JP5776502B2 - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
(式中R1 は、置換基を有してもよい、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。R2 およびR3 は、各々、水素原子、−OR4 または−OCOR5 を表す。R4 およびR5 は、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。ただし、R2 、R3 の少なくともいずれか一方は、−OR4 または−OCOR5 である。)
3.前記R2 およびR3 のうちの1つが水素原子であり、他の1つが−OCH3 であることを特徴とする前記1または前記2に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記R1 が、炭素数が1から3であるアルキル基であることを特徴とする前記1〜前記3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(式中R1 は、置換基を有してもよい、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。R2 およびR3 は、各々、水素原子、−OR4 または−OCOR5 を表す。R4 およびR5 は、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。ただし、R2 、R3 の少なくともいずれか一方は、−OR4 または−OCOR5 である。)
7.前記共重合体中の前記第一の重合性単量体と前記第二の重合性単量体との共重合比が、質量比で6:4〜9:1であることを特徴とする前記6に記載の静電荷像現像用トナー。
8.前記第二の重合性単量体が、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルであることを特徴とする前記6または前記7に記載の静電荷像現像用トナー。
9.前記第二の重合性単量体が、アクリル酸エステルであり、該アクリル酸エステルが、アクリル酸n−ブチルまたはアクリル酸2−エチルヘキシルであることを特徴とする前記8に記載の静電荷像現像用トナー。
(式中R1 は、置換基を有してもよい、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。R2 およびR3 は、各々、水素原子、−OR4 または−OCOR5 を表す。R4 およびR5 は、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。ただし、R2 、R3 の少なくともいずれか一方は、−OR4 または−OCOR5 である。)
一般式(1)中、R1 は、置換基を有してもよい、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。R2 およびR3 は、各々、水素原子、−OR4 または−OCOR5 を表す。R4 およびR5 は、置換基を有してもよい、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。ただし、R2 、R3 の少なくともいずれか一方は、−OR4 または−OCOR5 である。即ち、R2 およびR3 が同時に水素原子であることはない。
一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(以下、「本発明に係わる重合体」ともいう)は、上記一般式(1)で表される構造単位を与える重合性の単量体である、上記一般式(2)で表される重合性単量体(以下、「本発明に係わる重合性単量体」ともいう)を用い、重合または共重合を行うことによって得られる。
本発明に係わる重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されたスチレン換算分子量による分子量分布から得られるピーク分子量が、3,500〜20,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜20,000である。
本発明のトナーの好ましい製造方法は、水系媒体中で上記一般式(2)で表される重合性単量体を用い、ラジカル重合を行いトナー粒子を形成するものである。
トナーを構成するトナー粒子において、トナー中に含有されるトナー粒子の含有量は、トナー100質量部に対して、好ましくは98質量部〜100質量部、より好ましくは99質量部〜100質量部である。
また、本発明のトナーは、本発明に係わる重合体に加えて、従来のスチレンアクリル樹脂またはポリオールとポリカルボン酸との重縮合によって得られるポリエステル樹脂を含んでもよい。この場合、本発明に係わる重合体のトナー中の含有量は、好ましくは50質量%〜100質量%、より好ましくは70質量%〜100質量%である。
以上のようなトナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメディアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成することが好ましい。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
黒トナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラック等が使用可能であり、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用可能である。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが使用可能である。
また、トナー粒子が磁性粉を含有するものとして構成される場合において、磁性粉としては、例えばマグネタイト、γ−ヘマタイト、または各種フェライトなどを使用することができる。
また、トナー粒子が荷電制御剤を含有するものとして構成される場合において、荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々のものを使用することができる。
さらに、トナー粒子が離型剤を含有するものとして構成される場合において、離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。ワックスとしては、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、または酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスを用いることが好ましい。
本発明のトナーは、圧力を付与すると共に加熱することができる熱圧力定着方式による定着工程を含む画像形成方法に好適に用いることができる。特に、定着工程における定着温度が、定着ニップ部における加熱部材の表面温度において80〜110℃、好ましくは80〜95℃となる温度とされる比較的低温の定着温度において定着する画像形成方法に好適に使用することができる。
