JP5512585B2 - 銅箔及びそれを用いたリチウムイオン二次電池用負極集電体及び負極材、ならびにリチウムイオン二次電池 - Google Patents

銅箔及びそれを用いたリチウムイオン二次電池用負極集電体及び負極材、ならびにリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、銅箔及びそれを用いたリチウムイオン二次電池用負極集電体及び負極材、ならびにリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高く、比較的高い電圧を得ることができるという特徴を有し、ノートパソコン、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話等の小型電子機器用に多用されている。また、電気自動車や一般家庭の分散配置型電源といった大型機器の電源としての利用も始まっており、他の二次電池と比較して軽量でエネルギー密度が高いことから、各種の電源を必要とする機器で広く使用されている。
リチウムイオン電池の電極体は一般に、図1に示すように、正極1、セパレータ2及び負極3が幾十にも巻回又は積層されたスタック構造を有している。典型的には、正極は、アルミニウム箔でできた正極集電体4とその表面に設けられたLiCoO2、LiNiO2及びLiMn24といったリチウム複合酸化物を材料とする正極活物質5から構成され、負極は銅箔でできた負極集電体6とその表面に設けられたカーボン等を材料とする負極活物質7から構成される。正極同士及び負極同士は各タブ(8、9)でそれぞれ溶接される。また、正極及び負極はアルミニウムやニッケル製のタブ端子と接続されるが、これも溶接により行われる。溶接は超音波溶接により行われるのが通常である。
負極の集電体として使用される銅箔に要求される特性としては、電池のサイクル特性に影響する負極活物質との密着性を始めとして、銅箔又はタブ端子との超音波溶接性、更には防錆性が挙げられる。
活物質層との密着性を改善するための一般的な方法としては、予め粗化処理と呼ばれる銅箔表面に凹凸を形成する表面処理が挙げられる。粗化処理の方法としては、ブラスト処理、粗面ロールによる圧延、機械研磨、電解研磨、化学研磨及び電着粒のめっき等の方法が知られており、これらの中でも特に電着粒のめっきは多用されている。この技術は、硫酸銅酸性めっき浴を用いて、銅箔表面に樹枝状又は小球状に銅を多数電着せしめて微細な凹凸を形成し、投錨効果による密着性の改善を狙ったり、体積変化の大きな活物質の膨張時に活物質層の凹部に応力を集中させて亀裂を形成せしめ、集電体界面に応力が集中することによる剥離を防ぐことを狙ったりして行われている(例えば、特許第3733067号公報)。
防錆性を向上させる方法としては、銅箔表面をクロメート処理やシランカップリング処理する方法が知られている。シランカップリング処理は、密着性の向上効果も得られる。例えば、特開2008−184657号公報には、銅箔の少なくとも一方の面に、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデンのうち少なくとも一つ以上から選択された金属又はこれら金属とメタロイド金属であるリン又は、ほう素との間で形成されたバリア層を形成し、次いで形成したバリア層上に三価クロムをクロム源とするクロメート処理を施し、得られた三価クロメート皮膜上にシランカップリング処理を施すことで、密着性及び防錆性が向上したことが記載されている。ここには、シランカップリング処理の条件として、シランカップリング剤の濃度を0.5mL/L以上、10mL/L以下とすること、液温30℃で5秒間浸漬後、直ちに処理液から取り出して乾燥させることが記載されている。
特許第3733067号公報 特開2008−184657号公報
このように、リチウムイオン二次電池の集電体として使用される銅箔の密着性及び防錆性向上のための技術開発が行われてきているが、これらの特性をバランス良く向上させた銅箔については、いまだ満足できるものがないのが実情である。そこで、本発明は密着性及び防錆性の特性をバランス良く向上したリチウムイオン電池の集電体用銅箔及びリチウムイオン二次電池用負極集電体及び負極材、ならびにリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決するために研究を重ねたところ、アゾール系化合物にさらにC=O官能基、例えばカルボキシル基を付加した化合物の溶液にて銅箔の表面処理することで、活物質の密着性と良好な防錆性を同時に満たすことを見出した。