JP5770416B2 - 架橋性組成物、その架橋性組成物から得られる熱可塑性エラストマー及びそれらの使用 - Google Patents

架橋性組成物、その架橋性組成物から得られる熱可塑性エラストマー及びそれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、架橋開始剤としての過酸化物を含む、熱可塑性エラストマーとしてのコポリエステル及びと、40質量%以上の酢酸ビニル含有率を有するα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体とに基づいている架橋性組成物に関する。本発明は、さらには、本発明に係る架橋性組成物の調製、熱可塑性エラストマーを調製するための本発明に係る架橋性組成物の使用、本発明の熱可塑性エラストマーを生成するための本発明に係る組成物の架橋方法、ならびにまた本発明の熱可塑性エラストマーそれ自体、及び成形品の製造のためのそれらの使用に関する。
プラスチックス技術では、3つの重要な種類の材料、すなわち熱可塑性物質、エラストマー及び熱硬化性物質の間で従来から区別されている。ここ数年、さらなる種類の材料、熱可塑性エラストマーが新たな用途を絶えず見いだしてきた。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性物質の加工特性とエラストマーの使用特性とを兼ね備えている。当業者は、これら熱可塑性エラストマーの様々な種類を把握している。2つの主要な種類、すなわちブロック共重合体(また、マルチブロック共重合体)とエラストマーアロイとの間で区別することができる。
ブロック共重合体は、ハード相と、ソフト弾性相とからなる。ソフト相は大部分がマトリックスを形成する一方で、ハード相は、架橋/強化フィラーの機能を果たす分散相を提供する。架橋領域は、ハードセグメント間の物理的結合により形成される。それらの使用温度内で、ハードセグメントの転移温度が使用温度より著しく高く、ソフトセグメントの転位温度が使用温度より著しく低く、且つ混合物中の割合がまた互いに正しい比を有する限り、ブロック共重合体は架橋エラストマーのように挙動する。
エラストマーアロイは、熱可塑性物質部分とエラストマー部分とを含むポリマーブレンドである。それらは、出発成分を激しく混合することにより調製され、これに架橋剤を添加してもよい。ソフト相が(ある程度)架橋される場合、用いられる用語は、熱可塑性加硫物(TPE−V)である。ソフト相が架橋されなかった場合、用いられる用語はTPE−Oである。
本発明は、TPE−Vタイプの熱可塑性エラストマーに関する。本明細書中で使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマーとして少なくとも1つのコポリエステルを含む。
コポリエステルを有するTPE−Vは従来から知られている。
特許文献1は、4g/10分〜<20g/10分の溶融流量速度を有する、20〜95質量%のポリエステル(A)と、ゴム(B)が動的に架橋された、アクリレートゴム(B1)、水素化ニトリルゴム(B2)及びポリエーテルゴム(B3)から選択された80〜5質量%の少なくとも1つのゴム(B)とを有する熱可塑性エラストマー組成物に関する。特許文献1による熱可塑性エラストマーは、特許文献1によれば、良好な引張強度特性、低い圧縮永久歪み及び秀でた疲労特性を特色とすることを意図している。実施例より、特許文献1の成分からなる、有利な特性を有する熱可塑性エラストマーを得るために、特にポリエステル(A)の溶融流動速度が極めて重要であることが明らかである。特許文献1は、ゴム成分として、40質量%以上の酢酸ビニル含有率の特有のα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体を含む熱可塑性エラストマーを開示していない。
特許文献2は、100℃以上で溶融する20〜99質量部の熱可塑性マルチブロックコポリエステルエラストマーと、1〜80質量部のポリアクリレートエラストマーとを含む熱可塑性組成物に関する。特許文献2による組成物は、油中で低い程度の膨潤を有するソフトでエラストメリックな熱可塑性材料であることを意図している。特許文献2は、40質量%以上の酢酸ビニル含有率のα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体を含む熱可塑性エラストマーついて開示していない。
特許文献3は、(I)ポリカーボネート、ポリスチレン−アクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド及びポリ塩化ビニルからなる群から選択された5〜60質量%の1つ以上の熱可塑性物質、及び(II)エチレン及びビニルエステルモノマーのポリエチレン系不飽和コモノマーとのエマルジョン重合及び、適切な場合、それに続くグラフト共重合によって得られる、40〜95質量%の架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む熱可塑性エラストマー組成物に関する。特許文献3による熱可塑性エラストマー組成物の利点は、特許文献3の開示によれば、さらなる架橋工程、及び/または粉砕工程もなしに、熱機械的混合によって製造される熱可塑性エラストマーが提供され、そしてこれらが比較的高温で、熱機械的に安定で、はっきりしたエラストマー相構造、及び改善された弾性特性を有する良好な機械的特性を備えることである。特許文献3は、使用される熱可塑性物質の存在下にα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体が動的に架橋させられる熱可塑性エラストマーについて言及していない。特許文献3によれば、動的架橋が特異的に回避されることを意図している。
特許文献4は、(i)少なくとも1種の熱可塑性コポリエステルエラストマーを含む、30〜90質量部の熱可塑性樹脂材料と、(ii)エチレン成分を含有するゴムを含む、10〜70質量部のゴム材料と、を包含する熱可塑性エラストマー組成物に関する。この熱可塑性ポリエステルエラストマーはハードセグメント及びソフトセグメントを有し、ハードセグメント中のポリオール部分に対するソフトセグメント中のポリオール部分のモル比は1:1.5〜4.0未満である。特許文献4による熱可塑性エラストマー組成物は、向上した可撓性、向上した圧縮永久歪み及び向上した低温特性の、熱可塑性エラストマー組成物の優れた機械的特性、耐熱性及び耐油性の低下が全くないジョイントスリーブ(joint-sleeve)に好適であることを意図している。この熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン成分を含むゴムとして、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−アクリレート共重合体ゴム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム(EVA)を含むことができる。ゴム材料は、特許文献4によれば、非架橋、または少なくとも部分的に架橋された材料であってよい。特許文献4は、ゴム混合物としてEVAと、テレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコールから成る熱可塑性コポリエステルエラストマーと、を含む熱可塑性エラストマーの例を開示している。この混合物は、40質量部の割合でゴム混合物と、60質量部の割合で熱可塑性コポリエステルエラストマーとを含む。そのゴム混合物は、(ゴム混合物100質量部を基準として)0.5質量部の硫黄粉末を使用して架橋した。特許文献4は、コポリエステルと共に、40質量%以上の酢酸ビニル含有率のα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体を包含し、さらに少なくとも1つの過酸化物がフリーラジカル架橋開始剤として存在し、且つコポリエステル(熱可塑性ポリマー)の割合が5〜50質量%である組成物について開示していない。
