JP5792151B2 - 自動二輪車用タイヤ組成物、および、自動二輪車用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車用タイヤ組成物、および、自動二輪車用タイヤに関する。
近年、環境問題への関心の高まりから、低燃費化を実現できるタイヤが求められており、転動抵抗を低減したタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。タイヤ用ゴム組成物の物性とタイヤ性能との関係は従来から研究されており、特許文献1には、転動抵抗の低減とともにウェット性能と耐摩耗性を確保した四輪車用のタイヤ組成物として、摂氏60度のtanδおよび摂氏0度のtanδの範囲を規定した例が開示されている。
特開平5−25327号公報
ところで、自動二輪車は車体を傾斜させることでキャンバースラストを発生させて旋回するため、自動二輪車用のタイヤには、四輪車用のタイヤとは異なる旋回性能が求められる。具体的には、旋回時に満足できるレベルの剛性感を有することが求められ、低燃費タイヤであっても同様である。このため、転動抵抗が低く低燃費化に寄与し得るとともに、旋回時の剛性感に優れた自動二輪車用のタイヤ組成物が望まれていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、転動抵抗が低く低燃費化に寄与し得るとともに、旋回時の剛性感に優れた自動二輪車用タイヤ組成物、および、自動二輪車用タイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の自動二輪車用タイヤ組成物は、測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.182以下であり、測定温度−30℃における損失正接tanδの値と、−30℃における動的複素弾性率E*の値から下記式(1)で求められる値が1.4[MPa−1]以上であり、測定温度30℃における動的複素弾性率E*の値が9.6[MPa]以上であり、測定温度60℃における動的複素弾性率E*の値が6.9[MPa]以上である。
物性指数=10×tanδ/E* …(1)
本発明によれば、ウェット路およびドライ路における制動性能と、旋回時の剛性感との両面で優れており、かつ、低燃費化を達成可能な自動二輪車用タイヤを実現できる。
また、上記の自動二輪車用タイヤ組成物は、測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.155以下であり、測定温度−30℃における損失正接tanδの値と、−30℃における動的複素弾性率E*の値から上記式(1)で求められる値が2.2[MPa-1]以上であり、測定温度30℃における動的複素弾性率E*の値が10.1[MPa]以上であり、測定温度60℃における動的複素弾性率E*の値が7.4[MPa]以上であること、を特徴とする自動二輪車用タイヤ組成物であることが好ましい。
この場合、ウェット路およびドライ路における制動性能と、旋回時の剛性感との両面でより優れており、かつ、より一層の低燃費化を達成可能な自動二輪車用タイヤを実現できる。
また、上記の自動二輪車用タイヤ組成物は、測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.128以下であることが好ましい。
この自動二輪車用タイヤ組成物を用いれば、さらなる低燃費化を達成できる。
また、上記の自動二輪車用タイヤ組成物は、測定温度−30℃における動的複素弾性率E*の値が1140[MPa]以下であり、測定温度−30℃における損失正接tanδの値が0.251以上であることが好ましい。
この場合、上記式(1)で得られる物性指数との相関を有するウェット路における制動性能において、優れた自動二輪車用タイヤを実現できる。
また、上記の自動二輪車用タイヤ組成物は、天然ゴムおよび末端変性ポリマーを含んで構成されるポリマー部と、表面処理シリカとを含むものがより好ましい。
この場合、入手性に優れる天然ゴムを用いて、制動性能と旋回時の剛性感に優れ、低燃費化を達成可能な自動二輪車用タイヤを、容易に製造できる。
ここで、上記のポリマー部は、タイヤ組成物に含まれるゴムおよび合成ゴム成分の総和であり、例えば、天然ゴムやジエン系ゴム(ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等)を含む。
また、本発明の自動二輪車用タイヤは、トレッド部、ショルダー部およびサイドウォール部を有し、前記トレッド部および前記ショルダー部を含む接地部において接地可能とされた自動二輪車用タイヤであって、前記接地部は全体としてラウンド形状を有し、少なくとも前記接地部全体が、上記の自動二輪車用タイヤ組成物によって構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、接地部全体が、低燃費性と優れた制動性能および旋回性能を発揮する組成物で構成されているので、直進走行時も旋回時も優れた走行性能を有し、低燃費化を実現可能な自動二輪車用タイヤを提供できる。また、接地部が全体としてラウンド形状を有し、このラウンド形状の接地部が、本発明に係るタイヤ組成物で構成されているので、旋回時に優れた剛性感を発揮する。
