JP5771948B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
バックライト耐性は、開口率の低いIPSモードにおいて、主に要求されてきた特性であるが、この要求に対しては、液晶配向剤にポリアミック酸エステルを用いることによりバックライト耐性を付与する方法が提案されている(特許文献1参照)。
そこで、かかるポリアミック酸エステルを含有する液晶配向剤中に低抵抗のポリアミック酸をブレンドした液晶配向剤を用いて、残留DC電圧を低減させることを試みたが、この場合には、液晶配向剤のワニスが白化してしまい、液晶配向剤の保存安定性が悪くなるという問題が生じてしまった。
1.下記式(1)で表されるポリアミック酸エステルと、下記式(3)で表されるポリアミック酸とを含有することを特徴とする液晶配向剤。
3.前記ポリアミック酸エステル及び前記ポリアミック酸の合計含有量が、有機溶媒に対して0.5〜15重量%である上記1又は2に記載の液晶配向剤。
4.前記ポリアミック酸エステルが、R2として上記式(2)の構造を5〜30モル%有する上記1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
5.前記ポリアミック酸が、R5として式(4)の構造を10〜90モル%有する上記1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
6.上記1〜5のいずれかに記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
7.上記6に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
本発明の液晶配向剤は、下記式(1)で表されるポリアミック酸エステルを含有する。
かかるポリアミック酸エステルで特徴的なことは、R2の少なくとも1つは、式(2)で表される2価の有機基を有することである。
R2はその全体の好ましくは5〜30モル%、より好ましくは10〜20モル%が上記式(2)であることが好適である。上記範囲より小さい場合には、プレチルト角が低くなりすぎたり、液晶配向性が悪くなりすぎたりすることがあり、また、上記範囲より大きい場合には、プレチルト角が高くなりすぎたり、液晶配向剤の印刷性が悪くなりすぎたりすることがある。
本発明の液晶配向剤は、下記式(3)で表されるポリアミック酸を含有する。
かかるポリアミック酸で特徴的なことは、R3の少なくとも1つは、式(4)で表される2価の有機基を有することである。
かかるポリアミック酸のR 5 が上記式(4)で表される2価の有機基を有することにより、かかるポリアミック酸であることにより得られる液晶配向剤は、ポリアミック酸エステルと極性が近くなるため、ポリアミック酸とポリアミック酸エステルとの相溶性が改善する結果、均一な塗膜を得ることができる。
上記R5の上記式(4)以外の他の2価の有機基の例としては、上記R2について式(2)以外の他の2価の有機基として例示した、(Y−1)〜(Y−75)が挙げられる。
上記式(1)で表されるポリアミック酸エステルは、下記式(6)〜(8)で表されるテトラカルボン酸誘導体のいずれかと、式(9)で表されるジアミン化合物との反応によって得ることができる。
上記式(1)で表されるポリアミック酸エステルは、上記モノマーを用いて、以下に示す方法によりジカルボン酸ジエステルとジアミンから合成することができる。
すなわち、ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルとジアミンを重縮合することにより合成することができる。
前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミンなどの3級アミンが使用できる。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという点から、ジアミン成分に対して2〜4倍モルが好ましい。
上記3つのポリアミック酸エステルの合成方法の中でも、高分子量のポリアミック酸エステルが得られるため、上記(1)又は上記(2)の合成法が特に好ましい。
上記のようにして得られるポリアミック酸エステルの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、ポリマーを析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
上記式(3)で表されるポリアミック酸は、下記式(10)で表されるテトラカルボン酸二無水物と式(11)で表されるジアミン化合物との反応によって得ることができる。
上記の反応に用いる有機溶媒は、モノマー及びポリマーの溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。ポリマーの濃度は、ポリマーの析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという点から、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
本発明の液晶配向剤は、上記した式(1)で表わされるポリアミック酸エステルと式(2)で表わされるポリアミック酸とを含有する。
ポリアミック酸エステルの重量平均分子量及びポリアミック酸の重量平均分子量は、いずれも、好ましくは5,000〜300,000であり、より好ましくは、10,000〜200,000である。また、数平均分子量は、好ましくは、2,500〜150,000であり、より好ましくは、5,000〜100,000である。
本発明の液晶配向剤は、上記のポリアミック酸エステル及びポリアミック酸が有機溶媒中に溶解した溶液の形態である。かかる形態を有する限り、例えば、ポリアミック酸エステル及び/又はポリアミック酸を有機溶媒中で合成した場合には、得られる反応溶液そのものであってもよく、また、この反応溶液を適宜の溶媒で希釈したものであってもよい。また、ポリアミック酸エステル及び/又はポリアミック酸を粉末として得た場合は、これを有機溶媒に溶解させて溶液としたものであってもよい。
