JP5794404B1 - 電池用ガス拡散層、該電池用ガス拡散層を用いた電池用膜−電極接合体、電池用部材、電池及びこれらの製造方法 - Google Patents

電池用ガス拡散層、該電池用ガス拡散層を用いた電池用膜−電極接合体、電池用部材、電池及びこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池において、導電性多孔質層の空隙が潰れることを抑制し、セパレータや導電性多孔質基材との密着性が高い電池用ガス拡散層の提供。【解決手段】導電性炭素材料及び変性ポリオレフィン樹脂を含む第1導電性多孔質層を備えるガス拡散層を用い、特に該第1導電性多孔質層を最外層として備え、導電性多孔質基材又はセパレータと接する層とすることで、電池用ガス拡散層の空隙を潰れることを抑制しつつ、一体化することが可能となる燃料電池用ガス拡散層。【選択図】なし

Description

本発明は、電池用ガス拡散層、該電池用ガス拡散層を用いた電池用膜−電極接合体、電池用部材、電池及びこれらの製造方法に関する。
燃料電池、金属空気電池等の電極反応に気体(ガス)を使用する電気化学電池は、その電池性能の向上のため、ガス拡散層を備えている。
例えば、固体高分子形燃料電池を構成する膜−電極接合体(MEA)は、通常、ガス拡散層、触媒層、電解質膜、触媒層及びガス拡散層が順次積層された構造を有している。
このガス拡散層には、一般的にカーボンペーパー、カーボンクロス等の導電性多孔質基材が使用される。さらに、この導電性多孔質基材の導電性、ガス拡散性、ガス透過性、平滑性、水の排出性や保持性等の水管理特性等を向上させる目的から、導電性多孔質基材を支持体として、導電性炭素材料(カーボンブラック等)、高分子重合体(フッ素樹脂)等を含む導電性多孔質層を、導電性多孔質基材上に形成する場合がある。
従来の導電性多孔質層は、通常、カーボンペーパー、カーボンクロス等の導電性多孔質基材の上に、導電性多孔質層形成用組成物を塗布し、その後乾燥させて導電性多孔質層を形成するため、導電性多孔質基材表面からペースト組成物が染み込み、導電性多孔質基材の空隙を閉塞してしまうおそれがあった(例えば、特許文献1等)。
一方、予め基材フィルム等を用いて形成した導電性多孔質層を、導電性多孔質基材に積層する方法も知られている。
特開2001−351637号公報
しかし、導電性多孔質層の高分子重合体としてフッ素樹脂を多量に用いると、導電性多孔質基材との密着性を確保するためには、高温、高圧条件で積層する必要があるため、導電性多孔質層の空隙が潰れてしまうおそれがあった。導電性多孔質層の空隙が潰れると電池性能に悪影響を及ぼす。
このことは、導電性多孔質層をガス拡散層として、導電性多孔質基材を用いずに電池に組み込む場合も同じであり、具体的には、電池に組み込む前に作業性向上のために導電性多孔質層をセパレータと一体化する場合に導電性多孔質層の細孔が潰れてしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、導電性多孔質層の空隙が潰れることを抑制し、導電性多孔質基材やセパレータとの密着性が高い電池用ガス拡散層を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、電池用ガス拡散層を構成する少なくとも1つの導電性多孔質層中に、変性ポリオレフィン樹脂を含ませることで、導電性多孔質層の空隙が潰れることを抑制し、導電性多孔質基材やセパレータとの密着性が高い電池用ガス拡散層を提供できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.導電性炭素材料と、酸変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、及びアルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む第1導電性多孔質層を備える電池用ガス拡散層。
項2.前記第1導電性多孔質層と接するように、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層が積層されている、項1に記載の電池用ガス拡散層。
項3.前記第2導電性多孔質層に含まれる前記高分子重合体は、フッ素樹脂である、項2に記載の電池用ガス拡散層。
項4.前記第1導電性多孔質層と接するように導電性多孔質基材が積層されている、項1〜3のいずれかに記載の電池用ガス拡散層。
項5.触媒層、電解質膜及び触媒層が順次積層された触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、項1〜3のいずれかに記載の電池用ガス拡散層が、前記第1導電性多孔質層が最外層となるように積層されている、電池用膜−電極接合体。
項6.触媒層、電解質膜及び触媒層が順次積層された触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、項4に記載の電池用ガス拡散層が、前記導電性多孔質基材が最外層となるように積層されている、電池用膜−電極接合体。
項7.項5に記載の電池用膜−電極接合体の最外層である前記第1導電性多孔質層と接するように、さらにセパレータが積層されている、電池。
項8.項6に記載の電池用膜−電極接合体の最外層である前記導電性多孔質基材と接するように、さらにセパレータが積層されている、電池。
.項1〜3のいずれかに記載の電池用ガス拡散層の前記第1導電性多孔質層と接するように、セパレータが積層されている、電池用部材。
10.電池用ガス拡散層の製造方法であって、
(I)基材上に、導電性炭素材料と、酸変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、及びアルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む第1導電性多孔質層形成用組成物を用いて第1導電性多孔質層を形成する工程、及び
(II)前記第1導電性多孔質層から基材を剥離する工程
を備える、電池用ガス拡散層の製造方法。
11.さらに、前記工程(II)の後に、
(III)前記第1導電性多孔質層の上に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層形成用組成物を用いて第2導電性多孔質層を形成する工程
を備える、項10に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
12.さらに、前記工程(I)と工程(II)との間に、
(III)前記第1導電性多孔質層の上に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層形成用組成物を用いて第2導電性多孔質層を形成する工程
を備える、項10に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
13.さらに、
(IV)導電性多孔質基材を前記第1導電性多孔質層に接するように積層する工程
を備える、項10又は11に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
14.さらに、前記工程(II)の後に、
(IV)導電性多孔質基材を前記第1導電性多孔質層に接するように積層する工程
を備える、項12に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
15.(1)項1012のいずれかに記載の製造方法により、少なくとも、第1導電性多孔質層を備える電池用ガス拡散層を準備する工程、及び
(2)セパレータを前記第1導電性多孔質層に接するように積層する工程
を備える、電池用部材の製造方法。
本発明によれば、電池用ガス拡散層は、変性ポリオレフィン樹脂を含む第1導電性多孔質層を備えているため、導電性多孔質層の空隙が潰れることを抑制しつつ、導電性多孔質基材又はセパレータとの密着性を改善することができる。
第1導電性多孔質層を有する本発明のガス拡散層の構成を説明する図面である。 第1導電性多孔質層及び第2導電性多孔質層を有する本発明のガス拡散層の構成を説明する図面である。 第1導電性多孔質層及び導電性多孔質基材を有する本発明のガス拡散層の構成を説明する図面である。 第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層及び導電性多孔質基材をこの順に有する本発明のガス拡散層の構成を説明する図面である。 第1導電性多孔質層及びセパレータを有する本発明の電池用部材の構成を説明する図面である。 第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層及びセパレータをこの順に有する本発明の電池用部材の構成を説明する図面である。 本発明の電池用膜−電極接合体の一態様(触媒層−電解質膜積層体の両面に、第2導電性多孔質層及び第1導電性多孔質層がこの順に積層された電池用膜−電極接合体)を説明する図面である。 本発明の電池用膜−電極接合体の一態様(触媒層−電解質膜積層体の両面に、第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層及び導電性多孔質基材がこの順に積層された電池用膜−電極接合体)を説明する図面である。 本発明の電池の一態様(触媒層−電解質膜積層体の両面に、第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層、導電性多孔質基材及びセパレータがこの順に積層された電池)を説明する図面である。
以下、本発明の具体的態様について、説明する。なお、本明細書において、第1導電性多孔質層と導電性多孔質基材又はセパレータとが「一体化する」又は「密着する」とは、第1導電性多孔質層を下方になるようにした場合に第1導電性多孔質層が、導電性多孔質基材又はセパレータから5分以上剥れ落ちない程度に接着していることを意味する。この程度に接着していると、第1導電性多孔質層の取扱いが容易となり作業性が向上し、電池作動中に導電性多孔質基材又はセパレータから剥離することを防止することができる。
1.電池用ガス拡散層1
本発明の電池用ガス拡散層は、図1にも示されるように、導電性炭素材料及び変性ポリオレフィン樹脂を含む第1導電性多孔質層11を備える電池用ガス拡散層である。この本発明の電池用ガス拡散層1は、後述の触媒層とは異なる層である。
(1−1)第1導電性多孔質層11
本発明において、第1導電性多孔質層11は、導電性炭素材料及び変性ポリオレフィン樹脂を含有する。本発明では、電池用ガス拡散層1が第1導電性多孔質層11を備える(特に、最外層として備え、導電性多孔質基材又はセパレータと接する層とする)ことで、本発明の電池用ガス拡散層の空隙を潰れることを抑制しつつ、一体化することが可能である。この第1導電性多孔質層11は、例えば、導電性炭素材料及び変性ポリオレフィン樹脂を含む第1導電性多孔質層形成用組成物を用いて、基材上に形成することができる。また、第1導電性多孔質層11の厚みは例えば、通常1μm〜300μm程度、特に50μm〜250μm程度が好ましい。
導電性炭素材料
導電性炭素材料としては、例えば、導電性炭素粒子、導電性炭素繊維等が挙げられる。
[導電性炭素粒子]
導電性炭素粒子は、導電性を有する炭素材であれば特に限定されず、公知又は市販の材料を使用できる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック;黒鉛;活性炭等が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上で用いることができる。これらの導電性炭素粒子を含有することにより、電池用ガス拡散層の導電性を向上させることができる。
