JP5793648B2 - モータ駆動装置 - Google Patents
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Description
本発明は、同期モータの駆動制御を行うモータ駆動装置に関し、特に磁極センサの初期設定方法に関する。
同期モータの制御には、モータの磁極位置が必要であり、その検出方法として、例えば特許文献1には、磁極センサにより検出した磁極の位置を示す磁極位置信号であるCS(Commutation sensor)信号を使用する方法が開示されている。
この方法は、光学式又は磁気式エンコーダを位置検出器として用いた同期型交流サーボモータの制御装置において、上記エンコーダから送出される相パルスに同期する矩形波電流を作り、機械角原点の検出、又は上記相パルスのエッジの検出までは上記矩形波電流によって駆動し、エッジ検出後は擬似正弦波電流によってモータを駆動するものである。
しかしながら、前述した技術は、CS信号とモータの相との関係を一意に決めておく必要がある。例えば、各相に対応するCS信号をそれぞれCS1、CS2、CS3とし、CS1がU相、CS2がV相、CS3がW相として矩形波駆動の磁極位置を設定している場合を考える。この場合、配線間違いやモータの仕様の違いなどにより、例えばCS1がU相、CS2がW相、CS3がV相というように組合せの間違いが生じると、モータでは磁極位置がずれるため、正常に動作できないという問題がある。
このような問題を回避するために、CS信号の配線を入れ替えたり、モータの相順を入れ替えたりする必要があるが、モータが装置に組み込まれている状態では、その確認や配線の入れ替え作業が困難になる場合が多い。また、設定に問題がある場合は、モータが正常に動作しないため、予期せぬ動作で装置を破損してしまうおそれもあった。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、磁極位置信号に関する初期設定を自動で設定できるモータ駆動装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、磁極位置信号を出力する磁極センサが取り付けられたモータを駆動制御するモータ駆動装置おいて、
速度指令に応じたトルク指令値と内部で生成したトルク指定値とを切り替えて、トルク指令として出力するトルク指令生成器と、
切替後磁極位置信号に基づく位置指令値と内部で生成した位置指定値とを切り替えて、磁極位置指令として出力する磁極位置設定器と、
前記トルク指令と前記磁極位置指令とに基づき、駆動指令電圧を出力する電流制御器と、前記磁極位置指令と複数の前記磁極位置信号とに基づき、検出方向切替信号を生成する検出方向設定器と、
前記検出方向切替信号に応じて複数の前記磁極位置信号を切り替え、前記切替後磁極位置信号として出力する検出方向切替器とを備え、
前記検出方向設定器は、前記磁極位置指令の変化方向と前記磁極位置信号の各信号の変化順番との関係により、前記検出方向切替信号を設定することを特徴とするモータ駆動装置である。
そして、前記磁極位置設定器は、前記磁極位置指令として出力する前記位置指定値を、初期値から一定の変化量で変化させ、
前記検出方向設定器は、複数の前記磁極位置信号の変化順番があらかじめ想定した順番と一致しなければ、前記検出方向切替器に前記検出方向切替信号を出力して複数の前記磁極位置信号を切り替え、一致すれば切り替えないことを特徴とするモータ駆動装置である。
第2の発明は、第1の発明において、前記磁極位置設定器は、前記磁極位置指令として出力する前記位置指定値を一定時間前記初期値の状態とし、一定時間経過後に前記初期値から一定の変化量で変化させることを特徴とするモータ駆動装置である。
第3の発明は、第1の発明において、前記モータには位置情報を出力する位置検出器がさらに取り付けられており、
前記位置情報は前記磁極位置設定器に出力され、
前記磁極位置設定器は、前記位置指定値が初期値である状態で前記トルク指令を印加し、前記位置情報の変化量が一定値以下になってから、前記位置指定値を、前記初期値から一定の変化量で変化させ、
前記検出方向設定器は、複数の前記磁極位置信号の変化順番があらかじめ想定した順番と一致しなければ、前記検出方向切替器に前記検出方向切替信号を出力して複数の前記磁極位置信号を切り替え、一致すれば切り替えないことを特徴とするモータ駆動装置である。
第4の発明は、第1から第4の発明において、前記トルク指令生成器は、前記トルク指定値を目標値まで一定の変化量で大きくしていくことを特徴とするモータ駆動装置である。
