JP3774335B2 - 光送受信モジュール及びそれを用いた1芯双方向光通信システム - Google Patents

光送受信モジュール及びそれを用いた1芯双方向光通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1本の光ファイバを共有して送受信を行う光通信システムに用いられる光送受信モジュール及びそれを用いた1芯双方向光通信システムに関するものである。特にIEEE1394やUSB2などの高速伝送が可能なデジタル通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような光送受信モジュールの従来例として、特開平10−153720号公報にて、光分岐素子に偏光分岐素子を用い、直線偏光を出射する光源と組み合わせることにより、送信側の光分岐損失を低減する光送受信モジュールが提案されている。
【0003】
図7に、該光送受信モジュールの側面断面図を示す。図7において、光ケーブル62は、光プラグ61と該光ケーブル62内に配設された光ファイバ(図示せず)とから構成される。
【0004】
また、光送受信モジュール50は、前記光プラグ61が挿入され位置を保持するレセプタクル部57、半導体基板51に実装された三角プリズム52、同様に半導体基板51に実装され、発光素子54を実装したサブマウント53、レンズ56から構成される。
【0005】
発光素子54を出射した送信信号光63は半導体基板51上に実装された三角プリズム52の表面に形成された偏光分岐膜により、反射され光路が90度偏向された後、レンズ56により集光され、光プラグ61の光ケーブル62中の光ファイバに入射し、該光ファイバを伝送し、相手光送受信モジュールへ入射する。
【0006】
一方、光ファイバを出射した受信信号光64は、レンズ56により集光され、該三角プリズム52へ入射する。該三角プリズム52に形成された偏光分岐膜はS偏光を反射し、P偏光を透過するように設計されているため、光ファイバを伝送する間に偏光状態が直線偏光からランダム偏光となった受信信号光64は、偏光分岐膜をエネルギーの半分が通過し、半導体基板51に形成された受光素子55へ入射する。
【0007】
また、提案例として本発明人は、特願平10−8054号にて、光分岐素子に偏光分岐素子を用い、直線偏光を出射する光源と組み合わせることにより、送信側の光分岐損失を低減するとともに、デポラライザにより光ファイバを伝送する受信信号光の偏光状態が不安定であっても、受信に影響を受けない光送受信モジュールを提案した。
【0008】
図8に、該光送受信モジュールの構成図を示す。図8において、光伝送モジュール80は、直線偏光を出射する発光素子81、レンズ82、偏光ビームスプリッター83、デポラライザ84、レンズ85、レンズ86、受光素子87から構成される。
【0009】
発光素子81を出射した送信信号光88は、レンズ82を透過し、平行光線とされた後、偏光ビームスプリッタ−83に入射する。該偏光ビームスプリッタ−83はS偏光を透過するため、送信信号光88はエネルギー損失なく、偏光ビームスプリッタ−83を通過し、デポラライザ84に入射する。該デポラライザ84に入射した送信信号光88は、直線偏光からランダム偏光に変えられ、レンズ85により集光され光ファイバ90に入射し、該光ファイバ90を伝送し、相手光送受信モジュールへ入射する。
【0010】
一方、光ファイバ90を出射した受信信号光89は、レンズ85により平行光線とされた後、デポラライザ84に入射し、入射する偏光状態に係らず、ランダム偏光とされ、偏光ビームスプリッター83へ入射する。偏光ビームスプリッター83ではS偏光を透過し、P偏光を反射するように設計されているため、受信信号光89は偏光ビームスプリッタ83をエネルギーの半分が反射し受光素子87へ入射する。
【0011】
図9は、図8に示す光送受信モジュールに用いるデポラライザの構成図である。該デポラライザは、(2n−1)/2λ板と、それと同一の屈折率を持つ透明板とを貼り合わせ、その貼り合わせ面を光ファイバの光軸に置き、(2n−1)/2λ板の光軸を偏光分岐素子の光軸に対し45度回転させて形成される。
【0012】
図10は、図8に示す光送受信モジュールに用いる他のデポラライザの構成図である。該デポラライザは、90度旋光板(旋光性材料)と、それと同一の屈折率を持つ透明板(透光性材料)とを貼り合わせ、その貼り合わせ面を光ファイバの光軸に置き形成される。
【0013】
図9及び図10に示すデポラライザは、直交する2つの偏光成分間の光強度を等しく2分するように機能する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例では、以下の問題が発生する。
