JP2009004102A - 燃料電池 - Google Patents

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英世 大森
Osamu Hamanoi
修 浜野井
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達央 川畑
Masanori Yoshida
雅則 吉田
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Abstract

【課題】ガス拡散層からの突起物による電解質層の損傷を防止しながらも、出力性能の低下を抑制する。
【解決手段】燃料電池の単セル10は、固体高分子電解質膜21の両側に触媒層22、23を形成し、触媒層22、23の外側にガス拡散層26、27を形成したMEA20を備える。MEA20は、さらに触媒層22、23とガス拡散層26、27の間に撥水層24、25を備える。撥水層24、25は、3層構造をとる。両面側の第1の層24A、25Aと第3の層24C、25Cは、撥水性を有する基材層である。中央の第2の層24B、25Bは、撥水性を有すると共に前記基材層よりも緻密質である補強層である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質層を2つの電極で挟持した膜電極接合体を備える。電極は、電解質層の表面に接合された触媒層と、その外側に接合されたガス拡散層の二層構造をとる。ガス拡散層は、触媒層に反応ガスの供給及び電子を授受するためのものであり、一般に、カーボンクロス、カーボンペーパ等が用いられる。触媒層は、白金等の触媒を担持したものである。
ガス拡散層を構成するカーボンクロス、カーボンペーパに含まれるカーボン繊維は、ガス拡散層の表面から飛び出し、繊維突起が電解質層へ突き刺さることで、電解質層を損傷することがある。この問題を解決する技術として、触媒層に、電解質層の損傷を抑制するための補強材を設けた構成が提案されている(下記の特許文献1)。
特開2004−220843号公報
しかしながら、上記従来の技術では、触媒層に補強材を設けたことで、触媒層の電気抵抗が高くなり燃料電池の出力性能が低下する虞があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、ガス拡散層からの突起物による電解質層の損傷を防止しながらも、出力性能の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池であって、電解質層と、該電解質層の少なくとも一方の側に設けられた触媒層と、前記触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられたガス拡散層と、前記触媒層とガス拡散層との間に設けられた撥水層とを備え、前記撥水層は、撥水性を有する基材層と、撥水性を有すると共に前記基材層よりも緻密質である補強層とを備えることを要旨とする。
適用例1に記載の燃料電池によれば、撥水層に設けられた補強層により、撥水層の機械的性質が強くなる。このために、ガス拡散層からの突起物は撥水層により遮蔽されて電解質層に達することがない。したがって、ガス拡散層からの突起物による電解質層の損傷を防止することができる。なお、補強層は、特許文献1のように触媒層に設けられたものではないことから、燃料電池の出力性能を低下させることもない。
[適用例2]
適用例1に記載の燃料電池であって、前記基材層は、前記撥水層の前記触媒層側に設けられ、前記補強層は、前記基材層よりも前記ガス拡散層側に設けられた、燃料電池。
適用例2に記載の燃料電池によれば、撥水層の基材となる基材層は触媒層側に設けられることから、撥水層本来の機能としての排水性を保持することができる。
[適用例3]
適用例2に記載の燃料電池であって、前記補強層は、複数の層を備えるともに、該複数の層のそれぞれの密度が前記触媒層に近いほど高くなるように構成されたものである、燃料電池。
適用例3に記載の燃料電池によれば、補強層に備えられる複数の層のそれぞれは緻密質であることから、微細な空隙が形成される。このために、この空隙による毛細管現象により、基材層と補強層の間から水分を効率よく吸い上げることが可能となる。さらに、複数の層のそれぞれの密度が触媒層に近いほど高くなっていることから、ガス拡散層に近い層ほど層中に含まれる空隙が大きいために、膜側から吸い上げた水をガス拡散層側のガスにより効率よく持ち去ることも可能となる。したがって、毛細管現象を利用した効率的な水管理が可能となる。
[適用例4]
適用例1または2に記載の燃料電池であって、前記基材層は、所定材料の粉体を基に作成される第1のペースト材料から形成されたものであり、前記補強層は、前記所定材料の粉体を基に、前記第1のペースト材料よりも高い密度となるように作成される第2のペースト材料から形成されたものである、燃料電池。
