JP5776341B2 - 車両用フロアカーペット - Google Patents

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Description

本発明は、車両用フロアカーペットに関し、更に詳しくは、開口部の口開きを抑制してコンソールボックスの組付性を向上させることができる車両用フロアカーペットに関する。
従来の車両用フロアカーペットとして、例えば、図7に示すように、コンソールボックス組付用の開口部106を形成する立ち上がり部103を備え、この立ち上がり部103は、対向する一対の側壁103a及び一対の側壁103aのそれぞれの後端側に連なる後壁103bを有するものが一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、開口部106の口開きを防止するために一対の側壁103a同士を架橋する帯状の架橋部110を設定することが開示されている。
特開2009−292394号公報
しかし、上記車両用フロアカーペットでは、コンソールボックスの内蔵物の配置や構成等により、架橋部を設定できる位置が限られており、その制限の中で架橋部を設定するため、口開き防止の効果が不十分となることがある。すなわち、上記特許文献1の技術では、架橋部110は一対の側壁103aの長手方向の中央部に設定されているので、開口部106の奥側、即ち立ち上がり部103の後壁103b近傍の側壁103a側での口開き防止の効果が不十分となる。その結果、コンソールボックスの一端側を開口部の奥側に被せて位置決めしつつコンソールボックスを組み付ける場合、コンソールボックスの組付性が悪化してしまう。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、開口部の口開きを抑制してコンソールボックスの組付性を向上させることができる車両用フロアカーペットを提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンソールボックス組付用の開口部を形成する立ち上がり部を備え、該立ち上がり部は、対向する一対の側壁及び該一対の側壁のそれぞれの後端側に連なる後壁を有する車両用フロアカーペットであって、前記一対の側壁及び前記後壁のそれぞれの上端側に連なって一体形成される屋根部を備え、前記屋根部は、前記一対の側壁のそれぞれの前記後壁近傍の上端側に下端側が連なる円弧状部と、該円弧状部及び前記後壁のそれぞれの上端側に連なる覆い部と、を有し、前記円弧状部は、側面からみて略三角形状に形成され、前記覆い部は、車両前方に向かって上方に傾斜していることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記車両用フロアカーペットの裏面には、該フロアカーペットを構成するフロア部、該フロア部から立ち上がる前記立ち上がり部、及び前記屋根部にわたって延びる補強シートが設けられていることを要旨とする。
本発明の車両用フロアカーペットによると、一対の側壁及び後壁のそれぞれの上端側に連なって一体形成される屋根部を備えるので、屋根部により開口部の奥側、即ち立ち上がり部の後壁近傍の側壁側の剛性が高められて口開きが抑制される。その結果、コンソールボックスの一端側を開口部の奥側に被せて位置決めしつつコンソールボックスを組み付ける場合であっても、コンソールボックスの組付性を向上させることができる。
また、前記屋根部が、円弧状部と、覆い部と、を有するので、コンソールボックスの一端側を開口部の奥側に被せる際に、コンソールボックスの一端側が円弧状部により案内される。よって、コンソールボックスの組付性が更に高められる。また、屋根部が3つ以上の面を有する箱状に形成されるので、開口部の奥側の剛性が更に高められて口開きが更に確実に抑制される。
さらに、前記車両用フロアカーペットの裏面に、フロア部、前記立ち上がり部、及び前記屋根部にわたって延びる補強シートが設けられている場合は、補強シートにより開口部の奥側の剛性が更に高められて口開きが更に確実に抑制される。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係る車両用フロアカーペットを示す斜視図である。 図1の要部拡大図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 図3の要部拡大図である。 従来の車両用フロアカーペットを示す斜視図である。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.車両用フロアカーペット
