JP2004133351A - 光増幅器および光通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、前期サーキュレータの第三のポートに接続される偏光子と、を備える光増幅器によって解決する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに適用する光増幅器および、光増幅器を利用する光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
幹線系の光通信システムは長距離大容量の要請から光送信回路と光受信回路の間に光増幅器を設置している。幹線系の光通信システムの構成を図1に示す。図1において、81は光送信回路、82、84、86は光増幅器、83,85は光伝送路、87は光受信回路である。光送信回路81からの信号光は後置増幅器として機能する光増幅器82で送信出力を増強され、光伝送路83に送出される。光伝送路83は光ファイバや接続部品等から構成され、光伝送路83を伝搬した信号光はこれらの光損失によって減衰する。減衰した信号光は中継増幅器として機能する光増幅器84で増幅され、次の光伝送路85に送出される。同様に減衰した信号光は、光受信回路87の前段で前置増幅器として機能する光増幅器86で増幅された後、光受信回路87で受信される。図1は、光送信部と光受信部の間に設置された中継用の光増幅器は1台だけであるが、一般的な構成では複数の中継用の光増幅器によって中継される。
【0003】
図1に使用される光増幅器としては、増幅率の高いダブルパス型の光増幅器が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。ダブルパス型の光増幅器の構成を図2に示す。図2において、11は光増幅器の入力光、12は光増幅器の出力光、13は第一のポートからの光を第二のポートに出力し、第二のポートからの光は第三のポートに出力するサーキュレータ、14は2つの光を合波する合波器であって、後述するエルビウム添加光ファイバに励起光を結合させる合波器、15はエルビウム(Er)が励起物質として添加されたEr添加光ファイバ、16はEr添加光ファイバ15を励起する励起光源、18はEr添加光ファイバ15からの光をEr添加光ファイバ15に反射する反射器である。
【0004】
サーキュレータ13の第一のポートに入力された信号光としての入力光11は、サーキュレータ13の第二のポートから出力されて、合波器14に入力される。合波器14ではサーキュレータ13からの信号光と励起光源24からの励起光が合波され、Er添加光ファイバ15に入力される。Er添加光ファイバ15では、活性物質であるErが励起光源16からの励起光によって励起され、信号光は強度を増幅される。Er添加光ファイバ15を伝搬した信号光は、反射器18で反射され、再度、Er添加光ファイバ15を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された信号光は合波器14を通過し、サーキュレータ13の第二のポートから入力され、第三ポートから出力光12として出力される。
【0005】
図2で説明したダブルパス型の光増幅器は励起効率が高いという利点を有するが、従来の構成では雑音も多い。即ち、図2において、反射器18で反射されEr添加光ファイバ15を伝搬する信号光は強度が増幅されるが、伝搬する際に接続等の屈折率の不連続点があると、その不連続点で反射光が発生する。不連続点は、例えば光ファイバの接続や、光ファイバとサーキュレータ等の光部品との接続によって生じる。信号光の強度が最も強くなるのは、図2において、反射器18で反射されて、Er添加光ファイバ15を伝搬(図2では左方向に)して出射する近傍である。この近傍で発生した反射光は、再度、Er添加光ファイバ15を伝搬(図2では右方向に)し、反射器18で反射され、さらにEr添加光ファイバ15を伝搬する。この間に反射光も励起光によって増幅されるため、上記近傍で発生した反射光の強度が最も強くなる。この反射光が後続の信号光と合流すると、信号光に対する雑音となる。
【0006】
また、光ファイバ中では微視的な屈折率不連続点により、全方位にレイリー散乱が生じる。信号光の強度が最も強くなるのは、図2において、反射器18で反射されて、Er添加光ファイバ15を伝搬(図2では左方向に)して出射する近傍である。この近傍で発生したレイリー散乱光のうち、信号光と反対方向に進むレイリー後方散乱光は、再度、Er添加光ファイバ15を伝搬(図2では右方向に)し、反射器18で反射され、さらにEr添加光ファイバ15を伝搬する。この間にレイリー後方散乱光も励起光によって増幅されるため、上記近傍で散乱したレイリー後方散乱光の強度が最も強くなる。このレイリー後方散乱光が後続の信号光と合流すると、信号光に対する雑音となる。本願では、先の反射光と合わせて、これらを後方雑音光と呼ぶ。
このように、図2で説明したダブルパス型の光増幅器は、後方雑音光が大きいという欠点を有する。
【0007】
【特許文献1】
特開平09−018417号公報 (第(3)頁〜第(4)頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために、ダブルパス型の光増幅器の雑音低減を目的とする。併せて、雑音の低減されたダブルパス型の光増幅器を利用した光通信システムを提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明では、ダブルパス型の光増幅器において、信号光と後方雑音光との特性の違いを利用することにより雑音低減を図る。
【0010】
第一の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続される偏光子と、を備える光増幅器である。
【0011】
