JP5791094B2 - 光増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、信号光を増幅する光増幅器に関する。
光増幅器として従来から、光半導体を用いたものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。光半導体は、電流を印加するとキャリアの反転分布が形成される媒質であり、これにより入力光に対して増幅作用を及ぼすことができる。このような光半導体を用いた光増幅器は、光ファイバ増幅器などの他の光増幅器に比べて、小型化が可能、他の半導体光回路との集積化が可能、半導体の組成を選ぶことにより増幅波長が任意に設定できる、増幅波長帯域が広いなどの利点を有している。また、量子ドットを用いた半導体光増幅器は反転分布状態の時定数が小さく、高速信号の増幅に適している。(例えば、非特許文献1を参照。)。しかし、量子ドットを用いた半導体光増幅器には増幅に関する偏波依存性が5〜6dB程度存在しており、この偏波依存性の低減も課題となっている。
特開平05−136455号公報
Nami Yasuoka et.all, Quantum−Dot Semiconductor Optical Amplifiers With Polarization−Independent Gains in 1.5−μmWavelength Bands、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VOL.20, NO.23,pp1908−1910
しかし、光増幅器に強い光強度の信号光を入力すると、誘導放出により増幅器内のキャリア密度が減少し、これに伴って増幅利得が減少する。なお、キャリア密度は光強度オンのときに小となり、光強度オフのときに大となるが、キャリア密度は光強度の変化に瞬時に応答するわけではなく、所定の時定数をもって変化する。本明細書では、キャリア密度の変化の時定数を反転分布状態の時定数として説明する。
例えば、単一パルスの信号光が光増幅器に入力される場合について説明する。光増幅器のキャリア密度が大の状態で入力される信号光の先頭部は高い増幅利得を受け、光強度オンの状態が続くとキャリア密度は所定の定常値に向かって減少していく。これに伴って増幅利得も減少するので、光増幅器の出力光強度も所定の定常値に向かって減少していく。すなわち、光増幅器の出力光パルス波形は、入力光パルス波形とは異なった形となる。そして、信号光の光強度がオフになると、キャリア密度は元の高密度状態へと緩和していく。
このようなメカニズムにより、信号光を強い光強度で光増幅器に入力すると信号波形が歪むことになる。具体的には、信号波形歪みは、信号“0”が続いた後に信号“1”が入力されたときに大きくなる。それに対して、信号“1”が続いた後に、信号“0”、“1”が入力されると、信号波形歪みは小さくなる。その理由は次の通りである。
入力光強度オンの状態が続くと、キャリア密度および出力光強度は所定の定常値になる。ここで、入力光強度がオンからオフになると、キャリア密度は定常値から大の状態へと緩和していくが、オフの時間が短ければキャリア密度が十分に大の状態になる前に入力光強度が再びオンになる。したがって、信号“0”が続いた後に信号“1”が入力された場合に比べて、信号光の先頭部が受ける増幅利得は小さい。すなわち、出力光パルスの立ち上がりの高さが低くなり、信号波形歪みも小さくなる。
以上示した光増幅器における信号波形歪みの発生原理に着目し、上記課題を解決するために、本発明は、別途ゲインクランプ光を出力する光源や動的に利得や出力光強度を制御するアクティブな素子を追加せずに、受動素子を加えるだけで、信号光を光増幅器で増幅しても信号波形歪みを低減できる光増幅器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器は、信号光又は信号光の一部が増幅媒体のキャリアを消費してから増幅媒体の反転分布状態の時定数より長い時間が経過して増幅利得が定常状態に近づいた増幅媒体で信号光又は信号光の残りの部分を増幅して出力することとした。
具体的には、本発明に係る光増幅器は、増幅媒体を内蔵し、一端の入出力端から他端の入出力端までの光の伝搬時間が前記増幅媒体の反転分布状態の時定数より長く、光の伝搬方向に対称的な構造を有しており、入力の際の偏波方向に応じた所定の出力の際の偏波方向で光を双方向に増幅する増幅部と、入力される光を直交する偏波成分の2つの直線偏波光に分離して前記増幅部のそれぞれの前記入出力端へ入力し、前記増幅部で増幅して出力された前記直線偏波光を、互いに直交した偏波で合波して出力する偏波分離合波手段と、前記偏波分離合波手段から出力される前記直線偏波光を、前記増幅部内での伝搬方向が互いに逆になるように前記増幅部に入力し、前記増幅部から出力される増幅された前記直線偏波光を前記偏波分離合波手段に入力する偏波保持伝搬媒体と、を備える。