本発明によれば、磁極位置指令を変化させたときのCS信号の変化順番から正しいCS信号方向を自動設定できる。
また、本発明によれば、磁極位置指令の変化量を一定にすることでモータの動作速度を制御でき、安定したCS信号方向自動設定ができる。
また、本発明によれば、磁極位置指令の変化開始までに一定の待ち時間を設け、トルク指令印加時の初期動作が完了してからCS信号の変化の検出を行うことでより安定したCS信号方向自動設定ができる。
また、本発明によれば、トルク指令印加時に一定の傾きをもたせることで、初期動作時の衝撃を小さくすることができる。
また、本発明によれば、トルク指令印加時の初期動作の完了を位置情報の変化量で判定することで、初期動作完了をすばやく検出でき、効率のよいCS信号方向自動設定ができる。
以下本発明を実施するための形態を、各実施例にて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1におけるモータ駆動装置のブロック図である。本モータ駆動装置は、図1に示すトルク指令生成器1と、磁極位置設定器2と、検出方向設定器としてのCS信号方向設定器3と、検出方向切替器4と、電流制御器5とを備えている。本モータ駆動装置が、同期モータ30(以下、適宜、モータ30と呼ぶ)を回転駆動するように駆動制御することによりモータ30の回転子が回転する。また、モータ30には磁極センサ31が取り付けられている。磁極センサ31は、モータ30の回転動作に応じて、回転子の磁極の位置に応じた磁極位置信号(以下、適宜、CS信号と呼ぶ)を本モータ駆動装置へと出力する。
なお、本実施例では、互い120度位相が異なるU相、V相およびW相の3相で駆動されるモータ30の一例を挙げて説明する。また、この3相に合わせて、磁極センサ31からは、各相にそれぞれ対応する3つのCS信号が出力される。
本モータ駆動装置において、トルク指令生成器1は、速度制御出力信号10と起動信号11とからトルク指令12を生成し、電流制御器5へと出力する。速度制御出力信号10と起動信号11とは、例えば、モータ駆動装置を制御するための外部の上位器などからトルク指令生成器1に供給される。回転速度を指令する速度指令としての速度制御出力信号10は、モータ30の回転速度を指令する信号であり、通常、モータ30は速度制御出力信号10に応じた速度で回転する。また、起動信号11は、本モータ駆動装置による駆動動作を制御するための信号であり、モータ30の例えば起動時などに入力される。トルク指令生成器1は、これらの信号に基づき、モータ30を回転させるためのトルク量を示す信号であるトルク指令12を出力する。より詳細には、トルク指令生成器1は、起動信号
11の入力の有無に応じて、速度制御出力信号10に応じたトルク指令値とトルク指定値とを切り替えて、トルク指令12として出力する。このため、トルク指令生成器1は、内部において、ある決められた所定トルク量を示すトルク指定値を生成している。このトルク指定値の値は、外部から変更可能なように構成してもよい。そして、トルク指令生成器1は、起動信号11が入力されると、内部で生成したトルク指定値であるトルク指令をトルク指令12として出力する。また、トルク指令生成器1は、起動信号11が入力されていないときは、速度制御出力信号10に基づき生成したトルク指令値を、トルク指令12として出力し、このときモータ30は速度制御出力信号10に応じた速度で回転する。このように、トルク指令生成器1は、速度指令に応じたトルク指令値と内部で生成したトルク指定値とを切り替えて、トルク指令12として出力する。
磁極位置設定器2は、起動信号11と切替後磁極位置信号である切替後CS信号16とから磁極位置指令13を生成し、電流制御器5およびCS信号方向設定器3へと出力する。切替後CS信号16は、検出方向切替器4から供給される信号であり、詳細は以下で説明するが、検出方向切替器4で適切な方向に設定された磁極位置信号である。磁極位置設定器2は、これらの信号に基づき、モータ30の回転子の回転位置を指令するための信号である磁極位置指令13を出力する。より詳細には、磁極位置設定器2は、まず、切替後CS信号16に基づき回転位置を指令するための位置指令値を生成する。次に、磁極位置設定器2は、起動信号11の入力の有無に応じて、位置指令値と位置指定値とを切り替えて、磁極位置指令13として出力する。このため、磁極位置設定器2は、内部において、ある決められた所定位置を示す位置指定値を生成している。また、この位置指定値の値は、外部から変更可能なように構成されている。そして、磁極位置設定器2は、起動信号11が入力されると、内部で生成した位置指定値である磁極位置指令を磁極位置指令13として出力する。また、磁極位置設定器2は、起動信号11が入力されていないときは、切替後CS信号16に基づき生成した位置指令値を磁極位置指令13として出力し、このときモータ30は速度制御出力信号10に応じた速度で回転する。このように、磁極位置設定器2は、切替後CS信号16に基づく位置指令値と内部で生成した位置指定値とを切り替えて、磁極位置指令13として出力する。
