JP5771436B2 - 集電体用アルミニウム箔 - Google Patents

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Description

本発明は、集電体用アルミニウム箔に関する。
従来、リチウムイオン電池等の二次電池や電気二重層コンデンサなどの集電体として、アルミニウム箔が用いられている。例えば、リチウムイオン電池の場合、アルミニウム箔表面に正極活物質を固定することにより正極が構成される。
上記正極は、具体的には例えば、以下のようにして製造される。すなわち、コバルト酸リチウム等の正極活物質粉末、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤、カーボンブラック等の導電助剤などをN−メチルピロリドン(以下、「NMP」と略称することがある。)に分散、混合して調製したペーストを、厚み15μm程度のアルミニウム箔の一方表面に塗工して塗工層を形成する。次いで、この塗工層を乾燥させることにより、塗工層中のNMPを蒸発させて除去する。上記乾燥後、必要に応じて、層内密度を増大させるために圧着工程を行う。このようにして、集電体としてのアルミニウム箔の表面に正極活物質含有層を有する正極が製造される。
上記のように、集電体表面に電極活物質を固定して電極を構成する場合、集電体と電極活物質含有層との間が十分に密着していることが重要になる。電極製造工程で集電体から電極活物質含有層が剥離すると歩留りの低下を招き、また、二次電池や電気二重層コンデンサに組み込んだ後に剥離するとこれらデバイスの寿命等の特性が劣化してしまうからである。
集電体と電極活物質含有層との間の密着性を改善するため、アルミニウム箔の表面を粗面化することが知られている。例えば、特許文献1には、少なくとも一方の表面の粗さとしてJIS B 0601:1994による平均粗さRaが0.3μm以上1.5μm以下で最大高さRyが0.5μm以上5.0μm以下である、集電体用アルミニウム箔が開示されている。
また、粗面化以外の方法により集電体と電極活物質含有層との間の密着性を改善する技術もある。例えば、特許文献2には、箔圧延後のアルミニウム箔表面に付着した圧延油を十分に脱脂することにより、ペーストの塗工性を向上させ、電極活物質含有層の密着性を向上させる点が開示されている。
特開平11−162470号公報 特開2008−159297号公報
しかしながら、従来技術は、電極活物質含有層の密着が未だ十分でなく、さらなる改良が求められているのが現状である。とりわけ、粉体状の電極活物質を用いる場合には、集電体と電極活物質含有層との間の密着性が低下しやすい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、電極活物質含有層の剥離が生じ難い集電体用アルミニウム箔を提供しようとするものである。
本発明は、少なくとも一方の箔表面とN−メチルピロリドンとの接触角が47°超60°以下であることを特徴とする集電体用アルミニウム箔にある。なお、上記「アルミニウム」は、アルミニウムを主体とする金属および合金の総称であり、純アルミニウムおよびアルミニウム合金を含む概念である。
上述したように、従来、集電体としてのアルミニウム箔の表面を粗面化したり、箔圧延後のアルミニウム箔表面に付着した圧延油を十分に脱脂したりすることにより、集電体と電極活物質含有層との間の密着性を改善する試みがなされてきた。しかしながら、それだけでは密着性の改善が不十分である。種々検討の結果、アルミニウム箔の表面に電極活物質含有層を形成する際に用いるペースト中に含まれるNMPとアルミニウム箔との濡れ性、つまり、ペースト塗工後の塗工層の乾燥前のNMPとアルミニウム箔との濡れ性が、上記乾燥後あるいはその後に必要に応じてなされる圧着工程後における、アルミニウム箔と電極活物質含有層との間の密着性に影響を与えるという知見が得られ、本発明の完成に至ったのである。
換言すれば、一般的には、濡れ性がよいほど密着性が向上しやすいと思われていたところ、アルミニウム箔とNMPとの組み合わせの場合は実はそうではなく、アルミニウム箔表面とNMPとの接触角が47°超60°以下という特定範囲の濡れ性の状態にすることにより、上記乾燥後あるいはその後に必要に応じてなされる圧着工程後におけるアルミニウム箔と電極活物質含有層との間の密着性が向上することが見出され、本発明の完成に至ったのである。