活性媒質導波路とは、光ファイバ等の導波路内に活性物質を添加して、光増幅を行う導波路をいう。活性媒質導波路は光ファイバに限定されることはなく、半導体レーザ増幅器を利用した半導体導波路や、活性媒質を含んだガラス導波路でもよい。
【0012】
ファラデー回転反射器とは、入力した光の偏波方向を回転して反射する反射器をいう。回転角度は、偏光子を通過した信号光の強度が最大になるように、又は偏光子を通過した信号光の信号対雑音比が最大になるように、0度より大きく、90度以下の範囲で設定される。
【0013】
第二の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続される偏光子と、を備える光増幅器である。
【0014】
第三の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続され、信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子と、を備える光増幅器である。
ここで、入力した光の偏波方向を検知して、その偏波方向の光を透過させる偏光子を偏波制御偏光子と呼ぶ。
【0015】
第四の発明は第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続され、信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子と、を備える光増幅器である。
【0016】
第五の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光のうち少なくとも信号光に割り当てられた時間領域に該活性媒質導波路の他端へ反射する時間ゲート反射器と、を備える光増幅器である。
ここで、割り当てられた時間領域だけ光を反射する反射器を時間ゲート反射器と呼ぶ。
【0017】
第六の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、該活性媒質導波路と前記反射器との間に設置した周波数シフタと、前記サーキュレータの第三のポートに接続され、該第三ポートから出力された光のうち少なくとも信号光の周波数の光を通過させる帯域通過フィルタと、を備える光増幅器である。
ここで、周波数シフタは、入力した光の周波数を一定値だけシフトする機能を持つ。
【0018】
第七の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、を備える光増幅器である。
【0019】
第八の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、を備える光増幅器である。
【0020】
第九の発明は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、該活性媒質導波路と前記反射器との間に設置した周波数シフタと、を備える光増幅器ある。
【0021】
第十の発明は、第一乃至九の発明の活性媒質導波路がラマン増幅を行う光ファイバとラマン増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光増幅器である。
【0022】
ラマン増幅とは、ラマン散乱を利用した増幅をいう。光ファイバに高強度の光を入力すると、入力光の一部が散乱現象によって入力光より長波長の光に変換されて出力される。この現象はラマン散乱と呼ばれ、これにより生じた光はストークス光と呼ばれる。このとき、ストークス光と同じ波長の光を同時に入力すると、このラマン散乱により増幅される。この現象を利用した光増幅をラマン増幅という。ラマン増幅を行う光ファイバにはシリカ光ファイバやテルライト光ファイバ(Mori et al, Electronics Letter. Vol.37, 2002, pp.1442−1443)が利用できる。
【0023】
第十一の発明は、第一乃至九の発明の活性媒質導波路が誘導放出増幅を行う光ファイバと誘導放出増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光増幅器である。
【0024】
誘導放出増幅とは、誘導放出現象を利用した光増幅をいう。Er等を添加した光ファイバ等の光導波路に、増幅用のレーザ光を注入すると、レーザ光のエネルギーを吸収し、エネルギーの高い状態に励起される。この状態で信号光を入力すると、励起された状態から元のエネルギーの低い状態に戻り、戻る際に、信号光とほぼ同じ波長の光を誘導放出する。この誘導放出現象を利用した光増幅を誘導放出増幅という。誘導放出増幅を行う光ファイバにはエルビウム(Er)が添加されたEr添加光ファイバが利用できる。
【0025】
第十二の発明は、光伝送路で接続されうる光送信部と光受信部とを有する光通信システムであって、該光送信部は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは前記光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、を備え、前記光受信部は、前記光伝送路からの信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子を備える光通信システムである。
【0026】
第十三の発明は、光伝送路で接続されうる光送信部と光受信部とを有する光通信システムであって、該光送信部は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは前記光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、を備え、前記光受信部は、前記光伝送路からの信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子を備える光通信システムである。
【0027】
