次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の1実施形態に係る作業車両としてのトラクタ1の右側面図である。
トラクタ1は、左右一対の前輪2と、左右一対の後輪3と、を備えた四輪駆動式の車体4を有する。車体4の前部にはボンネット5が配置されており、当該ボンネット5の内部にはエンジン6が配置されている。また、ボンネット5の後方には、オペレータ(運転者)が搭乗するための運転座席7が配置されている。運転座席7の近傍には、ステアリングハンドル8の他、各種レバー類及び各種ペダル類などの操作具が配置されている。また、運転座席7の前下方には、オペレータが足を置くためのフロア9が形成されている。
フロア9の下方には、ミッションケース10が配置されている。エンジン6が出力する回転駆動力は、このミッションケース10に入力される。ミッションケース10内には、図略のHST(静油圧式無段変速装置)が配置されており、このHSTによってエンジン6の出力が変速されて、前輪2及び後輪3に伝達されるように構成されている。
上記HSTの構成は公知であるが、簡単に説明すると以下のとおりである。HSTは、斜板型可変容量ピストンポンプ(以下、単に油圧ポンプと呼ぶ)と、斜板型固定容量ピストンモータ(以下、単に油圧モータと呼ぶ)と、を油圧回路によって接続した構成である。エンジンが出力した回転駆動力は、油圧ポンプの入力軸(HSTの入力軸)に入力される。当該油圧ポンプは、エンジンからの回転駆動力によってオイルを吐出する。油圧モータは、油圧ポンプから吐出されるオイルによって、出力軸を回転させる。この構成で、油圧モータの出力軸(HSTの出力軸)から回転駆動力を取り出すことができる。そして、油圧ポンプの斜板の傾斜角を変更することにより、当該油圧ポンプからの吐出量を無段階で変更することができるので、油圧モータの出力軸(HSTの出力軸)の回転速度を無段階で変更することができる。また、油圧ポンプは、前記斜板の傾斜角を調整することにより、吐出ポートと吸入ポートを入れ換えることができるので、油圧モータの出力軸(HSTの出力軸)の回転方向を逆転させることができる。即ち、HSTの斜板の傾斜角を適宜設定することにより、当該HSTの出力軸を、所望の方向で、かつ所望の回転速度で回転させることができる。なお、本明細書では、油圧ポンプの斜板のことを、「HSTの斜板」、又は単に「斜板」と呼ぶ。
次に、図2を参照して、運転座席7近傍に配置された各種操作具の様子について説明する。運転座席7の前方には、ステアリングハンドル8及びステアリングコラム11が配置されている。このステアリングコラム11には、車体4の前進/後進を切り換え操作するための前後進切換レバー12、エンジン6の回転数を設定するためのアクセルレバー13等が設けられている。また、オペレータの足元(フロア9上)には、車速を設定するための走行ペダル14と、ブレーキ操作を行うための左右ブレーキペダル15が配置されている。
前後進切換レバー(前後進設定手段)12は、車体4を前進させることを指定する「前進」位置、車体4を走行させないことを指定する「ニュートラル」位置、車体4を後進させることを指定する「後進」位置の3つのポジションを選択できるように構成されている。また、走行ペダル(走行速度設定手段)14は、オペレータによる踏み込み操作量が大きいほど、車体4の走行速度(車速)が大きくなるように構成されている。また、当該走行ペダル14は、オペレータが踏み込み操作を解除した状態(中立状態)では、車速がゼロ(停止状態)となるように構成されている。
以上のように、本実施形態では、前後進切換レバー12によって車体4の前進/後進を、走行ペダル14によって車速を、それぞれ設定するように構成されている。これにより、いわゆるAT車感覚で、車体を前進又は後進させることができる。
なお、一般的な乗用車は、アクセルペダルによってエンジンの回転数を調節することにより車速を変更するように構成されている。一方、本実施形態のトラクタ1のような農用作業車両においては、作業性能の面から、走行ペダル14による車速の変更は、エンジン6の回転数を変更するのではなく、もっぱらHSTの斜板の傾斜角を変更することにより行われるように構成されている。なお、エンジン6の回転数は、前記アクセルレバー13によって設定され、通常の作業中は一定に保たれる。ただし、路上走行時などにおいては、乗用自動車のアクセルペダルのように、走行ペダル14の操作量とエンジン6の回転数とを連動させた方が好ましい場合もある。このような場合に備えて、走行ペダル14の操作によって、HSTの斜板の傾斜角と、エンジン6の回転数と、の両方を変更するように構成しても良い。このように構成した場合、更に、走行ペダル14の操作量とエンジン6の回転数との連動/非連動を切り替えることが可能に構成されていても良い。
また、前後進切換レバー12による車体の前進/後進の切り換えは、HSTの斜板を操作するとにより行われる。即ち、前述のように、HSTは、前記斜板の傾斜角を適宜設定することにより、出力軸の回転方向を変更することができる。従って、前後進切換レバー12によってHSTの斜板の傾斜角を適宜設定するように構成すれば、車体4の前進/後進を切り換えることができる。
