JP6160177B2 - 電池用導電性多孔質層及びそれを用いた電池 - Google Patents

電池用導電性多孔質層及びそれを用いた電池 Download PDF

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Description

本発明は、電池用導電性多孔質層及びそれを用いた電池に関する。
燃料電池、金属空気電池等の電極反応に気体(ガス)を使用する電気化学電池は、その電池性能の向上のため、導電性多孔質層を備えている。
例えば、固体高分子形燃料電池を構成する膜−電極接合体(MEA)は、導電性多孔質層、触媒層、電解質膜、触媒層及び導電性多孔質層が順次積層された構造を有している。
この導電性多孔質層には、一般的にカーボンペーパー、カーボンクロス等の導電性多孔質基材が使用される。更に、この導電性多孔質基材の導電性、ガス拡散性、水の排出性等を向上させる目的から、導電性炭素粒子、撥水性樹脂等を含む導電層を導電性多孔質基材の触媒層側上に形成する場合がある。
しかしながら、導電性多孔質層にカーボンペーパー、カーボンクロス等の導電性多孔質基材を使用すると、これらの導電性多孔質基材は高価であるため、製造コストが著しく増大する。また、全体が炭素材料で構成されていることから硬く且つ脆いため、取扱い性に劣る。
これらの導電性多孔質基材の問題点を改善するために、一方の面の多孔質構造が粗であり、他方の面の層の多孔質構造が密である導電シートが提案されている(特許文献1)。また、炭素材料と樹脂とを含む導電性多孔質基材に相当する層と、導電層に相当する層とを積層して製造するガス拡散層が提案されている(特許文献2)。
特開2000−299113号公報 国際公開第2009/104701号
しかしながら、特許文献1や特許文献2のガス拡散層は、大きい炭素材料を含む層と小さい炭素材料を含む層を積層しており、両層の膜厚や、構成される材料が異なる事から、乾燥やプレス等の加熱工程で両層に生じる応力が異なる事から、カールが生じやすく、集電体等と貼り合わせる際のハンドリング性の点で問題があった。
また、導電性多孔質基材に相当する層には、導電層と比較して大きい炭素材料を使用するため、導電性多孔質基材と集電体との間の接触抵抗を増大させる問題もあった。
これらの課題は、導電性多孔質層を金属空気電池用として用いる場合も同様である。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、大きい炭素材料を含む導電性多孔質基材と、小さい炭素材料を含む導電層を積層してもカールを抑制してハンドリング性を向上させることができ、且つ、集電体との間の接触抵抗を低減することができる電池用導電性多孔質層を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、電池用導電性多孔質層に所望の性能を付与すべく、鋭意研究を重ねてきた。特定の導電性多孔質基材(第2の導電層)の片面のみに特定の撥水層(第1の導電層)を形成するだけでなく、反対側にも特定の第3の導電層を形成することにより、上記課題を解決できる電池用導電性多孔質層を提供できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記の電池用導電性多孔質層及びその応用を包含する。
項1.第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層の少なくとも3層をこの順に有する電池用導電性多孔質層であって、前記第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層は導電性炭素材料及び高分子重合体を含み、前記第1の導電層中の導電性炭素材料の主成分が導電性炭素粒子であり、前記第3の導電層中の導電性炭素材料の主成分が導電性炭素粒子であり、前記第2の導電層中の導電性炭素材料は、導電性炭素繊維及び/又は導電性炭素粒子を含み、前記第2の導電層中の導電性炭素繊維の平均繊維径及び前記第2の導電層中の導電性炭素粒子の平均粒子径は、前記第1の導電層及び第3の導電層中のいずれの導電性炭素粒子の平均粒子径よりも大きい、ガス拡散特性及び/又はガス透過特性を有する電池用導電性多孔質層。
項2.前記第2の導電層の細孔径のピークが、前記第1の導電層の細孔径のピーク及び前記第3の細孔径のピークのいずれよりも大きい、項1に記載の電池用導電性多孔質層。
項3.前記第2の導電層のガス拡散性が、前記第1の導電層のガス拡散性及び前記第3のガス拡散性のいずれよりも大きい、項1又は2に記載の電池用導電性多孔質層。
項4.前記第2の導電層のガス透過性が、前記第1の導電層のガス透過性及び前記第3のガス透過性のいずれよりも大きい、項1〜3のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
項5.前記第2の導電層は、導電性炭素材料として、平均繊維長が5μm〜1mmの導電性炭素繊維を含み、且つ、該導電性炭素繊維は一方向且つ平面方向に配向されている、項1〜4のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
項6.前記第2の導電層の平面方向で最も破断強度の大きい方向の破断強度が、前記最も破断強度の大きい方向と平面視垂直な方向の破断強度の1.2倍以上である、項1〜5のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
項7.前記第1の導電層の厚みが1〜200μmであり、前記第3の導電層の厚みが1〜200μmである、項1〜6のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
項8.前記電池用導電性多孔質層が、燃料電池用又は金属空気電池用ガス拡散層である、項1〜7のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
項9.電解質膜の片面にアノード触媒層又はカソード触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体の前記アノード触媒層又はカソード触媒層の上に、前記アノード触媒層又はカソード触媒層と前記第1の導電層又は第3の導電層とが接するように、項1〜8のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層が積層されている、電池用膜−電極接合体。
項10.電解質膜の片面にアノード触媒層、反対面にカソード触媒層がそれぞれ積層された触媒層−電解質膜積層体の前記アノード触媒層の上、及び前記カソード触媒層の上に、前記アノード触媒層及びカソード触媒層と前記第1の導電層又は第3の導電層とが接するように、それぞれ項1〜8のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層が積層されている、電池用膜−電極接合体。
項11.項9又は10に記載の電池用膜−電極接合体を備える固体高分子形燃料電池。
項12.項9に記載の電池用膜−電極接合体を備える金属空気電池。
項13.前記電池用導電性多孔質層の上に、さらに、集電体が、前記第1の導電層又は前記第3の導電層と前記集電体が接するように形成されている、項11に記載の固体高分子形燃料電池又は項12に記載の金属空気電池。
1.電池用導電性多孔質層
本発明の電池用導電性多孔質層は、第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層の少なくとも3層をこの順に有する積層体からなる。第1の導電層及び第3の導電層は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよく、いずれも、少なくとも導電性炭素材料と、高分子重合体とを含む層である。
<第1の導電層>
第1の導電層は、導電性炭素材料及び高分子重合体を含有する。また、第1の導電層の厚みは限定的ではないが、通常1〜200μm程度、特に5〜150μm程度が好ましい。本発明では、第1の導電層を設けることで、ガス拡散特性、ガス透過特性、水管理特性等に優れた導電性多孔質層を形成することができるとともに、電解質(特に本発明の導電性多孔質層を金属空気電池用に使用した場合の電解液)の漏れを抑制することができる。また、後述する第3の導電層と組合せることで、カールを抑制し、ハンドリング性を向上させた導電性多孔質層を形成することができる。
導電性炭素材料
第1の導電層において、導電性炭素材料としては、導電性炭素粒子を主成分として含む。具体的には、導電性炭素材料は、導電性炭素粒子を50体積%以上含むことが好ましい。
[導電性炭素粒子]
導電性炭素粒子は、導電性を有する炭素材であれば特に限定されず、公知又は市販の材料を使用できる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック;黒鉛;活性炭等が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上で用いることができる。これらの導電性炭素粒子を主成分とする(好ましくは50体積%以上含有する)ことにより、本発明の導電性多孔質層の導電性を向上させることができる。このため、第1の導電層は、導電性が高く、配向性がほとんどない。また、第1の導電層の導電性炭素材料中の導電性炭素粒子の含有比率は、電子顕微鏡(SEM等)観察により判断できる面積比を体積比とみなして算出するものとする。
導電性炭素粒子としてカーボンブラックを使用する場合には、カーボンブラックの平均粒子径(算術平均粒子径)は限定的でなく、通常5〜200nm程度、特に5〜100nm程度が好ましい。またカーボンブラックの凝集体を使用する場合は、平均粒子径(算術平均粒子径)は10〜600nm程度、特に50〜500nm程度が好ましい。また、黒鉛、活性炭等を使用する場合は、平均粒子径は500nm〜40μm程度、特に1μm〜35μm程度が好ましい。つまり、導電性炭素粒子としては、平均粒子径は、5nm〜40μm程度が好ましく、5nm〜35μm程度がより好ましい。この導電性炭素粒子の平均粒子径は、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定するものとする。
[導電性炭素繊維]
第1の導電層には、導電性炭素材料として、導電性炭素粒子だけでなく、導電性炭素繊維も含ませることができる。導電性炭素繊維を配合することにより、第1の導電層形成用ペースト組成物の塗布表面の面質を向上させることができるだけでなく、強度の高いシート状の第1の導電層を作製することも可能となる。第1の導電層で使用される導電性炭素繊維としては、特に制限されるわけではないが、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF(登録商標))、カーボンナノチューブ、カーボンナノカップ、カーボンナノウォール等が挙げられる。これらの導電性炭素繊維は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性炭素繊維の繊維径は、平均が50〜450nm程度が好ましく、100〜250nm程度がより好ましい。このような平均繊維径を有する導電性炭素繊維を使用することで、ナノオーダーの細かい細孔容積を増加させることができ、ガス透過性能、平滑性、水の排出性や保持性等の水管理特性等の効果が期待できる。繊維長は限定的でなく、平均が4〜500μm程度、特に4〜300μm程度、さらに4〜50μm程度、特に10〜20μm程度が好ましい。また、アスペクト比は、平均がおよそ5〜600程度、特に10〜500程度が好ましい。なお、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、原料の導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比であってもよいが、本発明においては製造工程によってあまり変化しないので、第1の導電層中に存在する導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比であってもよい。また、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定するものとする。