導電性炭素粒子の平均粒子径(算術平均粒子径)は、第1導電性多孔質層11に比較的細かい細孔容積を増加させ、ガス透過性能、平滑性、水の排出性や保持性等の水管理特性を付与する場合は、通常5nm〜200nm程度、特に5nm〜100nm程度が好ましい。また、第1導電性多孔質層11にガス拡散特性の機能を付与する場合は、平均が5μm〜100μm程度、特に6μm〜80μm程度が好ましい。
導電性炭素粒子としてカーボンブラックを使用する場合には、カーボンブラックの平均粒子径(算術平均粒子径)は、通常5nm〜200nm程度、特に5nm〜100nm程度が好ましい。またカーボンブラックの凝集体を使用する場合は、10nm〜600nm程度、特に50nm〜500nm程度が好ましい。また、黒鉛、活性炭等を使用する場合は、平均粒子径は500nm〜100μm程度、特に1μm〜80μm程度が好ましい。この導電性炭素粒子の平均粒子径は、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定するものとする。
[導電性炭素繊維]
導電性炭素繊維を配合することにより、第1導電性多孔質層形成用組成物の塗布表面の面質を向上させることができるだけでなく、強度の高いシート状の第1導電性多孔質層を作製することも可能となる。第1導電性多孔質層11で使用される導電性炭素繊維としては、特に制限されるわけではないが、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF(登録商標))、カーボンナノチューブ、カーボンナノカップ、カーボンナノウォール等が挙げられる。その他、比較的大きな平均繊維径を有する導電性炭素繊維として、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等も使用できる。
導電性炭素繊維の平均繊維径は、第1導電性多孔質層11に比較的細かい細孔容積を増加させ、ガス透過性能、平滑性、水の排出性や保持性等の水管理特性を付与する場合は、50nm〜450nm程度、特に100nm〜250nm程度が好ましい。また、その場合の繊維長は例えば、平均が4μm〜500μm程度、特に4μm〜300μm程度、さらに4μm〜50μm程度、特に10μm〜20μm程度が好ましい。また、アスペクト比は、平均がおよそ5〜600程度、特に10〜500程度が好ましい。なお、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定するものとする。
また、第1導電性多孔質層11に比較的大きい細孔径を形成させることで、ガス拡散特性の機能を付与する場合は、導電性炭素繊維の平均繊維径は、5μm〜20μm程度、特に6μm〜15μm程度が好ましい。この場合の繊維長は例えば、平均が5μm〜1mm、特に10μm〜600μm程度が好ましい。また、アスペクト比は、平均が1〜50程度、特に2〜40程度が好ましい。この場合も、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定するものとする。
変性ポリオレフィン樹脂
本発明においては、弱い条件(低温低圧条件)においても、導電性多孔質基材又はセパレータと一体化することが容易になるとともに、耐熱性、耐薬品性、撥水性等に優れるために、第1導電性多孔質層11中には、変性ポリオレフィン樹脂が含有されている。また、第1導電性多孔質層11中に変性ポリオレフィン樹脂が含有されていることにより、後述の工程(II)において、基材から第1導電性多孔質層11を剥離しやすい。このため、基材上に第1導電性多孔質層11を形成後に基材から剥離する際に、基材上に第1導電性多孔質層11が残ったり、膜が割れたり、クラックが発生したりすることを抑制することができる。さらに、基材から第1導電性多孔質層11を剥離した後においても、自立性を保つことができる。
変性ポリオレフィン樹脂を構成するポリオレフィン樹脂は、オレフィン成分を樹脂全体の50モル%以上、特に80モル%以上含有する樹脂であり、オレフィン成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン類等が挙げられ、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のオレフィンが好ましく、エチレン及びプロピレンがより好ましい。変性ポリオレフィン樹脂を構成するポリオレフィン樹脂は、上記した成分からなる単独重合体であってもよいし、上記した成分の2種以上からなる共重合体であってもよい。変性ポリオレフィン樹脂を構成するポリオレフィン樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体及びブロック共重合体のいずれでもよく、結晶性及び非晶性のいずれでもよい。さらに、変性ポリオレフィン樹脂を構成するポリオレフィン樹脂は、単独のポリオレフィン樹脂からなっていてもよいし、2種以上のポリオレフィン樹脂からなっていてもよい。
変性ポリオレフィン樹脂の変性の種類としては、酸変性することにより分散性が良好となり、均一な第1導電性多孔質層11が得られ、導電性多孔質層として良好な性能が得られるとともに、環境にも配慮できるため、本発明では、酸変性ポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。このような酸変性ポリオレフィン樹脂としては、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。変性に用いられる化合物(酸)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。変性に用いられる化合物(酸)として不飽和カルボン酸を用いる場合、不飽和カルボン酸は、塩、酸無水物、エステル(特にハーフエステル)、アミド(特にハーフアミド)等の誘導体になっていてもよい。なかでもアクリル酸又はそのエステル(特にハーフエステル)、メタクリル酸又はそのエステル(特にハーフエステル)、(無水)マレイン酸等が好ましく、アクリル酸又はそのエステル(特にハーフエステル)、無水マレイン酸等がより好ましい。また、不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されるものではない。使用する酸変性ポリオレフィン樹脂は、これらの化合物(酸)のうち単独の化合物(酸)で変性されたポリオレフィン樹脂でもよいし、2種以上の化合物(酸)で変性されたポリオレフィン樹脂でもよい。これらの酸変性ポリオレフィン樹脂としては、特に制限はなく、公知又は市販の材料を使用できる。また、これらの酸変性ポリオレフィン樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味する。また、「(無水)マレイン酸」とは、「マレイン酸」又は「無水マレイン酸」を意味する。
変性ポリオレフィン樹脂としては、上記した酸変性ポリオレフィン樹脂以外にも、塩素化ポリオレフィン樹脂、アルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂等を使用することもできる。アルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂としては、特に制限されず、例えば、ポリオレフィン主鎖に少なくとも1つのアルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン主鎖に結合した水酸基の数としては、特に制限されず、例えば高分子中の極性の指標である水酸基価で好ましくは20〜60程度、より好ましくは30〜50程度が挙げられる。当該水酸基価は、JISK1557−1に規定された方法に準拠して測定する。アルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン主鎖の末端に水酸基を有することが好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂中の変性に使用する化合物(酸等)の割合は、第1導電性多孔質層を導電性多孔質基材又はセパレータと一体化することがより容易になるとともに、耐熱性、耐薬品性、撥水性等をより向上させる観点から、0.1〜40質量%程度が好ましく、0.1〜30質量%程度がより好ましい。なお、変性ポリオレフィン樹脂中の変性に使用する化合物(酸等)の割合は、H−NMR分析によって測定する。
変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、第1導電性多孔質層を導電性多孔質基材又はセパレータと一体化することがより容易になるとともに、耐熱性、耐薬品性、撥水性等をより向上させる観点から、6000〜200000程度が好ましく、8000〜150000程度がより好ましい。なお、変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。また、変性ポリオレフィン樹脂の融点は、第1導電性多孔質層を導電性多孔質基材又はセパレータと一体化することがより容易になるとともに、耐熱性、耐薬品性、撥水性等をより向上させる観点から、それぞれ、60℃〜160℃程度が好ましく、70℃〜140℃程度がより好ましい。なお、本発明において、変性ポリオレフィン樹脂の融点とは、示差走査熱量測定における吸熱ピーク温度をいう。
ポリオレフィン樹脂を変性する方法は、特に限定されず、変性に使用する化合物(酸等)がポリオレフィン樹脂と共重合されていればよい。このような共重合としては、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられ、グラフト共重合が好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂以外の高分子重合体
本発明において、第1導電性多孔質層11には、変性ポリオレフィン樹脂以外の高分子重合体を含ませることも可能である。
このような高分子重合体としては、公知又は市販の材料を使用できる。具体的には、イオン伝導性高分子樹脂(Nafion等)、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル−アクリル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素ゴム、シリコーンゴム等も挙げられる。これらの高分子重合体は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。これらのうち、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の接着樹脂を使用し、導電性多孔質基材又はセパレータとの密着性や、隣接する部材との接着性をさらに向上させることも可能である。
また、高分子重合体としてフッ素ゴム等のエラストマーを使用すれば、第1導電性多孔質層11の柔軟性をより向上させることができる。また、上記エラストマーは、エラストマーエマルジョン(エラストマー粒子を分散させた懸濁液)を使用してもよいし、分散媒に溶解させたエラストマーを用いてもよい。エラストマーエマルジョンを使用する場合には、分散媒にエラストマーを分散させて調製するか、市販品を使用することが好ましい。分散媒としては、例えば、水、エタノール、プロパノール等が挙げられる。また、分散媒に溶解させたエラストマーを使用する場合の分散媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸ビニル、ジメチルアセトアミド(DMA)、イソプロピルアルコール(IPA)等が挙げられる。