【0015】
1)光ファイバを伝送してきた受信信号光64は、ファイバ長が1mと短い場合など、ランダム偏光とはならないため、受信効率が極端に低下する問題が生じる。
【0016】
2)半導体レーザー素子からなる発光素子54は消費電力が大きく、また寿命が短い問題があった。
【0017】
3)光ファイバの振動などにより受信信号光64の偏光状態が変化するため、受信信号光64の強度が光ファイバの振動に応じて変化する。したがって、S/Nが低下する問題が生じる。
【0018】
4)三角プリズム52は別工程にて加工され、その上に誘電体多層膜により偏光分離膜が形成されるため、非常に高価である。
【0019】
5)三角プリズム52を半導体基板51の上に設置する際、位置調整が必要であり低価格化を阻害していた。
【0020】
6)光ファイバがPOF(Plastic Optical Fiber)とPCF(Polimer CladFiber)では使用波長やNA(Numerical Aperture)が異なっており、どちらか一方の光ファイバは使用不可であった。
【0021】
また、提案例では以下の問題が発生する。
【0022】
1)デポラライザ84が複雑であり、また材料が高価であった。
【0023】
本発明は、上記課題に鑑み、受信効率が極端に低下することのない光送受信モジュール及びそれを用いた1芯双方向光通信システムの提供を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光送受信モジュールは、1芯の光ファイバにより双方向通信を行う光送受信モジュールであって、送信信号光として直線偏光を発光する第1の発光素子と、受信信号光を受光する受光素子と、受信信号光を直交する偏光成分に2分する偏光分岐素子と、デポライザとを有し、前記第1の発光素子からの送信信号光は、前記偏光分岐素子にて分岐せず反射し、前記デポライザを通過した後、前記光ファイバに光結合され、該光ファイバからの受信信号光は、前記デポライザを通過後、前記偏光分岐素子にて分岐され、前記受光素子へ入射し、上記偏光分岐素子は、上記受光素子を封止するモールド樹脂が有する面に、偏光フィルムが設けられて形成されていることを特徴とするものである。
【0025】
加えて、参考例の光送受信モジュールは、ランダム偏光を発光する第2の発光素子を有し、前記第2の発光素子からの送信信号光は、前記偏光分岐素子にて2分されて通過した後、前記光ファイバに光結合され、伝送速度が400Mbps以上では前記第1の発光素子を用いて光通信を行い、伝送速度が400Mbps未満では前記第2の発光素子を用いて光通信を行うことを特徴とするものである。
【0026】
【0027】
さらにまた、参考例の光送受信モジュールは、1芯の光ファイバにより双方向通信を行う光送受信モジュールであって、光ファイバ長が短い光ケーブルのプラグが脱着可能なレセプタクルと、送信信号光として直線偏光を発光する第1の発光素子と、送信信号光を発光する第2の発光素子と、受信信号光を受光する受光素子と、受信信号光を直交する偏光成分に2分する偏光分岐素子と、デポラライザとを有し、前記発光素子からの送信信号光は、前記偏光分岐素子にて分岐せず通過し、前記デポラライザを通過した後、前記光ファイバに光結合させ、該光ファイバからの受信信号光は、前記デポラライザを通過後、前記偏光分岐素子にて分岐され、前記受光素子へ入射させることを特徴とするものである。
【0028】
加えて、参考例の光送受信モジュールは、前記第1の発光素子が半導体レーザー素子からなるとともに、前記第2の発光素子がSLDまたはLEDからなり、伝送速度が400Mbps以上では前記第1の発光素子を用いて光通信を行い、伝送速度が400Mbps未満では前記第2の発光素子を用いて光通信を行うことを特徴とするものである。
【0029】
さらに加えて、参考例の光送受信モジュールは、前記第1の発光素子が850nmの波長の光を出射する発光素子からなるとともに、前記第2の発光素子が650nmの波長の光を出射する発光素子からなり、伝送速度が400Mbps以上では前記第1の発光素子を用いて光通信を行い、伝送速度が400Mbps未満では前記第2の発光素子を用いて光通信を行うことを特徴とするものである。
【0030】
加えて、一実施形態の光送受信モジュールは、前記デポラライザを、光束面積/2=穴面積和を満たした穴空き(2n−1)/2λ板を用い、その光軸を前記偏光分岐素子の光軸に対し45度回転させることにより形成したことを特徴とするものである。
【0031】
さらに加えて、一実施形態の光送受信モジュールは、前記デポラライザを、光束面積/2=穴面積和を満たした穴空き90度旋光板により形成したことを特徴とするものである。
