JP5769627B2 - ボリノスタットの調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活性医薬成分であるボリノスタットの改良された調製方法に関する。特に、実質的に不純物を含まないボリノスタットの調製方法に関する。
ボリノスタットは、構造式(I)によって表わされ、N−ヒドロキシ−N′−フェニル−オクタンジアミドまたはスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)と化学的に命名され、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する化合物のより大きな分類の一種である。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDI)は、エピジェネティックな活性の広いスペクトルを有し、ボリノスタットは、Zolinza(登録商標)の商標名で、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)と呼ばれる皮膚癌の一種の治療用途で販売されている。ボリノスタットは、他の医薬による治療の間または後に、病気が持続したり、悪化したり、再発したりした場合に使用が認可されている。また、ボリノスタットはセザリー病の治療にも用いられており、さらに、再発多形性膠芽腫に対して幾分かの活性を所有している。
Figure 0005769627
ボリノスタットは、米国特許第5369108号に初めて記載され、そこでは、ボリノスタット調製の4つの異なる合成経路が開示されている(スキーム1〜4)。
スキーム1に図示される1工程の方法は、スベリン酸の二酸塩化物のアニリンおよびヒドロキシルアミン塩酸塩とのカップリングを含む。しかしながら、この反応の収率は僅か15〜30%である。
Figure 0005769627
スキーム2に図示される多工程の方法は、スベリン酸のモノメチルエステルから開始して、これを対応する酸塩化物に変換する。さらにアニリンとカップリングさせて、スベラニル酸のメチルエステルを得る。エステルの加水分解およびベンジル保護ヒドロキシルアミンとのさらなるカップリングを行うことで、ベンジル保護ボリノスタットを得て、これを脱保護することでボリノスタットを得る。
Figure 0005769627
全収率が35〜65%と報告される5工程の方法であるという欠点に加えて、この方法には、高価なスベリン酸のモノメチルエステルの使用などのさらなる欠点がある。
Figure 0005769627
スキーム3に図示される2工程の方法は、スベリン酸の二酸塩化物のアニリンおよびO−ベンジルヒドロキシルアミンとのカップリングと、その後の脱保護とを含む。しかしながら、この反応の全収率は僅か20〜35%である。
Figure 0005769627
スキーム4に図示される方法は、O−ベンジルヒドロキシルアミンの代わりにO−トリメチルシリルヒドロキシルアミンを用いたこと以外は、スキーム3に図示される方法と同様である。この反応の全収率は20〜33%と報告されている。
他のボリノスタットの調製方法が、J. Med. Chem., 1995, vol.38(8), 1411-1413に報告されている。その報告された方法は、スキーム5に図示されるように、高温溶融反応によるスベリン酸のスベラニル酸への変換から開始する。スベラニル酸をさらに、ダウエックス樹脂を用いて、対応するメチルエステルに変換して、このように形成されたスベラニル酸のメチルエステルを、ヒドロキシルアミン塩酸塩との処理によりボリノスタットに変換する。しかしながら、この方法はボリノスタットの調製に高温(190℃)を使用するため、商業規模において非能率性および高い処理コストが増す。また、高温により、製造中に不純物が形成される可能性と、安全性に関する懸念が高まる。報告された全収率は、低く、35%であった。
Figure 0005769627
他のボリノスタットの調製方法が、OPPI Briefs, 2001, vol.33(4), 391-394に報告されている。その報告された方法は、スキーム6に図示されるように、スベリン酸のスベリン酸無水物への変換を含み、これをアニリンと処理することで、スベラニル酸を得る。このスベラニル酸をエチルクロロホルメートとカップリングさせることにより、混合無水物を得て、これをヒドロキシルアミンと処理することで、全収率58%でボリノスタットを得る。第1の工程においては、スベリン酸無水物の形成と直線状の無水物の形成との間に競争があり、その結果、反応混合物から純粋なスベリン酸無水物を単離することは非常に難しい。また、この工程は、方法の不純物の形成および競争反応により妨げられる。第2の工程においては、アニリン2モルと直線状の無水物との反応によって、ジアニリドが形成する。第3の工程においては、スベラニル酸は不都合な副産物である。なぜなら、スベラニル酸は、エチルクロロホルメートにより混合無水物に変換されるが、これが非常に不安定で、スベラニル酸にまた変換される。その結果、反応混合物から純粋なボリノスタットを得ることは、非常に難しい。報告された収率は58%と主張されたが、再実験すると、38%の収率しか得られなかった。
Figure 0005769627