また、第1導電性多孔質層11へ撥水性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲の量であれば、フッ素樹脂等の撥水性樹脂を使用することも可能である。本発明では、撥水性に優れる変性ポリオレフィン樹脂を使用するため、第1導電性多孔質層11には、必ずしも撥水性樹脂を含ませる必要はないが、撥水性をより向上させる場合には有効である。このようなフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)等が挙げられる。
含有量
第1導電性多孔質層11において、上記各成分の配合割合は、例えば、導電性炭素粒子100質量部に対して、変性ポリオレフィン樹脂5質量部〜200質量部が好ましく、40質量部〜100質量部程度がより好ましい。また、第1導電性多孔質層11中に、変性ポリオレフィン樹脂以外の高分子重合体を含ませる場合には、その含有量については、導電性炭素粒子100質量部に対して、変性ポリオレフィン樹脂以外の高分子重合体5質量部〜200質量部程度(特に5質量部〜100質量部程度)が好ましい。
本発明の電池用ガス拡散層は、上記のとおり、第1導電性多孔質層中に変性ポリオレフィン樹脂が含まれているため、分散性が良好となり、均一な第1導電性多孔質層が得られ、導電性多孔質層として良好な性能が得られるうえに、導電性多孔質基材又はセパレータとの密着性を改善することができる。
本発明の電池用ガス拡散層は、上記のように、導電性多孔質基材又はセパレータとの密着性に優れるため、弱い条件(低温低圧条件)であっても、導電性多孔質基材又はセパレータと十分に一体化することが可能である。このため、電池用ガス拡散層の空隙が潰れることを抑制することができる。また、電池用ガス拡散層の導電性多孔質基材又はセパレータと接する側と反対側の面が導電性多孔質基材表面の粗さ又はセパレータの流路等の影響を受けて変形することを抑制することもできる。このように、電池用ガス拡散層が変形することを抑制できることから、触媒層との密着性が良好となり、電池性能を良好とすることも可能である。
さらに、本発明の電池用ガス拡散層は、変性ポリオレフィン樹脂を含む第1導電性多孔質層を備えているため、基材から第1導電性多孔質層を剥離しやすい。このため、基材上に第1導電性多孔質層を形成後に基材から剥離する際に、基材上に第1導電性多孔質層が残ったり、膜が割れたり、クラックが発生したりすることを抑制することができる。
(1−2)第2導電性多孔質層12
本発明の電池用ガス拡散層には、図2に示されるように、上記の第1導電性多孔質層11以外にも、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層12を備えていてもよい。つまり、本発明の電池用ガス拡散層1においては、第1導電性多孔質層11の上に、第2導電性多孔質層12を備えていてもよい。このような構成を採用することにより、本発明の電池用ガス拡散層1と導電性多孔質基材又はセパレータとの密着性を向上させつつ、本発明の電池用ガス拡散層1に様々な機能(撥水性、後述の触媒層との密着性、高拡散性、保水性等)を付与することも可能である。この第2導電性多孔質層12は、例えば、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層形成用組成物を用いて、第1導電性多孔質層11上に形成することができる。また、第2導電性多孔質層12の厚みは、通常1μm〜300μm程度、特に10μm〜250μm程度が好ましい。
導電性炭素材料
導電性炭素材料としては、特に制限されるわけではないが、導電性炭素粒子、導電性炭素繊維等が挙げられる。導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維としては、上述の第1導電性多孔質層11で例示したものと同じ材料が使用できる。
高分子重合体
高分子重合体としては、上述した第1導電性多孔質層11に用いられる変性ポリオレフィン樹脂以外の高分子重合体と同様の材料を使用できる。つまり、高分子重合体としては、イオン伝導性高分子樹脂(Nafion等)、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル−アクリル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。また、六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素ゴム、シリコーンゴム等も挙げられる。これらの高分子重合体は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。これらのうち、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の接着樹脂を使用し、触媒層との密着性を向上させることも可能である。
また、高分子重合体としてフッ素ゴム等のエラストマーを使用すれば、第2導電性多孔質層12の柔軟性をより向上させることができる。また、上記エラストマーは、エラストマーエマルジョン(エラストマー粒子を分散させた懸濁液)を使用してもよいし、分散媒に溶解させたエラストマーを用いてもよい。エラストマーエマルジョンを使用する場合には、分散媒にエラストマーを分散させて調製するか、市販品を使用することが好ましい。分散媒としては、例えば、水、エタノール、プロパノール等が挙げられる。また、分散媒に溶解させたエラストマーを使用する場合の分散媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸ビニル、ジメチルアセトアミド(DMA)、イソプロピルアルコール(IPA)等が挙げられる。
また、第2導電性多孔質層12へ撥水性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲の量であれば、フッ素樹脂等の撥水性樹脂を使用することも可能である。特に、高分子重合体として、撥水性に劣る材料を使用する場合には有効である。このようなフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)等が挙げられる。
含有量
第2導電性多孔質層12において、上記各成分の配合割合は、例えば、導電性炭素粒子100質量部に対して、高分子重合体5質量部〜200質量部が好ましく、40質量部〜100質量部程度がより好ましい。
(1−3)本発明の電池用ガス拡散層1の構成
上記説明した第1導電性多孔質層11は、本発明の電池用ガス拡散層1中に1層のみ有していてもよいし、2層以上を有していてもよい。また、本発明の電池用ガス拡散層1が上記説明した第2導電性多孔質層12を備える場合は、本発明の電池用ガス拡散層1中に1層のみ有していてもよいし、2層以上を有していてもよい。なお、本発明の電池用ガス拡散層1において、導電性多孔質基材又はセパレータと接する側の最表面が第1導電性多孔質層11である場合、本発明の電池用ガス拡散層1の空隙が潰れることをより抑制しつつ、本発明の電池用ガス拡散層1を導電性多孔質基材又はセパレータとより強く一体化することが可能である。また、本発明の電池用ガス拡散層1において、導電性多孔質基材又はセパレータと接する側と反対側の最表面が第1導電性多孔質層11である場合、本発明の電池用ガス拡散層1と触媒層の密着性をより良好とすることができる。これらの観点から、本発明の電池用ガス拡散層1は、第1導電性多孔質層11単独からなるか、複数の導電性多孔質層からなり、両最表面が第1導電性多孔質層11である態様が好ましい。
このような観点から、本発明のガス拡散層1の構成としては、第1導電性多孔質層11を第1、第2導電性多孔質層12を第2とすると、第1からなるガス拡散層;第1及び第2からなるガス拡散層;順に第1、第1及び第1からなるガス拡散層;順に第1、第2及び第1からなるガス拡散層;順に第1、第2及び第2からなるガス拡散層等が挙げられ、本発明の電池用ガス拡散層1に、後述の触媒層との密着性や、撥水性、高拡散性、保水性等の様々な機能を付与する観点からは、第1からなるガス拡散層、第1及び第2からなるガス拡散層、順に第1、第2及び第1からなるガス拡散層等が好ましい。
(1−4)導電性多孔質基材13
上記した第1導電性多孔質層11及び第2導電性多孔質層12は、図3〜6にも示されるように、導電性多孔質層を支持する機能を有する他層と一体化して使用することにより取扱いが容易となり、作業性が向上する。
このような導電性多孔質層を支持する機能を有する他層として、例えば、導電性多孔質基材13を使用することができる(図3〜4)。具体的には、上記した本発明の電池用ガス拡散層1において、最表面である第1導電性多孔質層11と導電性多孔質基材13とを一体化させ、全体を電池用ガス拡散層1として使用することができる。このような構成を採用することにより、本発明の電池用ガス拡散層1の空隙が潰れることを抑制しつつ、第1導電性多孔質層11と導電性多孔質基材13とを一体化することができる。この際、電池用ガス拡散層1の導電性多孔質基材13と接する側と反対側の面が導電性多孔質基材13表面の粗さ等の影響を受けて変形することを抑制することもできる。このように、電池用ガス拡散層1が変形することを抑制できることから、触媒層との密着性が良好となり、電池性能を良好とすることも可能である。
導電性多孔質基材13としては、導電性を有し、多孔質なものである限り特に限定されず、公知又は市販の材料を使用することができる。例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
導電性多孔質基材13の厚みは、通常50μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜400μm程度とすることが好ましい。
導電性多孔質基材13は、酸化剤ガスを後述する触媒層へ良好に拡散させるために、金属メッシュ、金属発泡体等からなる多孔質金属体であってもよい。多孔質金属体を用いることにより、導電性が一段と向上する。多孔質金属体に用いる金属としては、ニッケル、パラジウム等、或いは銀、ステンレスチール等を用いることができる。また、耐食性及び導電性を向上するために、上記金属メッシュ及び金属発泡体表面にめっき処理を行ってもよい。めっきの材質は、特に制限されず、白金、ルテニウム、ロジウム、タングステン、タンタル、金等の金属又はこれらの合金;カーボン;エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の耐食性樹脂とカーボンとの複合体等が挙げられる。これらの中でも、高撥水性の観点から、金が好ましい。
導電性多孔質基材13は、予め撥水処理が施された基材であることが好ましい。これにより、さらに一段と、導電性多孔質基材13の撥水性を向上させることができる。
撥水処理としては、例えば、上記の導電性多孔質基材13をフッ素系樹脂等が分散した水分散体中に浸漬する方法等が挙げられる。フッ素系樹脂としては、上述した樹脂等が挙げられる。なお、この際には、水中にフッ素系樹脂を分散させるために、上述した分散剤を用い、フッ素系樹脂及び水系分散剤を含む水系懸濁液として使用することが好ましい。
水分散体中のフッ素系樹脂の含有量は、例えば、水100質量部に対して、1質量部〜30質量部程度、好ましくは2質量部〜20質量部程度とすることが好ましい。