ところで、上記のように構成した場合、前後進切換レバー12及び走行ペダル14という独立した2つの操作具によって、HSTの斜板を操作することになる。そこで、本実施形態のトラクタ1は、前後進切換レバー12及び走行ペダル14による操作を合成したうえで、HSTの斜板に対して操作力を伝達するHST調節機構17を備えている。
次に、本実施形態のトラクタ1が備えるHST調節機構17について、図3及び図4を参照して説明する。なお、図3においては、HST調節機構17をより良く図示するため、当該HST調節機構17の説明に不要な部分は点線で示している。
図3に示すように、HST調節機構17は、フロア9の下部に取り付けられ、ミッションケース10の側方に位置している。また、図3に示すように、このHST調節機構17には、縦リンク部材22を介して走行ペダル14が,リバーサリンク23を介して前後進切換レバー12が、それぞれ接続されている。オペレータが走行ペダル14及び前後進切換レバー12に対して行った操作は、前記縦リンク部材22又はリバーサリンク23を介してHST調節機構17に伝達される。
図4に示すように、HST調節機構17は、ペダルリンク24と、HST操作リンク25と、回転プレート(回転板)26と、ペダルリンク支持部27と、回転プレート支持部28と、中立復帰機構29と、ペダル緩衝バネ機構30と、ダンパ31と、コロ(当接部材)32と、を備えている。また、図4には図示されていないが、HST調節機構17は、ディテント機構33を備えている。
まず、前後進切換レバー12及び走行ペダル14の操作を1つに合成するための構成について説明する。簡単に説明すると、前後進切換レバー12及び走行ペダル14は、リンク等を介して、それぞれコロ32に接続されている。そして、前後進切換レバー12及び走行ペダル14をオペレータが操作することにより、前記コロ32が移動するように構成されている。
具体的には以下のとおりである。図4に示すように、走行ペダル14には、縦リンク部材22の一端が接続されている。縦リンク部材22の他端は、ペダルリンク24に接続されている。図5の分解斜視図に示すように、ペダルリンク24は、車体4の左右方向に沿って配置される回転軸部24aと、前記回転軸部24aの一端側に固定されるとともに車体4の略前後方向に沿って配置される第1リンク部24bと、前記回転軸部24aの他端側に固定されるとともに車体4の略前後方向に沿って配置される第2リンク部24cと、を備えている。図4に示すように、前記回転軸部24aは、フロア9の下部に固定されたペダルリンク支持部27に対して、回転回転可能に支持される。これにより、ペダルリンク24は、回転軸部24aの軸線を中心として回動することができる。
前記縦リンク部材22は、図4に示すように、第1リンク部24bの端部に接続されている。一方、図4及び図5に示すように、第2リンク部24cの端部には、ペダル緩衝バネ機構30が接続されている。このペダル緩衝バネ機構30の正面図を図6に、組立斜視図を図7に示す。図6に示すように、ペダル緩衝バネ機構30は、ペダル連動部36と、ケース部37と、前記ペダル連動部36とケース部37との間に配置された圧縮コイルバネ38と、から構成されている。
図6及び図7に示すように、ペダル連動部36は、シャフト部36aと、シャフト部36aの端部に固定された接続部36bと、ストッパ部材36cと、ロックナット36dと、バネ受け板36eと、から構成されている。図5に示すように、前記接続部36bは、前記第2リンク部24cの端部に接続されている。また、バネ受け板36eは、シャフト部36aに固定されており、前記圧縮コイルバネ38の端部に接触するようになっている。
一方、ケース部37には、図6等に示すように、コロ取付軸37aが形成されている。このコロ取付軸37aには、前記コロ32が取り付けられる。また、ケース部37は、図6等に示すように、圧縮コイルバネ38の少なくとも一部を覆うことができるように形成されている。またケース部37には、前記圧縮コイルバネ38の端部のうち、前記バネ受け板36eが接触している側とは反対側の端部に接触するバネ受け壁37bが形成されている。
そして、図6等に示すように、バネ受け板36eと、バネ受け壁37bと、の間に、圧縮コイルバネ38を配置した構成となっている。
また、ペダル連動部36とケース部37とは、シャフト部36aの長手方向に沿って相対移動可能に構成されている。より具体的には、ペダル連動部36とケース部37とは、図6(a)の状態と図6(b)の状態との間で相対移動することができる。このようにペダル連動部36とケース部37とを相対移動可能に構成することで、走行ペダル14を踏み込みながら前後進切換レバー12を操作することができるように構成されている(詳しくは後述)。
また図6に示すように、図6(b)の状態は、図6(a)の状態と比べて、バネ受け板36eとバネ受け壁37bとの距離が接近した状態(即ち、圧縮コイルバネ38が圧縮された状態)となっている。ここで、圧縮コイルバネ38は、非圧縮状態となる方向に伸びようとするので、当該圧縮コイルバネ38によりバネ受け板36eとバネ受け壁37bとが離間する方向に付勢される結果、ペダル緩衝バネ機構30は図6(a)の状態(圧縮コイルバネ38が圧縮されない状態)で維持されるようになっている。