本光増幅器は、入力信号光を2つの互いに直交する直線偏波光に分離し、それぞれの直交する偏波を、所定の偏波にて増幅媒体の異なる入出力端から入力し、それぞれの出力を互いに直交する偏波で合波している。例えば、増幅媒体が半導体からなる増幅媒体である場合は、2つの直線偏波光をTE又はTMの何れかの偏波方向に揃え、半導体増幅媒体の両入出力端から入力する。なお、2つの直線偏波光の偏波方向を増幅媒体の増幅作用が大きい偏波方向とすることで光増幅器の増幅率を高めることができる。更に、2つの直線偏波光は増幅媒体内で逆向きに進行することになる。このため、一方の直線偏波光は、増幅媒体を伝搬する時間の後半において既に他方の直線偏波光が通過した後のキャリア密度が定常状態に近づいた増幅媒体を伝搬することになり、増幅媒体の光の伝搬方向を一方方向のみの伝搬で増幅する場合より信号波形歪みが少なくなる。
従って、本発明は、信号波形歪みを低減できる光増幅器を提供することができる。
本発明に係る光増幅器は、入力される光を非偏光状態に変化させて前記偏波分離合波手段に入力するデポラライザをさらに備えることを特徴とする。入力信号光の偏波状態によらず、光増幅部の両入出力端に入力する直線偏波光の光強度比を等しくすることができる。このため、本発明は、どちらの入出力端から入力した光に対しても、増幅部に内蔵する増幅媒体内に信号波形歪み発生を抑制できるキャリア密度を得ることができ、信号波形歪み抑圧の偏波依存性を低減できる。
本発明に係る光増幅器は、増幅媒体を内蔵し、一端の入出力端から他端の入出力端までの光の伝搬時間が前記増幅媒体の反転分布状態の時定数より長く、光の伝搬方向に対称的な構造を有し、入力の際の偏波方向に応じた所定の出力の際の偏波方向で光を双方向に増幅する増幅部と、入力される直線偏波光を2つに分離して前記増幅部のそれぞれの前記入出力端へ入力し、前記光増幅部で増幅して出力された前記直線偏波光を、互いに直交した偏波で合波して出力する光合分波器と、前記光合分波器から出力される前記直線偏波光を、前記増幅部内での伝搬方向が互いに逆になるように前記増幅部に入力し、前記増幅部から出力される増幅された前記直線偏波光を前記光合分波器に入力する偏波保持伝搬媒体と、前記偏波保持伝搬媒体に配置され、前記直線偏波光の偏波方向を進行方向によって45度の奇数倍逆方向に回転する偏波回転素子と、を備える。
直線偏波光を合波する光合分波器以外のサーキュレータ等の被増幅対象の入力光と増幅後の出力光を分離するための素子を不要とすることができる。
本発明に係る他の光増幅器は、増幅媒体を内蔵し、光の伝搬方向に対称的な構造を有し、光を双方向に増幅する増幅部と、前記増幅部の一端の入力端から入力し前記増幅部で増幅し前記増幅部の他端の入出力端から出力される光を反射して前記増幅部の前記他端の入出力端へ戻し前記増幅部で再び増幅し前記増幅部の前記一端の入出端から出力させ、前記増幅部の前記一端の入出力端から前記増幅部の前記一端の入出力端までの光の往復時間が前記増幅媒体の反転分布状態の時定数より長くなる位置に配置された反射素子と、を備える。
本光増幅器の構造は、2つの光増幅媒体を内蔵する前記増幅部を光増幅媒体間の伝搬媒体の中点で折り返した構造に等しい。本発明は、信号波形歪みを低減できる光増幅器を提供することができ、且つ反転分布状態の時定数が大きい増幅媒体を持つ光増幅器を使用することができる。
本発明に係る光増幅器の前記増幅部は、内蔵する増幅媒体が複数であり、複数の前記増幅媒体間を伝搬媒体で直列に接続した構成であり、直列に接続した前記増幅媒体のうち両端にある前記増幅媒体の前記伝搬媒体が未接続である入出力端をそれぞれ前記増幅部の前記一方の入出力端及び前記他方の入出力端とすることを特徴とする。反転分布状態の時定数が大きい増幅媒体を使用することができる。
本発明は、信号波形歪みを低減できる光増幅器を提供することができる。
本発明に係る光増幅器を説明する図である。 本発明に係る光増幅器を説明する図である。 本発明に係る光増幅器を説明する図である。 本発明に係る光増幅器を説明する図である。 本発明に係る光増幅器を説明する図である。 本発明に係る光増幅器を説明する図である。 本発明に係る光増幅器を説明する図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