本発明においては、導電性多孔質層全体の厚みは、導電性多孔質基材13と一体化する場合には1μm〜300μmが好ましく、50μm〜250μmがより好ましい。つまり、第1導電性多孔質層11のみを形成する場合は、第1導電性多孔質層11の厚みを上記範囲内とすることが好ましく、第1導電性多孔質層11と第2導電性多孔質層12との双方を形成する場合は、総厚みを上記範囲内とすることが好ましい。
2.電池用部材2
上記した第1導電性多孔質層11及び第2導電性多孔質層12は、導電性多孔質層を支持する機能を有する他層と一体化して使用することにより取扱いが容易となり、作業性が向上する。
このような導電性多孔質層を支持する機能を有する他層として、例えば、セパレータ21を使用することができる(図5〜6)。具体的には、上記した本発明の電池用ガス拡散層1において、最表面の第1導電性多孔質層11とセパレータ21とを一体化させ、全体を電池用部材2として使用することができる。このような構成を採用することにより、本発明の電池用ガス拡散層の空隙が潰れることを抑制しつつ、本発明の電池用ガス拡散層1とセパレータ21とを一体化することができる。この際、電池用ガス拡散層1が、セパレータ21の流路等の影響を受けて変形し、セパレータ21と接する側と反対側の面が変形するという問題を、抑制することもできる。このように、電池用ガス拡散層1が変形することを抑制できることから、触媒層との密着性が良好となり、電池性能を良好とすることも可能である。ただし、本発明の電池用ガス拡散層1において、第1導電性多孔質層11と導電性多孔質基材13とを一体化している場合(導電性多孔質基材13が最表面である場合)には、導電性多孔質基材13の上にセパレータ21を形成してもよい。
セパレータ21としては、公知又は市販のセパレータをいずれも使用することができる。
セパレータ21の材質は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択できる。例えば、ステンレス鋼、銅、チタン、アルミニウム、ロジウム、タンタル、タングステン等の金属又はこれらの少なくとも1種を含む合金;グラファイト;樹脂にカーボンを練りこんだカーボンコンパウンド等が挙げられる。これらの中でも、強度、燃料電池の薄型化及び導電性等の観点から、上記金属又はこれらの少なくとも1種を含む合金が好ましく、チタン及びステンレス鋼がより好ましい。
また、耐食性及び導電性を向上させるために、上記セパレータ表面にめっき処理を行ってもよい。めっきの材質は、例えば、白金、ルテニウム、ロジウム、タングステン、タンタル、金等の金属又はこれらの合金;カーボン;エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の耐食性樹脂とカーボンとの複合体等が挙げられる。これらの中でも、高耐食性の観点から、金が好ましい。
セパレータ21には、ガス流路が形成されている。ガス流路は燃料電池の燃料である水素、空気等を流し、燃料電池の反応によって発生する水を電池外部へと排出するためのものであれば、流路の幅、深さ、形状等は特に制限されず、目的に応じて適宜選択される。通常は、幅0.1mm〜2mm(好ましくは0.5mm〜1.5mm)であり、深さ0.05mm〜2mm(好ましく0.1mm〜1mm)である。
前記ガス流路表面は、凹凸を有していてもよいし、平坦であってもよいが、撥水性向上の観点から、ガス流路表面は凹凸を有していることが好ましい。凹凸を有している場合、その表面粗さは好ましくは5nm〜200nm、より好ましくは5nm〜100nmである。なお、本発明における表面粗さは、JIS B 0601によって準拠して測定された値を示す。
セパレータ21としては、前記ガス流路の一部又は全部に撥水層が形成されており、前記撥水層が硫黄及びその化合物の少なくとも1種からなっているのが好ましい。
また、セパレータ21は、セパレータを構成する金属板の少なくとも片面に、好ましくは金属板の両面に、より好ましくは金属板の全表面にリン含有層が形成されている。リン含有層は、固体高分子電解質のスーパアシッド(超酸)による腐食から、金属板の表面を保護する。
リン含有層を構成する物質は、金属板の種類、リン含有層形成の際に使用されるリン化合物の種類等により異なる。
リン含有層を形成の際に使用されるリン化合物としては、公知の無機リン化合物を広く使用でき、例えばリン酸、ポリリン酸等の縮合リン酸及びこれらの塩等が挙げられる。ここで塩としては、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、金属塩が挙げられる。
本発明においては、導電性多孔質層全体の厚みは、セパレータ21と一体化する場合には50μm〜300μmが好ましく、100μm〜250μmがより好ましい。つまり、第1導電性多孔質層11のみを形成する場合は、第1導電性多孔質層11の厚みを上記範囲内とすることが好ましく、第1導電性多孔質層11と第2導電性多孔質層12との双方を形成する場合は、総厚みを上記範囲内とすることが好ましい。
3.電池用ガス拡散層及び電池用部材の製造方法
(3−1)第1導電性多孔質層11を備える電池用ガス拡散層1の製造方法
本発明の、第1導電性多孔質層11を備える電池用ガス拡散層1は、例えば、
(I)基材上に、導電性炭素材料及び変性ポリオレフィン樹脂を含む第1導電性多孔質層形成用組成物を用いて第1導電性多孔質層11を形成する工程、及び
(II)前記第1導電性多孔質層11から基材を剥離する工程
を備える方法により、製造することができる。
工程(I)
工程(I)において、導電性炭素材料、及び変性ポリオレフィン樹脂については、上記したものを採用できる。
本発明において、第1導電性多孔質層形成用組成物には、上記の導電性炭素材料、及び変性ポリオレフィン樹脂以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、変性ポリオレフィン樹脂以外の高分子重合体、分散剤、分散媒等を含ませることができる。変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂については、上記したものを採用できる。
分散剤
分散剤は、導電性炭素材料及び変性ポリオレフィン樹脂を水等の分散媒中で分散させることができる分散剤である限り限定されず、公知又は市販の分散剤が使用できる。このような分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル等のノニオン系分散剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジウムクロリド等のカチオン系分散剤;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、酸性基含有構造変性ポリアクリレート等のアニオン系分散剤等が挙げられる。これらの分散剤は、1種単独又は2種以上で用いることができる。
分散媒
分散媒としては、特に限定されることはなく、水の他、公知又は市販のアルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類、エステル類、他の有機溶媒を使用することができ、例えば、炭素数1〜5程度の1価又は多価のアルコール類、総炭素数が2〜5程度のケトン類、炭素数が6〜10程度の芳香族炭化水素類、総炭素数が2〜5程度のエステル類、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。具体的には、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン;トルエン;酢酸ビニル;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
含有量
第1導電性多孔質層形成用組成物において、上記各成分の配合割合は、上記したものを採用できる。なお、第1導電性多孔質層形成用組成物中に、分散剤、分散媒等を含ませる場合には、これらの含有量については、導電性炭素粒子100質量部に対して、分散剤0質量部〜100質量部程度(特に5質量部〜50質量部程度)、分散媒0質量部〜1100質量部程度(特に100質量部〜1000質量部程度)が好ましい。
なお、第1導電性多孔質層形成用組成物は、例えば、上記の導電性炭素粒子、変性ポリオレフィン樹脂、及び他の成分を混合、分散させて得ることができる。分散方法としては、例えば公知の超音波分散、ホモジナイザー、メディア分散、スターラー分散等を用いればよい。
基材は、第1導電性多孔質層形成用組成物を用いて第1導電性多孔質層11を形成できる基材であれば特に限定されず、公知又は市販の基材を広く使用することができる。このような基材としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパラバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン等の高分子フィルム等を挙げることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等も用いることができる。これらの中でも、耐熱性に優れ、入手のしやすい高分子フィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド等のフィルムが好ましい。
基材には離型層が積層されていることが好ましい。離型層としては、例えば、公知のワックスから構成されたものが挙げられる。また、離型層が積層された基材として、SiOx、フッ素樹脂等でコーティングされたフィルム等を使用してもよい。
基材の厚みは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常6μm〜100μm程度、特に10μm〜60μm程度とするのが好ましい。
第1導電性多孔質層形成用組成物を用いて、基材上に第1導電性多孔質層11を形成する方法としては、例えば、塗布法、スプレー法、浸漬法等を採用し得るが、より均一な第1導電性多孔質層11が得られるとともに、導電性多孔質層としてより良好な性能が得られる観点から、本発明では塗布法が好ましい。具体的には、基材上に第1導電性多孔質層形成用組成物を、塗布及び乾燥することにより、第1導電性多孔質層11を形成することが好ましい。
第1導電性多孔質層形成用組成物の塗布方法としては、公知又は市販のドクターブレード等のブレード、ワイヤーバー、スキージ等の器具やアプリケーター、ダイコート等を用いて塗布することが好ましい。
塗布法を採用する場合、第1導電性多孔質層形成用組成物の塗布量は、例えば、第1導電性多孔質層11にガス透過性能、平滑性、水の排出性や保持性等の水管理特性を付与したい場合は、乾燥後の第1導電性多孔質層11の厚みが1μm〜150μm程度、好ましくは5μm〜100μm程度となるように塗布するのがよい。また、第1導電性多孔質層11にガス拡散性能の効果を付与したい場合は、乾燥後の第1導電性多孔質層11の厚みが1μm〜300μm程度、好ましくは50μm〜250μm程度となるように塗布するのがよい。なお、他部材(導電性多孔質基材、セパレータ等)からの圧力をより吸収するとともに、セパレータの加工の精度が悪く形状や厚み等のバラつきがある場合にそのバラつきを吸収することでセル全体の精度を向上させる観点からは、導電性多孔質層の厚みを厚く(50μm〜300μm程度)することが好ましい。
また、塗布法を採用する場合、乾燥温度も、例えば、使用する溶剤(分散媒等)の揮発温度等の条件により適宜変更することが好ましい。
乾燥して第1導電性多孔質層11を得た後、必要に応じて更に高い温度(例えば、150℃〜500℃程度)で乾燥処理を施してもよい。