第十四の発明は、光伝送路で接続されうる光送信部と光受信部とを有する光通信システムであって、該光送信部は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは前記光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、該活性媒質導波路と前記反射器との間に設置した周波数シフタと、を備え、前記光受信部は、前記光伝送路からの光のうち少なくとも信号光の帯域を通過させる帯域通過フィルタを備える光通信システムである。
【0028】
第十五の発明は、第十二乃至十四の発明の活性媒質導波路がラマン増幅を行う光ファイバとラマン増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光通信システムである。
【0029】
第十六の発明は、第十二乃至14の発明の活性媒質導波路が誘導放出増幅を行う光ファイバと誘導放出増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光通信システムである。
なお、これらの各構成は、可能な限り組み合わせることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
本発明の光増幅器としての実施の形態を図3で説明する。図3において、11は光増幅器の入力光、12は光増幅器の出力光、13は第一のポートからの光を第二のポートに出力し、第二のポートからの光は第三のポートに出力するサーキュレータ、14は2つの光を合波する合波器であって、後述する活性媒質光ファイバに励起光を結合させる合波器、21は活性媒質導波路としての活性媒質光ファイバ、22は入力した光の偏波方向を回転して反射するファラデー回転反射器、23は特定の偏波方向の光のみを通過させる偏光子、24は活性媒質光ファイバに励起光を供給する励起光源、25は信号光、26は後方雑音光である。
活性媒質光ファイバ21がラマン増幅を行う光ファイバの場合は、励起光源24はラマン増幅用励起光源となり、活性媒質光ファイバ21が誘導放出増幅を行う光ファイバの場合は、励起光源24は誘導放出増幅用励起光源となる。実施の形態2以下でも同様である。
【0031】
送信回路(図示せず)から一定の偏波方向をもって出力された光信号は、サーキュレータ13の第一のポートに入力する入力光11となる。信号光はサーキュレータ13の第二のポートから出力されて、活性媒質光ファイバ21に入力される。励起光源24からの励起光は、合波器14を介して活性媒質光ファイバ21に入力される。活性媒質光ファイバ21は励起光源24からの励起光によって励起されているため、信号光は活性媒質光ファイバ21を伝搬中に強度を増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した信号光は、合波器14を通過して、ファラデー回転反射器22で反射され、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された信号光は、サーキュレータ13の第二のポートから入力され、第三ポートから出力される。
【0032】
一方、ファラデー回転反射器22で反射され活性媒質光ファイバ21を伝搬する信号光によって発生した後方雑音光も、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、強度が増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した後方雑音光は、合波器14を通過してファラデー回転反射器22で反射され、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された後方雑音光はサーキュレータ13の第二のポートから入力され、信号光と共に、第三ポートから出力される。
【0033】
ここで、図3の紙面に垂直な偏波方向を偏波方向Aとし、偏波方向Aに直交する偏波方向を偏波方向Bとする。サーキュレータ13、活性媒質光ファイバ21、合波器14はそれぞれ偏波保持型で構成し、励起光源24からの励起光は無偏波にする。入力光として入力される信号光の偏波を偏波方向Aとする。信号光は、活性媒質光ファイバ21を偏波方向Aのまま伝搬し、ファラデー回転反射器22で偏波方向Bに回転させられ、サーキュレータ13の第二ポートから入力し、第三ポートから偏波方向Bで出力される。偏光子23を偏波方向Bの光のみ通過させるように設定すると、信号光は減衰することなく出力光12として出力される。
【0034】
一方、信号光が活性媒質光ファイバ21をサーキュレータ13の方向に伝搬中に発生した後方雑音光が、信号光と同じ偏波方向Bとなっているとする。この後方雑音光が活性媒質光ファイバ21を伝搬して、ファラデー回転反射器22で反射される際に偏波方向Aと同じ方向に回転させられ、サーキュレータ13の第二ポートから入力し、第三ポートから偏波方向Aで出力される。偏光子23は偏波方向Bの光のみ通過させるように設定されているため、偏波方向Aの後方雑音光は除去される。
【0035】
信号光が活性媒質光ファイバ21をサーキュレータ13の方向に伝搬中に発生した後方雑音光が、部分的に無偏波状態か完全に無偏波状態であれば、ファラデー回転反射器22を、通常の反射器に置き換えてもよい。この場合は、偏光子23を信号光の光出力が最大になるように設定するため、信号光は減衰することなく出力光12として出力されるが、後方雑音光は部分的に無偏波状態であれば、部分的に減衰されて偏光子23を通過し、後方雑音光が完全に無偏波状態であれば、半分の後方雑音光が偏光子23を通過する。
【0036】
従って、本実施の形態で説明したように、信号光の増幅効率は高くしたまま、後方雑音光が除去されるため、光通信システムのシステム性能を向上させることができた。
【0037】
