JP5774307B2 - 親水化剤を有する硬質表面清浄組成物、硬質表面を清浄する方法 - Google Patents

親水化剤を有する硬質表面清浄組成物、硬質表面を清浄する方法 Download PDF

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Description

[関連出願のクロスリファレンス]
本出願は、2007年6月12日に出願された米国仮出願第60/943,517号の利益を主張し、参照により、その全体を本明細書に援用する。
[発明の分野]
本発明は、親水化剤を含む硬質表面清浄組成物、及び硬質表面、例えば、セラミック、タイル、金属、メラミン、フォーマイカ、プラスチック、ガラス、鏡、並びに他の産業用キッチン及び浴室表面を、親水化剤を含む硬質表面清浄組成物で清浄するための方法に関する。詳細には、本発明は、上記ホスフェートエステルをこれらの表面に適用することにより、硬質表面の表面特性を清浄するために、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を用いる。また、本発明は、硬質表面に、長期にわたる、付着防止及び/又は堆積防止特性を付与することに関する。
洗浄剤又は清浄組成物により、産業及び家庭の硬質表面を清浄にすることができる。清浄組成物は、一般的に、界面活性剤;溶媒(例えば、アルコール、場合によっては、乾燥を促進するため);金属イオン封鎖剤;及び塩基又は酸(pHを調整するため)を含む。上記界面活性剤は、一般的に、非イオン性及びアニオン性の組み合わせ、又は非イオン性の及びカチオン性の組み合わせである。これらの清浄組成物のよくある欠点は、上記硬質表面を水と接触させると、表面が乾燥した際に、硬水堆積物の形成がもたらされることである。さらに、一般的な清浄組成物は、表面を単に清浄するだけで、汚染をほとんど予防しない。
この課題に対する溶液が、欧州特許出願公開第1196527号明細書、同第1196528号明細書及び同第1196523号明細書に提案されている。これらの特許は、硬質表面の上に、カチオンモノマー及びアニオン又は潜在的にアニオン性のモノマーに由来する水溶性の両性の有機系コポリマーを含む清浄組成物を、表面を吸収性にするか、又は表面の親水性を改良するために十分な量で堆積することを提案する。これは、処理された表面及び水滴の間の最小の可能性のある接触角を得るため、そして処理後に続く、処理された表面の周辺の保水性を確保するためになされる。
米国特許出願公開第2006/0217286号明細書(参照により、本明細書に援用する)は、表面に堆積しうる汚染物質に関して、表面堆積防止及び/又は付着防止特性を付与するための、少なくとも1種のポリベタインを含む水性又は水性/アルコール性媒体において、硬質表面を清浄するか、又はすすぐための組成物を開示する。
種々のアプローチが、所望の材料の表面エネルギー(親水性/疎水性)、ひいては付着特性を変化させるために用いられうる。例えば、化学系処理、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン表面向けのプラズマ又はオゾンにより、親水性が増す。あるいは、物理化学系処理、例えば、界面活性剤分子の、疎水性表面への付着により、それらの親水性を変化させることができる。また、ポリマーの表面への付着を用いて、表面特性を変化させる。具体例の1つは、ポリエチレンオキシド(PEG)の吸着であろう。全てのケースにおいて、特定の化学系基が、初期表面に取り付けられている。これらの化学系基により、表面エネルギー、ひいては付着特性及び/又は他の表面特性、例えば、付着又は滑りの傾向が変化する。
上記処理の2つの主要な欠点は、耐久性が乏しいこと、そして/又はそれらが不経済である/技術的に複雑化されていることである。前者の一例は、界面活性剤である。それらは、例えば、水ですすいだ際に、表面から容易に取り除かれる。後者の例は、プラズマ又はオゾン処理である。さらに、いくつかの適用において、満足する溶液は、今のところ見出されていない。
低表面エネルギーを有する材料、例えば、ポリオレフィンポリマーは、疎水性表面を有する。上記材料の疎水特性は、一部の用途では望ましくなく、そして低表面エネルギーの基材を親水化するための方法、例えば、界面活性剤及び/又は高エネルギー処理を用いた処理が知られている。これらの方法のそれぞれは、大きな制限を有する。界面活性剤処理は、処理された基材が水に暴露されると取り除かれる傾向があり、そして高エネルギー処理により処理された基材の表面に与えられた電荷は、特に熱可塑性ポリマー基材の場合に、散逸する傾向がある。上記界面活性剤処理された基材の親水特性と、高エネルギー処理された基材の親水特性とは、限定的な耐久性を示す傾向がある。さらに、水に暴露することにより処理された基材からすすがれた界面活性剤は、水の特性を変え、例えば、表面張力を下げる(望ましくないであろう)。
硬質表面に、改良された堆積防止及び/又は付着防止特性、特に抗汚物堆積及び抗汚物付着特性を与える、硬質表面用の清浄組成物を提供することが有利であろう。硬水堆積物、石けんカス、及び他の無機系堆積物を防ぐ又は最小化する、硬質表面用の清浄組成物を提供することがまた有利であろう。従って、さらに耐久性の親水化低表面エネルギー硬質基材に対する必要性がある。
図1は、市販の練り歯磨きを用いてブラシをかけ、次いで、緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで市販の練り歯磨きを用いてさらにブラシをかけた卵殻の写真を示す。 図2は、市販の練り歯磨き+20%PEG400ホスフェートエステル(ポリエチレングリコール400ホスフェートエステル)を用いてブラシをかけ、次いで緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで、練り歯磨き+20%PEG400ホスフェートエステルを用いてブラシをかけた卵殻の写真を示す。 図3は、市販の練り歯磨き+20%SDSを用いてブラシをかけ、次いで緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで、練り歯磨き+20%SDSを用いてブラシをかけた卵殻の写真を示す。 図4は、市販の練り歯磨き+20%PEG1000ホスフェートエステルを用いてブラシをかけ、次いで緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで、練り歯磨き+20%PEG1000ホスフェートエステルを用いてブラシをかけた卵殻の写真を示す。 図5は、CaCO3結晶上の純粋な脱イオン水の下、ヘキサデカンの液滴を示す。 図6は、CaCO3結晶上にPEG1000ホスフェートエステルを用いて事前処理したCaCO3結晶上の1重量%PEG1000ホスフェートエステルの下のヘキサデカンの液滴を示し、PEG1000ホスフェートエステルがCaCO3結晶上に吸着されることにより、水中で、CaCO3上のヘキサデカンの接触角が高くなることを示す。 図7は、図5のうち、接触角を示す標識を付したものである。 図8は、図6のうち、接触角を示す標識を付したものである。
第1の態様では、本発明は、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種のモノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を含む、水性又は水性/アルコール性媒体中の、硬質表面を清浄するための組成物に向けられている。本明細書の目的において、清浄するための組成物は、清浄するための組成物と、すすぐための組成物とを含む。
詳細には、第1の態様において、本発明は、下記を含む硬質表面清浄組成物に向けられている:
(a)界面活性剤;並びに
(b)下記を含む親水化剤;
(b)(I)下記から選択される有機リン材料;
(b)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
Figure 0005774307
(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、独立して、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(b)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩、
(b)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物、及び
(b)(I)(4) (b)(I)(1)、(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
必要に応じて上記組成物は、下記をさらに含む;
(b)(II)下記から選択されるビニルアルコール材料;
(b)(II)(1)次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:
Figure 0005774307
(b)(II)(2)ポリマー(b)(II)(1)の塩;
(b)(II)(3)1種又は2種以上のポリマー(b)(II)(1)の2又は3以上の分子の反応生成物;及び
(b)(II)(4) (b)(II)(1),(b)(II)(2)及び(b)(II)(3)の、2又は3以上の、ポリマー、塩及び/又は反応生成物を含む混合物:並びに
(b)(III)1種又は2種以上の有機リン材料(b)(I)及び1種又は2種以上のビニルアルコール材料(b)(II)の混合物。
第2の態様では、本発明は、疎水性表面の一部に親水化層を堆積するために、上記疎水性表面の少なくとも一部を、有機リン材料、界面活性剤及び所望によるビニルアルコールを含む処理組成物を用いて処理することを含む、疎水性表面を有する硬質表面を親水化するための方法に向けられている。
第3の態様では、本発明は、製品の硬質表面を前処理するための清浄組成物に向けられている。これに一致して、本発明は、下記を含む前処理された製品に向けられている;
(a)疎水性表面を有する硬質表面基材;並びに
(b)上記基材の疎水性表面の少なくとも一部に配置された親水化層、当該層は、下記を含む;
(b)(I)下記から選択される有機リン材料;
(b)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
Figure 0005774307
(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、独立して、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(b)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
(b)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物:
(b)(I)(4) (I)(1)、(I)(2)及び(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
必要に応じて、上記層は、下記をさらに含むことができる;
(b)(II)下記から選択されるビニルアルコール材料;
(b)(II)(1)次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:
Figure 0005774307
(b)(II)(2)ポリマー(b)(II)(1)の塩;
(b)(II)(3)1種又は2種以上のポリマー(b)(I)(1)の2つ又は3つ以上の分子の反応生成物;及び
(b)(II)(4) (b)(II)(1),(b)(II)(2)及び(b)(II)(3)の2種又は3種以上のポリマー、塩及び/又は反応生成物を含む混合物:並びに
(b)(III)1種又は2種以上の有機リン材料(b)(I)及び1種又は2種以上のビニルアルコール材料(b)(II)の混合物。
表面を上記ホスフェートエステルで処理することにより、変化した表面特性が得られる。炭酸カルシウム上でオイル(例えば、オクタデカン)の吸着を減らすことにより、孔質の石材料からグリース又はオイルの抽出が容易になる。例えば、炭酸カルシウム石から製造された、処理された表面又は像を、容易に清浄することができ、そして上記表面又は像の上の雨及び空気からの汚物の吸着を減らすため、自己洗浄性作用を示す。
本発明は、複数の優位性を有する。上記ホスフェートエステルは、表面処理向けに用いられる複数のポリマーと比較して、比較的安価であり、そして製造が簡易である。特に、例えば、プラズマ、オゾン、又は他の化学系処理と比較して、処理は簡易且つ早い(通常は、水性溶液から)。コーティングは、界面活性剤系と比較して、有意に耐久性を有する。理論により限定されることを望まないが、これは、表面上のホスフェート基の特有の結合のためであると理論化される。例えば、カルシウムイオンを有する表面は、ホスフェート基の、耐久性を有する吸着を示す。さらに、十分に疎水性ではない表面において、界面活性剤を用いることができない。疎水性界面活性剤の群は、上記表面に吸着することができない。次いで、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG)を、界面活性剤の代わりに用いることができる。しかし、PEG又はPPGを有するコーティングはまた、耐久性がない。さらに、上記ホスフェートエステルの耐久性は、例えば、PEG又はPPGホモポリマーと比較して優位に改良されている。上記ホスフェートエステルは、無毒であり、皮膚に対して非刺激性であり、そして生分解性を有するとみなされる。
第1の態様では、本発明は、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種のモノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を含む、溶媒において、硬質表面を清浄するための組成物に向けられている。本明細書の目的において、清浄するための組成物は、清浄するための組成物と、すすぐための組成物とを含む。
本発明は、下記を含む硬質表面清浄組成物に向けられている;
(a)界面活性剤;並びに
(b)下記を含む親水化剤;
(b)(I)下記から選択される有機リン材料;
(b)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
Figure 0005774307
(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、独立して、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(b)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
(b)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(b)(I)(4) (b)(I)(1)、(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
必要に応じて、上記組成物は、下記をさらに含むことができる:
(b)(II)下記から選択されるビニルアルコール材料;
(b)(II)(1)次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:
Figure 0005774307
(b)(II)(2)ポリマー(b)(II)(1)の塩;
(b)(II)(3)1種又は2種以上のポリマー(b)(II)(1)の2又は3以上の分子の反応生成物:並びに
(b)(II)(4) (b)(II)(1)、(b)(II)(2)及び(b)(II)(3)の、2又は3以上の、ポリマー、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
本発明に従う、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)の清浄配合物を経由した、硬質表面の堆積物により、そのように処理された表面に、汚染物質に関する、永続性の堆積防止及び/又は付着防止特性を付与することができ、さらに、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)の存在により、上記配合物の清浄能力を改良することができる。
モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を用いると、上記ホスフェートエステルをいくつかの表面に吸着することにより、これらの表面の表面特性が変わる。上記表面の処理は、ほとんどの場合、単に、水性溶液からの吸着による。例えば、炭酸カルシウム結晶の処理は、当該結晶を、例えば、PEG400ホスフェートエステルの水性溶液(例えば、1重量%、pH6〜7)に浸漬することによりなされる。結晶上への良好な吸着、及び表面特性の変化は、水中で、オクタデカン液滴の接触角を測定することにより示される。未処理の結晶の場合、低い接触角(すなわち、上記結晶上への、油の高い吸着性)が観察され、そして処理された結晶の場合、高い接触角(すなわち、上記結晶上への、油の低い吸着性)が観察される。
本明細書において、専門用語「疎水性表面」は、70°以上、さらに典型的には90°以上の水接触角、そして/又は約40ダイン/cm以下の界面自由エネルギーにより証明されるような、水をはじき、従って、水により湿潤されることに抵抗する傾向を示す表面を意味する。
本明細書において、専門用語「親水性表面」は、70°未満、さらに典型的には60°未満の水接触角、そして又は約40ダイン/cm超、さらに典型的には約50ダイン/cm以上の表面エネルギーにより証明されるような、水に対するアフィニティーを示し、それにより水により湿潤される表面を意味する。
本明細書において、疎水性表面に関して、用語「親水化」は、低い水接触角により示されるように、表面をさらに親水性にし、ひいては疎水性を少なくすることを意味する。処理された疎水性表面の高い親水性の指標の一つは、未処理の表面における水接触角と比較した、処理された表面における低い水接触角である。
本明細書において、基材に関して、専門用語「水接触角」は、一般的なイメージ分析方法、すなわち、25℃において、表面(概して、実質的に平面)上に水の液滴を配置し、上記液滴を撮影し、そして画像に示される接触角を測定することにより測定されるような、表面上の水の液滴により示される接触角を意味する。
表面エネルギーは、次のヤングの方程式:
cos(θ)*γlv=γsv−γsl
(接触角θ、固相及び気相の間の界面エネルギーγsv、固相及び液相の間の界面エネルギーγsl、及び液相及び気相の間の界面エネルギーγlv、そしてγsvは、固体の表面エネルギーを表す)
を用いて見積もられる。
本明細書において、ポリマー又はその一部に関する「分子量」は、ポリマー又は一部の重量平均分子量(「Mw」)を意味し、そこでは、ポリマーのMwは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定された値であり、そしてポリマーの一部のMwは、当該一部を製造するために用いられたモノマー、ポリマー、開始剤及び/又は移動剤の量から公知の技法に従って計算された値である。
