JP5768572B2 - レーザ切断装置 - Google Patents

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本発明は、被加工物をレーザビームを用いて切断するレーザ切断装置に関するものである。
従来、この種のレーザ切断装置は、レーザビーム、アシストガスおよびシールドガスを、加工ヘッドから照射・噴射することによって被加工物を切断するようになっている。
アシストガスは一般的に高圧酸素が用いられ、酸化反応熱によって加工を促進する役割と、カーフ溝(切断溝)から溶融金属を吹き飛ばす役割とを果たす。シールドガスは、アシストガスの周りを囲むエアカーテンを形成し、アシストガスを保護する役割を果たす。
ところで、造船業界や厚板シャーリング業界においては、厚板の高品質かつ効率的な切断技術が求められている。さらに、将来の原子力発電所の廃炉時に原子炉容器等の解体に厚板水中切断技術が求められている。
そこで本出願人は、特願2011−21760(以下、先願例という)にて、そのような用途に適したレーザ切断装置を提案した。具体的には、エアカーテンの周りに加圧水を噴射してエアカーテンを囲む加圧水カーテンを形成することにより、加圧水カーテンの外部の大気または水とアシストガスを分離して、アシストガスの濃度および高圧状態を維持するようにしたものである。
しかしながら、上記先願例では、加圧水カーテンを形成するために、加圧水を噴射する加圧水カーテンノズルを加工ヘッドに設ける必要があり、加工ヘッドが大型になってしまうという問題があった。
また、加工ヘッドにおけるレーザビームの出射口付近を目視できない作業環境下では、出射口と被加工物との間の距離(以下、ワークディスタンスという)を所定範囲に保つことが困難であった。
本発明は上記点に鑑みて、加工ヘッドの小型化を図ることを第1の目的とする。また、ワークディスタンスを容易に所定範囲に保つことができるようにすることを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、加工ヘッド(2)の出射口(223)からレーザビームを出射して被加工物を切断するレーザ切断装置であって、加工ヘッド(2)は、レーザビームが通過するレーザ通過孔(211)が形成されたヘッド本体(21)と、レーザビームによって溶融した被加工物の溶融物を吹き飛ばすアシストガスおよびアシストガスを外側から包み込んでアシストガスを保護するシールドガスを噴射するノズル(22)と、シールドガスが噴射される空洞を形成する空洞形成手段とを備え、空洞形成手段は、レーザ通過孔(211)の周方向に沿って連続して配置された複数個のスカート(23)にて構成され、複数個のスカート(23)の各々は、ヘッド本体(21)に対してレーザ通過孔(211)の軸線方向に移動可能であるとともに、先端部が被加工物に当接するように被加工物に向かって付勢されていることを特徴とする。
これによると、空洞形成手段が先願例における加圧水カーテンと同様の機能を発揮するため、加圧水カーテンノズルを廃止して加工ヘッド(2)を小型化にすることができる。また、水タンクや水ポンプ等の加圧水供給手段も不要になるため、レーザ切断装置を簡素にすることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のレーザ切断装置において、加工ヘッド(2)の位置および姿勢を制御する制御手段(6、7)と、ヘッド本体(21)に対する複数個のスカート(23)の各々の相対位置を検出して位置検出信号を制御手段(6、7)に出力するスカート位置センサ(8)とを備え、制御手段(6、7)は、出射口(223)と被加工物との間の距離が所定範囲になるように、位置検出信号に基づいて加工ヘッド(2)の位置を制御することを特徴とする。
これによると、出射口(223)付近を目視できない作業環境下においても、ワークディスタンスを容易に所定範囲に保つことができる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のレーザ切断装置において、加工ヘッド(2)の進行方向にある被加工物の障害物を検出して障害物検出信号を制御手段(6、7)に出力する障害物センサ(9)を備え、制御手段(6、7)は、障害物センサ(9)が障害物を検出したとき、被加工物における切断中の加工面と障害物とで形成される隅部に出射口(223)を近づけるように、加工ヘッド(2)の姿勢を制御することを特徴とする。