【0032】
加えて、一実施形態の光送受信モジュールは、前記(2n−1)/2λ板又は90度旋光板が、液晶性高分子膜からなることを特徴とするものである。
【0033】
さらに加えて、参考例の光送受信モジュールは、前記偏光分岐素子を、斜面に偏光フィルムを貼り付けて形成したことを特徴とするものである。
【0034】
加えて、参考例の光送受信モジュールは、前記斜面をモールド樹脂にて形成したことを特徴とするものである。
【0035】
さらに加えて、参考例の光送受信モジュールは、送信光学系の励振NAを、使用する光ファイバの中の一番小さいNA以下に設定したことを特徴とするものである。
【0036】
加えて、参考例の光ケーブルは、上記光送受信モジュールのレセプタクルに着脱可能なプラグを両端に取り付けたファイバ長が十分長いPOFまたはPCFからなることを特徴とするものである。
【0037】
さらに加えて、参考例の光ケーブルは、上記光送受信モジュールのレセプタクルに着脱可能なプラグを両端に取り付けたPOFまたはPCFからなることを特徴とするものである。
【0038】
加えて、本発明の1芯双方向光通信システムは、上記光送受信モジュールを備えたことを特徴とするものである。
【0039】
上記参考例によれば、光ファイバ長が短い光ケーブルのプラグが脱着不可能なレセプタクルを光送受信モジュールに用いたので、脱着可能なプラグを用いた光ケーブルの最短ファイバ長を十分長く設定でき、POFを伝送する受信信号光を十分にランダム偏光とできるため、光ファイバ長が短い光ケーブルの脱着を防止でき、受信効率が極端に低下することを防止できる。
【0040】
また、SLDやLEDは半導体レーザー素子よりも低速な素子であるため、低速伝送時は半導体レーザー素子の代わりにSLDやLEDを用いることにより、消費電力と半導体レーザー素子の寿命を稼ぐことができる。
【0041】
上記本発明の構成によれば、デポラライザを通過した光はランダム偏光となるため、光ファイバ長が短い場合に受信効率が極端に低下したり、光ファイバの振動などにより受信信号光の偏光状態が変化することから受信信号光の強度が光ファイバの振動に応じて変化しS/Nが低下することを防止できる。
【0042】
さらにまた、偏光分岐膜よりも偏光フィルムは安価でありシステムの低価格化を促進できる。
【0043】
加えて、液晶性高分子膜は安価でありシステムの低価格化を促進できる。
【0044】
さらに加えて、使用する光ファイバに応じて送信信号光の波長を切り替え、送信光学系の励振NAを使用する光ファイバの最も小さいNA以下にしたので、どの光ファイバを用いても光ファイバの十分広い帯域を使用することができ、POFとPCFの両方の光ファイバを用いて通信できる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、理解のし易さのため、参考例について説明を行う。
【0046】
参考例
図1は参考例の光送受信モジュールのプラグ挿入時を示す図であり、(a)は平面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【0047】
図において、光ケーブルは、光ケーブルの両端に取り付けられたプラグ取っ手部12、プラグ13、光ケーブルの中央(中心軸)に配置された光ファイバ14から構成される。
【0048】
光送受信モジュール10は、前記プラグ13が挿入され位置を保持するレセプタクル部11、レンズ15、光デバイス20、駆動集積回路16、増幅集積回路17、外部入出力端子18,19から構成される。
【0049】
前記光デバイス20の構成を図2に示す。図中、(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
【0050】
図において、光デバイス20は、電極25を持ったプリント基板21、その上に実装された受光素子22、発光素子27の送信信号光をモニターするモニター用受光素子23、前記両受光素子22,23を樹脂封止したモールド部24、前記プリント基板21に実装された前記発光素子27付きサブマウント26から構成される。
【0051】
図1及び図2において、発光素子27の一端から出射した送信信号光は、モールド部24に入射し、モールド部24の斜面28で反射され、モニター用受光素子23に入射し、発光素子27の光量がモニターされる。この信号は、駆動集積回路16に入り、発光素子27の光量を一定に保つことに用いられる。
【0052】
外部入出力端子19から入力された送信電気信号は、駆動集積回路16に入力され、発光素子27を駆動し、送信信号光に変換される。
【0053】