高分子重合体
高分子重合体としては、特に限定的ではなく、公知又は市販の材料を使用できる。高分子重合体のガラス転移温度(Tg)は、−100〜300℃程度が好ましく、−60〜250℃程度がより好ましく、−30〜220℃程度がさらに好ましく、−20〜210℃程度が特に好ましい。具体的には、高分子重合体としては、イオン伝導性高分子樹脂(Nafion等)、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル−アクリル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。また、六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素ゴム、シリコーンゴム等も挙げられる。これらの高分子重合体は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。これらのうち、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の接着樹脂を使用し、第2の導電層との接着性や、隣接する部材との接着性を向上させることも可能である。
高分子重合体としてフッ素ゴム等のエラストマーを使用すれば、第1の導電層の柔軟性をより向上させることができる。なお、本明細書において、フッ素ゴムとは、Tgが−30〜100℃程度の材料である。
また、上記エラストマーは、エラストマーエマルジョン(エラストマー粒子を分散させた懸濁液)を使用してもよいし、分散媒に溶解させたエラストマーを用いてもよい。エラストマーエマルジョンを使用する場合には、分散媒にエラストマーを分散させて調製するか、市販品を使用することが好ましい。分散媒としては、例えば、水、エタノール、プロパノール等が挙げられる。また、分散媒に溶解させたエラストマーを使用する場合の分散媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸ビニル、ジメチルアセトアミド(DMA)、イソプロピルアルコール(IPA)等が挙げられる。
また、第1の導電層へ撥水性を付与するため、フッ素系樹脂等の撥水性樹脂を使用することも可能である。特に、高分子重合体として、撥水性に劣る高分子重合体を使用する場合には、撥水性を向上させるために有効である。このようなフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)等が挙げられる。
本発明において、第1の導電層形成用ペースト組成物には、上記の導電性炭素材料及び高分子重合体以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、分散剤、アルコール等を含ませることができる。
分散剤
分散剤は、導電性炭素材料及び高分子重合体を水中で分散させることができる分散剤である限り限定されず、公知又は市販の分散剤が使用できる。このような分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル等のノニオン系分散剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジウムクロリド等のカチオン系分散剤;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、酸性基含有構造変性ポリアクリレート等のアニオン系分散剤等が挙げられる。これらの分散剤は、1種単独又は2種以上で用いることができる。
分散媒
分散媒としては、特に限定されることはなく、公知又は市販のアルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類、エステル類、他の有機溶媒を使用することができ、例えば、炭素数1〜5程度の1価又は多価のアルコール類、総炭素数が2〜5程度のケトン類、炭素数が6〜10程度の芳香族炭化水素類、総炭素数が2〜5程度のエステル類、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン;トルエン;酢酸ビニル;N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
<第2の導電層>
第2の導電層は、導電性炭素材料及び高分子重合体を含有する。また、第2の導電層の厚みは限定的ではないが、通常30〜300μm程度、特に30〜250μm程度が好ましい。本発明では、第2の導電層を設けることで、膜強度、ガス透過特性及びガス拡散特性に優れた導電性多孔質層を形成することができる。
導電性炭素材料
導電性炭素材料としては、特に制限されるわけではないが、導電性炭素繊維、導電性炭素粒子等が挙げられる。また、導電性炭素繊維の平均繊維径及び導電性炭素粒子の平均粒子径は、第1の導電層及び第3の導電層中のいずれの導電性炭素粒子の平均粒子径よりも大きい。このため、第2の導電層は、第1の導電層及び第3の導電層と比較して細孔容積が大きく、また、ガス拡散性及びガス透過性ともに大きい。
[導電性炭素粒子]
導電性炭素粒子を使用することにより、高いガス透過性及びガス拡散性を有する第2の導電層を作製することが可能である。第2の導電層で使用される導電性炭素粒子としては、例えば、黒鉛、活性炭等が挙げられる。
導電性炭素粒子の粒子径は、特に限定されないが、平均が5〜100μm程度、特に6〜80μm程度が好ましい。ただし、導電性炭素粒子の平均粒子径は、上述のように、第1の導電層及び第3の導電層の平均粒子径のいずれよりも大きい。第2の導電層中に複数の導電性炭素粒子を含ませる場合には、大きい方の導電性炭素粒子の平均粒子径が、第1の導電層及び第3の導電層中のいずれの導電性炭素粒子の平均粒子径より大きいことが好ましい。この際、大きい方の導電性炭素粒子の平均粒子径の判別方法としては、第2の導電層に存在する導電性炭素粒子から判別する場合は、電子顕微鏡(SEM)等で数点繊維径を測定し、測定したそれぞれの繊維径の最頻値の内、一番大きい最頻値を大きい方の導電性炭素粒子の平均粒子径とする。また、原料から判別する場合は、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定するものとする。
[導電性炭素繊維]
導電性炭素繊維を配合することにより、より強度の高いシート状の第2の導電層を作製することが可能となる。第2の導電層で使用される導電性炭素繊維は、特に制限されるわけではないが、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
導電性炭素繊維の繊維径は、特に制限されないが、平均が5〜45μm程度が好ましい。ただし、導電性炭素繊維の平均繊維径は、上述のように、第1の導電層及び第3の導電層の平均粒子径のいずれよりも大きい。このような平均繊維径を有する導電性炭素繊維を使用することで、高強度な膜を作製することができ、また、マイクロオーダーの細孔径を形成させることで、高いガス透過性能を得ることができる。繊維長は限定的ではなく、平均が5μm〜1mm、特に10〜600μm程度が好ましい。また、アスペクト比は、平均が1〜50程度、特に2〜40程度が好ましい。なお、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、原料の導電性炭素繊維の繊維径ではなく、第1の導電層中に存在する導電性炭素繊維の繊維径を意味する。また、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定するものとする。
なお、導電性炭素繊維としては、上記の平均繊維径が5〜20μm程度、平均繊維長が5μm〜1mm程度、平均アスペクト比が1〜50の程度の導電性炭素繊維とともに、上記説明した平均繊維径が50〜450nm程度、平均繊維長が4〜500μm程度、平均アスペクト比が5〜600程度の導電性炭素繊維を併用することもできる。このように、サイズの大きい導電性炭素繊維と、サイズの小さい導電性炭素繊維を組合せて使用することにより、ガス拡散性を維持しつつ、導電性を向上させることができる。第2の導電層中にサイズの大きい導電性炭素繊維と、サイズの小さい導電性炭素繊維を含ませる場合には、大きい方の導電性炭素繊維の平均繊維径が、第1の導電層及び第3の導電層中のいずれの導電性炭素粒子の平均粒子径より大きいことが好ましい。この際、大きい方の導電性炭素繊維の平均繊維径の判別方法としては、電子顕微鏡(SEM)等で数点繊維径を測定し、測定したそれぞれの繊維径の最頻値の内、一番大きい最頻値を大きい方の導電性炭素繊維の平均繊維径とする。
なお、上記で説明した導電性炭素材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の導電性炭素材料を用いる場合には、導電性炭素繊維と導電性炭素粒子の両方を用いることもできる。導電性炭素繊維と導電性炭素粒子の両方を用いることにより、導電性炭素材料どうしの接触点が増え、導電性を向上させることができる。
高分子重合体
高分子重合体としては、上述した第1の導電層に用いられる材料と同様の材料を使用できる。即ち、高分子重合体のTgは、−100〜300℃程度が好ましく、−60〜250℃程度がより好ましく、−30〜220℃程度がさらに好ましく、−20〜210℃程度が特に好ましい。具体的には、高分子重合体としては、イオン伝導性高分子樹脂(Nafion等)、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル−アクリル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。また、六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素ゴム、シリコーンゴム等も挙げられる。これらの高分子重合体は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明において、第2の導電層形成用ペースト組成物には、上記の導電性炭素材料及び高分子重合体以外にも、本発明の効果を妨げない範囲で、フッ素系樹脂、分散剤、アルコール等を含ませることもできる。使用できるフッ素系樹脂、分散剤及びアルコールは、第1の導電層に用いられる材料と同様の材料を使用できる。
<第3の導電層>
第3の導電層を構成する材料は、第1の導電層を構成する材料と同様の材料から選択される。また、第3の導電層を構成する材料は、第1の導電層を構成する材料と同一の材料としてもよいし、異なる材料としてもよい。具体的には、以下のとおりである。
第3の導電層は、導電性炭素材料及び高分子重合体を含有する。また、第3の導電層の厚みは限定的ではないが、通常1〜200μm程度、特に5〜150μm程度が好ましい。本発明では、第3の導電層を設けることで、ガス拡散特性、ガス透過特性、水管理特性等に優れた導電性多孔質層を形成することができるとともに、集電体との間の接触抵抗を低減することができる。また、第1の導電層と組合せることで、カールを抑制し、ハンドリング性を向上させた導電性多孔質層を形成することができる。
