JP3934783B2 - ディスク再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、CD−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクを再生するディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROMドライブ、DVDドライブ等の高密度記録の光ディスクを再生するディスクドライブにおいては、ディスク面に対する光ピックアップの光軸の垂直度(スキュー)がディスク読み取り性能に大きく影響する。特に高密度なDVDディスクを再生するディスクドライブの場合、ディスク面に対する光ピックアップの光軸の垂直度に対して厳しい精度が要求される。
【0003】
このようなスキューに影響を及す要素としては、ピックアップの光軸とガイド軸との傾き、ピックアップガイド軸とシャーシ基準面と傾き、シャーシ基準面とディスクモータ取付面との傾き、ディスクモータ取付面とモータ得との傾き、モータ軸とディスクテーブル面との傾きなどがあり、これらの部品精度の積み重ねにより決まる。
【0004】
しかしながら、これらの部品精度には限界があることから、確保し得るスキューの精度にも限界がある。また、スキュー精度が得られるまでに部品精度を高めることが可能であるとしても、加工コストの上昇により、製品価格がつり上がってしまう。
【0005】
そこで、次のような光ピックアップのスキュー調整機構が採用されている。
【0006】
図5ないし図7にこの従来のスキュー調整機構を示す。これらの図において、光ピックアップ14は、互いに平行に配設された2本のガイド軸35、36の間に掛け渡され、これら2本のガイド軸35、36において軸方向に搬送自在に支持されている。これら2本のガイド軸35、36はその両端部においてメカシャーシ3上に次のような構造で支持されている。
【0007】
2本のガイド軸35、36における計4つの端部のうち3つの端部は、メカシャーシ3にアウトサート成形によって設けられた傾き調整カム37の上に着座している。図7(a)に示すように、一方のガイド35の両端部は各々傾き調整カム37を介してメカシャーシ3上に支持され、また、図7(b)に示すように、他方のガイド軸36は、その一方端部が傾き調整カム37を介してメカシャーシ3上に支持され、他方の端部はメカシャーシ5にアウトサート成形によって設けられた軸受け38に拘束状態で支持されている。
【0008】
図6に示すように、傾き調整カム37の上面には外周に沿ってスパイラル状にカム39が形成されている。また、この傾き調整カム37の、メカシャーシ3の裏面より突出した部分37aには回転角調整のための六角穴が設けられており、この六角穴に六角形状ビット40を挿入して傾き調整カム37を回転させることによって、ガイド軸35、36の個々の端部の高さを微調整することができる。各ガイド軸35、36における4つの端部のうち1つの端部は、その他3つの端部の傾き調整カム37を用いたスキュー調整時の基準の高さとするために、軸受け38によってメカシャーシ3に対して固定の高さに支持されている。
【0009】
また、各ガイド軸35、36は、傾き調整カム37の各々の近傍位置で、軸受け41によって、メカシャーシ面上での軸芯位置が変動しないように保持されている。さらに、各ガイド軸35、36は、傾き調整カム37と軸受け41との間の位置で、ねじりバネ42によって上から弾性的に押え付けられている。これにより、ガイド軸35、36の高さ変動に追従しつつ傾き調整カム37のカム面39との間でガイド軸35、36を高さ方向の定位置に保持できるようにしている。 次に、この傾き調整カム37によるスキュー調整の方法について説明する。まず、3つの傾き調整カム37を各々回転させて各ガイド軸35、36を互いに平行に揃える。続いて、これら2本のガイド軸35、36により形成される面がディスク再生面と平行となるようにタンジェンシャル調整とラジアル調整を行う。 タンジェンシャル調整とは、光ピックアップのディスク反射面上でのビームスポットの移動軌跡(法線)の方向から見てディスク面に対して光ピックアップの光軸を直交させるための調整である。このタンジェンシャル調整は、両端部の高さを傾き調整カム37により変位させることの可能な一方のガイド軸35を他方のガイド軸36に対して平行に昇降させる、つまりガイド軸35の両側の各傾き調整カム37を各々同じ方向に同じ回転量だけ回転させることによって行うことができる。
【0010】
また、ラジアル調整とは上記法線に対してディスク面上で直交する方向から見てディスク面に対して光ピックアップの光軸を直交させるための調整である。したがって、このラジアル調整は、各ガイド軸35、36のディスク外周側端部の傾き調整カム37を各々同じ方向に同じ回転量だけ回転させることによって行うことができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような傾き調整カムを採用したスキュー調整機構の場合、ディスクドライブの小型軽量化たとえばメカシャーシサイズの縮小化を考えた場合、傾き調整カムをアウトサート成形するための領域をシャーシの平面に確保する必要からメカシャーシの縮小化を実現することは困難とされている。すなわち、傾き調整カムはその回転操作量に対してある程度の高さ変位量を確保することが求められ、そのためにはカムの外径もある程度大きくとる必要があり、このような必要を満足するためにメカシャーシ上の多くの領域が消費されていた。