発光素子27の他端から出射した送信信号光は、モールド部24の斜面29に貼付けられた偏光分岐素子である偏光フィルム30により、分岐せずに光路を90度偏向され、レンズ15により集光された後、プラグ13内部の光ファイバ14に入射し、光ファイバ14内を伝送し、相手光送受信モジュールに入射する。
【0054】
相手光送受信モジュールからの受信信号光は、プラグ13内部の光ファイバ14から出射し、レンズ15により集光され、モールド部24の斜面29に貼り付けられた偏光フィルム30により、2分され透過光が受光素子22へ入射して受信電気信号に変換され、増幅集積回路17により増幅された後、外部入出力端子19より、光送受信モジュール外部の電子回路(図示せず)へ入力される。
【0055】
前記プラグ13の直径を、例えばφ4mmとすれば、既存のプラグ直径はφ1.25,2.5,3.5であるから、既存の光ケーブルは本光送受信モジュールに取り付けることはできない。当然ながら、これに伴い、光送受信モジュール10のレセプタクル部11の孔径をφ4mmに対応する孔径とする。
【0056】
したがって、光ケーブル最低長を十分に長く、例えば10mとすれば、光ファイバ14を伝送してく受信信号光はランダム偏光となるため、受信効率が極端に低下する問題を回避することができる。
【0057】
前記偏光フィルム30は、液晶表示素子に用いられているものと同じであり、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを一軸方向に延伸し形成したフィルムを保護フィルムで挟み込み、片面に粘着剤を塗布して形成される。このような偏光フィルムの一例として、住友化学工業製スミカランなどがある。
【0058】
(実施の形態)
図3は本発明の実施の形態よりなる光送受信モジュールのプラグ挿入時を示す図であり、(a)は平面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【0059】
図3において、光ケーブルは、光ケーブルの両端に取り付けられたプラグ取っ手12、プラグ13、光ケーブルの中央(中心軸)に配置された光ファイバ14から構成される。
【0060】
光送受信モジュール10は、前記プラグ13が挿入され位置を保持するレセプタクル部11、レンズ15、光デバイス20、駆動集積回路16、増幅集積回路17、外部入出力端子18,19、デポラライザ31から構成される。
【0061】
前記光デバイス20の構成を図4に示す。図中、(a)は平面図であり、(b)は側面断面図である。
【0062】
図において、光デバイス20は、電極25を持ったプリント基板21、その上に実装された受光素子22、発光素子27,32の送信信号光をモニターするモニター用受光素子23、前記両受光素子22,23を樹脂封止したモールド部24、前記プリント基板21に実装された発光素子27,32付きサブマウント26から構成される。
【0063】
図3及び図4において、発光素子27または32の一端から出射した送信信号光は、モールド部24に入射し、モールド部24の斜面28で反射され、モニター用受光素子23に入射し、発光素子27または32の光量がモニターされる。この信号は、駆動集積回路16に入り、発光素子27または32の光量を一定に保つことに用いられる。
【0064】
外部入出力端子19から入力された送信電気信号は、駆動集積回路16に入力され、発光素子27または32を駆動し、送信信号光に変換される。
【0065】
発光素子27または32の他端から出射した送信信号光は、モールド部24の斜面29に貼付けられた偏光分岐素子である偏光フィルム30により、分岐せずに光路を90度偏向され、デポラライザ31を透過しランダム偏光とされ、レンズ15により集光された後、プラグ13内部の光ファイバ14に入射し、光ファイバ14内を伝送し、相手光送受信モジュールに入射する。
【0066】
相手光送受信モジュールからの受信信号光は、プラグ13内部の光ファイバ14から出射し、レンズ15により集光され、デポラライザ31を透過しランダム偏光とされ、モールド部24の斜面29に貼り付けられた偏光フィルム30により、2分され透過光が受光素子22へ入射して受信電気信号に変換され、増幅集積回路17により増幅された後、外部入出力端子19より、光送受信モジュール外部の電子回路(図示せず)へ入力される。
【0067】
前記プラグ13は既存のプラグである。ここでは、直径φ3.5のEIAJRC5720光丸型コネクタとした。このコネクタはデジタルオーディオ光通信システムに用いられており、光ケーブルは最短60cmから存在する。しかしこのような短い光ケーブルを使用した場合でも、デポラライザ31により、受信信号光はランダム偏光となるため、受信効率が極端に低下する問題を回避することができる。また、光ケーブルが振動し、受信信号光の偏光状態が変動してもデポラライザ31を通過した光はランダム偏光となるため、S/Nが低下する問題は発生しない。