本実施形態1.に係る車両用フロアカーペットは、コンソールボックス(5)組付用の開口部(6)を形成する立ち上がり部(3)を備え、立ち上がり部は、対向する一対の側壁(3a)及び一対の側壁のそれぞれの後端側に連なる後壁(3b)を有する車両用フロアカーペット(1)であって、一対の側壁及び後壁のそれぞれの上端側に連なって一体形成される屋根部(4)を備えることを特徴とする(例えば、図1及び図2等参照)。なお、上記「後端側」とは、上記車両用フロアカーペットを車両床面に敷設した状態で、各側壁の車両後方の端側を意図する。
本実施形態1.に係る車両用フロアカーペットとしては、例えば、上記屋根部(4)は、一対の側壁のそれぞれの後壁近傍の上端側に下端側が連なる円弧状部(4a)と、円弧状部及び後壁のそれぞれの上端側に連なる覆い部(4b)と、を有する形態(例えば、図3〜図5等参照)を挙げることができる。
本実施形態1.に係る車両用フロアカーペットとしては、例えば、上記車両用フロアカーペットの裏面には、フロアカーペットを構成するフロア部(2)、フロア部から立ち上がる立ち上がり部(3)、及び屋根部(4)にわたって延びる補強シート(9)が設けられている形態(例えば、図2及び図3等参照)を挙げることができる。上記フロア部は、通常、車両床面に敷設される部位である。
本実施形態1.に係る車両用フロアカーペットとしては、例えば、上記屋根部(4)から離間した位置で一対の縦壁(3a)を架橋する帯状の架橋部(10)を更に備える形態(例えば、図1等参照)を挙げることができる。これにより、開口部の口開きが更に確実に抑制される。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)車両用フロアカーペットの構成
本実施例に係る車両用フロアカーペット1は、図1及び図2に示すように、フロア部2、立ち上がり部3及び屋根部4を有している。このフロア部2は、車体パネル8(図3及び図4参照)上に敷設される。また、立ち上がり部3は、フロア部2の上面から対向して立ち上がる一対の側壁3a,3aと、これら一対の側壁3a,3aのそれぞれの後端側に連なる後壁3bと、を有している。よって、この立ち上がり部3によりコンソールボックス5を組み付けるための開口部6が形成されている。
なお、本実施例では、上記フロアカーペット1として、図6に示すように、表皮層1aと、この表皮層1aの裏面側に設けられる不織布製の吸音層1bと、この吸音層1bの裏面側に設けられる非通気性を有するバッキング材層1cと、を備えるものを採用する。これら表皮層1a、吸音層1b及びバッキング層1cのそれぞれを形成するシート材を積層して加熱圧縮し、その後、その成形品を超音波カッタ等の適宜切断手段で開口部6を含む所定箇所をトリミングすることにより、上記フロアカーペット1が得られる。また、図1中に矢印で示す方向は、車体パネル8に敷設した状態でのフロアカーペット1が向く方向を示す。
上記屋根部4は、立ち上がり部3の一対の側壁3a,3a及び後壁3bのそれぞれの上端側に連なって一体形成されている。具体的には、図3〜図5に示すように、屋根部4は、一対の側壁3a,3aのそれぞれの後壁3b近傍の上端側に下端側が連なる円弧状部4a,4aと、これら円弧状部4a,4a及び後壁3bのそれぞれの上端側に連なる略平板状の覆い部4bと、を有している。よって、屋根部4は3つの面を有する箱状に形成されている。なお、上記覆い部4bと後壁3bとの連絡部位は円弧状に形成されている。また、上記円弧状部4aは、側面からみて略三角形状に形成されている(図3参照)。
上記車両用フロアカーペット1の裏面には、フロア部2、立ち上がり部3の後壁3b、並びに屋根部4の円弧状部4a及び覆い部4bにわたって延びる不織布製の補強シート9(図2及び図3参照)が設けられている。この補強シート9は、上記フロアカーペット1の加熱圧縮成形時に一体成形される。また、上記フロアカーペット1は、屋根部4から離間した位置で一対の縦壁3a,3aを架橋する帯状の架橋部10(図1参照)を更に備えている。