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためのもので、メカシャーシ上でスキュー調整機構が占める平面スペースを縮小して装置全体の小形化に寄与することのできるディスク再生装置の提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明のディスク再生装置は、ディスクから信号を読み取る光ピックアップと、前記光ピックアップを前記ディスクの半径方向に搬送自在に支持する、互いに平行に配設された2本のガイド軸と、前記ディスクを装着して駆動するディスク駆動機構と、前記ディスク駆動機構を搭載したシャーシと、前記2本のガイド軸がもつ計4つの端部のうちの3つの端部の、前記ディスクの厚み方向の高さ位置をそれぞれ独立に調整する3つの調整機構とを具備し、前記個々の調整機構が、前記シャーシに立設された固定軸と、前記ガイド軸の端部を保持しつつ前記固定軸に従って移動可能なガイド軸保持部と、前記固定軸上の前記ガイド軸保持部の高さ位置を調整する手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明のディスク再生装置は、ガイド軸の端部を支持したガイド軸保持部を、ディスク駆動機構に装着されたディスクの厚み方向へ移動させて各ガイド軸の端部の高さ位置を微調整するように構成したから、メカシャーシ平面においてスキュー調整用の部品が占める面積の割合を、従来のメカシャーシにアウトサート成形された傾き調整カムを用いたものに比べ大幅に低減することができる。たとえば、本発明のディスク再生装置においては、少なくとも固定軸を立設するための領域がメカシャーシ平面に確保されていればよく、これによりメカシャーシの平面サイズを縮小することができ、装置全体の小形化に寄与することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施する場合の形態について説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のディスク再生装置は、ディスクDが搭載されるトレー94がドライブ本体部としてのメインシャーシ82に対して出し入れ自在とされている。トレー94の両側面にはガイド突起74が設けられている。これらのガイド突起74はメインシャーシ82に設けられたガイド凹部76に嵌め込まれてこれにガイドされることにより、トレー94はディスク面と平行に矢印A−B方向に案内されるようになっている。なお、81はこのディスク再生装置全体を収容する筐体である。
【0018】
メインシャーシ82内には、図1,図2,図3に示すように、ディスク再生機構を搭載したメカシャーシ90をダンパーゴム等の複数の緩衝部材91を介して支持して構成される再生メカユニット84が配置されている。メカシャーシ90には、ディスクモータ88、光ピックアップ89及び光ピックアップ送り機構等が搭載されている。ディスクモータ88のモータ軸にはターンテーブル87が取り付けられている。
【0019】
また、図2及び図3に示すように、再生メカユニット84のトレー挿入方向において奥側の両側面には回動軸83が突設されており、これらの回動軸83はメインシャーシ90に設けられた図示しない軸保持部に回動自在に保持されている。また、再生メカユニット84のトレー挿入方向手間側の面には回動案内軸85が突設されており、この回動案内軸85は図2において奥行方向にスライドするスライダ86に設けられた案内溝(図示せず)に挿入・保持され、スライダ86の移動に伴い、案内溝に沿って上下方向(ディスクDの厚み方向)に案内される。これにより、再生メカユニット84は、回動軸85を支点として矢印C−D方向へ傾動し、ディスククランプを行うように構成されている。
【0020】
また、図1及び図2に示すように、メインシャーシ82にはクランパホルダ93を介してクランパ92が保持されている。さらに、メインシャーシ82内にはトレーローディング及びディスククランプのための機構系が設けられている。
【0021】
次に、本実施形態のディスク再生装置における、光ピックアップのスキュー調整機構について説明する。
【0022】
図3および図4に本実施形態におけるスキュー調整機構を示す。これらの図において、光ピックアップ89は、互いに平行に配設された2本のガイド軸である主軸65と副軸66の間に掛け渡され、これらの軸方向に搬送自在に支持されている。これら主軸65および副軸66は次のようなスキュー調整機構を介してメカシャーシ90上に取り付けられている。
【0023】
すなわち、主軸65および副軸66における計4つの端部のうち3つの端部は、スキュー調整機構67を介してメカシャーシ90に取り付けられている。ここでは、図3に示すように、副軸66の両端部は共にスキュー調整機構67を介して取り付けられ、主軸65はその一方の端部のみがスキュー調整機構67を介して取り付けられている。主軸65の他方の端部は、スキュー調整時の基準の高さとするために、メカシャーシ90にアウトサート成形された軸受け68に拘束状態で支持されている。
【0024】
図4にスキュー調整機構67の詳細断面を示す。
【0025】
同図に示すように、このスキュー調整機構67は、メカシャーシ90に立設された(たとえばカシメられた)固定軸1と、主軸(副軸)65(66)の端部を支持するガイド軸ホルダー2と、圧縮バネ3とから構成されている。ガイド軸ホルダー2には固定軸1を挿通する軸挿通穴4が設けられている。すなわち、ガイド軸ホルダー2は、その軸挿通穴4に挿通された固定軸1に沿って矢印Z方向つまりディスクの厚み方向へ移動し得る構成とされている。
【0026】