本明細書において、有機基又は化合物に関する表記法「(Cn〜Cm)」(n及びmは整数である)は、上記基又は化合物が、上記基又は化合物あたり、n〜m個の炭素原子を含むことを意味する。
用語「永続性の堆積防止特性及び/又は付着防止特性」は、処理された表面が、汚染物質(例えば、雨水、配電網からの水、すすぐ製品が添加されている又は添加されていないすすぎ水、飛び散った脂肪、石けん等)との次の接触後を含む、長期にわたり、これらの特性を保持することを意味することが理解される。この持続性の特性を、約10回のすすぎサイクルを超えて観察することができ、さらに、非常に多くのすすぎが実施されるいくつかの特定のケース(例えば、便器)では、100回のすすぎサイクルを超えて観察することができる。
「そのように処理された表面に堆積防止特性を付与する」の表現は、詳細には、主に水性媒体において汚染物質と接触させた、処理された表面が、上記汚染物質を「捕捉する」傾向を有せず、表面上の汚染物質の堆積を有意に減らすことを意味する。
「そのように処理された表面に付着防止特性を付与する」の表現は、詳細には、処理された表面が、それらの上に堆積している汚染物質と非常にわずかにのみ相互作用することができ、汚染された、処理された表面から汚染物質を容易に取り除くことができることを意味する。これは、処理された表面と接触させた汚染物質の乾燥の際、上記汚染物質と、上記表面の間に発現した結合が、非常に弱いからである。従って、これらの結合を切断するために、清浄操作の際、より少ないエネルギーが要求される。
モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)の存在が、「清浄能力を改良する」ことができると称される場合には、これは、同一の量の清浄配合物(特に、手により皿を洗浄するための配合物)に関して、ポリベタイン双極性イオンを含む配合物が、それらを欠いている配合物よりも、複数の汚染された物体を顕著に清浄することができることを意味する。
さらに、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)を硬質表面に堆積させると、この表面に帯電防止特性を付与できるこの特性は、合成繊維の表面の場合に特に有利である。
硬質表面を処理するための配合物中に、モノ−、ジ−及びポリオールホスフェートエステル(例えば、PEGホスフェートエステル、PPGホスフェートエステル、グリセリンホスフェートエステル)が存在することにより、上記表面に親水性を付与することができるか、又はその親水性を改良することができる。
表面の親水化(hydrophilization)の特性により、表面上に縮合物が形成することをさらに減らすことができる;この優位性により、特に、浴室における窓及び鏡において、清浄配合物を使用することができる。さらに、表面の乾燥の速度は、上記ポリマーの適用による処理の直後であるが、水性媒体の、次のそして繰返しの接触が、有意に改良される。
用語「硬質表面」は、広義に選択される;「硬質表面」は、家庭、公共又は産業の表面に等しくあることができる、非繊維表面を指す。
それらを、任意の材料、特に下記から製造することができる;
セラミック(表面、例えば、浴室シンク、バスタブ、壁又はフロアタイル、便器等);
ガラス(表面、例えば、建築物又は乗り物の屋内若しくは屋外の窓、又は鏡);
金属(表面、例えば、反応器、ブレード、パネル、管等の内側又は外側の壁);
合成樹脂(例えば、モーターを有する乗物(自動車、トラック、バス、列車、飛行機等の車体又は内面)、オフィスの内部に関するメラミン又はフォーマイカ表面、キッチン等):
プラスチック(例えば、乗物、特に自動車の内部に関する、ポリ(塩化ビニル)又はポリアミド)。
本発明に従う「硬質表面」は、あまり多孔質ではなく、且つ繊維状構造ではない表面である;従って、それらは、テキスタイル表面(天然、人工又は合成材料から製造された、布帛、床の全面を覆う(fitted)カーペット、布地等)から区別される。
処理すべき硬質表面に、汚染物質に関する堆積防止及び/又は付着防止特性を付与することができる本発明に従う組成物は、家庭使用向けの清浄(又はすすぎ)組成物であることができる。
例えば、下記の清浄又はすすぎ用の組成物が、一般的であることができ、そしてさらに特有であることができる;
浴室;上記組成物は、特に、バスタブ周り、及び浴室シンク上の石けん塩の堆積を予防し、これらの表面上でカルシウム結晶の成長及び/又は堆積を予防し、そして次の石けん汚染物の発生を遅延させる;
キッチン;上記組成物は、調理台の清浄性を改良することができる(後者が、長期にわたって架橋することができる不飽和脂肪汚染物質により汚染された場合);油脂性の汚染物を、こすることなく、水ではがす;
床(リノリウム、タイル又はセメントから製造された);上記組成物は、粘土石灰質(argilocalcareous)型のほこり又は汚染物質(土、砂、泥等)の除去を改良することができる;床の汚染物を、ブラシがけなしで、簡素に掃くだけで、努力なしで清浄することができる;さらに上記組成物は、滑り抵抗特性を付与する;
便器;上記組成物は、表面に、微量の排泄物が付着することを予防することができる;水のフラッシュのみの流れで、これらの痕跡量を除去するのに十分である;ブラシの使用は不必要である;
ガラス、透明なポリマー、例えば、ポリカーボネート、窓又は鏡;上記組成物は、表面に無機系又は有機系の粒子状汚染物質が堆積することを予防することができる;
手による、又は自動機器(例えば、自動食器洗い装置)を用いた皿;上記組成物は、手による洗浄の場合には、乾燥された食品から残余の汚染物の除去を促進し、そして同一容量の洗浄媒体を用いて、より大量の刃物類又は家庭用品の品目を洗浄することができる;刃物類及び家庭用品の膨潤している品目は滑らず、使用者の手から逃れない;きしむ清浄効果がまた観察される、すなわち上記表面は、指でこする作用の下で「きしる」。食器洗浄器における洗浄及びすすぎの場合には、上記組成物は、食料品及び不溶性無機カルシウム塩から生じた汚染物質の再堆積を防止することができ、そして家庭用品及び刃物類の品目に輝きを付与する;上記組成物はまた、それらを食器洗浄機に導入する前に、刃物類の品目又は家庭用品を「事前洗浄する」必要を有しないことができる。
産業又は公共用途における清浄(又はすすぎ)組成物;例えば、下記の清浄用の組成物が、一般的であることができ、そしてさらに特有であることができる;
反応器、スチールブレード、シンク又は槽;
皿;
建築物の外面又は内面;
アパート建築物を含む、建築物の窓;
瓶。
本発明に従う組成物を、任意の形態で提供することができ、そして複数の方式で用いることができる。
従って、本発明に従う組成物は、例えば、直接、清浄又はすすぐべき表面上に、又は処理すべき表面に適用する前に、スポンジ又は別の基材(例えば、セルロースから製造された、織物又は不織布製品)に、特に、スプレーにより堆積すべき、ゲル化又は非ゲル化液体の状態であることができる。
本発明に従う組成物は、下記の形態であることができる;
処理すべき表面に適用する前に、水(所望により、別の溶媒の添加と共に)に希釈すべきゲル化又は非ゲル化液体;
水溶性バッグ内に保持されたゲル化又は非ゲル化液体;
泡;
エアロゾル;
特に、織物又は不織布(ワイプ)である製品から製造された吸収性基材上に吸収された液体:
所望により水溶性バッグ内に保持された、固体、特にタブレット、上記組成物は、当該タブレットの全部又は一部を表すことができる。
本発明の満足な実施のため、上記ホスフェートエステルは、本発明の主題を形成する組成物中に、表面に堆積することができる汚染物質に関して、表面に、堆積防止及び/又は付着防止特性を付与するために有効な量で存在する。
本発明の主題を形成する組成物は、その用途にもよるが、当該組成物の0.001〜10重量%の、少なくとも1種の上記ホスフェートエステルを含むことができる。
上記組成物のpH又は本発明に従う組成物の使用のpHは、用途及び処理すべき表面によるが、1〜14、さらに0.5〜14に変化することができる。
極端なpH値は、産業又は公共の清浄種において一般的である。家庭用途の分野では、pH値は、用途にもよるが、代わりに1〜13の範囲にわたる。
上記組成物を、所望によるすすぎの後、そして乾燥の後、表面に堆積されたホスフェートエステルの量が、処理された表面の、典型的には0.0001〜10mg/m2、例えば、0.001〜5mg/m2となるような量において、硬質表面を清浄又はすすぐために用いることができる。
他に表示がない限り、モル質量に言及される場合、g/molで表現される重量平均モル質量が参照される。後者は、ポリマーの組成にもよるが、水性溶離剤又は有機系溶離剤(例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等)を用いて、水性ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)又は光散乱(DLS又はMALLS)により測定することができる。
第2の態様では、本発明は、上述のように、上記疎水性表面の一部に親水化層を堆積するために、上記疎水性表面の少なくとも一部を、界面活性剤、有機リン材料、及び所望によるビニルアルコール材料で処理することを含む、疎水性表面を有する硬質表面を親水化するための方法に向けられている。
第3の態様では、本発明は、製品の硬質表面を、上述の有機リン材料で前処理するための清浄組成物に向けられている。
これに一致して、本発明はまた、下記を含む前処理された製品に向けられている;
(a)疎水性表面を有する硬質表面基材;及び
(b)上記基材の疎水性表面の少なくとも一部上に配置された親水化層、当該層は、下記を含む:
(b)(I)上述の有機リン材料。
必要に応じて、上記層は、上述のビニルアルコール材料及び/又は界面活性剤をさらに含むことができる。
[疎水性の硬質表面基材]
本発明の組成物は、硬質表面に有用である。硬質表面は、上述の、例えば、セラミック、磁器、ガラス、金属、合成樹脂及びプラスチックである。本発明に従う「硬質表面」は、あまり多孔質ではなく、且つ繊維状構造ではない表面である;従って、それらは、テキスタイル表面(天然、人工又は合成材料から製造された、布帛、床の全面を覆う(fitted)カーペット、布地等)から区別される。
場合によっては、上記硬質表面基材は、疎水性表面を有する。好適な疎水性材料には、例えば、疎水的に改質された無機材料、例えば、ガラス、磁器、セラミック、タイル、シラン処理化ガラス及びシリカ、グラファイト、花こう岩、石、建築物表面、金属及びポリマーが含まれる。
[ホスフェートエステル(有機リン化合物)]
本明細書において、用語「アルキル」は、一価の飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基、概して、一価の飽和の(C1〜C30)炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、置換されていてもよい)を意味する。実施形態の一つでは、アルキル基は、アルコキシ、アミノ、ハロ、カルボキシ又はホスホノにより、当該基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で置換されている(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、イソプロポキシエチル、アミノメチル、クロロメチル若しくはトリクロロメチル、カルボキシエチル、又はホスホノメチル)。
本明細書において、用語「ヒドロキシアルキル」は、その炭素原子の一つが、ヒドロキシル基で置換されているアルキル基を意味する。
本明細書において、用語「アルコキシル」は、アルキル基で置換されているオキシ基、例えば、メトキシル、エトキシル、プロポキシル、イソプロポキシル、又はブトキシルを意味する(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、さらに置換されていてもよい)。
本明細書において、用語「シクロアルキル」は、飽和の環式の炭化水素基、概して(C3〜C8)の飽和の環式の炭化水素基、例えば、シクロヘキシル又はシクロオクチル(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、置換されていてもよい)を意味する。
本明細書において、用語「アルケニル」は、1又は2以上の炭素−炭素二重結合を含む、不飽和の直鎖、分岐鎖又は環式の炭化水素基、例えば、エテニル、1−プロペニル又は2−プロペニル(所望により、上記基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、置換されていてもよい)を意味する。
本明細書において、用語「アリール」は、3つの共役する二重結合により不飽和度を表すことができる、1又は2以上の6員環の炭素環を含む、一価の不飽和の炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル又はビフェニルを意味する(当該環の1つ又は2つ以上の炭素上で、所望により置換されていてもよい)。実施形態の一つでは、アリール基は、当該基の1つ又は2つ以上の炭素原子上で、ヒドロキシル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル又はアミノにより置換されていてもよい(例えば、メチルフェニル、ジメチルフェニル、ヒドロキシフェニル、クロロフェニル、トリクロロメチルフェニル又はアミノフェニル)。
本明細書において、用語「アリールオキシ」は、アリール基で置換されているオキシ基、例えば、フェニルオキシ、メチルフェニルオキシ、イソプロピルメチルフェニルオキシを意味する。本出願において、平均分子量は、他に規定がない限り、重量平均分子量である。
本明細書において、基が、「所望により置換されている」又は「所望によりさらに置換されている」ことができる指標は、一般に、明確に又は上記参照の文脈により、さらに制限されていない限り、上記基が、1又は2以上の無機又は有機置換基、例えば、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルカリル、ヘテロ原子又はヘテロシクリルで置換されてよい、あるいは金属イオンに配位結合することができる1又は2以上の官能基、例えば、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、アミノ、イミノ、アミド、ホスホン酸、スルホン酸若しくはアルセネート、又はそれらの無機及び有機エステル、例えば、スルフェート若しくはホスフェート、又はそれらの塩で置換されていてもよいことを意味する。
本明細書において、有機基に関する専門用語「(Cx〜Cy)」(x及びyは、それぞれ、整数である)は、当該基が、1つの基あたり、x個の炭素原子からy個の炭素原子を含むことができることを示す。
上述のように、本発明に従う硬質表面清浄組成物において用いるための、水溶性又は分散性の有機リン材料は、下記を含む親水化剤を含む;
(c)(I)下記から選択される有機リン材料;
(c)(I)(1)次の構造(I)に従う有機リン化合物:
Figure 0005774307
(式中、
各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
各R3は、独立して、所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
5及び各R4は、独立して、存在しないか、あるいは所望により、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)基の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシにより置換されてもよいアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)であり、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、
9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ又は(C1〜C30)炭化水素であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールで所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置において、O,N若しくはSヘテロ原子により割り込まれてもよく、そして
mは、1〜5の整数である);
(c)(I)(2)構造(I)に従う有機リン化合物の塩:
(c)(I)(3)構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(c)(I)(4) (b)(I)(1),(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
本発明の硬質表面洗浄組成物において用いるために好適な有機リン材料はまた、2006年9月5日に出願された米国仮出願第60/842,265号明細書、及び2006年6月12日に出願された同第60/812,819号明細書に記載されている(両出願を参照することにより、本明細書に援用する)。
実施形態の一つでは、R6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H、(C1〜C30)アルキル、(C1〜C30)アルケニル、又は(C7−C30)アルカリルである。
実施形態の一つでは、各R1及び各R2はOであり、そして上記有機リン化合物は、下記から選択される;
(II)(1)次の構造(II)に従う有機ホスフェートエステル:
Figure 0005774307
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りである);
(II)(2)構造(II)に従う有機リン化合物の塩;
(II)(3)構造(II)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(II)(4) (II)(1)、(II)(2)及び(II)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
実施形態の一つでは、各R1は存在せず、各R2はOであり、そして上記有機リン化合物は、下記から選択される;
(III)(1)次の構造(III)に従う有機ホスホネートエステル:
Figure 0005774307
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りである);
(III)(2)構造(III)に従う有機リン化合物の塩;
(III)(3)構造(III)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(III)(4) (III)(1)、(III)(2)及び(III)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
実施形態の一つでは、各R1はOであり、各R2は存在せず、そして上記有機リン化合物は、下記から選択される:
(IV)(1)次の構造(IV)に従う有機ホスホネートエステル:
Figure 0005774307
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りである);