さらに、上記自動二輪車用タイヤにおいて、前記接地部に加え、前記サイドウォール部が、上記の自動二輪車用タイヤ組成物によって構成されたものとしてもよい。この場合、トレッド部、ショルダー部およびサイドウォール部を一体として同一材料により成形することが可能であり、工数が少なく量産性に優れた自動二輪車用タイヤを提供できる。
また、上記自動二輪車用タイヤはバイアスタイヤであってもよい。この場合、制動性能および旋回性能に優れ低燃費化が可能な自動二輪車用タイヤを、低コストで提供できる。
また、本発明の自動二輪車用タイヤは、測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.182以下であり、測定温度−30℃における損失正接tanδの値と、−30℃における動的複素弾性率E*の値から下記式(1)で求められる値が1.4[MPa −1 ]以上であり、測定温度60℃における動的複素弾性率E*の値が6.9[MPa]以上である、自動二輪車用タイヤ組成物によって構成されたこと、を特徴とする。
物性指数=10 ×tanδ/E* …(1)
本発明によれば、ウェット路における制動性能と、旋回時の剛性感とで優れており、かつ、低燃費化を達成可能な自動二輪車用タイヤを実現できる。
本発明によれば、ウェット路およびドライ路における制動性能、旋回性能の両面で優れており、かつ、低燃費化を達成可能な自動二輪車用タイヤを実現できる。
また、ポリマー部と表面処理シリカを含むことで、ウェット路およびドライ路における制動性能、旋回性能の両面で優れており、かつ、低燃費化を達成可能な自動二輪車用タイヤを容易に製造できる。
また、トレッド部、ショルダー部およびサイドウォール部を有し、トレッド部およびショルダー部を含む接地部全体が低燃費性、制動性能および旋回性能において良好な特性を発揮する組成物で構成されているので、直進走行時も旋回時も優れた走行性能を有する自動二輪車用タイヤを提供できる。
また、接地部が全体としてラウンド形状を有し、このラウンド形状の接地部が、本発明のタイヤ組成物で構成されているので、優れた旋回性能を発揮する。
さらに、トレッド部、ショルダー部およびサイドウォール部を一体として同一材料により成形することが可能であり、工数が少なく量産性に優れた自動二輪車用タイヤを提供できる。
また、バイアスタイヤとすることで、制動性能および旋回性能に優れ低燃費化が可能な自動二輪車用タイヤを、低コストで提供できる。
本発明の実施形態に係るタイヤの断面図である。 実施例および比較例のタイヤの特性を示す図表である。 実施例および比較例のタイヤの特性を示す図表である。 実施例および比較例のタイヤの特性を示す図表である。 実施例および比較例のタイヤの特性を示す図表である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ1の断面図である。この図1に示すタイヤ1は、自動二輪車に装着されるタイヤである。
タイヤ1は、ビードコア2を埋設した一対のビード部3と、ビード部3からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部4と、両サイドウォール部4、4間にまたがって延びるトレッド部5とを備えている。トレッド部5とサイドウォール部4との境界は側方にやや張り出したショルダー部6となっている。
また、タイヤ1においては、タイヤ赤道面CLとのなす角が65〜90°となるように平行配列した複数本の高弾性テキスタイルコード等の補強素子をゴム被覆してカーカス8を構成し、このカーカス8を、例えば非伸張性の環状体としたビードコア2およびその上に隣接配置されるビードエペックス7の周りに、タイヤ幅方向内側から外側に向かって巻き上げて係止している。タイヤ1はバイアスタイヤであり、タイヤ1の周方向に延びるベルトは備えていない。
タイヤ1は、タイヤ赤道面CLを含むセンター域9を中心とするトレッド部5が、トレッド部5とサイドウォール部4との境界に位置するショルダー部6とともに、接地部Sを構成している。タイヤ1を装着した自動二輪車が直進走行している状態では、センター域9を中心として主にトレッド部5が接地し、旋回中は主にトレッド部5の端部とショルダー部6が接地する。このため、接地部Sは全体としてラウンド形状となっている。
本発明を適用したタイヤ1は、以下に説明するように、低燃費化を達成し、制動性能および旋回性能も優れている。タイヤの低燃費化は転動抵抗の抑制により達成できることが知られており、本発明者らは、転動抵抗の指標としてRRC指数を用いて検討した。また、発明者らは、ドライ路とウェット路のそれぞれにおける制動性能について検討し、さらに旋回性能についても検討した。
上述したようにタイヤ1の接地部Sの弾性率は燃費に影響する。本発明者らは、特に測定温度60℃における損失正接tanδ(以下、tanδ(60℃)と表記する。30℃、−30℃についても同様。)がRRC指数と相関を有することを見いだした。