この効果は、アゾール系化合物及びC=Oを有する化合物につき、別個に、かつ順番に表面処理をした場合には得られないものである。すなわち、アゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物の溶液にて表面処理することにより、従来得られなかった高い密着性と防錆性のバランスに優れた銅箔を提供できることを見出した。なお、ここでの密着性とは、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される有機溶剤に分散して使用する溶剤系バインダー及びSBR(スチレンブタジエンゴム)に代表される水に分散させて使用する水系バインダーの両方に効果があるものを示す。
上記知見を基礎として完成した本発明は一側面において、銅箔表面の少なくとも一部にアゾール系化合物及びC=Oを有する表面処理層が形成され、XPSによる銅箔表面の分析で、C=O結合検出強度の平均値であるC=O結合量が0.12以上であり、XPSによる深さ方向分析で、N及びCを検出し、且つ、N及びC検出量がバックグラウンドレベルよりも大きい深さ範囲の平均値D0が2.0〜5.0nmである銅箔である。

本発明に係る銅箔は一実施形態において、前記銅箔表面とアゾール系化合物及びC=Oを有する表面処理層との間に、中間層が形成されている。
本発明に係る銅箔は別の一実施形態において、前記中間層がクロメート層である。
本発明に係る銅箔は更に別の一実施形態において、前記アゾール系化合物がベンゾトリアゾール系化合物である。
本発明に係る銅箔は更に別の一実施形態において、前記ベンゾトリアゾール系化合物がカルボキシル基を有する。
本発明に係る銅箔は別の一実施形態において、リチウムイオン二次電池負極集電体用である。
本発明は別の一側面において、本発明に係る銅箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極集電体である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る負極集電体を用いたリチウムイオン二次電池用負極材である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る負極材を用いたリチウムイオン二次電池である。
本発明に係る銅箔によれば、負極活物質との接着性、超音波溶接性、防錆性がバランス良く向上する。そのため、リチウムイオン電池の集電体として好適に使用することができる。
リチウムイオン電池のスタック構造の模式図を示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(銅箔基材)
本発明において、銅箔は電解銅箔及び圧延銅箔のいずれでもよい。また、「銅箔」には銅合金箔も含まれるものとする。銅箔の材料としては、特に制限はなく、用途や要求特性に応じて適宜選択すればよい。例えば、限定的ではないが、圧延銅箔の場合、高純度の銅(無酸素銅やタフピッチ銅等)の他、Sn入り銅、Ag入り銅、Ni、Si等を添加したCu−Ni−Si系銅合金、Cr、Zr等を添加したCu−Cr−Zr系銅合金のような銅合金が挙げられる。
銅箔の厚みは特に制限はなく、要求特性に応じて適宜選択すればよい。一般的には1〜100μmであるが、リチウム二次電池負極の集電体として使用する場合、銅箔を薄肉化した方がより高容量の電池を得ることができる。そのような観点から、典型的には2〜50μm、より典型的には5〜20μm程度である。
(表面処理)
銅箔の表面処理は、アゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物の溶液(表面処理液)、例えば、CBT(カルボキシベンゾトリアゾール)の溶液等を用いて行う。表面処理は、銅箔の上下面のうち負極活物質との密着性が要求される少なくとも一面に溶液を浸漬、塗布及び噴霧などによって接触させ、その後、乾燥することでアゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物を銅箔表面の銅と反応させ、銅箔表面に固定することで行う。表面処理液は、アゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物が溶解しやすい溶媒を適切に選択すれば良い。例えば、CBTの溶液であれば、CBTをDMAC(ジメチルアセトアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、又は、エチレングリコール等に溶解した後、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、又は、オクタノール等を加えた溶液を調整する。また、これらの溶液にヘキサン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、又は、ナフテン等を混合して使用することも可能である。