導電性炭素材料
第3の導電層において、導電性炭素材料としては、導電性炭素粒子を主成分として含む。具体的には、導電性炭素材料は、導電性炭素粒子を50体積%以上含むことが好ましい。
[導電性炭素粒子]
導電性炭素粒子は、導電性を有する炭素材であれば特に限定されず、公知又は市販の材料を使用できる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック;黒鉛;活性炭等が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上で用いることができる。これらの導電性炭素粒子を主成分とする(好ましくは50体積%以上含有する)ことにより、本発明の導電性多孔質層の導電性を向上させることができる。このため、第3の導電層は、導電性が高く、配向性がほとんどない。また、第3の導電層の導電性炭素材料中の導電性炭素繊維の含有比率は、電子顕微鏡(SEM等)観察により判断できる面積比を体積比とみなして算出するものとする。
導電性炭素粒子としてカーボンブラックを使用する場合には、カーボンブラックの平均粒子径(算術平均粒子径)は限定的でなく、通常5〜200nm程度、特に5〜100nm程度が好ましい。またカーボンブラックの凝集体を使用する場合は、平均粒子径(算術平均粒子径)は10〜600nm程度、特に50〜500nm程度が好ましい。また、黒鉛、活性炭等を使用する場合は、平均粒子径は500nm〜40μm程度、特に1μm〜35μm程度が好ましい。つまり、導電性炭素粒子としては、平均粒子径は、5nm〜40μm程度が好ましく、5nm〜35μm程度がより好ましい。サイズの大きい導電性炭素粒子を使用した場合と比較して、集電体との間の接触抵抗をより低減することも可能である。この導電性炭素粒子の平均粒子径は、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定するものとする。
[導電性炭素繊維]
第3の導電層には、導電性炭素材料として、導電性炭素粒子だけでなく、導電性炭素繊維も含ませることができる。導電性炭素繊維を配合することにより、第3の導電層形成用ペースト組成物の塗布表面の面質を向上させることができるだけでなく、強度の高いシート状の第3の導電層を作製することも可能となる。第3の導電層で使用される導電性炭素繊維としては、特に制限されるわけではないが、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF(登録商標))、カーボンナノチューブ、カーボンナノカップ、カーボンナノウォール等が挙げられる。これらの導電性炭素繊維は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性炭素繊維の繊維径は、平均が50〜450nm程度が好ましく、100〜250nm程度がより好ましい。このような平均繊維径を有する導電性炭素繊維を使用することで、ナノオーダーの細かい細孔容積を増加させることができ、ガス透過性能、平滑性、水の排出性や保持性等の水管理特性等の効果が期待できる。また、サイズの大きい導電性炭素繊維を使用した場合と比較して、集電体との間の接触抵抗をより低減することも可能である。繊維長は限定的でなく、平均が4〜500μm程度、特に4〜300μm程度、さらに4〜50μm程度、特に10〜20μm程度が好ましい。また、アスペクト比は、平均がおよそ5〜600程度、特に10〜500程度が好ましい。なお、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、原料の導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比であってもよいが、本発明においては製造工程によってあまり変化しないので、第3の導電層中に存在する導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比であってもよい。また、導電性炭素繊維の繊維径、繊維長及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定するものとする。
高分子重合体
高分子重合体としては、特に限定的ではなく、公知又は市販の材料を使用できる。高分子重合体のガラス転移温度(Tg)は、−100〜300℃程度が好ましく、−60〜250℃程度がより好ましく、−60〜220℃程度がさらに好ましく、−60〜210℃程度が特に好ましい。特に、第3の導電層が後述の集電体と接する場合には、接着性を向上させるため、Tgの低い高分子重合体を用いることが好ましく、高分子重合体のTgは−60〜220℃が好ましく、−60〜210℃程度がより好ましい。
具体的には、高分子重合体としては、イオン伝導性高分子樹脂(Nafion等)、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル−アクリル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。また、六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素ゴム、シリコーンゴム等も挙げられる。これらの高分子重合体は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。これらのうち、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の接着樹脂を使用し、第2の導電層との接着性や、隣接する部材との接着性を向上させることも可能である。
高分子重合体としてフッ素ゴム等のエラストマーを使用すれば、第3の導電層の柔軟性をより向上させることができる。なお、本明細書において、フッ素ゴムとは、Tgが−30〜100℃程度の材料である。
また、上記エラストマーは、エラストマーエマルジョン(エラストマー粒子を分散させた懸濁液)を使用してもよいし、分散媒に溶解させたエラストマーを用いてもよい。エラストマーエマルジョンを使用する場合には、分散媒にエラストマーを分散させて調製するか、市販品を使用することが好ましい。分散媒としては、例えば、水、エタノール、プロパノール等が挙げられる。また、分散媒に溶解させたエラストマーを使用する場合の分散媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸ビニル、ジメチルアセトアミド(DMA)、イソプロピルアルコール(IPA)等が挙げられる。
また、第3の導電層へ撥水性を付与するため、フッ素系樹脂等の撥水性樹脂を使用することも可能である。特に、高分子重合体として、撥水性に劣る高分子重合体を使用する場合には、撥水性を向上させるために有効である。このようなフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)等が挙げられる。
本発明において、第3の導電層形成用ペースト組成物には、上記の導電性炭素材料及び高分子重合体以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、分散剤、アルコール等を含ませることができる。使用できる分散剤及びアルコールは、第1の導電層に用いられる材料と同様の材料を使用できる。
<第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層の特徴>
本発明において、第1の導電層の細孔径分布は、10nm〜5μm、好ましくは20nm〜5μmの細孔容積が、細孔容積全体の50%以上であることが好ましい。細孔径分布は、自動ポロシメーター オートポアIV9500((株)島津製作所製)等により測定するものとする。この細孔径分布は、例えば、平均繊維径が50〜450nm程度の導電性炭素繊維、高分子重合体、平均粒子径(算術平均粒子径)が5〜200nmの導電性炭素粒子、平均粒子径が500nm〜40μmの導電性炭素粒子(黒鉛、活性炭等)の使用等により達成することができる。
また、第2の導電層の細孔径分布は、5〜200μm、好ましくは5〜50μmの細孔容積が、細孔容積全体の50%以上であることが好ましい。細孔径分布は、自動ポロシメーター オートポアIV9500((株)島津製作所製)等により測定するものとする。この細孔径分布は、例えば、平均繊維径が5μm以上の導電性炭素繊維、平均粒子径が5μm以上の導電性炭素粒子、高分子重合体の使用等により達成することができる。
さらに、第3の導電層の細孔径分布は、10nm〜5μm、好ましくは20nm〜5μmの細孔容積が、細孔容積全体の50%以上であることが好ましい。細孔径分布は、自動ポロシメーター オートポアIV9500((株)島津製作所製)等により測定するものとする。この細孔径分布は、例えば、平均繊維径が50〜450nm程度の導電性炭素繊維、高分子重合体、平均粒子径(算術平均粒子径)が5〜200nmの導電性炭素粒子、平均粒子径が500nm〜40μmの導電性炭素粒子(黒鉛、活性炭等)の使用等により達成することができる。
上記した第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層の細孔分布の関係としては、第2の導電層の細孔径のピークが、第1の導電層の細孔径のピーク及び第3の導電層の細孔径のピークのいずれよりも大きいことが好ましい。これにより、第2の導電層を、第1の導電層及び第3の導電層のいずれよりもガス拡散性及びガス透過性を大きくすることができ、これにより、ガスが供給された側の導電層(集電体と接する導電層;第1の導電層又は第3の導電層)から第2の導電層へ透過するガスの量を制御することが可能となり、透過されたガスは第2の導電層で均一に拡散されることが可能となり、さらに、第2の導電層で均一に拡散されたガスが、前記ガスが供給された側の導電層とは反対側の導電層(第3の導電層又は第1の導電層)へ供給され、第3の導電層又は第1の導電層により隣接する層(固体高分子形燃料電池の場合は触媒層、金属空気電池の場合は正極や電解液)へ透過するガスの量を制御することができる。このため、満遍なくガスを供給することができる。本明細書において、細孔径のピークとは、自動ポロシメーター オートポアIV9500((株)島津製作所製)を用いて、導電層に含まれる細孔の細孔径と細孔容積とを測定し、ついでこれらの数値から細孔径と細孔容積との関係をグラフ化し、細孔容積が最大になるときの細孔径を、「細孔径のピーク」と称する。本発明においては、第1、第2、第3の各導電層中に導電性炭素粒子及び導電性炭素繊維の両方が入っている場合にも、上記測定基準に従う。
上記した第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層のガス拡散性の関係としては、第2の導電層を、第1の導電層及び第3の導電層のいずれよりもガス拡散性を大きくすることが好ましい。これにより、上記と同様に、ガスが供給された側の導電層(第1の導電層又は第3の導電層)から透過されたガスを均一に拡散し、第1及び第3の導電層へ満遍なくガスを供給することができる。このガス拡散性は、JIS−P8117に規定された方法にしたがい、測定サンプルをガスが拡散及び透過しないフィルム(シリコンフィルム)の上に設置して、空気100mlが拡散する時間を測定することにより、評価するものとする。本発明においては、この方法で測定されたガス拡散性(拡散する時間)について、第2の導電層の拡散する時間が、第1の導電層及び第3の導電層の拡散する時間双方の0.1〜1倍であることが好ましい。