適用例4に記載の燃料電池によれば、同一の材料の粉体を基に、溶媒の量を変えるだけで、基材層よりも緻密質である補強層を容易に作成することができる。
[適用例5]
適用例4に記載の燃料電池であって、前記ガス拡散層は、繊維材料からなり、前記第2のペースト材料は、前記繊維の径よりも小さい空隙を有するものである、燃料電池。
適用例5に記載の燃料電池によれば、補強層の形成に用いた第2のペースト材料は、ガス拡散層繊維の径よりも小さい空隙を有するものであることから、作成された補強層に含まれる空隙もガス拡散層繊維の径に比べて小さくなる。このために、ガス拡散層からの突起物としての繊維突起が補強層の空隙を抜けることがないことから、その繊維突起が電解質層に達することが完全になくなる。したがって、電解質膜の損傷を確実に防止することができる。
[適用例6]
適用例5に記載の燃料電池であって、前記ガス拡散層は、カーボン繊維からなるものである、燃料電池。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明の燃料電池を備える燃料電池システムなどの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
A−1:燃料電池の構成:
図1は、本発明の第1実施例における燃料電池内部の単セル10の断面を模式的に示す説明図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であって、図1に示す単セル10を複数積層して直列に接続したスタック構造を有している。単セル10は、膜電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly )20を、両側からセパレータ30、40によって挟持することによって構成されている。
MEA20は、固体高分子電解質膜21の両面(両側)に触媒層22、23を形成し、触媒層22、23の外側にガス拡散層26、27を形成した接合体である。MEA20は、さらに触媒層22、23とガス拡散層26、27の間に撥水層24、25を備えている。狭義には、固体高分子電解質膜の両側に触媒層を形成した構成をMEAと呼ぶことも多いが、ここでは、固体高分子電解質膜21の両側に触媒層22、23を形成した構成に、ガス拡散層26、27(撥水層24、25を含む)を加えた構成をMEAと呼ぶ。
固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」と呼ぶ)21は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)を使用した。触媒層22、23は、触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金を有する層であり、アノード(水素極)とカソード(酸素極)の役割を果たす。ガス拡散層26、27は、ガス拡散性の導電性部材、例えばカーボン繊維からなる糸で製織したカーボンクロスによって形成される。なお、ガス拡散層26、27は、カーボン繊維を含むカーボンペーパに替えることができる。また、カーボン繊維を一定方向に配置して、接着剤によって接着して、シート状としたカーボンシートに替えることもできる。
撥水層24、25は、3層構造をとる。内側(電解質膜21の側)の第1の層24A、25Aと外側(ガス拡散層26、27の側)の第3の層24C、25Cは、撥水性を有する基材層である。積層方向の中央部分である第2の層24B、25Bは、撥水性を有すると共に前記基材層よりも緻密質である補強層である。各層24A〜25Cは、次の(1)〜(4)の工程により形成する。
(1)まず、粉体としてフッ素樹脂とカーボンブラックを用い、撹拌しながら、酸素雰囲気下で1〜2[kW・sec]、30〜60[sec]、プラズマを照射する。プラズマの照射はフッ素樹脂やカーボンブラックの粉体に対する親水化処理である。粉体としては、シリコンを加えることもできる。すなわち、粉体としては、フッ素樹脂、カーボン、シリコンのいずれか1つ、またはこれらの中から選択される複数のものとしてもよい。
(2)次いで、工程(1)で親水化処理された粉体を、粉体100gに対して水400gの割合で水に入れ、撹拌しペースト化する。撹拌は、撹拌羽を有する撹拌機で行なうようにしてもよい。上記親水化処理は、ペース化の処理を容易とするためである。
(3)工程(2)で得られたペースト状のペースト材料(以下、単に「ペースト」と呼ぶ)をガス拡散層26,27となるカーボンクロス上に塗布する。
(4)工程(3)によりペーストが塗布されたカーボンクロスを、波長2[μm]の遠赤外線が照射される乾燥装置中を連続的に通過させる。この遠赤外線の照射により撥水化処理がなされる。