【0068】
IEEE1394デジタル通信システムでは、伝送速度を100Mbps,200Mbps,400Mbpsのカテゴリに区分し、光送受信モジュールに速度下位互換性を持たせている。例えば、100Mbpsと400Mbpsの光送受信モジュールが通信する場合は、400Mbpsの光送受信モジュールは100Mbpsで送信を行う。
【0069】
したがって、第1の発光素子27をSLD(Super Luminescence Diode)またはLED(Light Emitting Diode)とし、第2の発光素子32を半導体レーザー素子とし、400Mbps以上では第2の発光素子32を駆動し、400Mbps未満では第1の発光素子27を駆動するようにすれば、消費電力を抑え、半導体レーザー素子の寿命を延ばすことが可能となる。これについては、本実施の形態に限らず、上述した第1の実施の形態において、第2の発光素子を追加し、本実施の形態同様に駆動制御することで、消費電力を抑え、半導体レーザー素子の寿命を延ばすことが可能である。
【0070】
また、IEEE1394デジタル通信システムでは、光ファイバの種類として、800Mbps以上はPCF、800Mbps未満はPOFと定まっている。光ファイバの種類と特性を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0003774335
表中、SI−POFはStep Index−POFの略であり、GI−POFはGradedIndex−POFの略である。
【0072】
したがって、POFは使用波長が650nm、最小NAは0.3、PCFは850nm、NAは0.35であるから、第1の発光素子27を850nmの半導体レーザー素子、第2の発光素子32を650nmの半導体レーザー素子,SLD又はLED、光学系の励振NAを0.3とし、800Mbps以上では第1の発光素子27を駆動し、800Mbps未満では第2の発光素子32を駆動するようにすれば、光ファイバの種類に依らず同じ光送受信モジュールで、広い伝送速度に対応することが可能となる。これについては、本実施の形態に限らず、上述した第1の実施の形態において、第2の発光素子を追加し、本実施の形態同様に駆動制御することで、光ファイバの種類に依らず同じ光送受信モジュールで、広い伝送速度に対応することが可能である。
【0073】
本実施の形態では、2つの発光素子27,32をサブマウント26上に並べたが、モノリシックに2つの発光素子27,32を1つの半導体チップに形成し、それを用いても良いことは言うまでもない。また、第1実施の形態において、第2の発光素子を追加した場合も同じである。
【0074】
光学系の励振NAは、レンズ15の横倍率により定まる。レンズ15の横倍率は、(励振NA)/(光源のNA)で表されるから、第1の発光素子27、第2の発光素子32とも半導体レーザー素子を用いた場合は、光源のNA=0.7と励振NA=0.3を先の式へ入力し横倍率0.43を得る。したがって、レンズ15の横倍率を0.43に設計すれば、光学系の励振NAを0.3とすることができる。
【0075】
図5及び図6はそれぞれ、図3に示す光送受信モジュールに用いるデポラライザの上面図である。
【0076】
本実施の形態の光送受信モジュールに用いるデポラライザ31は、提案例のデポラライザ84と異なり、透明板は使用していない。その理由は、光ファイバの直径が300μm以上と大きいため、回折限界に光を絞る必要がないためである。よって、モールド部24の表面側に直接貼り付けている。
【0077】
また、該デポラライザ31は、(2n−1)/2λ板,90度旋光板を液晶性高分子膜にて形成している。(2n−1)/2λ板は、偏光フィルムにて形成することも可能である。どちらの材料を用いてもフィルム状であり、金型打ち抜きやエキシマレーザーによるレーザーアブレーションにて任意形状の穴をあけることが可能である。(2n−1)/2λ板については、その光軸を偏光分岐素子である偏光フィルム30の光軸に対し45度回転させて形成される。なお、(2n−1)/2λ板のnは整数である。
【0078】
図中、43は光束であり、42は穴である。本発明人が特願平10−8054号にて提案したように、直交する2つの偏光成分間の光強度を等しく2分すれば、偏光分岐素子により分岐され受光素子に入射する光の強度は入射する光の偏光状態に依存しなくなるため、図5及び図6のデポラライザ31は光強度を等しく2分するため、光束面積/2=穴面積和を満たすように穴があけられている。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、参考例によれば、光ファイバ長が短い光ケーブルのプラグが脱着不可能なレセプタクルを光送受信モジュールに用いたので、脱着可能なプラグを用いた光ケーブルの最短ファイバ長を十分長く設定でき、POFを伝送する受信信号光を十分にランダム偏光とできるため、光ファイバ長が短い光ケーブルの脱着を防止でき、受信効率が極端に低下することを防止できる。