上記した第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層のガス透過性の関係としては、第2の導電層を、第1の導電層及び第3の導電層のいずれよりもガス透過性を大きくすることが好ましい。これにより、ガス透過性が大きい第2の導電層を第1の導電層と第3の導電層で挟持しているので、導電性多孔質層全体が厚くなっても、導電性多孔質層として適性なガス透過性を持つことができ、導電性多孔質層全体のガス透過性を確保することができる。このガス透過性は、JIS−P8117に規定された方法にしたがい、空気100mlが透過する時間を測定することにより、評価するものとする。本発明においては、この方法で測定されたガス透過性について、第2の導電層のガス透過性が、第1の導電層及び第3の導電層のガス透過性双方の0.0001〜1倍であることが好ましい。
本発明においては、第2の導電層の最も破断強度の大きい方向の破断強度は、0.5MPa以上が好ましく、1.0MPa以上がより好ましい。なお、第2の導電層の最も破断強度の大きい方向の破断強度の上限値は、特に制限されないが、通常10MPa程度である。
第2の導電層の破断強度については、第2の導電層の最も破断強度の大きい方向の破断強度が、上記最も破断強度の大きい方向と平面視垂直な方向の破断強度の1.2倍以上が好ましく、1.4倍以上がより好ましい。この比率の上限値は、特に制限されないが、通常3倍程度である。なお、第2の導電層が導電性炭素繊維を含む場合は、導電性炭素繊維を含む層を塗布法で作製すると、塗布時に特に表面の繊維が塗布方向に並びやすいことから、塗布方向の破断強度が最も破断強度の高い方向となりやすい。本発明において、塗布する方向と平行な方向をMD方向と言い、塗布する方向と平面視垂直な方向をTD方向と言う。
また、本発明において、第2の導電層の破断強度は、第2の導電層単独で、例えば、AUTOGRAPH AG-IS((株)島津製作所製)を使用して、常温(例えば5〜35℃;JIS−Z8703)、常湿(例えば45〜85%;JIS−Z8703)の雰囲気下で引張測定(幅10mm、長さ30mm、引張り速度3mm/min等の条件)を行うことで測定するものとする。
このように、第2の導電層は、破断強度異方性を有している場合、従来からガス拡散層として使用され、破断強度異方性の少ないカーボンペーパー等と比較すると導電性多孔質層作製時にカールが発生しやすい。なお、カーボンペーパーの破断強度異方性については、東レ(株)製のTGP−H−060を例にとり言及すると、MD方向の破断強度:約8.1MPa、TD方向の破断強度:約7.6MPa、MD方向の破断強度/TD方向の破断強度:約1.07である。このように、第2の導電層が、導電性多孔質層作製時にカールが発生しやすい傾向は、導電性炭素材料として平均繊維長が5μm〜1mmの導電性炭素繊維を用い、且つ、当該導電性炭素繊維が一方向且つ平面方向に配向されている場合に特に顕著である。この場合、「一方向」とは、約1/4以上の導電性炭素繊維の繊維軸が、第2の導電層を作製するために第2の導電層形成用ペースト組成物を塗布する方向とほぼ同じ方向を向いていることを示す。また、「平面方向」とは、約半数以上の導電性炭素繊維の繊維軸が、ほぼ第2の導電層の平面に沿っていることを示す。本発明は、このように、第2の導電層がカールしやすい場合であっても、第1の導電層及び第3の導電層をともに形成することで、導電性多孔質層作製時のカールを抑制することができる。
本発明においては、上述したとおり、第1の導電層及び第3の導電層の厚みは1〜200μmが好ましく、第2の導電層の厚みは30〜300μmが好ましい。
第1の導電層の厚みと第3の導電層の厚みとは、同一でもよいし、異なっていてもよい。導電性多孔質層作製時のカール抑制の観点からは、第1の導電層の厚みと第3の導電層の厚みとが同程度であることが好ましく、同一であることがより好ましい。なお、第1の導電層と第3の導電層の厚みが同程度であるとは、第1の導電層及び第3の導電層の厚みが±10%程度以内のことを言う。また、金属空気電池に適用した場合の電解液の漏れを抑制する観点からは第1の導電層及び第3の導電層のうち、触媒層や電解液と接する側の層の厚みが大きいことが好ましく、集電体との間の接触抵抗を低減する観点からは第1の導電層及び第3の導電層のうち、集電体と接する側の層の厚みが小さいことが好ましい。具体的には、第1の導電層の厚みの第3の導電層の厚みに対する比(第1の導電層の厚み÷第3の導電層の厚み)が、1以上が好ましく、1〜3がより好ましい。
<第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層の製造方法>
本発明において、第1の導電層は、例えば、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第1の導電層形成用ペースト組成物を、基材上に塗布及び乾燥し、基材を剥離することにより得ることができる。第2の導電層も同様に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2の導電層形成用ペースト組成物を、基材上に塗布及び乾燥し、基材を剥離することにより得ることができる。さらに、第3の導電層も同様に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第3の導電層形成用ペースト組成物を、基材上に塗布及び乾燥し、基材を剥離することにより得ることができる。
上記製造法は、第1の導電層、第2導電層及び第3の導電層を薄膜化できる利点を有している。
含有量
第1の導電層形成用ペースト組成物の配合割合は、例えば、導電性炭素材料100重量部に対して、高分子重合体30〜250重量部(特に40〜200重量部)程度、分散剤0〜100重量部(特に5〜50重量部)程度、アルコール等の分散媒0〜1100重量部(特に100〜1000重量部)程度とすることが好ましい。なお、導電性炭素粒子と導電性炭素繊維との含有量の比は10:0(重量比)〜5:5(重量比)程度、特に8:2(重量比)〜5:5(重量比)程度が好ましい。また、撥水性向上のため、フッ素系樹脂を5〜250重量部(好ましくは10〜200重量部)程度含ませてもよい。なお、高分子重合体としてエラストマーエマルジョンを使用する場合には、固形分を上記範囲内とすることが好ましい。
第2の導電層形成用ペースト組成物の配合割合は、例えば、導電性炭素材料100重量部に対して、高分子重合体5〜150重量部(好ましくは10〜100重量部)程度、分散剤0〜100重量部(好ましくは5〜50重量部)程度、アルコール等の分散媒0〜500重量部(好ましくは10〜400重量部)程度とすることが好ましい。なお、導電性炭素繊維及び導電性炭素粒子をともに含む場合には、導電性炭素繊維と導電性炭素粒子との含有量の比は9:1(重量比)〜1:9(重量比)程度、特に8:2(重量比)〜2:8(重量比)程度が好ましい。また、導電性炭素繊維として、平均繊維径が5〜20μm程度、平均繊維長が5μm〜1mm程度、平均アスペクト比が1〜50の程度の導電性炭素繊維とともに、上記説明した平均繊維径が50〜450nm程度、平均繊維長が4〜500μm程度、平均アスペクト比が5〜600程度の導電性炭素繊維を併用する場合には、前者と後者の含有量の比は、9:1(重量比)〜5:5(重量比)程度、特に9:1(重量比)〜7:3(重量比)程度が好ましい。
さらに、高分子重合体としてエラストマーエマルジョンを使用する場合には、固形分を上記範囲内とすることが好ましい。
第3の導電層形成用ペースト組成物の配合割合は、例えば、導電性炭素材料100重量部に対して、高分子重合体30〜250重量部(特に40〜200重量部)程度、分散剤0〜100重量部(特に5〜50重量部)程度、アルコール等の分散媒0〜1100重量部(特に100〜1000重量部)程度とすることが好ましい。なお、導電性炭素粒子と導電性炭素繊維との含有量の比は10:0(重量比)〜5:5(重量比)程度、特に8:2(重量比)〜5:5(重量比)程度が好ましい。また、撥水性向上のため、フッ素系樹脂を5〜250重量部(好ましくは10〜200重量部)程度含ませてもよい。なお、高分子重合体としてエラストマーエマルジョンを使用する場合には、固形分を上記範囲内とすることが好ましい。
基材は、ペースト組成物を塗布できる基材であれば特に限定されず、公知又は市販の基材を広く使用することができる。このような基材としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパラバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン等の高分子フィルム等を挙げることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等も用いることができる。これらの中でも、耐熱性に優れ、入手のしやすい高分子フィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド等のフィルムが好ましい。
基材には離型層が積層されていることが好ましい。離型層としては、例えば、公知のワックスから構成されたものが挙げられる。また、離型層が積層された基材として、SiOx、フッ素樹脂等でコーティングされたフィルム等を使用してもよい。
基材の厚みは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常6〜100μm程度、特に10〜60μm程度とするのが好ましい。
各ペースト組成物の塗布方法としては、公知又は市販のドクターブレード等のブレード、ワイヤーバー、スキージ等の器具やアプリケーター、ダイコート等を用いて塗布することが好ましい。
各ペースト組成物の塗布量は限定的でないが、例えば、第1の導電層及び第3の導電層では厚みが1〜200μm程度、好ましくは5〜150μm程度となるようにすることが好ましい。また、第2の導電層では厚みが30〜300μm程度、好ましくは50〜250μm程度となるようにすることが好ましい。
また、乾燥温度も限定的ではなく、使用する溶剤(アルコール等)の揮発温度(例えば150℃程度)、高分子重合体のガラス転移温度等の条件により適宜変更することが好ましい。
また、乾燥して第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を得た後、必要に応じてさらに高い温度(例えば150〜500℃程度)で乾燥処理を施してもよい。
さらに、第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層は、その表面(特に他層と接する表面)に、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、金属ブラシ、サンドブラスト等で物理的に表面凹凸をつける機械的処理、マット処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線処理、電子線照射処理、火炎処理等が挙げられる。
一例を示すと、コロナ処理の場合、電極間距離は0.3〜5mm、放電エネルギーは0.5〜5kW、電極はシリコーンゴム被覆電極を用いて、試料は0.1〜50m/分の速度で照射する。
<電池用導電性多孔質層の特徴>
本発明の電池用導電性多孔質層は、上述の第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電性の少なくとも3層をこの順に有する積層体からなる。