さらに、第1導電性多孔質層11は、他部材との密着性向上や、撥水性付与等のため、その表面に、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、金属ブラシ、サンドブラスト等で物理的に表面凹凸をつける機械的処理、マット処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線処理、火炎処理等が挙げられる。
工程(II)
上記工程(I)により、基材上に第1導電性多孔質層11を形成した後に、第1導電性多孔質層11から基材を剥離する。剥離方法は特に制限されず、常法にて用いられる方法を採用すればよい。
なお、第1導電性多孔質層11を複数層形成する場合は、上記の工程(I)を複数回行えばよい(2回目以降は、既に形成された第1導電性多孔質層11の上に第1導電性多孔質層11を形成する)。この際、工程(I)を必要回数繰り返した後に工程(II)を行ってもよいし、工程(I)及び工程(II)を1回ずつ行った後に工程(I)を必要回数繰り返してもよいが、工程(I)を必要回数繰り返した後に工程(II)を行うことが好ましい。
(3−2)少なくとも、第1導電性多孔質層11及び第2導電性多孔質層12を備える電池用ガス拡散層1の製造方法
本発明の電池用ガス拡散層1が第2導電性多孔質層12を備えている場合(例えば、第1導電性多孔質層11の上に第2導電性多孔質層12を形成する場合)は、上記(3−1)にて説明した工程(I)及び(II)の他、
(III)前記第1導電性多孔質層11の上に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層形成用組成物を用いて第2導電性多孔質層12を形成する工程
も備える製造方法により、製造することができる。
工程(III)
工程(III)において、導電性炭素材料、及び高分子重合体については、上記したものを採用できる。
本発明において、第2導電性多孔質層形成用組成物には、上記の導電性炭素材料、及び高分子重合体以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、分散剤、分散媒等を含ませることができる。分散剤及び分散媒としては、第1導電性多孔質層形成用組成物と同様のものを採用できる。
含有量
第2導電性多孔質層形成用組成物において、上記各成分の配合割合は、上記したものを採用できる。なお、第2導電性多孔質層形成用組成物中に、分散剤、分散媒等を含ませる場合には、これらの含有量については、導電性炭素粒子100質量部に対して、分散剤0質量部〜100質量部程度(特に5質量部〜50質量部程度)、分散媒0質量部〜1100質量部程度(特に10質量部〜1000質量部程度)が好ましい。
なお、第2導電性多孔質層形成用組成物は、例えば、上記の導電性炭素粒子、高分子重合体、及び他の成分を混合、分散させて得ることができる。分散方法としては、特に制限されず、例えば公知の超音波分散、ホモジナイザー、メディア分散、スターラー分散等を用いればよい。
第2導電性多孔質層形成用組成物を用いて、第1導電性多孔質層11上に第2導電性多孔質層12を形成する方法としては、例えば、塗布法、スプレー法、浸漬法等を採用し得るが、本発明では塗布法が好ましい。具体的には、第1導電性多孔質層11上に第2導電性多孔質層形成用組成物を、塗布及び乾燥することにより、第2導電性多孔質層12を形成することが好ましい。
第2導電性多孔質層形成用組成物の塗布方法としては、公知又は市販のドクターブレード等のブレード、ワイヤーバー、スキージ等の器具やアプリケーター、ダイコート等を用いて塗布することが好ましい。
塗布法を採用する場合、第2導電性多孔質層形成用組成物の塗布量は、例えば、第2導電性多孔質層12にガス透過性能、平滑性、水の排出性や保持性等の水管理特性を付与したい場合は、乾燥後の第2導電性多孔質層12の厚みが1μm〜150μm程度、好ましくは5μm〜100μm程度となるように塗布するのがよい。また、第2導電性多孔質層12にガス拡散性能の効果を付与したい場合は、乾燥後の第2導電性多孔質層12の厚みが1μm〜300μm程度、好ましくは50μm〜250μm程度となるように塗布するのがよい。なお、他部材(導電性多孔質基材、セパレータ等)からの圧力をより吸収するとともに、セパレータの加工の精度が悪く形状や厚み等のバラつきがある場合にそのバラつきを吸収することでセル全体の精度を向上させる観点からは、導電性多孔質層の厚みを厚く(50μm〜300μm程度)することが好ましい。
また、塗布法を採用する場合、乾燥温度は、例えば、使用する溶剤(分散媒等)の揮発温度等の条件により適宜変更することが好ましい。
乾燥して第2導電性多孔質層12を得た後、必要に応じて更に高い温度(例えば、150℃〜500℃程度)で乾燥処理を施してもよい。
さらに、第2導電性多孔質層12は、その表面に、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、金属ブラシ、サンドブラスト等で物理的に表面凹凸をつける機械的処理、マット処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線処理、火炎処理等が挙げられる。
本態様においては、工程(I)、工程(II)及び工程(III)の順;並びに工程(I)、工程(III)及び工程(II)の順のいずれも採用できるが、導電性多孔質層のハンドリング性の観点から、工程(I)、工程(III)、工程(II)の順が好ましい。
なお、第1導電性多孔質層11を複数層形成する場合は、所望の構成が得られるように、上記の工程(I)を複数回行えばよい(2回目以降は、既に形成された第1導電性多孔質層11又は第2導電性多孔質層12の上に第1導電性多孔質層11を形成する)。また、第2導電性多孔質層12を複数層形成する場合は、所望の構成が得られるように、上記の工程(III)を複数回行えばよい(2回目以降は、既に形成された第1導電性多孔質層11又は第2導電性多孔質層12の上に第2導電性多孔質層12を形成する)。この際、各工程の順序は、2回目以降の工程(I)を行う場合は1回目の工程(I)の後に行えば特に制限されない。
(3−3)少なくとも、第1導電性多孔質層11及び導電性多孔質基材13を備える電池用ガス拡散層1の製造方法
本発明の電池用ガス拡散層1が導電性多孔質基材13を備えている場合(例えば、第1導電性多孔質層11及び導電性多孔質基材13を備える場合)は、本発明の電池用ガス拡散層1は、上記(3−1)にて説明した工程(I)及び(II)の他、
(IV)導電性多孔質基材13を前記第1導電性多孔質層11に接するように積層する工程
も備える製造方法により、製造することができる。
また、本発明の電池用ガス拡散層1が導電性多孔質基材13を備えている場合(例えば、第1導電性多孔質層11、第2導電性多孔質層12及び導電性多孔質基材13を備える場合)は、本発明の電池用ガス拡散層1は、上記(3−2)にて説明した工程(I)、(II)及び(III)の他、上記工程(IV)を備える製造方法により、製造することができる。
工程(IV)
工程(IV)において、導電性多孔質基材13については、上記したものを採用できる。
工程(IV)では、導電性多孔質基材13を第1導電性多孔質層11と接するように積層するが、この際、導電性多孔質基材13と第1導電性多孔質層11とが一体化するように積層することが好ましい。
具体的には、導電性多孔質基材13と第1導電性多孔質層11とが接するように配置した後に、加圧することにより、一体化することが好ましい。また、加圧操作の際には、より低圧の条件で、より密着性を高めるために加圧面を加熱して熱プレスすることが好ましい。
本発明においては、第1導電性多孔質層11中に変性ポリオレフィン樹脂を含有しているため、第1導電性多孔質層11の空隙を潰れることをより抑制するため、熱プレスの条件を弱い条件(低温低圧条件)としても、導電性多孔質基材13と導電性多孔質基材A11とを十分に一体化することができる。また、電池用ガス拡散層1の導電性多孔質基材13と接する側と反対側の面が導電性多孔質基材13表面の粗さの影響を受けて変形することを抑制することもできる。一方、熱プレスの条件を強い条件(高温高圧条件)とすると、第1導電性多孔質層11の空隙が潰れてしまうとともに、電池用ガス拡散層1の導電性多孔質基材13と接する側と反対側の面が導電性多孔質基材13表面の粗さの影響を受けて変形してしまう虞がある。また、触媒層側表面の外観にも影響を及ぼす虞がある。このような観点から、熱プレスの条件は、加熱温度が40℃〜150℃(特に60℃〜120℃)、印加圧力が0.5MPa〜10MPa(特に1MPa〜5MPa)、熱プレス時間が10秒〜300秒(特に30秒〜200秒)とすることが好ましい。
本態様において、第1導電性多孔質層11及び導電性多孔質基材13を備える電池用ガス拡散層1を製造する場合は、工程(I)、工程(II)及び工程(IV)の順;並びに工程(I)、工程(IV)及び工程(II)の順のいずれも採用できるが、密着性の(基材面側の平滑面を使用できるため密着性が向上する)観点から、工程(I)、工程(II)、工程(IV)の順に行うことが好ましい。また、本態様において、第1導電性多孔質層11、第2導電性多孔質層12及び導電性多孔質基材13を備える電池用ガス拡散層1を製造する場合は、工程(I)、工程(II)、工程(III)及び工程(IV)の順;工程(I)、工程(II)、工程(IV)及び工程(III)の順;工程(I)、工程(IV)、工程(II)及び工程(III)の順;並びに工程(I)、工程(III)、工程(II)及び工程(IV)の順のいずれも採用できるが、ハンドリング及び密着性の観点から、工程(I)、工程(III)、工程(II)、工程(IV)の順に行うことが好ましい。なお、工程(I)及び/又は工程(III)を複数回行う場合、各工程の順序は、2回目以降の工程(I)を行う場合は1回目の工程(I)の後に行えば特に制限されない。
(3−4)少なくとも、第1導電性多孔質層11及びセパレータ21を備える電池用部材2の製造方法
第1導電性多孔質層11を備える本発明の電池用部材2(例えば、第1導電性多孔質層11及びセパレータ21を備える電池用部材)は、上記(3−1)にて説明した工程(I)及び(II)の他、
(V)セパレータ21を前記第1導電性多孔質層11に接するように積層する工程
も備える製造方法により、製造することができる。
また、第1導電性多孔質層11と第2導電性多孔質層12を備えている本発明の電池用部材2(例えば、第1導電性多孔質層11、第2導電性多孔質層12及びセパレータ21を備える電池用部材2)は、上記(3−2)にて説明した工程(I)、(II)及び(III)の他、上記工程(V)を備える製造方法により、製造することができる。
工程(V)
工程(V)において、セパレータ21については、上記したものを採用できる。
工程(V)では、セパレータ21を第1導電性多孔質層11と接するように積層するが、この際、セパレータ21と第1導電性多孔質層11とが一体化するように積層することが好ましい。
具体的には、セパレータ21と第1導電性多孔質層11とが接するように配置した後に、熱プレスを行うことにより、一体化することが好ましい。この際、電池用ガス拡散層1を構成する層のうち、工程(I)において基材と接していた第1導電性多孔質層11と、セパレータ21とが接するように配置することが好ましい。
