JP5778525B2 - 作業車の変速操作構造 - Google Patents
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Description
また、主変速レバー(変速操作具に相当)46を案内する案内溝72を備えたガイド板71の上面には、前進変速用操作経路Fに重複するように第1カム部材(アクセル調節アームに相当)91が支点g周りに揺動可能に枢支連結されるとともに、後進変速用操作経路Rに重複するように第2カム部材(アクセル調整アームに相当)92が支点h周りに揺動可能に枢支連結されている。そして、各カム部材91,92の後端部にはワイヤ93,94がそれぞれ連結され、このワイヤ93,94が、前記エンジン12に装備された機械式のアクセル95の調速レバー96にそれぞれ連結されている。また、各カム部材91,92の後端部にはワイヤ93,94を弛める方向に各カム部材91,92を揺動付勢するバネ97,98が連結されており、各カム部材の付勢揺動限界がガイド板71上のストッパ99,100によって接当規制されている。
前記アクセル95は、両ワイヤ93,94が弛むと「低速」側に揺動し、いずれかのワイヤ93,94が引かれると「高速」側に揺動するようになっており、主変速レバー46が中立エリアNにある時には、両ワイヤ93,94が共に弛められてアクセル95はアイドリング回転速度(例えば1700rpm)に維持されるように構成されている。
具体的には、図14に示すように、中立エリアNに分岐させてエンジン停止用操作位置ESを設け、この位置に主変速レバー53を移動操作することでエンジンが停止するように構成することが考えられる。
しかしながら、この場合、エンジン停止用操作位置ESに主変速レバー46を移動操作すると、図14に示すように、第1カム部材91を「高速」側に揺動させてしまい一時的にエンジン回転が上がってしまう不具合がある。
前記変速操作具は、変速レバーで構成され、
前記連動手段は、
枢支軸芯周りに揺動することで前記アクセルを連動させるアクセル調整アームを、前記変速レバーと前記アクセルとの間に介在させ、前記変速レバーの操作によってレバー外周部が前記アクセル調整アームの縁部に当接して、前記枢支軸芯周りに前記アクセル調整アームを揺動させるように構成されており、
前記中立エリアには、エンジンのアイドリング状態を保持するアイドリング中立位置が備えられ、
前記変速レバーをこの位置に操作することで前記エンジンが停止されるエンジン停止用操作位置が、前記アイドリング中立位置に隣接する状態に備えられ、
前記アイドリング中立位置から前記エンジン停止用操作位置に前記変速レバーを位置させることによるエンジン停止時には、前記アクセル調整アームが操作されずにアイドリング状態に対応する位置に残された状態で、前記エンジンが停止するようにする非連動手段が設けられており、
前記非連動手段は、
前記変速レバーを前記エンジン停止用操作位置に位置させても、前記変速レバーが前記アクセル調整アームに当接しないように、前記アクセル調整アームの縁部に形成された切欠きで構成されているところにある。
また、非連動手段を設けてあることで、エンジン停止用操作位置に変速レバーを位置させるエンジン停止操作を行う時に、変速レバーの操作がアクセルに連動しないようになり、従来のようにエンジンの回転が停止前に一時的に上がってしまうことがなくなる。従って、エンジンの回転が一時的に上がるようなことなくエンジンを停止させることができ、従来の不具合を解決することができる。
変速レバーが、アクセル調整アームの切欠き内に位置することで連動手段の連動を断てるようになり、アクセル調整アームの構造を簡単なものにできながら、非連動手段の効果を叶えることができるようになる。
従って、部品の構成の簡単化、部品加工の簡単化によってコストダウンを叶えることができる。
従って、寒冷時や寒冷地などでより確実にエンジン始動を行うのに有効であったり、例えば、ぬかるみ等から作業車を脱出させる際のように、エンジンを高回転にしておいて一気に始動させる場合に効果的である。具体的には、変速レバーをアクセルアップ中立位置に位置させてエンジン回転を上げた状態から、例えば、後進変速用操作径路に移動させることで、高回転を保った状態で作業車を後進させることができ、ぬかるみ等から一気に脱出させることができる。
前記エンジン停止用操作位置は、前記中立エリアの一方の端部に設けてあるところにある。
また、中立エリアを左右方向に横長に設けてあるから、前進変速用操作経路と後進変速用操作経路との間で、一気に前後進が切り替わるのを防止でき、作業車への負担の少ない稼動を実現することができる。