これによると、例えば被加工物が90°曲がった形状で、加工ヘッド(2)の進行方向に曲げ板面(すなわち障害物)がある場合でも、出射口(223)を被加工物の隅部に近接させるため、被加工物の隅部も確実に切断することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のレーザ切断装置において、スカート(23)における被加工物と対向する被加工物対向面(231)は、レーザ通過孔(211)の軸線に対して傾斜し、且つ外周側よりも内周側が被加工物に向かって突出していることを特徴とする。
これによると、加工ヘッド(2)の進行方向に障害物がある場合に、出射口(223)を被加工物の隅部により一層近接させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の一実施形態に係るレーザ切断装置の全体構成を示す模式図である。 図1の加工ヘッドおよびガス供給手段の構成を示す図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図2のB矢視図である。 図2の加工ヘッド2の模式的な平面図である。 図1のロボット制御盤が実行するプログラムのフローチャートである。 被加工物に障害物がある場合の加工ヘッドの作動を示す図である。 被加工物に段差がある場合の加工ヘッドの作動を示す図である。
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態のレーザ切断装置は、水中でレーザビームを照射して被加工物を切断するという、いわゆる水中切断を行うものである。被加工物の例としては、炭素鋼やステンレス(SUS)等にて25〜150mm程度の厚さに形成された厚板部材が挙げられる。
レーザ切断装置は、具体的にはレーザビームの照射と同時にアシストガスおよびシールドガスを噴射する。
アシストガスは酸素を含有するガスであり、酸化反応熱によって加工を促進する役割と溶融物(溶融金属)を吹き飛ばす役割とを果たす。
シールドガスは、アシストガスを保護するエアカーテンとしての役割を果たす。より具体的には、アシストガスを層状に包むことによって水の巻き込みを遮断するとともにカーフ部(切断面間の溝部)でのアシストガス流速を高める。
図1は本発明の一実施形態に係るレーザ切断装置の全体構成を示す模式的な図である。この図1に示すように、レーザ切断装置は、レーザ光源であるレーザ発振器1から発振されたレーザが光ファイバにて加工ヘッド2に伝送され、そのレーザは加工ヘッド2から被加工物に向けて出射される。
加工ヘッド2には、3つのガス供給手段3〜5からアシストガスやシールドガスが供給され、そのアシストガスやシールドガスは、加工ヘッド2から被加工物Wに向けて噴射される。
また、加工ヘッド2は、その位置および姿勢がロボット6およびロボット制御盤7にて制御される。ロボット制御盤7は、図示しない制御回路(ECU)を備え、制御回路はCPU、RAM、ROM、EEPROM等からなる周知のマイクロコンピュータを備え、マイクロコンピュータに記憶したプログラムに従って演算処理を行うものである。なお、ロボット6およびロボット制御盤7は、本発明の制御手段を構成する。
図2は図1の加工ヘッド2およびガス供給手段3〜5の構成を示す図である。この図2に示すように、レーザビームは、レーザ発振器1によって発振されるレーザが集光レンズ11を介して加工ヘッド2に導かれることによって形成される。加工ヘッド2に導かれたレーザは、ヘッド本体21に形成されたレーザ通過孔211を介して切断用ノズル22に導かれる。
アシストガスは、酸素を含有する酸素含有ガスと、酸素含有ガスよりも流量(圧力)の高い高流量ガスとによって形成される。酸素含有ガスとしては高純度酸素が用いられる。高流量ガスとしては酸素含有ガスよりも酸素濃度の低い気体、例えば空気または不活性ガス(窒素等)が用いられる。
酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段3は、酸素含有ガスを貯留した酸素含有ガスボンベ31からガス配管を介して加工ヘッド2に酸素含有ガスを供給するようになっている。そのガス配管には、酸素含有ガスの吐出圧を調整する圧力調整弁32、酸素含有ガスの流量を調整する流量調整弁33、酸素含有ガスの吐出圧を検出する圧力計34、および酸素含有ガスの流量を検出する流量計35が配置されている。
高流量ガスを供給する高流量ガス供給手段4は、高流量ガスを貯留した高流量ガスボンベ41からガス配管を介して加工ヘッド2に高流量ガスを供給するようになっている。そのガス配管には、高流量ガスの吐出圧を調整する圧力調整弁42、高流量ガスの流量を調整する流量調整弁43、高流量ガスの吐出圧を検出する圧力計44、および高流量ガスの流量を検出する流量計45が配置されている。