さらなるボリノスタットの調製方法が、J. Med. Chem., 2005, vol.48(15), 5047-5051に報告されている。その報告された方法は、スキーム7に図示されるように、スベリン酸モノメチルのモノメチルスベラニル酸への変換を含み、その後、ヒドロキシルアミン塩酸塩とカップリングして、全収率79%でボリノスタットを与える。しかしながら、この方法は、高価なスベリン酸のモノメチルエステルを出発原料として用いている。
Figure 0005769627
結論として、ボリノスタット調製について先行技術に開示された方法の主な欠点を、以下のようにまとめることができる。
・反応スキームは、ボリノスタットを得るために長い方法工程を含むことがあり、および/または収率が低い。
・方法に用いる試薬は、非常に高価であり、商業的製造用には費用効果が高くないことがある。
・生成物は、カラムクロマトグラフィまたは大規模な精製工程の後にしか得られず、これにより全収率が下がり、その方法の商業的生産への大規模化の実現可能性が厳しく制限される。
・すべての方法は、一般的に、反応中間体の単離および/または精製を必要とする。
癌の治療のためにボリノスタットが獲得した重要性に鑑みると、代替的な、比較的単純であり、経済的で、かつ商業的に実現可能な、商業的に許容可能な収率および高純度を有するボリノスタットの合成方法の開発が大いに求められる。
本発明者らは、驚くべきことに、容易に入手可能な前駆物質のスベリン酸から出発する、単純で効率的な方法を採用して、非常に高い純度でボリノスタットを調製できることを見出した。
したがって、本発明の目的は、単純で、経済的でかつ商業的に実現可能な、商業的に許容可能な収率を有する高純度ボリノスタットの合成方法を提供することである。
明細書および請求項の全体を通じて、ここで用いる「ボリノスタット」との用語は、ボリノスタットおよび/またはその如何なる塩、溶媒和物もしくは多型を意味する。
本発明の目的のために、ある化合物が、HPLCにより、1%未満、好ましくは0.5%未満、好ましくは0.3%未満、好ましくは0.2%未満、好ましくは0.1%未満の不純物を含む場合、該化合物は「実質的に純粋」である。
本発明は、収率が高く、商業規模で非常に高い純度を有する生成物を与える一方で、最終生成物または如何なる合成中間体の煩わしい精製技術の必要性も回避する、効率的で経済的なボリノスタットの合成を提供する。
本発明の第1の局面は、ボリノスタットの調製方法であって、
(a) スベリン酸をアニリン、またはその塩と反応させて、スベラニル酸を形成する工程と、
(b) 工程(a)で形成されたスベラニル酸をヒドロキシルアミン、またはその塩と反応させる工程と、を含む、方法を提供する。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法は、工程(a)におけるカップリング剤の使用を含む。好ましくは、工程(a)のカップリング剤は、ハロホルメートではない。好ましくは、工程(a)のカップリング剤は、カルボジイミド、1,1′−カルボニル化合物、またはそれらの混合物から選ばれる。好ましくは、工程(a)のカップリング剤は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI);1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド塩酸塩、WSC・HCl);1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);またはそれらの混合物から選ばれる。
最も好ましくは、工程(a)のカップリング剤は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)との混合物である。好ましくは、工程(a)で用いられるCDIとDCCとの混合物は、CDI:DCCのモル比範囲が、0.1:10〜10:0.1であり、より好ましくはCDI:DCCのモル比範囲が、1:5〜5:1であり、さらにより好ましくはCDI:DCCのモル比範囲が、1:2〜2:1であり、最も好ましくは、CDI:DCCのモル比が約1:1.6である。
好ましくは、スベリン酸に対して工程(a)で用いられるカップリング剤の総量は、1〜5モル当量の間であり、より好ましくは1〜3モル当量の間であり、さらにより好ましくは1〜1.5モル当量の間であり、最も好ましくは約1.3モル当量である。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法において、工程(a)は、有機溶媒中で行なわれ、この場合、好ましくは、有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれる。最も好ましくは、工程(a)で用いられる有機溶媒は、THFである。
好ましくは、スベリン酸に対して、本発明の第1の局面の方法の工程(a)で用いられるアニリン、またはその塩の総量は、約1モル当量である。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法において、工程(a)は、10〜60℃の間の温度で行なわれ、より好ましくは15〜40℃の間の温度、最も好ましくは25〜30℃の間の温度で行なわれる。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法は、工程(b)におけるカップリング剤の使用を含む。好ましくは、工程(b)のカップリング剤は、ハロホルメートではない。好ましくは、工程(b)のカップリング剤は、カルボジイミド、1,1′−カルボニル化合物、またはそれらの混合物から選ばれる。好ましくは、工程(b)のカップリング剤は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI);1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド塩酸塩、WSC・HCl);1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);またはそれらの混合物から選ばれる。最も好ましくは、工程(b)のカップリング剤は、1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)である。