(IV)(2)構造(IV)に従う有機リン化合物の塩;
(IV)(3)構造(IV)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物:並びに
(IV)(4) (IV)(1)、(IV)(2)及び(IV)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物。
実施形態の一つでは、各R3は、次の構造(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)に従う2価基である:
Figure 0005774307
(式中、
各R12及び各R13は、独立して、H、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、アリールオキシであるか、又は隣接する炭素原子と結合している2つのR12基が縮合して、それらが結合している炭素原子と共に、(C6〜C8)炭化水素環を形成し、
20は、H、ヒドロキシル、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール又はアリールオキシであり、
22は、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであるが、R20及びR22は、それぞれ、ヒドロキシルではない、
23及びR21は、それぞれ独立して、メチレン又はポリ(メチレン)であり、
p,p’,p’’,q,及びxは、それぞれ独立して、2〜5の整数であり、
各r,s,r’,r’’及びyは、独立して、0〜25の数であるが、r及びsの少なくとも一方は0ではない、
uは、2〜10の整数であり、
v及びwは、それぞれ、1〜25の数であり、そして
t、t’及びt’’は、それぞれ、1〜25の数であるが、
数(r+s)×tの積が約100以下であり、数(v+r’)×t’の積が約100以下であり、そして数(w+r’’)×t’’の積が約100以下である)。
実施形態の一つでは、各R4及び各R5は、独立して、存在しないか、又は構造(V)、(VI)若しくは(VII)に従う2価基(式中、R12,R13,R20,R21,R22,R23,p,p’,p’’,q,r,r’,r’’,s,t,t’’,t,u,v,w,x及びyは、上述の通りである)である。
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(V)、(VI)又は(VII)に従う2価基(式中、R12、R13、R20、R21、R22、R23,p,p’,p’’,q,r,r’,r’’,s,t,t’’,t,u,v,w,x,及びyは、上述の通りであり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(V)に従う2価基(式中、pは2、3又は4であり、rは整数1〜25であり、sは0であり、tは1〜2の整数であり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(VI)に従う2価基(式中、R12基が縮合して、それらが結合している炭素原子を含む、(C6〜C8)炭化水素環を形成し、各R13はHであり、p’は2又は3であり、uは2であり、vは1〜3の整数であり、r’は整数1〜25であり、t’は1〜25の整数であり、数(v+r’)×t’’の積は、約100以下であり、さらに典型的には約50以下であり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
実施形態の一つでは、各R3は、独立して、構造(VII)に従う2価基(式中、R20は、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであり、R22は、H、アルキル、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであるが、R20及びR22は、それぞれ、ヒドロキシルではなく、R21及びR23は、それぞれ独立して、メチレン、ジ(メチレン)又はトリ(メチレン)であり、wは1又は2であり、p’’は2又は3であり、r’’は1〜25の整数であり、t’’は1〜25の整数であり、数(w+r’’)×t’’の積は、約100以下であり、さらに典型的には約50以下であり、そしてR4及びR5は、それぞれ独立して、存在しないか又はR3である)である。
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H若しくは(C1〜C30)炭化水素、又は−POR910であり、上記炭化水素は、1つ若しくは2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、アルケニル若しくはアリールにより所望により置換されていてもよく、そして/又は1若しくは2以上の位置のところで、O,N若しくはSヘテロ原子により所望により割り込まれてもよく、さらに典型的には、R6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(V)、(VI)又は(VII)に従う2価基であり、そして
mは、1〜5の整数である。
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(V)に従う2価基であり、
各pは、独立して2、3又は4、さらに典型的には、2又は3であり、
各rは、独立して、1〜約100の数、さらに典型的には2〜約50の数であり、
各sは0であり、
各tは1であり、そして
mは、1〜5の整数である。
実施形態の一つでは、上記有機リン材料は、下記から選択される;
(X)(1)次の構造(IX)に従う有機リン化合物:
Figure 0005774307
(式中、
pは2、3又は4であり、さらに典型的には2又は3であり、
rは4〜約50の数である);
(IX)(2)構造(IX)に従う有機リン化合物の塩:並びに
(IX)(3) (IX)(1)及び(IX)(2)の、2種又は3種以上の、化合物及び/又は塩を含む混合物)。
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(VI)に従う2価基であり、
12基が縮合して、それらが結合している炭素原子を含む、(C6〜C8)炭化水素環を形成し、
各R13は、Hであり、
p’は、2又は3であり、
uは、2であり、
vは、1であり、
r’は、1〜25の数であり、
t’は、1〜25の数であり、
数(v+r’)×t’の積は、約100以下であり、そして
mは、1〜5の整数である。
構造(II)に従う有機リン化合物の実施形態の一つでは、
6、R8及び各R7は、それぞれ、Hであり、
4及びR5は、それぞれ、存在せず、
各R3は、独立して、構造(VII)に従う2価基であり、
20は、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであり、
22は、H、アルキル、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキルであり、
23及びR21は、それぞれ独立して、メチレン、ジ(メチレン)又はトリ(メチレン)であり、
wは、1又は2であり、
p’’は、2又は3であり、
r’’は、1〜25の数であり、
t’’は、1〜25の数であり、
数(w+r’’)×t’’の積は、約100以下であり、そして
mは、1〜5の整数である。
実施形態の一つでは、上記有機リン化合物は、構造(III)に従い、各R3は、構造(V)に従う2価基であり、そしてs=0及びt=1であり、R4及びR5は、それぞれ、存在せず、そしてR6、R7及びR8は、それぞれ、Hである。
実施形態の一つでは、上記有機リン化合物は、構造(IV)に従い、R3及びR5は、それぞれ、構造(V)に従い、そしてs=0及びt=1であり、そしてR6及びR8は、それぞれ、Hである。
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物を含む。
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、直鎖の分子の形の構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物、例えば、構造(II)に従う分子を、構造(IV)に従う分子と縮合することにより形成された、次の構造(X):
Figure 0005774307
(式中、R4,R7,p,rは、それぞれ、上述の通りである)
に従う直鎖の縮合反応生成物を含む。
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、架橋された網目の形の、構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物を含む。
例示的な架橋された縮合反応生成物網目の一部を、次の構造(XI):
Figure 0005774307
(式中、
1、R2、R4、R5、R6、R7、R8及びmは、それぞれ、上述の通りであり、そして
各R3’は、独立して、構造(I)に従う化合物のR3基の残差であり、R3基は、アルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)部分の1つ又は2つ以上の炭素原子上に、ヒドロキシル−、ヒドロキシアルキル−、ヒドロキシアルキレンオキシ−又はヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)−により置換されたアルキレンオキシ又はポリ(アルキレンオキシ)部分であり、そして−R3’−R4−及び−R3’−R5−は、それぞれ、R3基と、構造(I)に従う化合物の別の分子の−R3’−R5−又はR8−R5−基との縮合により形成された結合を表す)
により具体的に説明される。
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、構造(I)に従う2つ又は3つ以上の分子の縮合反応生成物を含み、そして当該縮合反応生成物は、共有結合的に架橋された有機リン網目を形成する。典型的には、上記共有結合的に架橋された有機リン網目の水中の溶解性は、構造(I)に従う有機リン化合物より低く、さらに典型的には、上記共有結合的に架橋された有機リン網目は、水に実質的に不溶である。
本明細書において、用語「塩」は、無機塩基又は有機塩基と、無機酸又は有機酸とを含む、塩基及び酸から調製された塩を指す。
実施形態の一つでは、有機リン材料(b)(I)は、構造(I)に従う有機リン化合物に由来するアニオン(例えば、ヒドロキシル又はヒドロキシアルキル置換基の脱プロトン化)と、塩基に由来する1又は2以上の正に帯電した対イオンとを含む塩の状態にある。
好適な正に帯電した対イオンは、無機カチオン及び有機カチオン、例えば、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、銅カチオン、亜鉛カチオン、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、並びに第1級、第2級及び第3級アミンに由来するカチオン、及び置換されたアミンを含む。
実施形態の一つでは、上記カチオンは、一価のカチオン、例えば、Na+又はK+である。
実施形態の一つでは、上記カチオンは、多価のカチオン、例えば、Ca+2,Mg+2,Zn+2,Mn+2,Cu+2,Al+3,Fe+2,Fe+3,Ti+4,Zr+4であり、上記ケースでは、上記有機リン化合物は、上記有機リン化合物及び上記多価のカチオンから形成された「塩錯体」の状態であることができる。1分子あたり、2又は3以上のアニオン性位置、例えば、脱プロトン化ヒドロキシル置換基を有する有機リン化合物の場合、上記有機リン化合物−多価のカチオン錯体は、イオン的に架橋された網目構造を展開することができる。概して、イオン的に架橋された有機リン網目の水への溶解性は、構造(I)に従う有機リン化合物の溶解性より低く、さらに典型的には、上記イオン的に架橋された有機リン網目は、実質的に水に不溶である。
好適な有機リン化合物は、例えば、米国特許第5,550,274号明細書、同第5,554,781号明細書及び同第6,136,221号明細書に開示される、1分子あたり、それぞれ、2つ又は3つ以上のヒドロキシル基を有する1種又は2種以上の化合物を、リン酸、ポリリン酸及び/又は無水リン酸と反応させることによる、公知の合成方法により製造されうる。
実施形態の一つでは、カチオンが、水不溶性基材上に固定され、水不溶性カチオン性粒子を形成し、そして親水化層が、カチオン性粒子をさらに含む。好適な基材には、無機酸化物粒子、例えば、単一元素の酸化物、例えば、酸化セリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステン、二酸化ケイ素及び酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化インジウム及び酸化スズ、及び上記酸化物の混合物、並びに上記元素の混合物の酸化物、例えば、セリウム−酸化ジルコニウムが含まれる。上記粒子は、動的光散乱又は光学顕微鏡法により測定されるような、約1ナノメートル(「nm」)〜約50マイクロメートル(「μm」)、さらに典型的には約5〜約1000nm、さらに典型的には約10〜約800nm、そしてさらに典型的には約20〜約500nmの平均粒径(「D50」)を示すことができる。実施形態の一つでは、アルミニウムカチオンが、シリカ粒子上に固定される。
[ビニルアルコール材料]
実施形態の一つでは、上記硬質表面清浄剤、及び上記親水化層は、上述のビニルアルコール材料(b)(II)をさらに含む。改良された水への溶解性及び改良された加工性を提示する実施形態の一つでは、上記ビニルアルコール材料(b)(II)は、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー(「ビニルアルコールポリマー」)を含む。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、約10,000以上、さらに典型的には約10,000〜約100,000、さらに典型的には約10,000〜約30,000の重量平均分子量を示す。改良された耐久性を提示する別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、約100,000以上、さらに典型的には約100,000〜約200,000の重量平均分子量を示す。
加工性及び耐久性の間の均衡を提示する別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、約50,000以上、さらに典型的には約50,000〜約150,000、さらに典型的には約80,000〜約120,000の重量平均分子量を示す。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、ビニルエステルモノマー、例えば、ビニルアセテートを重合して、炭化水素主鎖及びエステル置換基を有する、ビニルアセテートに由来するモノマー単位を含むポリマー、例えば、ポリ(ビニルアセテート)ホモポリマー又はコポリマーを生成し、次いで、上記ポリマーのエステル置換基の少なくとも一部を加水分解して、構造(I−a)に従うヒドロキシ置換されたモノマー単位を形成することにより製造される。改良された水への溶解性と、改良された加工性とを提供する実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、約88%以上、さらに典型的には約88%〜約95%の加水分解度を示す。本明細書において、炭化水素主鎖及びエステル置換基を当初に有するポリマーを加水分解することにより製造されるビニルアルコールポリマーに関して、用語「加水分解度」は、ヒドロキシ−置換モノマー単位を生成するために加水分解された、ビニルエステル−置換モノマー単位のパーセンテージとして表現した相対量を意味する。水への改良された溶解性と、改良された耐久性とを提示する別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、約99%以上の加水分解度を示す。水への溶解性及び耐久性の間の折衷案を提供するさらに別の実施形態では、上記ポリマーは、約92〜約99%の加水分解度を示す。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、線状ポリマー構造を有する。別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、分岐ポリマー構造を有する。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従うモノマー単位から単に成るビニルアルコールホモポリマーである。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従う構造を有するモノマー単位を含み、そして構造(I−a)以外の構造を有するコモノマー単位をさらに含むビニルアルコールコポリマーである。実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、(I−a)に従うヒドロキシ−置換モノマー単位と、エステル置換されたモノマー単位とを含むコポリマーであり、そしてビニルエステルホモポリマーの不完全な加水分解により製造される。
実施形態の一つでは、ビニルアルコールコポリマーは、約50モル%(「mol%」)以上、さらに典型的には約80mol%以上の、構造(I−a)に従うモノマー単位と、約50mol%未満、さらに典型的には約20mol%未満の、構造(I−a)以外の構造を有するコモノマー単位とを含む。