酸素含有ガスの圧力・流量および高流量ガスの圧力・流量は、被加工物Wの材質や板厚等に応じて設定される。本例では、酸素含有ガスの流量は30〜50リットル/分に設定され、高流量ガスの流量は300〜350リットル/分に設定される。
圧力調整弁32、42および流量調整弁33、43として手動の弁を用いる場合には、酸素含有ガスの圧力・流量および高流量ガスの圧力・流量を手動で設定することとなる。また、圧力調整弁32、42および流量調整弁33、43として電磁弁を用いる場合には、酸素含有ガスの圧力・流量および高流量ガスの圧力・流量を制御装置によって制御することができる。
ヘッド本体21には、酸素含有ガスを流通させる酸素含有ガス通路212が形成されている。この酸素含有ガス通路212は、その下流端がヘッド本体21内においてレーザ通過孔211に連通している。したがって、加工ヘッド2に供給された酸素含有ガスは、酸素含有ガス通路212およびレーザ通過孔211を介して切断用ノズル22に供給される。
また、ヘッド本体21には、高流量ガスを流通させる高流量ガス通路213が形成されている。この高流量ガス通路213は、その下流端が切断用ノズル22
に連通している。したがって、加工ヘッド2に供給された高流量ガスは、高流量ガス通路213を介して切断用ノズル22に供給される。
加工ヘッド2にシールドガスを供給するシールドガス供給手段5は、具体的にはコンプレッサであり、シールドガスは具体的には空気である。そして、シールドガス供給手段5から吐出されたシールドガスは、ヘッド本体21に形成されたシールドガス通路214を介して切断用ノズル22に供給される。
切断用ノズル22は二重ノズル構造になっている。そして、内側に位置する一重目のノズル221(円形ノズル)は、レーザ通過孔211からのレーザビームを通すとともに、酸素含有ガス通路212およびレーザ通過孔211からの酸素含有ガスを噴射する。したがって、一重目のノズル221を、以下、酸素含有ガスノズルと言う。
酸素含有ガスノズル221の外側に位置するとともに酸素含有ガスノズル221と同軸的に配置された二重目のノズル222(環状ノズル)は、高流量ガス通路213からの高流量ガスを噴射する。したがって、二重目のノズル222を、以下、高流量ガスノズルと言う。
高流量ガスノズル222の先端は、酸素含有ガスノズル221の先端よりもレーザビームの照射方向に延出して、円形状になっている。換言すれば、酸素含有ガスノズル221の先端は、高流量ガスノズル222の先端よりも奥まった位置に配置されている。
高流量ガスノズル222のうち酸素含有ガスノズル221よりも延出した部分の最小径(内径)は、酸素含有ガスノズル221の先端径(内径)よりも小さく絞られている。
これにより、高流量ガスノズル222の先端から酸素含有ガスと高流量ガスとが噴射される。そして、高流量ガスノズル222の先端から噴射された酸素含有ガスと高流量ガスとによってアシストガスが形成される。
すなわち、酸素含有ガスノズル221と高流量ガスノズル222とからなる二重ノズルは、アシストガスを噴射するアシストガスノズルを構成している。換言すれば、酸素含有ガスノズル221は、二重ノズル構造のアシストガスノズルのうち内側ノズルの部分を構成しており、高流量ガスノズル222は、二重ノズル構造のアシストガスノズルのうち外側ノズルの部分を構成している。
高流量ガスノズル222は、スロート部(最狭隘部)の先にスカート部(拡管部)があるラバルノズルで構成されている。スロート部は、高流量ガスノズル222の最小径部分である。より具体的には、スロート部およびスカート部は、高流量ガスノズル222のうち酸素含有ガスノズル221の先端よりも延出した部分に形成されている。
なお、レーザビームは高流量ガスノズル222から出射されるため、高流量ガスノズル222の先端部223を、以下、出射口という。
切断用ノズル22の外周部には、シールドガス通路214と連通するリング状のシールドガス噴射口224が形成されている。そして、シールドガス通路214を介して供給されたシールドガスがこのシールドガス噴射口224から噴射される。
レーザ切断装置は、シールドガスが噴射される空洞を形成する円筒状の空洞形成手段を備えている。
図2〜図4に示すように、空洞形成手段は、レーザ通過孔211の周囲に配置されるとともに、レーザ通過孔211の周方向(以下、レーザ通過孔周方向という)に沿って連続して配置された、複数個(本例では8個)のスカート23にて構成されている。なお、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図2のB矢視図である。