この圧縮コイルバネ38のバネ定数は適度に大きな値に設定されており、当該圧縮コイルバネ38の付勢力に抗してペダル連動部36とケース部37とを相対移動させるためには、適度に大きな力が必要となるようになっている。本実施形態では、走行ペダル14を踏み込みながら前後進切換レバー12を操作したとき(走行ペダル14と前後進切換レバー12の両方を同時に操作したとき)にペダル緩衝バネ機構30に大きな力が掛かるので、このときに、ペダル連動部36とケース部37とが圧縮コイルバネ38の付勢力に逆らって相対移動するようになっている(この点については後述する)。なお以下では説明を簡単にするため、特に断わらない限り、走行ペダル14又は前後進切換レバー12の何れか一方のみを操作するものとし、両者を同時に操作しないものとする。この場合、ペダル緩衝バネ機構30に大きな力がかかることが無いので、当該ペダル緩衝バネ機構30は図6(a)の状態で維持され、ペダル連動部36とケース部37とは相対移動しないものとみなすことができる。なお、走行ペダル14を踏み込みながら前後進切換レバー12を操作したときの様子については、後述する。
なお、シャフト部36aには、ストッパ部材36c及びロックナット36dが固定されている。このストッパ部材36c及びロックナット36dは、それぞれケース部37と当接することでペダル連動部36とケース部37とが相対移動できる範囲を制限するストッパとして機能している。
以上の構成で、オペレータが走行ペダル14を踏み込み操作すると、前記縦リンク部材22は、図4の図面下向きに移動する。すると、縦リンク部材22が第1リンク部24bの端部を下向きに移動させる結果、回転軸部24aを中心にして、ペダルリンク24全体が図4の時計回りに回転する。これにより、第2リンク部24cの端部が図4の上向きに移動する結果、ペダル連動部36が上向きに移動する。前述のように、ペダル連動部36とケース部37とは相対移動しないとみなすことができるので、ケース部37も上向きに移動する。これにより、コロ取付軸37aに取り付けられたコロ32が上向きに移動する。以上をまとめると、走行ペダル14の踏み込み操作に応じて、コロ32が上向き(第1方向)に移動するように構成されている。
一方、前後進切換レバー12は、リバーサリンク23に接続されている。リバーサリンク23は、インナーワイヤとアウターワイヤによって構成されており、前後進切換レバー12の操作に応じて、アウターワイヤに対してインナーワイヤが相対移動するように構成されている。なお、アウターワイヤは、後述の回転プレート26に固定されたワイヤ固定部26aに固定されている。
前記インナーワイヤの先端には、コロ取付部23aが固定されている。図5に示すように、このコロ取付部23aは、コロ32を取り付けた前記コロ取付軸37aを挿通させるようになっている。これにより、コロ取付部23aにコロ32が取り付けられる。そして、オペレータが前後進切換レバー12を操作すると、インナーワイヤに固定されたコロ取付部23aが、当該インナーワイヤの長手方向(第2方向)に沿って移動する。これにより、コロ取付部23aに取り付けられたコロ32が、前記第2方向に沿って移動する。なお、リバーサリンクは、図4に示すように、車体4の略前後方向(図4の略左右方向)に沿って配設されている。従って、前後進切換レバー12を操作することにより、コロ32を、車体4の略前後方向(図4の略左右方向)に移動させることができるように構成されている。即ち、前後進切換レバー12の操作によって、コロ32を、走行ペダル14の操作による移動方向とは略直交する方向に移動させることができる。
以上のように、走行ペダル14及び前後進切換レバー12という2つの操作具によって、1つのコロ32を移動させるように構成されている。
次に、前記コロ32を移動させることにより、回転プレート26を回転させる構成について説明する。
回転プレート26は、板状の部材として構成されている。この回転プレート26は、回転プレート支持部28に形成された回転支軸28aに対して、回転可能に支持されている。回転プレート支持部28は、図4に示すように、フロア9の下部に固定された固定ブラケット18に対して、ボルトにて締結されている。また、回転プレート支持部28は、ミッションケース10の側方に位置している。また、図8に示すように、前記回転支軸28aは、車体側方に向かって突出するようにして、回転プレート支持部28に形成されている。
回転プレート26には、図8に示すように切欠部26bが形成されている。この切欠部26b内には、前記コロ32が配置される。また、コロ32は、前記走行ペダル14及び前後進切換レバー12の操作によって、回転プレート26が形成する平面と平行な平面内で移動するように構成されている。従って、切欠部26b内のコロ32が、切欠部26bの縁まで移動すると、当該コロ32と切欠部26bの縁とが当接する。これにより、回転プレート26に対してコロ32が移動できる範囲が、切欠部26bの内部に限定されている。このように、コロ32を切欠部26bの内部で移動させるように構成することで、走行ペダル14及び前後進切換レバー12の操作によってコロ32が適切な範囲を越えて移動してしまうことを防止できる。また、コロ32が切欠部26bの縁に接触した状態で、コロ32が更に移動すると、コロ32によって回転プレート26が押されるので、当該回転プレート26を、回転支軸28aを中心にして回転させることができる(後述)。