本発明では、アゾール系化合物の防錆性を利用し、それとC=O官能基によって負極活物質への接着性及び防錆性をバランス良く向上させている。このような点から、アゾール系化合物としては、特に良好な防錆性を有することが一般的に知られているベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、ベンゾトリアゾール系化合物としては、限定されず、上述の本発明の目的からはどのようなものであってもよい。ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、及び、フェナジノトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物が挙げられ、これらの中で、C=Oを含まない化合物には、C=O官能基を付加させたものが表面処理試薬として適当である。
アゾール系化合物及びC=O官能基を付加した化合物の混合液で表面処理を行うと、1つの化合物で良好な耐候性及び活物質密着性を得られる。このような効果は、C=O官能基を有する化合物(酢酸、乳酸等)及びBTAの混合溶液による表面処理では得られない。
アゾール系化合物及びC=O官能基を付加した化合物によって形成された表面処理層と銅箔との間には、さらに良好な防錆性等を有する中間層を形成してもよい。中間層は、例えば、アゾール系化合物で構成することができる。この場合、最表面にはアゾール系化合物とC=O官能基を付加した化合物によって形成された表面処理層が存在するため、上述のように優れた密着性、防錆性及び超音波溶接性をバランス良く備えることができる上、さらに混合層と銅箔との間にアゾール系化合物で構成された中間層が形成されているため、防錆性をより向上させることができる。また、中間層としては、クロメート層を形成してもよい。クロメート層もまた、防錆性を有しているため、クロメート層で形成した中間層を設けることによって、防錆性をより向上させることができる。
アゾール系化合物及びC=O官能基を付加した化合物によって形成された表面処理層について、その構造を正確に解明することは困難であるが、化学構造解析として、銅箔表面をフーリエ変換型赤外分光装置(FT−IR装置)にて分析することでC=O等を検出し、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS装置)でアゾール系化合物を検出することができる。そして、これらの検出結果によりC=O及びアゾール系化合物の存在を確認した上で、さらにX線光電子分光分析装置(XPS装置)とアルゴンスパッタとを組み合わせて、深さ方向の元素分析を行うことで、これら表面処理層の厚みを決定する。XPS装置にてN及びCを検出し、且つ、N及びC検出量がバックグラウンドレベルよりも大きい深さ範囲を表面処理層の厚みとしてこれを複数箇所測定し、その平均値D0を表面処理層の平均厚みとする。表面処理層の平均厚みは密着性、防錆性及び超音波溶接性の共存を図る観点から、D0は2.0〜5.0nmが好ましく、2.5〜4.0nmがより好ましい。また、表面処理層と銅箔との間にさらに中間層が形成されている場合であっても、表面処理層及び中間層の合計の平均厚みについて、D0は同様に、2.0〜5.0nmが好ましく、2.5〜4.0nmがより好ましい。また、表面処理層と中間層とが形成されている場合、それらの厚みの割合として、表面処理層の方が大きいことが好ましい。
アゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物は、エタノールや水等の溶媒に溶かして使用することができる。一般に、アゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物の濃度を高くすると、形成される有機皮膜が厚くなり、濃度を低くすると薄くなる。
表面処理で使用するアゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物の溶液において、その濃度は、化合物の種類や使用する溶媒で好適な濃度範囲は異なるが、概ね、0.2〜3.0質量%、好ましくは0.3〜2.0質量%である。これらの濃度範囲の溶液にて表面処理をすることで、密着性、防錆性及び超音波溶接性のバランスが良好な混合層を形成することができる。