上記本発明によれば、電極活物質含有層の剥離が生じ難い集電体用アルミニウム箔を提供することができる。したがって、これを例えば、二次電池や電気二重層コンデンサの集電体として用いれば、電極製造工程において集電体から電極活物質含有層が剥離して歩留りが低下するのを抑制することができる。また、二次電池や電気二重層コンデンサ等に組み込んだ後の剥離も抑制できるので、これらデバイスの寿命等の特性を向上させることが可能となる。
上記集電体用アルミニウム箔は、少なくとも一方の箔表面とN−メチルピロリドンとの接触角が47°超60°以下である。上記接触角が45°以下になると、ペースト中の有機溶媒であるNMPがアルミニウム箔に過度に濡れやすくなる。そのため、集電体と電極活物質含有層との間の密着性が低下する。これは、ペースト塗工後の塗工層とアルミニウム箔との境界面にNMPの中間層が発生しやすくなり、この中間層に起因して乾燥後に電極活物質含有層の密着性が阻害されるためであると推定される。そのため、上記集電体用アルミニウム箔では、上記接触角を、47°超とする
一方、上記接触角が60°以上になると、ペースト中の有機溶媒であるNMPがアルミニウム箔に過度に濡れ難くなる。そのため、アルミニウム箔にペーストを塗工する際の塗工性が低下し、集電体と電極活物質含有層との間の密着性が低下する。上記接触角は、好ましくは、57°以下、より好ましくは、55°以下であるとよい。
上記接触角の測定は、測定温度25℃において、上記アルミニウム箔表面に2μlのNMPを滴下し、アルミニウム箔とNMPとの接触状態を測定することにより算出することができる。
上記集電体用アルミニウム箔において、NMPとの接触角が上記範囲にある箔表面は、粗面化されていることが好ましい。
表面凹凸によるアンカー効果により、電極活物質含有層の密着性向上に有利だからである。具体的には、JIS B 0601:2001に準拠して測定される算術平均高さRaが、好ましくは、0.2〜0.8μm、より好ましくは、0.3〜0.6μmであるとよい。また、JIS B 0601:2001に準拠して測定される最大高さRzが、好ましくは、0.5〜5μm、より好ましくは、1.5〜4μmであるとよい。Ra、Rzが上記範囲内にある場合には、ペーストの連続的な塗工性、圧着時における耐箔破断性、電気伝導性などのバランスに優れるからである。
箔表面を粗面化する方法は、特に限定されるものではなく、各種の機械的方法、化学的方法、物理的方法を用いることができる。これら方法は、1種または2種以上併用することができる。機械的方法としては、箔表面をエメリー紙等の研磨紙で擦ったり、サンドブラスト等のブラスト加工を用いて箔表面を粗面化したり、粗面化された圧延ロールで圧延する方法などが挙げられる。また、化学的方法としては、酸等によりエッチングする方法などが挙げられる。なお、アルミニウムは、表面に酸化膜(アルマイト)を形成しやすいため、エッチャントやエッチング条件を適宜選択することが好ましい。また、物理的方法としては、スパッタリング等、イオンを衝突させて表面を粗面化する方法などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、粗面化された圧延ロールで圧延する方法である。電極活物質含有層との剥離強度に優れた集電体用アルミニウム箔が得られるからである。また、箔圧延と同時に箔表面を粗面化することができるので、箔製造工程が簡略化され、箔製造性に優れるからである。また、箔圧延時に箔表面に後述する圧延油(残留圧延油)を着けることができるからである。ロールを粗面化する方法としては、例えば、サンドブラスト、液体ホーニング、ショットピーニング、放電加工、レーザダル加工、微粉末溶射などが挙げられる。これらは1または2以上併用することができる。
上記集電体用アルミニウム箔において、上記箔表面には油分が着いており、上記油分の量は、100〜1000μg/mの範囲内にあることが好ましい。
上記箔表面に着いている油分の量が100μg/m以上であると、NMPと箔表面との接触角が47°超になりやすい。一方、上記箔表面に着いている油分の量が1000μg/m以下であると、NMPと箔表面との接触角が60°以下になりやすい。上記油分の量の下限値は、より好ましくは、150μg/mであるとよい。上記油分の量の上限値は、好ましくは、900μg/m、より好ましくは、800μg/mであるとよい。また、上記油分の量(μg/m)は、箔表裏面に着いている油分の合計量(μg)/箔表裏面の合計表面積(m)から求めることができる。具体的には、上記油分の量は、有機溶剤や酸などを用いて箔から採取し、ガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