好ましくは、スベラニル酸に対して工程(b)で用いられるカップリング剤の総量は、1〜5モル当量の間であり、より好ましくは1〜3モル当量の間であり、最も好ましくは約2モル当量である。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法において、工程(b)は、有機溶媒中で行なわれ、この場合、好ましくは、有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれる。最も好ましくは、工程(b)で用いられる有機溶媒は、DMFである。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法において、工程(b)においては、ヒドロキシルアミンは、塩の形態で用いられ、最も好ましくは、塩酸塩の形態で用いられる。
好ましくは、スベラニル酸に対して、本発明の第1の局面の方法の工程(b)において用いられる、ヒドロキシルアミン、またはその塩の総量は、1〜10モル当量の間であり、より好ましくは1〜6モル当量の間であり、さらにより好ましくは2〜5モル当量の間であり、最も好ましくは約4モル当量である。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法において、工程(b)は、10〜60℃の間の温度で、より好ましくは15〜40℃の間の温度で、最も好ましくは25〜30℃の間の温度で行なわれる。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法において、工程(a)および工程(b)は、同じ有機溶媒中で行なわれ、該有機溶媒は、好ましくは、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、またはそれらの混合物から選ばれ、より好ましくは、THF、DMF、またはそれらの混合物から選ばれる。
好ましくは、本発明の第1の局面に従う方法において、工程(a)および/または工程(b)において活性化剤が用いられる。好ましくは、活性化剤は、塩化シアヌル、フッ化シアヌル、カテコールボラン、またはそれらの混合物から選ばれる。活性化剤は、カップリング剤と組合せて用いられることが好ましい。
本発明の第2の局面は、ボリノスタットの調製方法であって、
(a′)スベリン酸をヒドロキシルアミン、またはその塩と反応させて、N−ヒドロキシ−7−カルボキシ−ヘプタンアミドを形成する工程と、
(b′)工程(a′)で形成されたN−ヒドロキシ−7−カルボキシ−ヘプタンアミドをアニリン、またはその塩と反応させる工程と、を含む、方法を提供する。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法は、工程(a′)におけるカップリング剤の使用を含む。好ましくは、工程(a′)のカップリング剤は、ハロホルメートではない。好ましくは、工程(a′)のカップリング剤は、カルボジイミド、1,1′−カルボニル化合物、またはそれらの混合物から選ばれる。好ましくは、工程(a′)のカップリング剤は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI);1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド塩酸塩、WSC・HCl);1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);またはそれらの混合物から選ばれる。最も好ましくは、工程(a′)のカップリング剤は、1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)である。
好ましくは、スベリン酸に対して工程(a′)で用いられるカップリング剤の総量は、1〜5モル当量の間であり、より好ましくは1〜3モル当量の間であり、さらにより好ましくは1〜1.5モル当量の間であり、最も好ましくは約1.3モル当量である。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法において、工程(a′)は、有機溶媒中で行なわれ、この場合、好ましくは、有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれる。最も好ましくは、工程(a′)で用いられる有機溶媒は、DMFである。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法において、工程(a′)においては、ヒドロキシルアミンは、塩の形態で用いられ、最も好ましくは、塩酸塩の形態で用いられる。