本発明に係る光増幅器は、信号光又は信号光の一部が増幅媒体のキャリアを消費してから増幅媒体の反転分布状態の時定数より長い時間が経過して増幅利得が定常状態に近づいた増幅媒体で信号光又は信号光の残りの部分を増幅して出力することで、信号波形歪みを低減する。具体的には、実施形態1から3に偏波で2分岐した信号光の一方でキャリアを消費し他方が消費後の増幅媒体で増幅する構成を、実施形態4にパワーで2分岐した信号光の一方でキャリアを消費し他方が消費後の増幅媒体で増幅する構成、実施形態5に信号光を導通する往路でキャリアを消費し、復路で消費後の増幅媒体で増幅する構成を示す。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の光増幅器301を説明する図である。光増幅器301は、増幅媒体10、デポラライザ11、偏波分離合波手段12、及び偏波保持の伝搬媒体である偏波保持ファイバ(13、14)を備える。光増幅器301に対する外部反射の影響を抑止するため、抑圧対象の外部反射に応じた抑圧比のサーキュレータ33をデポラライザ11と光ポート20との間、または図2の光増幅器301’のようにデポラライザ11と偏波分離合波手段12との間に備えてもよい。外部反射の影響を無視できる場合、サーキュレータは入出力光を合分岐する光合分岐器でもよい。
光増幅器301の増幅部50は、増幅媒体10を内蔵し、増幅部50の一端の入出力端から他端の入出力端までの光の伝搬時間が増幅媒体10の反転分布状態の時定数より長く、光の伝搬方向に対称的な構造を有しており、入力の際の偏波方向に応じた所定の出力の際の偏波方向で光を双方向に増幅する。
増幅部50は、光の伝搬方向について対称的な構造を有する。ここで、光の伝搬方向について対称とは、入力の方向によって偏波方向の回転が異なるファラデー回転子のような非相反性がなく、アイソレータ等の光の入出力方向に方向性を加える素子を含まず、反射型半導体光増幅器(RSOA:Reflective Semiconductor Optical Amplifier)のような入力光と出力光の入出力端が異なる反射型ではなく、複数の入出力端を持ち、どちらの方向から光が入力されても、同様に増幅する増幅部であることを意味する。
増幅部50は光の伝搬方向に対称的な構造をしているので、外部から入力された光による誘導放出の程度は入力方向には依存しない。すなわち、両入出力端から入力される直線偏波光のレベルの和が一定であれば、増幅部50の入力光に対する利得の変化度も全体で一定となる。
増幅媒体10は、バイアス電流の印加又はポンプ光の入力により反転分布状態が形成され光を増幅できる状態となる。増幅媒体10は、その反転分布状態の時定数が増幅媒体10を内蔵する増幅部50を光が伝搬するに要する時間に比べて十分小さく、かつ信号光を入力光の入力の際の偏波状態に応じて所定の出力の際の偏波状態で増幅する。
反転分布状態の時定数が増幅媒体を光が伝搬するに要する時間に比べて十分小さいとは、例えば、後述するように一方の入出力端からの入力光が、反対側から入力した光と交差した後に受ける利得の中央値が1/eとすると時定数の2倍以上が伝搬に要する長さであればよい。
光増幅器に信号光以外にポンプ光等を入力する構成であってもよい。この場合、信号光の伝搬方向で利得が対称となるように両側から等しいパワーの光を増幅媒体10に入力することが望ましい。
増幅部50は、例えば、偏波保持ファイバで増幅媒体10を接続すること、あるいは増幅媒体10を偏波保持型の増幅媒体例えば偏波保持ファイバで構成することで、入力される直線偏波光の偏波方向と出力する増幅された直線偏波光の偏波方向を任意に設定することができる。
偏波分離合波手段12は、光ポート20から入力される光を直交する偏波成分の2つの直線偏波光に分離して増幅部50のそれぞれの前記入出力端へ入力し、増幅部50で増幅して出力された前記直線偏波光を、互いに直交した偏波で合波して光ポート20に出力する。偏波分離合波手段12は、例えば、偏波ビームスプリッタである。
偏波保持ファイバ(13,14)は、偏波分離合波手段12から出力される前記直線偏波光を、増幅部50内での伝搬方向が互いに逆になるように増幅部50に入力し、増幅部50から出力される増幅された前記直線偏波光を偏波分離合波手段12に入力する。
偏波分離合波手段12と増幅部50とは、偏波保持ファイバ(13,14)で接続される。具体的には、偏波保持ファイバ13は偏波分離合波手段12のポートaと増幅部50の入出力端の一端とを接続し、偏波保持ファイバ14は偏波分離合波手段12のポートbと増幅部50の入出力端の他端とを接続する。
偏波保持ファイバ(13、14)は、偏波分離合波手段12のポート(a,b)から出力された直線偏波光を、増幅媒体10の増幅媒体の伝搬方向が互いに逆になるように増幅媒体10の両入出力端に入力する。増幅媒体10に入力される各直線偏波光は、その増幅媒体10を進行する時間の半分は既に他方の直線偏波光が通過した後の増幅媒体を進行することになり、信号光先頭の信号波形歪みが少なくなる。