上述のように、構造(I−a)に従うモノマー単位を有するビニルアルコールポリマーは、ビニルエステルモノマーの重合と、上記ポリマーのビニルエステル−置換モノマー単位の次の加水分解とに由来するのが典型的である。好適なビニルアルコールコポリマーは、上記ビニルエステルモノマーを、上記ビニルエステルモノマーと共重合性であるエチレン系不飽和モノマー、例えば、他のビニルモノマー、アリルモノマー、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルモノマー、メタクリル酸エステルモノマー、アクリルアミドモノマーと共重合し、次いで、エステル−置換モノマー単位の少なくとも一部を加水分解して、構造(I−a)に従うヒドロキシ−置換モノマー単位を形成することに由来するのが典型的である。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含み、そして構造(I−a)に従うモノマー以外の親水性モノマー単位をさらに含む。本明細書において、用語「親水性モノマー単位」は、上記モノマー単位のホモポリマーが、25℃において、1重量%のホモポリマー濃度で、水に可溶であり、そして下記に由来するモノマー単位等を含むものである:例えば、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル−アクリルアミド、アルコキシル化(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)−モノメタクリレート及びポリ(エチレングリコール)−モノメチルエーテルメタクリレート、ヒドロキシ(C1〜C4)アクリルアミド及びメタクリルアミド、ヒドロキシル(C1〜C4)アルキルビニルエーテル、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−及び4−ビニルピリジン、計3〜5個の炭素原子を有するエチレン系の不飽和カルボン酸、アミノ(C1〜C4)アルキル、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル、及びジ(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含み、そして疎水性のモノマー単位をさらに含む。本明細書において、用語「疎水性モノマー単位」は、上記モノマー単位のホモポリマーが、25℃において、1重量%のホモポリマー濃度で、水に不溶であり、そして下記に由来するモノマー単位等を含むものである:(C1〜C18)アルキル及び(C5〜C18)シクロアルキル(メタ)アクリレート、(C5〜C18)アルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニル(C1〜C18)アルカノエート、(C2〜C18)アルケン、(C2〜C18)ハロアルケン、スチレン、(C1〜C6)アルキルスチレン、(C4〜C12)アルキルビニルエーテル、フッ素化(C2〜C10)アルキル(メタ)アクリレート、(C3〜C12)パーフルオロアルキルエチルチオカルボニルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルオキシアルキルシロキサン、N−ビニルカルバゾール、(C1〜C12)アルキルマレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びメサコン酸エステル、ビニルアセテート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、パーフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサ−フルオロイソプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリストリメチルシリルオキシシリルプロピルメタクリレート、及び3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン。
本明細書において、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート、又はアクリレート及びメタクリレートを意味し、そして用語「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド、メタクリルアミド、又はアクリルアミド及びメタクリルアミドを意味する。
実施形態の一つでは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマーは、ランダムコポリマーである。別の実施形態では、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むコポリマーは、ブロックコポリマーである。
好適なビニルアルコールポリマーを製造するための方法は、当業界に公知である。実施形態の一つでは、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマーは、公知のラジカル重合方法により、少なくとも1種のビニルエステルモノマー、例えば、ビニルアセテートを含む1種又は2種以上のエチレン系の不飽和モノマーを重合し、続いて、上記ポリマーのビニルエステルモノマー単位の少なくとも一部を加水分解して、所望の加水分解度を有するポリマーを製造することにより製造される。別の実施形態では、構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマーは、公知の制御されたラジカル重合技法、例えば、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT,reversible addition fragmentation transfer)、ザンテートの交換を経由した高分子設計(MADIX,macromolecule design via interchange of xanthates)、又は原子移動可逆重合(ATRP,atom transfer reversible polymerization)により製造されたコポリマーである。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコールポリマーは、典型的には、脂肪族アルコール反応媒体内で、公知の溶液重合技法により製造される。
別の実施形態では、上記ビニルアルコールポリマーは、水性反応媒体内で、1種又は2種以上の界面活性剤の存在下で、エマルション重合技法により製造される。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコール材料は、ビニルアルコールポリマーの分子を架橋することにより製造されるミクロゲルを含む。
実施形態の一つでは、上記ビニルアルコール材料は、ビニルアルコールポリマーの塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩を含む。
実施形態の一つでは、親水化層は、1種又は2種以上のポリ(ビニルアルコール)ポリマーを含む。ポリ(ビニルアルコール)ポリマーは、ポリ(ビニルアセテート)の加水分解により、商業的に製造されている。実施形態の一つでは、上記ポリ(ビニルアルコール)は、約10,000以上(約200以上の重合度におおむね相当する)、さらに典型的には約20,000〜約200,000(約400〜約4000の重合度におおむね相当する)の分子量を有し、用語「重合度」は、上記ポリ(ビニルアルコール)ポリマー内のビニルアルコール単位の数を意味する。実施形態の一つでは、上記ポリ(ビニルアルコール)は、約50%以上、さらに典型的には約88%以上の加水分解度を有する。
実施形態の一つでは、上記親水化層は、有機リン材料(b)(I)と、所望によるビニルアルコール材料(b)(II)とを含む。
例えば、これらの成分の可能性のある重量比は、上記親水化層100pbwに基づいて、次の通りである:
0pbw超〜100pbw未満、若しくは約0.1pbw〜約99.9pbw、又は約1pbw〜約99pbwの有機リン材料(b)(I)、及び
所望による、0pbw超〜100pbw未満、若しくは約0.1pbw〜約99.9pbw、又は約1pbw〜約99pbwのビニルアルコール材料(b)(II)。
[液状キャリア]
実施形態の一つでは、本発明の処理組成物は、有機リン材料(b)(I)、及び所望によるビニルアルコール材料(b)(II)、並びに液状キャリアを含む。例えば、実施形態の一つでは、本発明の処理組成物は、有機リン材料(b)(I)及び液状キャリアを含む。
実施形態の一つでは、上記液状キャリアは、水を含む水性キャリアであり、そして処理溶液は、上記有機リン材料及び添加剤の溶液、エマルション、又は分散液の状態にある。実施形態の一つでは、上記液状キャリアは、水及び水混和性有機液体を含む。好適な水混和性有機液体には、飽和又は不飽和の一価アルコール及び多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、セチルアルコール、ベンジルアルコール、オレイルアルコール、2−ブトキシエタノール及びエチレングリコール、並びにアルキルエーテルジオール、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテルが含まれる。
実施形態の一つでは、上記処理組成物は、上記組成物100重量部に基づいて(「pbw」)、下記を含む;
約0.1〜約20pbw、又は約1〜約5pbwの有機リン材料:及び
約80〜99pbw、さらに典型的には、約90〜約98pbwの液状キャリア。
実施形態の一つでは、上記処理組成物は、上記組成物100重量部(「pbw」)に基づいて、約0.01〜約10pbw、又は約0.1〜約5pbwのコロイド状の無機粒子をさらに含む。
実施形態の一つでは、上記処理組成物は、上記組成物100重量部(「pbw」)に基づいて、約0.01〜約2pbw、又は約0.1〜約0.5pbwのポリ(ビニルアルコール)をさらに含む。
実施形態の一つでは、上記処理組成物は、上記組成物100重量部(「pbw」)に基づいて、約0.0001〜約1pbw、又は約0.001〜約0.1pbwの多価カチオン性粒子をさらに含む。
実施形態の一つでは、本発明の処理組成物は、有機リン材料(b)(I)及びビニルアルコール材料(b)(II)、並びに液状キャリアを含む。
実施形態の一つでは、上記処理組成物は、上記組成物100重量部に基づいて(「pbw」)、下記を含む;
約0.1〜約20pbw、又は約1〜約5pbwの有機リン材料(b)(I);
約0.1〜約20pbw、又は約1〜約5pbwのビニルアルコール材料(b)(II):及び
約80〜99pbw、又は約90〜約98pbwの液状キャリア。
上記処理組成物は、所望により、上記組成物100pbw重量部に基づいて(「pbw」)、最大約10pbwの他の成分、例えば、塩、糖、界面活性剤及びレオロジー調整剤をさらに含むことができる。好適な塩には、例えば、NaCl、KCl、NH3Cl、N(C253Clが含まれる。好適な糖には、単糖及び多糖類、例えば、グルコース又はグアールガムが含まれる。好適なレオロジー調整剤には、例えば、アルカリ膨潤性ポリマー、例えば、アクリル酸ポリマー、水素結合性レオロジー調整剤(hydrophobic associative thickner)、例えば、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、並びに疎水性の結合性増粘剤、例えば、疎水的に改質されたセルロース誘導体及び疎水的に改質されたアルコキシル化ウレタンポリマーが含まれる。
実施形態の一つでは、上記親水化層は、基材の疎水性表面を、上記有機リン材料及び液状キャリアを含む処理溶液と接触させ、次いで上記液状キャリアを除去することにより、上記基材の疎水性表面の少なくとも一部に堆積される。実施形態の一つでは、上記液状キャリアは、揮発性の液状キャリアであり、そして上記キャリアは、上記キャリアを蒸発させることにより取り除かれる。
基材の疎水性表面は、好都合な方法、例えば、上記基材を上記処理組成物中に浸漬する、あるいははけ塗り又はスプレーにより、上記基材の表面に上記処理組成物を適用することにより、上記処理組成物と接触させることができる。
実施形態の一つでは、親水化層は、上記硬質表面を、上記処理組成物で処理することにより、上記硬質表面の疎水性表面に堆積される。
実施形態の一つでは、上記親水化層は、上記基材の硬質表面の少なくとも一部に配置された一定量の親水化層を残すように、上記基材を、上記有機リン材料及び水性キャリアを含む水性処理組成物に浸漬し、次いで、蒸発により水性キャリアを除去することにより、上記基材の少なくとも一部に堆積される。
実施形態の一つでは、表面積1平方メートルあたり、典型的には約0.0001g〜約10gの親水化層の量で、上記基材の疎水性表面の少なくとも一部に配置された親水化層が、上記表面の一部の疎水性を減少させるために有効である。
実施形態の一つでは、本発明の親水化(hydrophilized)表面は、表面積1平方メートルあたり、約0.017〜約17、又は約0.17〜約3gの親水化層を含む。
実施形態の一つでは、本発明の親水化基材は、疎水性表面、例えば、疎水性の合成ポリマー表面、例えば、ポリ(オレフィン)と、上記表面の少なくとも一部に、水性媒体を用いた洗浄を容易にするための親水性を上記基材に十分に付与するために有効な量で配置された親水化層とを有する材料である。本明細書において、用語「水性媒体」及び「複数の水性媒体」は、水が主要成分である液状媒体を指すように、本明細書において用いられる。従って、上記用語は、水それ自体、並びに水性溶液及び分散液を含む。
実施形態の一つでは、上記親水化基材は、上記親水化基材が水性媒体と接触した際に、上記有機リン化合物の少なくとも一部が、上記基材の表面に残る意味で耐久性がある。本発明の親水化基材の親水特性の耐久性の一態様は、親水化基材を水中ですすぎ、そしてすすぎ水の表面張力を測定することにより評価されうる。硬質表面ではないが、この作用は、親水化繊維基材を試験することにより実証されており、そこでは、Wilhemyプレート(Kruss Instruments)を用いて、米国材料試験協会試験番号ASTM 1331に従って測定されるように、すすぎ水が約20〜約70(mN/m)、さらに好ましくは約25〜約70mN/mの表面張力を示す。
例えば、上記布帛を、次の手順に従ってすすぐ;
(a)親水化布帛の20×18cm試料を、0.909重量%NaCl水性溶液40mLの中に入れる;
(b)次いで、上記布帛を、上記溶液内で、10秒間撹拌する;
(c)次いで、上記布帛を、撹拌なしで、5分間静置する;
(d)次いで、上記布帛を、上記溶液内で、10秒間撹拌する;
(e)次いで、上記布帛を、上記溶液から取り出す:そして
(f)次いで、表面張力の測定を行う前に、10分間、上記溶液を静置する。
本発明の高い親水性の親水化基材の一態様を、繊維上の「通り抜け(strikethrough)」試験により評価することができる。硬質表面ではないが、親水化布帛は、欧州ディスポーザブル及び不織布協会(European Disposable and Nonwovens association)試験番号EDANA 150.3−96に従って測定されるような、約10秒未満、さらに好ましくは約2〜約5秒、そしてさらに好ましくは約2〜約4秒の通り抜け時間を示す。
上記通り抜け時間は、次の手順に従って測定することができる;
(a)親水化繊維の12×12cm試料を、積み重ねた10枚のろ紙(ERT−FF3)の頂部の上且つ50mLの分液漏斗の下に置く;
(b)次いで、ろ紙の積み重ねの頂部の上と、処理された布帛の下とに、導電性電極を置く;
(c)0.909重量%NaCl水溶液の5mLのアリコートを、ビュレットから、上記漏斗に供給し(ガッシュ)、そして液体が上記布帛に接触した瞬間から、全ての液体がろ紙の積み重ね内に消失するまでの時間(通り抜け時間)を測定する;
(d)所望により、同一の布帛試料及びろ紙の積み重ねを用いて、ステップ(c)を複数回繰り返し、そして各ガッシュにおいて通り抜け時間を記録する。
[界面活性剤]
本発明に従う清浄又はすすぎ組成物は、少なくとも1種の界面活性剤をさらに含む。後者は、非イオン性、アニオン性、両性、双極性又はカチオン性であることができる。
[アニオン性界面活性剤]
本発明において用いるために典型的なアニオン性界面活性剤は、例えば、下記である。
次の式のアルキルエステルスルホネート:
R−CH(SO3M)−COOR’
(式中、Rは、C8〜C20、好ましくはC10〜C16のアルキル基を表し、R’は、C1〜C6、好ましくはC1〜C3のアルキル基を表し、そしてMは、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)カチオン、置換された若しくは未置換のアンモニウム(メチル−、ジメチル−、トリメチル−又はテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)カチオン、又はアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)に由来するカチオンを表す)。R基がC14〜C16基であるメチルエステルスルホネートに特に言及することができる。
次の式のアルキルスルフェート:
ROSO3
(式中、Rは、C5〜C24、好ましくはC10〜C18のアルキル又はヒドロキシアルキル基を表し、Mは、水素原子又は上記と同一の定義を有するカチオンを表わし、そしてそれらのエトキシ化(EO)及び/又はプロポキシ化(PO)誘導体は、0.5〜30、好ましくは0.5〜10のEO及び/又はPO単位の平均値を有する)。
次の式のアルキルアミドスルフェート:
RCONHR’OSO3
(式中、RはC2〜C22、好ましくはC6〜C20のアルキル基を表し、R’はC2〜C3のアルキル基を表し、Mは水素原子又は上記と同一の定義を有するカチオンを表わし、そしてそれらのエトキシ化(EO)及び/又はプロポキシ化(PO)誘導体は、0.5〜60のEO及び/又はPO単位の平均値を有する)。
8〜C24、好ましくはC14〜C20の飽和又は不飽和脂肪酸の塩、C9〜C20のアルキルベンゼンスルホネート、1級又は2級のC8〜C22のアルキルスルホネート、アルキルグリセロールスルホネート、スルホン化ポリカルボン酸(英国特許出願公開第1,082,179号明細書に開示される)、パラフィンスルホネート、N−アシル−N−アルキルタウレート、イセチオネート、アルキルスクシナメート、アルキルスルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル又はジエステル、N−アシルサルコシネート(sarcosinate)、アルキルグリコシドスルフェート又はポリエトキシカルボキシレート;上記カチオンは、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)、置換された若しくは未置換のアンモニウム残差(メチル−、ジメチル−、トリメチル−又はテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)、又はアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)に由来する残差である。
アルキルホスフェート、又はアルキル若しくはアルキルアリールホスフェートエステル、例えば、Rhodiaから市販される、Rhodafac RA600、Rhodafac PA15又はRhodafac PA23;上記カチオンは、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)、置換された又は未置換のアンモニウム(メチル、ジメチル、トリメチル又はテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム等)残差、又はアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)に由来する残差である。
[非イオン性界面活性剤]
非イオン性界面活性剤は、米国特許第4,287,080号明細書及び同第4,470,923号明細書に記載されている。特に、アルキレンオキシド、特に、エチレンオキシド及び所望によるプロピレンオキシドと、アルコール、ポリオール、アルキルフェノール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド及び脂肪アミンとの縮合物;アミンオキシド;糖誘導体、例えば、アルキルポリグリコシド、又は脂肪酸及び糖のエステル、特に、サッカロースモノパルミテート;長鎖(8〜28個の炭素原子)の第3級ホスフィンオキシド;ジアルキルスルホキシド;ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマー;ソルビタンのポリアルコキシル化エステル;ソルビタンの脂肪エステル;疎水性の性質(例えば、10〜18個の炭素原子を含む脂肪酸モノ及びジエタノールアミド)を付与するように変性された脂肪酸アミド及びポリ(エチレンオキシド)。