また、本発明者らは、接地部の動的複素弾性率E*が、タイヤの旋回性能と強い相関を有することを見いだし、特に60℃における動的複素弾性率E*(以下、E*(60℃)と表記する。−30℃、30℃についても同様。)が大きいほど、タイヤの旋回時の剛性感が増し、旋回性能を高められることを見いだした。
さらに、本発明者らは、E*(30℃)が、ドライ路における制動性能と相関を有すること、および、tanδ(−30℃)の値とE*(−30℃)の値とから下記式(1)で求められる値が、ウェット路における制動性能と強い相関を有することを見いだした。
そして、各温度における好適なtanδおよびE*を示すタイヤ組成物を用いることで、低燃費化とともに制動性能および旋回性能において優れたタイヤ1を実現した。
本発明のタイヤ1を構成するタイヤ組成物は、tanδ(60℃)の値が0.182以下であり、tanδ(−30℃)の値と、E*(−30℃)の値から下記式(1)で求められる値が1.4[MPa−1]以上であり、E*(30℃)の値が9.6[MPa]以上であり、E*(60℃)の値が6.9[MPa]以上であること、を特徴とする。
物性指数=10×tanδ/E* …(1)
上記式(1)で求められる物性指数は、E*が低く、tanδが高いほど大きくなる。E*が低いことは、接地部Sの路面に対する密着性が高いことを示す。一方、tanδが高いことは、接地部Sと路面との密着後の制動時におけるエネルギー損失が大きいことを示す。測定温度−30℃の値は接地部Sが路面に密着しにくい状況の特性に関連する。これらの知見から、発明者らは、上記式(1)で求められる物性指数が1.4[MPa−1]以上である場合に、ウェット路における優れた制動性能が発揮されることを明らかにした。
特に、上記式(1)の物性指数が2.2[MPa−1]以上である場合に、ウェット路における制動性能がより高められることを明らかにした。さらにまた、上記式(1)の物性指数が1.4[MPa−1]以上であって、かつ、E*(−30℃)の値が1140[MPa]以下であり、tanδ(−30℃)の値が0.251以上である場合に、ウェット路における制動性能がより一層高められることを明らかにした。
また、E*(30℃)の値は、接地部Sが路面に比較的密着しやすい状況における特性に関連する。発明者らは、E*(30℃)の値が9.6[MPa]以上である場合に、ドライ路における優れた制動性能が発揮されることを明らかにした。さらに、E*(30℃)の値が10.1[MPa]以上である場合に、ドライ路における制動性能がより一層高められることを明らかにした。
加えて、RRC指数は、接地部の弾性率の指標である損失正接tanδと相関があり、tanδ(60℃)が小さくなるほどRRC指数が低減することが知られている。この点で、tanδ(60℃)の値が0.182以下となる場合に、低燃費化を実現し得ることを明らかにした。さらに、tanδ(60℃)の値が0.155以下となる場合に、より一層の低燃費化が実現できることを明らかにした。また、tanδ(60℃)の値が0.128以下の場合に、さらなる低燃費化を実現できることを明らかにした。
そして、低燃費化とともに、E*(60℃)の値が6.9[MPa]以上である場合に、優れた高速旋回性能が得られることを明らかにした。また、E*(60℃)の値が7.4[MPa]以上である場合に、より優れた高速旋回性能が得られることを明らかにした。
そして、タイヤ1は、トレッド部5、ショルダー部6およびサイドウォール部4、4を有し、トレッド部5およびショルダー部6を含む接地部Sにおいて接地可能な形状にされ、少なくとも接地部S全体が本発明のタイヤ組成物によって構成されている。これにより、接地部S全体が低燃費性、制動性能および旋回性能の全てにおいて良好な特性を発揮するので、直進走行時も旋回時も優れた走行性能を有する自動二輪車用タイヤを提供できる。さらに、接地部Sとともにサイドウォール部4、4を本発明のタイヤ組成物で構成してもよい。この場合、タイヤ1は、ビードコア2とビードエペックス7にカーカス8を巻き上げた後、一体として成形することが可能であり、工数が少なく量産性に優れている。
また、接地部Sは全体としてラウンド形状を有し、このラウンド形状の接地部Sを本発明のタイヤ組成物で構成することにより、旋回時に優れた剛性感を発揮する。さらに、タイヤ1はスチールベルトを備えていないバイアスタイヤであるので、タイヤ1の接地部Sの特性には、接地部Sを構成するタイヤ組成物の特性が強く反映される。このため、本発明のタイヤ組成物で接地部Sを構成することで、制動性能および旋回性能に優れ、低燃費化を達成可能なタイヤ1を実現できる。
なお、上述したところは、この発明の実施態様の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、公知のタイヤと同様の構成とすることもでき、種々の変更を加えたりすることが可能である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