本実施の形態では、励起光を結合させる合波器14は、活性媒質光ファイバ21とファラデー回転反射器22との間に設置されたが、図4に示すように、サーキュレータ13と活性媒質光ファイバ21との間に設置しても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態で説明した光増幅器では、サーキュレータの第三ポートからの出力は、信号光に対して後方雑音光は除去の容易な偏波状態にあるため、偏光子を増幅器と別にしても、後方雑音光の除去の容易な光増幅器という効果が得られる。
【0038】
(実施の形態2)
本発明の光増幅器としての他の実施の形態を図5で説明する。図5において、11は光増幅器の入力光、12は光増幅器の出力光、13は第一のポートからの光を第二のポートに出力し、第二のポートからの光は第三のポートに出力するサーキュレータ、14は2つの光を合波する合波器であって、後述する活性媒質光ファイバに励起光を結合させる合波器、21は活性媒質導波路としての活性媒質光ファイバ、22は入力した光の偏波方向を回転して反射するファラデー回転反射器、24は活性媒質光ファイバに励起光を供給する励起光源、31は入力した光の偏波方向を回転させる偏波回転器、32は一定の偏波方向の光を通過させる偏光子、33は入力した光の一部を分岐する分岐器、34は偏光子32からの出力が最大になるように偏波回転器31の偏波方向を制御する制御回路である。31から34までの回路等で偏波制御偏光子を構成する。
【0039】
送信回路(図示せず)から一定の偏波方向をもって出力された光信号は、サーキュレータ13の第一のポートに入力する入力光11となる。信号光はサーキュレータ13の第二のポートから出力されて、活性媒質光ファイバ21に入力される。励起光源24からの励起光は合波器14で活性媒質光ファイバ21に合波され、活性媒質光ファイバ21が励起される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した信号光は、活性媒質光ファイバ21を伝搬中に強度を増幅され、合波器14を通過して、ファラデー回転反射器22で反射される。反射された信号光は、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された信号光はサーキュレータ13の第二のポートから入力され、第三ポートから出力される。
【0040】
一方、ファラデー回転反射器22で反射され活性媒質光ファイバ21を伝搬する信号光によって発生した後方雑音光も活性媒質光ファイバ21を伝搬し、強度が増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した後方雑音光は、ファラデー回転反射器22で反射され、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された後方雑音光は、サーキュレータ13の第二のポートから入力され、信号光と共に第三ポートから出力される。
【0041】
ここで、図5の紙面に垂直な偏波方向を偏波方向Aとし、偏波方向Aに直交する偏波方向を偏波方向Bとする。サーキュレータ13、活性媒質光ファイバ21、合波器14はそれぞれ偏波保持型で構成し、励起光源24からの励起光は無偏波にする。入力光として入力された信号光の偏波を偏波方向Aとする。信号光は、活性媒質光ファイバ21を偏波方向Aのまま伝搬し、ファラデー回転反射器22で偏波方向Bに回転させられ、サーキュレータ13の第二ポートから入力し、第三ポートから偏波方向Bで出力される。後方雑音光に比較して信号光の強度が大きいので、制御回路34で、光出力が最大になるように偏波回転器31の偏波方向を制御すると、信号光は減衰することなく出力光12として出力される。
【0042】
一方、信号光が活性媒質光ファイバ21をサーキュレータ13の方向に伝搬中に発生した後方雑音光は、信号光と同じ偏波方向Bとなっている。活性媒質光ファイバ21を伝搬して、ファラデー回転反射器22で反射される際に偏波方向Aに回転させられ、サーキュレータ13の第二ポートに入力し、第三ポートを偏波方向Aで出力される。制御回路34は信号光の光出力が最大になるように偏波回転器31が偏波方向を回転させるため、信号光と直交する偏波方向の後方雑音光は除去される。
【0043】
サーキュレータ13、活性媒質光ファイバ21、合波器14をそれぞれ偏波保持型で構成しない場合であっても、制御回路34は信号光の偏波方向に追随して偏波回転器31を制御するため、後方雑音光を除去することができる。
また、後方雑音光が部分的に無偏波状態か完全に無偏波状態になって、偏波回転器31に入力する場合は、ファラデー回転反射器22を通常の反射器に置き換えてもよい。この場合は、制御回路34が信号光の光出力が最大になるように偏波回転器31が偏波方向を回転させるため、信号光は減衰することなく出力光12として出力されるが、後方雑音光は部分的に無偏波状態であれば、部分的に減衰されて偏光子32を通過し、後方雑音光が完全に無偏波状態であれば、半分の後方雑音光が偏光子32を通過する。
【0044】
従って、本実施の形態で説明したように、信号光の増幅効率は高くしたまま、後方雑音光が除去又は減衰されるため、光通信システムのシステム性能を向上させることができた。
【0045】
本実施の形態では、励起光を結合させる合波器14は、活性媒質光ファイバ21とファラデー回転反射器22との間に設置されたが、サーキュレータ13と活性媒質光ファイバ21との間に設置しても、同様の効果が得られる。
【0046】
(実施の形態3)
本発明の光増幅器としての他の実施の形態を図6で説明する。図6において、11は光増幅器の入力光、12は光増幅器の出力光、13は第一のポートからの光を第二のポートに出力し、第二のポートからの光は第三のポートに出力するサーキュレータ、14は2つの光を合波する合波器であって、後述する活性媒質光ファイバに励起光を結合させる合波器、21は活性媒質導波路としての活性媒質光ファイバ、24は活性媒質光ファイバに励起光を供給する励起光源、41は割り当てられた時間だけ光を通過させる時間ゲート、42は反射器である。