上記(1)〜(4)を3回繰り返して3層構造の撥水層24、25を形成する。なお、2回目の繰り返し時である第2の層24B、25Bの形成時は、ペーストの密度が、1回目、3回目、すなわち第3の層24C、25Cおよび第1の層24A、25Aの形成時に比べて2倍となるようにした。詳細には、上記(2)の工程で粉体100gを水150g中に入れることで密度を2倍とした。すなわち、第3の層24C、25Cおよび第1の層24A、25Aの形成時においては、上記(2)の工程で粉体100gを水400g中に入れることでペースト(第1のペースト)を作成しているのに対して、第2の層24B、25Bの形成時においては、上記(2)の工程で粉体100gを水150g中に入れることで、第1のペーストの2倍の密度となる第2のペーストを作成した。
第2のペーストの密度を第1のペーストの2倍とすることで、第2の層(以下、「補強層」とも呼ぶ)24B、25Bは第1および第3の層24A、25A、24C、25Cよりも緻密質な構成、すなわち密度が高い構成となる。この結果、撥水層24、25は、撥水性を有するとともに、中央の第2の層24B、25Bが両側の層である第1および第3の層24A、25A、24C、25Cよりも緻密質な構成となった。
なお、中央の第2の層24B、25Bは、ガス拡散層26,27に含まれるカーボン繊維の径よりも第2の層24B、25B中に含まれる空隙(ほぼ全ての空隙)が小さくなるような密度となっている。第2の層24B、25Bの形成時に用いる第2のペーストの密度を上記のように第1のペーストの2倍とすることで、ガス拡散層26,27に含まれるカーボン繊維の径よりも第2のペースト中に形成される空隙が小さくなるためである。換言すれば、第2の層24B、25Bの形成時に用いる第2のペーストは、ガス拡散層26,27に含まれるカーボン繊維の径(糸径)よりも該第2のペースト中に形成される空隙(ほぼ全ての空隙)が小さくなるような密度に調整されている。
セパレータ30、40は、緻密質のカーボンプレートにより形成されている。両セパレータ30、40には、直線状の溝(凹部)が複数形成されている。この溝によって、MEA20との間に、電気化学反応に供される反応ガスの流路が形成される。すなわち、アノード側のセパレータ30とMEA20との間には、水素を含有する燃料ガスが通過する燃料ガス流路32が形成される。また、カソード側セパレータ40とMEA20との間には、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスが通過する酸化剤ガス流路42が形成される。
A−2:作用・効果:
以上説明したように、本実施例では、撥水層24,25の積層方向の中央部分に補強層24B、25Bを設けたことにより、撥水層24,25の機械的性質が強くなる。このために、ガス拡散層26,27からの突起物は撥水層24,25により遮蔽されて電解質膜21に達することがない。したがって、ガス拡散層26,27からの突起物による電解質膜21の損傷を防止することができる。なお、補強層24B、25Bは、触媒層に設けられたものではないことから、燃料電池の出力性能を低下させることもない。
図2は、上記の作用、効果の説明図である。ガス拡散層26は、前述したようにカーボンクロスにより形成されていることから、図示の(a)に示すように、撥水層24の形成前においては、カーボンの繊維突起CBがガス拡散層26の表面から飛び出してしまう(毛羽立ってしまう)。これに対して、ガス拡散層26の表面に撥水層24を形成することにより、撥水層24に備えられる補強層24Bによりカーボンの繊維突起CBを押さえつけることができることから、触媒層側(図中の上側)に繊維突起CBが飛び出すこともない。このようにして、ガス拡散層26,27からの繊維突起による電解質膜21の損傷を防止することができる。
特に本実施例では、撥水層24、25の触媒層22、23側に備えられる第1の層24A、25Aは、撥水層本来の基材層とし、基材層よりもガス拡散層26、27側に補強層24B、25Bを設けた構成としていることから、撥水層本来の機能としての排水性を保持することができる。電解質膜21側に基材層としての第1の層24A、25Aが設けられていることから、第1の層24A、25Aにより電解質膜21から充分に水分を吸い上げることができるからである。なお、本実施例では、補強層24B、25Bのさらにガス拡散層26、27側に、基材層としての第3の層24C、25Cが設けられていることから、ガス拡散層26、27と撥水層24,25の間に水分が溜まった場合には、電解質膜21側にその水分を移動することができる。すなわち、電解質膜21での生成水が少ないときには、反応ガスに含まれる加湿水が電解質膜21側へ移動し、一方、生成水が多いときには、生成水がガス拡散層20側へ移動して反応ガスにより持ち去られる。こうして、効率的な水管理を行うことができる。
さらに本実施例では、補強層24B、25Bの形成時に用いる第2のペーストは、該第2のペースト中に形成される空隙がカーボン繊維の径よりも小さくなるような密度に調整されていることから、繊維突起が補強層24B、25Bの空隙を抜けることがない。このために、カーボンの繊維突起が電解質膜21に達することがない。したがって、電解質膜21の損傷を確実に防止することができる。
A−3:変形例:
