JP5773969B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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この発明は、モータのシャフトを主軸とした光ピックアップの送り機構を有する光ディスク装置に関する。
例えば、特許文献1に記載の光ディスク装置は、光ディスクのディスク面に対する光ピックアップの光軸の傾きを調整するチルト調整機構を有している。この光ディスク装置には、チルト調整機構として、光ディスクのディスク面に垂直なガイド軸と、このガイド軸に対して斜め方向に進退する調整ねじが設けられ、光ピックアップの送り機構の主軸であるモータシャフトがガイド軸に当接している。
光ピックアップの位置決めのために調整ねじを進めると、モータシャフトは、調整ねじによって斜め下方から押し上げられ、ガイド軸に沿って上方向に移動する。これにより、送り機構の副軸に対する主軸の傾き、すなわち光ディスクのディスク面に対する光ピックアップの光軸の傾きを調整することができる。
国際公開第2008/047808号
特許文献1に記載のチルト調整機構では、光ピックアップの位置決めで調整ねじが主軸(モータシャフト)を押し上げるために、調整量によっては主軸に過大な負荷がかかり、主軸と軸受けとの同軸がずれる可能性があるという課題があった。また、モータシャフトと軸受けとの同軸ずれが発生した場合、モータ(ステッピングモータ)の回転負荷が増加する。
また、調整ねじで主軸を押し上げるのではなく、主軸を軸支するブラケットを押し上げるように構成した場合においても、調整量によっては調整ねじが支点となってブラケットが傾き、光ピックアップが位置ずれを起こす可能性がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、モータのシャフトを送り機構の主軸とする光ピックアップの位置決めを容易かつ高精度に行うことができる光ディスク装置を得ることを目的とする。
この発明に係る光ディスク装置は、モータのシャフトにリードスクリューを形成してなる主軸と、主軸に平行に配設された副軸とを備え、主軸の回転によって光ピックアップを主軸および副軸に沿って光ディスクの径方向に移動する光ディスク装置において、主軸の先端部に設けられた軸受け部と、モータ、主軸および軸受け部を保持し、ベースシャーシに組み付けられるブラケット部と、軸受け部の軸方向の端面に対して光ディスクのディスク面に垂直な方向の溝を形成してなる第1の係合凹部と、ベースシャーシに設けられ、第1の係合凹部に嵌合してベースシャーシに対しブラケット部を光ディスクのタンジェンシャル方向に位置決めする第1の位置決め凸部と、軸受け部およびベースシャーシの一方に設けられ、光ディスクのディスク面に垂直な方向に凹形状の第2の係合凹部と、軸受け部およびベースシャーシの他方に設けられ、第2の係合凹部に嵌合してベースシャーシに対しブラケット部を光ディスクのラジアル方向に位置決めする第2の位置決め凸部とを備える。
この発明によれば、モータのシャフトを送り機構の主軸とする光ピックアップの位置決めを容易かつ高精度に行うことができるという効果がある。
この発明に係る光ディスク装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る光ディスク装置の構成を示す上面図である。 図2の再生部を示す斜視図である。 光ピックアップの送り機構のチルト調整を説明する図である。 従来のチルト調整を示す図である。 実施の形態1に係る光ピックアップの送り機構における主軸側の構成を示す図である。 実施の形態1に係るチルト調整部を示す図である。 実施の形態1における内周側構成を示す斜視図である。 実施の形態1におけるチルト調整を説明する図である。 実施の形態1における外周側構成を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る光ディスク装置を示す斜視図である。また、図2は、この発明の実施の形態1に係る光ディスク装置の構成を示す上面図であり、天面側の蓋ケース部材の記載を省略し、光ディスクを破線で透明に表して内部構成を示している。
図1および図2に示すように、この発明に係る光ディスク装置本体1は、ディスク挿排口1aを有する前面パネルと天面側の蓋ケース部材および底ケース部材からなる筐体内に再生部3などのメカニズムを備えている。
光ディスク2は、ディスク挿排口1aから光ディスク装置本体1の内部に挿入される。
なお、光ディスク2は、CD、DVD、BDなどのディスク状の記録メディアである。