次に、前後進切換レバー12の操作によって、コロ32を切欠部26bの内部で移動させる様子について、具体的に説明する。
前述のように、前後進切換レバー12の操作によって、コロ32を、第2方向(車体前後方向、図4の左右方向)に沿って移動させることができるように構成されている。回転プレート26に形成された切欠部26bは、その内部で、コロ32が第2方向に沿ってある程度自由に移動できるように形成されている。
また、前述のように、前後進切換レバー12は、「前進」位置、「ニュートラル」位置、「後進」位置の3つのポジションを選択することができるように構成されている。従って、前後進切換レバー12によって移動されるコロ32も、第2方向に沿って3つの位置を採り得るようになっている。具体的には、前後進切換レバー12を「前進」位置に操作すると、切欠部26b内において、コロ32が車体4の前寄りの位置(図9の位置)に移動する。また、前後進切換レバー12を「後進」位置に操作すると、切欠部26b内において、コロ32が車体4の後寄りの位置(図10の位置)に移動する。また、前後進切換レバー12を「ニュートラル」位置に操作すると、切欠部26b内において、コロ32が「前進」位置と「後進」位置の中間の位置(図11の位置)に移動する。
また、図8に示すように、回転プレート26には、当該回転プレート26と一体的に回転するディテント機構33が取り付けられる。ディテント機構33は、ディテント板33aと、付勢バネ33bと、から構成されている。図12に、回転プレート26に取り付けられたディテント機構33の様子を示す。なお、図12の側面図では、ディテント機構33は紙面手前側から見て回転プレート26の裏側に配置されるので、ディテント機構33の様子を示すために回転プレート26を透過的に鎖線で示している。
ディテント板33aと回転プレート26との間には、前記付勢バネ33bが配置されており、これによりディテント板33aが図12の下向きに付勢されている。また、ディテント板33aの下端部には、3つの凹部33cが形成されている。この3つの凹部33cは、第2方向(車体前後方向)に沿って並んで形成されている。また、この3つの凹部33cは、前記「前進」位置、「ニュートラル」位置、「後進」位置にそれぞれ対応して形成されている。そして、図12に示すように、3つの凹部33cのうち1つに、ペダル緩衝バネ機構30のコロ取付軸37aが入り込むようになっている。このコロ取付軸37aにはコロ32が取り付けられているので、3つの凹部33cのうち何れかにコロ取付軸37aが入り込むことにより、第2方向に沿ったコロ32の位置を位置決めすることができる。なお、前後進切換レバー12を操作することにより、コロ32を第2方向に沿って移動させように力を加えると、コロ取付軸37aが前記凹部33cを押すことにより、前記付勢バネ33bの付勢力に逆らってディテント板33aを押し上げるようにスライドさせることができる。従って、コロ32がディテント機構33によって位置決めされている状態であっても、前後進切換レバー12を或る程度力を込めて操作することにより、コロ32を第2方向に沿って動かすことができる。
また、図8及び図12に示すように、ディテント板33aには、ガイド溝33dが形成されている。一方、回転プレート26には、ガイド突起26dが突出するように形成されている。そして、ディテント板33aが回転プレート26に取り付けられた状態において、ガイド突起26dがガイド溝33dの内部に挿入されて摺動可能となるように構成されている(図12参照)。そして、前記ガイド溝33dは、前記1方向(図12の上下方向)に沿って形成されている。以上の構成で、ガイド突起26dがガイド溝33dの縁部に接触して摺動することにより、ディテント板33aがスライドする方向を、前記第1方向と平行な方向に制限することができる。これにより、ディテント板33aが第2方向にズレてしまうことを阻止できるので、当該第2方向に沿ったコロ32の位置決めを適切に行うことができる。
次に、走行ペダル14の操作に応じて回転プレート26を回転させる構成について説明する。
前述のように、前記コロ32は、オペレータが走行ペダル14を踏み込み操作することによって、所定の第1方向(具体的には、図4の略上向き方向)に移動するように構成されている。コロ32を切欠部26b内で上向きに移動させると、コロ32が切欠部26bの上側の縁に当接して回転プレート26を上向きに押すので、当該回転プレート26を回転支軸28a回りに回転させることができる。