上記シランカップリング剤を添加する場合は、ポリマーの析出を防ぐために、前記した塗膜均一性を向上させるための溶媒を加える前に添加するのが好ましい。また、シランカップリング剤を添加する場合は、ポリアミック酸エステル溶液とポリアミック酸溶液を混合する前に、ポリアミック酸エステル溶液、ポリアミック酸溶液、又はポリアミック酸エステル溶液とポリアミック酸溶液の両方に添加することができる。また、ポリアミック酸エステル−ポリアミック酸混合溶液に添加することができる。
液晶配向の塗膜を焼成する際にポリアミック酸エステルのイミド化を効率よく進行させるために、イミド化促進剤を添加してもよい。
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤を基板に塗布し、乾燥、焼成して得られる膜である。本発明の液晶配向剤を塗布する基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板、ポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることができ、液晶駆動のためのITO電極等が形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
得られた液晶配向膜を配向処理する方法としては、ラビング法、光配向処理法などが挙げられるが、本発明の液晶配向剤はラビング処理法で使用する場合に特に有用である。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向剤から液晶配向膜付き基板を得、配向処理を行った後、公知の方法で液晶セルを作製し、これを素子としたものである。
液晶セルの作製方法は特に限定されないが、一例を挙げるならば、液晶配向膜が形成された1対の基板を液晶配向膜面を内側にして、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmのスペーサーを挟んで設置した後、周囲をシール剤で固定し、液晶を注入して封止する方法が一般的である。液晶封入の方法については特に制限されず、作製した液晶セル内を減圧にした後液晶を注入する真空法、液晶を滴下した後封止を行う滴下法などが例示できる。
また、実施例及び比較例で使用する略号の説明を以下に示す。
(テトラカルボン酸二無水物)
CBDA: 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
(ジカルボン酸ジエステル)
CBDE: 2,4−ビス(メトキシカルボニル)シクロブタン1,3−ジカルボン酸
PMDE: 2,5−ビス(メトキシカルボニル)テレフタル酸
(ジアミン)
Me−4,4'DADPA: N1−(4-アミノフェニル)−N1−メチルベンゼン−1,4−ジアミン
4,4'DADPA: 4,4’−ジアミノジフェニルアミン
p−PDA: p−フェニレンジアミン
DDM: 4,4’−ジアミノジフェニルメタン
BAPU:1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア
BAPP:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
CAB−2:N−(2,4−ジアミノフェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンゾアミド
DMT−MM:4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリン−4−ニウム
(有機溶媒)
NMP: N−メチル−2−ピロリドン
BCS: ブチルセロソルブ
ジカルボン酸ジエステル成分として、CBDEを2.03g(0.0078mol)、PMDEを1.02g(0.0036mol)、ジアミン成分として、BAPUを1.07g(0.0036mol)、p−PDAを0.79g(0.0072mol)、CAB-2を0.49g(0.0012mol)、塩基としてトリエチルアミンを0.61g(0.0060mol)、縮合剤としてDMT−MMを9.96g(0.036mol)を用い、NMP84.4g中、室温で3.5時間反応させポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)を得た。
このポリアミック酸エステル溶液をメタノール550g中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、100℃で減圧乾燥して、ポリアミック酸エステル(PAE−2)の緑色粉末を得た。このポリアミック酸エステルの数平均分子量は16,478、重量平均分子量は39,754であった。
得られたポリアミック酸エステル(PAE−2)1.99gに、NMP17.90gを加え、室温で5時間攪拌した。攪拌終了時点でポリアミック酸エステルは完全に溶解していた。さらにこの溶液にNMP0.27g、BC7.83g、を加え、室温で2時間攪拌し、ポリアミック酸エステルが6質量%、NMPが64質量%、BCが30質量%の溶液を調製した。
ジカルボン酸ジエステル成分として、CBDEを2.03g(0.0078mol)、PMDEを1.02g(0.0036mol)、ジアミン成分として、BAPUを1.07g(0.0036mol)、p−PDAを0.71g(0.0066mol)、CAB-2を0.73g(0.0018mol)、塩基としてトリエチルアミンを0.61g(0.0060mol)、縮合剤としてDMT-MMを9.96g(0.036mol)を用い、NMP87.2g中、室温で3.5時間反応させポリアミック酸エステル溶液(PAE−3)を得た。