電流制御器5は、トルク指令12と磁極位置指令13とから、駆動指令電圧としてのUVW指令電圧14を生成し、モータ30へと出力する。モータ30は、固定子鉄心に巻線を巻回した固定子と永久磁石を備えた回転子とを備えている。UVW指令電圧14は回転子の巻線に印加され、巻線に電流が流れて磁界が発生する。これにより、モータ30は、電流制御器5により電流制御されて回転動作を行う。このように、電流制御器5は、トルク指令12と磁極位置指令13とに基づき、UVW指令電圧14を出力する。
次に、CS信号方向設定器3は、磁極位置指令13とCS信号15とから検出方向切替信号17を生成し、検出方向切替器4へと出力する。CS信号15は、上述したように、磁極センサ31によって検出された磁極の位置を示す磁極位置信号であり、各相にそれぞれ対応する信号CS1、CS2およびCS3の3つのCS信号よりなる。CS信号方向設定器3は、起動信号11が入力されているとき、磁極位置指令13の変化の方向と、その変化に基づくCS信号15の変化の順番との関係に基づき、検出方向切替信号17を生成する。より詳細には、CS信号方向設定器3は、磁極位置指令13の変化の方向に対してCS信号15の変化の順番が所望の順番とならないとき、CS信号15の変化の順番が正しくなるように補正するような検出方向切替信号17を生成する。すなわち、CS信号方向設定器3は、CS信号15における3つのCS信号の順番方向が正しいかどうかを判断し、判断結果に応じてCS信号の順番方向を補正するような検出方向切替信号17を生成する。このような検出方向切替信号17が検出方向切替器4へと出力される。このように、CS信号方向設定器3は、磁極位置指令13と複数のCS信号とに基づき、検出方向切替信号17を生成する。さらに、CS信号方向設定器3は、磁極位置指令13の変化方向
とCS信号15の各信号の変化順番との関係により、検出方向切替信号17を設定している。
検出方向切替器4は、検出方向切替信号17とCS信号15とから切替後CS信号16を生成し、磁極位置設定器2へと出力する。検出方向切替器4は、検出方向切替信号17に基づき、CS信号15の順番が正しい順番となっていないとき、CS信号15の順番が正しくなるように補正し、切替後CS信号16として出力する。また、検出方向切替信号17が出力されていないときは、CS信号15の順番が正しいと判断し、CS信号15をそのまま切替後CS信号16として出力する。このように、検出方向切替器4は、検出方向切替信号17に応じて、CS信号の方向を切り替えて切替後CS信号を出力する。このように、検出方向切替器4は、検出方向切替信号17に応じて複数のCS信号を切り替え、切替後CS信号16として出力する。
本実施例のモータ駆動装置は以上のように構成されており、このような構成により、起動信号11が入力されている期間において、CS信号方向設定器3が判断結果に応じて検出方向切替信号17を生成する。そして、CS信号の順番方向が正しくない場合には、検出方向切替器4がCS信号15の順番が正しくなるように補正する。また、起動信号11の入力が終了すると、本モータ駆動装置は、順番方向が正しく設定された切替後CS信号16を用いて、通常のモータ駆動装置と同様の回転動作を行う。本モータ駆動装置は、以上のようにして、CS信号15に関する初期設定を自動で設定している。
ところで、従来、同期型のモータを制御する場合は、通常、本実施例のような起動信号11を入力せず、磁極センサからのCS信号によりモータの磁極位置を検出している。そして、その位置に応じて指令電圧を矩形波状に印加し、固定子側に回転磁界を作り出すことで、回転子を回転させる(CS信号の変化エッジ検出後、一般的には正弦波駆動に切り替える)。また、トルク指令は速度制御出力指令をそのまま使用することで、外部に速度制御ループを持つ場合は速度を制御することができる。