本発明においては、第1導電性多孔質層11中に変性ポリオレフィン樹脂を含有していることから、第1導電性多孔質層11の空隙が潰れることをより抑制するために熱プレスの条件を弱い条件(低温低圧条件)としても、セパレータ21と第1導電性多孔質層11とを十分に一体化することができる。一方、熱プレスの条件を強い条件(高温高圧条件)とすると、第1導電性多孔質層11の空隙が潰れてしまう虞がある。また、第1導電性多孔質層11が変形し、触媒層側表面の外観にも影響を及ぼす虞がある。このような観点から、熱プレスの条件は、加熱温度が40℃〜150℃(特に60℃〜120℃)、印加圧力が0.5MPa〜10MPa(特に1MPa〜5MPa)、熱プレス時間が10秒〜300秒(特に30秒〜200秒)とすることが好ましい。
本態様において、第1導電性多孔質層11及びセパレータ21を備える電池用部材2を製造する場合は、工程(I)、工程(II)及び工程(V)の順;並びに工程(I)、工程(V)及び工程(II)の順のいずれも採用できるが、密着性の観点から、工程(I)、工程(II)、工程(V)の順に行うことが好ましい。また、本態様において、第1導電性多孔質層11、第2導電性多孔質層12及びセパレータ21を備える電池用部材2を製造する場合は、工程(I)、工程(II)、工程(III)及び工程(V)の順;工程(I)、工程(II)、工程(V)及び工程(III)の順;工程(I)、工程(V)、工程(II)及び工程(III)の順;並びに工程(I)、工程(III)、工程(II)及び工程(V)の順のいずれも採用できるが、ハンドリング及び密着性の観点から、工程(I)、工程(III)、工程(II)、工程(V)の順に行うことが好ましい。なお、工程(I)及び/又は工程(III)を複数回行う場合、各工程の順序は、2回目以降の工程(I)を行う場合は1回目の工程(I)の後に行えば特に制限されない。
また、本発明の電池用ガス拡散層1が導電性多孔質基材13を備えている場合、導電性多孔質基材13の上にセパレータ21を積層してもよい。また、第1導電性多孔質層11、導電性多孔質基材13及びセパレータ21を備える電池用部材2を製造する場合は、工程(I)、工程(II)、工程(IV)及び工程(V)の順;工程(I)、工程(IV)、工程(II)及び工程(V)の順;並びに工程(I)、工程(IV)、工程(V)、及び工程(II)の順のいずれも採用できるが、密着性の観点から、工程(I)、工程(II)、工程(IV)、工程(V)の順に行うことが好ましい。また、本態様において、第1導電性多孔質層11、第2導電性多孔質層12、導電性多孔質基材13及びセパレータ21を備える電池用部材を製造する場合は、工程(I)、工程(II)、工程(III)、工程(IV)及び工程(V)の順;工程(I)、工程(II)、工程(IV)、工程(III)及び工程(V)の順;工程(I)、工程(II)、工程(IV)、工程(V)及び工程(III)の順;工程(I)、工程(IV)、工程(II)、工程(III)及び工程(V)の順;工程(I)、工程(IV)、工程(II)、工程(V)及び工程(III)の順;工程(I)、工程(IV)、工程(V)、工程(II)及び工程(III)の順;並びに工程(I)、工程(III)、工程(II)、工程(IV)及び工程(V)の順のいずれも採用できるが、ハンドリング及び密着性の観点から、工程(I)、工程(III)、工程(II)、工程(IV)、工程(V)の順に行うことが好ましい。なお、工程(I)及び/又は工程(III)を複数回行う場合、各工程の順序は、2回目以降の工程(I)を行う場合は1回目の工程(I)の後に行えば特に制限されない。
4.電池用膜−電極接合体3及び電池4
本発明の電池用ガス拡散層1又は電池用部材2を燃料電池用ガス拡散層又は金属空気電池用ガス拡散層として用いて、図7〜9に示されるように、電池用膜−電極接合体3又は電池4(固体高分子形燃料電池、金属空気電池等)を作製することができる。具体的には、触媒層312及び電解質膜311の積層体、又は触媒層312、電解質膜311及び触媒層312がこの順に形成された積層体からなる触媒層−電解質膜積層体31の片面又は両面に、本発明の電池用ガス拡散層1又は電池用部材2を、第1導電性多孔質層11又は第2導電性多孔質層12と触媒層とが接するように積層させることが好ましい。このような本発明の電池用膜−電極接合体3の代表例は図7〜8に示されるとおりであるが、その構成はこれに限定されることはなく、例えば、「触媒層−電解質膜積層体31の片面に、第1導電性多孔質層11が積層された電池用膜−電極接合体3」、「触媒層−電解質膜積層体31の片面に、第2導電性多孔質層12及び第1導電性多孔質層11がこの順に積層された電池用膜−電極接合体3」、「触媒層−電解質膜積層体31の両面に、第1導電性多孔質層11が積層された電池用膜−電極接合体3」、「触媒層−電解質膜積層体31の両面に、第2導電性多孔質層12及び第1導電性多孔質層11がこの順に積層された電池用膜−電極接合体3」、「触媒層−電解質膜積層体31の片面に、第1導電性多孔質層11及び導電性多孔質基材13がこの順に積層された電池用膜−電極接合体3」、「触媒層−電解質膜積層体31の片面に、第2導電性多孔質層12、第1導電性多孔質層11及び導電性多孔質基材13がこの順に積層された電池用膜−電極接合体3」、「触媒層−電解質膜積層体31の両面に、第1導電性多孔質層11及び導電性多孔質基材13がこの順に積層された電池用膜−電極接合体3」、及び「触媒層−電解質膜積層体31の両面に、第2導電性多孔質層12、第1導電性多孔質層11及び導電性多孔質基材13がこの順に積層された電池用膜−電極接合体3」をいずれも採用できる。電池を作製する場合は、得られた電池用膜−電極接合体3を必要に応じてセパレータ21と積層することにより、本発明の電池4を作製してもよい。この際、セパレータ21としては、上記説明したものを採用することができる。このような本発明の電池4の代表例は図9に示されるとおりであるが、その構成はこれに限定されることはなく、例えば、「触媒層−電解質膜積層体の片面に、第1導電性多孔質層及びセパレータがこの順に積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の片面に、第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層及びセパレータがこの順に積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の片面に、第1導電性多孔質層、導電性多孔質基材及びセパレータがこの順に積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の片面に、第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層、導電性多孔質基材及びセパレータがこの順に積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の両面に第1導電性多孔質層が積層された電池用膜−電極接合体の片面に、セパレータが積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の両面に第2導電性多孔質層及び第1導電性多孔質層がこの順に積層された電池用膜−電極接合体の片面に、セパレータが積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の両面に第1導電性多孔質層及び導電性多孔質基材がこの順に積層された電池用膜−電極接合体の片面に、セパレータが積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の両面に第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層及び導電性多孔質基材がこの順に積層された電池用膜−電極接合体の片面に、セパレータが積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の両面に、第1導電性多孔質層及びセパレータがこの順に積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の両面に、第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層及びセパレータがこの順に積層された電池」、「触媒層−電解質膜積層体の両面に、第1導電性多孔質層、導電性多孔質基材及びセパレータがこの順に積層された電池」、及び「触媒層−電解質膜積層体の両面に、第2導電性多孔質層、第1導電性多孔質層、導電性多孔質基材及びセパレータがこの順に積層された電池」をいずれも採用できる。
本発明においては、一旦作製した本発明の電池用ガス拡散層1又は電池用部材2を後述の触媒層−電解質膜積層体31の片面又は両面に積層させれば、膜−電極接合体3又は電池4を作製することができる。この場合、電池用ガス拡散層1又は電池用部材2を触媒層−電解質膜積層体31に一体化させることが好ましい。この場合も、電池用ガス拡散層1又は電池用部材2を下方になるようにした場合に、電池用ガス拡散層1又は電池用部材2が、触媒層−電解質膜積層体31から5分以上剥れ落ちない程度に接着していることが好ましい。
(4−1)触媒層−電解質膜積層体31
電解質膜311
電解質膜311は、水素イオン伝導性や水酸化物イオン伝導性の電解質膜であればよく、水素イオン伝導性電解質膜や水酸化物イオン伝導性電解質膜等の公知又は市販の電解質膜を使用できる。水素イオン伝導性電解質膜の具体例としては、例えば、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)膜、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)膜、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)膜、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)膜等が挙げられる。また、水酸化物イオン伝導性電解質膜の具体例としては、炭化水素系の電解質膜として、旭化成(株)製のアシプレックス(登録商標)A−201,211,221等、トクヤマ(株)製のネオセプタ(登録商標)AM−1、AHA等を挙げることができ、フッ素樹脂系の電解質膜として、東ソー(株)製のトスフレックス(登録商標)IE−SF34,FuMatech社製のFumapem(登録商標)FAA等を挙げることができる。
電解質膜311の膜厚は、通常20μm〜250μm程度、特に20μm〜150μm程度が好ましい。
また、本発明の電池用膜−電極接合体3を金属空気電池用として使用する場合には、固体の電解質膜に限られず、ゲル状や液状の電解液を使用することも可能である。この場合の電解液に使用される材料は、特に制限されず、従来から金属空気電池に使用される公知又は市販の材料を使用することができる。例示すると、電解液は負極の金属に対応して選択されるが、水、食塩水、アルカリ性溶液、負極の金属の金属塩溶液等が適宜使用される。
触媒層312
触媒層312は、触媒を含有していればよく、例えば、炭素粒子に触媒粒子を担持させたものを用いてもよい。さらに触媒層312は、触媒の他に高分子重合体を含有してもよい。
触媒としては、例えば、白金や白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄、コバルト等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、白金との合金等が挙げられる。なお、通常は、触媒層に含まれる触媒は白金である。
