JP6960091B2 - 非水電解質二次電池用の正極 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用の正極に関する。
非水電解質二次電池は、実用化が進むに連れて、用途に応じて種々の特性をコストを要せずに向上させることが求められている。例えば、非水電解液は低温で粘度が上昇することから、低温環境において出力特性が悪化しがちである。したがって、低温環境においても高い出力特性が求められる用途の二次電池については、低温出力特性の改善が必須の技術として要求される。
特開2017−041329号公報 特開2013−211127号公報
例えば特許文献1には、低温出力特性を高めるために、リチウム含有複合酸化物に含まれる硫酸リチウム一水和物の含有量を78質量ppm以下に低減させた正極活物質が開示されている。このことにより、正極製造時に正極ペーストに用いた溶媒の残留を低減することができ、残留溶媒による低温出力特性への悪影響を抑制できると記載されている。しかしながら、潜在的なニーズとして、非水電解質二次電池にはより一層の高性能化が求められてもいる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、非水電解質二次電池に用いられた場合に低温出力特性を改善することができる非水電解質二次電池用の正極を提供することにある。
ここに開示される技術は、非水電解質二次電池用の正極を提供する。この正極は、導電性箔と、正極活物質粉末を含み上記導電性箔の表面に備えられた正極活物質層とを含む。そして上記正極活物質層のうち、少なくとも上記導電性箔に接する領域に含まれる第一正極活物質粉末の平均粒子径をAμm、上記導電性箔の残油量をBmg/mとしたとき、これらA,Bは、以下の(1)および(2)のいずれかの関係を満たす。
(1)2≦A≦9、1≦B<3、かつ、0.1≦(B/A)<0.7
(2)5≦A≦7、3≦B≦7、かつ、0.7≦(B/A)≦1.4
正極集電体として用いられるアルミニウム箔等については、箔上に残留した圧延油がぬれ性を阻害し、正極ペーストの均一塗布に対して悪影響を与え得ることが知られている。そのため、例えば特許文献2に示されるように、正極集電体用の導電性箔については、加熱ロールによる脱脂工程や、水素雰囲気下での加熱による脱脂工程を施すなどして、残留圧延油を4mg/m以下に低減させること等が提案されている。しかしながら、本発明者の鋭意検討によると、単に導電性箔の残油量が一定のレベル(例えば、4mg/m以下)にまで低減しても、十分な低温出力特性が得られない場合があることを知見した。また、導電性箔の残油量を一定のレベルを超えている場合であっても、他の条件を工夫することで低温出力特性を改善できることを知見した。すなわち、ここに開示される技術によると、上記のように、正極は、導電性箔の残油量に応じて正極活物質粉末の平均粒子径が適切に制御されている。このような構成によって、この正極を用いた非水電解質二次電池の低温出力特性を有意に改善することができる。
なお、本明細書において、正極活物質粉末の平均粒子径は、レーザー回折・光散乱式の粒度分布計を用いて測定した体積基準の粒度分布における、累積50%に相当する粒子径(D50)である。
また、導電性箔の残油量は、導電性箔を一定の大きさに切り出した試験片の両面に付着した残油の質量を、試験片の両面の面積で除することにより算出される値である。なお、残油の質量は、例えばガスクロマトグラフ質量分析計、発光分光分析装置等により計測することができる。また、残油成分が既知の場合は、例えば、炭素量分析装置によって計測された炭素量から、残油成分の質量を算出してもよい。さらに、残油量は、特許文献2に記載の手法で測定された値を採用してもよい。
一実施形態に係る正極の断面模式図である。 活物質粉末の平均粒子径と残油量との関係を説明する概念図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない正極活物質および導電性箔の組成や二次電池の構成等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において数値範囲を表す「A〜B」との表記は、A以上B以下を意味する。
図1は、一実施形態に係る正極10の模式的な断面図である。ここに開示される正極10は、非水電解質二次電池に用いられる。正極10は、少なくとも、導電性箔12と、正極活物質層14とを備えている。以下、各要素について説明する。
導電性箔12は、電子伝導性の良好な金属により構成される箔であり、正極集電体として機能する。導電性箔12は、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、銅、およびこれらの金属を含む合金等により構成される。導電性箔12の厚み(平均厚み)はこれに限定されるものではないが、典型的には、1〜100μm程度の範囲から電池構成等に応じて適宜設定することができる。導電性箔12は、強度と低抵抗化の観点から、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上、例えば5μm以上である。導電性箔12は、軽量化とコンパクト化の観点から、好ましくは50μm以下程度であり、より好ましくは30μm以下程度であり、特に好ましくは20μm程度以下である。
