JP2015160226A - レーザ加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパッタの影響を受けることなくノズルとワークとの距離を精度良く調整できるレーザ加工機を提供すること。【解決手段】加工ヘッド4のノズル6へ流入するガスの流量が流量計25により検出される。ノズル6とワークWとの距離によってガスの流量が変化するので、流量計25により検出されたガスの流量に基づき、Z駆動装置8が作動されてノズル6とワークWとの距離Dが調整される。ノズル6へ流入するガスの流量を検出して距離Dを調整するので、スパッタがノズル6に付着した場合も、流量の検出値に影響を与えないようにできる。その結果、スパッタの影響を受けることなくノズル6とワークWとの距離Dを精度良く調整できる。【選択図】図1

Description

本発明はレーザ加工機に関し、特にスパッタの影響を受けることなくノズルとワークとの距離を精度良く調整できるレーザ加工機に関するものである。
レーザ加工機は、集光したレーザ光を加工ヘッドのノズルから薄板状のワークへ向けて照射すると共に、ノズルからワークへ向けてガスを噴射することで穴あけや切断等の加工を行う装置である。レーザ加工機では、薄板状のワークの加工位置にレーザ光を集光することで加工精度を高めることができる。その一方、薄板状のワークに撓みが生じる等によってノズルとワークとの距離が変化すると、レーザ光の集光点がワークの厚さ方向にずれるので、加工精度が低下する。そこで、加工精度を高めるために、ノズルとワークとの距離を検出し、ワークの厚さ方向に対するノズルの相対位置を調整する手段を有するレーザ加工機が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1には、圧力検出用の孔をノズルの先端の複数箇所に設け、ノズルからワークへ向けてガスを噴射したときに孔の部分に現れる圧力差を検出し、その圧力差に基づいてノズルとワークとの距離を推定するレーザ加工機が開示されている。このレーザ加工機は、推定された距離(推定値)に基づいて、ワークの厚さ方向に対するノズルの相対位置を調整する。
特開昭62−77193号公報
しかしながら特許文献1に開示される技術では、レーザ加工中に発生するスパッタ(溶融したワークの粒やスラグ)が、飛散してノズルに付着して圧力検出用の孔が塞がれたり孔径が小さくなったりすると、検出される圧力差に影響が生じ、ノズルとワークとの距離(推定値)の検出精度が低下する。その結果、ノズルとワークとの距離の調整精度が低下するという問題があった。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、スパッタの影響を受けることなくノズルとワークとの距離を精度良く調整できるレーザ加工機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載のレーザ加工機は、薄板状のワークへ向けてノズルからガスを噴射すると共にレーザ光を前記ノズルから前記ワークへ向けて照射する加工ヘッドと、その加工ヘッドに内設され前記レーザ光を集光する集光手段と、前記加工ヘッドを前記ワークに対して前記ノズルの軸方向に相対移動させる軸方向駆動装置と、前記集光手段を前記ワークに対して前記ノズルの軸方向と直交する方向に相対移動させる軸直方向駆動装置と、その軸直方向駆動装置によって前記集光手段を前記ワークに対して相対移動させることにより前記ワーク上の集光点を走査してレーザ加工を行うものにおいて、前記ノズルへ流入する前記ガスの流量を検出する流量計と、その流量計により検出された前記ガスの流量に基づいて前記軸方向駆動装置を作動させて前記ノズルと前記ワークとの距離を調整する距離調整手段とを備えている。
請求項2記載のレーザ加工機は、請求項1記載のものにおいて、前記ノズルから前記ワークへ向けてレーザ光を照射するレーザ光照射手段を備え、そのレーザ光照射手段は、前記距離調整手段により前記軸方向駆動装置を作動させて前記ノズルと前記ワークとの距離を調整する間は実行されず、前記距離調整手段により前記ノズルと前記ワークとの距離を調整した後に実行される。
請求項3記載のレーザ加工機は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記距離調整手段は、前記ワークに照射されたレーザ光の前記ワーク上の集光点の走査軌跡によって一の線図形を加工する間は実行されず、前記一の線図形を加工した後、前記一の線図形とは異なる他の線図形を加工する前に実行される。
請求項4記載のレーザ加工機は、請求項3記載のものにおいて、前記一の線図形が存在する領域とは異なる領域に前記他の線図形が存在するか否か、又は、前記他の線図形と前記一の線図形との距離が所定距離以上であるか否かを判断する線図形判断手段を備え、前記距離調整手段は、前記線図形判断手段により、前記一の線図形が存在する領域と同じ領域に前記他の線図形が存在すると判断される場合、又は、前記他の線図形と前記一の線図形との距離が所定距離未満であると判断される場合には実行されず、前記一の線図形が存在する領域と異なる領域に前記他の線図形が存在すると判断される場合、又は、前記他の線図形と前記一の線図形との距離が所定距離以上であると判断される場合に実行される。