以下の実施例では、本発明を適用した実施例1〜8、および、比較対象としての比較例1〜4について試作および評価を行った。
各実施例の仕様、物性の測定結果、および評価は、表1に示す通りである。なお、表1に記載した符号A〜Lは、後述する図中のプロットとの対応を示す。
Figure 0005792151
*1 SIR(Standard Indonesian Rubber)
*2 日本ゼオン株式会社製「Nipol(登録商標) 1723」
*3 日本ゼオン株式会社製「Nipol(登録商標) 1502」
*4 日本ゼオン株式会社製「Nipol(登録商標) NS116R」
*5 日本ゼオン株式会社製「Nipol(登録商標) NS616」
*6 日本ゼオン株式会社製「Nipol(登録商標) BR1220」
*7 東海カーボン株式会社製「シーストKH」
*8 Rhodia社製「Zeosil(登録商標) 115GR」
*9 Evonic−Degussa社製「Si−75」
*10 酸化亜鉛3種
*11 大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」
*12 大内新興化学工業株式会社製「ノクラック224」
*13 マイクロクリスタリンワックス
*14 Struktol Company of America製「Struktol(登録商標) EF44」
*15 大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーNS−P」
*16 大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーD」
表1において、RRC物性指数は、60℃における損失正接tanδ(60℃)である。DRY物性指数は、E*(30℃)であり、WET物性指数は、下記式(1)により得られる物性指数である。高速旋回性能の物性指数は、E*(60℃)である。また、E*の単位は[MPa]である。
WET物性指数=10×tanδ/E* …(1)
各実施例および各比較例のタイヤ組成物を用いて自動二輪車用のタイヤを試作し、試験に用いた。試作したタイヤはサイズが80/90−17のバイアスタイヤであり、ナイロンコードをゴム被覆してなる2層のプライを配置したカーカスを備え、図1に示す構造を有している。
[粘弾性試験]
損失正接tanδおよび動的複素弾性率E*は、下記の測定条件で測定した。
測定装置:GABO社製 粘弾性測定装置「Eplexer 1500N」
測定条件:圧縮モード
−60℃〜20℃…静歪3.0%、動歪0.1%
20℃〜60℃…静歪3.0%、動歪1.0%
試験片形状:φ5×6mm
周波数:10Hz
[WET制動試験、DRY制動試験]
実施例1〜8および比較例1〜4の各仕様のタイヤを正規リムに組み込み、正規内圧となるように空気が充填された状態で、排気量110ccの市販の小型自動二輪車に装着した(以下、試験車両という)。
試験車両を用いて、調整後の路面を走行する走行試験を行い、所定速度からの急制動時において、車輪のロックが発生しない範囲における発生Gに基づき評価点(5点満点)を決定した。WET制動試験では試験車両によりウェット調整された路面を走行し、WET制動性能の評価点を決定し、DRY制動試験では乾燥路面を走行してDRY制動性能の評価点を決定した。
[高速旋回試験]
試験車両を100km/hで旋回走行させる定常円旋回試験を行い、テストライダーの官能評価により評価点(5点満点)を決定した。
[RRC指数測定]
上記仕様のタイヤを1.7mドラム抵抗試験機に装着して、60km/h走行時のころがり抵抗係数(RRC)を求め、スコア化した。表1に示した実施例1〜8及び比較例2〜4のスコアは、比較例1のスコアを100とした場合の相対値である。
[目標値]
表1に示す各スコアについて目標値を設定した。具体的には、WET制動試験のスコアは3.00以上、DRY制動試験のスコアは3.50以上、高速旋回試験のスコアは3.25以上、RRC指数のスコアは85以下を目標値とした。
[材料物性とタイヤ性能の相関]
表1に示す材料物性(RRC物性指数、DRY物性指数、WET物性指数、高速旋回性能物性指数)と、タイヤ性能のスコア(RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能、高速旋回性能)との相関を、図2〜図5の図表に示す。図2〜図5の各図表に示したプロットしたAは比較例1の値であり、Bは比較例2の値、Cは比較例3の値、Dは比較例4の値、Eは実施例1の値、Fは実施例2の値、Gは実施例3の値、Hは実施例4の値、Iは実施例5の値、Jは実施例6の値、Kは実施例7の値、Lは実施例8の値である。
図2は、WET物性指数(10×tanδ(−30℃)/E*(−30℃))とWET制動性能のスコアとの相関を示す図表である。この図2に示すように、WET物性指数とWET制動性能とは非常に強い相関を示している。比較例1〜4および実施例1〜8のプロットの全てにおいて目標値3.00が得られている。実施例2(プロットF)の値を境界値として見ることができるので、WET物性指数が少なくとも1.4[MPa−1]以上であれば、WET制動性能の目標値である3.00以上を満たすことが明らかになった。
