JP4028218B2 - 改善した広帯域エルビウム添加光ファイバ増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに関し、特に、広帯域光増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、光通信システムに適用されるエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)が実用化されてきた。例えば、それぞれ異なる波長を有する複数の光信号が波長分割多重化(WDM)される。光増幅器の広帯域によってWDM信号光の各信号光が増幅される。EDFAを使用するシステムでは、EDFAの利用可能な利得帯域幅によってチャンネル密度が制限を受けている。従って、EDFA利得が増加するようになると、チャンネル間隔とチャンネル当たりビット率を保持しつつシステム容量を増加させることができる。
【0003】
WDM伝送システムでは、1530nm乃至1560nmの従来の波長範囲(以下、“C帯域”と称する。)及び1570nm乃至1610nmの長波長範囲(以下、“L帯域”と称する。)で高い利得を得るために、他の多くの技術が利用されてきた。図1は、従来のシステムにおける広帯域EDFAを示す概略図である。受信帯域信号は、2つの増幅ステップ、C帯域及びL帯域を通じて結合された後広帯域幅を生成する。一般的に、従来のC帯域EDFAよりパワー変換効率が低くてL帯域の光ファイバ増幅器には長い(188m)EDFが要求される。このような増幅媒体では、信号光の進行方向と同一方向に伝播される順方向増幅自然放出光(ASE)と信号光の進行方向とは反対方向に伝播される逆方向ASEが発生する。それぞれ光増幅器を備えた複数の反復器が光ファイバの伝送路にある場合、前記光増幅器から生成される雑音スペクトルASEは、信号スペクトルと関連した光パワーを正確に監視する問題を引き起こす。従って、パワー変換効率が改善し、雑音が減少され、費用効率性が高い光パワー増幅器が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、EDFA及び関連ポンプ源を効果的に利用してより短いエルビウム添加光ファイバを使用し、ポンプ消耗を減少させて信号帯域幅を増加させる構造を有する光増幅器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明による2個以上の光帯域を有する光信号を増幅するための光増幅器は長さがL1であり、第1ポンプ光源によってポンピングされる第1エルビウム添加光ファイバ増幅部(EDF1)と、長さがL2であり、第2ポンプ光源によってポンピングされる第2エルビウム添加光ファイバ増幅部(EDF2)と、前記EDF1とEDF2との間に位置して入力される増幅光信号を多数のサブ帯域信号に分割する分割部と、前記EDF2の出力を前記EDF2に逆方向反射して再び増幅させる反射器と、前記分割部の出力端に位置して、前記EDF2から出力される逆方向増幅光信号を他の方向に進行させ、前記EDF2から発生する増幅自然放出光(ASE)が前記分割部の方向に進行することを防止するサーキュレータとを備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明による光信号の増幅方法は、第1増幅部(EDF1)を通じて入力光信号を通過させて増幅させるステップと、前記増幅された入力信号をC帯域信号及びL帯域信号に分割するステップと、第2増幅部(EDF2)で前記L帯域信号をさらに増幅するステップと、前記増幅されたL帯域信号を逆方向に前記EDF2へ再び伝送して増幅するステップと、前記増幅されたL帯域光信号及び前記C帯域信号を再び結合して出力信号を生成するステップとを備えることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による好適な実施形態を添付図面を参照しつつ詳しく説明する。なお、図面中、同一の構成要素及び部分には、可能な限り同一の符号及び番号を共通使用するものとする。下記の説明において、具体的な回路の構成素子などのような特定事項が示されているが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されただけであり、これら特定事項なしで、本発明が実施されることができることは当該技術分野における通常の知識を持つ者には自明であろう。そして、本発明の説明において、本発明の要旨のみを明瞭にするために公知の機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。
【0008】