欧州特許出願公開第1 767 577 A1号明細書 欧州特許出願公開第0 327 010 A2号明細書 独国特許出願公開第44 25 944 A1号明細書 独国特許出願公開第100 17 149 A1号明細書 国際公開第01/04174号パンフレット 米国特許第5,914,386号明細書 欧州特許出願公開第0 341 499A号明細書 欧州特許出願公開第0 510 478A号明細書 独国特許出願公開第38 25 450号明細書 独国特許第41 23 963号明細書 欧州特許出願公開第1 801 162 A1号明細書
ポリマー科学工学事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第12巻、1988年、75ページff
本発明の目的は、先行技術で公知の熱可塑性エラストマーを踏まえて、ゴムのような特性側面を有する熱可塑性エラストマーを提供することである。これは、本発明の意図するところが非常に良好な回復性、良好な引張永久歪み、良好な圧縮永久歪み、非常に良好な耐熱性値及び耐溶剤性値、ならびに低い範囲の硬度(ショア(Shore)硬度A)を有する、熱可塑性エラストマー及び熱可塑性エラストマーの製造のための組成物を提供することであることを意味する。熱可塑性エラストマーは、押出、射出成形、及びまたブロー成形などの、任意の所望の加工技法によって加工できることを意図される。
今まで公知の熱可塑性エラストマーのどれも、耐溶剤性及び耐熱性と一緒に低い硬度、良好な弾性特性、及び速い回復を含む特性の組み合わせを達成することができない。今まで公知の熱可塑性エラストマーは、優れた弾性特性または良好な耐熱性値を、しかし不満足な耐溶剤性値(特に長期耐溶剤性値)で達成することができるか、或いは、良好な耐溶剤性を、しかし不満足な耐熱性値で達成できるかのどちらかである。TPE−A(ポリエーテルアミド)、TPE−E(ポリエーテルエステル)及びTPE−U(TPU、ポリウレタン)などの、高い耐熱性値及び良好な耐溶剤性値を有する熱可塑性エラストマーは、(高い)ショアD硬度範囲での、高価格セグメントでの用途向けのみに利用可能であり、中程度の弾性特性を有する。熱可塑性エラストマー(熱可塑性加硫物)の種類、TPE−Vで今まで公知の材料のどれもこれまで、上述の要件側面に適合することができなかった。
本目的は、
a)熱可塑性エラストマーとして、成分Aとして5〜90質量%、好ましくは8〜85質量%、特に好ましくは10〜80質量%、非常に特に好ましくは10〜40質量%、非常に特に好ましいことには10〜30未満質量%の少なくとも1つのコポリエステルと、
b)成分Bとして、10〜95質量%、好ましくは14.5〜91.5質量%、特に好ましくは19.5〜89.5質量%、非常に特に好ましくは40〜89.5質量%、非常に特に好ましいことには55超〜85質量%の、40質量%以上、好ましくは50質量%以上の酢酸ビニル含有率を有する少なくとも1つのα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体と、
c)成分Cとして、0〜30質量%、好ましくは0.5〜28質量%、特に好ましくは0.5〜25質量%、非常に特に好ましくは0.5〜20質量%、非常に特に好ましいことには5〜15質量%のフィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物と
を含み、成分A、B及びC全体で100質量%であり、ならびに
d)成分Dとして、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体100質量部当たり0.1〜15質量部(phr)、好ましくは0.2〜10phr、特に好ましくは0.5〜7phrの、フリーラジカル架橋開始剤とする少なくとも1つの過酸化物
を含む架橋性組成物の提供によって達成される。
本発明の組成物は、優れた耐熱性及び優れた耐溶剤性のみならず、広範囲の硬度と共に、特にまた非常に良好な弾性特性を特色とする熱可塑性エラストマーの製造に好適である。
本発明の特に好適な組成物は、例えば、エンジンオイル中24時間保管時に15%未満膨潤、150℃での熱風中168時間保管後に引張歪み特性の変化なし、及び60〜90ShAの硬度範囲(ショアA硬度)を有する(好適な試験方法は下の実施例で述べられる)。
特に本組成物はこれを、40質量%以上、好ましくは50質量%以上の高い酢酸ビニル含有率を有するα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体が成分Bとして使用され、そして架橋開始剤として過酸化物を用いて動的に架橋されるので達成する。
本発明の組成物から製造される熱可塑性エラストマーは、押出、もしくは射出成形を用いて、あるいはブロー成形を用いて加工することができる。
成分A:熱可塑性エラストマーとしての少なくとも1つのコポリエステル
本発明の架橋性組成物中の熱可塑性エラストマーの使用量は、成分A及びB(少なくとも1つがα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体)及びC(フィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物)の全体を基準として、5〜90質量%、好ましくは8〜85質量%、特に好ましくは10〜80質量%、非常に特に好ましくは10〜40質量%、非常に特に好ましいことには10〜30未満質量%である。
成分Aとして好適なコポリエステルは当業者に公知である。好適なコポリエステルは一般に、ポリマーの主鎖中に、エステル基(−C(=O)−O−)で結合されたモノマー単位を有する共重合体の形態のコポリエステルである。
共重合体の形態のコポリエステルは好ましくは、ハードブロック(X)と、及びソフトブロック(Y)とからなる、マルチブロックコポリエステルである。マルチブロックコポリエステル中のハードブロック(X)及びソフトブロック(Y)の構成のための好適なモノマー成分は当業者に公知であり、一例として非特許文献1及びその中の参考文献に開示されている。好ましい一実施形態では、マルチブロックコポリエステルのハードブロック(X)は、脂肪族ジオール及び芳香族ジカルボン酸をベースとする。好適な脂肪族ジオール及び芳香族ジカルボン酸は当業者に公知であり、好ましい脂肪族ジオール及び芳香族ジカルボン酸は下に述べられる。
ソフトブロック(Y)は好ましくは、
(i)少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)グリコール、及び/または
(ii)脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸、及び/または
(iii)非水素化もしくは水素化ポリアルカジエンブロック及び2つのポリアルキレンオキシドブロックを含むトリブロック共重合体、及び/または
(iv)脂肪族カーボネート及び、適切な場合、脂肪族ジオール及び脂肪族カルボン酸、またはラクトン
をベースとしている。
ブロック(X)及び(Y)は通常、当業者に公知の方法に従った二官能性化合物としての結合を有する。上述のジカルボン酸の代替物として、またはそれらとの混合物で、相当するジカルボン酸エステルを使用することが可能である。
本発明に従って使用されるコポリエステルの製造に好適なジオールの例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールである。
好適な芳香族ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルの例は、フタル酸、テレフタル酸またはイソフタル酸、及びそれらの相当するエステルである。