好ましくは、スベリン酸に対して、本発明の第2の局面の方法の工程(a′)において用いられるヒドロキシルアミン、またはその塩の総量は、約1モル当量である。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法において、工程(a′)は、10〜60℃の間の温度で、より好ましくは15〜40℃の間の温度で、最も好ましくは25〜30℃の間の温度で行なわれる。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法は、工程(b′)におけるカップリング剤の使用を含む。好ましくは、工程(b′)のカップリング剤は、ハロホルメートではない。好ましくは、工程(b′)のカップリング剤は、カルボジイミド、1,1′−カルボニル化合物、またはそれらの混合物から選ばれる。好ましくは、工程(b′)のカップリング剤は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI);1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド塩酸塩、WSC・HCl);1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);またはそれらの混合物から選ばれる。
最も好ましくは、工程(b′)のカップリング剤は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)との混合物である。好ましくは、工程(b′)で用いられるCDIとDCCとの混合物は、CDI:DCCのモル比範囲が、0.1:10〜10:0.1であり、より好ましくはCDI:DCCのモル比範囲が、1:5〜5:1であり、より好ましくはCDI:DCCのモル比範囲が、1:2〜2:1であり、最も好ましくは、CDI:DCCのモル比が約1:1.6である。
好ましくは、N−ヒドロキシ−7−カルボキシ−ヘプタンアミドに対して工程(b′)で用いられるカップリング剤の総量は、1〜5モル当量の間であり、より好ましくは1〜3モル当量の間であり、さらにより好ましくは1〜1.5モル当量の間であり、最も好ましくは約1.3モル当量である。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法において、工程(b′)は、有機溶媒中で行なわれ、この場合、好ましくは、有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれる。最も好ましくは、工程(b′)で用いられる有機溶媒は、THFである。
好ましくは、N−ヒドロキシ−7−カルボキシ−ヘプタンアミドに対して、本発明の第2の局面の方法の工程(b′)で用いられる、アニリン、またはその塩の総量は、1〜10モル当量の間であり、より好ましくは1〜6モル当量の間であり、最も好ましくは1〜2モル当量の間である。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法において、工程(b′)は、10〜60℃の間の温度で、より好ましくは15〜40℃の間の温度で、最も好ましくは25〜30℃の間の温度で行なわれる。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法において、工程(a′)および工程(b′)は、同じ有機溶媒中で行なわれ、該有機溶媒は、好ましくは、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、またはそれらの混合物から選ばれ、より好ましくは、THF、DMF、またはそれらの混合物から選ばれる。
好ましくは、本発明の第2の局面に従う方法において、工程(a′)および/または工程(b′)において活性化剤が用いられる。好ましくは、活性化剤は、塩化シアヌル、フッ化シアヌル、カテコールボラン、またはそれらの混合物から選ばれる。活性化剤は、カップリング剤と組合せて用いられることが好ましい。
好ましくは、本発明の第1または第2の局面に従う方法は、170℃未満、好ましくは130℃未満、好ましくは100℃未満、より好ましくは70℃未満の温度で行なわれる。
好ましくは、本発明の第1または第2の局面に従う方法の如何なる反応中間体も精製されない。好ましくは、本発明の第1または第2の局面に従う方法は、如何なる反応中間体も単離せずに行なわれる。
好ましくは、本発明の第1または第2の局面に従う方法は、クロマトグラフィを使用せずに行なわれる。
好ましくは、本発明の第1または第2の局面に従う方法は、工業規模で行なわれ、好ましくは、100g、500g、1kg、5kg、10kg、25kgまたはそれ以上のバッチでボリノスタットが得られる。
好ましくは、ボリノスタットは、スベリン酸から、30%以上、好ましくは40%以上、好ましくは45%以上、好ましくは50%以上の収率で得られる。
好ましくは、本発明の第1または第2の局面に従う方法においては、ボリノスタットは、99%超のHPLC純度で得られ、より好ましくは、ボリノスタットは99.5%超のHPLC純度で得られ、さらにより好ましくは、ボリノスタットは99.8%超のHPLC純度で得られ、最も好ましくは、ボリノスタットは99.9%超のHPLC純度で得られる。
本発明の第3の局面においては、本発明の第1または第2の局面に従う方法に従って調製されるボリノスタットが提供される。
本発明の第4の局面においては、本発明の第1または第2の局面に従う方法に従って調製される実質的に純粋なボリノスタットが提供される。