図3は、本発明の第1実施形態による広帯域光増幅器10の構成要素を示す。本発明による増幅器10は、基本的に、2個の増幅部、すなわち、第1増幅部及び第2増幅部に分離される。第1増幅部は、980nm ポンプレーザダイオードLD14によってポンピングされる第1EDF18を備え、第2増幅部は、1480nm ポンプLD26によってポンピングされる第2EDF30を備える。光増幅器10は、入力光信号を順方向に進行させるアイソレータ12、980/1550nm WSC16を通じて980nm ポンプLD14に連結された第1EDF18、増幅された光信号をC帯域及びL帯域に分割する第1の1550/1590nm WSC20、C帯域光信号を順方向に進行させるアイソレータ22、L帯域光信号を順方向に通過させるサーキュレータ24、1480/1550nm WSC28に連結された1480nm ポンプLD26によってポンピングされる第2EDF30、前記増幅されたL帯域光信号及び順方向ASEを逆方向に第2EDF30に再び伝送する反射器32、及びアイソレータ22から出力されたC帯域光信号及びサーキュレータ24によってWSC34へ再び伝送された逆方向増幅L帯域光信号を結合して広帯域を得る 結合器を備える。一般的に、C帯域は、1530nm乃至1560nmであり、L帯域は1570nm乃至1600nmである。しかし、これら帯域範囲は、具現し次第であるので、デザインまたはEDFによって異なることができる。また、図3に示したEDFの長さは例示に過ぎないので、本発明による増幅器10には異なる長さのEDFを使用することができる。従って、示されているEDFの長さによって本発明の範囲が制限されない。
【0009】
第1実施形態において、アイソレータ12を通過して順方向に伝播される光信号は、第1EDF18によって増幅され、前記第1EDF18は、980/1550nm WSC16を通じて980nm ダイオードレーザ14によってポンピングされる。アイソレータ12は、光がただ一方向にのみ進行するように誘導する役割を行う。この後、前記増幅された信号は、第1の1550/1590nmWSC20によって2個のサブ帯域、C帯域及びL帯域に分割される。該技術分野における通常の知識を有する者ならば、第1WSC20は、グレーティング、帯域分割器、薄膜フィルタ、WDM装置、及び1本またはそれ以上の波長を反射または再伝送するのに適合した装置で構成されることができることを分かるであろう。また、ポンプLD14は、中心波長が約980nmの波長域のポンプ光を発生することが望ましいが、従来のEDFAのポンプ波長である1480nmも差し支えない。第1増幅部の長さは、18m以上が望ましい。ポンプ源14の光によってポンピングされると、前記ポンプ光の一部は、第1増幅部で吸収される。
【0010】
光分割の後、分割されたC帯域信号は、アイソレータ22によって順方向に進行するが、これは、第1WSC20での反射を防止する役割を行う。同時に、L帯域信号は、第2EDF30に順方向に印加される。前記第2EDF30は、1480/1550nm WSC28を通じて1480nm ポンプLD26によって順方向ポンピングされる。前記ポンプLD26は、中心波長が約1480nmの波長帯域でポンプ波長を発生させることが望ましいが、従来のEDFAのためのポンプ波長980nmも差し支えない。第2増幅部の長さは、85m以上が望ましく、ポンプ源26から発生した光によってポンピングされるとき、ポンプ光の一部が第2増幅部に吸収される。第2増幅の後、順方向に進行するL帯域増幅信号は、光ファイバ反射器32によって反射される。このとき、第2増幅部で発生して順方向に伝播されるC帯域ASEも光ファイバ反射器32によって反射される。前記反射されたL帯域及びC帯域ASEは、ポンプ源26のポンプ光の進行方向と反対方向に第2増幅部に再び伝送されて増幅され、この後、サーキュレータ24によって第2の1550/1590nm WSC34の入力に印加される。前記反射されたL帯域光信号及び逆方向C帯域光信号は、サーキュレータ24に進行することができるので、サーキュレータ24は、ASEを含む雑音光をフィルタリングし、前記増幅されたL帯域光信号を第2の1550/1590nm WSC34に通過させて第1増幅部でのC帯域ASEの飽和を防止し、C帯域ASEによって雑音を抑制するようになる。最後、前記反射されたL帯域光信号は、アイソレータ22から出力されたC帯域光信号と結合して出力信号になる。
【0011】
図4は、図3に示した第1実施形態による広帯域EDFAに対する実験結果として、波長(nm)に対する利得及び雑音指数(dB)を示すグラフである。図4に示すように、光EDFA及びパワーポンプ数を減少させつつも、22dB以上の利得を得ることができる。
【0012】