好適な脂肪族ジカルボン酸またはそれらのエステルは、フマル酸、アジピン酸または相当するエステルである。
(i)によるソフトブロック(Y)に使用されるポリ(アルキレンオキシド)グリコールの例は、C〜C10ポリ(アルキレンオキシド)グリコール、好ましくはポリ(ブチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、または述べられたアルキレンオキシドの共重合体、例えばエチレンオキシド及びプロピレンオキシドからなる共重合体である。
(iii)によるソフトブロック(Y)として使用されるトリブロック共重合体の例は、特許文献5に開示されているトリブロック共重合体である。
(iv)による好適なソフトブロック(Y)は、特許文献6に述べられているソフトブロックである。
使用されるソフトブロック(Y)は好ましくは、少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)グリコールをベースとするソフトブロックである。好ましい一実施形態では、ポリエステルはそれ故、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選択された脂肪族ジオール、好ましくはブチレングリコールを、及びフタル酸、テレフタル酸及びイソフタル酸からなる群から選択された、芳香族ジカルボン酸、もしくはそれらのエステル、好ましくはテレフタル酸をベースとする、ハードブロック(X)から、ならびにC〜C10ポリ(アルキレンオキシド)グリコール、好ましくはポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(ブチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコールからなる少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)グリコールを、または、述べられたアルキレンオキシドの共重合体を、例えばエチレンオキシドから及びプロピレンオキシドからなる共重合体をベースとするソフトブロック(Y)からなるマルチブロックコポリエステルである。
本発明に従って好ましくは使用されるコポリエステルは、一般に160〜300℃、好ましくは165〜270℃、特に好ましくは170〜220℃である融点または軟化点を有する。
本発明の架橋性組成物中の成分Aは、単一の熱可塑性エラストマーを含むことができるか、または様々な熱可塑性エラストマーの混合物を含むことができる。一例として、様々なコポリエステルが使用されることが本明細書では考えられる。しかしながら、例えば、コポリエステルが他の熱可塑性エラストマーと混合されることもまた考えられる。
本発明の組成物中の成分Aとして好適なコポリエステルは、当業者に公知の方法によって製造することができるか、または商業的に入手可能である。好適な商業的に入手可能なコポリエステルの例は、Royal DSM社製のArnitel(登録商標)銘柄またはDuPont社製のHytrel(登録商標)銘柄である。
成分B(α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体)
本発明の架橋性組成物中のα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体(成分B)の使用量は、成分A、B及びCの全体を基準として、10〜95質量%、好ましくは14.5〜91.5質量%、特に好ましくは19.5〜89.5質量%、非常に特に好ましくは40〜89.5質量%、特に好ましいことには55超〜85質量%である。
成分Bとして使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体は一般に、20〜98質量%の酢酸ビニル含有率を有することができる。
本発明に従って好ましいことに使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体は、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の総質量を基準として、40質量%以上の高い酢酸ビニル含有率、好ましくは各場合にα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の総質量を基準として50質量%以上の酢酸ビニル含有率を特色とする。本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率は40質量%以上〜98質量%、好ましくは50質量%以上〜98質量%であること、及びα−オレフィン含有率は2質量%〜60質量%以下、好ましくは2質量%〜50質量%以下であることが通例であり、ここで、酢酸ビニルとα−オレフィンとの総量は100質量%である。
本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体は、α−オレフィン及び酢酸ビニルをベースとするモノマー単位のみならず、例えばビニルエステル及び/または(メタ)アクリレートをベースとする、1つ以上のさらなるコモノマー単位(例えばターポリマー)をまた含むことができる。さらなるコモノマー単位の割合は−実際にさらなるコモノマー単位がα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体中に存在する場合−α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の総質量を基準として10質量%以下であり、その結果α−オレフィンをベースとするモノマー単位の割合は相当して低下する。一例として、酢酸ビニル、α−オレフィン及びさらなるコモノマーの総量が100質量%である、40質量%以上〜98質量%の酢酸ビニル、2質量%〜60質量%以下のα−オレフィン、及び0〜10質量%の少なくとも1つのさらなるコモノマーからなるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体を使用することが可能である。
本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体に使用することができるα−オレフィンは、公知のα−オレフィンのいずれかであってもよい。α−オレフィンがエテン、プロペン、ブテン、特にn−ブテン及びイソブテン、ペンテン、ヘキセン、特に1−ヘキセン、ヘプテン、特に1−ヘプタン、及びオクテン、特に1−オクテンから選択されたことが好ましい。本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体中にα−オレフィンとして述べられたα−オレフィンの高級同族体を使用することもまた可能である。α−オレフィンはさらに、置換基、特にC1〜C5アルキル部分を有することができる。しかしながら、α−オレフィンはさらなる置換基を全く持たないことが好ましい。本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体に2つ以上の異なるα−オレフィンの混合物を使用することもさらに可能である。しかしながら、異なるα−オレフィンの混合物を使用しないことが好ましい。好ましいα−オレフィンはエテン及びプロペンであり、本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体中のα−オレフィンとしてエテンを使用することが本明細書では特に好ましい。本発明の架橋性組成物に好ましくは使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体はそれ故エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む。
特に好ましいエチレン−酢酸ビニル共重合体は、40質量%以上〜98質量%、好ましくは50質量%以上〜98質量%の酢酸ビニル含有率、及び2質量%〜60質量%以下、好ましくは2質量%〜50質量%以下のエチレン含有率を有し、酢酸ビニル及びエチレンの全体が100質量%である。