本発明に係る銅箔を材料とする集電体とその上に形成された活物質層によって構成された負極材を用いて、慣用手段によりリチウムイオン二次電池を作製することができる。負極活物質としては、限定的ではないが、炭素、珪素、スズ、ゲルマニウム、鉛、アンチモン、アルミニウム、インジウム、リチウム、酸化スズ、チタン酸リチウム、窒化リチウム、インジウムを固溶した酸化錫、インジウム−錫合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−インジウム合金等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
アゾール系化合物にC=O官能基を付加した化合物の溶液による表面処理が特性に与える影響を検討するため、以下の条件で実施例及び比較例を作成した。各種条件及び試験結果を後述の表1に示す。
[圧延銅箔の製造]
厚さ50mm、幅100mmのタフピッチ銅のインゴットを製造し、熱間圧延により10mmまで圧延した。
次に、焼鈍と冷間圧延を繰り返し最後に冷間圧延で厚み6〜20μmまで圧延した。
[電解銅箔の製造]
特許第4115240号の実施例に記載された電解液を用いて電解して、10、12μmの電解銅箔を製造した。得られた電解銅箔はRaが0.12μmであった。
[表面処理]
上記の通り製造した板厚6〜20μmの圧延銅箔及び電解銅箔につき、表1に記載の濃度のCBT(カルボキシベンゾトリアゾール)の溶液を準備し{CBTをDMAC(ジメチルアセトアミド)に溶解した後、イソプロピルアルコールを添加し、続いてヘキサンと混合してCBT濃度を調整}、これに5秒間浸漬した後、ドライヤーにて乾燥した。CBTは城北化学工業社製のものを用いた。また、C=O官能基を有する化合物とBTAの混合溶液による表面処理は、C=O官能基を有する化合物として表1に記載の濃度の酢酸又は乳酸を使用し、これとBTA(1,2,3−ベンゾトリアゾール)の混合溶液を準備し{酢酸又は乳酸とBTAを混合した後、必要に応じイソプロピルアルコールを添加し、続いてヘキサンと混合して酢酸又は乳酸濃度を調整}、これに10μm厚の圧延箔を5秒間浸漬した後、ドライヤーにて乾燥した。これら銅箔につき、活物質への塗布及び密着性評価を行った。
[防錆性]
(1)銅箔を30mm×60mmの大きさに切り出した。
(2)試料(1)を硫化水素暴露試験機(H2S:3ppm、40℃、50RH%)に入れ、20分間保持した。
(3)試料を(2)の試験機から取り出し、銅箔表面の色調を確認した。
(4)試験後の銅箔表面の色調が試験前と同じものを「○」、試験前と比較して、薄い赤褐色に変色したものを「△」、表面全体が紫あるいは青色に変色したものを「×」とした。
[活物質との密着性]
密着性は水系バインダーを用いて評価した。
(1)水とCMC(カルボキシメチルセルロース)を混合し、攪拌した。
(2)上記混合液に平均径9μmの人工黒鉛を加えて混錬した。
(3)SBR(スチレンンブタジエンゴム)を加えて攪拌し、粘度2000〜4000mPa・sとなるように水を加えた。なお、ここで、CMCとSBRとの添加比率は、固形分の重量比で1:1とした。粘度はB型粘度計により20℃で測定した。
(4)(3)を銅箔表面上にドクターブレードを使って乾燥後の厚みが約80μmになるように一定厚みに塗布した。
(5)活物質を塗布した銅箔を乾燥機にて60℃×30分で加熱し、続いて120℃×30分で加熱した。
(6)乾燥後、幅15mm×長さ100mmに切り出し、1.5トン/mm2×20秒間の荷重をかけた。
(7)支持板に両面テープを貼り付けて、さらに銅箔の活物質層側を両面テープに貼り付け、両面テープ同士を貼り合わせた。
(8)活物質層から銅箔を引き剥がしながらピール強度を測定し、3回の測定結果に基づいて平均ピール強度を算出した。ピール強度は、JIS C 6471に準じる方法で、引き剥がし角度90°にて測定した。活物質密着性の判定は、ピール強度200mN/15mm未満を「×」、200mN/15mm以上400mN/15mm未満を「△」、400mN/15mm以上600mN/15mm未満を「○」、600mN/15mm以上を「◎」とした。
[超音波溶接性]
(1)銅箔を100mm×150mmの大きさに切り出し、30枚重ねた。
(2)ブランソン社製のアクチュエータ(型番:Ultraweld L20E)にホーン(ピッチ0.8mm、高さ0.4mm)を取り付けた。アンビルは0.2mmピッチを使用した。