図5は、第2実施形態による広帯域光増幅器40を示す。説明の明確性及び簡潔性のために、図3で取り扱えた類似した構成要素に対する説明は省略する。第2実施形態において、アイソレータ42を通過した光信号は、第1EDF48によって増幅され、第1EDF48は、光分割の前に980/1550nm WSC46を通じて980nm ポンプLD44によってポンピングされる。第1EDF48の長さは18m以上が望ましい。この後、前記増幅された信号は、第1の1550/1590nm WSC50によって2個のサブ帯域、C帯域及びL帯域に分割される。前記C帯域反射光信号は、アイソレータ52によって順方向にのみ進行するが、これは、第1WSC50での光反射を防止する役割を行う。一方、L帯域信号は第2EDF56を通じて順方向に進行しつつ、前記第2EDF56は、1480/1550nm WSC58に連結された1480nm ダイオードレーザ64によってポンピングされる。第2EDF56の長さは95m以上が望ましい。
【0013】
第2増幅の後、順方向に進行する増幅されたL帯域光信号は、光ファイバ反射器60によって反射される。同時に、第1及び第2増幅過程で発生して順方向に進行するC帯域ASEも光ファイバ反射器60によって反射される。前記反射されたL帯域光信号及びC帯域ASEは、ポンプ源64のポンプ光の進行方向と同じ方向に第2増幅部に再び印加されて増幅された後、サーキュレータ54を通じて第2の1550/1590nm WSC62の入力に印加される。サーキュレータ54も第1増幅部に逆方向に進行するASEを含む雑音をフィルタリングし、前記増幅されたL帯域光信号を第2の1550/1590nm WSC62の入力に印加することにより、C帯域ASEの飽和を防止し、C帯域ASEによって雑音を抑制する役割を行う。前記反射されたL帯域光信号は、アイソレータ52から出力されたC帯域光信号と再び結合して出力信号になる。
【0014】
図6は、図5に示した第2実施形態による広帯域EDFAに対する実験結果として、波長(nm)に対する利得及び雑音指数(dB)を示すグラフである。図6に示すように、光EDFA及びパワーポンプ数を減少させつつも、22dB以上の利得を得ることができる。
【0015】
本発明の原理によって多様な変形が可能である。例えば、図7は、本発明の中心範囲を外れなくとも本発明が実施されることができる特定の場合を示す。両方向ポンピングが第2増幅部で行われる点を除いて、図7に示す第3実施形態の構造及び動作は、図3及び図5に示した実施形態と本質的に同一である。従って、図3及び図5で説明した要素に対する説明は、重複を避けるために省略する。
【0016】
図3及び図5に示す本発明による広帯域光増幅器の構造に対する実験を実施した。図3及び図5に示す本発明の構造及び図1に示した従来の構造における実験結果である利得帯域幅及び使用ポンプパワーは、図8に示されている。実験のために、それぞれ18m及び95mの2個のEDFを光増幅のためにそれぞれ第1及び第2増幅ステップで使用した。C帯域に対しては980nmで動作する第1ポンプレーザを使用し、L帯域に対しては1480nmで動作する第2ポンプレーザを使用した。図8から分かるように、従来に比べてより低いポンプパワーとより短いEDFとを使用して同じ利得帯域幅を得た。このことから、本発明による構造が光学コンポーネントの数を減少させつつも、費用に対しさらに効率の良いことを分かる。
【0017】
前述の如く、本発明の詳細な説明では具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の思想を外れない範囲内で様々な変形及び変更が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者には自明であろう。そこで、本発明の範囲は、前記実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲のみならず、特許請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。
【0018】
【発明の効果】
以上から述べてきたように、本発明による光増幅器は、EDFA及び関連ポンプ源を効果的に利用してより短いエルビウム添加光ファイバを使用し、ポンプ消耗を減少させて信号帯域幅を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のシステムにおけるEDFAを示す図である。
【図2】 図1に示した光ファイバ増幅器に対する実験結果から得た波長(nm)に対する利得、雑音指数(dB)、及び出力パワー(dBm)を示すグラフである。
【図3】 本発明の第1実施形態による順方向広帯域EDFAを示す概略図である。
【図4】 図3に示した第1実施形態による光ファイバ増幅器に対する実験結果から得た波長(nm)に対する利得及び雑音指数(dB)を示すグラフである。
【図5】 本発明の第2実施形態による逆方向広帯域EDFAを示す概略図である。
【図6】 図5に示した第2実施形態による光ファイバ増幅器に対する実験結果から得た波長(nm)に対する利得及び雑音指数(dB)を示すグラフである。
【図7】 本発明の第3実施形態による両方向にポンピングされる広帯域EDFAを示す概略図である。