ここで、上記構成の車両用フロアカーペット1は、車体パネル8上に敷設されてクリップ等の適宜固定手段で固定される。そして、コンソールボックス5の一端側を開口部6の奥側に被せて位置決めしつつ車体パネル8に対してコンソールボックス5が組み付けられる。
(2)実施例の効果
以上より、本実施例の車両用フロアカーペット1によると、一対の側壁3a,3a及び後壁3bのそれぞれの上端側に連なって一体形成される屋根部4を備えるので、屋根部4により開口部6の奥側、即ち立ち上がり部3の後壁3b近傍の側壁3a側の剛性が高められて口開きが抑制される。その結果、コンソールボックス5の一端側を開口部6の奥側に被せて位置決めしつつコンソールボックス5を組み付ける場合であっても、コンソールボックス5の組付性を向上させることができる。特に、本実施例では、従来一般にトリミングされる部位を残して屋根部4を形成しているので、トリミングの距離を短縮でき作業時間も短縮できる。また、トリミング量が減少するので、歩留まりが向上する。
また、本実施例では、屋根部4は、円弧状部4aと、覆い部4bと、を有するので、コンソールボックス5の一端側を開口部6の奥側に被せる際に、コンソールボックス5の一端側が円弧状部4aにより案内される。よって、コンソールボックス5の組付性が更に高められる。また、屋根部4が3つ以上の面を有する箱状に形成されるので、開口部6の奥側の剛性が更に高められて口開きが更に確実に抑制される。
さらに、本実施例では、車両用フロアカーペット1の裏面に、フロア部2、立ち上がり部3及び屋根部4にわたって延びる補強シート9が設けられているので、補強シート9により開口部6の奥側の剛性が更に高められて口開きが更に確実に抑制される。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更することができる。即ち、上記実施例では、円弧状部4a及び覆い部4bを有する屋根部4を例示した。参考例として、例えば、円弧状部4aの替わりの屈曲部及び覆い部4bを有する屋根部4としたり、覆い部4bのみを有する屋根部4としたりしてもよい。
また、上記実施例では、フロアカーペット1の裏面に補強シート9を設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、補強シート9を備えないフロアカーペット1としてもよい。また、上記フロアカーペット1の裏面の適宜箇所には、例えば、不織布製の吸音層やゴム製の遮音シート等を設けるようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、1つの架橋部10を備えるフロアカーペット1を例示したが、これに限定されず、例えば、2以上の架橋部10を備えるフロアカーペット1としたり、架橋部10を備えないフロアカーペット1としたりしてもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
自動車、列車、航空機等の車両用フロアカーペットとして広く利用される。
1;車両用フロアカーペット、2;フロア部、3;立ち上がり部、3a;側壁、3b;後壁、4;屋根部、4a;円弧状部、4b;覆い部、5;コンソールボックス、6;開口部、9;補強シート。

Claims (2)

  1. コンソールボックス組付用の開口部を形成する立ち上がり部を備え、該立ち上がり部は、対向する一対の側壁及び該一対の側壁のそれぞれ後端側に連なる後壁を有する車両用フロアカーペットであって、
    前記一対の側壁及び前記後壁のそれぞれの上端側に連なって一体形成される屋根部を備え
    前記屋根部は、前記一対の側壁のそれぞれの前記後壁近傍の上端側に下端側が連なる円弧状部と、該円弧状部及び前記後壁のそれぞれの上端側に連なる覆い部と、を有し、
    前記円弧状部は、側面からみて略三角形状に形成され、前記覆い部は、車両前方に向かって上方に傾斜していることを特徴とする車両用フロアカーペット。
  2. 前記車両用フロアカーペットの裏面には、該フロアカーペットを構成するフロア部、該フロア部から立ち上がる前記立ち上がり部、及び前記屋根部にわたって延びる補強シートが設けられている請求項1記載の車両用フロアカーペット。
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