上記油分は、バーコート法、ロールコート法、静電塗油、圧延等の方法により箔表面に着けることができる。また、上記油分の量は、例えば、アルカリあるいは有機溶媒等の洗浄剤を用いて洗浄し、この洗浄の強弱等によって調整することが可能である。
上記集電体用アルミニウム箔において、上記油分は圧延油であることが好ましい。上記圧延油は、集電体用アルミニウム箔の製造時における箔圧延時に使用したものが好適である。上記圧延油は、箔圧延時に使用した圧延油の残留分である残留圧延油であってもよい。
これらの場合には、箔圧延後、箔表面に、別途、油分を着ける必要がない。そのため、箔製造工程を簡略化することができ、箔製造性に優れた集電体用アルミニウム箔となる。なお、上記油分が、圧延油、残留圧延油である場合も、その油分の量は、上述したガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
上記集電体用アルミニウム箔の組成は、箔圧延が可能であれば、特に限定されるものではない。上記集電体用アルミニウム箔の組成としては、例えば、JIS 1085、1070、1050、1N30、1100、3003、3004、8021、8079などが挙げられる。
上記集電体用アルミニウム箔は、硬質材(H材)であることが好ましい。箔圧延後に焼鈍されないので、油分として残留圧延油を用いることができるからである。
上記集電体用アルミニウム箔の厚みは、好ましくは、10〜100μm、より好ましくは、10〜50μm、さらに好ましくは、10〜30μmの範囲内にあるとよい。上記厚みが10μm以上である場合には、箔表面を粗面化する際に、箔の破断や亀裂が生じ難くなり、剥離強度の向上に寄与しやすくなる。また、上記厚みが100μm以下である場合には、箔の体積や重量が集電体として適度であるため、集電体を組み込む二次電池や電気二重層コンデンサ等の小型化、軽量化に寄与しやすく、低コスト化の面でも有利である。
上記集電体用アルミニウム箔は、例えば、リチウムイオン電池、リチウムポリマ電池等の二次電池の電極の集電体、電気二重層コンデンサの電極の集電体などとして用いることができる。
また、上記集電体用アルミニウム箔は、集電体として使用される際に、NMPとの接触角が上記範囲になる箔表面に電極活物質含有層が形成される。上記電極活物質含有層は、電極活物質と、結着剤と、有機溶媒としてのNMPとを少なくとも含むペーストを塗工すし、塗工層を乾燥させる工程を経て形成することが好ましい。上記乾燥後に、さらに圧着工程を追加することも可能である。また、上記電極活物質は粉体状のものを好適に用いることができる。本発明によれば、電極活物質が粉体状であっても優れた密着性を発揮することができるからである。
本発明の実施例に係る集電体用アルミニウム箔について、以下に説明する。
(実施例2、3、5、、参考例1、4
実施例2、3、5、6に係る集電体用アルミニウム箔は、両箔表面ともに、箔表面とN−メチルピロリドンとの接触角が47°超60°以下の範囲内にある。実施例2、3、5、、参考例1、4に係る集電体用アルミニウム箔は、以下の手順で作製した。
<箔圧延>
JIS 1085の組成を有するアルミニウム合金を半連続鋳造により造塊し、得られた鋳塊を面削して表面の不均一層を除去した。次いで、この鋳塊を35℃/hrの昇温速度で450℃の温度に加熱し、3時間保持する均質化処理を行った。次いで、この鋳塊を、開始温度440℃、終了温度225℃にて熱間圧延し、板厚3mmのアルミニウム板とした。次いで、このアルミニウム板を厚み600μmまで冷間圧延し、その後、連続焼鈍炉を用いて、昇温速度100℃/秒、保持温度400℃、保持時間0秒、冷却速度150℃/秒の条件で中間焼鈍を行った。次いで、この中間焼鈍後のアルミニウム板に対して冷間圧延を繰り返し行い、厚み15μmの各アルミニウム箔を作製した。
なお、上記アルミニウム箔の作製では、最終箔圧延の際に、通常粗度の圧延ロールを用いることにより、アルミニウム箔(1)を作製するとともに、ショットブラストにより表面を粗した圧延ロールを用いることにより、アルミニウム箔(2)を作製した。アルミニウム箔(1)の箔表面のRa値は0.22μm、Rz値は1.60μmであった。一方、アルミニウム箔(2)の箔表面のRa値は0.47μm、Rz値は3.92μmであった。