本発明の第5の局面において、実質的に純粋なボリノスタットが提供される。
好ましくは、本発明の第3、第4または第5の局面に従うボリノスタットは、医薬に使用するために好適であり、好ましくは癌、好ましくは皮膚癌、より好ましくは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療に好適である。
本発明の第6の局面においては、本発明の第3、第4または第5の局面に従うボリノスタットを含有する医薬組成物が提供される。好ましくは、本発明の第6の局面に従う医薬組成物は、癌、好ましくは皮膚癌、より好ましくは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療に好適である。
本発明の第7の局面においては、癌の治療のための医薬の製造における、本発明の第3、第4または第5の局面に従うボリノスタットの使用、および本発明の第6の局面に従う医薬組成物の使用が提供される。好ましくは、医薬は、皮膚癌の治療、最も好ましくは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療に好適である。
本発明の第8の局面においては、治療上効果的な量の本発明の第3、第4もしくは第5の局面に従うボリノスタットまたは治療上効果的な量の本発明の第6の局面に従う医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、癌の治療方法が提供される。好ましくは、方法は、皮膚癌の治療、最も好ましくは、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療のためである。好ましくは患者は哺乳類であり、好ましくはヒトである。
本発明者らは、驚くべきことに、スベリン酸から出発する極めて便利な方法を用いて、商業的に許容可能な収率および純度で、ボリノスタットを調製できることを見出した。
本発明者らは、スベリン酸を直接、かつ、順次アニリンおよびヒドロキシルアミンと、いずれかの順で反応させるという構想を探求した。本発明者らは、この直接反応は、スベリン酸のカルボキシル官能基の選択的な活性化のためにカップリング剤を用いることで、可能になることを見出した。驚くべきことに、直接反応は収率が高く、非常に高純度の中間体および生成物を与えた。
スベラニル酸は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI);1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(水溶性カルボジイミド塩酸塩、WSC・HCl);1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);またはそれらの混合物などのカップリング剤を用いて、スベリン酸とアニリンとの直接反応により、非常に効率よく良好な収率および純度で調製された。
驚くべきことに、スベリン酸とアニリンとのカップリングのために1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1,1′−カルボニルジイミダゾール(CDI)を併用することにより、不純物の形成が制御されて、非常に純粋な生成物が与えられ、スベラニル酸が、高収率(60〜65%)かつ非常に高純度で(典型的に、HPLCにより測定される場合、99.5%超の純度)得られることが見出された。
第2の段階において、スベラニル酸をクロロ蟻酸メチルおよびヒドロキシルアミンと反応させるなどの先行技術の方法を用いることにより、スベラニル酸をボリノスタットに変換させる初期の試みは、不十分な収率および高レベルの不純物を与えた。結果的に、繰返し精製しても、ICHで規制されるボリノスタットの不純物プロファイルは得られなかった。
しかしながら、本発明者らは、スベラニル酸のボリノスタットへの変換において、CDI、DCC、WSC・HClまたはDICなどのカップリング剤を用いることにより、不純物形成を制御して、非常に高純度(典型的に、HPLCによって測定される場合、99.5%超の純度)のボリノスタットを産生できることを見出した。
したがって、好ましい実施形態において、本発明者らは、スベラニル酸をDMFまたはTHFなどの極性溶媒中で、CDIなどのカップリング剤を用いて、市販のヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させることによって、99.5%超の純度を有するボリノスタットを与えることができることを見出した。
好ましくは、本発明に従う方法により調製されたボリノスタットは、好適な溶媒または混合溶媒からの結晶化により、さらに精製することができる。
本発明の第1の局面の好ましい実施形態をスキーム8に図示する。
Figure 0005769627
随意に、工程(a)および/または工程(b)において活性化剤を用いて、高収率および純度で生成物を与えることができる。好ましくは、活性化剤は、塩化シアヌル、フッ化シアヌル、カテコールボラン、またはそれらの混合物から選ばれる。活性化剤は、カップリング剤と組合せて用いられることが好ましい。
本発明の第1の局面に従う方法の好ましい実施形態は、以下の工程を含む。
(i) THF、CDIおよびDCCの混合物を準備する工程;
(ii) スベリン酸を添加する工程;
(iii) 工程(ii)からの溶液にTHF中のアニリンを添加する工程;
(iv) 25〜30℃で撹拌する工程;