さらに、実施例6(プロットJ)を境界として、WET制動性能のスコアが3.25以上となっている。この結果から、WET物性指数が2.2[MPa−1]以上の場合に、より優れたWET制動性能(スコア3.25以上)が得られることが明らかになった。また、実施例6(プロットJ)が境界値となっていることから、E*(−30℃)の値が1140[MPa]以下、かつ、tanδ(−30℃)の値が0.251以上である場合に、WET制動性能がより優れているということもできる。
図3は、DRY物性指数(E*(30℃))とDRY制動性能のスコアとの相関を示す図表である。この図3に示すように、DRY物性指数とDRY制動性能とは非常に強い相関を示している。比較例1〜4および実施例1〜8のプロットによれば、実施例1(プロットE)が、目標値3.50が得られる範囲の境界値となっている。この結果から、DRY物性指数が9.6[MPa]以上の場合に、DRY制動性能の目標値である3.50以上を満たすことが明らかになった。
さらに、実施例2(プロットF)を境界として、DRY運動性能のスコアが3.75以上となっている。この結果から、DRY物性指数が10.1[MPa]以上の場合に、より優れたDRY制動性能(スコア3.75以上)が得られることが明らかになった。
図4は、高速旋回性能物性指数(E*(60℃))と高速旋回性能のスコアとの相関を示す図表である。本発明者らは、従来はタイヤ組成物において着目されていなかったE*(60℃)が、図4に示すように、タイヤの旋回性能に重要な相関を有することを見いだした。この図4における比較例1〜4および実施例1〜8の全てにおいて目標値3.25が得られている。比較例3(プロットC)の値を境界値として見ることができるので、高速旋回性能物性指数が少なくとも6.9[MPa]以上であれば、高速旋回性能の目標値である3.25以上を満たすことが明らかになった。
さらに、実施例3(プロットG)を境界として、高速旋回性能のスコアが3.50以上となっている。この結果から、E*(60℃)が7.4[MPa]以上の場合に、より優れた高速旋回性能(スコア3.50以上)が得られることが明らかになった。
図5は、RRC物性指数(tanδ(60℃))とRRC指数のスコアとの相関を示す図表である。図5に示すように、tanδ(60℃)はRRC指数に強い相関を示し、低燃費化に重要である。この図5における比較例1〜4および実施例1〜8のプロットから、R2=0.9679の近似曲線を得た。この近似曲線から、tanδ(60℃)が0.182以下の場合に、RRC指数の目標値である85以下を達成できることが明らかになった。
さらに、上記の近似曲線からは、tanδ(60℃)が0.155以下の場合に、より優れたRRC指数(80以下)を達成できることが明らかになった。
さらにまた、図5ではプロットC〜Kが2つのクラスターを構成することが認められ、これら2つのクラスターの境界はtanδ(60℃)=0.128である。tanδ(60℃)=0.128は、RRC指数75の場合にほぼ相当する。そして、tanδ(60℃)≦0.128に属するクラスターはRRC指数が特に低く、より一層の低燃費化を実現できる。この考察から、tanδ(60℃)が0.128以下の場合に、より一層優れたRRC指数(75以下)を達成できることが明らかである。
以上の結果をまとめると、以下の要件の全てを満たすタイヤ組成物が、低燃費性、制動性能および旋回性能のいずれにおいても優れた特性を示す。
・WET物性指数が1.4[MPa−1]以上。
・DRY物性指数(E*(30℃))が9.6[MPa]以上。
・RRC物性指数(tanδ(60℃))が0.182以下。
・高速旋回性能物性指数(E*(60℃))が6.9[MPa]以上。
また、次の要件の全てを満たすタイヤ組成物は、低燃費性、制動性能および旋回性能のいずれにおいても、より優れた特性を示す。
・WET物性指数が2.2[MPa−1]以上。
・DRY物性指数(E*(30℃))が10.1[MPa]以上。
・RRC物性指数(tanδ(60℃))が0.155以下。
・高速旋回性能物性指数(E*(60℃))が7.4[MPa]以上。
以下、比較例1〜4および実施例1〜8の組成および試験結果について説明する。
[比較例1]
比較例1のタイヤ組成物は、E−SBR(乳化重合スチレン・ブタジエンゴム)(137.5重量部)を含む。E−SBRの内訳は、オイル成分(37.5重量部)とポリマー成分(100重量部)である。比較例1のタイヤ組成物は、上記のE−SBRにカーボンブラック(100重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、アロマオイル(32.5重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(2重量部)、加硫促進剤(1.5重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(E−SBR中のポリマー成分)(100重量部)に対する値である。