それに対し、上述したように、本実施例では、起動信号11の入力に基づきモータ駆動装置内を切り替えている。以下、本実施例におけるモータ駆動装置の動作について、特に、CS信号15に関する初期設定の動作を中心に説明する。
図2Aは、本発明の実施例1において、トルク指令印加時におけるモータ30の状態を示す図、図2Bは、ロック状態におけるモータ30の状態を示す図、図2Cは、磁極位置指令変化時におけるモータ30の状態を示す図である。図2A〜Cにおいて、磁界20を発生する電磁石(電機子)を備えた固定子19と、永久磁石を備えた回転子21とを有したモータ30の一例を示している。ここで、固定された固定子19において磁界20を発生させると、回転子21はそれに応じて回転する。
まず、これら図面を参照しながら本実施例における回転動作について説明する。
上述した本実施例の構成により、本方式では起動信号11が入力された状態では切替後CS信号16を使用せず、磁極位置指令13を指定値にし、かつトルク指令12も指定値で、電流制御器5に印加することになる。その場合、固定子19側には一定の磁極方向を持つ磁界20が発生するため、まず、図2Aに示すように、回転子21はその磁極方向と一致する位置まで移動し、その後図2Bに示すように回転子21は停止し、ロック状態となる。
次に、その状態から磁極位置指令13を少しずつ変化させる。すなわち、磁極位置設定器2において生成される所定位置を示す指定値を変化させ、磁極位置指令13として出力
する。すると、図2Cに示すように、固定子19側に発生していた磁界20が少しずつ動くため、回転子21もその磁界20の動きにあわせて回転する。つまり、トルク指令12を印加し、磁極位置指令13を変化させることで、切替後CS信号16を使用せずに回転子21を回転させることができる。切替後CS信号16を使用しないことで、検出方向切替信号17の影響をうけずにモータを物理的に一定の方向へ回転させることができる。これにより、例えばモータの相順がU→V→Wの順番になる方向へ動作させる、あるいはU→W→Vの方向へ動作させるということが、磁極位置指令13の変化方向を変えるだけで実現できる。
次に、磁極位置指令13とCS信号15とから検出方向切替信号17を設定する方法について説明する。
通常、CS信号15の変化方向とモータの相順との関係は一意に決まっている。その方向が逆になっているとモータの制御が正常に行われない。前述の説明より、磁極位置指令13を変化させることで、モータの相順を指定した動作が可能となる。このため、そのときのCS信号15の変化方向を確認すれば、CS信号の方向が正しいかどうかを判定することができる。CS信号の方向が正しくない場合は、検出方向切替信号17を出力し、検出方向切替器にてCS信号の方向を反転することでCS信号方向の自動設定が可能となる。
具体的には、磁極位置指令13を正方向に動作させたときにモータの相順がU→V→Wに回転し、かつモータの相順がU→V→WのときにCS信号15がCS1→CS2→CS3の順番に変化しなければならないモータ駆動装置を例に説明する。
図3Aは、磁極位置とCS信号との関係が正しい場合の各波形を示す図であり、図3Bは、磁極位置とCS信号との関係が間違っている場合の各波形を示す図である。これら図面を参照しながら説明する。
磁極位置設定器2において、磁極位置指令13として出力する位置指定値を初期値から一定の変化量で正方向に変化させる。最初は回転子21の磁極と固定子19側に発生している磁極とが一致する方向に動作する。この初期動作は最大電気角180度で正方向/負方向どちらにも動作しうる。一度固定子19側の磁極と一致すれば、その後は磁極位置指令13の変化方向が正方向であるため、回転子21は相順がU→V→Wとなる方向に回転する。モータをこのように回転させている状態で、CS1、CS2、CS3の変化エッジを検出する。例えば、立下りエッジを基準にした場合、CS1、CS2、CS3の立下りのエッジを検出する順番を確認する。このような確認の結果、図3Aに示すようにCS1→CS2→CS3の順番の場合は、CS信号方向が正しいと判断できる。一方、図3Bに示すようにCS1→CS3→CS2の順番の場合は、CS信号方向が反対であると判断できる。反対と判断した場合は、検出方向切替信号17を出力し、検出方向切替器4にてCS信号の方向を反転させることで、正しい方向に切り替えることができる。磁極位置指令13の変化方向は片方向だけでも検出方向の自動設定は可能であるが、両方向で判定することでより安定した自動設定も可能となる。このように、磁極位置設定器2は、磁極位置指令13として出力する位置指定値を、初期値から一定の変化量で変化させる。そして、CS信号方向設定器3は、複数のCS信号、すなわちCS1、CS2およびCS3の変化順番があらかじめ想定した順番と一致しなければ、検出方向切替器4に検出方向切替信号17を出力して複数のCS信号を切り替え、一致すれば切り替えないように動作する。これにより、磁極位置指令13の変化量を一定にしているため、モータの動作速度を制御でき、安定したCS信号方向の自動設定ができる。