炭素粒子は、導電性を有しているものであればよく、公知又は市販のものを広く使用できる。例えば、カーボンブラックや、黒鉛、活性炭等を1種又は2種以上で用いることができる。カーボンブラックの例としては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等を挙げることができる。炭素粒子の算術平均粒子径は通常5nm〜200nm程度、好ましくは20nm〜80nm程度である。この炭素粒子の平均粒子径は、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製により測定する。
高分子重合体としては、公知の材料を使用できる。具体的には、イオン伝導性高分子電解質、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル−アクリル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素ゴム、シリコーンゴム等も挙げられる。これらの高分子重合体は、単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせてもよい。
また、イオン伝導性高分子電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素系イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このようなイオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。イオン伝導性高分子電解質含有溶液中に含まれるイオン伝導性高分子電解質の濃度は、通常5質量%〜60質量%程度、好ましくは20質量%〜40質量%程度である。
触媒層312の厚みは、例えば、通常1μm〜100μm程度、好ましくは2μm〜50μm程度とすることが好ましい。
なお、触媒層312には、撥水剤として、フッ素樹脂等の他、非ポリマー系フッ素材料であるフッ化ピッチ、フッ化カーボン、フッ化黒鉛等を添加することもできる。
金属空気電池の場合、正極に使用する触媒は、上記のアノード触媒又はカソード触媒で用いた触媒の他に、二酸化マンガン、金、活性炭、イリジウム酸化物、ペロブスカイト型複合酸化物、金属含有顔料等が使用できる。これらの触媒粉末を上記の撥水剤をバインダーとして分散して塗布することにより触媒層312を形成できる。あるいは蒸着が可能な材料は蒸着により触媒層312を形成することができる。または、金属塩溶液を電極上で還元して金属を微細な形状に析出させて触媒層312を形成することができる。
また、負極の金属は、どのような空気電池を構成するかにより金属が選択される。リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、及び鉄(Fe)等の金属、合金あるいは金属化合物が負極活物質として使用することができる。負極と電解液との接触面積を多くするため、負極は微細な空孔を持っていることが好ましい。
触媒層−電解質膜積層体31の製造方法
触媒層−電解質膜積層体31は、例えば、基材の片面に触媒層312が形成された触媒層形成用転写フィルムを用いて、触媒層312と電解質膜311とが対面するように触媒層形成用転写フィルムを配置し、加温条件下で加圧して触媒層312を電解質膜311に転写した後、転写フィルムを剥離することにより製造することができる。なお、この操作を2回繰り返せば、電解質膜311の両面に触媒層312が積層された触媒層−電解質膜積層体31を製造することができるが、作業性等を考慮すると、触媒層312を電解質膜311の両面に同時に積層するのがよい。この際形成される触媒層312は、片方がアノード触媒層、他方がカソード触媒層である。アノード触媒層とカソード触媒層とは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、触媒層−電解質膜積層体31の片面に本発明のガス拡散層1又は電池用部材2を積層する場合、アノード触媒層上に積層してもよいし、カソード触媒層上に積層してもよい。
転写する際には、触媒層形成用転写フィルムの基材フィルム側から、公知のプレス機等を用いて加圧することが好ましい。その際の加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5MPa〜10MPa程度、特に1MPa〜8MPa程度が好ましい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために、加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、使用する電解質膜の種類により適宜変更することが好ましい。
なお、基材フィルムとしては、特に制限されることはなく、上述の基材と同様の基材を使用できる。例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン等の高分子フィルムを挙げることができる。また、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。これらのなかでも、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
基材フィルムの厚さは、基材フィルム上に触媒層312を形成させる作業性、経済性等の観点から、通常6μm〜150μm程度、特に12μm〜75μm程度とするのが好ましい。
また、基材フィルムは、離型層が積層された基材フィルムであってもよい。離型層としては、例えば、公知のワックスから構成された層、公知のSiOx、フッ素系樹脂でコーティングされたプラスチックフィルム等が挙げられる。また、基材フィルム上に離型性の高いフィルムを積層して構成されたもの、例えば、PET基材と耐熱フッ素樹脂基材との積層体等の構造を有しているものでもよい。
また、前記触媒層312を前記電解質膜311上に形成する方法としては、上記の転写による触媒層312の形成方法の他にも、前記電解質膜311に前記触媒層形成用組成物を塗布して形成してもよい。この際の条件等は公知のものを採用できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料>
第1導電性多孔質層形成用組成物及び第2導電性多孔質層形成用組成物の調製には、以下に示す材料を使用した。
導電性炭素粒子:ファーネスブラック(バルカンxc72R:キャボット社製)、平均分子量1000〜3000、平均粒子径:30nm
変性ポリオレフィン樹脂:アウローレン350S(日本製紙(株)製;固形分10質量%)
高分子重合体:Solef21216/1001(ソルベイソレクシス(株)製;PVDF;固形分10wt%)、Tg:−30℃。
実施例1
導電性炭素粒子100質量部、変性ポリオレフィン樹脂500質量部(固形分50質量部)、及びメチルシクロヘキサン(MCH)1000質量部をメディア分散により分散させることにより第1導電性多孔質層形成用組成物を調合した。この第1導電性多孔質層形成用組成物を、離型層が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターを用いて約50μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、PETフィルム上に第1導電性多孔質層(1)を作製した。その後、第1導電性多孔質層(1)を離型層が形成されたPETフィルムから剥離し、第1導電性多孔質層(1)(実施例1の電池用ガス拡散層)を得た。
次に、得られた第1導電性多孔質層(1)を、金属メッシュ(SUS304 φ0.05×180m/s;φは線径、m/sは1インチ×1インチ中に存在する網目の数である)の表面に配置し、プレス温度60℃、プレス圧2MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第1導電性多孔質層(1)と金属メッシュとが一体化した電池用ガス拡散層(金属メッシュを備える実施例1の電池用ガス拡散層)を作製した。この電池用ガス拡散層において、第1導電性多孔質層(1)を金属メッシュに対して下方になるようにした場合に第1導電性多孔質層(1)が、金属メッシュから5分以上剥れ落ちない程度に接着していた。
実施例2
実施例1と同様にして、第1導電性多孔質層(1)を作製した。
次に、導電性炭素粒子100質量部、高分子重合体500質量部(固形分50質量部)、及びメチルエチルケトン(MEK)1000質量部をメディア分散により分散させることにより第2導電性多孔質層形成用組成物を調合した。この第2導電性多孔質層形成用組成物を、第1導電性多孔質層(1)上にアプリケーターを用いて約50μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、第1導電性多孔質層(1)上に第2導電性多孔質層(1)を作製し、第1導電性多孔質層(1)及び第2導電性多孔質層(1)の積層体(実施例2の電池用ガス拡散層)を得た。
次に、得られた実施例2の電池用ガス拡散層が有する第1導電性多孔質層(1)を、金属メッシュ(SUS304 φ0.05×180m/s)と接するように配置し、プレス温度60℃、プレス圧2MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第1導電性多孔質層(1)及び第2導電性多孔質層(1)の積層体と金属メッシュとが一体化した電池用ガス拡散層(金属メッシュを備える実施例2の電池用ガス拡散層)を作製した。この電池用ガス拡散層において、第1導電性多孔質層(1)を金属メッシュに対して下方になるようにした場合に第1導電性多孔質層(1)が、金属メッシュから5分以上剥れ落ちない程度に接着していた。
比較例1
導電性炭素粒子100質量部、高分子重合体500質量部(固形分50質量部)、及びメチルエチルケトン(MEK)1000質量部をメディア分散により分散させることにより第2導電性多孔質層形成用組成物を調合した。この第2導電性多孔質層形成用組成物を、離型層が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターを用いて約50μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、PETフィルム上に第2導電性多孔質層(1)を作製した。その後、第2導電性多孔質層(1)を離型層が形成されたPETフィルムから剥離し、第2導電性多孔質層(1)(比較例1の電池用ガス拡散層)を得た。
次に、得られた第2導電性多孔質層(1)を、金属メッシュ(SUS304 φ0.05×180m/s)の表面に配置し、プレス温度200℃、プレス圧10MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第2導電性多孔質層(1)と金属メッシュとが積層した電池用ガス拡散層(金属メッシュを備える比較例1の電池用ガス拡散層)を作製した。第2導電性多孔質層(1)を金属メッシュに対して下方になるようにした場合に第2導電性多孔質層(1)が、金属メッシュから5分以上剥れ落ちない程度に接着していた。
比較例2
比較例1と同様にして、第2導電性多孔質層(1)を得た。
次に、得られた第2導電性多孔質層(1)を、金属メッシュ(SUS304 φ0.05×180m/s)の表面に配置し、プレス温度60℃、プレス圧2MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第2導電性多孔質層(1)と金属メッシュとが積層した電池用ガス拡散層(金属メッシュを備える比較例2の電池用ガス拡散層)を作製した。しかしながら、第2導電性多孔質層(1)は、金属メッシュとはほとんど接着しておらず、第2導電性多孔質層(1)を金属メッシュに対して下方になるようにした場合にすぐに剥れ落ちた。
実施例3