このとき、偏波保持ファイバ(13、14)は、偏波分離合波手段12から出力される2つの直線偏波光を増幅部50に入力する際に互いの偏波方向を揃えることが望ましい。直線偏波光の偏波方向は増幅媒体10の増幅作用の大きい偏波方向とするとよい。例えば、増幅媒体10又は偏波分離合波手段12と入力する際の偏波保持ファイバ(13,14)の主軸の方向を調節することにより可能である。ここで、偏波保持ファイバを伝搬する直線偏波の偏波方向は偏波保持ファイバの主軸と並行又は直交しない場合は、信号光が時間的に広がるので、並行又は直交するのが望ましい。増幅部50の両方の入出力端から入力する偏波方向を揃えるために、入力光の元々の偏波に依存せずに光増幅器301の増幅部50に入力する光の偏波が一定となり、量子ドットを用いた半導体光増幅器等の増幅に関して偏波依存性がある増幅媒体を用いても、入力光強度に対する増幅率が一定となる。
さらに、偏波保持ファイバ(13、14)は、増幅媒体10で増幅された2つの直線偏波光を偏波分離合波手段12のポート(a,b)に入力する。このとき、偏波保持ファイバ(13、14)は、増幅媒体10で増幅された2つの前記直線偏波光を偏波分離合波手段12に入力する際に互いの偏波方向を直交させる。偏波方向が直交する直線偏波光を合波すれば、合波した直線偏光間でのコヒーレントクロストークが発生しないからである。このような構成とすることで、偏波依存性のある増幅媒体10を用いた場合の光増幅器301の偏波依存性も低減することができる。
図1で詳細に説明する。たとえば、増幅部50(図3以外では増幅部50は増幅媒体10と同一であるので、図3以外では増幅部50を増幅媒体10で表す場合もある)のASE光の偏波方向を(図中、□と矢印で示す)をs偏波とし、偏波分離合波手段12のポート(a,b)から出力された直線偏波光(図中、○と矢印で示す)をp偏波,s偏波とする。偏波保持ファイバ13はポートaから出力された直線偏波光の偏波方向を90度回転し、偏波保持ファイバ14はポートbから出力された直線偏波光の偏波方向を回転しないようにする。このように構成することで、増幅媒体10のASE光の一方の偏波方向と、増幅媒体10の両入出力端から入力する各直線偏波光の偏波方向を同一にさせることができる。
この構成により、増幅媒体10が出力する増幅された2つの直線偏波光(s偏波)は、偏波分離合波手段12のポートaに偏波方向が90度回転してp偏波となって到着し、ポートbにs偏波のまま到達する。すなわち、偏波分離合波手段12のポートaを入出力する光の偏波状態とポートbを入出力する光の偏波状態とは互いに90度回転した状態になる。したがって、増幅媒体10から両方向に出力された増幅された直線偏波光は、ともに偏波分離合波手段12で直交する偏波で合波されてポートcから出力信号光として出力される。このように光増幅器301は、異なる経路を経由した直線偏波光を直交する偏波で合波するので、コヒーレントクロストークが発生しない。
デポラライザ11を用いずに入力信号を直接偏波分離合波手段12に入力した場合、光増幅器301は、入力信号の偏波に依存する増幅率の変化は抑止できるが、先頭の信号波形歪みを抑止する効果は入力信号の偏波に依存することになる。これは、入力信号の偏波状態によって光増幅媒体10の両端へ入力する直線偏波光の光強度が異なり、光強度が高い方の直線偏波光に対する波形歪み抑圧効果が低減するためである。そこで、光増幅器301は、入力信号の偏波状態に係わらず波形歪み抑圧効果を得られるデポラライザ11を備える。
デポラライザ11は、光ポート20から入力される光を非偏光状態に変化させて偏波分離合波手段12に入力する。デポラライザ11は、光ポート20からの入力信号光の偏波状態を均等な強度の直交する二つの偏波状態に分離可能な非偏光状態に変化させ、偏波分離合波手段12のポートcに入力するとともに、図1の場合は偏波分離合波手段12のポートcからの光を透過して光ポート20へ出力する。図2の場合のように偏波分離合波手段12からの光をサーキュレータ33等で分離する場合は、偏波分離合波手段12のポートcからの光を透過して光ポート20へ出力しなくてもよい。なお、デポラライザ11の代替として、偏波分離合波手段12のポートaとbから概ね等しい強度の光が出力するように偏波を制御する偏波コントローラであってもよい。
デポラライザ11を経由した入力信号光は、入力信号光の元々の偏波状態に関わらず2つの直線偏波光の光強度の比が一定になるように偏波分離合波手段12で分割される。このため、入力信号光の偏波状態が変化しても増幅媒体10の両入出力端に入力される直線偏波光の光強度比は一定に保たれる。