本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体、好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体は、100〜700バールの圧力で、好ましくは100〜400バールの圧力で溶液重合法によって好ましくは製造される。溶液重合法は、一般にフリーラジカル開始剤を使用して、50〜150℃の温度で好ましくは実施される。
本発明に従って好ましくは使用される、そして高い酢酸ビニル含有率を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体は通常EVM共重合体と称され、ここで、この名前における「M」は、EVMの飽和の主メチレン鎖を示唆する。
本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の好適な製造方法は一例として特許文献7〜9に述べられている。
本発明に従って好ましいことに使用され、高い酢酸ビニル含有率を有し、且つとりわけ100〜700バールの圧力で溶液重合法によって製造されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体は、低い程度の分岐及び低粘度を特色とする。本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体はさらに、それらの単位(α−オレフィン及び酢酸ビニル)の一様ランダム分布を有する。
本発明に従って使用されるα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体、好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体の、21.1Nの負荷を用いて190℃でISO 1133通りに測定される、MFI値(g/10分)は一般に1〜40、好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜6である。
100℃でのDIN 53 523 ML1+4通りのムーニー(Mooney)粘度は一般に3〜50、好ましくは4〜35ムーニー単位である。
本発明による架橋性組成物はエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用することが特に好ましく、ここで、これらは一例としてLanxess Deutschland GmbHから商標Levapren(登録商標)またはLevamelt(登録商標)で入手可能である。
その使用が特に好ましいα−オレフィン共重合体は、60±1.5質量%の酢酸ビニル、70±1.5質量%の酢酸ビニル、80±2質量%の酢酸ビニル、及び、それぞれ、90±2質量%の酢酸ビニルを有する、エチレン−酢酸ビニル共重合体Levamelt(登録商標)400、Levamelt(登録商標)450、Levamelt(登録商標)452、Levamelt(登録商標)456、Levamelt(登録商標)500、Levamelt(登録商標)600、Levamelt(登録商標)700、Levamelt(登録商標)800及びLevamelt(登録商標)900、ならびに相当するLevapren(登録商標)銘柄である。
本発明の架橋性組成物に使用される成分Bは1つのα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体を含むことができるが、2つ以上のα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体からなる混合物を使用することも同様に可能である。
成分C(フィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物)
本発明の架橋性組成物は、成分Cとして、成分A、B及びCの全体を基準として、0〜40質量%、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは5〜20質量%のフィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物を含むことができる。
原則として、当業者は、好適なフィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物を承知している。好適なフィラー材、可塑剤、添加剤及び追加物の例は下に述べられる。
フィラー材(フィラー)
好適なフィラー材の例は、カーボンブラック、チョーク(炭酸カルシウム)、カオリン、ケイ藻土、タルク(ケイ酸マグネシウム)、酸化アルミニウム水和物、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸亜鉛、焼成カオリン(例えば、Polestar(登録商標)200P)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シラン化カオリン、シラン化ケイ酸塩、被覆チョーク、処理カオリン、ヒュームドシリカ、疎水性化ヒュームドシリカ(例えば、Aerosil(登録商標)972)、合成非晶質沈澱シリカ、工業用カーボンブラック、グラファイト、カーボン・ナノフィブリル、薄板状ナノ粒子、またはナノスケール二酸化ケイ素水和物及び鉱物などのナノスケール・フィラーである。
可塑剤
好適な可塑剤の例は、エステル可塑剤、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸エステル;ジオクチルアジピン酸、セバシン酸ジオクチルなどの脂肪族エステル;トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルエステル、トリオクチルホスフェートなどのリン酸エステル;ポリフタル酸エステル、ポリアジピン酸エステル、ポリエステルエーテル(例えばADK、サイザー(Cizer)RZ−700,ADKサイザーRZ−750)ならびにトリメリット酸エステル(例えば、BISOFLEX(登録商標)T810T)である。
添加剤及び追加物
好適な添加剤及び追加物の例は、加工助剤、金属石鹸、脂肪酸及び脂肪酸誘導体、ファクチス(例えば乾性油を硫黄または塩化硫黄で処理することによって得られるゴム物質;ゴム増量剤装入材料として役立つ)、エージング安定剤、UV安定剤またはオゾン−安定剤ワックスなどのオゾン安定剤、ワックス、酸化防止剤、例えばポリカルボジイミド(例えば、Rhenogran(登録商標)PCD−50)、置換フェノール、置換ビスフェノール、ジヒドロキシキノリン、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、パラフェニレンジアミン、ベンゾイミダゾール、パラフィンワックス、微晶質ワックス、二酸化チタン、リトポン、酸化亜鉛、酸化鉄、群青、酸化クロム、硫化アンチモンなどの顔料及び染料;他の安定剤、例えば熱安定剤、耐候安定剤;酸化安定剤、例えばp−ジクミルジフェニルアミン(例えば、Naugard(登録商標)445)、スチレン化ジフェニルアミン(例えば、Vulcanox(登録商標)DAA)、メチルメルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩(例えば、Vulcanox(登録商標)ZMB2)、重合した1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン(例えば、Vulcanox(登録商標)HS)、チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例えば、Irganox(登録商標)1035)、滑剤、離型剤、難燃剤、接着促進剤、マーキング物質、鉱物ならびに結晶化促進剤及び結晶化抑制剤である。