【0047】
送信回路(図示せず)から一定の偏波方向をもって出力された光信号は、サーキュレータ13の第一のポートに入力する入力光11となる。信号光はサーキュレータ13の第二のポートから出力されて、活性媒質光ファイバ21に入力される。励起光源24からの励起光は合波器14で活性媒質光ファイバ21に合波され、活性媒質光ファイバ21が励起される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した信号光は、活性媒質光ファイバ21を伝搬中に強度を増幅され、合波器14を通過する。合波器14を通過した信号光は時間ゲート41に入力する。この時間ゲート41は、信号光がRZ(Return to Zero)フォーマットのように、時間軸上の一部分を占有する場合に、信号光に割り当てられた時間領域のみを光が通過するようにゲートを制御する。従って、信号光はこの時間ゲートを最小損失で通過する。通過した信号光は反射器42で反射される。反射された信号光は、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された信号光はサーキュレータ13の第二のポートから入力され、第三ポートから出力光として出力される。
【0048】
この時間ゲート41と反射器42は、時間ゲート反射器として動作する。即ち、信号光に割り当てられた時間領域に反射し、それ以外の時間領域では反射を阻止する。反射器自体が、割り当てられた時間領域だけ反射するような構成であってもよい。
【0049】
一方、反射器42で反射され活性媒質光ファイバ21を伝搬する信号光によって発生した後方雑音光も活性媒質光ファイバ21を伝搬し、強度が増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した後方雑音光は、合波器14を通過して、時間ゲート41に入力する。後方雑音光は信号光のタイムスロットと同期していないため、この時間ゲートにより時間ゲート幅に応じた損失を受ける。損失を受けた後方雑音光は反射器42で反射され、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された後方雑音光はサーキュレータ13の第二のポートから入力され、信号光と共に第三ポートから出力される。
【0050】
従って、本実施の形態で説明したように、信号光の増幅効率は高くしたまま、後方雑音光が減衰されるため、光通信システムのシステム性能を向上させることができた。
【0051】
本実施の形態では、励起光を結合させる合波器14は、活性媒質光ファイバ21と時間ゲート41との間に設置されたが、サーキュレータ13と活性媒質光ファイバ21との間に設置しても、同様の効果が得られる。
【0052】
(実施の形態4)
本発明の光増幅器としての他の実施の形態を図7で説明する。図7において、11は光増幅器の入力光、12は光増幅器の出力光、13は第一のポートからの光を第二のポートに出力し、第二のポートからの光は第三のポートに出力するサーキュレータ、14は2つの光を合波する合波器であって、後述する活性媒質光ファイバに励起光を結合させる合波器、21は活性媒質導波路としての活性媒質光ファイバ、24は活性媒質光ファイバに励起光を供給する励起光源、51は光が通過するごとに通過する光の周波数をfだけシフトする周波数シフタ、52は反射器、53は通過フィルタとして、一定の周波数幅の光だけ通過させる帯域通過フィルタである。
【0053】
送信回路(図示せず)から周波数Fで出力された光信号は、サーキュレータ13の第一のポートに入力する入力光11となる。信号光はサーキュレータ13の第二のポートから出力されて、活性媒質光ファイバ21に入力される。励起光源24からの励起光は、合波器14を介して活性媒質光ファイバ21に入力される。活性媒質光ファイバ21は励起光源24からの励起光によって励起され、信号光は活性媒質光ファイバ21を伝搬中に強度を増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した信号光は、合波器14を通過して、周波数シフタ51に入力する。入力した信号光は周波数fだけシフトされ、その周波数はF+fとなる。さらに、反射器52で反射され、再度、周波数シフタ51を通過し、信号光の周波数はF+2fとなり、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された信号光は、サーキュレータ13の第二のポートから入力され、第三ポートから出力される。
【0054】
一方、反射器52で反射され活性媒質光ファイバ21を伝搬する信号光によって発生した後方雑音光は、周波数F+2fの信号光によるものが支配的となるため、周波数F+2fの後方雑音光が活性媒質光ファイバ21を伝搬し、強度が増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した後方雑音光は、合波器14を通過して周波数シフタ51に入力する。入力した後方雑音光は周波数fだけシフトされ、その周波数はF+3fとなる。さらに、反射器52で反射され、再度、周波数シフタ51を通過し、後方雑音光の周波数はF+4fとなり、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された後方雑音光はサーキュレータ13の第二のポートから入力され、信号光と共に第三ポートから出力される。
【0055】
ここで、帯域通過フィルタ53の通過周波数を周波数F+2fの光は通過させ、周波数F+4fの光は阻止する特性に設定すると、信号光は周波数F+2fのため、最小の損失で通過して出力光12として出力される。一方、後方雑音光は周波数F+4fのため、帯域通過フィルタ53で減衰されて出力される。
【0056】