また、検出方向切替器4でのCS信号の方向反転は、CS1、CS2、CS3のいずれ
かひとつを基準として、残りの2つの信号を反転させることで実現できる。例えば、CS1を基準とした場合、CS3を切替後CS2に、CS2を切替後CS3にすることで、磁極位置設定器2で使用する切替後CS信号の方向が正しくなり、制御を正常に行うことができる。
また、前述した初期動作の影響を減らすために、トルク指令12を印加してから一定時間の磁極位置指令13を初期値のままとし、その後、磁極位置指令13を変化させる。磁極位置指令13の変化開始後からのCS信号15の変化方向を判定することで、検出方向の自動設定に要するモータの移動量を最小限に抑えることができ、かつ安定した状態からCS信号15の変化を検出する。このため、安定したCS信号方向の自動設定が可能となる。このように、磁極位置設定器2が、磁極位置指令13として出力する位置指定値を一定時間初期値の状態とし、一定時間経過後に初期値から一定の変化量で変化させるような構成としてもよい。
また、トルク指令12の印加時に一定の傾きをもたせることで、初期動作の衝撃を和らげることができる。
図4は、本発明の実施例2におけるモータ駆動装置のブロック図である。本モータ駆動装置は、図1に示した実施例1の構成と同様に、トルク指令生成器1と、磁極位置設定器2と、検出方向設定器としてのCS信号方向設定器3と、検出方向切替器4と、電流制御器5とを備えている。これら各構成要素は、実施例1と同様に機能し、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、本実施例のモータ駆動装置は、基本的動作は実施例1と同じであり、ここでは相違点のみ説明する。実施例1との相違点は、図4に示すように、モータ30には位置情報18を出力する位置検出器35がさらに取り付けられている。そして、位置情報18は、磁極位置設定器2に出力される。さらに、磁極位置設定器2が、起動信号11と切替後CS信号16だけでなく、位置情報18をも用いて磁極位置指令13を生成する点が実施例1と異なっている。
具体的には、磁極位置設定器2は、位置情報18を用いてトルク指令印加時の初期動作の完了を検出している。そして、この初期動作の完了を検出した後に、磁極位置指令13を変化させる。ロック状態の検出方法は、位置情報18の変化量が一定値以下になればモータはほぼ停止しており、ロック状態にあると判断する。これにより、ロック状態をすばやく検出でき、効率のよい位置検出方向の自動設定が実現できる。
このように、本実施例では、磁極位置設定器2は、位置指定値が初期値である状態でトルク指令12を印加し、位置情報18の変化量が一定値以下になってから、位置指定値を初期値から一定の変化量で変化させている。そして、CS信号方向設定器3は、複数のCS信号の変化順番があらかじめ想定した順番と一致しなければ、検出方向切替器4に検出方向切替信号17を出力して複数のCS信号を切り替え、一致すれば切り替えないような構成である。
以上説明したように、本発明のモータ駆動装置は、速度指令に応じたトルク指令値と内部で生成したトルク指定値とを切り替えて、トルク指令として出力するトルク指令生成器と、切替後磁極位置信号に基づく位置指令値と内部で生成した位置指定値とを切り替えて、磁極位置指令として出力する磁極位置設定器と、トルク指令と磁極位置指令とに基づき、駆動指令電圧を出力する電流制御器と、磁極位置指令と複数の磁極位置信号とに基づき、検出方向切替信号を生成する検出方向設定器と、検出方向切替信号に応じて複数の磁極
位置信号を切り替え、切替後磁極位置信号として出力する検出方向切替器とを備えている。そして、検出方向設定器は、磁極位置指令の変化方向と磁極位置信号の各信号の変化順番との関係により、検出方向切替信号を設定する。
この構成により、本発明によれば、磁極位置指令を変化させたときのCS信号の変化順番から正しいCS信号方向を自動設定できる。
