JP3832728B2 - 双方向光伝送デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバプラグを光ミニジャック又は光伝送モジュールに係合して通信可能となる双方向光伝送デバイスに係わり、更に詳しくは、一芯の光ファイバを使って光信号をデータ伝送する一芯双方向光伝送デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光デバイスと受光デバイスをハウジング内に組み合わせたミニジャックやトランシーバ型モジュールが存在している。ミニジャックモジュールはCDプレーヤ、MDプレーヤ、ノート型PCなど、また、トランシーバ型モジュールはルーター、モデムステーション、ノート型PCなどの家電機器に使用されている。現在市場にあるこれらの光伝送モジュールは、光ファイバを1本使用し、発光デバイスと受光デバイスを対面させた一芯片方向通信や、光ファイバを2本使用し、送受信モジュールが別個(2個)の二芯双方向通信の構造のものがあり、いずれも大型でリードフレーム型である。小型で、且つ面実装型の一芯双方向光伝送モジュールは見当たらない。
【0003】
図5及び図6は、従来の一般的な二芯の双方向光伝送モジュールの構造を示し、図5は双方向光伝送モジュールの要部断面図である。図6は図5に矢印A方向からの説明図である。
【0004】
図5及び図6において、符号1は光ファイバプラグで、光ファイバプラグ1は、ハウジング部に2本の光ファイバ2a、2bが収納されている。
【0005】
符号3は光伝送モジュールで、該光伝送モジュール3は、ハウジング4の内部に発光チップを実装した発光デバイス5と、受光チップを実装した受光デバイス10とを単一のハウジング4により一体化している。前記発光デバイス5は、3本のリードフレーム6(6a、6b、6c)(図6)の表面に発光チップとして発光ダイオード(LED)7又はレーザー(LD)と、LED7又はLDを制御するためのドライブIC8を実装し、リードフレーム6a、6b、6cとの導通をワイヤで行っている。前記LED7又はLD、IC8及びワイヤを透光性の封止樹脂9で封止している。
【0006】
受光デバイス10は、3本のリードフレーム11(11a、11b、11c)(図6)の表面に光信号を電気信号に変換する機能を有するホトダイオード(PDi)と増幅回路を一体化したIC12を実装し、リードフレーム11a、11b、11cとの導通をワイヤで行っている。前記IC12及びワイヤを透光性の封止樹脂9で封止されている。
【0007】
前記発光側の3本のリードフレーム6a、6b、6c及び受光側の3本のリードフレーム11a、11b、11cは、共に同一平面に並列配置されていて、前記ハウジング4の下面から下方に突出している。
【0008】
前記発光側の3本のリードフレーム6a、6b、6cのうち、リードフレーム6aは信号入力端子、リードフレーム6bは電源端子、リードフレーム6cは接地端子である。また、受光側の3本のリードフレーム11a、11b、11cのうち、リードフレーム11aは電源端子、リードフレーム11bは接地端子、リードフレーム11cは信号出力端子である。
【0009】
以上述べた構成により、発光デバイス5側のリードフレーム6aに電気信号を入力し発光デバイス5内のIC8・LED7により光信号に変換される。LED7から出射された光は、光ファイバプラグ1の光ファイバ2aに入射され伝送される。次に、光ファイバ2bより伝送された光は、受光デバイス10内のIC12のホトダイオード部に入射され電気信号に変換されてリードフレーム11cに出力される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した双方向光伝送デバイスは、2本の光ファイバを使用しているのでコストアップになる。また、光送信/受信デバイスが別個であり光伝送デバイスの小型化が難しい。更に、光送信/受信デバイスはリードフレームを使用した挿入実装部品であるため実装工数が多くかかるなどの様々な問題がある。
【0011】
本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、光送信/受信デバイスを一体化すると同時に、光干渉を防ぎ光入出力を効率良く伝送でき、一芯双方向光伝送を可能にする。面実装タイプによりリフロー対応可能にし、小型で安価な一芯双方向光伝送デバイスを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明における双方向光伝送デバイスは、発光チップ及び受光チップを実装し単一のハウジングにより一体化し、外部との電気的接続のための電極端子を備えた光ミニジャック又は光伝送モジュールと、該光ミニジャック又は光伝送モジュールに光ファイバプラグを係合した双方向光伝送デバイスにおいて、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールは、前記外部との電気的接続のための電極端子であるスルーホール電極を有する一つのベース基板に発光チップ及び受光チップを実装し、両チップの上面を角錐形状又は円錐形状に透光性の封止樹脂で封止成形し、前記角錐形状又は円錐形状に形成された封止樹脂を半分に分割するようにダイシングして発光デバイスと受光デバイスに区分し、前記分割面を含み封止樹脂の全面をメッキして光干渉防止保護膜で覆った後、前記発光デバイスと受光デバイスを分割面で接着して一体になるように組み合わせ接着・固定し、尖った先端部をカットし、前記光干渉防止保護膜を先端のみ除去して光伝送路を形成し、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールに一芯の光ファイバプラグを係合したことを特徴とするものである。