成分D(フリーラジカル架橋開始剤)
本発明の架橋性組成物はさらに成分Dとして、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体(成分B)の100質量部当たり0.2〜10質量部(phr)、好ましくは1〜6phr、特に好ましくは1.5〜6phrの少なくとも1つのフリーラジカル架橋開始剤として過酸化物を含む。
本発明の組成物から得られる熱可塑性エラストマーの所望のエラストマー特性を与えるフリーラジカル架橋のためには、ある程度または完全に架橋したエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。特に良好なエラストマー特性の、本発明の熱可塑性エラストマーはそれ故、上述の量の過酸化物がフリーラジカル架橋開始剤として使用されるときに得られる。
当業者は、フリーラジカル架橋開始剤として好適な過酸化物を承知している。一例は、有機過酸化物、例えばアルキル及びアリールペルオキシド、アルキルパーエステル、アリールパーエステル、ジアシルペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサ−3−イン(例えば、Trigonox(登録商標)145−E85、Trigonox(登録商標)145−45B)、ジ−第三ブチルペルオキシド(例えば、Trigonox(登録商標)B)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン(例えば、Trigonox(登録商標)101)、第三ブチルクミルペルオキシド(例えば、Trigonox(登録商標)T)、ジ(第三ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(例えば、Perkadox(登録商標)14−40)、ジクミルペルオキシド(例えば、Perkadox(登録商標)BC40)、過酸化ベンゾイル、2,2’−ビス(第三ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(例えば、Vulcup(登録商標)40AE)、2,3,5−(トリ)メチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン及び(2,5−ビス(第三ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン(例えば、Trigonox(登録商標)311)などの、多価過酸化物である。
フリーラジカル架橋開始剤の、特に架橋過酸化物の重要な一特性は、フリーラジカルの発生であり、この特性は一般に半減期[t1/2]によって記載される。半減期は、一定の温度で、存在するフリーラジカル架橋開始剤の濃度が最初の濃度の50%である時間である。
半減期は加硫曲線によって測定される。半減期は温度が上昇するにつれて短くなる。成分Aの融点または軟化点より高温での半減期が、ポリマー溶融物への均一な組み込みの可能性をそれらが保持するのに十分に長い過酸化物を使用することが好ましい。発生するフリーラジカルの全てが架橋反応のために消費されるために、相当する混合アセンブリでの滞留時間よりその半減期が短い過酸化物を使用することが好ましい。
成分Aとして本発明に従って使用されるコポリエステルの高い融点または軟化点のために、本発明の組成物から得られる熱可塑性エラストマーの製造のためのエラストマー相の架橋は、適切にホットメルトで行われる。これは、好ましい一実施形態では、十分に長い半減期を有するフリーラジカル架橋開始剤、好ましくは過酸化物、の使用が必要とされる。低温において短い半減期を有するフリーラジカル架橋開始剤、好ましくは過酸化物は、ポリマー溶融物との最初の接触時に分解し、均一に組み込まれず、エラストマー相の不十分なまたは不均一な架橋を生じさせる。それ故に、175℃以上、特に好ましくは180℃以上、非常に特に好ましくは185℃以上、特に好ましいことには190℃以上、より特に好ましくは200℃以上で十分に長い半減期を有する、フリーラジカル架橋開始剤、好ましくは過酸化物を使用することが本発明によれば特に好ましい。本発明の架橋性組成物に、例えば商品名Trigonox(登録商標)311で商業的に入手できる、3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパンを使用することが特に好ましい。
成分E(共架橋剤)
好ましい一実施形態では、本発明の組成物はさらにまた、成分Eとして少なくとも1つの共架橋剤を含む。本発明の組成物中の共架橋剤の使用量は一般に、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の100質量部当たり0〜10質量部(phr)、好ましくは1〜6phrである。
驚くべきことに、本発明の架橋性組成物から製造される熱可塑性エラストマーの、弾性特性、特に圧縮永久歪みは、上述の弾性特性のならびに耐熱性及び耐溶剤性値の低下なしに架橋性組成物内への共架橋剤の添加によって向上し得ることが見いだされた。圧縮永久歪みは、特に、工業的に関係のある範囲内で、本発明の架橋性組成物内への共架橋剤の添加によって実質的に向上させることができる。先行技術は、本発明による架橋性組成物での共架橋剤の使用が弾性特性の、特に圧縮永久歪みの向上を達成し得ることを全く示唆しない。共架橋剤の添加はさらに、得られる製品の特性側面のいかなる低下もなしに、架橋剤の通常使用される量と比較して架橋剤の量を減らすことができる。
好適な共架橋剤の例は、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)(例えばDuPont社製のDIAK7)、N,N’−m−フェニレンジマレイミド(例えば、DuPont Dow社製のHVA−2(登録商標))、トリアリルシアヌレート(TAC)、液体ポリブタジエン(例えば、Ricon Resins社製のRicon(登録商標)D153)、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンマレイミド、N−メチル−N,N’−m−フェニレンジマレイミド、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート及びアリルメタクリレートなどの、多官能性メタクリレートモノマー、ならびに酪酸ビニル及びステアリン酸ビニルなどの、多官能性ビニルモノマーからなる群から選択されたものである。
その使用が好ましい共架橋剤は、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート(TAC)及び液体ポリブタジエンからなる群から選択されたものである。トリアリルイソシアヌレート(TAIC)を共架橋剤として使用することが特に好ましい。
本発明の架橋性組成物に1つの共架橋剤または2つ以上の共架橋剤を一緒に使用することが可能である。
成分F(相溶化剤)
本発明の架橋性組成物はまた、その幾つかは任意である、上述の成分A〜Eと一緒に、成分Fとして少なくとも1つの相溶化剤を含むことができる。相溶化剤は一般に、熱可塑性重合体(成分A)へのα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体(成分B)のカップリングを向上させる。当業者は原則として好適な相溶化剤を承知している。一例として、官能化ポリオレフィン及び、それぞれ、オレフィン共重合体は好適な相溶化剤である。官能化ポリオレフィンまたはポリオレフィン共重合体の好適な官能基はカルボキシ基、カルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基またはオキサゾリン基である。ポリオレフィンまたはポリオレフィン共重合体はカルボキシ基で官能化されてしまったことが好ましい。カルボキシ基で官能化された好適なポリオレフィンの製造方法は、一例として特許文献10及びそれに述べられた参考文献に開示されている。