このような薄層状の導電性箔12は、通常、原料となる金属材料の鋳塊または金属板をローラーで多段圧延することにより製造される。この圧延工程は、主として熱間加工と薄層化のための熱間圧延と、焼鈍しを目的とした冷間圧延とを含む。また、圧延では、被圧延材の摩擦と変形による発熱で圧延ロールが変形しないようにロールを冷却する。このとき、ロールの潤滑性と冷却性とを高めるために、圧延油が使用される。圧延油は、石油系炭化水素を用いることが一般的であり、例えば、パラフィン系油やナフテン系油をベースオイルとして用い、このベースオイルに高級脂肪酸、アルコール、エステル等の添加剤を圧延条件に応じて添加した様々なオイルが使用されている。これらの圧延油は、通常蒸留終点が300℃以下に設計され、焼鈍により除去される。しかしながら、箔の粗面度や巻き取りコイル密度、添加剤成分などの影響により、熱処理によっても不可避的な油残りが生じる。したがって、導電性箔12の表面には、不可避的に圧延油の残油が付着している。この残油量は、非水電解質二次電池の集電箔用に製造された導電性箔12については、概ね15mg/m以下に制御されている。換言すると、導電性箔12には、概ね0mg/mを超えて15mg/m以下程度の圧延油が付着している。
正極活物質層14は、正極活物質粉末を含む。正極活物質は、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出することできる材料である。非水電解質二次電池がリチウムイオン電池の場合、正極活物質は、Liイオンを吸蔵および放出できる材料である。このような正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウム(例えば、LiCoO)、ニッケル酸リチウム(例えば、LiNiO)コバルトニッケルマンガン酸リチウム(例えば、Li1+xCo1/3Ni1/3Mn1/3、式中、xは0≦x<1を満たす)等の層状岩塩型リチウム遷移金属酸化物、マンガン酸リチウム(例えば、LiMn)、Li1+xMn2-x-y y(Mは、Al、Mg、Ti、Co、Fe、Ni、およびZnから選ばれる1種以上の金属元素であり、x,yは独立して0≦x,y≦1を満たす)で表される組成のスピネル型リチウム遷移金属酸化物、チタン酸リチウム(例えば、LixTiOy、x,yは独立して0≦x,y≦1を満たす)、リン酸金属リチウム(例えば、LiMPO、MはFe、Mn、Co、またはNi)等が挙げられる。これらはいずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられれてもよい。
正極活物質は、通常は粉末の形態のものから構成されている。粉末を構成する個々の正極活物質粒子は、複数のものがバインダにより互いに結合されるとともに、導電性箔12の表面に結合されて、正極活物質層14を構成している。ここで、例えば図2に示すように、導電性箔12の表面には残油成分が付着している。導電性箔12の表面に接する正極活物質粉末に着目すると、正極活物質粉末の平均粒子径(D50)が相対的に大きい場合(a)は、活物質粉末と残油成分との接触面積が相対的に少なくなる。反対に、正極活物質粉末の平均粒子径(D50)が相対的に小さい場合(b)は、活物質粉末と残油成分との接触面積が相対的に多くなる。また、導電性箔12の残油量が相対的に少ない場合(b)は、活物質粉末と残油成分との接触面積が相対的に少なくなる。反対に、導電性箔12の残油量が相対的に多い場合(c)は、活物質粉末と残油成分との接触面積が相対的に多くなる。残油成分は、正極活物質層14の導電性箔12への付着性を阻害するだけでなく、低温時の正極活物質の電荷担体の出入力特性を低下させ得る。かかる観点において、活物質粉末と残油成分との接触面積は少ないことが好ましい。
ここで、低温環境における正極活物質の電荷担体の出入力が、活物質粉末と残油成分との接触面積のみに依存するのであれば、単純に、活物質粉末の平均粒子径をより大きく制限し、残油量をより少なく制限すればよいことになる。しかしながら、本発明者の検討によると、低温環境における正極活物質の電荷担体の出入力をより詳細に検討すると、活物質粉末の平均粒子径および残油量に単純に依存するのではなく、両者のバランスによって変化することが明らかとなった。例えば、特許文献2では、リチウムイオン二次電池の集電体用のアルミニウム箔の残油量を4.0mg/m以下に制限している。しかしながら、導電性箔12の残油量が4.0mg/mより多い場合であっても、活物質粉末の平均粒子径を適切に制御すれば、低温出力特性を好適に改善することができる。また、導電性箔12の残油量を4.0mg/m以下に制限した場合であっても、活物質粉末の平均粒子径がこれにバランスした適切な範囲になければ、低温出力特性を改善することはできない。
そこで種々検討した結果、ここに開示される正極10においては、正極活物質粉末の平均粒子径をAμm、導電性箔の残油量をBmg/mとしたとき、少なくとも導電性箔に接する領域に含まれる第一正極活物質粉末の平均粒子径Aと導電性箔の残油量Bとは、以下の(1)および(2)のいずれかの関係を満たすように構成している。正極10がこのような関係を満たすよう構成されることで、非水電解質二次電池の低温出力特性を有意に改善することができる。