(3)溶接条件は、圧力40psi、振幅60μm、振動数20kHz、溶接時間は0.1秒とした。
(4)上記条件で溶接した後、銅箔を1枚ずつ剥離したときに、21枚以上の銅箔が溶接部分で破れた場合を「◎」、11〜20枚の銅箔が溶接部分で破れた場合を「○」、1〜10枚の銅箔が溶接部分で破れた場合を「△」、一枚も銅箔が破れなかった場合を「×」とした。なお、銅箔を剥離する前に、ホーンに接触していた最表層の銅箔の溶接部分を実態顕微鏡にて20倍で拡大観察し、クラックが発生していないことを確認してから剥離試験を実施した。
[有機皮膜の判定と厚み]
有機皮膜の化学構造解析として、銅箔表面をFT−IR装置にて分析することでC=Oの存在を確認し、さらにTOF−SIMS装置でベンゾトリアゾール等を検出することで、アゾール系化合物の存在を確認した。これらの分析結果により、C=O基、あるいはアゾール系化合物が単独で形成された層であるかどうかを判定した。C=O基を検出した場合には、更にXPS装置にて銅箔表面の任意5ヶ所のC=O結合検出強度を分析し、この平均値をC=O結合量とした。なお、XPS装置にてCrとOの結合ピークを検出した場合には、クロメート層が存在すると判断した。
有機皮膜の厚みは、アルゴンスパッタしながらXPS装置で銅箔の深さ方向について元素分析し、C=O基及びアゾール基を検出した場合には、N及びCを検出し、且つ、N及びC検出量がバックグラウンドレベルよりも大きな深さ範囲(SiO2換算)を有機皮膜厚みとし、任意の5カ所の平均値を有機皮膜厚とした。なお、シランカップリング単独の表面処理では、上記と同様にSi検出量にて有機皮膜厚を求めた。
・装置:XPS装置(アルバックファイ社、型式5600MC)
・真空度:5.7×10-7Pa
・X線:単色AlKα、X線出力210W、入射角45°、取り出し角45°
・イオン線:イオン種Ar+、加速電圧3kV、掃引面積3mm×3mm、スパッタリングレート2.3nm/min(SiO2換算)

(評価結果)
実施例1〜16は、いずれも防錆性、密着性、超音波溶接性が良好であった。
比較例17及び18は、表面処理液に含まれたCBTの濃度が低く、且つ、DMACを含んでいないためCBTが良好に処理液中に溶解せず、有機皮膜厚が小さくなり、防錆性又は密着性が不良であった。
比較例19及び20は、表面処理液に含まれたCBTの濃度が高く、有機皮膜厚が大きくなり、超音波溶接性が不良であった。
比較例21、22、23、28及び29は、表面処理液にCBTを含んでおらず、C=O結合量が0であり、防錆性又は密着性が不良であった。
比較例24、25及び30は、銅箔上に直接CBTを含む層を形成し、当該層上(最表面)にBTA、シランカップリング剤、又は、クロメートによる層が形成されているため、C=O結合量が0であり、防錆性又は密着性が不良であった。
比較例26及び27は、アゾール系化合物とC=O官能基を有する化合物の混合溶液で表面処理を行ったため、密着性が不良であった。
1 正極
2 セパレータ
3 負極
4 正極集電体
5 正極活物質
6 負極集電体
7 負極活物質
8 タブ
9 タブ

Claims (9)

  1. 銅箔表面の少なくとも一部にアゾール系化合物及びC=Oを有する表面処理層が形成され、
    XPSによる銅箔表面の分析で、C=O結合検出強度の平均値であるC=O結合量が0.12以上であり、
    XPSによる深さ方向分析で、N及びCを検出し、且つ、N及びC検出量がバックグラウンドレベルよりも大きい深さ範囲の平均値D0が2.0〜5.0nmである銅箔。
  2. 前記銅箔表面とアゾール系化合物及びC=Oを有する表面処理層との間に、中間層が形成された請求項1に記載の銅箔。
  3. 前記中間層がクロメート層である請求項2に記載の銅箔。
  4. 前記アゾール系化合物がベンゾトリアゾール系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の銅箔。
  5. 前記ベンゾトリアゾール系化合物がカルボキシル基を有する請求項4に記載の銅箔。
  6. リチウムイオン二次電池負極集電体用である請求項1〜5のいずれかに記載の銅箔。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の銅箔を用いたリチウムイオン二次電池用負極集電体。
  8. 請求項7に記載の負極集電体を用いたリチウムイオン二次電池用負極材。
  9. 請求項8に記載の負極材を用いたリチウムイオン二次電池。
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