【0013】
また、発光チップ及び受光チップを実装し単一のハウジングにより一体化し、外部との電気的接続のための電極端子を備えた光ミニジャック又は光伝送モジュールと、該光ミニジャック又は光伝送モジュールに光ファイバプラグを係合した双方向光伝送デバイスにおいて、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールは、前記外部との電気的接続のための電極端子であるスルーホール電極を有する一つのベース基板に発光チップ及び受光チップを実装し、両チップの上面を角錐形状又は円錐形状に透光性の封止樹脂で封止成形し、前記角錐形状又は円錐形状に形成された封止樹脂を半分に分割するように、ベース基板の上面に達するハーフダイシングを行いダイシング溝を形成し、該ダイシング溝で発光デバイスと受光デバイスに区分し、前記ダイシング溝面を含み封止樹脂の全面を光干渉防止保護膜で覆った後、尖った先端部をカットし、前記光干渉防止保護膜を先端のみ除去して光伝送路を形成し、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールに一芯の光ファイバプラグを係合したことを特徴とするものである。
【0014】
また、前記光干渉防止保護膜は、ニッケルメッキ層であることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明における双方向光伝送デバイスについて説明する。図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態である双方向光伝送デバイスに係わり、図1は、一芯双方向光伝送デバイスの要部断面図、図2は、送受信デバイスの斜視図、図3は送受信デバイスの断面図である。図において、従来技術と同一部材は同一符号で示す。
【0016】
図1において、光ファイバプラグ1Aはハウジング部に一芯の、例えばプラスチック材よりなる光ファイバ2が内蔵されている。一方、光伝送モジュール3Aのハウジング4の内部には、後述する角錐形状又は円錐形状を半分にした発光デバイスと受光デバイスを接着剤などで一体化した送受信デバイス15が収納されていて、光ファイバ2の先端面と光素子の前面側とは可能な限り近接して配置される。
【0017】
図1〜図3において、前記外部との電気的接続のための電極端子であるスルーホール電極を有するガラエポ樹脂又はセラミックなどよりなるベース基板16に発光チップとして発光ダイオード(LED)7又はレーザー(LD)と、その素子を制御するためのドライブIC8を実装する。また、前記ベース基板16に受光チップとして受光IC12を実装する。前記ベース基板16に形成された上面電極との導通をワイヤで行っている。
【0018】
前記発光ダイオード(LED)7又はレーザー(LD)とIC8及び受光IC12とワイヤを透光性の封止樹脂9で樹脂形状が角錐形状又は円錐形状になるように封止する。
【0019】
前記角錐形状又は円錐形状に形成された封止樹脂9を半分に分割するようにダイシングして発光デバイス20と受光デバイス21に区分し、前記分割面を含み封止樹脂9の全面を金属メッキ、例えば、ニッケルメッキなどを行い光干渉防止保護膜18を施して覆った後、前記発光デバイス20と受光デバイス21を分割面で組み合わせ、接着剤22などにより一体に接着・固定する。
【0020】
前記角錐形状又は円錐形状に形成された封止樹脂9の尖った先端部をカットすることにより先端部の光干渉防止保護膜18を先端のみ除去して光伝送路19Aと19Bを形成し、送受信デバイス15を構成する。
【0021】
以上述べた構成の送受信デバイス15は、発光デバイス20と受光デバイス21との外壁に金属系の光干渉防止保護膜18を施し、受発光部間の光干渉を防ぐ。また、2つのデバイスを接着剤22で一体化することにより、小型で一芯双方向で光伝送が可能になる。また、ベース基板16に形成されたスルーホール電極17が面実装を可能にしリフロー対応が可能になる。
【0022】
図4は、本発明の第2の実施の形態である双方向光伝送デバイスに係わる送受信デバイスの断面図である。図4に示すように、ガラエポ樹脂又はセラミックなどよりなる一つのベース基板16の側面に、外部との電気的接続のための電極端子である複数個の半円形状をした図示しないスルーホール電極が形成されている。前記ベース基板16の上面側には、後述する発光チップ及び受光チップが実装される。
【0023】
前記のベース基板16の上面には、略中心より一方の側に発光チップとして発光ダイオード(LED)7又はレーザー(LD)と、その素子を制御するためのドライブIC8を実装する。ベース基板16に形成された上面電極との導通をワイヤで行っている。前記ベース基板16の他方の側に受光チップとして受光IC12を実装する。ベース基板16に形成された上面電極との導通をワイヤで行っている。前記両素子の上面を透光性の封止樹脂9で封止する。
