子化することができ、より高い透明感を得ることができる。
加える剪断力は特に限定されないが、ホモミキサーでは8000〜10000rpmで1〜10分程度、マイクロフルイタイザーでは100〜500MPaで2〜5パス程度が好ましい。
また、コレステリック液晶化合物の配合による幾何学模様等の形成は、コンピュータ制御によって行うこともできる。
(8)化粧料
本発明のゲル組成物は、皮膚に外用に投与される組成物に好適に適用される。かかる組成物としては、皮膚外用医薬、化粧料(医薬部外品を含む)、皮膚外用雑貨などが好適に例示できる。これらの中で特に好ましいものは化粧料であり、中でも美白作用、肌荒れ改善作用、肌老化防止作用等に有効なエッセンスなどの基礎化粧料、美容液などに適用することが特に好ましい。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
以下に示す処方に従って、本発明のゲル組成物である美容液を作成した。すなわち、表1に示すイの成分を順次秤量後、マイクロフルイタイザー(ミズホ社製)を用いて微分散し(150MPa×3パス)、透明ゲルを得た。次いでイにロを、幾何学模様が形成されるように充填し、本発明のゲル組成物(美容液)を得た。
なお、本実施例で使用したコレステリック液晶化合物は商品名「発色コレステリック液晶」(ISP社製)である。また、本実施例で使用した透明セルロースゲルは、商品名「ナノウォープ」(第一製薬(株)製;平均粒径=0.005μm;固形分(セルロース)濃度=4重量%)である。
Figure 2008088125
<実施例2>
表2に示す処方に従って、実施例1と同様の方法で本発明のゲル組成物である美容液を作成した。
Figure 2008088125
<実施例3>
表3に示す処方に従って、実施例1と同様の方法で本発明のゲル組成物である美容液を作成した。
Figure 2008088125
<比較例1>
表4に示す処方に従って、実施例1と同様の方法で本発明のゲル組成物である美容液を作成した。すなわち、(イ)の成分を順次秤量後、マイクロフルイダイザー(150MPa×3パス)にて微分散し、ゲル組成物を作成した。
次いで、得られたゲル組成物中に、ワセリンにトリイソパルミチン酸アスコルビルを練り込んだペーストをシリンジ注入し、ゲル組成物(美容液)を得た。
Figure 2008088125
<安定性の評価>
実施例1と比較例1で得られたゲル組成物(美容液)を、40℃で一ヶ月静置した後、その外観を目視で観察した。結果を表5に示す。ここで、表5中の記号は以下を意味する。
− :着色が認められない
± :着色がやや認められる(許容内)
1+:着色が認められる。
Figure 2008088125
本発明のゲル組成物は、コレステリック液晶の存在により、美白作用、皮膚老化防止作用、抗酸化作用等に優れた油溶性アスコルビン酸誘導体を安定的に内包させることができる。また、美しい幾何学模様や色彩などを付与することができる上、肌への馴染みや塗布性も向上する。よって、経時安定性、使用感、及び美的外観に優れた化粧料を提供することができる。

Claims (7)

  1. ゲル中に、コレステリック液晶化合物及び油溶性アスコルビン酸誘導体を含有してなる、ゲル組成物。
  2. 油溶性アスコルビン酸誘導体の含有量が0.001〜1.0質量%である、請求項1記載のゲル組成物。
  3. 油溶性アスコルビン酸誘導体がアスコルビン酸脂肪酸エステルである、請求項1又は2記載のゲル組成物。
  4. コレステリック液晶化合物の含有量が0.1〜10質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のゲル組成物。
  5. ゲルが、粒径0.005〜0.1μmの微粒子セルロースゲルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のゲル組成物。
  6. さらに1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、及び1,2−オクタンジオールからなる群から選択される1種又は2種以上のジオール類を0.1〜10質量%含有してなる、請求項1〜5のいずれかに記載のゲル組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のゲル組成物を用いた化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082633A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 組成物
CN107427441A (zh) * 2015-03-31 2017-12-01 太田孝则 抗坏血酸分散剂及其制造方法
JP2021080228A (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 株式会社アンズコーポレーション 油溶性ビタミンの着色抑制方法及び化粧料

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