デポラライザ11を備えることで、入力信号光の偏波状態によらず、増幅媒体10の両入出力端に入力される直線偏波光の光強度の比が等しくなり、入力信号光の強度が一定であれば増幅媒体10の両入出力端から出力される増幅された直線偏波光の光強度の和は一定となる。光増幅器301は、増幅媒体10の両入出力端からの増幅された直線偏波光を偏波分離合波手段12で合波して出力信号光として出力する。
なお、増幅媒体10は、どちらの方向から直線偏波光が入力した場合も、直線偏波光が受ける損失と利得の分布及び屈性率の分布が対称であることが望ましい。しかし、直線偏波光が受ける損失と利得の分布や屈折率の分布が異なる場合であっても、偏波保持ファイバ(13,14)の長さを調整することで、どちらの方向から光が入力した場合も同じ損失と利得の分布を持つ光増幅器を備えた効果と同様の効果を得られる。具体的には、利得から損失を減じた正味の利得の積が等しくなる地点で、両方向から入力した直線偏波光がすれ違うように偏波保持ファイバ(13,14)の長さを調整する。
例えば、左側の入力端をX=0、右側の入力端をX=X0とし、Xにおける正味の利得G(X)がG(X)=AXであるとする。この時、(AXm)=(AX0)−(AXm)を満足するXm、即ちXm=(X0)/√2で両方向からの直線偏波光がすれ違うように偏波保持ファイバ(13、14)の長さを調整すればよい。
また、入力した直線偏波光が透過する屈折率の分布が入力する方向によって異なる場合も、屈折率分布に応じた光の速度を考慮し、正味の利得の積が等しくなる地点で交差するようにすれば同様である。例えば、左側の屈折率がn’で右側の屈折率n”であり、n’>n”とし、正味の利得は一定であるとする。このとき屈折率が小さく光の速度が速い右側からの入力を遅くして、直線偏波光同士が中点等の所望の位置ですれ違うように偏波保持ファイバ(13、14)の長さを調整すればよい。
なお、各偏波保持ファイバ(13,14)の長さの差は、時間に換算してビットレートの逆数以下とし、その半分以下が望ましい。また、光増幅器301は平面導波路基板上に形成することも可能である。その場合には、偏波保持ファイバ14の代替として偏波保持の伝送路とし、偏波保持ファイバ13の代替として、偏波保持の伝送路でかつ直線偏波光を90度回転させる素子を加えればよい。
また、光半導体増幅媒体を例に説明を加えたが、上述の条件を満たせばそれ以外の増幅媒体を用いてもよい。これは以降の実施形態についても同様である。
(実施形態2)
図3は、実施形態2の光増幅器302を説明する図である。光増幅器302が増幅媒体10を内蔵する増幅部50の代替として増幅媒体31と32を内蔵する増幅部50’を備える点が図1の光増幅器301と異なる点である。
増幅部50’は、内蔵する増幅媒体が複数(図では2つ、符号31と32)であり、増幅媒体(31、32)間を伝搬媒体18で直列に接続した構成である。増幅媒体(31、32)の伝搬媒体18が未接続である入出端をそれぞれ一方の入出力端及び他方の入出力端とする。伝搬媒体18で接続される複数の増幅媒体全体の光の伝搬時間が増幅媒体(31,32)の反転分布状態の時定数より長い。
光増幅器302は、増幅媒体(31、32)、伝搬媒体18、偏波分離合波手段12、及び偏波保持ファイバ(13、14)をループ状に配置している。増幅媒体(31、32)の間を接続する伝搬媒体18の長さは、光が伝播媒体18で接続される複数の増幅媒体(31,32)からなる増幅部50’を伝搬する時間が、増幅媒体の反転分布状態の時定数に比べて十分長くなるようにする。従って、光増幅器302は、時定数の大きい増幅媒体(31、32)を内蔵する増幅部50’を適用することが可能である。
(実施形態3)
図4は、実施形態3の光増幅器303を説明する図である。光増幅器303と図1の光増幅器301との相違点は、増幅媒体10に入力する偏波が偏波保持ファイバ13と14で直交する点にある。
光増幅器303は、増幅媒体10を内蔵し、一端の入出力端から他端の入出力端までの光の伝搬時間が内蔵する増幅媒体10の反転分布状態の時定数より長く、光の伝搬方向に対称的な構造を有しており、入力の際の偏波方向に応じた所定の出力の際の偏波方向で光を双方向に増幅する増幅部50と、入力される光を直交する偏波成分の2つの直線偏波光に分離して増幅部50のそれぞれの入出力端から入力し、増幅部50で増幅して出力された前記直線偏波光を、互いに直交した偏波で合波して出力する偏波分離合波手段12と、偏波分離合波手段12から出力される前記直線偏波光を、増幅部50内での伝搬方向が互いに逆になるように増幅部50に入力し、増幅部50から出力される増幅された前記直線偏波光を偏波分離合波手段12に入力する偏波保持伝搬媒体である偏波保持ファイバ(13,14)と、を備える。