一方、固定軸1の一部周面には捩子溝5が切られている。この固定軸1の捩子溝5の形成された先端部分はガイド軸ホルダー2の軸挿通穴4より突出しており、この突出した固定軸1の捩子溝形成部にはテフロンナット6が外嵌螺合され、このテフロンナット6によって固定軸1からのガイド軸ホルダー2の落下阻止とともに固定軸1上のガイド軸ホルダー2の高さ位置の微調整が行われる。つまり、テフロンナット6の内周面には固定軸1の捩子溝5に適合する捩子溝7が設けられており、このテフロンナット6を回転させることによって、固定軸1(シャーシ90)に対してガイド軸ホルダー2の高さ位置が微調整されるようになっている。
【0027】
また、ガイド軸ホルダー2とメカシャーシ90との間には固定軸1に対して同軸的に圧縮バネ3が介挿されており、この圧縮バネ3の圧力でガイド軸ホルダー2はテフロンナット6へ押しつけられている。これにより、固定軸1(シャーシ90)に対してのガイド軸ホルダー2の高さ位置が安定に保たれている。
【0028】
次に、このスキュー調整機構67によるスキュー調整の具体的な方法について説明する。
【0029】
まず、3か所のスキュー調整機構67を各々回転させて主軸65と副軸66を互いに平行に揃える。続いて、これら主軸65と副軸66により形成される面がディスク記録面と平行となるようにタンジェンシャル調整とラジアル調整を行う。 タンジェンシャル調整とは、光ピックアップ89のディスク反射面上でのビームスポットの移動軌跡(法線)の方向から見てディスク面に対して光ピックアップ89の光軸を直交させるための調整である。このタンジェンシャル調整は、副軸66を主軸65に対して平行に昇降させる、つまり副軸66の両端の各スキュー調整機構67における、それぞれのガイド軸ホルダー2の高さ位置を決めるテフロンナット6を、互いに同じ方向に同じ回転量だけ回転させることによって行うことができる。
【0030】
また、ラジアル調整とは上記法線に対してディスク面上で直交する方向から見てディスク面に対して光ピックアップ89の光軸を直交させるための調整である。したがって、このラジアル調整は、主軸65と副軸66のディスク外周側端部を支持するスキュー調整機構67における、それぞれのガイド軸ホルダー2の高さ位置を決めるテフロンナット6を、互いに同じ方向に同じ回転量だけ回転させることによって行うことができる。
【0031】
かくして本実施形態のディスクドライブによれば、主軸65および副軸66の端部を支持したガイド軸ホルダー2を、メカシャーシ90に立設された固定軸1に従ってディスクの厚み方向へ移動させることによって各ガイド軸の端部の高さ位置を微調整するスキュー調整機構を実現したことにより、メカシャーシ90の平面においてスキュー調整部品が占める面積の割合を、従来のメカシャーシ90にアウトサート成形された傾き調整カムを用いたものに比べ大幅に低減することができる。すなわち、本実施形態のディスクドライブにおいては、少なくとも固定軸1を立設するための領域がメカシャーシ90において確保されていればよく、この結果、メカシャーシ90の平面サイズを縮小することができ、ディスクドライブの小形化に寄与することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のディスク再生装置によれば、ガイド軸の端部を支持したガイド軸保持部を、ディスク駆動機構に装着されたディスクの厚み方向へ移動させて各ガイド軸の端部の高さ位置を微調整するように構成したから、メカシャーシ平面においてスキュー調整用の部品が占める面積の割合を、従来のメカシャーシにアウトサート成形された傾き調整カムを用いたものに比べ大幅に低減することができる。たとえば、本発明のディスク再生装置においては、少なくとも固定軸を立設するための領域がメカシャーシ平面に確保されていればよく、これによりメカシャーシの平面サイズを縮小することができ、装置全体の小形化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のディスク再生装置の全体的な構成を示す斜視図である。
【図2】図1のディスク再生装置の側面断面図である。
【図3】図1のディスク再生装置の光ピックアップのスキュー調整機構の構成を示す図である。
【図4】図3のスキュー調整機構の詳細を示す断面図である。
【図5】従来のディスク再生装置のメカユニットの構成を示す図である。
【図6】従来のスキュー調整機構の詳細を示す斜視図である。
【図7】従来のスキュー調整機構の詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定軸
2 ガイド軸ホルダー
3 圧縮バネ
5,7 捩子溝
6 テフロンナット
65 主軸
66 副軸
67 スキュー調整機構
68 軸受け
89 光ピックアップ
90 メカシャーシ
Claims (1)
- ディスクから信号を読み取る光ピックアップと、
前記光ピックアップを前記ディスクの半径方向に搬送自在に支持する、互いに平行に配設された2本のガイド軸と、
前記ディスクを装着して駆動するディスク駆動機構と、
前記ディスク駆動機構を搭載したシャーシと、
前記2本のガイド軸がもつ計4つの端部のうちの3つの端部の、前記ディスクの厚み方向の高さ位置をそれぞれ独立に調整する3つの調整機構とを具備し、
前記個々の調整機構が、前記シャーシに立設された固定軸と、前記ガイド軸の端部を保持しつつ前記固定軸に従って移動可能なガイド軸保持部と、前記固定軸上の前記ガイド軸保持部の高さ位置を調整する手段とを備えたことを特徴とするディスク再生装置。
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