(1)2≦A≦9、1≦B<3、かつ、0.1≦(B/A)<0.7
(2)5≦A≦7、3≦B≦7、かつ、0.7≦(B/A)≦1.4
第一正極活物質粉末の平均粒子径Aと導電性箔12の残油量Bとは、2<A<9、1≦B<2、かつ、0.1≦(B/A)≦0.5を満たすか、3≦A≦9、2≦B<3、かつ、0.2≦(B/A)<0.7を満たすことがより好ましい。さらには、3<A<7、1≦B<2、かつ、0.1≦(B/A)≦0.3を満たすことが特に好ましい。
なお、第一正極活物質粉末は、球形に近いほうが、一般的な塗布用により簡便に正極活物質層14を作製した場合でも残油成分との接触面積を低く抑えることができる。かかる観点から、第一正極活物質粉末の平均アスペクト比は、概ね1〜1.5の略球状であることが好ましく、例えば、平均アスペクト比は1〜1.3、より好ましくはは1〜1.2の球状であるとよい。なお、平均アスペクト比は、電子顕微鏡観察などにより得られた正極活物質粒子の観察像について画像解析法によって算出された100個の粒子のアスペクト比(長径/短径)の算術平均値である。
正極活物質層14に含まれるバインダとしてはこの種の電池の正極バインダとして使用される樹脂を用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイドが好適なものとして例示される。また、正極活物質層14は、正極活物質粉末とバインダのほかに、例えば、導電材、分散剤等の任意の成分を含んでもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック、典型的には、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料が例示される。
なお、上記のように正極活物質粉末の平均粒子径Aを規定することが求められるのは、正極活物質層14のうちの少なくとも導電性箔12に接する領域(第一領域という)である。というのは、正極活物質層14であっても、導電性箔12から離れた側の表面近傍においては、導電性箔12の残油成分による低温出力特性の低下の影響を受け難いためである。かかる第一領域は、導電性箔12の表面に垂直な厚み方向に沿って、例えば、正極活物質層14のうち導電性箔12側の端部から少なくとも(3×A)μmに亘る領域とすることができる。このように第一領域を設定することで、効果的に残油成分による悪影響を抑制することができる。正極活物質層14の厚みは(3×A)μmよりも厚いことが殆どである。したがって、正極の製造容易性の観点から、かかる第一領域は、具体的には、例えば、正極活物質層14のうち導電性箔12の側から6μm以上であることが好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましく、20μm以上が特に好ましい。第一領域は、正極活物質層14の厚みの50%以上に亘ってもよく、70%以上であってもよく、例えば90%以上、実質的に100%であってもよい。換言すると、正極活物質層14は、第一領域のみからなる単層構造であってもよいし、第一領域と他の領域とからなる2層または3層以上の多層構造であってもよい。
なお、上記第一領域が正極活物質層14の一部に設けられる場合、他の領域に含まれる正極活物質粉末の平均粒子径は特に制限されない。例えば、他の領域における正極活物質粉末の平均粒子径は、残油量に寄らず、蓄電特性や表面コート時の作業性等を考慮して、概ね1μm以上、例えば5μm以上であるとよい。また、正極活物質層14を緻密で均質に形成する観点からは、平均粒子径は概ね30μm以下、典型的には20μm以下、例えば10μm以下であるとよい。かかる他の領域の正極活物質粉末の平均アスペクト比については、第一正極活物質粉末と同等であってよい。すなわち、平均アスペクト比は、概ね1〜1.5の略球状、例えば1〜1.3の球状であるとよい。
なお、このような正極10は、導電性箔12の表面に、上記正極活物質層14の構成成分を含む正極用ペーストを供給し、乾燥させることで製造することができる。ここで、正極用ペーストの調製に用いる第一正極活物質粉末は、導電性箔12の残油量に応じて、その平均粒子径が調整されている。正極用ペーストの調製に用いる分散媒は特に制限されず、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の上記バインダを溶解し得る有機溶剤を好適に用いることができる。正極活物質層14が、上記の第一領域と他の領域とを含む場合は、まず、導電性箔12の表面に第一領域用の正極用ペーストを供給して第一領域を形成したのち、その上に他の領域用の正極用ペーストを供給して当該他の領域を形成すればよい。他の領域用の正極用ペーストを供給する際に、先に供給した第一領域用の正極用ペーストは、乾燥させておいてもよいし、乾燥させた状態でなくてもよい。これにより、ここに開示される正極10を得ることができる。
[非水電解質二次電池]