まず、コロ32が図9の「前進」位置にある場合について説明する。まず、走行ペダル14が踏み込まれていない状態において、コロ取付軸37aには、下向きに付勢されたディテント板33aが接触している。この状態で走行ペダル14を踏み込み操作すると、ディテント機構33の付勢バネ33bによる付勢力に逆らって、コロ取付軸37aが、ディテント板33aを押し上げなら上向きに移動する。これにより、当該コロ取付軸37aに取り付けられたコロ32が上向き(第1方向)に移動する結果、当該コロ32が切欠部26bの前寄りの縁に接触する。そして、更にコロ32が上向きに移動すると、当該コロ32が切欠部26bの前寄りの縁を上向きに押すので、図13に示すように、回転プレート26を反時計回りに回転させることができる。そして、走行ペダル14を大きく踏み込むほど、回転プレート26の反時計回りの回転量を大きくすることができる。
次に、コロ32が図10の「後進」位置にある場合について説明する。この状態で走行ペダル14を踏み込み操作すると、ディテント機構33の付勢バネ33bによる付勢力に逆らって、コロ取付軸37aが、ディテント板33aを押し上げなら上向きに移動する。これにより、コロ32が上向き(第1方向)に移動して切欠部26bの後寄りの縁に接触し、当該切欠部26bの後寄りの縁を上向きに押すので、図14に示すように、回転プレート26を時計回りに回転させることができる。そして、走行ペダル14を大きく踏み込むほど、回転プレートの時計回りの回転量を大きくすることができる。
次に、コロが図11の「ニュートラル」位置にある場合について説明する。この状態で走行ペダルを踏み込み操作すると、ディテント機構33の付勢バネ33bによる付勢力に逆らって、コロ取付軸37aが、ディテント板33aを押し上げなら上向きに移動する。これにより、コロ32が上向き(第1方向)に移動する結果、当該コロ32が切欠部の車体前後方向中央部分の縁を上向きに押す。ところで、このニュートラル位置において、コロ32から見て上方向(第1方向)には、回転プレート26の回転軸(回転支軸28a)があるように構成されている。従って、この状態では、切欠部26bの縁部をコロ32が上向き(第1方向)に押したとしても、回転プレート26を回転させることができない。即ち、「ニュートラル」位置では、回転プレート26が回転しないように構成されている。
なお、コロ32がニュートラル位置にある場合であっても、走行ペダル14が強く踏み込まれることにより、切欠部26bの縁にコロ32が強く押し付けられると、コロ32の位置が車体前後方向(第2方向)に沿ってズレてしまうことが考えられる。このようにコロ32の位置がズレると、ニュートラル位置であるにもかかわらず回転プレート26を回転させてしまう。そこで、コロ32がニュートラル位置にあるときには、走行ペダル14が踏み込まれたとしても当該コロ32が切欠部26bの縁に接触しないように、切欠部26bの車体前後方向中央部(ニュートラル位置にあるコロ)の上部には、逃げ部26cが形成されている(図8を参照のこと)。
なお、図4に示すように、フロア9と、第1リンク部24bと、の間には、引っ張りコイルバネとして構成されたペダル復帰バネ35が配置されている。このペダル復帰バネ35は、走行ペダル14の踏み込み操作に対して抵抗する方向に、ペダルリンク24を付勢している。このペダル復帰バネ35の付勢力によって、オペレータが走行ペダル14の踏み込み操作を解除したときには、走行ペダル14が中立位置に復帰するように構成されている。
また、HST調節機構17は、中立復帰機構29を備えている。中立復帰機構29は、中立復帰ローラ29aと、中立復帰プレート29bと、中立復帰バネ29cと、から構成されている。中立復帰プレート29bは、略L字状に形成された板状部材である。この中立復帰プレート29bは、回転プレート支持部28に対して、回転可能に支持されている。中立復帰ローラ29aは、回転プレート26の適宜の位置に取り付けられたローラ部材であり、中立復帰プレート29bの縁に接触可能であるように配置されている。また、中立復帰バネ29cは、引っ張りコイルバネとして構成されており、前記中立復帰プレート29bを、中立復帰ローラ29aに対して押し当てる方向に付勢している。
そして、この中立復帰機構29は、回転プレート26の回転位置が、図4の状態(即ち、走行ペダル14が操作されていない状態)において、中立復帰バネ29cの伸びが最も小さい状態となるように構成されている。即ち、図13や図14に示すように、回転プレート26を時計回り又は反時計回りに回転させると、中立復帰ローラ29aが中立復帰プレート29bを押して当該中立復帰プレート29bを回転させ、中立復帰バネ29cが伸びるようになっている。引っ張りコイルバネである中立復帰バネ29cは、その伸びが最も小さい状態が最も安定な状態であるから、中立復帰機構29は、回転プレート26が図4の状態(走行ペダル14が操作されていない状態)にあるときが最も安定な状態である。従って、オペレータが走行ペダル14の踏み込み操作を解除することにより、コロ32が回転プレート26を押す力が無くなると、回転プレート26は、中立復帰機構29によって図4の位置まで戻される。この図4の状態を、回転プレートの中立位置とする。