このポリアミック酸エステル溶液をメタノール570g中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、100℃で減圧乾燥して、ポリアミック酸エステル(PAE−4)の茶色粉末を得た。このポリアミック酸エステルの数平均分子量は14,794、重量平均分子量は34,084であった。
得られたポリアミック酸エステル(PAE−4)1.52gに、NMP13.68gを加え、室温で2.5時間攪拌した。攪拌終了時点でポリアミック酸エステルは完全に溶解していた。さらにこの溶液にNMP0.80g、BC5.90g、を加え、室温で1時間攪拌し、ポリアミック酸エステルが6質量%、NMPが64質量%、BCが30質量%の溶液を調製した。
ジカルボン酸ジエステル成分として、CBDEを2.03g(0.0078mol)、PMDEを1.02g(0.0036mol)、ジアミン成分として、BAPUを1.07g(0.0036mol)、p−PDAを0.65g(0.0060mol)、CAB-2を0.98g(0.0024mol)、塩基としてトリエチルアミンを0.61g(0.0060mol)、縮合剤としてDMT-MMを9.96g(0.036mol)を用い、NMP90.03g中、室温で3.5時間反応させポリアミック酸エステル溶液(PAE−5)を得た。
このポリアミック酸エステル溶液をメタノール585g中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、100℃で減圧乾燥して、ポリアミック酸エステル(PAE−6)の茶色粉末を得た。このポリアミック酸エステルの数平均分子量は16,324、重量平均分子量は37,913であった。
得られたポリアミック酸エステル(PAE−6)1.48gに、NMP13.22gを加え、室温で2.5時間攪拌した。攪拌終了時点でポリアミック酸エステルは完全に溶解していた。さらにこの溶液にNMP0.93g、BC5.82g、を加え、室温で1時間攪拌し、ポリアミック酸エステルが6質量%、NMPが64質量%、BCが30質量%の溶液を調製した。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CBDAを34.47g(0.18mol)、ジアミン成分として、Me−DADPAを28.38g(0.13mol)、BAPPを16.40g(0.057mol)を用い、NMP448.72g中、室温で1時間反応させポリアミック酸溶液(PAA−1)を得た。
ポリアミック酸溶液(PAA−1)99.32gをNMP67.54g、BC71.51gを用いて希釈し、固形分が6質量%、NMPが64質量%、BCが30質量%の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が12,536、重量平均分子量が37,407であった。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CBDAを3.63g(0.019mol)、ジアミン成分として、Me−DADPAを2.99g(0.014mol)、DDMを1.19g(0.006mol)を用い、NMP44.22g中、室温で2時間反応させポリアミック酸溶液(PAA−2)を得た。
ポリアミック酸溶液(PAA−2) 5.13gをNMP4.38g、BC4.08gを用いて希釈し、固形分が6質量%、NMPが64質量%、BCが30質量%の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が11,476、重量平均分子量が35,850であった。
実施例1にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−2)と実施例4にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−1)の重量比が20:80になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
実施例2にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−4)と実施例4にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−1)の重量比が20:80になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−6)と実施例4にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−1)の重量比が20:80になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−2)と実施例4にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−1)の重量比が30:70になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−1)と実施例4にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−1)の重量比が40:60になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−1)と実施例4にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−1)の重量比が50:50になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−1)と実施例4にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−2)の重量比が20:80になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CBDAを3.63g(0.019mol)、ジアミン成分として、4,4‘DADPAを2.79g(0.014mol)、BAPPを1.71g(0.0060mol)を用い、NMP46.29g中、室温で1時間反応させポリアミック酸溶液(PAA−3)を得た。