上記正極10は、非水電解質二次電池の構築に好適に用いることができる。なお、本明細書において「非水電解質二次電池」とは、蓄電要素と非水系の電解質とを含み、繰り返し使用可能な蓄電池(二次電池)や蓄電素子全般を包含する用語である。非水電解質二次電池は、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、電気二重層キャパシタ等であってもよい。ここに開示される技術において、非水電解質二次電池は、上記の正極と、負極と、電解質と、を備える。
負極は、従来と同様でよく特に限定されない。負極は、典型的には、負極集電体と、上記負極集電体上に備えられた負極活物質層とを有する。負極集電体としては、例えば銅、ニッケル、ステンレス鋼等からなる金属箔が例示される。負極活物質層は、少なくとも粉末状の負極活物質を含んでいる。負極活物質としては、例えば、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。負極活物質層は、負極活物質の他に、例えば、バインダ、増粘剤等の任意の成分を含んでもよい。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類や、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂が例示される。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類が例示される。
正極と負極とは、セパレータによって電気的に絶縁されている。セパレータは、従来と同様のものであってよく特に限定されない。セパレータは、電気的絶縁性を有しつつ、正負極間での電解質の移動を可能とするシート(層)状材料によって構成され得る。このようなセパレータは、電池内における電気化学反応に対して安定な各種の材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が好適例として挙げられる。具体的には、セパレータは、例えば、透気抵抗度が100秒以上1000秒以下程度の透気性を有する、織布、不織布、微多孔性シート等によって好適に構成することができる。なお、このセパレータに代えて、ゲル状または固体状の電解質をセパレータを兼ねて用いてもよい。
電解質は、従来と同様でよく特に限定されない。電解質は、典型的には室温(25℃)で液体状態を示す電解液である。電解質は、典型的には支持塩と溶媒とを含んでいる。電解質は、例えば支持塩と非水溶媒とを含んでいる非水電解液である。ただし、電解質は、上記のとおり、液体以外のゲル状、ゾル状、固体状であってもよい。支持塩は、溶媒中で解離して電荷担体イオンを生成する。例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウムイオンを生成する。支持塩の具体例として、例えば、LiPF、LiBF等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。溶媒としては、典型的には非水溶媒、例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が挙げられる。電解質は、上記した支持塩と溶媒とに加えて、任意の添加成分、例えば、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)等の皮膜形成剤や、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤を含んでもよい。
[用途]
以上のような構成の非水電解質二次電池は、低温環境においても、正極10からの電解質の出入力がスムーズに行われるよう、導電性箔12の残油量と正極活物質粉末の平均粒子径とのバランスが調整されている。このような正極を備えた二次電池は、各種用途に利用可能であるが、従来品に比べて低温出力特性が優れるものとして提供される。したがって、ここに開示される二次電池は、このような特徴を活かして、例えば、低温環境での使用が予定されるとともに、高出力密度が要求される用途で好ましく用いることができる。具体的には、例えば車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)として好ましく用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、典型的には自動車、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。なお、二次電池は、複数個が直列および/または並列に接続された組電池の形態で使用されてもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に限定することを意図したものではない。
[正極の作製]
正極活物質として、平均粒子径(A)が下記表1に示す7通りに調整されたニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)粉末を用意した。各正極活物質粉末は一般的な粒度調整により平均粒子径が制御されたものであり、その粒度分布はいずれもほぼ正規分布に対応しており特異なものではない。また正極活物質粉末の平均アスペクト比は1.3以下で良好な球形を呈している。そして導電性箔として、残油量が下記表1に示す7通りのアルミニウム箔(厚さ15μm)を用意した。用意した正極活物質粉末の平均粒子径(A)と、導電性箔の残油量(B)と、これらから算出される比(B/A)との関係を、下記の表1に示した。