【0080】
本発明によれば、SLDやLEDは半導体レーザー素子よりも低速な素子であるため、低速伝送時は半導体レーザー素子の代わりにSLDやLEDを用いることにより、消費電力と半導体レーザー素子の寿命を稼ぐことができる。
【0081】
さらに、デポラライザを通過した光はランダム偏光となるため、光ファイバ長が短い場合に受信効率が極端に低下したり、光ファイバの振動などにより受信信号光の偏光状態が変化することから受信信号光の強度が光ファイバの振動に応じて変化しS/Nが低下することを防止できる。
【0082】
さらにまた、偏光分岐膜よりも偏光フィルムは安価でありシステムの低価格化を促進できる。
【0083】
加えて、液晶性高分子膜は安価でありシステムの低価格化を促進できる。
【0084】
さらに加えて、使用する光ファイバに応じて送信信号光の波長を切り替え、送信光学系の励振NAを使用する光ファイバの最も小さいNA以下にしたので、どの光ファイバを用いても光ファイバの十分広い帯域を使用することができ、POFとPCFの両方の光ファイバを用いて通信できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の光送受信モジュールの構成図である。
【図2】図1に示す光送受信モジュールに用いる光デバイスの構成図である。
【図3】本発明の実施の形態よりなる光送受信モジュールの構成図である。
【図4】図3に示す光送受信モジュールに用いる光デバイスの構成図である。
【図5】図3に示す光送受信モジュールに用いるデポラライザの上面図である。
【図6】図3に示す光送受信モジュールに用いる他のデポラライザの上面図である。
【図7】従来の光送受信モジュールの側面断面図である。
【図8】他の光送受信モジュールの構成図である。
【図9】図8に示す光送受信モジュールに用いるデポラライザの構成図である。
【図10】図8に示す光送受信モジュールに用いる他のデポラライザの構成図である。
【符号の説明】
10 光送受信モジュール
11 レセプタクル部
12 プラグ取っ手部
13 プラグ
14 光ファイバ
15 レンズ
16 駆動集積回路
17 増幅集積回路
18,19 外部入出力端子
20 光デバイス
21 プリント基板
22 受光素子
23 モニター用受光素子
24 モールド部
25 電極
26 サブマウント
27,32 発光素子
28,29 斜面
30 偏光フィルム
31 デポラライザ
42 穴
43 光束

Claims (5)

  1. 1芯の光ファイバにより双方向通信を行う光送受信モジュールであって、
    送信信号光として直線偏光を発光する第1の発光素子と、
    受信信号光を受光する受光素子と、
    前記受信信号光を直交する偏光成分に2分する偏光分岐素子と、
    デポライザとを有し、
    前記第1の発光素子からの送信信号光は、前記偏光分岐素子にて分岐せず反射し、前記デポライザを通過した後、前記光ファイバに光結合され、
    該光ファイバからの受信信号光は、前記デポライザを通過後、前記偏光分岐素子にて分岐され、前記受光素子へ入射し、
    上記偏光分岐素子は、上記受光素子を封止するモールド樹脂が有する面に、偏光フィルムが設けられて形成されていることを特徴とする光送受信モジュール。
  2. 請求項1に記載の光送受信モジュールにおいて、
    前記デポラライザを、光束面積/2=穴面積和を満たした穴空き(2n−1)/2λ板を用い、その光軸を前記偏光分岐素子の光軸に対し45度回転させることにより形成したことを特徴とする光送受信モジュール。
  3. 請求項1に記載の光送受信モジュールにおいて、
    前記デポラライザを、光束面積/2=穴面積和を満たした穴空き90度旋光板により形成したことを特徴とする光送受信モジュール。
  4. 請求項2又は3に記載の光送受信モジュールにおいて、
    前記(2n−1)/2λ板又は90度旋光板が、液晶性高分子膜からなることを特徴とする光送受信モジュール。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光送受信モジュールを備えたことを特徴とする1芯双方向光通信システム。
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