このように、本発明では、導電性多孔質層作製時や作製後にカールしやすい第2の導電層を、第1の導電層及び第3の導電層で挟んでいるため、導電性多孔質層作製時や作製後のカールを抑制することができる。また、第1の導電層を設けることにより、金属空気電池用に使用した場合には電解質の漏れを抑制することができるし、第1の導電層中を構成する高分子重合体として撥水性樹脂を採用した場合には、燃料電池用等に好適な撥水性を向上させることも可能である。第3の導電層を設けることにより、集電体との間の接触抵抗を低減することも可能である。さらに、本発明では、第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層は、それぞれ、基材上に第1の導電層、第2の導電層又は第3の導電層形成用ペースト組成物を塗布及び乾燥させ、その後基材から剥離することにより作製し、その後それぞれ積層させるため、従来から使用されるカーボンペーパー等の上に塗布及び乾燥させる場合と比較し、膜厚のバラツキを抑えることができる。
また、上記のとおり、第1の導電層及び第3の導電層は、導電性炭素材料の内導電性炭素粒子を50体積%含むことにより、配向性がほとんどないことから、第2の導電層を第1の導電層及び第3の導電層で挟み込むことにより、カールを抑制できる効果もある。
<導電性多孔質層の製造方法>
本発明の導電性多孔質層は、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層及び必要に応じて他の層を積層することにより作製することができる。
例えば、本発明の電池用導電性多孔質層は、
(IA)導電性炭素材料(50体積%以上が導電性炭素粒子である)及び高分子重合体を含む第1の導電層形成用ペースト組成物を用いて、基材上に塗布及び乾燥し、基材上に第1の導電層を作製する工程、
(IIA)導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2の導電層形成用ペースト組成物を用いて、基材上に塗布及び乾燥し、基材上に第2の導電層を作製する工程、
(IIIA)導電性炭素材料(50体積%以上が導電性炭素粒子である)及び高分子重合体を含む第3の導電層形成用ペースト組成物を用いて、基材上に塗布及び乾燥し、基材上に第3の導電層を作製する工程、並びに
(IV)熱プレスにより、前記第1の導電層、前記第2の導電層、及び前記第3の導電層を一体化する工程
を経ることにより製造される。
工程(IV)において、熱プレスの工程は、1回で行ってもよいし、2回に分けて行ってもよい。
熱プレスの工程を1回で行う場合、第2の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IIA)の後に剥離する。一方、第1の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IA)の後に剥離してもよいし、工程(IV)において一体化した後に剥離してもよい。同様に、第3の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IIIA)の後に剥離してもよいし、工程(IV)において一体化した後に剥離してもよい。
また、熱プレスの工程を2回に分けて行う場合、例えば、工程(IV)は、第1の導電層と第2の導電層とを熱プレスにより一体化した後に、この積層体と第3の導電層とを第2の導電層と第3の導電層とが接するように熱プレスにより一体化する工程であってもよい。この場合、第1の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IA)の後に剥離してもよいし、第1の導電層と第2の導電層とを一体化した後に剥離してもよいし、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層全てを一体化した後に剥離してもよい。第2の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IIA)の後に剥離してもよいし、第1の導電層と第2の導電層とを一体化した後に剥離してもよい。第3の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IIIA)の後に剥離してもよいし、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層全てを一体化した後に剥離してもよい。
同様に、工程(IV)は、第2の導電層と第3の導電層とを熱プレスにより一体化した後に、この積層体と第1の導電層とを第1の導電層と第2の導電層とが接するように熱プレスにより一体化する工程であってもよい。この場合、第1の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IA)の後に剥離してもよいし、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層全てを一体化した後に剥離してもよい。第2の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IIA)の後に剥離してもよいし、第2の導電層と第3の導電層とを一体化した後に剥離してもよい。第3の導電層を作製するために使用する基材は、工程(IIIA)の後に剥離してもよいし、第2の導電層と第3の導電層とを一体化した後に剥離してもよいし、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層全てを一体化した後に剥離してもよい。
また、本発明の導電性多孔質層は、
(Ia)導電性炭素材料(50体積%以上が導電性炭素粒子である)及び高分子重合体を含む第1の導電層形成用ペースト組成物を基材上に塗布及び乾燥し、第1の導電層を作製する工程、
(IIa)前記第1の導電層の上に、導電性炭素材料及び高分子重合体を含む第2の導電層形成用ペースト組成物を塗布及び乾燥し、前記第1の導電層の上に第2の導電層を作製する工程
(IIIa)前記第2の導電層の上に、導電性炭素材料(50体積%以上が導電性炭素粒子である)及び高分子重合体を含む第3の導電層形成用ペースト組成物を塗布及び乾燥し、前記第2の導電層の上に第3の導電層を作製する工程
を備える方法によっても得ることができる。
第1の導電層を作製するために使用した基材は工程(I)の後、工程(IIa)の後、工程(IIIa)の後のいずれの段階で剥離してもよい。
また、例えば、上記の工程(Ia)、工程(IIa)、工程(IIIA)及び工程(IV)を組合せる等のように、塗布方法とプレス方法を組合せることも可能である。
そして、一旦作製した本発明の電池用導電性多孔質層を後述の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に積層して一体化させれば、膜−電極接合体を作製することができる(触媒層−電解質膜積層体の両面に積層させる場合は本発明の電池用導電性多孔質層を2枚使用し、アノード触媒層とカソード触媒層の上に、アノード触媒層及びカソード触媒層と第1の導電層又は第3の導電層とが接するように、それぞれ本発明の電池用導電性多孔質層を積層する)。また、後述の触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面に、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層をこの順に積層させ、本発明の電池用導電性多孔質層の作製と膜−電極接合体の作製を同時に行ってもよい(触媒層−電解質膜積層体の両面に積層させる場合は本発明の電池用導電性多孔質層を2枚使用し、アノード触媒層とカソード触媒層の上に、それぞれ第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層を順に積層する)。
上記製造方法によれば、基材上に第1の導電層、第2の導電層又は第3の導電層形成用ペースト組成物を塗布及び乾燥させ、その後基材から剥離することにより作製し、その後それぞれ積層させるため、従来から使用されるカーボンペーパー等の上に塗布及び乾燥させる場合と比較し、膜厚のバラツキを抑えることができる。
上記工程(IV)において、熱プレスの温度は、特に制限されず、例えば25〜200℃程度の範囲で行うことができる。また、得られた導電性多孔質層をさらに高温度で乾燥処理(例えば150〜500℃程度)を施してもよい。
上述のような方法で第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を積層する場合は、先にその界面に表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、金属ブラシ、サンドブラスト等で物理的に表面凹凸をつける機械的処理、マット処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線処理、電子線照射処理、火炎処理等が挙げられる。
一例を示すと、コロナ処理の場合、電極間距離は0.3〜5mm、放電エネルギーは0.5〜5kW、電極はシリコーンゴム被覆電極を用いて、試料は0.1〜50m/分の速度で照射する。
2.電池用導電性多孔質層−導電性多孔質基材
本発明の導電性多孔質層は、その一方面(例えば、第1の導電層又は第3の導電層の上)に、導電性多孔質基材として、公知又は市販のガス拡散層(カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等)を積層させてもよい。
積層させる際、熱プレスして一体化してもよい。例えば、第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を備える本発明の電池用導電性多孔質層を作成した後、第3の導電層の上にガス拡散層を配置して熱プレスして一体化してもよい。また、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層、及び第3の導電層側に導電性多孔質基材を配置した後、熱プレスして一体化してもよい。
通常用いられるカーボンペーパーの特性について、東レ(株)製のTGP−H−060を例にとり言及すると、厚み:190μm、電気抵抗:厚み方向80mΩ・cm、面方向5.8mΩ・cm、気孔率:78%、嵩密度:0.44g/cm、表面粗さ:8μm、MD方向の破断強度:約8.1MPa、TD方向の破断強度:約7.6MPa、MD方向の破断強度/TD方向の破断強度:約1.07等である。カーボンペーパー等の厚みは限定的ではないが、通常50〜1000μm程度、特に100〜400μm程度とすることが好ましい。
また、導電性多孔質基材は、酸化剤ガスを後述する触媒層へ良好に拡散させるために、金属メッシュ及び金属発泡体等からなる多孔質金属体であってもよい。多孔質金属体を用いることにより、導電性が一段と向上する。多孔質金属体に用いる金属としては、ニッケル、パラジウム等の卑金属、或いは銀、ステンレスチール等を用いることができる。また、耐食性及び導電性を向上するために、上記金属メッシュ及び金属発泡体表面にめっき処理を行ってもよい。めっきの材質は、特に制限されず、白金、ルテニウム、ロジウム、タングステン、タンタル、金、ニッケル等の金属又はこれらの合金;カーボン;エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の耐食性樹脂とカーボンとの複合体等が挙げられる。これらの中でも、高撥水性の観点から、金が好ましい。
導電性多孔質基材は、予め撥水処理が施された基材であることが好ましい。これにより、さらに一段と、導電性多孔質基材の撥水性を向上させることができる。