【図8】 従来の構造と本発明による構造間の出力パワーを比較した表である。
【符号の説明】
12,22,42,52,82,92 アイソレータ
14,44,84 980nm ポンプレーザダイオードLD
16,46,86 980/1550nm WSC
18,48,88 第1EDF
20,50,90 第1の1550/1590nm WSC
24,54,94 サーキュレータ
26,64,96,104 1480nm ポンプLD
28,58,98 1480/1550nm WSC
30,56,100 第2EDF
32,60,106 反射器
34,62,108 第2の1550/1590nm WSC

Claims (12)

  1. 長さがL1であり、第1ポンプ光源によってポンピングされる第1エルビウム添加光ファイバ増幅部(EDF1)と、
    長さがL2であり、第2ポンプ光源によってポンピングされる第2エルビウム添加光ファイバ増幅部(EDF2)と、
    前記第1EDF1と第2EDF2との間に位置して入力される増幅光信号を複数のサブ帯域信号に分割する分割部と、
    前記第2EDF2の出力を前記第2EDF2に逆方向に反射して再び増幅させる反射器と、 前記分割部の出力端と前記第2EDF2の入力端との間に位置し、前記第2EDF2から出力される逆方向増幅光信号を前記分割部の方向とは異なる方向へ進行させ、前記第2EDF2から発生する増幅自然放出光(ASE)が前記分割部の方向へ進行するのを防止するサーキュレータと
    前記異なる方向の端に位置して前記EDF 2 から出力される逆方向増幅出力と前記分割部で分割された複数のサブ帯域信号のうちの一のサブ帯域信号とを結合して出力信号を発生する結合器と、
    を備えることを特徴とする広帯域光増幅器。
  2. 前記第1ポンプ光源は、増幅信号光の方向に対して順方向または逆方向に位置することを特徴とする請求項1に記載の広帯域光増幅器。
  3. 前記第2ポンプ光源は、増幅信号光の方向に対して順方向または逆方向に位置することを特徴とする請求項1に記載の広帯域光増幅器。
  4. 前記入力光信号を前記EDF1に順方向に伝播する第1アイソレータと、前記分割部の出力に連結されて前記サブ帯域信号のうち1つを前記結合器の入力に印加する第2アイソレータとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の広帯域光増幅器。
  5. 前記L2は、前記L1よりさらに大きいことを特徴とする請求項1に記載の広帯域光増幅器。
  6. 入力と出力を有する第1エルビウム添加光ファイバ増幅部(EDF1)と、
    前記第1EDF1の入力に連結されてポンプ光を発生する第1ポンプ光源と、
    入力と出力を有する第2エルビウム添加光ファイバ増幅部(EDF2)と、
    前記第2EDF2の入力に連結されてポンプ光を発生する第2ポンプ光源と、
    前記EDF1とEDF2との間に位置してEDF1の出力を複数のサブ帯域信号に分割する分割部と、
    前記EDF2の増幅出力信号を逆方向に反射して前記第2EDF2に再び印加する反射器と、
    前記分割部の出力端と前記第2EDF2の入力端との間に位置し、逆方向に進行する前記反射された増幅出力信号を前記分割部の方向とは異なる方向へ誘導し、前記第2EDF2で発生するASEが前記分割部の方向へ進行することを防止するサーキュレータと、
    記分割部の方向とは異なる方向へ誘導された増幅出力信号及び前記分割部から出力される前記サブ帯域信号のうち1つを結合して出力信号を生成する結合器とを備えることを特徴とする広帯域光増幅器。
  7. 入力光信号を前記EDF1に順方向に伝播する第1アイソレータと、前記分割部の出力に連結されて前記サブ帯域信号のうち1つを前記結合器の入力に印加する第2アイソレータとをさらに備えることを特徴とする請求項に記載の広帯域光増幅器。
  8. 前記第1ポンプ光源は、増幅信号光の方向に対して順方向または逆方向に位置することを特徴とする請求項に記載の広帯域光増幅器。
  9. 前記第2ポンプ光源は、増幅信号光の方向に対して順方向または逆方向に位置することを特徴とする請求項に記載の広帯域光増幅器。
  10. 前記第1ポンプ光源によって発生されたポンプ光は、中心波長が約980nmの波長域にあることを特徴とする請求項に記載の広帯域光増幅器。
  11. 前記第2ポンプ光源によって発生されたポンプ光は、中心波長が約1480nmの波長域にあることを特徴とする請求項に記載の広帯域光増幅器。
  12. 前記EDF2の第2エルビウム添加光ファイバは、前記EDF1の第1エルビウム添加光ファイバよりさらに長いことを特徴とする請求項1に記載の広帯域光増幅器。
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