前記第1実施例では、撥水層24、25は、3層構造としていたが、これに替えて、2層構造としてもよい。
図3は、この変形例の撥水層124の断面を模式的に示す説明図である。図中、上方が触媒層側であり、下方がガス拡散層側である。図示するように、撥水層124は、触媒層側に設けられる第1の層124Aと、ガス拡散層側に設けられる第2の層124Bとにより構成される。第1の層124Aは第1実施例の第1の層24Aと同一であり、第2の層124Bは第1実施例の第2の層24Bと同一である。すなわち、この変形例の撥水層124は、第1実施例の撥水層24から第3の層24Cを除いた構成である。換言すれば、この変形例の撥水層124は、触媒層側に設けられ、撥水性を有する基材層(第1の層124A)と、ガス拡散層側に設けられ、撥水性を有すると共に前記基材層よりも緻密質である補強層(第2の層124B)とを備える構成である。なお、図3においては、アノード側の撥水層124だけを示したが、カソード側の撥水層についても同様な構成となっている。
前記変形例として説明した撥水層124を備える燃料電池によれば、撥水層124に補強層124Bを設けたことにより、第1実施例と同様に、ガス拡散層からの突起物による電解質膜の損傷を防止することができる。また、燃料電池の出力性能を低下させることもない。さらに、触媒層側に基材層としての第1の層124Aを設け、ガス拡散層側に補強層としての第2の層124Bを設けていることから、第1実施例と同様に、補強層を設けたことによって排水性を損ねることがない。なお、この変形例は、別の態様として、ガス拡散層側に基材層を、触媒層側に補強層を設けた構成とすることを妨げるものではない。排水性が損ねられることを多少犠牲にすれば、ガス拡散層側に基材層を、触媒層側に補強層を設けた構成としてもよい。
B.第2の実施例:
図4は、本発明の第2実施例における燃料電池内部の単セルの一部分を模式的に示す説明図である。この図は、図1ないし図3と同様に積層方向の断面を示すもので、電解質膜221からアノード側のガス拡散層226までが示されている。第1実施例と同様に、ガス拡散層226の外側には燃料ガス流路が形成されたセパレータが設けられ、カソード側についても酸化剤ガス流路が形成されたセパレータまでの構成が設けられているが、これらの構成は図示を省略した。図4に示すように、電解質膜221の一方の側には触媒層222が設けられており、触媒層222とガス拡散層226との間に、撥水層224が設けられている。
撥水層224は、4層構造をとる。最も電解質膜221側の第1の層224Aは、撥水性を有する基材層であり、第1実施例の第1の層24Aと同一である。残りの第2ないし第4の層224B、224C、224Dは、撥水性を有すると共に前記基材層よりも緻密質である補強層であり、第1実施例の第2の層24Bと同一の材料によって作成されている。なお、第2ないし第4の層224B、224C、224Dは、触媒層222に近いほど高い密度となっている。すなわち、触媒層222側の第2の層224Bの密度をD1、中央の第3の層224Cの密度をD2、ガス拡散層226側の第4の層224Dの密度をD3とすると、D1>D2>D3の関係となる。なお、D3は、基材層である第1の層224Aの密度D0よりも大きい。この密度の差は、第1実施例と同様に、ペースト材料を作成する際に使用する粉体(フッ素樹脂とカーボンブラックを攪拌後の粉体)と水との比率を変えることによって得ることができる。
図示におけるE1、E2、E3は、第2ないし第4の層224B、224C、224Dに形成される空隙を模式化して示すものである。第2ないし第4の層224B、224C、224Dのそれぞれの密度の関係から、図示するように、各層224B、224C、224Dに形成される空隙E1、E2、E3は、上の層ほど小さいものとなる。
前記第2実施例として説明した燃料電池によれば、撥水層224に第2ないし第4の層(補強層)224B〜224Dを設けたことにより、第1実施例と同様に、ガス拡散層226からの突起物による電解質膜の損傷を防止することができる。また、燃料電池の出力性能を低下させることもない。さらに、撥水層224の触媒層222側に基材層としての第1の層224Aを設けたことにより、第1実施例と同様に排水性を損ねることがない。
特に、この第2実施例によれば、第2ないし第4の層224B〜224Dのそれぞれは緻密質であることから、微細な空隙が形成される。このために、第1の層224Aにより触媒層222側から持ち出した水分が第1の層224Aと第2の層(補強層)224Bの間に溜まった場合に、上記空隙による毛細管現象により上記水分を効率よく吸い上げることが可能となる。さらに、第2ないし第4の層224B〜224Dのそれぞれの密度が触媒層222に近いほど高くなり、ガス拡散層226に近い層ほど層中に含まれる空隙が大きくなっている。このために、触媒層222側から吸い上げた水をガス拡散層226側のガスにより効率よく持ち去ることも可能となる。したがって、毛細管現象を利用した効率的な水管理が可能となる。