従って、本実施の形態で説明したように、信号光の増幅効率は高くしたまま、後方雑音光が除去されるため、光通信システムのシステム性能を向上させることができた。
【0057】
ここで、通過フィルタとして、周波数F+2fの光を通過させる帯域通過フィルタを適用したが、周波数F+2fの光を通過させ、周波数F+4fの光を阻止する低域通過フィルタを適用しても同様の効果が得られる。要は、周波数F+2fの光は通過させ、周波数F+4fの光は阻止する特性であれば適用できる。また、周波数シフタを高周波側に周波数をシフトさせるだけでなく、低周波側に周波数をシフトさせる特性としてもよい。この場合の通過フィルタは、周波数F−2fの光は通過させ、周波数F−4fの光は阻止する特性とすれば同じ効果が得られる。
【0058】
本実施の形態では、励起光を結合させる合波器14は、活性媒質光ファイバ21と周波数シフタ51との間に設置されたが、サーキュレータ13と活性媒質光ファイバ21との間に設置しても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態で説明した光増幅器では、サーキュレータの第三ポートからの出力は、信号光に対して後方雑音光は除去の容易な周波数帯にあるため、帯域通過フィルタを増幅器と別にしても、後方雑音光の除去の容易な光増幅器という効果が得られる。
【0059】
(実施の形態5)
本発明の光通信システムとしての実施の形態を図8、図9で説明する。図8は光送信部の構成の一部であって、光送信部の出力段に配置される。図9は光受信部の構成の一部であって、光受信部の入力段に配置される。
【0060】
図8において、11は光増幅器への入力光、12は光増幅器の出力光であって光送信部から光伝送路35へ送信される送信信号光、13は第一のポートからの光を第二のポートに出力し、第二のポートからの光は第三のポートに出力するサーキュレータ、14は2つの光を合波する合波器であって、後述する活性媒質光ファイバに励起光を結合させる合波器、21は活性媒質導波路としての活性媒質光ファイバ、22は入力した光の偏波方向を回転して反射するファラデー回転反射器、24は活性媒質光ファイバに励起光を供給する励起光源、35は光伝送路である。
【0061】
図9において、31は入力した光の偏波方向を回転させる偏波回転器、32は一定の偏波方向の光を通過させる偏光子、33は入力した光の一部を分岐する分岐器、34は偏光子32からの出力が最大になるように偏波回転器31の偏波方向を制御する制御回路、35は図8で示される光伝送路、36は偏波回転器31への入力光、37は分岐器33の出力光である。31から34までの回路等で偏波制御偏光子を構成する。
【0062】
図8において、送信回路(図示せず)から一定の偏波方向をもって出力された光信号は、サーキュレータ13の第一のポートに入力する入力光11となる。信号光はサーキュレータ13の第二のポートから出力されて、活性媒質光ファイバ21に入力される。励起光源24からの励起光は合波器14で活性媒質光ファイバ21に合波され、活性媒質光ファイバ21が励起される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した信号光は、活性媒質光ファイバ21を伝搬中に強度を増幅され、合波器14を通過して、ファラデー回転反射器22で反射される。反射された信号光は、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された信号光はサーキュレータ13の第二のポートから入力され、第三ポートから出力される。第三ポートから出力された信号光は、光伝送路35に送信される。
【0063】
一方、ファラデー回転反射器22で反射され活性媒質光ファイバ21を伝搬する信号光によって発生した後方雑音光も活性媒質光ファイバ21を伝搬し、強度が増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した後方雑音光は、ファラデー回転反射器22で反射され、再度、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された後方雑音光は、サーキュレータ13の第二のポートから入力され、信号光と共に第三ポートから出力される。第三ポートから出力された後方雑音光は、光伝送路35に送信される。
【0064】
ここで、図8の紙面に垂直な偏波方向を偏波方向Aとし、偏波方向Aに直交する偏波方向を偏波方向Bとする。サーキュレータ13、活性媒質光ファイバ21、合波器14はそれぞれ偏波保持型で構成し、励起光源24からの励起光は無偏波にする。入力光として入力された信号光の偏波を偏波方向Aとする。信号光は、活性媒質光ファイバ21を偏波方向Aのまま伝搬し、ファラデー回転反射器22で偏波方向Bに回転させられ、サーキュレータ13の第二ポートから入力し、第三ポートから偏波方向Bで出力される。
【0065】
一方、信号光が活性媒質光ファイバ21をサーキュレータ13の方向に伝搬中に発生した後方雑音光は、信号光と同じ偏波方向Bとなっている。活性媒質光ファイバ21を伝搬して、ファラデー回転反射器22で反射される際に偏波方向Aに回転させられ、サーキュレータ13の第三ポートから偏波方向Aで出力される。
【0066】
光伝送路35を伝搬した信号光の偏波方向と後方雑音光の偏波方向の関係が維持されたまま、図9に示す偏波回転器に入力光36として入力されると、後方雑音光に比較して信号光の強度が大きいので、制御回路34で、出力光37の光出力が最大になるように偏波回転器31の偏波方向を制御すると、信号光は減衰することなく出力光37として出力され、信号光と直交する偏波方向の後方雑音光は除去される。
【0067】
サーキュレータ13、活性媒質光ファイバ21、合波器14をそれぞれ偏波保持型で構成しない場合であっても、制御回路34は信号光の偏波方向に追随して偏波回転器31を制御するため、後方雑音光を除去することができる。
【0068】