本発明の相溶化剤は、カルボキシ基、カルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基またはオキサゾリン基で、好ましくはカルボキシ基で官能化された、主ポリマー鎖のようなα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体をベースとする共重合体であることが好ましい。本発明の組成物は、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体によって提供される主ポリマー鎖へのα,β−エチレン系不飽和モノ−及び/またはジカルボン酸またはそれらの誘導体のグラフト化により得られる相溶化剤を特に好ましくは使用する。特に好ましい相溶化剤の好適な製造方法は当業者に公知であり、一例として特許文献11に述べられている。本発明の組成物は、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、特に好ましくは一般に60質量%以上の、高い酢酸ビニル含有率を有するEVMがグラフト化されるときに特に、特に良好な油膨潤挙動を有する。
それがそもそも実際に存在する場合、本発明の架橋性組成物中の上述の相溶化剤の使用量は、成分A、B及びCの全体を基準として、0〜50質量%、好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
本発明の架橋性組成物の調製及び熱可塑性エラストマー(TPE−V)を生成するための架橋
本発明の架橋性組成物は、成分A、B、C、D、E及びFを、それらが組成物中に存在する程度に混合によって調製することができる。混合プロセスは本明細書では、例が内部ミキサー、例えば噛合式もしくは接線式ロータジオメトリの内部ミキサーか、または混合押出機、例えば2〜4つのスクリューを有する混合押出機などの連続混合システムである、ゴム技術で公知の混合システムを用いることができる。
本発明の方法を実施する際に、成分Aが損傷されることなくプラスチックス状態に変換されるのに十分に混合温度が高いことを確実にすることが重要である。これは、選択される温度が成分Aの最も高い融点または軟化点より上である場合に確実にされる。成分A、B、C、D、E及びFが、それらが組成物中に存在する程度に、一般に150〜350℃、好ましくは150〜280℃である範囲の温度で混合されることが特に好ましい。
様々な変形が個々の成分の混合について原則として可能である。
ひとつの第1変形では、成分A及びB、ならびに、適切な場合、成分C及びFは、それらが本発明の組成物中に存在する程度に、初期装入物として使用され、成分Aの最も高い融点または軟化点より上の温度で均質に混合される。成分D及びEが(成分Eが本発明の組成物中に存在する程度に)次に、混合プロセスを継続しながら及び上述の混合温度を保持しながら加えられる。
本発明の方法の第2実施形態では、成分Bは初期装入物として使用され、成分Aの融点または軟化点の直下までの温度に加熱される。成分Aが次に加えられ、温度が成分Aの最も高い融点または軟化点より上の温度に上げられ、そして成分A及びBが、適切な場合成分C及びFと、これらの成分が存在する場合、一緒に均質に混合された後にはじめて、成分D及び、適切な場合、E(成分Eが存在する場合)が、混合プロセスを継続しながら、及び成分Aの最も高い融点または軟化点より上の混合温度を保持しながら加えられる。
第3変形では、成分Aは初期装入物として使用され、成分Aの最も高い融点または軟化点より上の温度に加熱され、次に成分Bが加えられ、そして成分A及びBは、適切な場合成分C及びFと、これらが存在する場合、一緒に均質に混合される。成分D及び、適切な場合、E(成分Eが存在する場合)が次に、混合プロセスを継続しながら、及び成分Aの最も高い融点または軟化点より上の混合温度を保持しながら加えられる。
第4変形では、成分A、B、C、D、E、及び、適切な場合、Fの全ては、成分が組成物中に存在する程度に、本熱可塑性ポリマーの最も高い融点または軟化点より上の温度で初期装入物として同時に使用することができ、次に均質に混合することができる。
熱可塑性樹脂成分A中のエラストマー成分Bの特に良好な分配は、本方法が第5の特に好ましい変形によって実施されるときに達成される。この変形では、成分Bがまず成分D及び、適切な場合、E(成分Eが存在する程度に)と、成分Aの最も高い融点または軟化点より低温で混合される。成分Aの最も高い融点または軟化点より下の温度は、使用される成分Aに依存する。成分Aの最も高い融点または軟化点より下の温度は30〜180℃、特に好ましくは50〜150℃であることが好ましい。得られた混合物は次に、成分Aの最も高い融点または軟化点より上の温度に加熱された、成分Aと成分C及びF−成分C及びFが本発明の組成物中に存在する程度に−との混合物に加えられる。
本方法の上述の変形、特に本方法の変形5は、エラストマー相の架橋前に成分A及び成分Bの細かさ及び分配の一様性を最大にする。架橋プロセス前のエラストマー粒子の典型的な粒度は5μm未満である。
成分Aの最も高い融点または軟化点より上の、上及び本明細書で以下に述べられる温度は、使用される成分Aに依存する。成分Aの最も高い融点または軟化点より上の温度は、好ましくは150℃〜350℃、特に好ましくは200℃〜300℃である。
添加時間及び温度、形態、ならびに成分D及びEの量の選択はさらに、エラストマー相中の成分D及び、適切な場合、Eの良好な分配を確実にするように、ならびにエラストマー相及び熱可塑性樹脂相が上記の状態で存在するように、ならびに相反転が起こるか、またはエラストマーの及び熱可塑性樹脂相の共連続相構造が生じるように、エラストマー相の架橋がその後にはじめて起こるように、ならびに/またはエラストマーが5μm未満の粒子で熱可塑性樹脂相中に分散形態で存在するようにあるべきである。
本発明の架橋性組成物は、バランスのとれた特性の、特に非常に良好な耐熱性値及び耐溶剤性値の、ならびに同時に非常に良好な弾性特性の、幅広い度範囲の熱可塑性エラストマーの提供に優れた好適性を有する。
本発明はそれ故また、本発明の組成物の、または本発明の方法に従って調製された組成物の架橋を包含する、熱可塑性エラストマーの製造方法を提供する。この目的を達成するために、本発明の架橋性組成物は、使用される成分Aの最も高い融点または軟化点より上である温度で継続混合手順にかけられる。成分Aの融点または軟化点より上の好ましい温度は上に述べられてきた。
本発明によれば、動的結合が行われる。分散エラストマー相の架橋はそれ故、成分A〜F(これらが混合物中に存在する程度に)の混合中に行われる。これは、本発明の架橋性組成物を製造するための本発明の方法、特に方法変形1〜5による方法が、成分D及び、適切な場合、Eの存在下に成分Aの融点または軟化点より上の温度で継続されるときに、特に好ましくは方法変形5中に始まる。
本発明の架橋性組成物を製造するための成分A、B、C、D、E及びF−これらの成分が組成物中に存在する程度に−についての混合手順において、混合アセンブリの電力消費が一定値をとるポイントに本プロセスで達する。架橋性組成物を製造するための混合手順はこの時点で終わって、架橋性組成物が存在する。必要ならば、混合手順はここで終了することができ、架橋性組成物は、急冷することによって、すなわち温度を下げることによって得ることができ、−必要ならば−単離することができる。混合手順が、直ちにか上記の通り中断後にかのどちらかで継続される場合、架橋プロセスは成分D及び、適切な場合、Eによって起こり、これは混合アセンブリの電力消費の増加で認められる。エラストマー成分Bの動的架橋は本明細書に含まれる。
相反転または共連続相の形成後に、得られた架橋生成物、すなわち熱可塑性エラストマーは一般に、熱可塑性ポリマーの融点または軟化点より下の温度に冷却される。
