JP5786026B2 - 調節装置を有する車両シート - Google Patents

Description

本発明は、例えば座部構造体及び／又は座部構造体に連結された背もたれ構造体の高さ及び／又は傾斜調節用の調節装置を有し、調節装置が座部構造体に固定されている車両シートに関する。

調節装置を有するこのような車両シートは、一般に従来技術において周知であり、例えば特許文献１及び特許文献２に開示されている。しかしながら、周知の調節装置には、それらの座部構造体への固定が通常、比較的高い空間占有率のデザインを有する複雑な固定手段を必要とする、及び／又は、荷重が車両シートと調節装置との間で不十分にしか伝達されない、という不都合がある。

独国特許出願公開第１０２００４０６１０６２号明細書 独国特許出願公開第１０２００７０３８８３３号明細書

したがって、本発明の目的は、特に高さ及び／又は傾斜調節用の調節装置を有する車両シートであって、車両シートと調節装置との間の特に有利な荷重伝達を可能にし、しかも構造空間に関して特にコンパクトに、且つ結果として比較的少ない材料費用で製造することができる車両シートを利用可能にすることである。

この目的は、調節装置を有し、調節装置によって座部構造体及び／又は背もたれが車両の本体に対して調節可能であり、調節装置が調節ギヤの解除可能なロック機構の一部であるブレーキリングを有し、調節装置がハウジングを有し、ハウジングへの形状及び／又は摩擦ロック結合のための手段がブレーキリングに設けられている車両シートによって達成される。

本発明は、例えば、車両シートを全体としてその高さに関して、及び／又は座面をその傾きに関して、車両の本体に対して調節するために、調節装置を有する車両シートに関する。調節機構は、好ましくは、いわゆるポンプ機構である。また、本発明によれば、車両シートは、調節ギヤの解除可能なロック機構の一部であるブレーキリングを有する。ロック機構は、例えば、事故の際に、力及び／又はトルクが調節ギヤから調節機構へ伝達されるのを防ぐことできる。また、本発明に係る車両シートの調節装置はハウジングを有し、ハウジングは詳細にはブレーキリング及び／又は調節ギヤを少なくとも部分的に取り囲む。このハウジングは一般に、一方の側に開口部を有し、開口部を通して調節ギヤが駆動部、例えばハンドル、詳細には円形ハンドル又はレバーに結合される。ハウジングは、好ましくはプラスチックから形成される。本発明によれば、ブレーキリングに少なくとも１つの手段、好ましくは複数の手段であって、特に互いに等距離に配置され且つハウジングへの形状及び／又は摩擦ロック結合を目的とする手段を設けることが提供される。手段は、ハウジングに配置された相補的手段と形状及び／又は摩擦ロック結合として相互作用し、且つ少なくとも部分的にハウジングとブレーキリングとの間の、好ましくは軸方向及び／又は径方向の相対運動を防止する。手段は、好ましくはブレーキリングの周縁部に位置する。本発明に係る実施形態は、調節装置の特にコンパクトな構造と、その結果として少ない材料費用及び／又はより良い力の流れとを提供する。ブレーキリングは、座部構造体及び／又は背もたれに直接取り付けることができ、それにより荷重伝達を改善する。ハウジングは、好ましくはブレーキリングに工具なしで、例えばスナップ結合、詳細には解除可能なスナップ結合によって結合される。

本発明の更なる又は好ましい主題によれば、ブレーキリングには、ブレーキリングを座部構造体又は背もたれに解除可能に固定する手段が設けられる。

本発明のこの主題に関してなされた記載は、本発明の他方の主題にも同様に当てはまり、その逆も同様である。

手段は、好ましくは、相手ねじ、詳細にはナットと相互作用するねじである。これは好ましくは雄ねじである。ブレーキリングのねじを、好ましくは、座部構造体及び／又は背もたれの開口部に差し込み、次いでねじにナットをねじ付ける。

以下の記載は、本発明の両方の主題に同様に当てはまる。

ブレーキリングに設けられ且つハウジング上の相補的手段と相互作用する手段は、好ましくは、くぼみ及び／又は突起である。手段は、好ましくは固定フランジとして形成され、固定フランジは、好ましくは切り欠きを有し、固定要素、詳細にはねじ又はリベットが切り欠きを通って係合することができる。手段が固定溝及び／又は固定くさびであることも考えられる。

好適な実施形態において、ブレーキリングは位置合わせ手段を有し、位置合わせ手段は、座部構造体又は背もたれと相互作用し、且つそれに対してブレーキリングをその位置に固定する。この実施形態は特に、ブレーキリングが座部構造体及び／又は背もたれに結合される前に決められた位置にある、という利点がある。