そして、エンジン停止用操作位置を中立エリアの前進変速用操作経路側の端部に設けてあるから、変速レバーを中立エリアの操作延長線上に操作することでエンジン停止用操作位置に移動することができ、簡単に間違いなくエンジン停止を行うことが出来る。
図1、図2に、作業車の一例として乗用型の田植機が示されている。この乗用型田植機は、操向自在な左右一対の前輪1と操向不能な左右一対の後輪2とを備えた乗用型の走行機体3の後部に、苗植付け装置4が油圧シリンダ5によって駆動される平行四連式のリンク機構6を介して昇降自在に連結されるとともに、機体後部に施肥装置7が装備された構造となっている。
ハンドルポスト50を立設支持する支持枠54に、横向き支点c周りに回動可能に中継回動部材55が支持されており、この中継回動部材55とデテント板53とが連係ロッド56を介して連係され、さらに、この中継回動部材55と、主変速装置41の変速操作軸57に連結された変速アーム58とが操作ロッド59を介して連係されている。
また、デテント板53の外周に並列形成した複数個の凹部62に(図3参照)、片持ちバネレバー63の遊端に支持したデテントローラ64を弾性係入させることで、主変速レバー46を前進の複数段、中立エリアN、および、後進の複数段の各変速位置に保持することができるようになっている。
スイッチ73は制御装置20を介してエンジン停止回路に接続されており(図3参照)、主変速レバー46の案内ロッド46aがエンジン停止位置ESに設定時間(例えば数秒)連続して操作されると、エンジン停止回路が起動されてエンジン12が停止されるようにプログラムされている。
また、前記引張バネ部材33の一端部を係止する第1支持ピン31bが切替アーム部材31に取り付けられている。因みに、引張バネ部材33の他端部は、ガイド板60に設けられた第2支持ピン60aに係止されている。また、縦軸dとストップ突起32と第2支持ピン60aとは、一直線上に配置されている。
案内ロッド46aがエンジン停止位置ES側に押し込まれるに伴って、切欠き部31aに押込力が伝わり、切替アーム部材31は、図7(b)に示すように、縦軸dを中心に揺動終点まで揺動する。その際、引張バネ部材33の軸芯Xが、第2支持ピン60aと縦軸dとを結ぶ線を越える(デッドポイントPを越える)までは、引張バネ部材33の引張付勢力が案内ロッド46aを戻す方向(中立エリアN側に戻す方向)に作用し、主変速レバー46の操作に第1抵抗力を付与する。
尚、第1抵抗力は、ねじりバネ65によって主変速レバー46を中立エリアNにおける前進側中立位置Nfに向けて付勢している付勢力よりは大きな値となるように設定されている。
また、図7(b)に示すように、切替アーム部材31が揺動終点側に位置している状態では、切替アーム部材31が、スイッチ73の検知部73aから離れるからONの状態となっている。即ち、主変速レバー46が、エンジン停止位置ESに位置することで、ONの状態となり、制御装置20を介してエンジン停止回路が起動され、エンジン12が停止される。
この後、主変速レバー46を、エンジン停止位置ESから前進側中立位置Nfに戻した後、ブレーキペダル(不図示)を踏み操作するとエンジン12が始動する。
即ち、主変速レバー46を前方に操作すると、案内ロッド46aはガイド板60の案内溝61内を後方に移動し、同様に、後方に操作すると案内ロッド46aは前方に、右側に操作すると案内ロッド46aは左側に、左側に操作すると案内ロッド46aは右側に移動する。
前記ガイド板60の上面には、前進変速用操作経路Fに重複するように第1カム部材 (アクセル調節アームに相当)91が支点g周りに揺動可能に枢支連結されるとともに、後進変速用操作経路Rに重複するように第2カム部材(アクセル調整アームに相当)92が支点h周りに揺動可能に枢支連結されている。
また、図9(b)に示すように、主変速レバー46を中立エリアNから後進変速用操作経路Rに進入させるに伴って、主変速レバー46の外周面が第2カム部材92を押し退け、第2カム部材92を支点h周りに揺動させる。その揺動によって、ワイヤ94が引かれてアクセル95を「高速」側に操作することができる。
前記両カム部材91,92、両ワイヤ93,94によって前記連動手段110が構成されている。
前記切欠き91Aによって非連動手段111が構成されている。
尚、第1カム部材91は、図6に示すように、揺動先端側部分を厚み方向に変位させるようにクランク形状に屈曲形成してあり、第2カム部材92と干渉しないように構成してある。