比較例1のタイヤ組成物は、表1に示したように、他の例(比較例2〜4および実施例1〜8)に比較してRRC指数が顕著に高く、目標値に達していない。比較例1は従来の典型的なタイヤ組成の例であり、低燃費化において望む特性が得られなかった。
[比較例2]
比較例2のタイヤ組成物は、比較例1と同様のE−SBR(137.5重量部)にカーボンブラック(75重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、アロマオイル(8重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(0.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(E−SBR中のポリマー成分)(100重量部)に対する値である。
比較例2のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数が目標値に達していない。比較例2は、従来の一般的なタイヤ組成に近い組成の例であり、低燃費化の点で望む特性が得られなかった。
[比較例3]
比較例3のタイヤ組成物は、比較例1、2とは別の種類のE−SBR(100重量部)に、カーボンブラック(50重量部)、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、アロマオイル(15重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(0.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
比較例3のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数では改善が見られたものの、DRY制動性能が目標値に達していない。
[比較例4]
比較例4のタイヤ組成物は、天然ゴム(70重量部)にS−SBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)(30重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、カーボンブラック(50重量部)を合わせた組成となっている。このS−SBRは非油展スチレン・ブタジエンゴムであり、さらにシリカ配合用の末端変性ポリマーとなっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(0.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
比較例4のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数では改善が見られたものの、DRY制動性能が目標値に達していない。
[実施例1]
実施例1のタイヤ組成物は、天然ゴム(60重量部)にS−SBR(40重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、カーボンブラック(50重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(0.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例1のタイヤ組成物は、表1に示したように、良好なRRC指数を示しており、かつ、DRY制動性能、WET制動性能および高速旋回性能の面でも目標値に達している。実施例1のタイヤ組成物は、比較例4に近い組成でありながら、全ての項目で好ましい性能を満たしている。また、実施例1のタイヤ組成物は天然ゴムを使用するので、ポリマーの入手性に優れているという利点もある。後述する実施例2〜6についても同様に、ポリマーの入手性に優れているといえる。
[実施例2]
実施例2のタイヤ組成物は、天然ゴム(60重量部)にS−SBR(40重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、カーボンブラック(50重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(1.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例2のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能および高速旋回性能のいずれも目標値を満たしている。特にDRY制動性能では他の例に比較して顕著に優れている。
[実施例3]