(v) 反応中に形成された固体ジシクロヘキシルウレアをろ去する工程;
(vi) ろ液を真空中で濃縮する工程;
(vii) KOH水溶液を添加する工程;
(viii) 固体の副産物をろ去する工程;
(ix) ろ液を加熱する工程;
(x) 塩酸を添加する工程;
(xi) スベラニル酸を単離する工程;
(xii) DMF中でスベラニル酸とCDIとを混合する工程;
(xiii) ヒドロキシルアミン塩酸塩を固体で工程(xii)からの混合物に添加する工程;
(xiv) 工程(xiii)で得られた混合物からボリノスタットを単離する工程;
(xv) 工程(xiv)からのボリノスタットにアセトニトリルおよびアンモニア水を添加する工程;
(xvi) 混合物を加熱する工程;
(xvii) 混合物を20〜27℃まで冷却する工程;および
(xviii) 工程(xvii)で得られた混合物から純粋なボリノスタットを単離する工程。
好ましくは、工程(a)および工程(b)において同じ有機溶媒を利用することによって、如何なる合成中間体も単離することなしに、純粋なボリノスタットを得ることができる。
本発明の第2の局面の好ましい実施形態をスキーム9に図示する。
Figure 0005769627
本発明の第1または第2の局面に従う方法は、煩雑な精製技術の必要性がない、実質的に純粋なボリノスタットの非常に短く効率的な生産方法である。したがって、本発明の方法は、実質的に純粋なボリノスタットの商業的生産に極めて適している。
本発明の第6の局面に従う医薬組成物は、溶液または懸濁液であり得るが、好ましくは、固体経口投与形態である。発明に従う好ましい経口投与形態は、錠剤、カプセル剤などを含み、随意に、所望によりコーティングされていてもよい。錠剤は、直接打錠、湿式造粒および乾式造粒を含む、従来の技術により調製することができる。カプセル剤は、一般的にゼラチン材料から形成され、従来通りに調製された賦形剤の顆粒物を含むことができる。
本発明に従う医薬組成物は、典型的には、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を含む群から選ばれる1以上の従来の薬学的に許容可能な賦形剤を含み、随意に、さらに着色剤、吸着剤、界面活性剤、被膜形成剤および可塑剤から選ばれる少なくとも1つの賦形剤を含む。
固体医薬製剤が、コーティングされた錠剤の形態である場合には、コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはメタクリレートポリマーなどの少なくとも1つの被膜形成剤から調製されてもよく、随意にポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチルなどの少なくとも1つの可塑剤、および顔料、充填剤など、従来被膜コーティング用のその他の医薬補助物質を含有していてもよい。
発明の詳細、その課題および利点は、非限定的な実施例によって下記により詳細に説明される。
実施例1
段階1:スベリン酸のスベラニル酸への変換
THF(15 vol)中のCDI(0.5当量)とDCC(0.8当量)との混合物を25〜30℃で1時間撹拌した。THF(1 vol)中のスベリン酸(1当量)およびアニリン(1当量)を添加して、混合物をさらに16〜20時間撹拌した。固体の副産物をろ過により除去して、ろ液を50℃で真空中濃縮した。得られた固体残渣を水(10 vol)のKOH(2当量)の溶液で処理して、25〜30℃で30分間撹拌し、形成された如何なる固体の副産物もろ過により除去した。得られたろ液を60℃で3〜4時間加熱し、20℃まで冷却した後、塩酸(17.5%、3 vol)を添加した。混合物を30分間撹拌し、固体をろ過して、水(2×5 vol)で洗浄し、60〜65℃で真空下乾燥した。
モル収率=60〜65%
HPLCによる純度=99.5%
段階2:スベラニル酸の粗ボリノスタットへの変換
段階1で得られたスベラニル酸(1当量)をDMF(5 vol)に溶解して、CDI(2当量)を25〜30℃で添加し、撹拌下30分間維持した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(4当量)を添加し、撹拌を30分間継続した。次に、水(25 vol)を添加して、混合物を2時間撹拌した。沈殿した固体をろ過し、水(2×5 vol)で洗浄し、50℃で真空下乾燥した。
モル収率=70〜75%
HPLCによる純度=99%
段階3:粗ボリノスタットの精製
アンモニア水(2.5 vol)を25〜30℃のアセトニトリル(15 vol)中の粗ボリノスタット(1当量)に添加した。次に、混合物を55〜60℃で1時間維持した後、20〜25℃まで冷却しさらに1時間撹拌した。得られた固体をろ過し、アセトニトリル(2×0.5 vol)で洗浄し、45〜50℃で5時間真空下乾燥した。
モル収率=55〜60%
HPLCによる純度≧99.8%
実施例2
段階1:スベリン酸の粗ボリノスタットへの変換
THF(15 vol)中のCDI(0.5当量)とDCC(0.8当量)との混合物を25〜30℃で1時間撹拌した。THF(1 vol)中のスベリン酸(1当量)およびヒドロキシルアミン(1当量)を添加して、混合物をさらに1時間撹拌した。次に、CDI(0.5当量)、DCC(0.8当量)およびアニリン(1当量)を混合物に添加して、混合物をさらに16〜20時間撹拌した。固体の副産物をろ過により除去して、ろ液を50℃で真空中濃縮して粗ボリノスタットを得た。