撥水処理としては、例えば、上記の導電性多孔質基材をフッ素系樹脂等が分散した水分散体中に浸漬する方法等が挙げられる。フッ素系樹脂としては、上述した樹脂等が挙げられる。なお、この際には、水中にフッ素系樹脂を分散させるために、上述した分散剤を用い、フッ素系樹脂及び水系分散剤を含む水系懸濁液として使用することが好ましい。
水分散体中のフッ素系樹脂の含有量は限定的でないが、例えば、水100重量部に対して、1〜30重量部程度、特に2〜20重量部程度とすることが好ましい。
3.電池用導電性多孔質層−集電体
本発明の導電性多孔質層は、その一方面(例えば、第1の導電層又は第3の導電層の上、上述の導電性多孔質基材を積層する場合はその上でもよい)に、公知又は市販の集電体を積層させてもよい。
積層させる際、熱プレスして一体化してもよい。例えば、第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を備える本発明の導電性多孔質層を作製した後、必要に応じて上述の導電性多孔質基材を配置して熱プレスして一体化し、次いで第1の導電層又は第3の導電層の上(上述の導電性多孔質基材を積層する場合はその上でもよい)に集電体を配置して熱プレスして一体化してもよい。また、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層、必要に応じて第3の導電層の上に導電性多孔質基材、及び第1の導電層又は第3の導電層の上(上述の導電性多孔質基材を積層する場合はその上でもよい)に集電体を配置した後、熱プレスして一体化してもよい。
集電体としては、公知又は市販の集電体をいずれも使用することができる。
集電体の材質は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択できる。例えば、ステンレス鋼、銅、チタン、アルミニウム、ロジウム、タンタル、タングステン等の金属又はこれらの少なくとも1種を含む合金;グラファイト;樹脂にカーボンを練りこんだカーボンコンパウンド等が挙げられる。これらの中でも、強度、燃料電池の薄型化及び導電性等の観点から、上記金属又はこれらの少なくとも1種を含む合金が好ましく、チタン及びステンレス鋼がより好ましい。
また、耐食性及び導電性を向上するために、上記集電体表面にめっき処理を行ってもよい。めっきの材質は、特に制限されず、白金、ルテニウム、ロジウム、タングステン、タンタル、金、ニッケル等の金属又はこれらの合金;カーボン;エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の耐食性樹脂とカーボンとの複合体等が挙げられる。これらの中でも、高撥水性の観点から、金が好ましい。
集電体には、ガス流路が形成されている。ガス流路は燃料電池の燃料である水素、空気等を流し、燃料電池の反応によって発生する水を電池外部へと排出するためのものであれば、流路の幅、深さ、形状等は特に制限されず、目的に応じて適宜選択される。通常は、幅0.1mm〜2mm(好ましくは0.5mm〜1.5mm)であり、深さ0.05mm〜2mm(好ましく0.1mm〜1mm)である。
前記ガス流路表面は、凹凸を有していてもよいし、平坦であってもよいが、撥水性向上の観点から、ガス流路表面は凹凸を有していることが好ましい。凹凸を有している場合、その表面粗さは好ましくは5nm〜200nm、より好ましくは5nm〜100nmである。なお、本発明における表面粗さは、JIS B 0601によって準拠して測定された値を示す。
集電体としては、前記ガス流路の一部又は全部に撥水層が形成されており、前記撥水層が硫黄及びその化合物の少なくとも1種からなっているのが好ましい。
また、集電体は、集電体を構成する金属板の少なくとも片面に、好ましくは金属板の両面に、より好ましくは金属板の全表面にリン含有層が形成されている。リン含有層は、固体高分子電解質のスーパアシッド(超酸)による腐食から、金属板の表面を保護する。
リン含有層を構成する物質は、金属板の種類、リン含有層形成の際に使用されるリン化合物の種類等により異なる。
リン含有層を形成の際に使用されるリン化合物としては、公知の無機リン化合物を広く使用でき、例えばリン酸、ポリリン酸等の縮合リン酸及びこれらの塩等が挙げられる。ここで塩としては、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、金属塩が挙げられる。
4.電池用膜−電極接合体
本発明の電池用導電性多孔質層を用いて、電池用膜−電極接合体を作製することもできる。具体的には、電解質膜の片面又は両面に、触媒層(電解質膜の両面に積層させる場合は2枚使用し、アノード触媒層とカソード触媒層の上に、アノード触媒層及びカソード触媒層と第1の導電層とが接するように、それぞれ本発明の電池用導電性多孔質層を積層する)が積層された触媒層−電解質膜積層体の片面又は両面(触媒層の上)に、本発明の導電性多孔質層の第1の導電層又は第3の導電層側を、積層させることができる。
積層させる際、熱プレスして一体化してもよい。例えば、第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を備える本発明の導電性多孔質層を作製した後、第1導電層又は第3の導電層の上に触媒層−電解質膜積層体を配置して熱プレスして一体化してもよい。また、第1導電層、第2導電層、第3の導電層をこの順に配置し、第1の導電層又は第3の導電層側に触媒層−電解質膜積層体を第1の導電層又は第3の導電層と触媒層とが接するように配置した後、熱プレスして一体化してもよい。
なお、本発明の電池用膜−電極接合体を金属空気電池用として使用する場合、特に電解質膜の代わりに液状の電解液を使用する場合には、本発明の電池用導電性多孔質層の第1の導電層又は第3の導電層の上に必要に応じて正極触媒層を積層して、必要に応じて熱プレスして一体化した後に、第1の導電層又は第3の導電層と負極との間に電解液を満たしてもよい。
<触媒層−電解質膜積層体>
電解質膜
燃料電池の場合は、電解質膜は、カチオン伝導性の電解質膜であれば限定的ではなく、カチオン伝導性電解質膜やアニオン伝導性電解質膜等の公知又は市販の電解質膜を使用できる。カチオン伝導性電解質膜の具体例としては、例えば、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)膜、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)膜、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)膜、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)膜等が挙げられる。また、アニオン伝導性電解質膜の具体例としては、炭化水素系の電解質膜として、旭化成(株)製のアシプレックス(登録商標)A−201,211,221等、トクヤマ(株)製のネオセプタ(登録商標)AM−1、AHA等を挙げることができ、フッ素樹脂系の電解質膜として、東ソー(株)製のトスフレックス(登録商標)IE−SF34,FuMatech社製のFumapem(登録商標)FAA等を挙げることができる。
電解質膜の膜厚は、通常20〜250μm程度、特に20〜150μm程度が好ましい。
また、本発明の電池用膜−電極接合体を金属空気電池用として使用する場合には、固体の電解質膜に限られず、ゲル状や液状の電解液を使用することも可能である。この場合の電解液に使用される材料は、特に制限されず、従来から金属空気電池に使用される公知又は市販の材料を使用することができる。例示すると、電解液は負極の金属に対応して選択されるが、水、食塩水、アルカリ性溶液、負極の金属の金属塩溶液等が適宜使用される。
触媒層
燃料電池の場合、触媒層は、公知又は市販の白金含有の触媒層(アノード触媒又はカソード触媒)を使用することができる。具体的には、触媒層は、(1)触媒粒子を担持させた炭素粒子及び(2)イオン伝導性高分子電解質(好ましくはカチオン伝導性高分子電解質)を含有する触媒層形成用ペースト組成物の乾燥物から構成される。
触媒粒子としては、酸化還元反応(例えば燃料電池の場合は負極での水素の酸化及び正極での酸素の還元、金属空気電池の場合は正極での酸素の還元)を起こし触媒活性を有する粒子であれば限定されず、例えば、白金、白金合金、白金化合物等が挙げられる。白金合金としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄、コバルトから選ばれる少なくとも1種の金属と、白金との合金等が挙げられる。
また、カチオン伝導性高分子電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。
触媒層の厚みは限定的ではないが、通常1〜100μm程度、特に2〜50μm程度が好ましい。
なお、触媒層には、撥水剤として、フッ素樹脂等の他、非ポリマー系フッ素材料であるフッ化ピッチ、フッ化カーボン、フッ化黒鉛等を添加することもできる。
空気電池の場合、正極に使用する触媒は、上記のアノード触媒又はカソード触媒で用いた触媒の他に、二酸化マンガン、金、活性炭、イリジウム酸化物、ペロブスカイト型複合酸化物、金属含有顔料等が使用できる。これらの触媒粉末を上記の撥水材をバインダーとして分散して塗布することにより触媒層を形成できる。あるいは蒸着が可能な材料は蒸着により触媒層を形成することができる。または、金属塩溶液を電極上で還元して金属を微細な形状に析出させて触媒層を形成することができる。
また、負極の金属は、どのような空気電池を構成するかにより金属が選択される。リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、および鉄(Fe)などの金属、合金あるいは金属化合物が負極活物質として使用することができる。負極と電解液との接触面積を多くするため、負極は微細な空孔を持っていることが好ましい。
触媒層−電解質膜積層体の製造方法
触媒層−電解質膜積層体は、例えば、基材の片面に触媒層が形成された触媒層形成用転写フィルムを用いて、触媒層と電解質膜とが対面するように触媒層形成用転写フィルムを配置し、加温条件下で加圧して触媒層を電解質膜に転写した後、基材を剥離することにより製造することができる。なお、電解質膜の両面に触媒層を積層する場合には、この操作を2回繰り返せばよいが、作業性等を考慮すると、触媒層を電解質膜の両面に同時に積層するのがよい。
転写する際には、触媒層形成用転写フィルムの基材側から、公知のプレス機等を用いて加圧することが好ましい。その際の加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜10MPa程度、特に1〜8MPa程度が好ましい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために、加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、使用する電解質膜の種類により適宜変更することが好ましい。
なお、基材としては、特に制限されることはなく、上述の基材と同様の基材を使用できる。例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン等の高分子フィルムを挙げることができる。また、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。これらのなかでも、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