ディスク挿排口1aから挿入された光ディスク2は、搬送ローラ(図示を省略)により光ディスク装置本体1の内部に搬送された後、再生位置でクランプされる。クランプされた光ディスク2は、ターンテーブル4とともに回転して、光ピックアップ5によりデータの読み込みと再生が行われる。
再生部3は、光ディスク2からデータを読み込んで再生を行うメカニズムユニットである。この再生部3において、光ピックアップ5は、主軸7aおよび副軸7bに摺動可能に支持されており、主軸7aの回転によって主軸7aおよび副軸7bに沿って光ディスク2の径方向(以下、ラジアル方向と呼ぶ)に移動する。主軸7aは、モータ6のシャフトにリードスクリューを形成して構成されたガイド軸である。副軸7bは、主軸7aに平行に配設されたガイド軸である。
図3は、図2の再生部を示す斜視図である。図3に示すように、再生部3は、ベースシャーシ11上に、ターンテーブル4、光ピックアップ5、ステッピングモータ6、スピンドルモータ6a、主軸7a、副軸7bおよび軸受け部8を備えて構成される。
ターンテーブル4には光ディスク2が載置され、スピンドルモータ6aは、ターンテーブル4を介して光ディスク2を回転させる駆動部である。
ステッピングモータ6は、主軸7aを回転させて光ピックアップ5を移動させる駆動部である。すなわち、ステッピングモータ6が主軸7aを回転させると、リードスクリューに係合する係合部を介して光ピックアップ5が主軸7aに沿って摺動し、これに伴い副軸7bに係合する係合部を介して光ピックアップ5が副軸7bに沿って摺動する。主軸7aと副軸7bは、互いに平行に配設されているので、主軸7aと副軸7bに沿って光ピックアップ5が光ディスク2のラジアル方向に移動することになる。
このように、ステッピングモータ6のモータシャフトを主軸7aとすることによって、主軸7aが、光ピックアップ5を送るためのリードスクリュー機能に加え、光ディスク2のラジアル方向への移動案内を行う主軸ガイド機能を有する。これにより、モータシャフトとは別に主軸を設ける構成と比較して部品点数を削減でき、省スペース化を実現することができる。
図4は、光ピックアップの送り機構のチルト調整を説明する図であり、図4(a)は、送り機構の上面図、図4(b)は、図4(a)のA方向からの矢示図である。
図4(a)に示すように、光ピックアップ5は、ステッピングモータ6のシャフトである主軸7aに係合する係合部を有しているので、光ディスク2のラジアル方向a1(内周と外周の間)に移動することができる。
また、送り機構において、光ピックアップ5から照射された光ビームが、光ディスク2のディスク面に対して垂直になるようにチルト調整される。
なお、光ピックアップ5が元々持っている光軸の傾きの影響、およびターンテーブル4が傾いて取り付けられた場合に、光ディスク2のディスク面の法線方向に対して光ピックアップ5の光軸が傾くことから、上述したチルト調整が必要になる。
例えば、光ディスク2のラジアル方向a1および光ディスク2のラジアル方向に直交する主軸7aと副軸7bとの間の方向a2(以下、タンジェンシャル方向と呼ぶ)に傾く。
図5は、従来のチルト調整を示す図であり、図5(a)は、送り機構の上面図を示し、図5(b)は、図5(a)のB方向からの矢示図である。なお、ここでは、図5(a)に示すように、ステッピングモータ6、主軸7aおよびこの軸受けを保持されるブラケット9Aに対してチルト調整を行う場合を示している。
例えば、図5(b)のb1方向に進退する調整ねじを使用して、ブラケット9Aを押し上げるように調整した場合、調整量によっては、調整ねじが支点となってブラケット9Aが傾くと、光ピックアップ5の主軸7aがタンジェンシャル方向へ位置がずれると共に、光ピックアップ5のレンズも位置ずれを起こす。
そこで、この発明では、ステッピングモータ6、主軸7aおよびこの軸受けを保持するブラケットがチルト調整方向にのみ可動するように、主軸7aの軸受け部にブラケットをタンジェンシャル方向とラジアル方向の位置決めする構成を設けている。このように構成することで、ブラケットが調整方向にのみ自在に可動するため、光ピックアップ5の位置決めを容易かつ高精度に行うことができる。
図6は、実施の形態1に係る光ピックアップの送り機構における主軸側の構成を示す図であり、図6(a)は、ブラケットの側面側からの斜視図である。
図6(a)および図6(b)に示すように、ステッピングモータ6のシャフトを延長してなる主軸7aは、軸受け部8に回転自在に支持される。また、ステッピングモータ6と軸受け部8は、ブラケット9に一体的に固定されている。
軸受け部8には、図6(a)に示すようにU溝8aおよびボス8bが形成されている。