実施例3のタイヤ組成物は、天然ゴム(35重量部)、S−SBR(50重量部)、BR(ブタジエンゴム)(15重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、カーボンブラック(50重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(0.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例3のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能および高速旋回性能のいずれも目標値を満たしている。
[実施例4]
実施例4のタイヤ組成物は、天然ゴム(50重量部)、S−SBR(35重量部)、BR(15重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、カーボンブラック(50重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(1.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例4のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能および高速旋回性能のいずれも目標値を満たしており、実施例1〜3と比較しても、より一層の低燃費化を達成できている。
[実施例5]
実施例5のタイヤ組成物は、天然ゴム(35重量部)、S−SBR(50重量部)、BR(15重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、カーボンブラック(50重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、加硫促進剤(1.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例5のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能、高速旋回性能のいずれも目標値を満たしている。
[実施例6]
実施例6のタイヤ組成物は、天然ゴム(70重量部)、S−SBR(30重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、カーボンブラック(50重量部)を合わせた組成となっている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(2.3重量部)、加硫促進剤(1.7重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例6のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能、高速旋回性能のいずれも目標値を満たしている。この実施例6のタイヤ組成物は、実施例1〜5と同様のRRC指数を実現している上、各実施例に比べ高速旋回性能が顕著に優れている。さらに、実施例6のタイヤ組成物は、実施例1と比べて天然ゴムを多く使用し、その分だけS−SBRの使用量を抑えているので、ポリマーの入手性の面でもより優れているといえる。
[実施例7]
実施例7のタイヤ組成物は、比較例4および実施例1〜6とは異なる種類のS−SBR(85重量部)にBR(15重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)を含有する。このS−SBRは非油展スチレン・ブタジエンゴムであり、さらにシリカ配合用の末端変性ポリマーとなっている。さらに、ポリマー部(100重量部)に対し、シリカ(60重量部)、シランカップリング剤(4.8重量部)を合わせた組成である。これらの他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、2種類の加硫促進剤(2.2重量部と0.75重量部)を含む。また、脂肪酸亜鉛塩(3重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例7のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数が他の実施例に比べて顕著に低く、優れた低燃費性能を実現している。さらに、DRY制動性能、WET制動性能、高速旋回性能のいずれも目標値を満たしている。
この実施例7のタイヤ組成物は、表面処理シリカと、シリカ用の末端変性S−SBRを採用したことにより、シリカとポリマーとの間の相互作用が高められ、RRC物性指数(tanδ(60℃))が特に低くなっており、優れた低燃費性能を実現していると考えることができる。
[実施例8]
実施例8のタイヤ組成物は、天然ゴム(20重量部)、実施例7と同じS−SBR(65重量部)、BR(15重量部)を合わせたポリマー部(100重量部)に対し、シリカ(80重量部)を合わせた組成となっている。さらに、シランカップリング剤(6.4重量部)と、ナフテンオイル(20重量部)を加えている。他に、酸化亜鉛(3重量部)、ステアリン酸(1重量部)、2種類の老化防止剤(3.5重量部と2重量部)、マイクロクリスタリンワックス(2重量部)、硫黄(1.7重量部)、2種類の加硫促進剤(2.2重量部と0.75重量部)を含む。また、脂肪酸亜鉛塩(3重量部)を含む。含有量は、ポリマー部(100重量部)に対する値である。