また、上記箔圧延時には、圧延油として、基油に鉱油を用い、油性剤として多価高級アルコールおよび脂肪酸を合計1質量%含有したもの(但し、圧延油全体を100質量%とする。)を用いた。
次いで、上記箔圧延後の各アルミニウム箔について、洗浄強弱の異なるアルカリ洗浄を行い、箔表面に着いている残留圧延油の量を種々調整した。つまり、本実施例では、箔圧延後の箔表面に着いている残留圧延油の量を種々調整することにより、箔表面とNMPとの接触角を調整した。
<接触角の測定>
上記各アルミニウム箔について、接触角の測定を行った。具体的には、測定温度25℃において、各アルミニウム箔表面に2μlのNMPを滴下して、各アルミニウム箔とNMPとの接触状態を測定し、接触角を算出した。なお、上記測定には、(株)エルマ製ゴニオメータ式接触角測定器G−1型を用いた。
<箔表面に着いている残留圧延油の量の測定>
上記箔表面に着いている残留圧延油の量を調整した各アルミニウム箔から試験片(表裏面の総表面積800cm)を採取した。採取した試験片を短冊状に切断し、得られた短冊状サンプルの全てを250mlのメスフラスコに入れた。上記メスフラスコにヘキサン70mlを加え、メスフラスコを撹拌し、70℃のホットプレート上で20分間加熱した。その後、このメスフラスコをよく撹拌した。これによる抽出液を抽出液Aという。
次いで、ヘキサンにより抽出した後の上記短冊状サンプルの全てに蒸留水90ml、ヘキサン30mlおよび6N塩酸30mlを加え、アルミニウムの分解反応がおさまるまで放置した。その後、さらに6N塩酸10mlを加え、短冊状サンプルの表面が完全に分解するまで放置し、メスフラスコを撹拌することで、ヘキサン中に残留油を抽出した。その後、ガラス製のスポイトで表層に分離しているヘキサン抽出液を100mlビーカーに移し入れた。次いで、この抽出液が約20mlになるまで加熱蒸発させ、さらに、室温で約5mlまで蒸発させた。その後、吸引デシケーターで減圧濃縮し、ヘキサンを完全に蒸発させた。これによる抽出液を抽出液Bという。
次いで、上記抽出液Aおよび抽出液Bをヘキサン100μlで溶解し、そのうちの4μlをガスクロマトグラフに注入して分析し、ヘキサン100μlに換算して、かつ総表面積で割ることにより、単位面積当たりの残留圧延油の量(μg/m)を測定した。
なお、上記ガスクロマトグラフ分析は、以下の通りとした。
・分析装備:(株)島津製作所製、GC−14B
・カラム:Gカラム G−205 40m
・検出器:FID
・検出器温度:320℃
・キャリヤガス:窒素ガス30ml/min
以上により、後述する表1に示すように、両箔表面ともに、箔表面とN−メチルピロリドンとの接触角が47°超60°以下の範囲内にある、実施例2、3、5、6に係る集電体用アルミニウム箔を得た。また、併せて、参考例1、4に係る集電体用アルミニウム箔を得た。
(比較例)
上記実施例2、3、5、6に係る集電体用アルミニウム箔の作製において、アルカリ洗浄の強弱を各実施例と異ならしめることにより、箔表面に着いている残留圧延油の量を各実施例と異ならしめた以外は同様にして、比較例1、2に係る集電体用アルミニウム箔を得た。比較例1に係る集電体用アルミニウム箔は、後述の表1に示すように、両箔表面ともに、箔表面とNMPとの接触角が45°以下の範囲内にある。一方、比較例2に係る集電体用アルミニウム箔は、後述の表1に示すように、両箔表面ともに、箔表面とNMPとの接触角が60°超の範囲内にある。
<集電体用アルミニウム箔の密着性評価>
作製した各集電体用アルミニウム箔の密着性評価は、集電体用アルミニウム箔と電極活物質含有層との剥離強度を測定することにより行った。なお、ここでは、作製した集電体用アルミニウム箔をリチウムイオン電池の集電体に適用することを想定した。
具体的には、正極活物質として汎用のLiCoO粉末:60質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラック:5質量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン:5質量部と、有機溶媒としてのN−メチルピロリドン:30質量部とを混合し、ペーストを調製した。ロールコータを用いて、各試験片の片面(粗面化された面)に厚さ20μmで上記調製したペーストを塗布し、90℃×5分の条件で乾燥させた。これにより、各アルミニウム箔における一方の箔表面(上述したJIS B 0601:2001に準拠して測定した算術平均高さRa、最大高さRz、油分の量に調整されている)に正極活物質含有層を形成した各試料を作製した。