ブレーキリングは、好ましくは、座部構造体又は背もたれに一体的に接着されるように、詳細には溶接によって、特に極めて好ましくはレーザー溶接によって結合される。

本発明の更なる又は好ましい主題によれば、ブレーキリングは、座部構造体と、詳細にはシート側部及び／又は背もたれと、少なくとも部分的に一体に設けられる。例えば、ブレーキリングは、座部の側部又は背もたれの側部に一体的に形成される。

調節装置は、好ましくは、シート構造部分高さ調節器及び／又はシート構造部分傾斜調節器である。

発明の例示的な実施形態を図面に示し、後に続く記載でより詳細に説明する。これらの説明は、単に例として与えられるもので、発明の概念を限定するものではない。記載は本発明のすべての主題に同様に当てはまる。

図１及び図２は、本発明に係る調節装置の第１実施形態の概略図を２つの異なるビューで示す。 図１及び図２は、本発明に係る調節装置の第１実施形態の概略図を２つの異なるビューで示す。 図３及び図４は、本発明に係る調節装置の第２実施形態の概略図を２つの異なるビューで示す。 図３及び図４は、本発明に係る調節装置の第２実施形態の概略図を２つの異なるビューで示す。 図５、図６及び図７は、本発明に係る調節装置の第３実施形態の概略図を３つの異なるビューで示す。 図５、図６及び図７は、本発明に係る調節装置の第３実施形態の概略図を３つの異なるビューで示す。 図５、図６及び図７は、本発明に係る調節装置の第３実施形態の概略図を３つの異なるビューで示す。 図８は、本発明に係る車両シートの概略側面図を示す。

図８に本発明に係る車両シート１００が示されており、車両シートは、座部構造体２０と、背もたれ３０と、シート構造体４０、詳細には車体４０とを有する。座部構造体２０はシート側部１を備え、シート側部には、本発明に係る調節装置２が、座部構造体２０及び／又は背もたれ３０の高さ及び／又は傾斜を調節する目的でここに固定されている。

図１は、本発明に係る調節装置２の第１実施形態の３次元ビューを概略的に示しており、調節装置は、車両シート１００のシート側部１に外側から固定されている。調節装置２は、シート側部１の表面に平行に延びるブレーキリング３と、ブレーキリング３上に配置され且つここで座部構造体２０及び／又は背もたれ３０の高さ及び／又は傾斜調節を目的とする調節ギヤ５を取り囲むハウジング４とを備える。ブレーキリング３は、詳細には一体に、固定フランジ６を備え、固定フランジは、切り欠き７を有し、切り欠きを通って固定要素（図示せず）、例えばねじ又はリベットが係合する。フランジ６は、ハウジング４と形状及び／又は摩擦ロック結合として相互作用し、それにより、ブレーキリングとハウジングとの間の、詳細には軸方向及び／又は径方向の相対運動を少なくとも実質的に防止する。ハウジング４は、好ましくは同様に対応する切り欠きを有し、対応する切り欠きを通って、ブレーキリング３とハウジング４との間で軸方向及び径方向の両方において摩擦ロック結合が行われるように、固定手段が同様に係合する。このようにして、ブレーキリング３を、ハウジング４に対して回転及び軸方向運動しないように有利な方法で固定することができる。ブレーキリングはまた、座部構造体、特に座部のフレームの側部１と一体に設けることができ、又は、ブレーキリングは、座部構造体に一体的に接着されるように結合することができることを、当業者は理解するであろう。図２と特に図６に見られるように、ハウジング４はまた円周面８を有し、円周面はブレーキリングの少なくともある部分を形状ロック式に取り囲み、それによりブレーキリングを、例えば回転しないように更に固定する。好ましくは更に、シート側部１も切り欠きを有し、切り欠きが固定要素によるブレーキリング３のシート側部１への取り付けを可能にするようになっている。それによって、特に単純な方法で、調節装置２全体が、シート側部１に対して回転を固定され及び／又は軸方向に固定されることができる。