なお、図4等に示すように、回転プレート26には、当該回転プレート26が急速に回転してしまうことを抑圧するためのダンパ31が接続されている。このダンパ31によって、走行ペダル14を踏み込んだ際の適度な抵抗を与えることができる。また、このダンパ31によって、走行ペダル14の踏み込み操作を解除したときに中立復帰機構29によって回転プレート26が中立位置まで急激に戻されることを防止することができる。
次に、回転プレート26を回転させることにより、HSTの斜板の傾斜角を操作する構成について説明する。
HSTの斜板の傾斜角は、ミッションケースの側面から車体側方に向けて突出しているHST操作軸20により変更できるように構成されている。図4に示すように、HST操作軸20には、HST操作レバー21が固定されている。そして、このHST操作レバー21を、前記HST操作軸20の軸線を中心にして時計回り又は反時計回りに回動させることにより、前記斜板の傾斜角を変更することができるように構成されている。
以下の説明では、HSTの出力軸の回転速度がゼロになるように斜板の傾斜角を設定するHST操作レバー21の位置を、HST操作レバーのニュートラル位置(図4中で「N」で示す位置)と呼ぶ。HST操作レバー21をニュートラル位置とすることにより、車速をゼロ(停止状態)とすることができる。
また、本実施形態では、前記ニュートラル位置から、HST操作レバー21を図4の時計回り方向(図4中に「F」で示した方向)に回動操作することにより、HSTの出力軸の回転速度を、車体4を前進させる方向で増大させるように構成されている。また、ニュートラル位置から、HST操作レバー21を図4の反時計回り方向(図中に「R」で示した方向)に回動操作することにより、HSTの出力軸の回転速度を、車体4を後進させる方向で増大させるように構成されている。
回転プレート26とHST操作レバーとの間は、HST操作リンク25によって接続されている。これにより、回転プレート26を回転させることにより、HST操作レバー21を回動させ、斜板の傾斜角を変更することができるように構成されている。
より具体的には、以下のとおりである。即ち、図9、図10、図11に示すように、回転プレート26が中立位置にあるときには、HST操作レバー21がニュートラル位置となるように、前記HST操作リンク25が構成されている。これにより、オペレータが走行ペダル14を踏み込み操作していないときには、HST操作レバー21がニュートラル位置となる。即ち、走行ペダル14を操作しない場合には、車速をゼロとすることができる。
また、図13に示すように、回転プレート26が反時計回りに回転することで、HST操作レバー21が時計回りに回動操作されるように、前記HST操作リンク25が構成されている。従って、前後進切換レバー12を「前進」位置に設定した状態(図9の状態)から走行ペダル14を踏み込むことにより、車体4を前進させることができる。また、この状態で、走行ペダル14を踏み込み操作量を大くするほど、HST操作レバー21を時計回りに大きく回動操作することができる。これにより、前後進切換レバー12が「前進」位置にあるときには、走行ペダル14を操作することによって、車体を前進させる車速を任意に設定することができる。
また、図14に示すように、回転プレート26が時計回りに回転することで、HST操作レバー21が反時計回りに回動操作されるように、前記HST操作リンク25が構成されている。従って、前後進切換レバー12を「後進」位置に設定した状態(図10の状態)から走行ペダル14を踏み込むことにより、車体4を後進させることができる。また、この状態で、走行ペダル14を踏み込み操作量を大くするほど、HST操作レバー21を反時計回りに大きく回動操作することができる。これにより、前後進切換レバー12が「後進」位置にあるときには、走行ペダル14を操作することによって、車体を後進させる車速を任意に設定することができる。
以上の構成により、前後進切換レバー12によって前進/後進を切り換えるとともに、走行ペダル14によって車速を任意に設定することができる。このように、本発明の構成により、いわゆるオートマチック車感覚の操作を実現することができる。
次に、ペダル緩衝バネ機構30について詳しく説明する。このペダル緩衝バネ機構30は、走行ペダル14を踏み込んだ状態で、前後進切換レバー12を「前進」位置と「後進」位置との間で操作することができるようにするためのものである。
この点を、図15を参照して説明する。図15は、前後進切換レバー12を「前進」位置とした状態で走行ペダル14を踏み込み操作したときの様子を示している。この時、走行ペダル14が踏み込まれているので、コロ32は上向きに付勢され、切欠部26bの縁に押し付けられ状態となっている。従って、この状態からコロ32を第2方向に移動させようとすると、当該コロ32は切欠部26bの縁の形状に沿って移動することになる。一方で、図15に示すように、走行ペダル14が踏み込まれた状態(回転プレート26が斜めになった状態)において、コロ32の「前進」位置と二点鎖線で示した位置(ニュートラル位置)との間の位置では、切欠部26bの縁の形状が下向きに凸となっている。従って、この切欠部26bに沿ってコロ32を移動させようとした場合、当該下向きの凸部を「乗り越え」させるために、コロ32をいったん第3方向(図15の場合は下向き)に移動させる必要がある。