なお、以上の説明では、トルク指定値の値を一定にした状態で、CS信号に関する初期設定を設定するような構成例を挙げて説明したが、トルク指令12の印加時に一定の傾きをもたせるような構成としてもよい。すなわち、トルク指令生成器1が、トルク指定値を目標値まで一定の変化量で大きくするような構成でもよい。このように構成することで、初期動作の衝撃を和らげることができる。
また、起動信号11には、電源投入後の最初のモータ通電開始入力や前面パネル操作による入力、外部からのI/F入力、通信からの起動入力などが考えられる。
また、磁極位置指令13の1回の変化量を調整することで、位置検出方向の自動判定時の動作速度を自由に調整できる。
また、本説明は便宜上回転モータによる記載になっているが、リニアモータなどの直線型のモータにも適用できる。図5Aは、本発明をリニアモータに適用したときの実施例において、トルク指令印加時におけるリニアモータの状態を示す図、図5Bは、ロック状態におけるリニアモータの状態を示す図、図5Cは、動作状態におけるリニアモータの状態を示す図である。図5A〜Cでは、固定子19と磁界20を発生する可動子22との位置関係を示している。図5A〜Cに示すように、リニアモータなどの直線型のモータでも本手法を用いることで、同様に位置検出方向の自動設定が可能である。
また、本説明は便宜上固定子19側が電磁石で、回転子21側が永久磁石の場合で説明しているが、固定子19側が永久磁石で、回転子21側が電磁石の場合でも同様の考え方で位置検出方向の自動設定が可能である。
本発明のモータ駆動装置は、同期電動機とCS信号の組合せ異常の検出などにも有用である。
1 トルク指令生成器
2 磁極位置設定器
3 CS信号方向設定器
4 検出方向切替器
5 電流制御器
Claims (4)
- 磁極位置信号を出力する磁極センサが取り付けられたモータを駆動制御するモータ駆動装置おいて、
速度指令に応じたトルク指令値と内部で生成したトルク指定値とを切り替えて、トルク指令として出力するトルク指令生成器と、
切替後磁極位置信号に基づく位置指令値と内部で生成した位置指定値とを切り替えて、磁極位置指令として出力する磁極位置設定器と、
前記トルク指令と前記磁極位置指令とに基づき、駆動指令電圧を出力する電流制御器と、前記磁極位置指令と複数の前記磁極位置信号とに基づき、検出方向切替信号を生成する検出方向設定器と、
前記検出方向切替信号に応じて前記複数の前記磁極位置信号を切り替え、前記切替後磁極位置信号として出力する検出方向切替器とを備え、
前記検出方向設定器は、前記磁極位置指令の変化方向と前記磁極位置信号の各信号の変化順番との関係により、前記検出方向切替信号を設定し、
前記磁極位置設定器は、前記磁極位置指令として出力する前記位置指定値を、初期値から一定の変化量で変化させ、
前記検出方向設定器は、複数の前記磁極位置信号の変化順番があらかじめ想定した順番と一致しなければ、前記検出方向切替器に前記検出方向切替信号を出力して複数の前記磁極位置信号を切り替え、一致すれば切り替えないことを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記磁極位置設定器は、前記磁極位置指令として出力する前記位置指定値を一定時間前記初期値の状態とし、一定時間経過後に前記初期値から一定の変化量で変化させることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
- 前記モータには位置情報を出力する位置検出器がさらに取り付けられており、
前記位置情報は前記磁極位置設定器に出力され、
前記磁極位置設定器は、前記位置指定値が初期値である状態で前記トルク指令を印加し、前記位置情報の変化量が一定値以下になってから、前記位置指定値を、前記初期値から一定の変化量で変化させ、
前記検出方向設定器は、複数の前記磁極位置信号の変化順番があらかじめ想定した順番と
一致しなければ、前記検出方向切替器に前記検出方向切替信号を出力して複数の前記磁極位置信号を切り替え、一致すれば切り替えないことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。 - 前記トルク指令生成器は、前記トルク指定値を目標値まで一定の変化量で大きくしていくことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
Priority Applications (3)
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