次いで、得られた各試料を用いてJIS K 6854−2:1999 「第2部:180度はく離」に準拠して180度剥離強度を測定した。この際、上記規格中の剛性被着材には厚み3mmの硬質塩化ビニル板を用いた。また、上記アルミニウム板材の表面に各試料の正極活物質含有層の表面を接着するための接着剤として両面テープ(ニチバン社製、「NW−25」)を用いた。また、上記規格中のつかみによる試料の引張速度は100mm/分とした。なお、各試料の剥離強度(N/25mm)は、各試料につき5回測定を行い、得られた5回の測定値の平均値とした。剥離強度は、1.3N/25mm以上を合格とした。
表1に、作製した各集電体用アルミニウム箔の構成と評価結果を示す。
Figure 0005771436
表1を相対比較すると以下のことが分かる。すなわち、比較例1に係る集電体用アルミニウム箔は、箔表面とNMPとの接触角が45°以下である。そのため、集電体と正極活物質含有層との間の密着性が不十分となり、正極活物質含有層の剥離が生じやすい。
また、比較例2に係る集電体用アルミニウム箔は、箔表面とNMPとの接触角が60°超である。そのため、集電体と正極活物質含有層との間の密着性が不十分となり、正極活物質含有層の剥離が生じやすい。
これらに対し、実施例2、3、5、6に係る集電体用アルミニウム箔は、いずれも、箔表面とNMPとの接触角が47°超60°以下の範囲内にある。そのため、集電体と正極活物質含有層との間の密着性が向上し、剥離強度に優れることがわかる。したがって、本実施例によれば、正極活物質含有層の剥離が生じ難い集電体用アルミニウム箔が得られることが確認できた。
また、実施例どうしを比較した場合、表面を粗した圧延ロールを用い、箔表面の粗度を大きくしたアルミニウム箔(2)を用いた実施例5、6は、通常粗度の圧延ロールを用い、箔表面の粗度が小さいアルミニウム箔(1)を用いた実施例2、3に比較して、剥離強度に優れることがわかる。これは、表面凹凸によるアンカー効果により、電極活物質含有層の密着性が向上したためである。
また、箔表面に油分が着いている場合、油分の量、具体的には、残留圧延油の量が、100〜1000μg/mの範囲内にある場合には、NMPと箔表面との接触角が47°超60°以下の範囲になりやすいことがわかる。
したがって、上記実施例2、3、5、6に係る集電体用アルミニウム箔を、例えばリチウムイオン電池の集電体として用いた場合には、電池の充放電サイクルにおけるリチウムのドープ、脱ドープによって生じる正極活物質の体積変化に起因する正極活物質含有層の剥離や、電極製造工程での剥離を抑制しやすくなり、電池のサイクル特性の向上に寄与することが可能になるといえる。
以上、実施例について説明したが、本発明は、上記実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変形を行うことができる。
例えば、上記実施例においては、作製した集電体用アルミニウム箔にリチウムイオン電池の正極に適した材料による正極活物質含有層を形成したが、他にも、作製した集電体用アルミニウム箔に電気二重層コンデンサの電極に適した材料による電極活物質含有層を形成することが可能なものであり、この場合にも、上記と同様に剥離強度の向上効果を得ることができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも一方の箔表面とN−メチルピロリドンとの接触角が47°超60°以下であることを特徴とする集電体用アルミニウム箔。
  2. 記箔表面には油分が着いており、上記油分の量は、100〜1000μg/m の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の集電体用アルミニウム箔。
  3. 油分は圧延油であることを特徴とする請求項2に記載の集電体用アルミニウム箔。
  4. 箔表面が粗面化されており、該粗面化された箔表面のJIS B 0601:2001に準拠して測定される算術平均高さRaが0.2〜0.8μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集電体用アルミニウム箔。
  5. 上記粗面化された箔表面のJIS B 0601:2001に準拠して測定される最大高さRzが0.5〜5μmの範囲内にあることを特徴とする請求項4に記載の集電体用アルミニウム箔。
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