JP5786744B2 - 高純度金インゴットの製造方法 - Google Patents
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Description
図1に本発明に係る鋳造用鋳型1の概念斜視図を示す。本発明の鋳造用鋳型1は、溶湯に接する面の全面(鋳込み面2)に、表面粗さRmaxを0.1〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.7mmの範囲にある凹凸が設けられていることを特徴とする。鋳込み面2の表面粗さをこのような範囲で制御することにより、金インゴットの表面状態を良好に保ちながらも、高温時における離形剤の剥離を防止することができる。表面粗さRmaxが0.1mm未満では、溶湯を鋳型に注ぎ込む前に離型剤が剥離しやすく、1.0mmを超えると、得られる金インゴットの表面が荒れてしまう。なお、鋳型管理の観点から、鋳造用鋳型1の表面粗さは、鋳込み面2の全面にわたって均一なものとすることが好ましいが、離形剤が剥離しやすい部分が生じたような場合には、部分的に表面粗さを適宜調整することも可能である。
本発明で使用する離型剤としては、炭素系離型剤、シリコン系離型剤などの公知のものを使用することができるが、排ガスの有害性の有無やコストの観点から、炭素系離型剤を用いることが好ましく、アセチレンによる油煙(カーボンブラック)が均一な厚みの塗膜を形成できる点から好ましい。
従来、鋳型の予熱温度は、溶湯に接する面の水分を除去することを目的として100〜150℃の範囲に管理されてきた。しかしながら、この温度範囲では、鋳込み時の溶湯温度との差が大きく、鋳込み初期に溶湯が鋳型表面に接触すると、その部分が急冷されるため湯ジワなどの外観不良の原因となる。このため、本発明では、鋳型の予熱温度を300〜400℃、好ましくは300〜330℃の範囲としている。300℃未満では、鋳込み後、冷却時に凝固速度を均一にすることが難しく、外観不良を十分に防止できない。また、400℃を超えると、塗布した離型剤の熱分解、鋳型の熱疲労、エネルギコストの増加を招くばかりでなく、安全性や作業性も低下する。
本発明の鋳造温度は、1200〜1300℃、好ましくは1230〜1280℃の範囲とする。ここで鋳造温度とは、鋳型に鋳込む時の溶湯の温度を意味する。鋳造温度が1200℃未満では、凝固速度を均一に維持することが困難となる。一方、1300℃を超えると、凝固速度を均一にすることはできるが、鋳型の熱疲労による耐久性の低下、溶解必要なエネルギコストの増加という問題が生じる。また、離型剤の分解が促進され、離型剤の剥離による外観不良の発生ばかりでなく、熱分解により生成したガスの巻き込みなどにより内部欠陥の発生も誘発することにもなる。
鋳込み作業後、大気中にて予熱温度(300〜400℃)まで冷却する。このとき、鋳型表面の冷却速度は30〜120℃/分、好ましくは30〜50℃/分、より好ましくは30〜40℃/分とする。冷却速度をこのような範囲に制御することにより、インゴットが部分的に急冷されることを防止することができ、凝固速度を均一なものとすることができる。本発明では、鋳型の予熱温度を300〜400℃、鋳造温度1200〜1300℃の範囲内に制御しているため、鋳型材料として、熱容量や厚さが前述した範囲内にあるものを選択することにより、大気中室温環境に放置するだけで、容易に凝固速度を均一にすることが可能となり、湯ジワなどの外観不良の発生を効果的に防止することができる。
銅製錬工程で産出し、精製して純度を99.99%以上に高めた高純度な金の溶湯と10kgのインゴットを得ることができる鋳鉄製鋳型(表面粗さRmaxで0.7mm、厚さ17mm)を用意した。
2 鋳込み面
Claims (4)
- 金のインゴットを鋳造する際に、溶湯に接する面の全面に表面粗さがRmaxで0.1〜1.0mmの範囲である凹凸が設けられた鋳型を使用し、該鋳型に離型剤を塗布し、該鋳型を300〜400℃の範囲で予熱し、その後、鋳造温度を1200〜1300℃として前記溶湯を該鋳型に鋳込むことを特徴とする、純度99.99%以上の高純度金インゴットの製造方法。
- 前記鋳型の材料として、熱容量が0.48〜0.51J・mol-1・K-1であり、厚さが13〜20mmの耐熱鋳鋼材料を用いたことを特徴とする、請求項1に記載の純度99.99%以上の高純度金インゴットの製造方法。
- 前記離型剤として、炭素系離型剤を使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の純度99.99%以上の高純度金インゴットの製造方法。
- 鋳込み後の鋳型表面の予熱温度までの冷却速度を30〜120℃/分とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の純度99.99%以上の高純度金インゴットの製造方法。
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