U溝8aは、ブラケット9を装置内に組み付けたときに、光ディスク2のディスク面に垂直な方向になるように、主軸7aの軸方向に垂直な方向に形成された溝である。このU溝8aが第1の係合凹部となる。
また、ボス8bは、軸受け部8における主軸7aの軸方向に沿った側面から当該軸方向に垂直な方向に立設されたボスであり、第2の位置決め凸部となる。なお、ボス8bは、図6(a)に示すように、ブラケット9の側面を貫通し突出している。
ブラケット9を装置内に組み付けると、ステッピングモータ6側が光ディスク2の外周側に位置し、軸受け部8側が光ディスク2の内周側に位置する。
ばね10aは、ブラケット9の内周側に設けられ、ばね10bおよび板ばね10cは、ブラケット9の外周側に設けられている。
図7は、実施の形態1に係るチルト調整部を示す図である。図7に示すように、ブラケット9は、ベースシャーシ11に組み付けられる。ベースシャーシ11には、図3を用いて前述したようにターンテーブル4が搭載されており、その底面は、ターンテーブル4に載置された光ディスク2のディスク面に平行である。
また、ブラケット9の内周側は、ばね10aによりベースシャーシ11の底面側(c1方向)に付勢されており、ブラケット9の外周側は、ばね10bによってベースシャーシ11の底面側(c1方向)に付勢されている。
この構成において、調整ねじ12a,12bがチルト調整部として設けられている。
調整ねじ12aは、ベースシャーシ11の底面を貫通してブラケット9の内周側の底面に対して進退可能に設けられており、調整ねじ12bについても同様に、ベースシャーシ11の底面を貫通してブラケット9の外周側の底面に対して進退可能に設けられている。
調整ねじ12a,12bを締め込んでブラケット9側に進めると、ばね10a,10bの付勢力に反して、調整ねじ12a,12bの先端部がブラケット9の内外周側の底面を押し上げる。この押し上げ方向(調整方向)にのみ、ブラケット9を動かすことができれば、光ピックアップ5を、光ディスク2のディスク面に対して最適な高さとなるよう調整できる。また、このようにブラケット9の内外周側の高さ調整することで、光ピックアップ5の最適チルトに調整できる。
この発明では、ブラケット9を調整ねじ12aの調整方向にのみ可動にするため、図8に示すように、軸受け部8に形成したU溝8aに位置決めピン11aを嵌合し、ボス8bをスリット11bに嵌合している。
ここで、位置決めピン11aは、ベースシャーシ11の底面から光ディスク2のディスク面に垂直な方向に立設されている。この位置決めピン11aが第1の位置決め凸部となる。軸受け部8のU溝8aの溝幅は、位置決めピン11aの外径とほぼ同じ寸法となっている。従って、U溝8aに位置決めピン11aが嵌合することにより、ベースシャーシ11に対しブラケット9が光ディスク2のディスク面に平行でかつラジアル方向に直交する方向、すなわちタンジェンシャル方向に位置決めされる。
また、スリット11bは、ベースシャーシ11の側端部を光ディスク2のディスク面に垂直な方向に折り曲げてなる側面部に形成され、この側面部を光ディスク2のディスク面に垂直な方向に凹形状としたスリットである。スリット11bのスリット幅は、軸受け部8のボス8bの外径とほぼ同じ寸法である。従って、図8に示すように、スリット11bにボス8bを嵌合することにより、ベースシャーシ11に対してブラケット9を主軸7aの軸方向、すなわちラジアル方向に位置決めすることができる。
図9は、実施の形態1におけるチルト調整を説明する図であり、図9(a)は、ブラケット9の内周側構成の上面図、図9(b)は、図9(a)のC方向からの矢示図である。図9(a)に示すように、軸受け部8のU溝8aに位置決めピン11aが嵌合することにより、ベースシャーシ11に対してブラケット9がa2方向(タンジェンシャル方向)に位置決めされる。また、ボス8aがスリット11bに嵌合することにより、ベースシャーシ11に対してブラケット9がa1方向(ラジアル方向)に位置決めされる。
また、軸受け部8は、図9(b)に示すように、b1方向(光ディスク2のディスク面に垂直な方向)に厚みを持った形状であり、U溝8aは、その厚み方向に形成された溝である。このように構成することで、調整ねじ12aでb1方向にブラケット9の内周側を押し上げても、ブラケット9は、軸受け部8が位置決めピン11aに沿って摺動し、b1方向、すなわち調整ねじ12aによる調整方向に移動する。これにより、ブラケット9がタンジェンシャル方向に傾くことを抑制できる。
従って、ブラケット9が調整方向にのみ自在に可動することとなり、光ピックアップ5のチルト調整を高精度に行うことができる。
