JP4761494B2 - 双方向光伝送デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバプラグを光ミニジャック又は光伝送モジュールに係合して通信可能となる双方向光伝送デバイスに係わり、更に詳しくは、一芯の光ファイバを使った光信号をデータ伝送する一芯双方向光伝送デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光デバイスと受光デバイスをハウジング内に組み合わせたミニジャックやトランシーバ型モジュールが存在している。ミニジャックモジュールはCDプレーヤ、MDプレーヤ、ノート型PCなど、また、トランシーバ型モジュールはルーター、モデムステーション、ノート型PCなどの家電機器に使用されている。現在市場にあるこれらの光伝送モジュールは、光ファイバを1本使用し、発光デバイスと受光デバイスを対面させた一芯片方向通信や、光ファイバを2本使用し、送受信モジュールが別個(2個)の二芯双方向通信の構造のものがあり、いずれも大型でリードフレーム型である。小型で、且つ面実装の一芯双方向光伝送モジュールは見当たらない。
【0003】
図4及び図5は、従来の一般的な二芯の双方向光伝送モジュールの構造を示し、図4は双方向光伝送デバイスの要部断面図である。図5は図4に示す矢印A方向からの説明図である。
【0004】
図4及び図5において、符号1は光ファイバプラグで、光ファイバプラグ1は、ハウジング部に2本の光ファイバ2a、2bが収納されている。
【0005】
符号3は光伝送モジュールで、該光伝送モジュール3は、ハウジング4の内部に発光チップを実装した発光デバイス5と、受光チップを実装した受光デバイス10とを単一のハウジング4により一体化している。前記発光デバイス5は、3本のリードフレーム6(6a、6b、6c)(図5)の表面に発光チップとして発光ダイオード(LED)7又はレーザー(LD)と、LED7又はLDを制御するためのドライブIC8を実装し、リードフレーム6a、6b、6cとの導通をワイヤで行っている。前記LED7又はLD、IC8及びワイヤを透光性の封止樹脂9で封止している。
【0006】
受光デバイス10は、3本のリードフレーム11(11a、11b、11c)(図5)の表面に光信号を電気信号に変換する機能を有するホトダイオード(PDi)と増幅回路を一体化したIC12を実装し、リードフレーム11a、11b、11cとの導通をワイヤで行っている。前記IC12及びワイヤを透光性の封止樹脂9で封止している。
【0007】
前記発光側の3本のリードフレーム6a、6b、6c及び受光側の3本のリードフレーム11a、11b、11cは、共に同一平面に並列配置されていて、前記モールド樹脂(ハウジング4)の下面から下方に突出している。
【0008】
前記発光側の3本のリードフレーム6a、6b、6cのうち、リードフレーム6aは信号入力端子、リードフレーム6bは電源端子、リードフレーム6cは接地端子である。また、受光側の3本のリードフレーム11a、11b、11cのうち、リードフレーム11aは電源端子、リードフレーム11bは接地端子、リードフレーム11cは信号出力端子である。
【0009】
以上述べた構成により、発光デバイス5側のリードフレーム6aに電気信号を入力し発光デバイス5内のIC8・LED7により光信号に変換される。LED7から出射された光は、光ファイバプラグ1の光ファイバ2bに入射され伝送される。次に、光ファイバ2aより伝送された光は、受光デバイス10内のIC12のホトダイオード部に入射され電気信号に変換されてリードフレーム11cに出射される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した双方向光伝送デバイスは、2本の光ファイバを使用しているのでコストアップになる。また、光送信/受信デバイスが別個であり光伝送デバイスの小型化が難しい。更に、光送信/受信デバイスはリードフレームを使用した挿入実装部品であるため実装工数が多くかかるなどの様々な問題がある。
【0011】
本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、光送信/受信デバイスを一体化すると同時に、光干渉を防ぎ光入出力を効率良く伝送でき、一芯双方向光伝送を可能にする。面実装タイプによりリフロー対応可能にし、小型で安価な一芯双方向光伝送デバイスを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における一芯双方向光デバイスは、発光チップ及び受光チップを実装し単一のハウジングにより一体化し、外部との電気的接続のための電極端子を備えた光ミニジャック又は光伝送モジュールと、該光ミニジャック又は光伝送モジュールに光ファイバプラグを係合した双方向光伝送デバイスにおいて、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールは前記外部との電気的接続のための電極端子であるスルーホール電極を有する一つのベース基板を備え、該ベース基板に発光チップと受光チップとプリズム状の反射部材を一体に形成し、該一体化したベース基板を前記ハウジングに収納すると共に、前記ベース基板の上面において、前記発光チップの発光面と前記受光チップの受光面を対向配置させ、且つ前記両チップ間の略中央部にプリズム状の反射部材を配置して光の方向を変えると同時に、前記発光チップ及び前記受光チップの裏面に金属ブロック又はプラスチックなどよりなるブロックをサブマウントして、該ブロックを放熱性・導電性部材で形成し、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールに一芯の光ファイバプラグを係合したことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記プリズム状の反射部材は、反射ミラーであり、前記ブロックよりも高くすることによって、前記両チップ間の光の干渉を防ぐ遮光壁の機能を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明における双方向光伝送デバイスについて説明する。図1〜図3は、本発明の実施の形態である双方向光伝送デバイスに係わり、図1は、一芯双方向光伝送モジュールの要部断面図、図2は、図1の送受信デバイスの斜視図、図3は、図2要部断面図である。図において、従来技術と同一部材は同一符号で示す。