<4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸(フェルラ酸)の調製>(米糠から抽出する例)
米糠から米脂肪酸を製造するに際して取出されるピッチと称する黒褐色の廃油10質量部を三つ口フラスコの中に入れた。この中に5質量部の水酸化ナトリウム、20質量部の水、16質量部のイソプロピルアルコールを加えた。系内の混合物を96℃に加熱し、その温度で約8時間攪拌した。冷却後、反応混合物にヘキサンを注ぎ、ヘキサン溶解物を除去した。次いで水溶液に希硫酸を加えて水溶液を酸性にすると、フェルラ酸(4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸)が析出した。
次に、アシル化スチレン誘導体の製造を行うため、別の三つ口フラスコ内に上記で得られたトランス型フェルラ酸0.96質量部と無水酢酸(エステル化剤)10.8質量部を加え110℃で5時間反応した。冷却後、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3回)、飽和食塩水で順次洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶媒を減圧留去し、減圧蒸留により精製し、4−アセトキシ−3−メトキシスチレン(例示化合物M1)を得た。
(トナー1の製造)
トナー用樹脂粒子の製造例1
例示化合物M1を用いた樹脂粒子分散液調製
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lのステンレス釜(SUS釜)に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3Lに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、液温80℃に昇温した。
−単量体混合液−
例示化合物M1 570g
n−ブチルアクリレート 165g
メタクリル酸 70g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 5.5g
マゼンタ染料(C.I.Solvent Red 49) 10部
アニオン界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム20%水溶液)
1.5部
イオン交換水 90部
上記を混合し、SCミルにて分散し、体積基準のメディアン径153nmの着色剤分散液を得た。これを着色剤分散液1とする。
パラフィンワックス(融点97℃) 100部
ドデシル硫酸ナトリウム 5部
イオン交換水 240部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積基準のメディアン径が550nmである離型剤粒子が分散された「離型剤分散液1」を調製した。
樹脂粒子分散液1 234部
着色剤分散液1 22部
離型剤分散液1 40部
ポリ塩化アルミニウム 1.8部
イオン交換水 600部
上記成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA株式会社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分間保持した後、溶液中に体積基準におけるメディアン径(D50)が4.8μmの凝集粒子が生成していることを確認した。
トナー粒子分散液1をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械社製)で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成した。
上記で得られたトナー粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し、外部添加剤処理を行い、トナーを製造した。これをトナー1とする。
トナー1の製造において、「例示化合物M1」570g用いたところを、表2の組合せで例示化合物M2〜M7の570gを用いた以外は同様にして、トナー2〜トナー7を製造した。
トナー1の製造において、「例示化合物M1」570g用いたところを、「例示化合物M1、350g、およびスチレン220g」とした以外は同様にしてトナー8を製造した。
トナー1の製造、樹脂粒子分散液1の調製において、
例示化合物M1 570g
n−ブチルアクリレート 165g
メタクリル酸 70g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 5.5g
用いたところを、
例示化合物M2 805g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 5.5g
用い、n−ブチルアクリレートおよびメタクリル酸を用いなかったこと以外は同様にして、トナー9を製造した。
トナー9の製造において、「例示化合物M2」805g用いたところを、「例示化合物M3」805gとした以外は同様にして、トナー10を製造した。
第1段重合
例示化合物M1 175g
n−ブチルアクリレート 116g
メタクリル酸 15g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 7g
からなる単量体混合液を、攪拌装置を取り付けた5Lのステンレス釜に入れ、そこにペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル(ワックス)100gを添加し、70℃に加温度し溶解させて単量体溶液を調製した。
例示化合物M1 285g
n−ブチルアクリレート 214g
メタクリル酸 35g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 5.5g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子分散液を得た。これを樹脂粒子分散液11とする。得られた樹脂を樹脂11とする。
樹脂粒子分散液1 234部
着色剤分散液1 22部
離型剤分散液1 40部
ポリ塩化アルミニウム 1.8部
イオン交換水 600部
用いたところを、
樹脂粒子分散液11 234部
着色剤分散液1 22部
ポリ塩化アルミニウム 1.8部
イオン交換水 600部
とし、離型剤分散液1を用いなかったこと以外は同様にしてトナー11を製造した。
例示化合物M1 82g
ブチルアクリレート 18g
C.I.ピグメントレッド(顔料)122 122g
ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物 5g
上記処方の重合性単量体組成物をCa3 (PO4 )2 を含む水系媒体中に投入し、60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工製)を用いて12,000rpmで均一に分散した。更に、これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを加え、懸濁分散させ、この懸濁分散された懸濁液を反応させた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてCa3 (PO4 )2 を溶解し、濾過、水洗、乾燥し、トナー1同様の外部添加剤処理を施し、体積基準のメディアン径が6.5μmのトナー12を得た。