図10は、実施の形態1における外周側構成を示す斜視図である。ブラケット9の外周側は、ばね10bでベースシャーシ11の底面側に付勢されている。また、外周側のベースシャーシ11の底面には、光ディスク2に垂直な方向に位置決めピン11cが立設されている。この位置決めピン11cに板ばね10cを付勢することで、ブラケット9の側面が、位置決めピン11c側、すなわちベースシャーシ11の側面側に付勢される。
これにより、図7で前述した調整ねじ12bを進退させれば、ブラケット9の外周側を位置決めピン11cに沿って調整方向に可動させることができる。
なお、上記実施の形態1では、軸受け部8にボス8bを設け、ベースシャーシ11の側面部にスリット11bを設ける構成を示したが、この発明は、これに限定されるものではない。例えば、軸受け部8にスリット11と同様の機能を発揮するスリットを設け、ベースシャーシ11の側面部にボス8bと同様の機能を発揮するボスを設けてもよい。
このように構成しても、ブラケット9を主軸7aの軸方向に容易に位置決めすることが可能である。
以上のように、この実施の形態1によれば、主軸7bの先端部に設けられた軸受け部8と、モータ6、主軸7aおよび軸受け部8を保持し、ベースシャーシ11に組み付けられるブラケット9と、軸受け部8の軸方向の端面に対して光ディスク2のディスク面に垂直な方向の溝を形成してなるU溝8aと、ベースシャーシ11に設けられ、U溝8aに嵌合してベースシャーシ11に対しブラケット9を光ディスク2のタンジェンシャル方向に位置決めする位置決めピン11aと、ベースシャーシ11に設けられ、光ディスク2のディスク面に垂直な方向に凹形状のスリット11bと、軸受け部8に設けられ、スリット11bに嵌合してベースシャーシ11に対しブラケット9を光ディスク2のラジアル方向に位置決めするボス8bとを備える。
このように構成することで、ステッピングモータ6のシャフトを送り機構の主軸7aとする光ピックアップ5の位置決めを容易かつ高精度に行うことができる。
また、この実施の形態1によれば、光ディスク2のディスク面に垂直な方向に進退してブラケット9を進退方向に移動させることで、主軸7aが支持する光ピックアップ5のディスク面に対する傾きを調整するチルト調整部を備える。
このように構成することで、軸受け部8が位置決めピン11aに沿って摺動し、ブラケット9が調整方向にのみ自在に可動することになるので、光ピックアップ5のチルト調整を高精度に行うことができる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 光ディスク装置本体、1a ディスク挿排口、2 光ディスク、3 再生部、4 ターンテーブル、5 光ピックアップ、6 ステッピングモータ、6a スピンドルモータ、7a 主軸、7b 副軸、8 軸受け部、8a U溝、8b ボス、9 ブラケット、10a,10b ばね、10c 板ばね、11 ベースシャーシ、11a,11c 位置決めピン、11b,11c スリット、12a,12b 調整ねじ。

Claims (2)

  1. モータのシャフトにリードスクリューを形成してなる主軸と、前記主軸に平行に配設された副軸とを備え、前記主軸の回転によって光ピックアップを前記主軸および前記副軸に沿って光ディスクの径方向に移動する光ディスク装置において、
    前記主軸の先端部に設けられた軸受け部と、
    前記モータ、前記主軸および前記軸受け部を保持し、ベースシャーシに組み付けられるブラケット部と、
    前記軸受け部の軸方向の端面に対して前記光ディスクのディスク面に垂直な方向の溝を形成してなる第1の係合凹部と、
    前記ベースシャーシに設けられ、前記第1の係合凹部に嵌合して前記ベースシャーシに対し前記ブラケット部を前記光ディスクのタンジェンシャル方向に位置決めする第1の位置決め凸部と、
    前記軸受け部および前記ベースシャーシの一方に設けられ、前記光ディスクのディスク面に垂直な方向に凹形状の第2の係合凹部と、
    前記軸受け部および前記ベースシャーシの他方に設けられ、前記第2の係合凹部に嵌合して前記ベースシャーシに対し前記ブラケット部を前記光ディスクのラジアル方向に位置決めする第2の位置決め凸部とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記光ディスクのディスク面に垂直な方向に進退して前記ブラケット部を進退方向に移動させることで、前記主軸が支持する前記光ピックアップの前記ディスク面に対する傾きを調整するチルト調整部を備えることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
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