本発明はまた、本発明の架橋性組成物の架橋によって得られる熱可塑性エラストマーを提供する。本発明のエラストマーの製造に好適な架橋プロセス、及びまた好適な架橋性組成物は、上に述べられてきた。
本発明はさらに、
a)熱可塑性エラストマーとして、成分A’として5〜90質量%、好ましくは8〜85質量%、特に好ましくは10〜80質量%、非常に特に好ましくは10〜40質量%、非常に特に好ましいことには10〜30未満質量%の少なくとも1つのコポリエステル、
b)成分B’として、10〜95質量%、好ましくは14.5〜91.5質量%、特に好ましくは19.5〜89.5質量%、非常に特に好ましくは40〜89.5質量%、非常に特に好ましいことには55超〜85質量%の、40質量%以上、好ましくは50質量%以上の酢酸ビニル含有率を有する、フリーラジカル架橋開始剤としての少なくとも1つの過酸化物によって架橋された、少なくとも1つのα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体、
c)成分Cとして、0〜30質量%、好ましくは0.5〜28質量%、特に好ましくは0.5〜25質量%、非常に特に好ましくは0.5〜20質量%、非常に特に好ましいことには5〜15質量%のフィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物
を含み、成分A、B及びCの全体が100質量%である、
熱可塑性エラストマーを提供する。
本発明による熱可塑性エラストマーの特徴は、エラストマー成分Bが熱可塑性樹脂成分A中に細かく分散された形態で存在することである。本発明による熱可塑性エラストマーは、低い硬度範囲(ショア硬度A)での非常に良好な弾性特性と同時に非常に良好な耐熱性及び非常に良好な耐溶剤性を特色とする。それらはまた、優れた物理的及び動的特性、例えば、自動車構成で特に要求される温度である、150℃より著しく上の高温で優れた圧縮永久歪みを有する。いったん熱可塑性樹脂相が溶融してしまったら、全体システムは熱可塑性的に加工できるようになり、こうして熱可塑性エラストマーのための必要な前提条件に適合する。
本発明はそれ故さらに、熱可塑性エラストマーの製造のための本発明の組成物の使用、及びまた成形品、好ましくは駆動ベルト、ガスケット、スリーブ、ホース、膜、ダンパー、異形材、もしくはケーブル・シース、ホットメルト接着剤、もしくはフォイルの製造のための、またはプラスチックス−ゴム共押出のための、または共射出成形のための本発明の熱可塑性エラストマーの使用を提供する。
本発明はさらに、本発明の熱可塑性エラストマーを含む成形品、ケーブル・シース、ホットメルト接着剤またはフォイルを提供する。
本発明の架橋性組成物の、及び本発明の熱可塑性エラストマーの好適な成分は、本発明の架橋性組成物の製造のための好適な製造方法、及び本発明の熱可塑性エラストマーの製造のための製造方法とまた同様に、上に述べられてきた。
得られた成形品は、優れた物理的特性、幅広い硬度範囲で、特に低い硬度範囲で特に優れた弾性値を特色とし、及びまた高温への耐性及び耐溶剤性、特に耐油性を特色とする。これらの特性は、例えば自動車用途及び他の工業用途向けの、特にホース、駆動ベルト、膜、ガスケット、ベロウ、ケーブル・シース、ホットメルト接着剤、フォイル及びスリーブにとって極めて重要である。成形品は一例として、単段階方法で簡単なやり方で製造することができる。
下の実施例は、本発明の追加の説明を提供する。
熱可塑性エラストマーの製造についての一般プロセス仕様
1.5L混合容量のWerner and Pfleiderer社製の内部ミキサーを180℃のチャンバー温度に予熱する。ゴム(エチレン−酢酸ビニル共重合体)と−共架橋剤が使用される程度に−共架橋剤を含めて添加剤の全てとを、しかし架橋システム、過酸化物を除いて初期装入物として使用し、内部ミキサーにて100rpmの回転速度で1分間混合する。下の実施例に従って使用される210℃〜220℃の融点の熱可塑性樹脂を今内部ミキサーに装入する。130〜150rpmの回転速度で、内部混合プロセスにおける温度は、2分の期間内に230℃〜250℃の温度に上がる。この温度は熱可塑性樹脂の融点の温度より上である。熱可塑性樹脂を完全に溶融させる。ゴム及び熱可塑性樹脂成分を、この温度で3分間さらに混合することによって溶融物にて均質に混合する。2つの成分の5μmより小さい所望の粒度の均一な分散系、及び共連続相モルホロジーは、混合プロセスのこのセクションで達成される。いったんこの3分が終わってしまったら、架橋システムを加える。高い架橋温度の好適な過酸化物を与えれば、これは、直接にかまたはあるいはまた内部ミキサーへの添加前にロール上で少量のゴム中への過酸化物の前混合で、あらかじめ配合された材料中でかのどちらかで起こる。ゴム相の動的架橋は、150rpmの回転速度で230℃〜250℃の温度での3分の混合時間中に内部ミキサー中で起こる。内部ミキサーの内容物を排出し、まだ熱い間にできるだけ速くロールでロールミルにかけて圧延シートを生じさせる。試験シートを次にこれから切り取り、220℃であるTPEの融点より上の、250℃の温度で10分間プレスする。試験シートの厚さは、その後の試験に依存して、2mmまたは6mmである。その後の試験の全てはこれらのシートで実施する。引張歪み及び応力は、2mmシートで試験し、圧縮永久歪みは6mmシートで試験する。
下の表は、実施例に使用した成分:熱可塑性樹脂、ゴム、添加剤及び共架橋剤を明記する。使用量は、特に明記しない限り質量部で下の表に提示する。
表1は、本発明の5つの熱可塑性エラストマーの物理的特性を突き合わせる。
Figure 0005770416
表1に示される結果から、本発明の熱可塑性エラストマーの全てが所望の特性側面に適合することが明らかである。本発明の実施例1及び2の比較は、実施例2による熱可塑性エラストマーでより、コポリエステルの割合が30質量%未満である、実施例1による本発明の熱可塑性エラストマーで圧縮永久歪み及び硬度(ショアA)が低いことを示す。
本発明の実施例2及び3の比較、ならびにまた本発明の実施例4及び5の比較は、圧縮永久歪みを共架橋剤(TAIC)の添加によって低下させ得ることを示す。
上述の実施例で述べられた添加剤は、熱可塑性エラストマーで不可欠であるわけではなく、それらの加工性を向上させるのに役立つ。それらは、上の表1に述べられた物理的特性に対していかなる実質的な影響も及ぼさない。

Claims (19)

  1. a)成分Aである熱可塑性エラストマーとして、ポリマーの主鎖にエステル基(−C(=O)−O−)によって連結されたモノマー単位を有する少なくとも1つのコポリエステル 5〜90質量%、
    b)成分Bとして、40質量%以上の酢酸ビニル含有率を有する少なくとも1つのα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体 10〜95質量%、
    c)成分Cとして、0〜30質量%のフィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物、
    を含み、成分A、B及びC全体で100質量%であり、ならびに
    d)成分Dとして、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体100質量部当たり0.1〜15質量部(phr)の、フリーラジカル架橋開始剤としての少なくとも1つの過酸化物、及び、
    e)成分Fとして、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、もしくはオキサゾリン基で官能化された、主ポリマー鎖としてα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体をベースとする共重合体から選択される少なくとも1つの相溶化剤、
    を含む架橋性組成物。