実施例1と同様にして、第1導電性多孔質層(1)を作製した。
次に、得られた第1導電性多孔質層(1)を、市販の金属セパレータの流路が形成された側の表面に配置し、プレス温度60℃、プレス圧2MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第1導電性多孔質層(1)と金属セパレータとが一体化した電池用部材(第1導電性多孔質層(1)と金属セパレータとを備える実施例3の電池用部材)を作製した。この電池用部材において、第1導電性多孔質層(1)を金属セパレータに対して下方になるようにした場合に第1導電性多孔質層(1)が、金属セパレータから5分以上剥れ落ちない程度に接着していた。
実施例4
実施例1と同様にして、第1導電性多孔質層(1)及び第2導電性多孔質層(1)の積層体を作製した。
次に、得られた積層体が有する第1導電性多孔質層(1)を、市販の金属セパレータの流路が形成された側の表面と接するように配置し、プレス温度60℃、プレス圧2MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第1導電性多孔質層(1)及び第2導電性多孔質層(1)の積層体と金属セパレータとが一体化した電池用ガス部材(第1導電性多孔質層(1)と第2導電性多孔質層(1)と金属セパレータとを備える実施例4の電池用部材)を作製した。この電池用部材において、導電性多孔質層(第1導電性多孔質層(1)及び第2導電性多孔質層(1))を金属セパレータに対して下方になるようにした場合に導電性多孔質層(第1導電性多孔質層(1)及び第2導電性多孔質層(1))が、金属セパレータから5分以上剥れ落ちない程度に接着していた。
比較例3
比較例1と同様にして、第2導電性多孔質層(1)を得た。
次に、得られた第2導電性多孔質層(1)を、市販の金属セパレータの流路が形成された側の表面に配置し、プレス温度200℃、プレス圧10MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第2導電性多孔質層(1)と金属セパレータとが積層した電池用部材(第2導電性多孔質層(1)と金属セパレータとを備える比較例3の電池用部材)を作製した。第2導電性多孔質層(1)を金属セパレータに対して下方になるようにした場合に第2導電性多孔質層(1)が、金属セパレータから5分以上剥れ落ちない程度に接着していた。
比較例4
比較例1と同様にして、第2導電性多孔質層(1)を得た。
次に、得られた第2導電性多孔質層(1)を、市販の金属セパレータの流路が形成された側の表面に配置し、プレス温度60℃、プレス圧2MPa、プレス時間180秒の条件で熱プレスをすることにより、第2導電性多孔質層(1)と金属セパレータとが積層した電池用部材(第2導電性多孔質層(1)と金属セパレータとを備える比較例4の電池用部材)を作製した。しかしながら、第2導電性多孔質層(1)は、金属セパレータとはほとんど接着しておらず、第2導電性多孔質層(1)を金属セパレータに対して下方になるようにした場合にすぐに剥れ落ちた。
密着性評価
実施例1〜4及び比較例1〜4で得た金属メッシュ又は金属セパレータを備える電池用ガス拡散層又は電池用部材において、導電性多孔質層と金属メッシュ又は金属セパレータとの密着性を評価した。具体的には、
A:導電性多孔質層側を金属メッシュ又は金属セパレータに対して下方になるようにした場合に導電性多孔質層が金属メッシュ又は金属セパレータから5分以上剥がれ落ちなかった
C:導電性多孔質層側を金属メッシュ又は金属セパレータに対して下方になるようにした場合に導電性多孔質層が金属メッシュ又は金属セパレータから剥がれ落ちるまでの時間は5分未満であった
と判断した。結果を表1に示す。
厚みの変化の評価
実施例1〜4及び比較例1〜4で得た金属メッシュ又は金属セパレータを備える電池用ガス拡散層又は電池用部材において、導電性多孔質層の厚み方向の潰れが発生して、空隙の潰れが生じているか否かを評価した。具体的には、実施例1〜4及び比較例1〜4で得た金属メッシュ又は金属セパレータを備える電池用ガス拡散層又は電池用部材から金属メッシュ又は金属セパレータを剥離し、導電性多孔質層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、
A:金属メッシュ又は金属セパレータと接触した箇所の導電性多孔質層の厚みの変化がないか、ほとんどない
B:金属メッシュ又は金属セパレータと接触した箇所の導電性多孔質層の厚みの変化が1/3未満である
C:金属メッシュ又は金属セパレータと接触した箇所の導電性多孔質層の厚みの変化が1/3以上である
と判断した。結果を表1に示す。
触媒層側表面の外観変化
実施例1〜4及び比較例1〜4で得た金属メッシュ又は金属セパレータを備える電池用ガス拡散層又は電池用部材において、導電性多孔質層表面が金属メッシュ又は金属セパレータの影響を受けて変形しているか否かを評価した。具体的には、実施例1〜4及び比較例1〜4で得た金属メッシュ又は金属セパレータを備える電池用ガス拡散層又は電池用部材において、導電性多孔質層の金属メッシュ又は金属セパレータと接していなかった表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、
A:金属メッシュ又は金属セパレータと一体化する前の導電性多孔質層の表面と比較して外観に変化がないか、ほとんどない
C:金属メッシュ又は金属セパレータと一体化する前の導電性多孔質層の表面と比較して外観の変化が大きい
と判断した。結果を表1に示す。
基材剥離後外観変化
実施例1〜4及び比較例1〜4で得た各導電性多孔質層が、基材から剥離しやすいか否かを評価した。具体的には、実施例1〜4及び比較例1〜4において、基材上に各導電性多孔質層を形成した後に、基材を剥離する際に、
A:導電性多孔質層に割れが発生しない
C:導電性多孔質層に割れが発生する
と判断した。結果を表1に示す。
以上の結果、実施例1〜4では、導電性多孔質層の空隙を潰すことなく、金属メッシュ又は金属セパレータと好適に一体化することができていた。また、導電性多孔質層の表面が金属メッシュ又は金属セパレータの影響を受けたり、基材剥離後に割れが発生したりすることもなかった。
それに対して、比較例1及び3では、導電性多孔質層と金属メッシュ又は金属セパレータとを確実に一体化させるために強い条件で熱プレスしたためか、導電性多孔質層の空隙が潰れており、また、導電性多孔質層の表面が金属メッシュ又は金属セパレータの影響を受けて、触媒層と接する側の導電性多孔質層表面まで金属メッシュ痕又は金属セパレータ痕が発生し、外観表面が発生していた。
また、比較例2及び4では、導電性多孔質層の空隙を潰さないために弱い条件で熱プレスしたためか、導電性多孔質層と金属メッシュ又は金属セパレータとを十分に一体化させることはできなかった。
1 電池用ガス拡散層
11 第1導電性多孔質層
12 第2導電性多孔質層
13 導電性多孔質基材
2 電池用部材
21 セパレータ
3 電池用膜−電極接合体
31 触媒層−電解質膜積層体
311 電解質膜
312 触媒層
4 電池

Claims (15)

  1. 導電性炭素材料と、酸変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、及びアルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む第1導電性多孔質層を備える電池用ガス拡散層。
  2. 前記第1導電性多孔質層と接するように、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層が積層されている、請求項1に記載の電池用ガス拡散層。
  3. 前記第2導電性多孔質層に含まれる前記高分子重合体は、フッ素樹脂である、請求項2に記載の電池用ガス拡散層。
  4. 前記第1導電性多孔質層と接するように導電性多孔質基材が積層されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用ガス拡散層。
  5. 触媒層、電解質膜及び触媒層が順次積層された触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用ガス拡散層が、前記第1導電性多孔質層が最外層となるように積層されている、電池用膜−電極接合体。
  6. 触媒層、電解質膜及び触媒層が順次積層された触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、請求項4に記載の電池用ガス拡散層が、前記導電性多孔質基材が最外層となるように積層されている、電池用膜−電極接合体。
  7. 請求項5に記載の電池用膜−電極接合体の最外層である前記第1導電性多孔質層と接するように、さらにセパレータが積層されている、電池。
  8. 請求項6に記載の電池用膜−電極接合体の最外層である前記導電性多孔質基材と接するように、さらにセパレータが積層されている、電池。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の電池用ガス拡散層の前記第1導電性多孔質層と接するように、セパレータが積層されている、電池用部材。
  10. 電池用ガス拡散層の製造方法であって、
    (I)基材上に、導電性炭素材料と、酸変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、及びアルコール性水酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む第1導電性多孔質層形成用組成物を用いて第1導電性多孔質層を形成する工程、及び
    (II)前記第1導電性多孔質層から基材を剥離する工程
    を備える、電池用ガス拡散層の製造方法。
  11. さらに、前記工程(II)の後に、
    (III)前記第1導電性多孔質層の上に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層形成用組成物を用いて第2導電性多孔質層を形成する工程
    を備える、請求項10に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
  12. さらに、前記工程(I)と工程(II)との間に、
    (III)前記第1導電性多孔質層の上に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2導電性多孔質層形成用組成物を用いて第2導電性多孔質層を形成する工程
    を備える、請求項10に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
  13. さらに、
    (IV)導電性多孔質基材を前記第1導電性多孔質層に接するように積層する工程
    を備える、請求項10又は11に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
  14. さらに、前記工程(II)の後に、
    (IV)導電性多孔質基材を前記第1導電性多孔質層に接するように積層する工程
    を備える、請求項12に記載の電池用ガス拡散層の製造方法。
  15. (1)請求項1012のいずれかに記載の製造方法により、少なくとも、第1導電性多孔質層を備える電池用ガス拡散層を準備する工程、及び
    (2)セパレータを前記第1導電性多孔質層に接するように積層する工程
    を備える、電池用部材の製造方法。
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