基材の厚さは、基材上に触媒層を形成させる作業性、経済性等の観点から、通常6〜150μm程度、特に12〜75μm程度とするのが好ましい。
また、基材は、離型層が積層されたものであってもよい。離型層としては、例えば、公知のワックスから構成された層、公知のSiOx、フッ素系樹脂でコーティングされたプラスチックフィルム等が挙げられる。また、基材上に離型性の高いフィルムを積層して構成されたもの、例えば、PET基材と耐熱フッ素樹脂基材との積層体等の構造を有しているものでもよい。
また、前記触媒層を前記電解質膜上に形成する方法としては、上記の転写による触媒層の形成方法の他にも、前記電解質膜に前記触媒層形成用ペースト組成物を塗布して形成してもよい。この際の条件等は公知のものを採用できる。
5.電池
上記の膜−電極接合体又は導電性多孔質層に公知又は市販の集電体、端子等を設けることにより、本発明の電池(固体高分子形燃料電池、金属空気電池等)を得ることができる。
本発明の導電性多孔質層を金属空気電池用途に使用する場合には、特に制限されるわけではないが、正極触媒層の片面に本発明の導電性多孔質層を積層させて正極とし、セパレータを介して正極触媒層の反対側に負極を配置させて、集電体と負極の間(もしくは負極と正極触媒層の間)に電解質を満たすことができる。この際、本発明の導電性多孔質層は、ガス拡散層として機能する。また、本発明の導電性多孔質層は炭素材料を含むため、上述の正極触媒層を設けずに使用してもよい。この際、導電性多孔質層を構成する層が触媒層及び/又はガス拡散層として機能する。
また、金属空気電池の種類としては、例えばリチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カリウム空気電池、マグネシウム空気電池、カルシウム空気電池、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池等を挙げることができる。また、金属空気電池は一次電池であってもよく、二次電池であってもよい。正極触媒層、負極及び電解質、セパレータ、支持体に使用される材料は、従来から金属空気電池に使用される公知又は市販の材料を使用でき、また、電解質は液体であってもよく、ゲル状や固体であってもよい。
本発明は、大きい炭素を含む導電性多孔質基材と、小さい炭素を含む導電層を積層した場合にもカールを抑制してハンドリング性を向上させることができ、且つ、集電体との間の接触抵抗を低減することができる電池用導電性多孔質層を提供することを目的とする。
実施例1〜2及び比較例1において使用した第2の導電層の表面のSEM写真である。導電性炭素繊維が塗布方向に対してほぼ平行に、且つ表面に沿って配向していることが示唆されている。 従来からガス拡散層として使用されている東レ(株)製のTGP−H−090のSEM写真である。 従来からガス拡散層として使用されているSGLカーボン社製のSGL35BAのSEM写真である。 実施例1における細孔分布の測定結果を示すグラフである。 実施例3における細孔分布の測定結果を示すグラフである。 実施例1の導電性多孔質層の断面SEM写真である。 実施例2の導電性多孔質層の断面SEM写真である。 比較例1の導電性多孔質層の断面SEM写真である。 比較例2の導電性多孔質層の断面SEM写真である。 カール性評価のための試料を説明する概念図である。 カール性を評価する際の切り込みの入れ方を説明する概念図である。 実施例1のカール性の結果を示す写真である。結果を明らかにするために、右側に定規を設置している。 実施例2のカール性の結果を示す写真である。結果を明らかにするために、右側に定規を設置している。 比較例1のカール性の結果を示す写真である。結果を明らかにするために、右側に定規を設置している。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料>
第1の導電層形成用ペースト組成物、第2の導電層形成用ペースト組成物及び第3の導電層形成用ペースト組成物の調製には、以下に示す材料を使用した。
導電性炭素粒子:ファーネスブラック(バルカンxc72R:キャボット社製)、平均分子量1000〜3000、平均粒子径:30nm
高分子重合体(1):Solef21216/1001(ソルベイソレクシス(株)製;PVDF;固形分10wt%)、Tg:−30℃
高分子重合体(2):ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(ルブロンL5:ダイキン工業(株)製)、Tg:約130℃
導電性炭素繊維(1):VGCF(VGCF(登録商標)(標準品):昭和電工(株)製;平均繊維径150nm、平均繊維長10〜20μm、平均アスペクト比10〜500)
導電性炭素繊維(2):S241(大阪ガスケミカル(株)製;平均繊維径13μm、平均繊維長130μm、平均アスペクト比10)
実施例1〜3及び比較例1〜2
以下の実施例及び比較例においては、いずれにおいても、各導電層を5cm×5cmのサイズとした。
<実施例1>
(i)第1の導電層
高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに添加し、スターラー(メディア回転速度:300rpm)を用いて80℃の条件下で60分保持することにより、高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに溶解させた、固形分(高分子重合体(1))10重量%のPVDF溶液を作製した。導電性炭素粒子100重量部、高分子重合体(2)50重量部、作製した10重量%のPVDF溶液1000重量部(固形分100重量部)及びメチルエチルケトン1000重量部をメディア分散により分散させることにより第1の導電層形成用ペースト組成物を調合した。この第1の導電層形成用ペースト組成物を離型層が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターを用いて約20μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、第1の導電層を作製した。
(ii)第2の導電層
上記(i)で作製した10重量%のPVDF溶液143重量部、導電性炭素繊維(1)43重量部、導電性炭素繊維(2)57重量部及びメチルエチルケトン143重量部をメディア分散により分散させることにより第2の導電層形成用ペースト組成物を調合した。この第2の導電層形成用ペースト組成物を離型層が形成されたPETフィルム上にアプリケーターを用いて約30μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、第2の導電層を作製した。
(iii)第3の導電層
第1の導電層と同様に、第3の導電層を作製した。具体的には、以下のとおりである。
高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに添加し、スターラー(メディア回転速度:300rpm)を用いて80℃の条件下で60分保持することにより、高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに溶解させた、固形分(高分子重合体(1))10重量%のPVDF溶液を作製した。導電性炭素粒子100重量部、高分子重合体(2)50重量部、作製した10重量%のPVDF溶液1000重量部(固形分100重量部)及びメチルエチルケトン1000重量部をメディア分散により分散させることにより第3の導電層形成用ペースト組成物を調合した。この第3の導電層形成用ペースト組成物を離型層が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターを用いて約20μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、第3の導電層を作製した。
(iv)導電性多孔質層
これらの第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を離型層が形成されたPETフィルムから剥離させ、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層の順に重ね、プレス温度120℃、プレス圧10kN、プレス時間60秒の条件で熱プレスをすることにより、実施例1の導電性多孔質層を作製した。
<実施例2>
(i)第1の導電層
膜厚を30μm程度になるようにしたこと以外は実施例1の(i)と同様にした。
(ii)第2の導電層
実施例1の(ii)と同様にした。
(iii)第3の導電層
膜厚を10μm程度になるようにしたこと以外は実施例1の(iii)と同様にした。
(iv)導電性多孔質層
これらの第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を離型層が形成されたPETフィルムから剥離させ、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層の順に重ね、プレス温度120℃、プレス圧10kN、プレス時間60秒の条件で熱プレスをすることにより、実施例2の導電性多孔質層を作製した。
<実施例3>
(i)第1の導電層
高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに添加し、スターラー(メディア回転速度:300rpm)を用いて80℃の条件下で60分保持することにより、高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに溶解させた、固形分(高分子重合体(1))10重量%のPVDF溶液を作製した。導電性炭素粒子100重量部、高分子重合体(2)50重量部、作製した10重量%のPVDF溶液800重量部(固形分80重量部)及びメチルエチルケトン1000重量部をメディア分散により分散させることにより第1の導電層形成用ペースト組成物を調合した。この第1の導電層形成用ペースト組成物を離型層が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターを用いて約20μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、第1の導電層を作製した。
(ii)第2の導電層
上記(i)で作製した10重量%のPVDF溶液100重量部、導電性炭素繊維(1)43重量部、導電性炭素繊維(2)57重量部及びメチルエチルケトン145重量部をメディア分散により分散させることにより第2の導電層形成用ペースト組成物を調合した。この第2の導電層形成用ペースト組成物を離型層が形成されたPETフィルム上にアプリケーターを用いて約30μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、第2の導電層を作製した。
(iii)第3の導電層
第1の導電層と同様に、第3の導電層を作製した。具体的には、以下のとおりである。
高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに添加し、スターラー(メディア回転速度:300rpm)を用いて80℃の条件下で60分保持することにより、高分子重合体(1)をメチルエチルケトンに溶解させた、固形分(高分子重合体(1))10重量%のPVDF溶液を作製した。導電性炭素粒子100重量部、高分子重合体(2)50重量部、作製した10重量%のPVDF溶液800重量部(固形分80重量部)及びメチルエチルケトン1000重量部をメディア分散により分散させることにより第3の導電層形成用ペースト組成物を調合した。この第3の導電層形成用ペースト組成物を離型層が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターを用いて約20μmの厚みとなるように塗布した。その後、95℃に設定した乾燥炉中で約15分乾燥させて、第3の導電層を作製した。