ここで、偏波保持ファイバ(13,14)は、光増幅器301と異なり、増幅媒体10に入力する際の偏波方向が直交している。直線偏波光の偏波方向は増幅媒体10の増幅作用の大きい偏波方向と小さい偏波方向が直交している場合、両者と45度の確度となるのが望ましい。例えば、増幅作用の大きい偏波方向と小さい偏波方向をそれぞれ0度と90度とすると、偏波保持ファイバ(13,14)からの直線偏波光の偏波方向を45度と135度又は45度と−45度とするのが望ましい。このような調整は、増幅媒体10又は偏波分離合波手段12と結合する際の偏波保持ファイバ(13,14)の主軸の方向を調節することにより可能である。
図4で詳細に説明する。図4では、図1と異なり、増幅媒体10のASEの増幅作用の異なる偏波方向であるs偏波とp偏波とは無関係であり、図中の○と矢印は偏波分離合波手段12から出力された直線偏光の偏波を、図中の□と矢印は偏波分離合波手段12に戻る直線偏光の偏波を意味する。偏波保持ファイバ13はポートaから出力された直線偏波光の偏波方向を回転しないようにし、偏波保持ファイバ14もポートbから出力された直線偏波光の偏波方向を回転しないようにする。両方の偏波保持ファイバから出力した直線偏波光は、増幅媒体10のASE光のp偏波とs偏波のそれぞれと45度の偏波方向で増幅媒体10のそれぞれの入出力端に入力される。各入力端から入力する二つの直線偏波光は、いずれも増幅作用の大きい偏波方向と小さい偏波方向とそれぞれ45度の偏波方向となり、同じ増幅作用を受ける。両直線偏波光の偏波方向は互いに直交している。増幅媒体10が出力する増幅された2つの直線偏波光は、偏波分離合波手段12のポートaとbに偏波方向を保持したまま到達する。すなわち、偏波分離合波手段12のポートaを入出力する光の偏波状態とポートbを入出力する光の偏波状態は互いに90度回転した状態になる。したがって、増幅媒体10から両方向に出力された増幅された直線偏波光は、共に偏波分離合波手段12で直交する偏波で合波されてポートdから出力信号光として出力される。このように光増幅器303は、異なる経路を経由した直線偏波光を直交する偏波で合波するので、コヒーレントクロストークが発生しない。この例では増幅媒体10の偏波方向が45度傾くように偏波保持ファイバ(13,14)と接続する例で示したが、偏波保持ファイバを互いの入出力する直線偏波光の偏波が直交状態で回転させてもよい。例えば、両方の偏波保持ファイバの主軸を45度回転させてもよいし、偏波分離合波手段12の偏波方向を傾けてもよい。
このような構成とすることで、光増幅器301と同様に偏波依存性のある増幅媒体10を用いた光増幅器303の偏波依存性を低減することができる。更に、偏波分離合波手段12へ入力する増幅対象の信号光が入力するポートと増幅後の信号光が偏波分離合波手段12から出力するポートが異なる。これにより、本発明に係る光増幅器は、サーキュレータ等の入出力を分離するための素子を不要とできる。
また、光増幅器303の増幅部50を図3の増幅部50’としてもよい。
なお、増幅媒体10は、その利得と損失に対する偏波依存性があり、損失を考慮した正味の利得の偏波による差がある場合、入力の半分は利得の大きい偏波、半分は利得の小さい偏波となるので、実施形態1と比べて利得が低くなる。
また、増幅媒体10の反転分布状態の時定数が入力信号の偏波に依存する場合、波形歪みの抑圧効果が増幅媒体10の進行方向で異なることになるので、増幅媒体10と偏波保持ファイバ(13,14)の偏波方向を傾ける必要があるが、増幅媒体10の反転分布状態の時定数が入力信号の偏波に依存しない場合、増幅媒体10と偏波保持ファイバ(13,14)の偏波方向を傾けなくともよい。例えば一方の側の偏波保持ファイバからの直線偏波光の偏波にあわせてもよい。この場合、波形歪みは抑圧されるが、利得が異なるため、その効果は低減する。
更に、増幅媒体10が、その利得と損失と反転分布状態の時定数に対する偏波及び入力方向による差異が無視できる場合は、偏波による利得も同じであるので、偏波方向を傾けない場合も効果の低減もない。この増幅媒体10が、その利得と損失と反転分布状態の時定数に対する偏波及び入力方向による差異が無視できる場合は、実施形態1と比べて利得も低くならず、入出力する信号光を分離するためのサーキュレータ等の素子を不要とできる効果のみがある。
(実施形態4)
図5は、実施形態4の光増幅器304を説明する図である。入力光が直線偏波と想定できる場合、光増幅器304のような構成とすることができる。
なお、増幅媒体10が、その利得と損失と反転分布状態の時定数に対する偏波による差異が無視できない場合や、増幅媒体10の反転分布状態の時定数に対する偏波による差異が無視できない場合は、実施形態3で増幅媒体10と偏波保持ファイバ(13,14)の偏波方向を傾けない場合のそれぞれと同様である。