本発明で用いるための、典型的な非イオン性界面活性剤は、例えば、下記である;
2〜50のオキシアルキレン(オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン)単位を含むポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)C6〜C24の脂肪族カルボン酸、特に12個(平均)の炭素原子又は18個(平均)の炭素原子を有するもの;
2〜50のオキシアルキレン(オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン)単位を含むポリオキシアルキレン化(polyoxyalkylenated)C8〜C18の脂肪族アルコール、特に12個(平均)の炭素原子又は18個(平均)の炭素原子を有するもの;RhodiaからのAntarox B12DF,Antarox FM33,Antarox FM63及びAntarox V74、BASFからのPlurafac LF 400及びPlurafac LF 220、RhodiaからのRhodasurf ID 060,Rhodasurf ID 070及びRhodasurf LA 42、並びにICIからのSynperonic A5,A7及びA9に言及することができる;
アミンオキシド、例えば、ドデシルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド;
ホスフィンオキシド、例えば、テトラデシルジメチルホスフィンオキシド。
[両性界面活性剤]
本発明で用いるために典型的な両性界面活性剤は、例えば、下記である;
イミノジプロピオン酸ナトリウム又はアルキルイミノプロピオネート、例えば、MIRATAINE H2C HA及びMIRATAINE JC HA(Rhodia);
アルキルアンホアセテート(alkyl amphoacetate)又はアルキルジアンホジアセテート、当該アルキル基は、6〜20個の炭素原子を含む、例えば、MIRANOL C2M Conc NP(Rhodiaから市販される);
両性アルキルポリアミン誘導体、例えば、Amphionic XL(商標)(Rhodiaから市販される)、及びAmpholac 7T/X(商標)及びAmpholac 7C/X(商標)(Berol Nobelから市販される)。
[双極性界面活性剤]
本発明で用いるために典型的な双極性界面活性剤は、例えば、米国特許第5,108,660号明細書に開示されている。
複数の好適な双極性界面活性剤は、アルキルジメチルベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルベタイン、アルキルジメチルスルホベタイン又はアルキルアミドプロピルジメチルスルホベタイン、例えば、MIRATAINE JCHA,MIRATAINE H2CHA又はMIRATAINE CBS(Rhodiaから市販される)、又はSherex Companyから、「Varion CADG Betaine」及び「Varion CAS Sulfobetaine」の名称で市販される同一種、あるいは脂肪酸及びたんぱく質加水分解物の縮合生成物である。
他の双極性界面活性剤はまた、米国特許第4,287,080号明細書及び同第4,557,853号明細書に開示されている。
別の双極性界面活性剤は、ベタイン、例えば、米国特許出願公開第2006/0217286号明細書(参照により、その全体を本明細書に援用する)に開示されるものである。
[カチオン性界面活性剤]
本発明で用いるために典型的なカチオン性界面活性剤は、次の第4級アンモニウム塩のものを含む:
1234+-
(式中、
1、R2及びR3は、同一又は異なり、H、又は1個若しくは2個以上のヒドロキシル官能基により所望により置換されている、4個未満の炭素原子、好ましくは1個又は2個の炭素原子を含むアルキル基を表すか、あるいは窒素原子N+と共に、少なくとも1個の芳香環又は複素環を形成することができ;
4は、C8〜C22、好ましくはC12〜C22のアルキル若しくはアルケニル基、又はアリール若しくはベンジル基を表し;そして
-は、溶解したアニオン、例えば、ハライド(例えば、クロリド、ブロミド又はヨージド)、スルフェート若しくはアルキルスルフェート(メチルスルフェート)、カルボキシレート(アセテート、プロピオネート又はベンゾエート)、アルキルスルホネート、又はアリールスルホネートである。ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルピリジニウムクロリド、Rhodaquat(商標)TFR及びRhodamine(商標)C15(Rhodiaから市販される)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CognisからのDehyquart ACA及び/又はAOR)又はココビス(2−ヒドロキシエチル)エチルアンモニウムクロリド(Akzo NobelからのEthoquad C12)に言及することができる。
他のカチオン性界面活性剤、例えば、次の式:
1’R2’R3’R4’N+-
(式中、
1’及びR2’は、同一又は異なり、H、又は1個若しくは2個以上のヒドロキシル官能基により所望により置換されている、4個未満の炭素原子、好ましくは1個又は2個の炭素原子を含むアルキル基を表すか、あるいは窒素原子N+と共に、複素環を形成することができ
3’及びR4’は、C8〜C22、好ましくはC10〜C22のアルキル若しくはアルケニル基、又はアリール若しくはベンジル基を表し;そして
-は、アニオン、例えば、ハライド(例えば、クロリド、ブロミド又はヨージド)、スルフェート若しくはアルキルスルフェート(メチルスルフェート)、カルボキシレート(アセテート、プロピオネート又はベンゾエート)、アルキルスルホネート、又はアリールスルホネートである)
の第4級アンモニウム塩に言及することができる。
特に下記に言及することができる;
ジアルキル(alky)ジメチルアンモニウムクロリド、例えば、ジタロージメチルアンモニウムクロリド(ditallowdimethylammonium chloride)又はメチルスルフェート等、又はアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド;
(C10〜C25)のアルキルイミダゾリウム塩、例えば、(C10〜C25)アルキルイミダゾリニウムメチルスルフェート:
置換されたポリアミンの塩、例えば、N−タロー−N,N’,N’−トリエタノール−1,3−プロピレンジアミンジクロリド又はジ(メチルスルフェート)又はN−タロー−N,N,N’,N’,N’−ペンタメチル−1,3−プロピレンジアミンジクロリド。
適切な界面活性剤の追加の例は、周知のハンドブック、Schwartz及びPerryによる「Surface Active Agents」,volume I、並びにSchwartz,Perry及びBerchによる「Surface Active Agents and Detergents」,volume IIに表される、界面活性剤として一般的に用いられる化合物である。
上記界面活性剤は、本発明の組成物の0.005〜60重量%、特に0.5〜40重量%を表す。
有利には、有機ホスフェートエステル(II)(1)/一又は複数の界面活性剤の重量比は、1/1〜1/1000、有利には1/2〜1/200である。
[追加の添加剤]
本発明に従う清浄又はすすぎ組成物は、硬質表面を清浄又はすすぐ場合に存在する一般的な添加剤から特に選択される少なくとも1種の他の添加剤をさらに含むことができる。
複数の可能性がある追加の添加剤に言及することができる。
キレート剤、特に、水溶性アミノホスホネート及び有機系ホスホネート種に属するもの、例えば、下記;
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート;
アミノトリ(メチレンジホスホネート);
ビニルジホスホネート;
ビニルホスホン酸又はビニルジホスホン酸のオリゴマー又はポリマーの塩
ビニルホスホン酸又はビニルジホスホン酸、及びアクリル酸及び/又は無水マレイン酸及び/又はビニルスルホン酸及び/又はアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸のランダムコオリゴマー又はコポリマーの塩;
ホスホン化ポリカルボン酸の塩;
一又は複数のホスホネート末端を含むポリアクリレート;
ビニルホスホン酸又はビニルジホスホン酸、及びアクリル酸のコテロマー(cotelomer)の塩;
例えば、Briquest(商標)の範囲、又はMIRAPOL A300若しくは400(Rhodia)のもの(清浄組成物の総重量の0〜10%、好ましくは0〜5%の割合)。
[金属イオン封鎖剤又はスケール防止剤]
例えば、下記である;
・ポリカルボン酸又はそれらの水溶性塩、及びカルボキシル酸のポリマー又はコポリマーの水溶性塩、例えば、下記;
ポリカルボキシレート又はヒドロキシポリカルボキシレートエーテル;
ポリ酢酸又はそれらの塩(ニトリロ酢酸、N,N−ジカルボキシメチル−2−アミノペンタン二酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミンテトラアセテート、ニトリロアセテート又はN−(2−ヒドロキシエチル)ニトリロジアセテート);
(C5〜C20のアルキル)コハク酸の塩;
ポリカルボキシル酸のアセタールエステル;
ポリアスパラギン酸又はポリグルタミン酸の塩;
クエン酸、アジピン酸、グルコン酸若しくは酒石酸、又はそれらの塩;
・アクリル酸及び無水マレイン酸のコポリマー、又はアクリル酸ホモポリマー、例えば、Rhodoline DP 226 35(Rhodia)及びSOKALAN CP5(BASF)(上記清浄組成物の総重量の0〜10%の割合);
・スルホン化ポリビニルスチレン又はそれらの、アクリル酸、メタクリル酸等とのコポリマー;
(清浄組成物の総重量の0〜10%の割合)。
[無機系ビルダー(界面活性剤の表面特性を改良する洗浄補助剤)]
無機系ビルダーの種類は、下記である;
・ポリリン酸の、アルカリ金属、アンモニウム又はアルカノールアミン塩、例えば、Rhodiaphos HD7(Rhodiaから市販される)(清浄組成物の総重量の0〜70%の割合);
・ピロリン酸アルカリ金属;
・1〜4程度、好ましくは1.5〜3.5、非常に特に1.7〜2.8の範囲にわたりうるSiO2/M2O比を有するケイ酸アルカリ金属;それらは、非晶質シリケート又はラメラシリケート、例えば、Na2Si25のα,β,γ及びδ相、Clariantから、NaSKS−5,NaSKS−7,NaSKS−11及びNaSKS−6の参照の下で市販される、
・ホウ酸、炭酸、重炭酸又はセスキ炭酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(上記清浄組成物の総重量の最大約50%の範囲にわたりうる量);
・1.5〜3.5程度の範囲にわたりうるSiO2/M2O比を有するケイ酸アルカリ金属水和物と、炭酸アルカリ金属(ナトリウム又はカリウム)との共顆粒;ケイ酸塩に関連する水の、乾燥したケイ酸塩に対する含有量(重量)が、少なくとも33/100である共顆粒に言及することができ、ケイ酸塩の、炭酸塩に対する重量比が、5/95〜45/55、好ましくは15/85〜35/65の範囲であることができ、例えば、欧州特許出願公開第488 868号明細書及び同第561 656号明細書に開示され、例えば、Nabion 15(Rhodiaから市販される)である;
(ビルダーの総量は、上記清浄又はすすぎ組成物の総重量の最大90%を表すことができる)。
[漂白剤]
アセチル化漂白活性剤と併用されても、又は併用されなくてもよい、過ホウ酸塩又は過炭酸塩種(例えば、N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、又はクロロイソシアヌレートの塩素化生成物種、又は次亜塩素酸アルカリ金属の塩素化生成物種、又は過酸化水素水溶液(上記清浄組成物の総重量の0〜30%の割合).
[フィラー]
上記組成物の総重量の0〜50%の割合における、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、カオリン又はシリカ種のフィラー.
[漂白触媒]
遷移金属、特に、鉄、マンガン及びコバルト錯体を含む漂白触媒、例えば、米国特許第4,728,455号明細書,同第5,114,606号明細書,同第5,280,117号明細書、欧州特許出願第909 809号明細書、米国特許第5,559,261号明細書、国際公開第96/23859号パンフレット,同第96/23860号パンフレット及び同第96/23861号パンフレットに開示される、種[MnIV 2(μ−O)3(Me3TACN)2](PF62、[FeII(MeN4py)(MeCN)](ClO42,[(CoIII)(NH35(OAc)](OAc)2のもの(上記清浄組成物の総重量0〜5%の割合)
[pHに作用する薬剤]
清浄又はすすぎ媒体に可溶である、上記組成物のpHに作用する薬剤は、特に、下記である;
・塩基性化添加剤(リン酸、炭酸、過ホウ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ金属水酸化物);又は
・所望による、清浄性の酸性化添加剤、例えば、無機酸(リン酸、ポリリン酸、スルファミド酸、塩化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸又はクロム酸)、カルボキン酸又はポリカルボン酸(酢酸、ヒドロキシ酢酸、アジピン酸、クエン酸、蟻酸、フマル酸、グルコン酸、グルタル酸、グリコール酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、マロン酸、シュウ酸、コハク酸及び酒石酸)、又は酸の塩、例えば、重硫酸ナトリウム又は重炭酸及びセスキ炭酸のアルカリ金属塩。
[混合物の粘度及び/又は泡の安定性を制御するために用いられるポリマー]
混合物の粘度及び/又は使用の際に形成する泡の安定性を制御するために用いられるポリマー、例えば、セルロース誘導体又はグアール誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアール、カルボキシメチルグアール、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアール等)、キサンタンガム、サクシノグリカン(Rheozan(商標)、Rhodiaから市販される)、ローカストビーンガム又はカラギーナン(上記清浄組成物の総重量0〜2%の割合).
[ヒドロトロープ剤]
ヒドロトロープ剤、例えば、短鎖のC2〜C8のアルコール、特にエタノール、ジオール及びグリコール、例えば、ジエチレングリコール又はジプロピレングリコール、キシレンスルホン酸ナトリウム又はナフタレンスルホン酸ナトリウム(上記清浄組成物100gあたり、0〜10gの割合).
[湿潤剤及び保湿剤]
肌用の湿潤剤及び保湿剤、例えば、グリセロール若しくはウレア、又は肌を保護するための薬剤、例えば、たんぱく質又はたんぱく質加水分解物、植物性油脂、例えば、大豆油、あるいはカチオン性ポリマー、例えば、カチオン性グアール誘導体(Jaguar C13S(商標)、Jaguar C162(商標)又はHicare 1000(商標)、Rhodiaから市販される)(上記清浄組成物の総重量の0〜40%の割合).
[殺生剤又は殺菌剤]
例えば、下記の殺生剤又は殺菌剤;
1.例えば、下記のカチオン性殺生剤;
1−1.例えば、下記のモノ(第4級アンモニウム)塩;
1−1−1.ココアルキルベンジルジメチルアンモニウム、(C12〜C14のアルキル)ベンジルジメチルアンモニウム、ココアルキルジクロロベンジルジメチルアンモニウム、テトラデシルベンジルジメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム又はジオクチルジメチルアンモニウムクロリド;
1−1−2.ミリスチルトリメチルアンモニウム又はセチルトリメチルアンモニウムブロミド;
1−2.モノ4級複素環式アミン塩、例えば、ラウリルピリジニウム、セチルピリジニウム又は(C12〜C14のアルキル)ベンジルイミダゾリウムクロリド;
1−3.(脂肪アルキル)トリフェニルホスホニウム塩、例えば、ミリスチルトリフェニルホスホニウムブロミド;
1−4.ポリマー殺生剤、例えば、下記の反応に由来するもの;
エピクロロヒドリンと、ジメチルアミン又はジエチルアミンとの反応;
エピクロロヒドリンと、イミダゾールとの反応;
1,3−ジクロロ−2−プロパノールと、ジメチルアミンとの反応;
1,3−ジクロロ−2−プロパノールと、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノールとの反応;
エチレンジクロリドと、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノールとの反応;
ビス(2−クロロエチル)エーテルと、N,N’−ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア又はチオウレアとの反応;
ビグアニジンポリマー塩酸塩、例えば、VANTOCIL IB;
2.両性殺生剤、例えば、N−[N’−(C8〜C18のアルキル)−3−アミノプロピル]グリシン、N−{N’−[N’’−(C8〜C18のアルキル)−2−アミノエチル]−2−アミノエチル}グリシン又はN,N−ビス[N’−(C8〜C18のアルキル)−2−アミノエチル]グリシン誘導体、例えば、(ドデシル)(アミノプロピル)グリシン又は(ドデシル)(ジエチレンジアミン)グリシン;
3.アミン、例えば、N−(3−アミノプロピル)−N−ドデシル−1,3−プロパンジアミン;
4.ハロゲン化殺生剤、例えば、ヨウ素担体及び次亜塩素酸塩、例えば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム;
5.フェノール系殺生剤、例えば、フェノール、レソルシノール、クレゾール又はサリチル酸;
6.疎水性殺生剤、例えば、下記;
para−クロロ−メタ−キシレノール又はジクロロ−メタ−キシレノール;
4−クロロ−m−クレゾール;
レソルシノールモノアセテート;
モノ若しくはポリアルキル又はアリールフェノール、クレゾール又はレソルシノール、例えば、o−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、又は6−(n−アミル)−n−クレゾール;
アルキル及び/又はアリールクロロ−又はブロモフェノール、例えば、o−ベンジル−p−クロロフェノール;
ハロゲン化ジフェニルエーテル、例えば、2’,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)又は2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジブロモジフェニルエーテル;
クロルフェネシン(p−クロロフェニルグリセリルエーテル);
(上記清浄組成物の総重量の0〜50%の割合).