その結果、アクセル95が引かれてアイドリング状態よりエンジン回転が少し高くなり、後進するときのパワーを高めることができる。これは、例えば、寒冷時や寒冷地などでより確実にエンジン始動を行うのに有効であったり、ぬかるみ脱出等に有効である。
当該実施形態においては、主変速レバー46の後進側中立位置Nrを、アクセルアップ中立位置Uという。
当該実施形態の第2カム部材92は、EFI仕様のエンジン用に設計されたものを例に挙げている。
従って、主変速レバー46が後進変速用操作経路Rに移動操作されるに伴って、第2カム部材92が支点h周りに揺動し、スイッチ74が上述のONとなり(図9(b)参照)、苗植付け装置4を上昇方向に移動させるように制御装置20にデータを送信する。
一方、主変速レバー46が前進変速用操作経路Fに移動操作されるに伴って、第2カム部材92が支点h周りに揺動復帰し、スイッチ74が上述のOFFとなる(図9(a)参照)。
また、非連動手段111を設けてあることで、エンジン12を低い回転のまま停止させることができ、しかも、各カム部材91,92の構造は簡単なものであるから、部品加工の簡単化によってコストダウンを叶えることができる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、中立エリアNの前進側中立位置Nfと後進側中立位置Nrとの間に分岐させて設けてあってもよい。
また、前進側中立位置Nfから前進変速用操作経路Fと反対側に隣接させて設けたり、後進側中立位置Nrから後進変速用操作経路Rと反対側に隣接させて設けるものであってもよい。
また、前進変速用操作経路Fの途中から、左側又は右側に分岐させて設けてあってもよい。
12 エンジン
41 主変速装置(変速装置に相当)
46 主変速レバー(変速操作具に相当)
91 第1カム部材(アクセル調節アームに相当)
91A 切欠き
92 第2カム部材(アクセル調整アームに相当)
95 アクセル
110 連動手段
111 非連動手段
K1 段違い操作経路(変速用操作経路に相当)
N 中立エリア
ES エンジン停止位置(エンジン停止用操作位置に相当)
F 前進変速用操作経路
D アイドリング中立位置
R 後進変速用操作経路
U アクセルアップ中立位置
Claims (3)
- 走行機体の走行速度を変速する変速装置の変速操作具が、中立エリアを介して前進変速用操作径路と後進変速用操作径路とに亘った一連の変速用操作経路を移動操作可能に設けられ、前記変速用操作経路に沿って前記変速操作具を操作するに伴ってアクセルを連動させる連動手段が設けられている作業車の変速操作構造であって、
前記変速操作具は、変速レバーで構成され、
前記連動手段は、
枢支軸芯周りに揺動することで前記アクセルを連動させるアクセル調整アームを、前記変速レバーと前記アクセルとの間に介在させ、前記変速レバーの操作によってレバー外周部が前記アクセル調整アームの縁部に当接して、前記枢支軸芯周りに前記アクセル調整アームを揺動させるように構成されており、
前記中立エリアには、エンジンのアイドリング状態を保持するアイドリング中立位置が備えられ、
前記変速レバーをこの位置に操作することで前記エンジンが停止されるエンジン停止用操作位置が、前記アイドリング中立位置に隣接する状態に備えられ、
前記アイドリング中立位置から前記エンジン停止用操作位置に前記変速レバーを位置させることによるエンジン停止時には、前記アクセル調整アームが操作されずにアイドリング状態に対応する位置に残された状態で、前記エンジンが停止するようにする非連動手段が設けられており、
前記非連動手段は、
前記変速レバーを前記エンジン停止用操作位置に位置させても、前記変速レバーが前記アクセル調整アームに当接しないように、前記アクセル調整アームの縁部に形成された切欠きで構成されている作業車の変速操作構造。 - 前記変速レバーの前記中立エリアに、前記アイドリング中立位置よりもエンジン回転が高くなるアクセルアップ中立位置を備えている請求項1に記載の作業車の変速操作構造。
- 前記変速用操作経路は、左右方向に横長の前記中立エリアと、
前記中立エリアの一方の端部から前方に延びる前記前進変速用操作経路と、
前記中立エリアの他方の端部から後方に延びる前記後進変速用操作経路とを備えて構成してあり、
前記エンジン停止用操作位置は、前記中立エリアの一方の端部に設けてある請求項1又は2に記載の作業車の変速操作構造。
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