光増幅器304と図1の光増幅器301との相違点は、光増幅器304がデポラライザ11を備えない点、偏波回転素子45を備える点、偏波分離合波手段12の代替として光合分波器42を備える点である。
光増幅器304は、増幅媒体10を内蔵し、一端の入出力端から他端の入出力端までの光の伝搬時間が増幅媒体10の反転分布状態の時定数より長く、光の伝搬方向に対称的な構造を有し、入力の際の偏波方向に応じた所定の出力の際の偏波方向で光を双方向に増幅する増幅部50と、入力される直線偏波光を2つに分離して増幅部50のそれぞれの前記入出力端へ入力し、前記増幅部50で増幅して出力された前記直線偏波光を、互いに直交した偏波で合波して出力する光合分波器42と、光合分波器42から出力される前記直線偏波光を、増幅部50内での伝搬方向が互いに逆になるように増幅部50に入力し、増幅部50から出力される増幅された前記直線偏波光を光合分波器42に入力する偏波保持伝搬媒体(13、14)と、偏波保持伝搬媒体14に配置され、前記直線偏波光の偏波方向を進行方向によって45度の奇数倍逆方向に回転する偏波回転素子45と、を備える。
偏波回転素子45は、偏波保持ファイバ13または偏波保持ファイバ14に配置される。偏波回転素子45は、ファラデー回転子のように非相反性があり、入力方向によって偏波方向を45度の奇数倍逆方向に回転する。偏波回転素子45を備えれば、偏波分離合波手段12を偏波保持で同じ偏波方向に光合分岐する2分岐の光合分波器に置き換えることができる。この構成では、例えば、ポートbの出力が+45度でポートaに戻り、ポートaの出力が−45度でポートbに戻る。このように光増幅器304も、実施形態1及び2と同様に、異なる経路を経由した光が直交する偏波で合波するので、コヒーレントクロストークが発生しない。
また、光増幅器304は、光合分波器42のポートcを信号光の入力とし、光合分波器42のポートdを信号光の出力としており、入出力する信号光を分離するためのサーキュレータ等の素子を不要とできる。
また、光増幅器303の増幅部50を図3の増幅部50’としてもよい。
なお、増幅媒体10は、反転分布状態の時定数は入力する光の偏波によらないが、その利得と損失に対する偏波依存性があり、損失を考慮した正味の利得の偏波による差がある場合、一部の入力は利得の大きい偏波、一部の利得の小さい偏波となるので、実施形態1と比べて利得が低くなるが、入出力する信号光を分離するためのサーキュレータ等の素子を不要とできるのは実施形態3と同様である。なお、増幅媒体10は、その利得と損失と反転分布状態の時定数に対する偏波及び入力方向による差異が無視できる場合は、実施形態1と比べて利得も低くならず、入出力する信号光を分離するためのサーキュレータ等の素子を不要とできる効果のみがある。
(実施形態5)
図6は、実施形態4の光増幅器305を説明する図である。図7は、入出力を分離するサーキュレータ33を含む場合の光増幅器305’の構成を説明する図である。
なお、増幅媒体10が、その利得と損失と反転分布状態の時定数に対する偏波による差異が無視できない場合や、増幅媒体10の反転分布状態の時定数に対する偏波による差異が無視できない場合は、実施形態3で増幅媒体10と偏波保持ファイバ(13,14)の偏波方向を傾けない場合のそれぞれと同様である。
光増幅器305は、増幅媒体10を内蔵し、光の伝搬方向に対称的な構造を有し、光を双方向に増幅する増幅部50と、増幅部の一端の入力端から入力し前記増幅部で増幅し前記増幅部50の他端の入出力端から出力される光を反射して増幅部50の前記他端の入出力端へ戻し前記増幅部で再び増幅し前記増幅部の前記一端の入出力端から出力させ、増幅部50の前記一端の入出力端から増幅部50の前記一端の入出力端までの光の往復時間が増幅媒体10の反転分布状態の時定数より長くなる位置に配置された反射素子15と、を備える。
光増幅器305は、増幅媒体10の一方の入出力端側に反射素子15を備える。伝搬媒体16は、増幅媒体10と反射素子15とを接続する。光が伝搬媒体16を往復する時間が増幅媒体10の反転分布の時定数と比べて十分長くなるように伝搬媒体16の長さを決定する。光増幅器305の増幅部50は、図3の光増幅器302で用いた増幅部50‘の構成を増幅媒体(31,32)の間で折り返した構成と見做せる。増幅媒体10の時定数が十分短い場合、増幅媒体10と反射素子15が一体化したRSOAであってもよい。逆に、光増幅器305の増幅部50を図3の増幅部50’としてもよい。なお光増幅器305は、光増幅器305内部の反射が無視できればコヒーレントクロストークが発生しないため偏波分離合波手段12が不要であり、デポラライザ11も不要である。