ポリアミック酸溶液(PAA−3)14.60gをNMP10.28g、BC10.65gを用いて希釈し、固形分が6質量%、NMPが64質量%、BCが30質量%の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が16,122、重量平均分子量が36,162であった。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CBDAを3.62g(0.019mol)、ジアミン成分として、4,4‘DADPAを2.79g(0.014mol)、DDMを1.18g(0.0060mol)を用い、NMP43.33g中、室温で1時間反応させポリアミック酸溶液(PAA−4)を得た。
ポリアミック酸溶液(PAA−4) 13.80gをNMP10.04g、BC10.20gを用いて希釈し、固形分が6質量%、NMPが64質量%、BCが30質量%の溶液を調製した。このポリアミック酸は、数平均分子量が17,535、重量平均分子量が48,542であった。
実施例1にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−1)と比較例1にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−3)の重量比が20:80になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1にて調製したポリアミック酸エステル(PAE−1)と比較例2にて調製したポリアミック酸溶液(PAA−4)の重量比が20:80になるように混合して、室温で1時間撹拌させ、本発明とする液晶配向処理剤を得た。この塗布液を用いて白化、RDCの評価を行った。結果を表2に示す。
重合反応により得られたポリイミドの分子量は、該ポリイミドをGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量と重量平均分子量を算出した。
GPC装置:Shodex社製 (GPC-101)
カラム:Shodex社製 (KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o-リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
実施例6〜11で調製した液晶配向処理剤、および比較例3,4で調製した液晶配向処理剤について、以下のようにして液晶セルを作製した。
液晶配向処理剤を透明電極付きガラス基板にスピンコートし、70℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、210℃のホットプレート上で10分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面をロール径120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、ロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmの条件でラビングし、液晶配向膜付き基板を得た。液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合いラビング方向が直行するようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2003(メルク・ジャパン社製)を注入し、注入口を封止して、ツイストネマティック液晶セルを得た。
作製した各液晶セルの物性の測定、および特性の評価の方法を以下に記述した。
なお、実施例6〜11、および比較例3,4における各液晶配向処理剤の組成、各液晶配向膜についての物性の測定、および特性の評価等の結果は、表1、表2にまとめて示した。
10cmのCr基板に実施例6〜11で調製した液晶配向処理剤、および比較例3,4で調製した液晶配向処理剤を1滴垂らして、温度23℃、湿度65%の条件下にて、液晶配向剤が白化するまでの時間を計測した。
作製したツイストネマティック液晶セルに、23℃の温度下で直流電圧を0Vから0.1V間隔で1.0Vまで印加し、各電圧でのフリッカー振幅レベルを測定し、検量線を作成した。5分間アースした後、交流電圧3.0V、直流電圧5.0Vを印加し、1時間後のフリッカー振幅レベルを測定し、予め作製した検量線と照らし合わせることによりRDCを評価した。なお、このRDCの評価法は、フリッカー参照法という。
ここで、RDC(OFF後)は、交流電圧3.0V、直流電圧5.0Vを1時間印加した直後の値を示し、RDC(5分後)は、交流電圧をOFFしてから5分後の蓄積電荷の値を示す。
Claims (7)
- 前記ポリアミック酸エステルの含有量/前記ポリアミック酸の含有量が、重量比率で、20/80〜50/50である請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記ポリアミック酸エステル及び前記ポリアミック酸の合計含有量が、液晶配向剤の総量に対して0.5〜15重量%である請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
- 前記ポリアミック酸エステルが、R2として式(2)の構造を5〜30モル%有する請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 前記ポリアミック酸が、R5として式(4)の構造を10〜90モル%有する請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
- 請求項6に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
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