ここで、コロ32を「前進」位置の状態から「後進」位置まで移動させようとした場合、当該コロ32は、図中の二点鎖線で示す位置(ニュートラル位置)を経由しなければならないため、必ず前記下向き凸部を乗り越える必要がある。このように、走行ペダル14を踏み込んだ状態でコロ32を「前進」位置から「後進」位置まで移動させようとすると、コロ32を一端下向きに移動させなければならないのである。また、走行ペダル14を踏み込んだ状態でコロ32を「後進」位置から「前進」位置まで移動させようとした場合も同様である。
コロ32を第3方向(下向き)に移動させるためには走行ペダル14の踏み込み操作を解除すれば良いのであるが、走行ペダル14を踏み込んだ状態のままでも前後進切換レバー12を操作したい場合がある。そこで、本実施形態のペダル緩衝バネ機構30は、ペダル連動部36とケース部37とが相対移動可能に構成されているのである。
より具体的には、以下のとおりである。図6に示すように、圧縮コイルバネ38が圧縮されていない状態(図6(a)の状態)において、ケース部37とロックナット36dとの間には、距離Aの隙間が形成されている。一方、圧縮コイルバネ38が圧縮された状態(図6(b)の状態)においては、ケース部37とストッパ部材36cとの間に距離Aの隙間が形成されるが、ケース部37とロックナット36dとの間の隙間はゼロとなり、ロックナット36dがストッパとして機能することにより、ペダル連動部36とケース部37とがそれ以上相対移動することを阻止する。即ち、ペダル連動部36とケース部37は、距離Aの範囲で相対移動できるように構成されている。
また、図6に示すように、圧縮コイルバネ38が圧縮されていない状態(図6(a)の状態)に比べて、圧縮コイルバネ38が圧縮された状態(図6(b)の状態)の方が、接続部36bとコロ取付軸37aとの間の距離が遠くなるように構成されている。従って、接続部36bの位置が固定されていると考えた場合、ペダル連動部36とケース部37とが圧縮コイルバネ38を圧縮する方向に相対移動することにより、コロ取付軸37aは図面下向きに移動する。
以上をまとめると、本実施形態のペダル緩衝バネ機構30は、圧縮コイルバネ38の付勢力に抗する方向の力が掛かった場合、コロ取付軸37aに取り付けられたコロ32を距離Aの範囲で第3方向(下向き)に移動させることができるように構成されている。
ここで、図15の状態から、走行ペダル14を踏み込んだまま(コロ32を上向きに付勢したまま)切欠部26bの下向き凸部を乗り越えるようにコロ32を移動させると、当該切欠部26bに沿ってコロ32が下向きに移動するので、コロ取付軸37aに第3方向(下向き)の強い力が掛かる。即ち、接続部36bとコロ取付軸37aとが遠ざかる方向(圧縮コイルバネ38が圧縮される方向)の力がペダル緩衝バネ機構30に掛かる。これにより、圧縮コイルバネ38の付勢力に抗してペダル連動部36とケース部37とが相対移動する結果、コロ取付軸37aに取り付けられたコロ32を第3方向(下向き)に移動させることができる。なお、前記距離Aは、切欠部26bの前記下向き凸部を、コロ32が乗り越えるために十分な長さとされている。
本実施形態のHST調節機構17は、以上のように構成されたペダル緩衝バネ機構30を備えているので、走行ペダル14の踏み込み操作を解除しなくても、コロ32を第3方向(下向き)に移動させて、切欠部26bの下向き凸部を乗り越えさせることができる。これにより、走行ペダル14を踏んだ状態であっても、前後進切換レバー12を操作することにより、コロ32の位置を「前進」位置と「後進」位置とを切り替えることができる。
以上で説明したように、本実施形態のトラクタ1は、HSTと、回転プレート26と、前後進切換レバー12と、走行ペダル14と、コロ32と、を備える。回転プレート26は、回転支軸28aに対して回転可能に支持されるとともに、回転支軸28aを中心に回転することによってHSTを操作する。前後進切換レバー12は、運転者が車体の前後進を設定するためのものである。走行ペダル14は、運転者が車体の走行速度を設定するためのものである。コロ32は、前記回転プレートに当接した状態で移動可能である。またトラクタ1は、走行ペダル14が操作されることにより、コロ32が所定の第1方向に向かって移動するように構成される。また、このトラクタ1は、前後進切換レバー12が操作されることにより、コロ32が、第1方向と略直交し、かつ、回転プレート26が構成する平面と略平行な第2方向に沿って移動するように構成される。回転プレート26は、第1方向に向かって移動するコロ32によって押されることにより回転する。そして、コロ32が前記第2方向に沿って位置を変更することにより、当該コロ32が前記第1方向に向かって回転プレートを押した時に当該回転部材の回転する方向が切り換わるように構成される。
また、本実施形態のトラクタ1は、走行ペダル14を操作しつつ前後進切換レバー14を操作した際は、コロ32が、第3方向に移動するように構成されている。