スカート23は、円筒を周方向に沿って8分割した形状になっている(図4参照)。また、スカート23における被加工物Wと対向する被加工物対向面231は、レーザ通過孔211の軸線(以下、レーザ通過孔軸線という)に対して傾斜しており、外周側よりも内周側が被加工物Wに向かって突出した形状になっている。
スカート23の内周側には、レーザ通過孔軸線方向に延びるガイド板部232が形成されている。ヘッド本体21には、スカート23が挿入されるスカート収容空間215、およびレーザ通過孔軸線方向に延びるガイド溝部216が形成されている。そして、ガイド板部232がガイド溝部216に摺動自在に嵌合され、スカート23は、ヘッド本体21に対してレーザ通過孔軸線方向に移動可能に組み付けられている。
スカート収容空間215には、スプリング24が配置されており、このスプリング24によりスカート23はスカート収容空間215から押し出される向きに付勢されている。換言すると、スカート24における被加工物対向面231の先端部(すなわち内周側)が被加工物Wに当接するように、スカート23はスプリング24により被加工物Wに向かって付勢されている。
レーザ切断装置は、ヘッド本体21に対する各スカート23のレーザ通過孔軸線方向の相対位置を検出して、位置検出信号をロボット制御盤7に出力するスカート位置センサ8を備えている。
このスカート位置センサ8は、スカート23と一体に移動する移動部材81と、ヘッド本体21に固定されて移動部材81の移動に伴って出力電気信号の値が変化する信号出力部82を備えている。
また、レーザ切断装置は、加工ヘッド2の進行方向の障害物を検出して障害物検出信号をロボット制御盤7に出力する障害物センサ9を備えている。
この障害物センサ9は、ヘッド本体21に対してレーザ通過孔211の径方向(以下、レーザ通過孔径方向という)に移動可能な移動部材91と、ヘッド本体21に固定されて移動部材91の移動に伴って出力電気信号の値が変化する信号出力部92を備えている。
なお、スカート位置センサ8や障害物センサ9は、例えば機械接触式のセンサや光学非接触式のセンサを用いることができる。
図5は加工ヘッド2の模式的な平面図である。この図5に示すように、スカート23は、第1〜第8スカート23a〜23hからなり、加工ヘッド2の進行方向C側に第1〜第4スカート23a〜23dが位置し、反進行方向側に第5〜第8スカート23e〜23hが位置している。
スカート位置センサ8は、第1〜第8スカート位置センサ8a〜8hからなり、第1スカート位置センサ8aが第1スカート23aの位置を検出し、第2スカート位置センサ8bが第2スカート23bの位置を検出し、…、第8スカート位置センサ8hが第8スカート23hの位置を検出するようになっている。
障害物センサ9は、第1〜第8障害物センサ9a〜9hからなり、加工ヘッド2の進行方向C側に第1〜第4障害物センサ9a〜9dが位置し、反進行方向側に第5〜第8障害物センサ9e〜9hが位置している。
次に、上記構成における作動を説明する。まず、基本的には、レーザ通過孔軸線が被加工物Wに対して垂直になるように、加工ヘッド2の姿勢が制御される。また、レーザビームの出射口223と被加工物Wとの間の距離(以下、ワークディスタンスという)が所定範囲に制御される。
そして、スカート23はスプリング24により被加工物Wに向かって付勢され、スカート24の先端部が被加工物Wに当接し、スカート23によってその内部空間と外部空間とが分離される。
レーザ切断装置は、被加工物Wに対して、酸素含有ガスノズル221の中心からレーザビームを照射すると同時に、スカート23の内部空間に、酸素含有ガスノズル221および高流量ガスノズル222からアシストガス(酸素含有ガスおよび高流量ガス)を噴射し、さらに、シールドガス噴射口224からシールドガスを噴射する。
アシストガスは酸素含有ガスと高流量ガスとで形成されるので、高流量ガスの流量を増やすことによって、厚い被加工物Wに対しても溶融金属を吹き飛ばすのに十分なアシストガス流量を確保することができる。
また、酸素含有ガスは高純度酸素であり、高流量ガスは酸素含有ガスよりも酸素濃度の低い気体であるので、高流量ガスの流量を増やしても酸素の供給を適度に抑えてセルフバーニングの発生を防止できる。このため、良好な切断面品質を得ることができる。
さらに、スカート24により、スカート23の外部の水とスカート23の内部のアシストガスおよびシールドガスが分離され、アシストガスの濃度および高圧状態が維持される。