C.他の実施形態:
なお、この発明は上記の第1実施例、その変形例、第2実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)前記各実施例では、ペースト材料を作成する際に使用する粉体と水との比率を変えることにより、密度が相違する基材層と補強層とを作成する構成としたが、これに替えて、ペースト材料の基になる所定材料の粉体の大きさを変えること等によってペースト材料の密度を変える構成としてもよい。
(2)前記各実施例では、撥水層を構成する基材層と補強層とを、密度が違うだけで同一種類(すなわち、基となる粉体が同一)のペースト材料から形成していたが、必ずしも同一種類のペースト材料を用いる必要はなく、基材層と補強層とで種類が異なる材料の粉体を基にペースト材料を作成してもよい。
(3)また、前記各実施例に替えて、撥水層を焼結によって形成する様にし、焼結の際に、異なったプレス圧力により加圧することにより、密度が相違する基材層と補強層とを作成する構成としてもよい。要は、基材となる層よりも緻密な層を補強層として形成することができれば、いずれの方法で形成する構成としてもよい。
(4)前記各実施例では、ガス拡散層は、カーボン繊維から形成されたものであるが、これに替えて、他の材料から形成されたものとしてもよい。突起物があるガス拡散層であれば、突起物に起因する電解質膜の損傷を防止することができる。
(5)前記各実施例では、アノード側、カソード側の双方の撥水層に補強層を設ける構成としていたが、これに替えて、アノード側、カソード側のいずれか一方の撥水層に補強層を設ける構成としてもよい。
(6)また、前記実施例とは異なる種類の燃料電池に本発明を適用することとしてもよい。例えば、ダイレクトメタノール型燃料電池に適用することができる。あるいは、固体高分子以外の電解質層を有する燃料電池であってもよく、本発明を適用することで同様の効果が得られる。
本発明の第1実施例における燃料電池内部の単セル10の断面を模式的に示す説明図である。 第1実施例の燃料電池の作用効果を示す説明図である。 第1実施例の変形例の撥水層124の断面を模式的に示す説明図である。 本発明の第2実施例における燃料電池内部の単セルの一部分を模式的に示す説明図である。
符号の説明
10…単セル
21…固体高分子電解質膜
22…触媒層
24、25…撥水層
24A、25A…第1の層
24B、25B…第2の層(補強層)
24C、25C…第3の層
26、27…ガス拡散層
30、40…セパレータ
32…燃料ガス流路
42…酸化剤ガス流路
124…撥水層
124A…第1の層
124B…第2の層(補強層)
221…電解質膜
222…触媒層
224…撥水層
224A…第1の層
224B…第2の層(補強層)
224C…第3の層(補強層)
224D…第4の層(補強層)
226…ガス拡散層
CB…繊維突起

Claims (6)

  1. 燃料電池であって、
    電解質層と、
    該電解質層の少なくとも一方の側に設けられた触媒層と、
    前記触媒層の前記電解質層とは反対の側に設けられたガス拡散層と、
    前記触媒層とガス拡散層との間に設けられた撥水層と
    を備え、
    前記撥水層は、
    撥水性を有する基材層と、
    撥水性を有すると共に前記基材層よりも緻密質である補強層と
    を備える燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記基材層は、前記撥水層の前記触媒層側に設けられ、
    前記補強層は、前記基材層よりも前記ガス拡散層側に設けられた、燃料電池。
  3. 請求項2に記載の燃料電池であって、
    前記補強層は、
    複数の層を備えるともに、該複数の層のそれぞれの密度が前記触媒層に近いほど高くなるように構成されたものである、燃料電池。
  4. 請求項1または2に記載の燃料電池であって、
    前記基材層は、所定材料の粉体を基に作成される第1のペースト材料から形成されたものであり、
    前記補強層は、前記所定材料の粉体を基に、前記第1のペースト材料よりも高い密度となるように作成される第2のペースト材料から形成されたものである、燃料電池。
  5. 請求項4に記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層は、繊維材料からなり、
    前記第2のペースト材料は、前記繊維の径よりも小さい空隙を有するものである、燃料電池。
  6. 請求項5に記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層は、カーボン繊維からなるものである、燃料電池。
JP2007161022A 2007-06-19 2007-06-19 燃料電池 Pending JP2009004102A (ja)

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