モル収率=55〜60%
HPLCによる純度≧95.8%
段階2:粗ボリノスタットの精製
アンモニア水(2.5 vol)を25〜30℃のアセトニトリル(15 vol)中の粗ボリノスタット(1 vol)に添加した。次に、混合物を55〜60℃で1時間維持した後、20〜25℃まで冷却し、さらに1時間撹拌した。得られた固体をろ過し、アセトニトリル(2×0.5 vol)で洗浄し、45〜50℃で5時間真空下乾燥した。
モル収率=35〜40%
HPLCによる純度≧99.8%
本発明が例としてのみ上述されたことが理解されるであろう。実施例は、発明の範囲を限定することを意図するものではない。種々の修正例および実施形態が、下記の請求項によってのみ定義される、発明の範囲および精神から逸脱することなしに行なわれることが可能である。

Claims (9)

  1. ボリノスタットの調製方法であって、
    (a) スベリン酸をアニリンまたはその塩と反応させて、スベラニル酸を形成する工程と、
    (b) 工程(a)で形成された前記スベラニル酸をヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させる工程とを含み、
    工程(a)がカップリング剤を含み、カップリング剤が1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)との混合物である、方法。
  2. (i) カップリング剤が1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)との0.1:10〜10:0.1のCDI:DCCのモル比範囲、1:5〜5:1のCDI:DCCのモル比範囲、1:2〜2:1のCDI:DCCのモル比範囲、もしくは1:1.6のCDI:DCCのモル比の混合物である;または
    (ii) 前記スベリン酸に対して工程(a)で用いられるカップリング剤の総量が、1〜5モル当量の間、1〜3モル当量の間、1〜1.5モル当量の間、または1.3モル当量である;または
    (iii) 工程(a)が有機溶媒中で行われる;または
    (iv) 工程(a)がジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、もしくはそれらの混合物から選ばれる有機溶媒の中で行われる;または
    (v) 工程(a)がTHF中で行われる;または
    (vi) 工程(a)が10〜60℃の間、15〜40℃の間、または25〜30℃の間の温度で行われる、
    請求項1に記載の方法。
  3. (i) 工程(b)が、カップリング剤を含む;または
    (ii) 工程(b)が、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI);1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl);1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);もしくはそれらの混合物から選ばれるカップリング剤を含む;または
    (iii) 工程(b)がカップリング剤を含み、カップリング剤が1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)である;または
    (iv) 工程(b)がカップリング剤を含み、前記スベラニル酸に対して工程(b)で用いられるカップリング剤の総量が、1〜5モル当量の間、1〜3モル当量の間、または2モル当量である;または
    (v) 工程(b)が有機溶媒中で行われる;または
    (vi) 工程(b)がジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、もしくはそれらの混合物から選ばれる有機溶媒の中で行われる;または
    (vii) 工程(b)がDMF中で行われる;または
    (viii) 工程(b)においてヒドロキシルアミンが塩酸塩等の塩の形態で用いられる;または
    (ix) 前記スベラニル酸に対して工程(b)において用いられる、ヒドロキシルアミンまたはその塩の総量が、1〜10モル当量の間、1〜6モル当量の間、2〜5モル当量の間、または4モル当量である;または
    (x) 工程(b)が、10〜60℃の間、15〜40℃の間、または25〜30℃の間の温度で行なわれる、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. (i) 工程(a)および工程(b)が同じ有機溶媒中で行なわれる;または
    (ii) 工程(a)および工程(b)がジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、もしくはそれらの混合物から選ばれる同じ有機溶媒の中で行なわれる;または
    (iii) 工程(a)および工程(b)がTHF、DMF、もしくはそれらの混合物から選ばれる同じ有機溶媒の中で行なわれる;または
    (iv) 工程(a)および/または工程(b)において活性化剤が用いられる;または
    (v) 工程(a)および/または工程(b)において活性化剤が用いられ、活性化剤が、塩化シアヌル、フッ化シアヌル、カテコールボラン、またはそれらの混合物から選ばれる、
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. ボリノスタットの調製方法であって、