[良好な清浄及び脱脂活性を有する溶媒]
例えば、下記の良好な清浄及び脱脂活性を有する溶媒;
オクチルベンゼンのアルキルベンゼン種;
少なくとも100℃の沸点を有するオレフィン、例えば、α−オレフィン、好ましくは1−デセン又は1−ドデセン;
次の一般式のグリコールエーテル:
R1O(R2O)m
(式中、R1は3〜8個の炭素を示すアルキル基であり、そして各R2は、エチレン又はプロピレンのどちらかであり、そしてmは、1〜3に変化する数である);モノプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、モノプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、モノエチレングリコールモノヘキシルエーテル、モノエチレングリコールモノブチルエーテル、及びそれらの混合物に言及することができる;
それらの分子構造内に6〜16個の炭素原子を示すジオール;ジオールは、それらの脱脂特性に加えて、それらがカルシウム塩(石けん)を除去する手助けをすることができるので特に有利である;8〜12個の炭素原子を含むジオールが好ましく、特に2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい;
他の溶媒、例えば、パイン油、オレンジテルペン、ベンジルアルコール、nヘキサノール、1〜4個の炭素原子を有するアルコールのフタル酸エステル、ブトキシプロパノール、ブチルカルビトール及び1−(2−(n−ブトキシ)−1−メチルエトキシ)プロパン−2−オール、以下としても知られる、ブトキシプロポキシプロパノール又はジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリコールヘキシル(ヘキシルカルビトール)、ブチルトリグリコール、ジオール、例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、及びそれらの混合物:
(上記清浄組成物の総重量の0〜30%の割合).
[工業用洗浄剤]
工業用洗浄剤、例えば、リン酸、炭酸、ケイ酸等のアルカリ金属(ナトリウム又はカリウム種)塩の溶液(上記清浄組成物の総重量の0〜50%の割合).
[清浄作用をほとんど有しない水溶性有機溶媒]
清浄作用をほとんど有しない水溶性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びそれらの混合物(上記清浄組成物の総重量0〜40%の割合).
[共溶媒]
共溶媒、例えば、モノエタノールアミド及び/又はβ−アミノアルカノール、これらは、11超、特に11.7の超のpHを有する組成物に特に有利である。というのは、それらは、硬質表面上の膜及び跡の形成を減少させる手助けをするからである(それらは、上記清浄組成物の0.05〜5重量%の割合で用いられうる);モノエタノールアミド及び/又はβ−アミノアルカノールを含む溶媒が、米国特許第5,108,660号明細書に開示されている.
[消泡剤]
消泡剤、例えば、特に、石けん.
石けんは、脂肪酸のアルカリ金属塩、特に、約8〜24個の炭素原子、そして好ましくは約10〜約20個の炭素原子を含む高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩である;ココナッツ油及び粉砕したウォールナッツ油に由来する脂肪酸の混合物の、モノ、ジ及びトリエタノールアミン、ナトリウム及びカリウム塩に特に言及することができる。石けんの量は、上記組成物の総重量に関して、少なくとも0.005重量%、好ましくは0.5〜2重量%であることができる。泡調整剤の追加の例は、有機溶媒、疎水性シリカ、シリコーンオイル及び炭化水素である。
[研磨剤]
研磨剤、例えば、シリカ又は炭酸カルシウム.
[種々の添加剤]
種々の添加剤、例えば、酵素、シリケート、芳香剤、着色剤、金属の腐食を抑制する薬剤、防腐剤、蛍光増白剤、不透明化剤、又は真珠光沢薬剤等.
本発明の主題を形成する組成物のpH又は上記組成物の使用のpHは、0.5〜14、好ましくは1〜14の範囲にわたることができる。
[アルカリ種の組成物]
家庭用途向けの、7.5以上、好ましくは8.5超のpH(特に、pH8.5〜12、特に、8.5〜11.5)を有するアルカリ種の組成物が、油脂性の汚染物質の除去のための特定の用途であり、そしてキッチンを清浄するために特に好適である。
上記組成物は、それらの0.001〜5重量%、又は0.005〜2重量%の有機リン材料(b)(I)を含むことができるのが典型的である。
上記アルカリ性組成物は、有機リン(b)(I)に加えて、下記から選択される少なくとも1種の添加剤を含むのが一般的である;
金属イオン封鎖剤又はスケール防止剤(上記組成物の0〜40重量%、好ましくは1〜40重量%、又は2〜30重量%若しくは5〜20重量%の範囲にわたる量);
特に、第4級アンモニウム型のカチオン性殺生剤又は殺菌剤、例えば、(N−アルキル)ベンジルジメチルアンモニウムクロリド、(N−アルキル)ジメチル(エチルベンジル)アンモニウムクロリド、N−ジデシルジメチルアンモニウムハライド及びジ(N−アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(上記組成物の0〜60重量%、好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜15重量%、そして特に0〜5重量%の範囲にわたることができる量);
少なくとも1種の、非イオン性、両性、双極性若しくはアニオン性界面活性剤、又はそれらの混合物;カチオン性界面活性剤が存在する場合、上記組成物は、両性及び/又は非イオン性界面活性剤を含むことがさらに好ましい(界面活性剤の総量は、0〜80%、好ましくは0〜50%、特に0〜35%程度の範囲にわたることができる);
所望により、上記組成物を希釈又は溶解させた後、7.5〜13の範囲にわたる使用のpHを得ることができる量における、所望によるpH調整剤;上記pH調整剤は、特に、モノエタノールアミン及び/又はβ−アミノアルカノールを含む緩衝系であることができるが、潜在的には、好ましくは、アンモニア水、C2〜C4のアルカノールアミン、シリケート、ボラート、カーボネート、重炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、及びそれらの混合物から成る群からの「共緩衝剤」であることができ、好ましい共緩衝剤は、アルカリ金属水酸化物である;
0.5〜98重量%、好ましくは25〜95重量%、特に45〜90重量%の水;
上記組成物の0〜60重量%、好ましくは1〜45重量%、特に2〜15重量%を表すことができる量における、清浄又は脱脂用有機溶媒;
上記組成物の0〜10重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に0.05〜5重量%を表すことができる共溶媒、例えば、モノエタノールアミン及び/又はβ−アミノアルカノール;
上記組成物の0〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、特に2〜15重量%をあらわことができる、清浄作用をほとんど有しない溶性有機溶媒;
所望による、漂白剤、芳香剤又は他の一般的な添加剤。
すぐ使用可能な配合物、又は乾燥配合物若しくは特に使用前に水で希釈すべき、濃縮された配合物の形態における上記アルカリ性組成物が提供されうる;それらは、使用前に、1〜10000倍、好ましくは1〜1000倍に希釈されうる。
有利には、キッチンを清浄するための配合物は、下記を含む;
0.001〜1重量%の有機リン化合物(b)(1);
1〜10重量%の水溶性溶媒、特にイソプロパノール;
1〜5重量%の清浄又は脱脂用溶媒、特にブトキシプロパノール;
0.1〜2重量%のモノエタノールアミン;
0〜5重量%の、少なくとも1種の非カチオン性界面活性剤、好ましくは両性又は非イオン性界面活性剤;
0〜1重量%の、少なくとも1種の、殺菌特性を有するカチオン性界面活性剤(特に、(n−アルキル)ジメチル(エチルベンジル)アンモニウムクロリド及び(n−アルキル)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドの混合物);
一又は複数の界面活性剤の総量は、1〜50重量%を表し;
0〜2重量%の、スケール防止剤としてのジカルボン酸;
0〜5%の漂白剤:並びに
70〜98重量%の水。
上記配合物のpHは、典型的には7.5〜13、又は8〜12である。
[酸性型の組成物]
5未満のpHを有する酸性型の組成物は、無機型の汚染物質の除去のための、特定の使用である;それらは、便器の清浄に特に好適である。
上記組成物は、典型的には、それらの0.001〜5重量%、又は0.01〜2重量%の有機リン材料(b)(I)を含む。
上記酸性の組成物は、有機リン材料(b)(I)に加えて、下記を含むのが一般的である;
無機酸又は有機酸系薬剤(上記組成物の0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%、そしてさらに好ましくは0.5〜15重量%の範囲にわたる量);
少なくとも1種の、非イオン性、両性、双極性若しくはアニオン性界面活性剤、又はそれらの混合物(界面活性剤の総量は、上記組成物の0.5〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲にわたることができる);
特に、第4級アンモニウム型の、所望によるカチオン性殺生剤又は殺菌剤、例えば、(N−アルキル)ベンジルジメチルアンモニウムクロリド、(N−アルキル)ジメチル(エチルベンジル)アンモニウムクロリド、N−ジデシルジメチルアンモニウムハライド及びジ(N−アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(上記組成物の0.01〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%程度の範囲にわたることができる量);
所望による増粘剤(上記組成物の0.1〜3重量%の範囲にわたる量);
所望による漂白剤(上記組成物の1〜10重量%の範囲にわたる量);
0.5〜99重量%、好ましくは50〜98重量%の水;
溶媒、例えば、グリコール又はアルコール(上記組成物の0〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲にわたることができる量):
所望による、芳香剤、防腐剤、研磨剤又は他の一般的な添加剤。
上記酸性の組成物は、すぐ使用可能な配合物の形態で提供されることが好ましい。
有利には、便器を清浄するための配合物は、下記を含む;
0.05〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の有機リン材料(b)(I);
上記組成物の最終pHが0.5〜4、好ましくは1〜4になるような量の酸性清浄剤;この量は、上記組成物の重量に対して、一般的には0.1〜約40重量%、そして好ましくは0.5〜約15重量%である;上記酸性薬剤は、特に、無機酸、例えば、リン酸、スルファミド酸、塩化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸又はクロム酸、及びこれらの混合物、有機酸、特に、酢酸、ヒドロキシ酢酸、アジピン酸、クエン酸、蟻酸、フマル酸、グルコン酸、グルタル酸、グリコール酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、マロン酸、シュウ酸、コハク酸又は酒石酸、及びこれらの混合物、あるいは酸性塩、例えば、重硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物であることができる;好ましい量は、用いられる酸性洗浄剤の種類によって決まる;例えば、スルファミン酸を用いる場合、上記量は0.2〜10重量%であり、塩酸を用いる場合には1〜15重量%であり、クエン酸をを用いる場合には2〜15重量%であり、蟻酸を用いる場合には5〜15重量%であり、そしてリン酸を用いる場合には2〜30重量%である;
0.5〜10重量%の少なくとも1種の界面活性剤、好ましくはアニオン性又は非イオン性界面活性剤;
所望による、殺菌特性を有する、0.1〜2重量%の少なくとも1種のカチオン性界面活性剤(特に(n−アルキル)ジメチル(エチルベンジル)アンモニウムクロリド及び(n−アルキル)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドの混合物);
ガム型の、所望による増粘剤(上記組成物の0.1〜3重量%の範囲にわたる量)、特に、キサンタンガム又はサクシノグリカン(RHEOZAN);
所望による漂白剤(上記組成物の1〜10重量%にわたる量);
所望による、防腐剤、着色剤、芳香剤又は研磨剤:並びに
50〜95重量%の水。
いくつかの他の特定の実施形態、及び本発明の組成物の適用の形態を、以下に明らかにする。
従って、本発明に従う組成物は、ガラス表面、特に窓の清浄処理を簡易化するために用いられうる。この処理は、種々の公知の技法により実施することができる。Karcher(商標)型のデバイスを用いた、水の噴出を用いたスプレーにより、窓を清浄するための技法に特に言及することができる。
導入される有機リン(b)(I)の量は、上記清浄組成物の使用の際、所望による希釈の後、有機リン(b)(I)の濃度が、0.001g/L〜2g/L、好ましくは0.005g/L〜0.5g/Lとなるようであるのが一般的である。
本発明に従う、窓を清浄するための組成物は、概して、下記;
0.001〜10重量%、又は0.005〜3重量%の少なくとも1種の有機リン材料(b)(I);
0.005〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤(例えば、アミンオキシド又はアルキルポリグルコシド)及び/又はアニオン性界面活性剤;及び
水及び/又は当技術分野で一般的である種々の添加剤から形成される残余:
を含む。
上記ポリマーを含む、窓用の清浄配合物はまた、下記;
0〜10%、有利には0.5〜5%の両性界面活性剤;
0〜30%、有利には0.5〜15%の溶媒、例えば、アルコール;
水及び一般的な添加剤(特に、芳香剤)から構成される残余:
を含む。
上記組成物のpHは、1〜6であることが有利である。
[自動食器洗浄器内で皿を洗浄するための洗浄剤組成物]
本発明の組成物はまた、自動機器内で、より簡易に皿を清浄するために有用である。上記組成物は、洗浄サイクル内で用いられる洗浄剤(清浄)配合物、又はすすぎ配合物のどちらかであることができる。
本発明に従う、自動食器洗浄器内で皿を洗浄するための洗浄剤組成物は、0.01〜5重量%、又は0.1〜3重量%の有機リン材料(b)(I)を含むことが有利である。
食器洗浄器用の洗浄剤組成物はまた、少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を、上記洗浄剤組成物の0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度の範囲にわたることができる量において含み、残余は、上述の種々の添加剤及びフィラーから構成される。
従って、上記自動食器洗浄器内で皿を洗浄するための洗浄剤組成物は、下記をさらに含むことができる;
最大90重量%の、少なくとも1種の、トリポリリン酸ナトリウム又はシリケート型の洗浄補助剤(ビルダー);
最大10%、好ましくは1〜10重量%、特に2〜8重量%の少なくとも1種の補助清浄剤、好ましくは、アクリル酸及びメチルプロパンスルホン酸のコポリマー(AMPS);
最大30重量%の少なくとも1種の漂白剤、好ましくは過ホウ酸塩又は過炭酸塩(漂白活性剤と併用してもよいし、又は併用しなくてもよい);
最大50重量%の少なくとも1種のフィラー、好ましくは硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウム;
最大1重量%の、少なくとも1種の、酵素、酵素安定化剤及び酵素活性剤:
最大10重量%の少なくとも1種の分散剤、好ましくは、アクリレートホモポリマー、アクリレートコポリマー又はそれらの混合物。
pHは、8〜14であることが有利である。
[自動食器洗浄器内で皿のすすぎを改良するための組成物]
本発明に従う、自動食器洗浄器内でより簡易に皿をすすぐための組成物は、上記組成物の総重量に対して、0.02〜10重量%、又は0.1〜5重量%の有機リン材料(b)(I)を含むことができることが有利である。
上記組成物はまた、上記組成物の総重量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%の界面活性剤、好ましくは、非イオン性界面活性剤を含むことができる。
好ましい非イオン性界面活性剤の中で、次の種類の界面活性剤に言及することができる:ポリオキシエチレン化(polyoxyethylenated)C6〜C12アルキルフェノール、ポリオキシエチレン化及び/又はポリオキシプロピレン化(polyoxypropylenated)C8〜C22脂肪族アルコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、所望によるポリオキシエチレン化カルボキサミド等。
上記組成物は、上記組成物の総重量に対して、0〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%のカルシウムを封鎖する有機酸、好ましくはクエン酸をさらに含むことができる。