次に、ロボット6およびロボット制御盤7による加工ヘッド2の制御について図6に基づいて説明する。なお、図6はロボット制御盤7のCPUが読み出して実行するプログラムのフローチャートである。
まず、加工ヘッド2の進行方向Cの最前方側に位置する第2、第3障害物センサ9b、9cにて検出した障害物検出信号に基づいて、加工ヘッド2の進行方向C側に障害物があるか否かを判定する(ステップ10)。
ここで、図7(a)に示すように、被加工物Wが90°曲がった形状で、加工ヘッド2の進行方向Cに曲げ板面(以下、障害物壁面という)がある場合でも、加工ヘッド2が障害物壁面から充分離れている位置では、レーザ通過孔軸線が被加工物Wに対して垂直になるように加工ヘッド2の姿勢が制御されるため、第1〜第8スカート23a〜23hのヘッド本体21からの突出量は等しくなっている。また、ワークディスタンスが所定範囲に制御されるため、第1〜第8スカート23a〜23hの突出量は基準値になっている。
そして、加工ヘッド2が障害物壁面に近づいて第2、第3障害物センサ9b、9cが障害物壁面に当接すると、移動部材91がレーザ通過孔211の径方向内側に向かって(すなわち、ヘッド本体21内部に侵入する方向に)移動して、第2、第3障害物センサ9b、9cの出力電気信号の値が変化するため、この出力電気信号の変化に基づいて、加工ヘッド2の進行方向C側に障害物壁面があると判定し(ステップ10がYES)、ステップ11に進む。
ステップ11では、図7(b)に示すように、被加工物Wにおける現在切断中の加工面と障害物壁面とで形成される隅部に出射口223が近づくように、換言すると、加工ヘッド2における進行方向C側の部位が障害物壁面から遠ざかるように、加工ヘッド2の姿勢(すなわち、レーザ通過孔軸線の傾き)を変更する。
これにより、加工ヘッド2の進行方向C側に位置する第1〜第4スカート23a〜23dのヘッド本体21からの突出量が増加し、反進行方向側に位置する第5〜第8スカート23e〜23hのヘッド本体21からの突出量が減少する。
図7(c)に示すように、加工ヘッド2がさらに進んで被加工物Wの隅部に近づくと、第1〜第4スカート23a〜23dの被加工物対向面231が障害物壁面に当接し、第1〜第4スカート23a〜23dがヘッド本体21内に押し戻される。これにより、出射口223を被加工物Wの隅部に近接させることができる。
また、スカート23の被加工物対向面231は、レーザ通過孔軸線に対して傾斜し、且つ外周側よりも内周側が被加工物Wに向かって突出した形状であるため、出射口223を被加工物Wの隅部により一層近接させることができる。
そして、第1〜第4スカート23a〜23dがヘッド本体21内に押し戻されることにより、第1〜第4スカート位置センサ8a〜8dの出力電気信号の値が変化するため、この出力電気信号の変化に基づいて、加工ヘッド2が被加工物Wの隅部に到達したと判定し(ステップ12がYES)、ステップ13に進む。
ステップ13では、加工ヘッド2が障害物壁面に沿って(すなわち、図7の紙面上方に向かって)進むように加工ヘッド2の進行方向Cを変更し、続くステップ14では、レーザ通過孔軸線が障害物壁面に対して垂直になるように加工ヘッド2の姿勢を変更する。
ステップ10がNOの場合、およびステップ14の制御終了後、ステップ15に進む。このステップ15では、被加工物Wにおける加工ヘッド2の進行方向Cに、加工ヘッド2から逃げるような段差があるか否かを判定する。
ここで、図8(a)に示すように、加工ヘッド2が段差から離れている位置では、レーザ通過孔軸線が被加工物Wに対して垂直になるように加工ヘッド2の姿勢が制御されるため、第1〜第8スカート23a〜23hのヘッド本体21からの突出量は等しくなっている。また、ワークディスタンスが所定範囲に制御されるため、第1〜第8スカート23a〜23hの突出量は基準値になっている。
そして、図8(b)に示すように、加工ヘッド2が段差に到達すると、第1〜第4スカート23a〜23dの先端部が被加工物Wから離脱し、第1〜第4スカート23a〜23dがヘッド本体21から押し出されてヘッド本体21からの突出量が増加する。これにより、第1〜第4スカート位置センサ8a〜8dの出力電気信号の値が変化するため、この出力電気信号の変化に基づいて、被加工物Wに段差があると判定し(ステップ15がYES)、ステップ16に進む。
ステップ16では、図8(c)に示すように、レーザ通過孔軸線が段差壁面に対して垂直になるように加工ヘッド2の姿勢を変更し、続くステップ17では、加工ヘッド2が段差壁面に沿って(すなわち、図8の紙面下方に向かって)進むように加工ヘッド2の進行方向を変更する。