    (a’) スベリン酸をヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させて、N−ヒドロキシ−7−カルボキシ−ヘプタンアミドを形成する工程と、
    (b’) 工程(a’)で形成された前記N−ヒドロキシ−7−カルボキシ−ヘプタンアミドをアニリンまたはその塩と反応させる工程とを含み、
    工程(a’)がカップリング剤を含み、カップリング剤が1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)との混合物である、方法。
  6. (i) 前記スベリン酸に対して工程(a’)において用いられるカップリング剤の総量が、1〜5モル当量の間、1〜3モル当量の間、1〜1.5モル当量の間、または1.3モル当量である;または
    (ii) 工程(a’)が、有機溶媒中で行なわれる;または
    (iii) 工程(a’)が、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、もしくはそれらの混合物から選ばれる有機溶媒の中で行なわれる;または
    (iv) 工程(a’)が、DMF中で行なわれる;または
    (v) 工程(a’)においてヒドロキシルアミンが、塩酸塩等の塩の形態で用いられる;または
    (vi) 前記スベリン酸に対して工程(a’)において用いられる、ヒドロキシルアミンまたはその塩の総量が、1モル当量である;または
    (vii) 工程(a’)が、10〜60℃の間、15〜40℃の間、または25〜30℃の間の温度で行なわれる、
    請求項5に記載の方法。
  7. (i) 工程(b’)が、カップリング剤を含む;または
    (ii) 工程(b’)が、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC);1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI);1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl);1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC);もしくはそれらの混合物から選ばれるカップリング剤を含む;または
    (iii) 工程(b’)がカップリング剤を含み、カップリング剤が1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)との混合物である;または
    (iv) 工程(b’)がカップリング剤を含み、カップリング剤が1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)との0.1:10〜10:0.1のCDI:DCCのモル比範囲、1:5〜5:1のCDI:DCCのモル比範囲、1:2〜2:1のCDI:DCCのモル比範囲、または1:1.6のCDI:DCCのモル比の混合物である;または
    (v) 前記N−ヒドロキシ−7−カルボキシ−ヘプタンアミドに対して工程(b’)で用いられるカップリング剤の総量が、1〜5モル当量の間、1〜3モル当量の間、1〜1.5モル当量の間、または1.3モル当量である;または
    (vi) 工程(b’)が、有機溶媒中で行なわれる;または
    (vii) 工程(b’)が、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、もしくはそれらの混合物から選ばれる有機溶媒の中で行なわれる;または
    (viii) 工程(b’)が、THF中で行なわれる;または
    (ix) 工程(b’)が、10〜60℃の間、15〜40℃の間、または25〜30℃の間の温度で行なわれる、
    請求項5または6に記載の方法。
  8. (i) 工程(a’)および工程(b’)が、同じ有機溶媒中で行なわれる;または
    (ii) 工程(a’)および工程(b’)が、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、1,2−ジクロロベンゼン、エタノール、もしくはそれらの混合物から選ばれる同じ有機溶媒の中で行なわれる;または
    (iii) 工程(a’)および工程(b’)が、THF、DMF、もしくはそれらの混合物から選ばれる同じ有機溶媒の中で行なわれる;または
    (iv) 工程(a’)および/または工程(b’)において活性化剤が用いられる;または
    (v) 工程(a’)および/または工程(b’)において活性化剤が用いられ、活性化剤が、塩化シアヌル、フッ化シアヌル、カテコールボラン、またはそれらの混合物から選ばれる、
    請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
  9. ボリノスタットは、
    (i) 99%超、または
    (ii) 99.5%超、または
    (iii) 99.8%超、または
    (iv) 99.9%超、
    のHPLC純度で得られる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
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