図３は、本発明に係る調節装置２の第２実施形態の３次元ビューを概略的に示しており、ブレーキリング３とハウジング４は、軸方向に円形の断面積を有し、ブレーキリング３は、ハウジング４の環状円周面８によって少なくとも部分的に取り囲まれる。図４に見られるように、ハウジング４は、複数の固定くさび９を有し、固定くさびはブレーキリング３の下面に形成された溝１０に形状ロック式に係合し、それによりハウジング４とブレーキリング３との間の回転を防止する。調節装置２の第２実施形態については、ブレーキリング３が、シート側部１に溶接接合によって、例えばレーザー溶接によって取り付けられ、その結果、調節装置２とシート側部１との間に特に強固且つコンパクトな接合が作られるようになっている。ブレーキリング３をシート側部１に対して位置合わせするために、好ましくは、ブレーキリング３が方向付け手段（図示せず）を有し、方向付け手段が、例えばシート側部１の位置決め穴に係合するペグとして設計されるようになっている。ハウジングは、好ましくはクイックアクションファスナーによってブレーキリングに連結される。

図５は、シート側部１の内向き側面にある調節装置２の第３実施形態の３次元ビューを概略的に示しており、ブレーキリング３のねじ付きフランジ１１は、シート側部１の開口部（図では見えない）を通って係合する。ねじ付きフランジ１１は雄ねじを有し、シート側部１とブレーキリング３との間に摩擦ロック結合を作るために、雄ねじにナット１２をねじ込むことができる。図７に示される調節装置２の側面図では、クランプギャップ１３をはっきりと見ることができ、クランプギャップ１３はナット１２とブレーキリング３との間に形成され、クランプギャップ１３内にシート側部１が固定される。ブレーキリング３は、このようにして、シート側部１に対する回転及び軸方向運動をしないように単純な方法で固定される。図６に見られるように、ブレーキリング３は、好ましくは図１及び２に示された実施形態に従う固定フランジ６を更に有し、その結果、ハウジング４のブレーキリング３への安定した取り付けも可能となる。結果として、調節装置２全体が、有利なことに、シート側部１に対して回転を固定され且つ軸方向に固定される。

ブレーキリング３をハウジング４に対して及び／又はシート側部１に対して回転に関して固定し且つ軸方向に固定するための３つの実施形態で記載された固定手段を、いかなる形でも有利に互いに組み合わせることができることは、当業者に明らかである。

１ シート側部
２ 調節装置
３ ブレーキリング
４ ハウジング
５ 調節ギヤ
６ 固定フランジ
７ 切り欠き
８ 円周面
９ 固定くさび
１０ 溝
１１ ねじ付きフランジ
１２ 相手ねじ、ナット
１３ クランプギャップ
２０ 座部構造体
３０ 背もたれ
４０ シート構造体、車体
１００ 車両シート

Claims (4)

1. 調節装置（２）を有し、前記調節装置（２）によって座部構造体（２０）及び／又は背もたれ（３０）が車両の本体（４０）に対して調節可能である車両シート（１００）であって、
   前記調節装置（２）は、
   前記座部構造体（２０）及び／又は前記背もたれ（３０）の高さ及び／又は傾斜調節を目的とする調節ギヤ（５）の解除可能なロック機構の一部であるブレーキリング（３）であって、前記ブレーキリング（３）に互いに等距離に配置された複数の手段（６，１０）が設けられたブレーキリング（３）と、
   前記ブレーキリング（３）及び／又は前記調節ギヤ（５）を取り囲むハウジング（４）であって、前記ハウジング（４）は一方の側に開口部を有し、前記開口部を通して前記調節ギヤ（５）が駆動部及び／又はハンドル及び／又は円形ハンドル及び／又はレバーに結合可能であるハウジング（４）と
   を備え、
   前記複数の手段（６，１０）は、前記ハウジング（４）と前記ブレーキリング（３）との間の軸方向及び／又は径方向の相対運動を少なくとも部分的に防止するために、前記ハウジング（４）に配置された相補的手段と形状及び／又は摩擦ロック結合として相互作用することにより、前記ハウジング（４）に形状及び／又は摩擦ロック結合するように構成され、
   前記ブレーキリング（３）にねじ付きフランジ（１１）が設けられ、前記ねじ付きフランジ（１１）によって前記ブレーキリング（３）を前記座部構造体（２０）又は前記背もたれ（３０）に解除可能に固定することができる、車両シート。
2. 前記手段（６，１０）はくぼみ及び／又は突起である、請求項１に記載の車両シート。
3. 前記ブレーキリング（３）は前記座部構造体（２０）又は前記背もたれ（３０）と相互作用し且つ前記ブレーキリングをその位置に固定する位置合わせ手段を有する、請求項１又は２に記載の車両シート。
4. 前記座部構造体（２０）はシート側部（１）を備え、前記調節装置（２）は、前記座部構造体（２０）及び／又は前記背もたれ（３０）の高さ及び／又は傾斜を調節する目的で前記シート側部（１）に固定される、請求項１〜３のいずれか１項に記載の車両シート。
   

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