【0024】
前記封止樹脂9の形状は、角錐形状又は円錐形状をしおり、前記角錐形状又は円錐形状に成形された封止樹脂9を半分に分割するように、ベース基板16の上面に達するハーフダイシングを行いダイシング溝23を形成する。該ダイシング溝23により発光デバイス20と受光デバイス21に区分する。
【0025】
前記ダイシング溝23の面を含み封止樹脂9の全面を金属メッキ、例えば、ニッケルメッキなどを行い光干渉防止保護膜18で覆った後、尖った先端部をカットして光干渉防止保護膜を先端のみ除去し光伝送路19Aと19Bを形成し、送受信デバイス15Aを構成する。
【0026】
以上述べた構成の送受信デバイス15Aは、発光デバイス20と受光デバイス21との外壁に金属系の光干渉防止保護膜18を施し、受発光部間の光干渉を防ぐ。また、2つのデバイスを一つの基板上に一体化することにより、小型で一芯双方向で光伝送が可能になる。また、基板に形成されたスルーホール電極17が面実装を可能にしリフロー対応が可能になる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、光送信/受信デバイスを一体化すると同時に、光干渉を防ぎ光入出力を効率良く伝送でき、面実装タイプにより、リフロー対応可能にし、小型で安価な一芯双方向光伝送デバイスを提供することが可能できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を係わる一芯双方向光伝送モジュールの要部断面図である。
【図2】図1の送受信デバイスの斜視図である。
【図3】図2の送受信デバイスの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を係わる送受信デバイスの断面図である。
【図5】従来の二芯双方向光伝送モジュールの構造を示す要部断面図である。
【図6】図5に矢印A方向からの説明図である。
【符号の説明】
1A 光ファイバプラグ
2 光ファイバ
3A 光ミニジャックモジュール
4 ハウジング
7 LED(又はLD)
8 IC
9 封止樹脂
12 IC(受光)
15、15A 送受信デバイス
16 ベース基板
17 スルーホール電極
18 光干渉防止保護膜
19A、19B 光伝送路
20 発光デバイス
21 受光デバイス
22 接着剤
23 ダイシング溝
Claims (3)
- 発光チップ及び受光チップを実装し単一のハウジングにより一体化し、外部との電気的接続のための電極端子を備えた光ミニジャック又は光伝送モジュールと、該光ミニジャック又は光伝送モジュールに光ファイバプラグを係合した双方向光伝送デバイスにおいて、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールは、前記外部との電気的接続のための電極端子であるスルーホール電極を有する一つのベース基板に発光チップ及び受光チップを実装し、両チップの上面を角錐形状又は円錐形状に透光性の封止樹脂で封止成形し、前記角錐形状又は円錐形状に形成された封止樹脂を半分に分割するようにダイシングして発光デバイスと受光デバイスに区分し、前記分割面を含み封止樹脂の全面をメッキして光干渉防止保護膜で覆った後、前記発光デバイスと受光デバイスを分割面で接着して一体になるように組み合わせ接着・固定し、尖った先端部をカットし、前記光干渉防止保護膜を先端のみ除去して光伝送路を形成し、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールに一芯の光ファイバプラグを係合したことを特徴とする双方向光伝送デバイス。
- 発光チップ及び受光チップを実装し単一のハウジングにより一体化し、外部との電気的接続のための電極端子を備えた光ミニジャック又は光伝送モジュールと、該光ミニジャック又は光伝送モジュールに光ファイバプラグを係合した双方向光伝送デバイスにおいて、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールは、前記外部との電気的接続のための電極端子であるスルーホール電極を有する一つのベース基板に発光チップ及び受光チップを実装し、両チップの上面を角錐形状又は円錐形状に透光性の封止樹脂で封止成形し、前記角錐形状又は円錐形状に形成された封止樹脂を半分に分割するように、ベース基板の上面に達するハーフダイシングを行いダイシング溝を形成し、該ダイシング溝で発光デバイスと受光デバイスに区分し、前記ダイシング溝面を含み封止樹脂の全面を光干渉防止保護膜で覆った後、尖った先端部をカットし、前記光干渉防止保護膜を先端のみ除去して光伝送路を形成し、前記光ミニジャック又は光伝送モジュールに一芯の光ファイバプラグを係合したことを特徴とする双方向光伝送デバイス。
- 前記光干渉防止保護膜は、ニッケルメッキ層であることを特徴とする請求項1又は2記載の双方向光伝送デバイス。
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