実施例8のタイヤ組成物は、表1に示したように、RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能、高速旋回性能のいずれも目標値を満たしている。実施例7と同様、表面処理シリカと、シリカ用の末端変性ポリマーであるS−SBRを採用したことにより、tanδ(60℃)が低くなっていると考えられる。さらに、実施例8のタイヤ組成物は、実施例7と比べて天然ゴムを多く使用し、その分だけS−SBRの使用量を抑えているので、ポリマーの入手性の向上を図ることができる。
また、実施例1〜8は、RRC指数、DRY制動性能、WET制動性能、高速旋回性能のいずれも目標値を満たしている上、DRY制動性能に影響を与えるE*(30℃)の値がいずれも11.2[MPa]以上である。このことから、上記の各性能を満足した上で、より優れたDRY制動性能を発揮するため、E*(30℃)の値が11.2[MPa]以上であることが好ましいといえる。
本発明に係るタイヤ組成物は、自動二輪車用のタイヤとして実施することができ、このタイヤは、種々の自動二輪車に装着することができる。特に、小排気量の原動機を搭載した小型の自動二輪車に好適である。
1 タイヤ
3 ビード部
4 サイドウォール部
5 トレッド部
6 ショルダー部
8 カーカス
9 センター域
S 接地部
CL タイヤ赤道面

Claims (8)

  1. 測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.182以下であり、
    測定温度−30℃における損失正接tanδの値と、−30℃における動的複素弾性率E*の値から下記式(1)で求められる値が1.4[MPa-1]以上であり、
    測定温度30℃における動的複素弾性率E*の値が9.6[MPa]以上であり、
    測定温度60℃における動的複素弾性率E*の値が6.9[MPa]以上であること、
    を特徴とする自動二輪車用タイヤ組成物。
    物性指数=104×tanδ/E* …(1)
  2. 測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.155以下であり、
    測定温度−30℃における損失正接tanδの値と、−30℃における動的複素弾性率E*の値から上記式(1)で求められる値が2.2[MPa-1]以上であり、
    測定温度30℃における動的複素弾性率E*の値が10.[MPa]以上であり、
    測定温度60℃における動的複素弾性率E*の値が7.[MPa]以上であること、
    を特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タイヤ組成物。
  3. 測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.128以下であること、
    を特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タイヤ組成物。
  4. 測定温度−30℃における動的複素弾性率E*の値が1140[MPa]以下であり、
    測定温度−30℃における損失正接tanδの値が0.251以上であること、
    を特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タイヤ組成物。
  5. 天然ゴムおよび末端変性ポリマーを含んで構成されるポリマー部と、表面処理シリカとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車用タイヤ組成物。
  6. トレッド部(5)、ショルダー部(6)およびサイドウォール部(4)を有し、前記トレッド部および前記ショルダー部を含む接地部(S)において接地可能とされた自動二輪車用タイヤ(1)であって、
    前記接地部は全体としてラウンド形状を有し、
    少なくとも前記接地部全体が、請求項1から5のいずれかに記載の自動二輪車用タイヤ組成物によって構成されたこと、
    を特徴とする自動二輪車用タイヤ。
  7. 前記接地部に加え、前記サイドウォール部が請求項1から5のいずれかに記載の自動二輪車用タイヤ組成物によって構成されたことを特徴とする請求項6記載の自動二輪車用タイヤ。
  8. 測定温度60℃における損失正接tanδの値が0.182以下であり、
    測定温度−30℃における損失正接tanδの値と、−30℃における動的複素弾性率E*の値から下記式(1)で求められる値が1.4[MPa-1]以上であり、
    測定温度60℃における動的複素弾性率E*の値が6.9[MPa]以上である、自動二輪車用タイヤ組成物によって構成されたこと、
    を特徴とする自動二輪車用タイヤ。
    物性指数=104×tanδ/E* …(1)
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