10,31,32:増幅媒体
11:デポラライザ
12:偏波分離合波手段
13、14:偏波保持ファイバ
15:反射素子
16、17、18:伝搬媒体路
20〜22、a〜d:光ポート
33:サーキュレータ
42:光合分波器
45:偏波回転素子
50、50’:増幅部
301〜305、301’、305’:光増幅器

Claims (5)

  1. 増幅媒体を内蔵し、光の伝搬方向に対称的な構造を有し、一方の入出力端での入力の際の偏波方向に応じた所定の出力の際の偏波方向で他方の入出力端から出力し、信号光を双方向に増幅する増幅部と、
    入力される光を直交する偏波成分の2つの直線偏波光に分離して前記増幅部のそれぞれの前記入出力端へ入力し、前記増幅部で増幅して出力された前記直線偏波光を、互いに直交した偏波で合波して出力する偏波分離合波手段と、
    前記偏波分離合波手段から出力される前記直線偏波光を、前記増幅部内での伝搬方向が互いに逆になるように前記増幅部に入力し、前記増幅部から出力される増幅された前記直線偏波光を前記偏波分離合波手段に入力する偏波保持伝搬媒体と、
    を備え、光信号の光強度オフが続いてキャリア密度が高密度状態となった後に光強度がオンとなる信号を入力信号とする光増幅器であって、
    前記増幅部は、前記増幅媒体の反転分布状態の時定数よりも、入力した信号光が出力するまでの時間である一端の入出力端から他端の入出力端までの光の伝搬時間が長く、信号光又は信号光の一部が前記増幅媒体のキャリアを消費して増幅利得が定常状態に近づいた前記増幅媒体で前記信号光又は信号光の残りの部分を増幅して出力することを特徴とする光増幅器。
  2. 入力される光を非偏光状態に変化させて前記偏波分離合波手段に入力するデポラライザをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
  3. 増幅媒体を内蔵し、光の伝搬方向に対称的な構造を有し、一方の入出力端での入力の際の偏波方向に応じた所定の出力の際の偏波方向で他方の入出力端から出力し、信号光を双方向に増幅する増幅部と、
    入力される直線偏波光を2つに分離して前記増幅部のそれぞれの前記入出力端へ入力し、前記増幅部で増幅して出力された前記直線偏波光を、互いに直交した偏波で合波して出力する光合分波器と、
    前記光合分波器から出力される前記直線偏波光を、前記増幅部内での伝搬方向が互いに逆になるように前記増幅部に入力し、前記増幅部から出力される増幅された前記直線偏波光を前記光合分波器に入力する偏波保持伝搬媒体と、
    前記偏波保持伝搬媒体に配置され、前記直線偏波光の偏波方向を進行方向によって45度の奇数倍逆方向に回転する偏波回転素子と、
    を備え、光信号の光強度オフが続いてキャリア密度が高密度状態となった後に光強度がオンとなる信号を入力信号とする光増幅器であって、
    前記増幅部は、前記増幅媒体の反転分布状態の時定数よりも、入力した信号光が出力するまでの時間である一端の入出力端から他端の入出力端までの光の伝搬時間が長く、信号光又は信号光の一部が前記増幅媒体のキャリアを消費して増幅利得が定常状態に近づいた前記増幅媒体で前記信号光又は信号光の残りの部分を増幅して出力することを特徴とする光増幅器。
  4. 一方から入力した信号光を増幅して他方へ出力する増幅媒体、及び前記増幅媒体が増幅した前記信号光を再度前記増幅媒体で逆方向に増幅するように反射して戻す反射素子を内蔵し、光の伝搬方向に対称的な構造を有する増幅部を備え、光信号の光強度オフが続いてキャリア密度が高密度状態となった後に光強度がオンとなる信号を入力信号とする光増幅器であって、
    前記増幅部は、前記増幅媒体の反転分布状態の時定数よりも、入力した前記信号光が前記増幅媒体で増幅され、前記反射素子で反射して戻され、前記増幅媒体で逆方向に増幅して出力するまでの時間が長く、信号光が前記増幅媒体のキャリアを消費して増幅利得が定常状態に近づいた前記増幅媒体で前記信号光を増幅して出力することを特徴とする光増幅器。
  5. 前記増幅部は、
    内蔵する増幅媒体が複数であり、複数の前記増幅媒体間を伝搬媒体で直列に接続した構成であり、前記増幅媒体の反転分布状態の時定数よりも、直列に接続した前記増幅媒体のうち最も外側に位置する増幅媒体の一方に入力した信号光が、直列に接続した前記増幅媒体のうち最も外側に位置する他方の増幅媒体から出力するまでの時間が長い
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光増幅器。
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