トナー1の製造、トナー用樹脂粒子の製造例1で製造した樹脂粒子分散液1を遠心脱水機で固液分離したのち、恒温槽で水分量0.4%まで乾燥させた。これを樹脂13とする。
樹脂13 115部
C.I.ソルベントレッド49 10部
パラフィンワックス(融点97度) 33部
酢酸エチル 32部
上記組成の油相を調製し、樹脂13が充分に溶解することを確認した。上記油相をホモミキサー(エースホモジナイザー;日本精機社製)に投入し、毎分15000回転で2分間攪拌し、均一な油相Iを調製した。
−炭酸カルシウム分散液−
炭酸カルシウム(平均粒径0.03μm) 60部
純水 40部
上記材料をボールミルで4日間攪拌した。
上記油相I 60部
上記水相(炭酸カルシウム分散液) 10部
上記材料をコロイドミル(日本精機社製)に投入し、ギャップ間隔1.5mm、毎分8000回転で20分間乳化を行った。
樹脂13 1000g
C.I.ソルベントレッド49 80g
パラフィンワックス(融点97度) 40g
をヘンシェルミキサーで20分間予備混合した後、二軸押し出し式エクストルーダー(吐出部の温度を140℃)で混練し、気流式粉砕機で粉砕し、および気流分級機を用いて分級し、さらに、トナー1と同様に外部添加剤を混合し、体積基準のメディアン径が7.5μmのトナー14を得た。
トナー1の製造において、例示化合物M1を用いず、代わりに同量のスチレンを用いた以外は同様にして、トナー比較CT1を製造した。
トナー1の製造において、例示化合物M1を用いず、代わりに同量のp−アセトキシスチレンを用いた以外は同様にして、トナー比較CT2を製造した。
フェライト粒子(体積基準のメディアン径:50μm(パウダーテック社製))100質量部と、メチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体樹脂(一次粒子の体積基準のメディアン径:85nm)4質量部とを、水平撹拌羽根式高速撹拌装置に入れ、撹拌羽根の周速:8m/s、温度:30℃の条件で15分間混合した後、120℃まで昇温して撹拌を4時間継続した。その後、冷却し、200メッシュの篩を用いてメチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体樹脂の破片を除去することにより、樹脂被覆キャリアを作製した。
二成分現像剤1〜14および現像剤比較CD1、CD2を用いて下記(1)、(2)、(3)の評価項目について評価した。
画像形成装置として、市販の複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用い、この装置に現像剤として、上記二成分現像剤を搭載し、熱ロール定着方式の定着手段における定着加熱部材の表面温度を、80〜150℃の範囲において5℃刻みで変更し、各温度について、常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下において、画像支持体として秤量350g/m2 の厚紙を用いて画像形成を行い、画像濃度が0.8のベタ画像を可視画像として得た。
各現像剤20gを20mlガラス製容器に入れ、室温で1週間静置した後、毎分200回、振り角度45度、アーム50cmで1分間振った後、現像剤1gサンプリングして、ブローオフ法で帯電量を測定した。
トナー付着量4(g/m2 )のベタ画像を形成し、スガ試験機社製「キセノンロングライフウェザーメーター」(キセノンアークランプ、70,000ルクス、44.0℃)による14日間の暴露試験を行った後、マクベスカラーアイ7000により暴露試験前後の色度を測定し、CMC(2:1)色差式にて算出した色差を比較した。
Claims (10)
- 前記R2 またはR3 が、前記−OR4 であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記R2 およびR3 のうちの1つが水素原子であり、他の1つが−OCH3 であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記R1 が、炭素数が1から3であるアルキル基であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記重合体が、前記一般式(2)で表される第一の重合性単量体と該第一の重合性単量体以外の第二の重合性単量体との共重合体であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記共重合体中の前記第一の重合性単量体と前記第二の重合性単量体との共重合比が、質量比で6:4〜9:1であることを特徴とする請求項6に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記第二の重合性単量体が、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記第二の重合性単量体が、アクリル酸エステルであり、該アクリル酸エステルが、アクリル酸n−ブチルまたはアクリル酸2−エチルヘキシルであることを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナー。
- 樹脂として、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を含有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、下記一般式(2)で表される重合性単量体を用いたラジカル重合により前記樹脂を合成する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(式中R1 は、置換基を有してもよい、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。R2 およびR3 は、各々、水素原子、−OR4 または−OCOR5 を表す。R4 およびR5 は、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。ただし、R2 、R3 の少なくともいずれか一方は、−OR4 または−OCOR5 である。)
(式中R1 は、置換基を有してもよい、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。R2 およびR3 は、各々、水素原子、−OR4 または−OCOR5 を表す。R4 およびR5 は、炭素数が1から8であるアルキル基を表す。ただし、R2 、R3 の少なくともいずれか一方は、−OR4 または−OCOR5 である。)
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