  2. 前記相溶化剤が、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の主鎖へのα,β−エチレン系不飽和モノ−及び/またはジカルボン酸またはそれらの誘導体のグラフト化により得られる共重合体である、請求項に記載の架橋性組成物。
  3. 共重合体の形態の前記コポリエステルが、
    (i)少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)グリコール、及び/または
    (ii)脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸、及び/または
    (iii)非水素化もしくは水素化ポリアルカジエンブロック及び2つのポリアルキレンオキシドブロックを含むトリブロック共重合体、及び/または
    (iv)脂肪族カーボネート、あるいは、脂肪族カーボネート、並びに脂肪族ジオール及び脂肪族カルボン酸、またはラクトン
    をベースとするソフトブロック(Y)と結合した、脂肪族ジオール及び芳香族ジカルボン酸をベースとするハードブロック(X)からなるマルチブロックコポリエステルであり、
    ここで、ブロック(X)と(Y)との結合が二官能性化合物によって生じていることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記コポリエステルが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選択された脂肪族ジオールと、フタル酸、テレフタル酸及びイソフタル酸からなる群から選択された芳香族ジカルボン酸とをベースとするハードブロック(X)、ならびにC〜C10ポリ(アルキレンオキシド)グリコールからなる少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)グリコールをベースとするソフトブロック(Y)からなるマルチブロックコポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記コポリエステルにおいて、前記脂肪族ジオールがブチレングリコールであり、前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、前記C〜C10ポリ(アルキレンオキシド)グリコールが、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(ブチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコールからなる少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)グリコールまたはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドからなる共重合体である、請求項に記載の組成物。
  6. 前記α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記過酸化物として175℃以上の架橋温度を有する過酸化物が使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 成分Eとして少なくとも1つの共架橋剤を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記共架橋剤が、トリアリルイソシアヌレート、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート、液体ポリブタジエン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンマレイミド、N−メチル−N,N’−m−フェニレンジマレイミド、ジビニルベンゼン、多官能性メタクリレートモノマー、及び多官能性ビニルモノマーからなる群、またはエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、酪酸ビニル、及びステアリン酸ビニルからなる群から選択され、あるいは前記架橋剤がトリアリルイソシアヌレートである、請求項に記載の組成物。
  10. 組成物中に存在する量で、成分A、B、C、D、及びF、あるいは成分A、B、C、D、E及びFを混合することによる請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  11. 成分Bがまず、成分Aの最も高い融点または軟化点より低温で、成分Dと、あるいは組成物が成分Eを含む場合にはD及びEと混合され、そして得られた混合物が次に、成分Aの最も高い融点または軟化点より高温に加熱された成分A含有混合物であって、成分Fを含み、組成物が成分Cを含む場合にはさらに成分Cを含む混合物と混ぜ合わせられることを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  12. 成分Aの最も高い融点または軟化点より高い温度で、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物、または請求項10又は11に記載の製造方法に従って調製された組成物を架橋することを含む熱可塑性エラストマーの製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物の架橋により得られる熱可塑性エラストマー。
  14. a)成分A’である熱可塑性エラストマーとして、少なくとも1つのコポリエステル 5〜90質量%、
    b)成分B’として、40質量%以上の酢酸ビニル含有率を有する、フリーラジカル架橋開始剤としての少なくとも1つの過酸化物によって架橋された、少なくとも1つのα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体 10〜95質量%、
    c)成分Cとして、0〜30質量%のフィラー材、可塑剤、添加剤及び/または追加物
    を含み、成分A、B及びC全体で100質量%であり、さらに
    e)成分Fとして、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、もしくはオキサゾリン基で官能化された、主ポリマー鎖としてα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体をベースとする共重合体からなる群から選択される少なくとも1つの相溶化剤
    を含む熱可塑性エラストマー。
  15. 前記相溶化剤が、α−オレフィン−酢酸ビニル共重合体の主鎖へのα,β−エチレン系不飽和モノ−及び/またはジカルボン酸またはそれらの誘導体のグラフト化により得られる共重合体である、請求項14に記載の熱可塑性エラストマー。
  16. 熱可塑性エラストマーの製造のための請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  17. 成形品、ホットメルト接着剤、もしくはフォイルの製造のための、またはプラスチックス−ゴム共押出のための、または共射出成形のための請求項13〜15のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーの使用。
  18. 前記成形品が、駆動ベルト、ガスケット、スリーブ、ホース、膜、ダンパー、異形材、及びケーブル・シースからなる群から選択される、請求項17に記載の熱可塑性エラストマーの使用。
  19. 請求項13〜15のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーを含む、成形品、ケーブル・シース、ホットメルト接着剤、またはフォイル。
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