それらはまた、アクリレートホモポリマー、アクリレートコポリマー、及びそれらの混合物の補助薬剤を、上記組成物の総重量に対して、0〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の割合で含むことができる。
pHは、4〜12であることが有利である。
[皿を手洗いするための組成物]
本発明の別の主題は、手による皿の洗浄をより簡易にするための清浄組成物である。
この種の好ましい洗浄剤配合物は、上記組成物100重量部当たり、0.1〜10重量部の有機リン材料(b)(I)を含み、そして所望により約0.5〜30、好ましくは0.5〜8、特に0.5〜5モルのエチレンオキシドで縮合され、酸性型又は塩(特に、アルカリ金属(ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム)塩等)の状態における、C5〜C24(好ましくはC8〜C16)飽和脂肪族アルコールの硫酸エステルから特に選択される少なくとも1種の界面活性剤(好ましくは、アニオン性界面活性剤)3〜50重量部、好ましくは10〜40重量部を含む。
それらは、手による皿の洗浄をより簡易にするための、泡立つ水性液体洗浄剤配合物であることが好ましい。
上記配合物は、他の添加剤、特に他の界面活性剤、例えば、下記をさらに含むことができる;
非イオン性界面活性剤、例えば、アミンオキシド、アルキルグルカミド(alkyl glucamide)、アルキルポリグルコシド、脂肪アルコールのオキシアルキレン化誘導体、アルキルアミド又はアルカノールアミド、又は両性若しくは双極性界面活性剤;
非カチオン性殺細菌剤又は殺菌剤、例えば、トリクロサン;
合成カチオン性ポリマー;
混合物の粘度及び/又は使用の際に形成する泡の安定性を制御するために用いられるポリマー;
ヒドロトロープ剤;
湿潤剤、及び保湿剤又は皮膚を保護するための薬剤;
最大10重量%の少なくとも1種の分散剤、好ましくは、アクリレートホモポリマー、アクリレートコポリマー又はそれらの混合物:
着色剤、芳香剤、防腐剤、二価の塩(特に、マグネシウム塩)、レオロジー調整剤等。
上記組成物のpHは、4〜10であることが有利である。
[外面清浄]
本発明の別の特定の実施形態は、外面清浄、特に、モーターを有する乗物の車体(自動車、トラック、バス、列車、飛行機等)、あるいは建築物、例えば、表面、又は屋外の石造物及び彫刻の清浄をより簡易にするための組成物である。
このケースではまた、上記硬質表面清浄組成物は、適切な清浄組成物又はすすぎ組成物であることができる。
外面清浄用の清浄組成物は、有利には、上記組成物の総重量に対して、0.005〜10重量%の有機リン材料(b)(I)と、下記とを含む;
非イオン性界面活性剤(上記配合物の0〜30%、好ましくは0.1〜15%の割合);
両性及び/又は双極性界面活性剤(上記配合物の0〜30%、好ましくは0.01〜10%の割合);
カチオン性界面活性剤(上記配合物の0〜30%、好ましくは0.5〜15%の割合);
アニオン性界面活性剤(上記配合物の0〜30%、好ましくは0.1〜15%の割合);
洗浄補助剤(ビルダー)(上記配合物の1〜99%、好ましくは40〜98%の割合);
ヒドロトロープ剤:
フィラー、pH調整剤、レオロジー調整剤等。
この種の組成物中に存在する界面活性剤の最小量は、上記配合物の少なくとも0.5%であることが好ましい。
上記組成物のpHは、8〜13であることが有利である。
[セラミック洗浄剤]
本発明の組成物はまた、特に浴室における、セラミック型の硬質表面(タイル、バスタブ、浴室シンク等)の清浄をより簡易にするために特に好適である。
上記清浄配合物は、上記組成物の総重量に対して、0.02〜5重量%の有機リン材料(b)(I)と、少なくとも1種の界面活性剤とを含むことが有利である。
界面活性剤として、非イオン性界面活性剤、特に、親水性のアルキレンオキシド基を、脂肪族又はアルキル芳香族の性質を有することができる疎水性有機化合物と縮合させることにより製造された化合物が好ましい。
疎水性基と縮合させる親水性鎖又はポリオキシアルキレン基の長さは、所望の水性/疎水性バランス(HLB)の程度を有する水溶性化合物を得るために簡易に調整されうる。
本発明の組成物における非イオン性界面活性剤の量は、0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%であることができる。
アニオン性界面活性剤が、0〜30重量%、有利には0〜20重量%の量で、所望により存在することができる。
また、両性、カチオン性又は双極性洗浄剤を添加することができるが、必須ではない。
この種の組成物中で用いられる界面活性化合物の総量は、上記組成物の総重量に対して、一般的に0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、そして詳細には2〜20重量%である。
上記清浄組成物はまた、他の少量の成分、例えば、下記を含むことができる;
上述の洗浄補助剤(ビルダー)(上記組成物の総重量に対して、0.1〜25重量%であることができる量);
特に石けん種の、上述の泡調整剤(上記組成物の総重量に対して、一般的に少なくとも0.005重量%、好ましくは0.5%〜2重量%の量):
pH調整剤、着色剤、蛍光増白剤、汚染物質を懸濁させるための薬剤、洗剤酵素、酵素活性剤、酵素安定化剤、融和性の(compatible)漂白剤、ゲル生成を抑制するための薬剤、凍結−解凍安定化剤、殺細菌剤、防腐剤、溶媒、殺菌剤、防虫剤、ヒドロトロープ剤、芳香剤及び不透明化剤又は真珠光沢薬剤。
上記組成物のpHは、2〜12であることが有利である。
[シャワーウォールすすぎ用組成物]
本発明に従う組成物はまた、シャワーウォールのすすぎを簡易にするために好適である。
シャワーウォールをすすぐための水性組成物は、0.02%〜5重量%、有利には0.05〜1%の有機リン材料(b)(I)を含む。
本発明のシャワーをすすぐための水性組成物の他の主要な活性成分は、0.5〜5重量%の範囲にわたる量で存在する少なくとも1種の界面活性剤と、0.01〜5重量%の範囲にわたる量で存在する、所望による、上述の金属キレート剤とである。
上記シャワーをすすぐための水性組成物は、所望による、主要な割合の少なくとも1種の低級アルコールと、少量の割合の添加剤(約0.1〜約5重量%、さらに有利には約0.5%〜約3重量%、そしてさらに好ましくは約1%〜約2重量%)と共に、水を含むことが有利である。
この種の用途で用いることができるいくつかの界面活性剤は、米国特許第5,536,452号明細書及び同第5,587,022号明細書(内容を参照し、本明細書に援用する)に開示されている。
好ましい界面活性剤は、ポリエトキシ化脂肪エステル、例えば、ポリエトキシ化ソルビタンモノオレエート及びポリエトキシ化ヒマシ油である。上記界面活性剤の具体例は、20モルのエチレンオキシド及びソルビタンモノオレエートの縮合生成物(Rhodia Inc.により、名称Alkamuls PSMO 20(商標)の下で市販される、15.0のHLB)、並びに30又は40モルのエチレンオキシド及びヒマシ油の縮合生成物(Rhodia Inc.から、それぞれ、名称Alkamuls EL 620(商標)(12.0のHLB)及び名称EL 719(商標)(13.6のHLB)の下で市販される)である。エトキシ化の程度は、13超のHLBを有する界面活性剤を得るために十分な程度であることが好ましい。
上記組成物のpHは、7〜14であることが有利である。
[ガラス−セラミックシート用清浄組成物]
本発明に従う組成物はまた、ガラス−セラミックシートの清浄をより簡易にするために用いられうる。
有利には、本発明の、ガラス−セラミックシートを清浄するための配合物は、下記;
0.01〜5重量%の有機リン材料(b)(I);
0.1〜1重量%の増粘剤、例えば、キサンタンガム;
10〜60重量%の研磨剤、例えば、炭酸カルシウム又はシリカ;
0〜7重量%の溶媒、例えば、ブチルジグリコール;
1〜10重量%の非イオン性界面活性剤;及び
所望による、塩基性化剤又は金属イオン封鎖剤:
を含む。
上記組成物のpHは、7〜14であることが有利である。
[反応器用清浄組成物]
上述のように、本発明に従う組成物はまた、産業の清浄の分野、特に、反応器の清浄をより簡易にするために用いられうる。
有利には、上記組成物は、下記;
0.02〜5重量%の有機リン材料(b)(I);
1〜50重量%のアルカリ金属塩(リン酸、炭酸、ケイ酸のナトリウム又はカリウム塩);
1〜30重量%の、界面活性剤、特に、非イオン性界面活性剤、例えば、エトキシ化脂肪アルコール、及びアニオン性界面活性剤、例えば、ラウリルベンゼンスルホネートの混合物;
0〜30重量%の溶媒、例えば、ジイソブチルエーテル:
を含む。
上記組成物のpHは、一般的に、1〜14である。
本発明の第2の主題は、硬質表面に堆積しうる汚染物質に関して、上記表面に、堆積防止及び/又は付着防止特性を付与することができる薬剤として、少なくとも1種の有機リン材料(b)(I)の水性又は水性/アルコール性媒体において、上記表面を清浄又はすすぐための、少なくとも1種の界面活性剤を含む組成物中での使用である。
本発明の第3の主題は、溶媒(水、アルコール性媒体等)中で、硬質表面を清浄する又はすすぐための、少なくとも1種の界面活性剤を含む組成物の特性を改良するための方法であって、上記組成物に、少なくとも有機リン材料(b)(I)を添加することによる方法である。
本発明の第4の主題は、硬質表面を、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の有機リン材料(b)(I)(上記表面に堆積することができる汚染物質に関して、上記表面に、堆積防止及び/又は付着防止特性を付与するために有効な量において、上記組成物中で用いられるか、又は存在する)を含む、溶媒(水、アルコール性溶媒等)内の組成物と接触させることによる、上記表面を清浄又はすすぐことを容易にするための方法である。
上記組成物中に存在するか、又は上記組成物中で用いられる有機リン化合物(b)(I)の性質及び量、並びに他の添加剤及び上記組成物の用途の種々の形態は、上述の通りである。
[例1−卵殻試験]
この例では、卵殻を、緑茶/紅茶汚染物を用いて汚染した。
図1は、市販の練り歯磨きを用いてブラシをかけ、次いで、緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで市販の練り歯磨きを用いてさらにブラシをかけた卵殻の写真を示す。これは、茶汚染物を除去しなかった。
別の実験では、PEG400ホスフェートエステル(ポリエチレングリコールホスフェートエステル)を、中和なしで、練り歯磨きに直接混合した。市販の練り歯磨き+20%PEG400ホスフェートエステルを用いて、卵殻にブラシをかけ、次いで緑茶及び紅茶で汚染し、次いで、練り歯磨き+20%PEG400ホスフェートエステルを用いてブラシをかけた。図2は、市販の練り歯磨き+20%PEG400ホスフェートエステル(ポリエチレングリコール400ホスフェートエステル)を用いてブラシをかけ、次いで緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで、練り歯磨き+20%PEG400ホスフェートエステルを用いてブラシをかけた卵殻の写真を示す。これは、茶汚染物の良好な除去を示した。
別の実験では、20%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を、市販の練り歯磨きに混合した。20%SDSを、100%粉末として用いた。図3は、市販の練り歯磨き+20%SDSを用いてブラシをかけ、次いで緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで、練り歯磨き+20%SDSを用いてブラシをかけた卵殻の写真を示す。これは、茶汚染物の除去を示さなかった/わずかに示した。
別の実験では、PEG1000ホスフェートエステル(ポリエチレングリコールホスフェートエステル)を、中和なしで、練り歯磨きに直接混合した。図4は、市販の練り歯磨き+20%PEG1000ホスフェートエステル(ポリエチレングリコールホスフェートエステル)を用いてブラシをかけ、次いで緑茶(左)及び紅茶(右)で汚染し、次いで、練り歯磨き+20%PEG1000ホスフェートエステルを用いてブラシをかけた卵殻の写真を示す。れは、茶汚染物の良好な除去を示した。
別の実験では、SDS又はPEGホスフェートエステルを用いた卵殻の処理、次いで染色及び簡単なすすぎは、未処理の卵殻と比較して汚染物の除去を解消しなかったことに留意する。これは、改良された清浄性が、汚物層の生成ではなく、良好な清浄能力に起因することを暗示する。
[例2]
図5は、CaCO3結晶上の純粋な脱イオン水の下、ヘキサデカンの液滴を示す。図7は、図5のうち、接触角を示す標識を付したものである。図7は、接触角が60°〜80°であることを示している。
図6は、CaCO3結晶上で、pH10において、1重量%PEG1000ホスフェートエステルを含む溶液の下、ヘキサデカンの液滴を示す。これは、PEG1000ホスフェートエステルの存在により、CaCO3上でヘキサデカンの接触角が増すことを示す。炭酸カルシウム結晶の前処理は、当該結晶を、例えば、PEG1000ホスフェートエステル(例えば、1重量%、pH9〜10)の水性溶液に浸漬することによりなされた。上記結晶上の良好な吸着及び上記表面特性の各変化は、ヘキサデカンの接触角を測定することにより示される。図8は、図6のうち、接触角を示す標識を付したものである。図8は、接触角が130°超であることを示す。
図7及び図8を比較は、CaCO3結晶上のPEG1000ホスフェートエステルの存在により、CaCO3上のヘキサデカンの接触角が、<80°から、>130°に増加することを示す。
従って、低い接触角(すなわち、望ましくない、上記結晶上への油の高い吸着性)が、純粋中の上記結晶に関して観察され、そして高い接触角(すなわち、望ましい、上記結晶上への油の低い吸着性)が、水及びPEG1000ホスフェートエステルの溶液内の上記結晶に関して観察された。
上記明確に論じたもの以外の実施形態が、本発明の精神及び範囲内にあることは明白であろう。従って、本発明は、上記記述により制限されず、添付の特許請求の範囲により規定される。

Claims (39)

  1. 下記を含む親水化製品;
    (a)疎水性硬質表面を有する基材;並びに
    (b)前記基材の前記疎水性表面の少なくとも一部上に配置された親水化層、前記層が、下記を含む;
    (b)(I)は、下記(b)(I)(1)〜(b)(I)(4)からなる群より選択される有機リン材料;
    (b)(I)(1)は、次の構造(I)に従う有機リン化合物;
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
    各R3は、独立して、次の構造(V)
    Figure 0005774307
    (上式中、p及びqは、それぞれ独立して、2、3又は4の整数であり、
    各rは、独立して、1〜100の数であり、
    各sは0であり、
    各tは1である)
    を有するアルキレンオキシ基であり、
    5及び各R4 は存在せず
    6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H又は−POR910であり、
    9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシルであり、そして
    mは、1〜5の整数である);
    (b)(I)(2)は、構造(I)に従う有機リン化合物に由来するアニオンとNa + 、K + 、Ca +2 、Mg +2 、Zn +2 、Mn +2 、Cu +2 、Al +3 、Fe +2 、Fe +3 、Ti +4 、Zr +4 、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンからなる群より選ばれる1種以上の正に帯電した対イオンを含む、構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
    (b)(I)(3)は、直鎖縮合反応生成物より選ばれる構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物であって、ここで直鎖縮合反応生成物は構造(X)
    Figure 0005774307
    に従い、ここでR 4 、R 7 、p、rはそれぞれ上述の通りであり:並びに
    (b)(I)(4)は、(b)(I)(1)、(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
  2. 前記層が、下記;
    (b)(II)下記(b)(II)(1)〜(b)(II)(2)から選択されるビニルアルコール材料;
    (b)(II)(1)は、次の構造(I−a)に従うモノマー単位を含むポリマー:及び
    Figure 0005774307
    (b)(II)(2)は、(b)(II)(1)の、2又は3以上の、ポリマーを含む混合物:
    をさらに含む、請求項1に記載の親水化製品。
  3. 前記層が、界面活性剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の親水化製品。
  4. mが、2〜5の整数である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の親水化製品。
  5. 漂白剤を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の親水化製品。
  6. 各R 1 及び各R 2 がOであり、前記有機リン化合物が、下式(II)