ステップ15がNOの場合、およびステップ17の制御終了後、ステップ18に進み、第1〜第8スカート位置センサ8a〜8hの出力電気信号に基づいて加工ヘッド2の位置を制御し、ワークディスタンスを所定範囲に制御する。このワークディスタンスの制御については、特開2006−7304号公報に詳細に記載されている。
そして、ステップ10〜ステップ18の処理を繰り返し実行することにより、加工ヘッド2の進行方向C側に障害物壁面や段差がある場合でも被加工物Wを確実に切断することができるとともに、ワークディスタンスを常に所定範囲に保つことができる。
本実施形態によると、スカート23が先願例における加圧水カーテンと同様の機能を発揮するため、加圧水カーテンノズルを廃止して加工ヘッド2を小型化にすることができる。また、水タンクや水ポンプ等の加圧水供給手段も不要になるため、レーザ切断装置を簡素にすることができる。
また、第1〜第8スカート位置センサ8a〜8hの出力電気信号に基づいてワークディスタンスを制御するため、出射口223付近を目視できない作業環境下においても、ワークディスタンスを容易に所定範囲に保つことができる。
さらに、被加工物Wに障害物壁面がある場合でも、出射口223を被加工物Wの隅部に近接させることができるため、被加工物Wの隅部も確実に切断することができる。
なお、上記実施形態においては、水中切断を行う例を示したが、本実施形態のレーザ切断装置は、気中切断にも利用することができる。
また、上記実施形態においては、空洞形成手段を円筒状にしたが、空洞形成手段は円筒以外の形状でもよい。
さらに、上記実施形態においては、第1〜第8障害物センサ9a〜9hのうち第2、第3障害物センサ9b、9cにて障害物を検出したが、加工ヘッド2の進行方向に応じて障害物を検出するセンサが異なり、例えば加工ヘッド2が図5の進行方向Cとは逆向きに進行する場合には、第6、第7障害物センサ9f、9gにて障害物を検出する。
2 加工ヘッド
23 スカート(空洞形成手段)
211 レーザ通過孔
223 出射口

Claims (4)

  1. 加工ヘッド(2)の出射口(223)からレーザビームを出射して被加工物を切断するレーザ切断装置であって、
    前記加工ヘッド(2)は、
    レーザビームが通過するレーザ通過孔(211)が形成されたヘッド本体(21)と、
    前記レーザビームによって溶融した前記被加工物の溶融物を吹き飛ばすアシストガスおよび前記アシストガスを外側から包み込んで前記アシストガスを保護するシールドガスを噴射するノズル(22)と、
    前記シールドガスが噴射される空洞を形成する空洞形成手段とを備え、
    前記空洞形成手段は、前記レーザ通過孔(211)の周方向に沿って連続して配置された複数個のスカート(23)にて構成され、
    前記複数個のスカート(23)の各々は、前記ヘッド本体(21)に対して前記レーザ通過孔(211)の軸線方向に移動可能であるとともに、先端部が前記被加工物に当接するように前記被加工物に向かって付勢されていることを特徴とするレーザ切断装置。
  2. 前記加工ヘッド(2)の位置および姿勢を制御する制御手段(6、7)と、
    前記ヘッド本体(21)に対する前記複数個のスカート(23)の各々の相対位置を検出して位置検出信号を前記制御手段(6、7)に出力するスカート位置センサ(8)とを備え、
    前記制御手段(6、7)は、前記出射口(223)と前記被加工物との間の距離が所定範囲になるように、前記位置検出信号に基づいて前記加工ヘッド(2)の位置を制御することを特徴とする請求項1に記載のレーザ切断装置。
  3. 前記加工ヘッド(2)の進行方向にある前記被加工物の障害物を検出して障害物検出信号を前記制御手段(6、7)に出力する障害物センサ(9)を備え、
    前記制御手段(6、7)は、前記障害物センサ(9)が前記障害物を検出したとき、前記被加工物における切断中の加工面と前記障害物とで形成される隅部に前記出射口(223)を近づけるように、前記加工ヘッド(2)の姿勢を制御することを特徴とする請求項2に記載のレーザ切断装置。
  4. 前記スカート(23)における前記被加工物と対向する被加工物対向面(231)は、前記レーザ通過孔(211)の軸線に対して傾斜し、且つ外周側よりも内周側が前記被加工物に向かって突出していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のレーザ切断装置。
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