また、後方雑音光が部分的に無偏波状態か完全に無偏波状態になって、偏波回転器31に入力する場合は、ファラデー回転反射器22を通常の反射器に置き換えてもよい。この場合は、制御回路34が信号光の光出力が最大になるように偏波回転器31が偏波方向を回転させるため、信号光は減衰することなく出力光12として出力されるが、後方雑音光は部分的に無偏波状態であれば、部分的に減衰されて偏光子32を通過し、後方雑音光が完全に無偏波状態であれば、半分の後方雑音光が偏光子32を通過する。
【0069】
従って、本実施の形態で説明したように、信号光の増幅効率は高くしたまま、後方雑音光が除去又は減衰されるため、光通信システムのシステム性能を向上させることができた。
【0070】
本実施の形態では、励起光を結合させる合波器14は、活性媒質光ファイバ21とファラデー回転反射器22との間に設置されたが、サーキュレータ13と活性媒質光ファイバ21との間に設置しても、同様の効果が得られる。
【0071】
(実施の形態6)
本発明の光通信システムとしての他の実施の形態を図10で説明する。図10において、11は光増幅器の入力光、12は光増幅器の出力光、13は第一のポートからの光を第二のポートに出力し、第二のポートからの光は第三のポートに出力するサーキュレータ、14は2つの光を合波する合波器であって、後述する活性媒質光ファイバに励起光を結合させる合波器、21は活性媒質導波路としての活性媒質光ファイバ、24は活性媒質光ファイバに励起光を供給する励起光源、51は光が通過するごとに通過する光の周波数をfだけシフトする周波数シフタ、52は反射器、53は通過フィルタとして、一定の周波数幅の光だけ通過させる帯域通過フィルタであって光受信部のヘッダ部、54は光伝送路、55は光受信部への入力光、56は帯域通過フィルタ53の出力光である。
【0072】
送信回路(図示せず)から周波数Fで出力された光信号は、サーキュレータ13の第一のポートに入力する入力光11となる。信号光はサーキュレータ13の第二のポートから出力されて、活性媒質光ファイバ21に入力される。励起光源24からの励起光は、合波器14を介して活性媒質光ファイバ21に入力される。活性媒質光ファイバ21は励起光源24からの励起光によって励起され、信号光は活性媒質光ファイバ21を伝搬中に強度を増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した信号光は、合波器14を通過して、周波数シフタ51に入力する。入力した信号光は周波数fだけシフトされ、その周波数はF+fとなる。さらに、反射器52で反射され、再度、周波数シフタ51を通過し、信号光の周波数はF+2fとなり、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された信号光は、サーキュレータ13の第二のポートから入力され、第三ポートからの出力光は光伝送路54へ送信される。
【0073】
一方、反射器52で反射され活性媒質光ファイバ21を伝搬する信号光によって発生した後方雑音光は、周波数F+2fの信号光によるものが支配的となるため、周波数F+2fの後方雑音光が活性媒質光ファイバ21を伝搬し、強度が増幅される。活性媒質光ファイバ21を伝搬した後方雑音光は、合波器14を通過して周波数シフタ51に入力する。入力した後方雑音光は周波数fだけシフトされ、その周波数はF+3fとなる。さらに、反射器52で反射され、再度、周波数シフタ51を通過し、後方雑音光の周波数はF+4fとなり、活性媒質光ファイバ21を伝搬し、励起光によって強度を増幅される。増幅された後方雑音光はサーキュレータ13の第二のポートから入力され、信号光と共に第三ポートからの出力光として光伝送路54へ送信される。
【0074】
光伝送路54を伝搬した信号光と後方雑音光は、入力光55として光受信部のヘッダ部である帯域通過フィルタ53に入力する。ここで、帯域通過フィルタ53の通過周波数を周波数F+2fの光は通過させ、周波数F+4fの光は阻止する特性に設定すると、信号光は周波数F+2fのため、最小の損失で通過して出力光56として出力される。一方、後方雑音光は周波数F+4fのため、帯域通過フィルタ53で減衰されて出力される。
【0075】
従って、本実施の形態で説明したように、信号光の増幅効率は高くしたまま、後方雑音光が除去されるため、光通信システムのシステム性能を向上させることができた。
【0076】
ここで、通過フィルタとして、周波数F+2fの光を通過させる帯域通過フィルタを適用したが、周波数F+2fの光を通過させ、周波数F+4fの光を阻止する低域通過フィルタを適用しても同様の効果が得られる。要は、周波数F+2fの光は通過させ、周波数F+4fの光は阻止する特性であれば適用できる。また、周波数シフタを高周波側に周波数をシフトさせるだけでなく、低周波側に周波数をシフトさせる特性としてもよい。この場合の通過フィルタは、周波数F−2fの光は通過させ、周波数F−4fの光は阻止する特性とすれば同じ効果が得られる。
【0077】
本実施の形態では、励起光を結合させる合波器14は、活性媒質光ファイバ21と周波数シフタ51との間に設置されたが、サーキュレータ13と活性媒質光ファイバ21との間に設置しても、同様の効果が得られる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば光増幅器で信号光の増幅効率は高くしたまま、後方雑音光が除去あるいは減衰させることが可能となり、光通信システムのシステム性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する光通信システムの構成を説明する図である。
【図2】従来の光増幅器の構成を説明する図である。
【図3】本発明の光増幅器の構成を説明する図である。
【図4】本発明の光増幅器の構成を説明する図である。
【図5】本発明の光増幅器の構成を説明する図である。
【図6】本発明の光増幅器の構成を説明する図である。