(iv)導電性多孔質層
これらの第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層を離型層が形成されたPETフィルムから剥離させ、第1の導電層、第2の導電層、第3の導電層の順に重ね、プレス温度120℃、プレス圧10kN、プレス時間60秒の条件で熱プレスをすることにより、実施例3の導電性多孔質層を作製した。
<比較例1>
(i)第1の導電層
膜厚を30μm程度になるようにしたこと以外は実施例1の(i)と同様にした。
(ii)第2の導電層
膜厚を50μm程度になるようにしたこと以外は実施例1の(ii)と同様にした。
(iii)導電性多孔質層
これらの第1の導電層及び第2の導電層を離型層が形成されたPETフィルムから剥離させ、第1の導電層及び第2の導電層を重ね、プレス温度120℃、プレス圧10kN、プレス時間60秒の条件で熱プレスをすることにより、比較例1の導電性多孔質層を作製した。
<比較例2>
(i)第1の導電層
膜厚を30μm程度になるようにしたこと以外は実施例1の(i)と同様にした。
(ii)第2の導電層
実施例1の(ii)と同様にした。
(iii)導電性多孔質層
これらの第1の導電層及び第2の導電層を離型層が形成されたPETフィルムから剥離させ、第1の導電層及び第2の導電層を重ね、プレス温度120℃、プレス圧10kN、プレス時間60秒の条件で熱プレスをすることにより、比較例2の導電性多孔質層を作製した。
<第2の導電層の評価試験>
表面観察
実施例1〜2及び比較例1〜2で作製した第2の導電層について、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。結果を図1に示す。
図1の結果から、第2の導電層を構成する導電性炭素繊維(1)及び(2)が、塗布方向に対してほぼ平行、且つ第2の導電層の表面方向に沿って配向していることが分かる。このため、異方性があり、カールしやすいことが示唆されている。
参考として、従来からガス拡散層として使用されているカーボンペーパーである東レ(株)製のTGP−H−090及びSGLカーボン社製のSGL35BAの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した結果を図2〜3に示す。この結果から、従来から使用されているカーボンペーパーは、構成する炭素繊維が長いこと、配向していないことからカールしにくいことが示唆されている。
破断強度
実施例1で作製した第2の導電層、実施例1の導電性多孔質層、及び比較例1の導電性多孔質層について、AUTOGRAPH AG-IS((株)島津製作所製)を使用して引張測定(幅10mm、長さ30mm、引張り速度3mm/min)を行って破断強度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006160177
表1の結果から、第2の導電層では破断強度に異方性が見られるが、実施例1では異方性が緩和されていることが示された。一方、比較例1では、異方性は緩和されていない。
<各導電層の評価試験>
細孔分布
実施例1及び実施例3について、PETフィルムから剥離した後の第1の導電層及び第2の導電層の細孔径のピークを測定した。測定サンプルを50mm×50mmにカットし、細孔分布測定装置水銀ポロシメーター((株)島津製作所(Micromeritics社)製、「AutoPore IV 9500」)を利用して、導電層に含まれる細孔の細孔径(nm)と細孔容積(ml/cm)とを測定し、ついでこれらの数値から細孔径(nm)と細孔容積(ml/cm)との関係をグラフ化し、細孔容積が最大になるときの細孔径を、「細孔径のピーク」として求めた。
上記の結果を表2及び図4〜5に示す。
Figure 0006160177
ガス透過性
PETフィルムから剥離した後の第1の導電層及び第2の導電層について、JIS−P8117に規定された方法に従って、実施例3の導電性多孔質層を5回測定行いその平均値を求めた。
測定サンプルを50mm×50mmにカットし、直径28.6mm、面積642mmの円孔に締め付けた。内筒により(内筒重量567g)、筒内の空気を試験円孔部から筒外へ通過させた。空気100ccが通過する時間を測定し、ガス透過の値とした。
また、JIS−P8117にしたがい、ガス透過透気度を、以下の式:
P=135.3/t
[式中、PはISO透気度、tは上記の通過時間]
にしたがって測定した。
測定装置は、No.323-AUTO 自動ガーレー式デンソメーター((株)安田精機製作所製)を使用した。
ガス拡散性
透過測定と同様にPETフィルムから剥離した後の第1の導電層及び第2の導電層について、JIS−P8117に規定された方法に従って、No.323-AUTO 自動ガーレー式デンソメーター((株)安田精機製作所製)を使用し実施例3の導電性多孔質層を5回測定行いその平均値を求めた。
測定サンプルを50mm×50mmにカットしシリコンフィルム上に置き、これを直径28.6mm、面積642mmの円孔に締め付けた。内筒により(内筒重量567g)、筒内の空気を測定サンプルから筒外へ通過させた。空気100ccが通過する時間を測定し、ガス拡散の値とした。
また、JIS−P8117にしたがい、ガス拡散透気度を、以下の式:
P=135.3/t
[式中、PはISO透気度、tは上記の通過時間]
にしたがって測定した。
ガス透過性及びガス拡散性の結果を表3に示す。
Figure 0006160177
上記の各導電層の評価試験から、第2の導電層は、第1の導電層と比較して、ガス透過性及びガス拡散性ともに大きいことが示された。
<導電性多孔質層の評価試験>
断面観察
実施例1〜2及び比較例1〜2で作製した導電性多孔質層について、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。結果を図6〜9に示す。また、この結果、得られた各導電層の厚みを表4に示す。
Figure 0006160177
また、断面観察をした結果、実施例1〜2及び比較例1〜2で使用した導電性炭素繊維(1)(VGCF)は、いずれの導電層中に存在するものも、繊維径100〜250nm(具体的には160nm程度)、繊維長10〜20μm、アスペクト比10〜500の範囲内であった。また、導電性炭素繊維(2)(S241)は、いずれの導電層中に存在するものも、繊維径6〜15μm、繊維長10〜600μm、アスペクト比2〜40の範囲内であった。
カール性
実施例1〜2及び比較例1の導電性多孔質層のカール性について、包装技術便覧(社団法人日本包装技術協会発行、1995年7月1日)の1271〜1273頁に記載の方法を参考に測定した。具体的には以下のとおりである。
実施例1〜2及び比較例1の導電性多孔質層(5cm×5cm)を、中央部に正方形(5cm×5cm)の開口部を有するPET製の保護フィルムで被覆した(図10)。
その後、150℃にて1時間保管後、導電性多孔質層の第1の導電層に、正方形の対角線に十字の切り込みを入れた(図11)。そして、側面から観測したときに、カールによって確認できるカール部の高さを測定した。なお、カール部の高さ測定は、切込みを入れた直後に行ったが、しばらく経過した後も、結果は変わらなかった。
結果を図12〜14及び表5に示す。
Figure 0006160177
この結果、本願発明の導電性多孔質層によれば、カールを抑制できることが示された。

Claims (12)

  1. 第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層の少なくとも3層をこの順に有する電池用導電性多孔質層であって、
    前記第1の導電層、第2の導電層及び第3の導電層は導電性炭素材料及び高分子重合体を含み、
    前記第1の導電層中の導電性炭素材料の主成分が導電性炭素粒子であり、
    前記第3の導電層中の導電性炭素材料の主成分が導電性炭素粒子であり、
    前記第2の導電層中の導電性炭素材料は、導電性炭素繊維及び/又は導電性炭素粒子を含み、前記第2の導電層中の導電性炭素繊維の平均繊維径及び前記第2の導電層中の導電性炭素粒子の平均粒子径は、第1の導電層及び第3の導電層中のいずれの導電性炭素粒子の平均粒子径よりも大き
    前記第2の導電層は、導電性炭素材料として、平均繊維長が5μm〜1mmの導電性炭素繊維を含み、且つ、該導電性炭素繊維は一方向且つ平面方向に配向されている、
    ガス拡散特性及び/又はガス透過特性を有する電池用導電性多孔質層。
  2. 前記第2の導電層の細孔径のピークが、前記第1の導電層の細孔径のピーク及び前記第3の細孔径のピークのいずれよりも大きい、
    請求項1に記載の電池用導電性多孔質層。
  3. 前記第2の導電層のガス拡散性が、前記第1の導電層のガス拡散性及び前記第3のガス拡散性のいずれよりも大きい、
    請求項1又は2に記載の電池用導電性多孔質層。
  4. 前記第2の導電層のガス透過性が、前記第1の導電層のガス透過性及び前記第3のガス透過性のいずれよりも大きい、
    請求項1〜3のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
  5. 前記第2の導電層の平面方向で最も破断強度の大きい方向の破断強度が、前記最も破断強度の大きい方向と平面視垂直な方向の破断強度の1.2倍以上である、請求項1〜のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
  6. 前記第1の導電層の厚みが1〜200μmであり、前記第3の導電層の厚みが1〜200μmである、請求項1〜のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
  7. 前記電池用導電性多孔質層が、燃料電池用又は金属空気電池用ガス拡散層である、請求項1〜のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層。
  8. 電解質膜の片面に触媒層が積層された触媒層−電解質膜積層体の前記触媒層の上に、前記触媒層と前記第1の導電層又は第3の導電層とが接するように、請求項1〜のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層が積層されている、電池用膜−電極接合体。
  9. 電解質膜の片面にアノード触媒層、反対面にカソード触媒層がそれぞれ積層された触媒層−電解質膜積層体の前記アノード触媒層の上、及び前記カソード触媒層の上に、前記アノード触媒層及びカソード触媒層と前記第1の導電層又は第3の導電層とが接するように、それぞれ請求項1〜のいずれかに記載の電池用導電性多孔質層が積層されている、電池用膜−電極接合体。
  10. 請求項又はに記載の電池用膜−電極接合体を備える固体高分子形燃料電池。
  11. 請求項に記載の電池用膜−電極接合体を備える金属空気電池。
  12. 前記電池用導電性多孔質層の上に、さらに、集電体が、前記第1の導電層又は前記第3の導電層と前記集電体とが接するように形成されている、請求項10に記載の固体高分子形燃料電池又は請求項11に記載の金属空気電池。
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