【0017】
図1において、光ファイバプラグ1Aはハウジング部に一芯の、例えばプラスチック材よりなる光ファイバ2が内蔵されている。一方、光ミニジャックモジュール3Aのハウジング4の内部には、送信デバイスと受信デバイスを一つのベース基板に一体化された送受信デバイス15が収納されていて、光ファイバ2の先端面と光素子の前面側とは可能な限り近接して配置される。
【0018】
図1〜図3において、ガラエポ樹脂又はセラミックなどよりなるベース基板16の側面に、外部との電気的接続のための電極端子である複数個の半円形状をしたスルーホール電極17が形成されている。前記ベース基板16の上面側には、後述する対向実装された発光チップ及び受光チップ間の略中央部にプリズム状の反射部材、例えば反射ミラー18が配置される。
【0019】
前記ベース基板16上で反射ミラー18を挟んで、一方の端部には、発光チップとして発光ダイオード(LED)7又はレーザー(LD)を実装する。LED7又はLDの発光面を垂直に立たせるためにLED7又はLDの裏面にブロック19として、例えばプラスチックブロックや金属ブロック(放熱性及び導電性に優れた銅ブロック、メッキ処理)をサブマウントする。同時に前記LED7を制御するためのドライブIC8をダイボンド、ワイヤボンドする。尚、後述するように、光伝送路をレンズで密閉しない場合は、前記LED7とワイヤを透光性の封止樹脂9でコーティング又は封止する。
【0020】
また、ベース基板16上で反射ミラー18を挟んで、他方の端部には前記LED7又はLDの発光面と受光面を対向させて受光チップを実装する。受光チップとしてフォトダイオード(PDi)とICが一体化になって光信号を電気信号に変換する機能を有するIC12を実装する。前記IC12の受光面を垂直に立たせるためにIC12の裏面に前述したブロック19をサブマウントする。同時に前記IC12をダイボンド、ワイヤボンドする。上記したように、光伝送路をレンズで密閉しない場合は、その上面を透光性の封止樹脂9でコーティング又は封止する。前記送受信デバイス15の前面と光ファイバ2の端面との間の距離寸法を可能な限り少なく設定する。
【0021】
また、図3に示すように受・発光デバイスを実装したベース基板16に、樹脂又は金属部材よりなるカバー20を接着剤などで接着して送受信デバイス15を構成する。送受信デバイス15は、前記カバー20の前面に形成されている光伝送路21を透光性部材、例えばプラスチックやガラスなどよりなるレンズ22で密閉することにより、レンズ22が防塵・防湿の機能を有するものである。また、前記光伝送路21が前記光ファイバ2の先端部の位置決めガイドを兼ねるものである。
【0022】
図3において、LED7の発光面から発光された光は反射ミラー18によりに反射して方向を変え、カバー20の前面に形成されている光伝送路21を通って矢印B方向に出射される。また、光ファイバから入射された光は反射ミラー18に反射して矢印C方向に方向を変え、受光IC12の受光面に入光される。
【0023】
上記した構成により、ベース基板上の略中央部に配設したプリズム状の反射部材が、光の方向を変えると同時に、受・発光部間の光干渉を防ぐ。また、ベース基板に形成されたスルーホール電極が面実装を可能にしリフロー対応が可能になる。更に、発光デバイスと受光デバイスを一体化した送受信デバイスを形成することにより、小型で一芯双方向光伝送デバイスが対応可能になる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、光送信/受信デバイスを一体化すると同時に、プリズム状の反射部材が光の方向を変え、受・発光部間の光干渉を防ぎ光出力を効率良く伝送できる。また、面実装タイプにより、リフロー対応可能にし、小型で安価な一芯双方向光伝送デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を係わる一芯双方向光伝送モジュールの要部断面図である。
【図2】図1の送受信デバイスを透視した状態の斜視図である。
【図3】図1の送受信デバイスの断面図である。
【図4】従来の二芯双方向光伝送モジュールの構造を示す要部断面図である。
【図5】図4を矢印A方向から見た説明図である。
Claims (2)
- 発光チップ及び受光チップを実装し単一のハウジングにより一体化し、外部との電気的接続のための電極端子を備えた光ミニジャック又は光伝送モジュールと、該光ミニジャック又は光伝送モジュールに光ファイバプラグを係合した双方向光伝送デバイスにおいて、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールは前記外部との電気的接続のための電極端子であるスルーホール電極を有する一つのベース基板を備え、該ベース基板に発光チップと受光チップとプリズム状の反射部材を一体に形成し、該一体化したベース基板を前記ハウジングに収納すると共に、前記ベース基板の上面において、前記発光チップの発光面と前記受光チップの受光面を対向配置させ、且つ前記両チップ間の略中央部にプリズム状の反射部材を配置して光の方向を変えると同時に、前記発光チップ及び前記受光チップの裏面に金属ブロック又はプラスチックなどよりなるブロックをサブマウントして、該ブロックを放熱性・導電性部材で形成し、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールに一芯の光ファイバプラグを係合したことを特徴とする双方向光伝送デバイス。
- 前記プリズム状の反射部材は、反射ミラーであり、前記ブロックよりも高くすることによって、前記両チップ間の光の干渉を防ぐ遮光壁の機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の双方向光伝送デバイス。
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