【図7】本発明の光増幅器の構成を説明する図である。
【図8】本発明の光通信システムの構成を説明する図である。
【図9】本発明の光通信システムの構成を説明する図である。
【図10】本発明の光通信システムの構成を説明する図である。
【符号の説明】
11:光増幅器の入力光
12:光増幅器の出力光
13:サーキュレータ
14:合波器
21:活性媒質光ファイバ
22:ファラデー回転反射器
23:偏光子
24:励起光源
25:信号光
26:後方雑音光
31:偏波回転器
32:偏光子
33:分岐器
34:制御回路
41:時間ゲート
42:反射器
51:周波数シフタ
52:反射器
53:帯域通過フィルタ
81:光送信回路
82、84、86:光増幅器
83、85:光伝送路
87:光受信回路
Claims (16)
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続される偏光子と、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続される偏光子と、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続され、信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子と、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、前記サーキュレータの第三のポートに接続され、信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子と、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光のうち少なくとも信号光に割り当てられた時間領域に該活性媒質導波路の他端へ反射する時間ゲート反射器と、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力するサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、該活性媒質導波路と前記反射器との間に設置した周波数シフタと、前記サーキュレータの第三のポートに接続され、該第三ポートから出力された光のうち少なくとも信号光の周波数の光を通過させる帯域通過フィルタと、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、を備える光増幅器。
- 第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、該活性媒質導波路と前記反射器との間に設置した周波数シフタと、を備える光増幅器。
- 請求項1乃至9に記載の活性媒質導波路がラマン増幅を行う光ファイバとラマン増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光増幅器。
- 請求項1乃至9に記載の活性媒質導波路が誘導放出増幅を行う光ファイバと誘導放出増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光増幅器。
- 光伝送路で接続されうる光送信部と光受信部とを有する光通信システムであって、
該光送信部は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは前記光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射するファラデー回転反射器と、を備え、
前記光受信部は、前記光伝送路からの信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子を備える光通信システム。 - 光伝送路で接続されうる光送信部と光受信部とを有する光通信システムであって、
該光送信部は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは前記光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、を備え、
前記光受信部は、前記光伝送路からの信号光の偏波方向を検出して信号光と同じ偏波方向を持つ光を透過させる偏波制御偏光子を備える光通信システム。 - 光伝送路で接続されうる光送信部と光受信部とを有する光通信システムであって、
該光送信部は、第一のポートから入力した信号光を第二のポートに出力し、第二のポートから入力した信号光を第三のポートに出力し、第三のポートは前記光伝送路に接続されるサーキュレータと、該サーキュレータの第二のポートに一端が接続される活性媒質導波路と、該活性媒質導波路の他端から出力した光を該活性媒質導波路の他端へ反射する反射器と、該活性媒質導波路と前記反射器との間に設置した周波数シフタと、を備え、
前記光受信部は、前記光伝送路からの光のうち少なくとも信号光の帯域を通過させる帯域通過フィルタを備える光通信システム。 - 請求項12乃至14に記載の活性媒質導波路がラマン増幅を行う光ファイバとラマン増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光通信システム。
- 請求項12乃至14に記載の活性媒質導波路が誘導放出増幅を行う光ファイバと誘導放出増幅用励起光源から構成されたことを特徴とする光通信システム。
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US9025955B2 (en) | 2012-12-07 | 2015-05-05 | Fujitsu Limited | Amplification apparatus and communication system |
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