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R 3 、各R 4 、R 5 、R 6 、各R 7 、R 8 、及びmは請求項1の規定と同じである);
    から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の親水化製品。
  7. 6 、R 7 及びR 8 の各々はHである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の親水化製品。
  8. 6 、R 7 及びR 8 の少なくとも1つは−POR 9 10 であり、ここでR 9 及びR 10 は請求項1の規定と同じである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の親水化製品。
  9. 前記有機リン化合物が、下記(IX)(1)〜(IX)(3)
    (IX)(1)は、次の構造(IX)に従う有機リン化合物:
    Figure 0005774307
    (式中、
    pは2、3又は4であり、
    rは4〜50の数である);
    (IX)(2)は、構造(IX)に従う有機リン化合物の塩;並びに
    (IX)(3)は、(IX)(1)及び(IX)(2)の、2種又は3種以上の、化合物及び/又は塩を含む混合物:
    から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の親水化製品。
  10. 疎水性表面の少なくとも一部に親水化層を堆積させるため、前記疎水性表面の少なくとも一部を、下記を含む処理組成物で処理することを含む、前記疎水性表面を有する基材を親水化する方法;
    (a)界面活性剤;及び
    (b)(I)下記(b)(I)(1)〜(b)(I)(4)からなる群より選択される有機リン材料;
    (b)(I)(1)は、次の構造(I)に従う有機リン化合物:
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
    各R3は、独立して、次の構造(V)
    Figure 0005774307
    (上式中、p及びqは、それぞれ独立して、2、3又は4の整数であり、
    各rは、独立して、1〜100の数であり、
    各sは0であり、
    各tは1である)
    を有するアルキレンオキシ基であり、
    5及び各R4 は存在せず
    6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H又は−POR910であり、
    9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシルであり、そして
    mは、1〜5の整数である);
    (b)(I)(2)は、構造(I)に従う有機リン化合物に由来するアニオンとNa + 、K + 、Ca +2 、Mg +2 、Zn +2 、Mn +2 、Cu +2 、Al +3 、Fe +2 、Fe +3 、Ti +4 、Zr +4 、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンからなる群より選ばれる1種以上の正に帯電した対イオンを含む、構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
    (b)(I)(3)は、直鎖縮合反応生成物より選ばれる構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物であって、ここで直鎖縮合反応生成物は構造(X)
    Figure 0005774307
    に従い、ここでR 4 、R 7 、p、rはそれぞれ上述の通りであり:並びに
    (b)(I)(4)は、(b)(I)(1)、(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
  11. 前記処理組成物が5未満のpHを示し、そして0.001〜5重量%の前記有機リン材料を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記基材が、ガラス、磁器、セラミック、タイル、シリカ、グラファイト、花こう岩、石、及び/又は透明なポリカーボネートポリマーの鏡もしくは窓より選ばれる、請求項10に記載の方法。
  13. 各R 1 及び各R 2 がOであり、前記有機リン化合物が、下式(II)
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R 3 、各R 4 、R 5 、R 6 、各R 7 、R 8 、及びmは請求項10の規定と同じである);
    から選択される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 6 、R 7 及びR 8 の各々はHである、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 6 、R 7 及びR 8 の少なくとも1つは−POR 9 10 であり、ここでR 9 及びR 10 は請求項10の規定と同じである、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  16. 下記を含む水性又は水性/アルコール性媒体内で、硬質表面を清浄するための組成物;
    (a)少なくとも1種の界面活性剤;並びに
    (b)(I)下記(b)(I)(1)〜(b)(I)(4)からなる群より選択される有機リン材料;
    (b)(I)(1)は、次の構造(I)に従う有機リン化合物:
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R1及び各R2は、独立して、存在しないか又はOであるが、R1及びR2の少なくとも一方はOであり、
    各R3は、独立して、次の構造(V)
    Figure 0005774307
    (上式中、p及びqは、それぞれ独立して、2、3又は4の整数であり、
    各rは、独立して、1〜100の数であり、
    各sは0であり、
    各tは1である)
    を有するアルキレンオキシ基であり、
    5及び各R4 は存在せず
    6及びR8は、それぞれ、そして各R7は、独立して、H又は−POR910であり、
    9及びR10は、それぞれ独立して、ヒドロキシルであり、そして
    mは、1〜5の整数である);
    (b)(I)(2)は、構造(I)に従う有機リン化合物に由来するアニオンとNa + 、K + 、Ca +2 、Mg +2 、Zn +2 、Mn +2 、Cu +2 、Al +3 、Fe +2 、Fe +3 、Ti +4 、Zr +4 、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンからなる群より選ばれる1種以上の正に帯電した対イオンを含む、構造(I)に従う有機リン化合物の塩;
    (b)(I)(3)は、直鎖縮合反応生成物より選ばれる構造(I)に従う1種又は2種以上の有機リン化合物の2又は3以上の分子の縮合反応生成物であって、ここで直鎖縮合反応生成物は構造(X)
    Figure 0005774307
    に従い、ここでR 4 、R 7 、p、rはそれぞれ上述の通りであり:並びに
    (b)(I)(4)は、(b)(I)(1)、(b)(I)(2)及び(b)(I)(3)の、2種又は3種以上の、化合物、塩及び/又は反応生成物を含む混合物。
  17. 前記有機リン材料が、前記組成物の0.001〜10重量%を表し、そして前記少なくとも1種の界面活性剤が、前記組成物の0.005〜60重量%を表す、請求項16に記載の組成物。
  18. キレート剤、金属イオン封鎖剤又はスケール防止剤、無機洗浄補助剤、漂白剤、フィラー、漂白触媒、pHに作用する薬剤、混合物の粘度及び/又は泡の安定性を制御することができるポリマー、ヒドロトロープ剤、湿潤剤又は保湿剤、殺生剤又は殺菌剤、清浄又は脱脂活性を有する溶媒、工業用洗浄剤、清浄作用をほとんど有しない水溶性有機溶媒、共溶媒、消泡剤、研磨剤、酵素、芳香剤、着色剤、あるいは金属の腐食を抑制する薬剤から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  19. mは、2〜5の整数である、請求項16に記載の組成物。
  20. 6 、R 7 及びR 8 の各々はHである、請求項16に記載の組成物。
  21. 6、R8、及び各R7の少なくとも1つが−POR910である、請求項16に記載の組成物。
  22. 少なくとも7.5のpHを示し、そして0.001〜5重量%の前記有機リン材料を含む、請求項16に記載の組成物。
  23. 金属イオン封鎖剤又はスケール防止剤、カチオン性殺生剤又は殺菌剤、界面活性剤、pH調整剤、水、清浄又は脱脂用有機溶媒、共溶媒、清浄作用をほとんど有しない水溶性有機溶媒、漂白剤及び芳香剤から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  24. キッチンの清浄を目的とする、下記;
    0.001〜1重量%の有機リン材料;
    1〜10重量%の溶媒;
    1〜5重量%の清浄又は脱脂用溶媒;
    0〜2重量%のモノエタノールアミン;
    0〜10重量%の少なくとも1種の非カチオン性界面活性剤;
    0〜1重量%の、少なくとも1種の、殺菌特性を有するカチオン性界面活性剤;
    (一又は複数の前記界面活性剤の総量は、1〜50重量%を表す)
    0〜2重量%の、スケール防止剤としてのジカルボン酸;
    0〜5%の漂白剤;及び
    70〜98重量%の水:
    を含む、請求項16に記載の組成物。
  25. (n−アルキル)ジメチル(エチルベンジル)アンモニウムクロリド及び(n−アルキル)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド)の混合物を含む、少なくとも1種の、殺菌特性を有するカチオン性界面活性剤を0〜1重量%含む、請求項24に記載の組成物。
  26. 8〜12のpHを有する、請求項24又は25に記載の組成物。
  27. 5未満のpHを有し、そして無機系又は有機系酸性薬剤と、当該無機系又は有機系酸性薬剤の0.001〜5重量%の前記有機リン材料とを含む、請求項16に記載の組成物。
  28. 非イオン性、両性、双極性若しくはアニオン性界面活性剤、又はそれらの混合物、カチオン性殺生剤又は殺菌剤、増粘剤、漂白剤、水、溶媒、芳香剤、あるいは研磨剤から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  29. 便器の清浄を目的とする、下記;
    0.05〜5重量%の有機リン材料;
    0.1〜40重量%の少なくとも1種の酸性清浄剤;
    0.5〜10重量%の少なくとも1種の界面活性剤;
    所望による、0.1〜2重量%の、少なくとも1種の、殺菌特性を有するカチオン性界面活性剤;
    所望による、0.1〜3重量%の少なくとも1種の増粘剤;
    所望による、1〜10重量%の少なくとも1種の漂白剤;
    所望による、防腐剤、着色剤、芳香剤又は研磨剤;及び
    50〜95重量%の水;
    を含み且つ0.5〜4のpHを有する、請求項16に記載の組成物。
  30. 便器の清浄を目的とする、下記;
    0.01〜2重量%の有機リン材料;
    0.5〜15重量%の少なくとも1種の酸性清浄剤;
    0.5〜10重量%の、少なくとも1種の、アニオン性又は非イオン性界面活性剤;
    所望による、0.1〜2重量%の、(n−アルキル)ジメチル(エチルベンジル)アンモニウムクロリド及び(n−アルキル)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドの混合物;
    所望による、0.1〜3重量%の少なくとも1種のゴム;
    所望による、1〜10重量%の少なくとも1種の漂白剤;
    所望による、防腐剤、着色剤、芳香剤又は研磨剤;及び
    50〜95重量%の水;並びに
    最大5のpH:
    を含む、請求項16に記載の組成物。
  31. 窓を清浄するための、下記;
    0.001〜10重量%の少なくとも1種のポリベタイン(B);
    0.005〜20重量%の少なくとも1種の非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤;
    0〜10重量%の少なくとも1種の両性界面活性剤;
    水;
    0〜30重量%の少なくとも1種の溶媒:
    を含み且つ6〜11のpHを有する、請求項16に記載の組成物。
  32. 窓を清浄するための、下記;
    0.005〜3重量%の少なくとも1種のポリベタイン(B);
    0.5〜10重量%の少なくとも1種の非イオン性の及び/又はアニオン性界面活性剤;
    0.5〜5重量%の少なくとも1種の両性界面活性剤;
    水;
    0.5〜15重量%の少なくとも1種の溶媒:
    を含み且つ6〜11のpHを有する、請求項31に記載の組成物。
  33. 自動食器洗浄器内で皿を洗浄するための、下記;
    0.01〜5重量%の前記有機リン材料;
    0.5〜5重量%の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;及び所望による
    最大90重量%の少なくとも1種の洗浄補助剤;
    1〜10重量%の少なくとも1種の補助清浄剤;
    最大30重量%の、漂白活性剤と併用されてもよく又は併用されなくてもよい、過ホウ酸塩又は過炭酸塩、及びそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の漂白剤;
    最大50重量%の、硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムから成る群から選択される少なくとも1種のフィラー:
    を含み且つ8〜13のpHを有する、請求項16に記載の組成物。
  34. 自動食器洗浄器内で皿をすすぐことを目的とし、下記;
    0.1〜5重量%の前記有機リン材料;
    0.2〜15重量%の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;
    0.5〜5重量%のクエン酸;
    0.5〜10重量%の、アクリル酸及び無水マレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸ホモポリマーを含む、少なくとも1種の補助洗浄性薬剤:
    を含み且つ4〜7のpHを有する、請求項16に記載の組成物。
  35. 手により皿を洗浄することを目的とし、下記;
    0.1〜10重量%の前記有機リン材料;
    3〜50重量%の少なくとも1種の界面活性剤;及び所望による
    少なくとも1種の非イオン性界面活性剤;
    少なくとも1種の、非カチオン性殺細菌剤又は殺菌剤;
    少なくとも1種の合成カチオン性ポリマー薬剤;
    少なくとも1種の、混合物の粘度及び/又は泡の安定性を制御することができるポリマー;
    少なくとも1種のヒドロトロープ剤;
    少なくとも1種の、湿潤剤若しくは保湿剤、又は皮膚を保護するための薬剤:
    からなる群の少なくとも1つを含み且つ5〜9のpHを有する、請求項16に記載の組成物。
  36. 各R1及び各R2はOであり、前記有機リン化合物が、下記(II)(1)
    (II)(1)は、次の構造(II)に従う有機リン酸エステル:
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R3、各R4、R5、R6、各R7、R8、及びmは請求項16の規定と同じである);
    から選択される、請求項16に記載の組成物。
  37. 各R1は存在せず、各R2はOであり、前記有機リン化合物が、下記(III)(1)
    (III)(1)は、次の構造(III)に従う有機リン酸エステル:
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R3、各R4、R5、R6、各R7、R8、及びmは請求項16の規定と同じである);
    から選択される、請求項16に記載の組成物。
  38. 各R1はOであり、各R2は存在せず、前記有機リン化合物が、下記(IV)(1)
    (IV)(1)は、次の構造(IV)に従う有機リン酸エステル:
    Figure 0005774307
    (式中、
    各R3、各R4、R5、R6、各R7、R8、及びmは請求項16の規定と同じである);
    から選択される、請求項16に記載の組成物。
  39. 前記有機リン化合物が、下記(IX)(1)〜(IX)(3)
    X)(1)は、次の構造(IX)に従う有機リン化合物:
    Figure 0005774307
    (式中、
    pは2、3又は4であり、
    rは4〜50の数である);
    (IX)(2)は、構造(IX)に従う有機リン化合物の塩;並びに
    (IX)(3)は、(IX)(1)及び(IX)(2)の、2種又は3種以上の、化合物及び/又は塩を含む混合物:
    から選択される、請求項16に記載の組成物。
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