この構成により、走行ペダル14によって回転プレート26の回転量を指定し、前後進切換レバー12によって回転プレート26を回転させる方向を指定することができる。そして、この回転プレート26によってHSTを操作するように構成されているので、HSTに対して、出力軸の回転速度と、出力軸の回転方向と、を指定することができる。即ち、車体4の走行速度の指定と、車体4の前進/後進の指定と、を行うことができる。以上により、オートマチック車感覚で車体を前後進操作させることができる。
また、本実施形態のトラクタ1において、回転プレート26には切欠部26bが形成され、コロ32は、切欠部26bの内側で、第1方向及び前記第2方向に移動するように構成されている。
これにより、コロ32の移動範囲を切欠部26bの内部に制限することができるので、コロ32が適切な位置から外れてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態のトラクタ1は、回転支軸28aを中心にして回転プレート26と一体的に回転し、コロ32の第2方向における位置を位置決めするディテント機構33を備えている。
これにより、コロ32を適切な位置に位置決めすることができる。
また、本実施形態のトラクタ1は、回転プレート26が常に前記中立位置となるように付勢する中立復帰機構29を備えている。
これにより、操作が行われないときは中立位置に戻し、車速がゼロになるようにすることができる。
また、本実施形態のトラクタ1は以下のように構成されている。即ち、走行ペダル14は、フロア9上に設けられたペダル部材である。前記ペダル部材は、ペダルリンク24を介してコロ32と接続されている。そして、ペダルリンク24はフロア9によって保持される。
このように、ペダルによって走行速度を設定するように構成することで、乗用車感覚の操作を実現できる。また、フロア9にペダルリンク24を支持することにより、HST調節機構17をコンパクトに構成することができる。
次に、図16を参照して、上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の説明において、上記実施形態と同一又は類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、この変形例においては、切欠部26bは開放された形状となっている。即ち、上記の実施形態では、切欠部26bは閉じた形状となっていたので、この切欠部26bの内部にコロ32を配置する際の組み付け作業が若干手間であるという問題があった。この点、本変形例のように切欠部26bを開放された形状とすることにより、当該開放された部分からコロ32を入れることができるので、コロ32の組み付け作業性が向上する。また、本変形例では切欠部26bの下側に、開放部を形成している。これにより、切欠部26bの下側の縁に泥等が詰まらないようにすることができる。
また、本変形例では、上記実施形態と比較して、回転プレート26に対してダンパ31を取り付ける位置が、回転支軸28aから遠い位置となっている。これにより、回転プレート26に対して、ダンパ31をより強力に作用させることができる。なお、このようにダンパ31の取り付け位置を回転支軸28aから遠ざけるために、本変形例では、回転プレート26に延長部材41が固定されている。そして、ダンパ31は、この延長部材41に取り付けられている。
また、本変形例では、回転プレート26の回転範囲を規制するためのストッパ部42が新たに設けられている。このストッパ部42は、前進用ストッパ42aと、後進用ストッパ42bを備えている。前進用ストッパ42aは、回転プレート26が反時計回りに一定角度回転したときに、当該回転プレート26に接触するように配置されている。これにより、回転プレート26の反時計回りの回転範囲を規制することができる。また、後進用ストッパ42bは、回転プレート26が時計回りに一定角度回転したときに、延長部材41に接触するように配置されている。これにより、回転プレート26の時計回りの回転範囲を規制することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態(及び変形例)を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
本発明の構成は、例えばコンバイン、田植機等の他の作業車両に適用することができる。
上記実施形態において、HSTは、油圧ポンプが可変容量であり、油圧モータが固定容量であるとしたが、油圧ポンプを固定容量とし、油圧モータを可変容量としても良い。
走行速度設定手段、前後進設定手段の構成は、上記の構成に限らない。例えば、走行速度設定手段をレバーとして構成することもできる。
ダンパ、ペダル緩衝バネ機構、中立復帰機構等は、省略することもできる。
上記実施形態では、走行ペダルによってコロを上方に、前後進切換レバーによってコロを車体前後方向に移動させるものとしたが、コロを移動させる方向はこれに限らない。要は、走行ペダルの操作に応じて回転プレートを回転させ、前後進切換レバーの操作に応じて回転プレートの回転方向を切り換えることができるように、コロを移動させれば良い。
上記実施形態において、無段変速装置はHSTであるとしたが、例えばHMT(油圧機械式無段変速機)やトロイダルCVT等の他の形式の無段変速装置を用いることもできる。