次いで、正極活物質粉末(LNMC)と、導電材としてのABと、バインダとしてのPVDFとを、LNMC:AB:PVDF=90:8:2の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極ペーストを調製した。正極ペーストは、平均粒子径の異なる正極活物質粉末ごとに7通りを用意した。このペーストを、残油量の異なる7通りのアルミニウム箔の両面にそれぞれ塗布し、乾燥してプレス処理することにより、正極活物質層を形成し、計49通りの正極を得た。
[リチウムイオン電池の構築]
負極活物質として、平均粒子径が15μmの鱗片状の天然黒鉛を用いた。そして、天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混練し、負極ペーストを調製した。このペーストを、厚さ10μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥してプレス処理することにより、負極活物質層を備える負極を得た。
次に、上記で用意した49通りの正極をそれぞれ用い、リチウムイオン二次電池を作成した。具体的には、正極と負極とを微多孔性セパレータを介在させた状態で重ね合わせて、電極体を作製した。また、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とをEC:EMC:DMC=3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0Mの濃度で溶解させて、電解液を調製した。そして作製した電極体と、上記調製した電解液とをラミネートフィルム外装体に収容して密閉し、リチウムイオン二次電池を構築した。
[低温出力特性の評価]
まず、用意した各例のリチウムイオン二次電池に対し、室温(25℃)で適切な初期コンディショニング処理を施した後、SOC(State of Charge)を27%に調整し、−35℃の環境下に6時間静置した。その後、10Cのレートで定電流放電を行い、2秒間で降下した電池電圧ΔVを読み取り、その電池電圧ΔVと放電電流値とに基づき、低温ハイレート出力(W)を算出した。その結果を下記の表1に示した。なお、ここで「1C」とは、正極活物質の理論容量から予測される電池容量(Ah)を1時間で充電できる電流値を意味する。
Figure 0006960091
Figure 0006960091
表1に示すように、比B/Aは、表の右上に向かうにつれて大きくなり、表の左下に向かうにつれて小さくなる傾向がある。一方、表2では、510W以上の低温出力値を太字で示している。この表2からも明らかなように、リチウムイオン二次電池の低温出力特性は、正極活物質粉末の平均粒子径(A)と導電性箔の残油量(B)との関係において、島状に高出力な領域が現れることがわかった。例えば、低温高出力特性が得られる正極は、正極活物質粉末の平均粒子径(A)と、導電性箔の残油量(B)と、それらの比(B/A)を用いると、以下のように表すことができる。
すなわち、導電性箔の残油量B(mg/m)が1≦B<2のとき、正極活物質粉末の平均粒子径A(μm)は2≦A≦9とすると、高い低温出力が実現される。同様に、2≦B<5のときは3≦A≦9とするとよく、5≦B<7のときは5≦A≦7とするとよいといえる。なお、具体的には示さないが、より詳細なデータの解析を行ったところ、低温出力特性が良好な島状領域は複雑な形状を呈することが確認され、例えば、2≦B<3のときに3≦A≦9とし、3≦B<7のときに5≦A≦7とすることが、より好ましいことがわかった。
また、このような平均粒子径(A)と残油量(B)との関係は、比(B/A)を利用することでより簡潔に表すことができる。すなわち、平均粒子径(A)と残油量(B)とが以下の関係(1)または(2)を満たす場合に、この正極を用いて作製したリチウムイオン二次電池は一定の良好な低温出力特性を実現することが可能と判断される。
(1)2≦A≦9、1≦B<3、かつ、0.1≦(B/A)<0.7
(2)5≦A≦7、3≦B≦7、かつ、0.7≦(B/A)≦1.4
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 正極
12 導電性箔
14 正極活物質層

Claims (1)

  1. 非水電解質二次電池用の正極であって、
    導電性箔と、正極活物質粉末を含み前記導電性箔の表面に備えられた正極活物質層とを含み、
    前記正極活物質層のうち、少なくとも導電性箔に接する領域に含まれる第一正極活物質粉末の平均粒子径をAμm、
    前記導電性箔の残油量をBmg/mとしたとき、
    これらA,Bは、以下の(1)および(2)のいずれかの関係を満たすように構成されている、正極。
    (1)2≦A≦9、1≦B<3、かつ、0.1≦(B/A)<0.7
    (2)5≦A≦7、3≦B≦7、かつ、0.7≦(B/A)≦1.4
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