請求項5記載のレーザ加工機は、請求項1から4のいずれかに記載のものにおいて、前記流量計は、前記加工ヘッドにガスを出射する管路に配設されている。
請求項1記載のレーザ加工機によれば、薄板状のワークへ向けて加工ヘッドのノズルからガスが噴射されると共に、加工ヘッドに内設された集光手段によって集光したレーザ光がノズルからワークへ向けて照射される。軸方向駆動装置によりワークに対してノズルの軸方向に加工ヘッドが相対移動され、軸直方向駆動装置によりワークに対してノズルの軸方向と直交する方向に集光手段が相対移動される。軸直方向駆動装置によってワークに対して集光手段が相対移動されることによりワーク上の集光点が走査されてレーザ加工が行われる。
ここで、ノズルとワークとの距離がある程度小さい場合には、ノズルからのガスの噴射がワークによって阻害されるので、ガスの流量が減少する。そこで、ノズルとワークとの距離によってガスの流量が変化するこの特性を利用して、ノズルとワークとの距離が調整される。具体的には、ノズルへ流入するガスの流量が流量計により検出され、流量計により検出されたガスの流量に基づき、距離調整手段により軸方向駆動装置が作動されてノズルとワークとの距離が調整される。ノズルへ流入するガスの流量を検出するので、スパッタがノズルに付着した場合も、流量の検出値に影響を与えないようにできる。よって、スパッタの影響を受けることなく、ノズルとワークとの距離を精度良く調整できる効果がある。
請求項2記載のレーザ加工機によれば、レーザ光照射手段によりノズルからワークへ向けてレーザ光が照射される。レーザ光照射手段は、距離調整手段により軸方向駆動装置が作動されてノズルとワークとの距離が調整される間は実行されず、距離調整手段によりノズルとワークとの距離が調整された後に実行される。仮に、距離調整手段によりノズルとワークとの距離が調整される間にレーザ光照射手段が実行されると、ワークがレーザ光で加工されることにより加工された分だけノズルとワークとの距離が変化したり、レーザ光の集光点が軸方向に移動したりして、加工精度が低下する。本請求項によればこれを防止できるので、請求項1又は2の効果に加え、加工精度を向上できる効果がある。
請求項3記載のレーザ加工機によれば、距離調整手段は、ワークに照射されたレーザ光のワーク上の集光点の走査軌跡によって一の線図形を加工する間は実行されず、一の線図形を加工した後、一の線図形とは異なる他の線図形を加工する前に実行される。仮に、ワークに照射されたレーザ光のワーク上の集光点の走査軌跡によって一の線図形が加工される間に距離調整手段が実行されると、一の線図形の加工中に集光点が軸方向に移動して加工精度にばらつきが生じる。また、距離調整手段が実行される分だけ、加工速度が低下する。本請求項によればこれを防止できるので、請求項1又は2の効果に加え、加工精度にばらつきを生じ難くできると共に、加工速度の低下を抑制できる効果がある。
請求項4記載のレーザ加工機によれば、一の線図形が存在する領域とは異なる領域に他の線図形が存在するか否か、又は、他の線図形と一の線図形との距離が所定距離以上であるか否かが線図形判断手段により判断される。判断の結果、一の線図形が存在する領域と同じ領域に他の線図形が存在する場合、又は、他の線図形と一の線図形との距離が所定距離未満である場合には、距離調整手段は実行されない。その結果、距離調整手段が実行される分だけ線図形を加工する速度が低下することを抑制できる。
一方、線図形判断手段による判断の結果、一の線図形が存在する領域と異なる領域に他の線図形が存在する場合、又は、他の線図形と一の線図形との距離が所定距離以上である場合に距離調整手段が実行される。これらの場合は、ワークに生じる撓みによってノズルとワークとの距離が変化し易いので、距離調整手段により軸方向駆動装置が作動されてノズルとワークとの距離が調整されることにより、加工精度を向上できる。よって、請求項3の効果に加え、線図形の加工速度が低下することを抑制しつつ加工精度を向上できる効果がある。
請求項5記載のレーザ加工機によれば、流量計は加工ヘッドにガスを出射する管路に配設されているので、加工ヘッドに流量計を配設する場合と比較して、加工ヘッドの構造を簡素化できると共に、加工ヘッドの質量を小さくできる。加工ヘッドの質量が大きくなるにつれて、加工ヘッドを移動させるときに大きな駆動力を必要とするが、本請求項によれば加工ヘッドの質量を小さくできるので、請求項1から4の効果に加え、加工ヘッドを移動させるための駆動装置を小型化できると共に、加工ヘッドの構造を簡素化できる効果がある。
本発明の第1実施の形態におけるレーザ加工機のブロック図である。 ガス出射装置の系統図である。 レーザ加工機の電気的構成を示したブロック図である。 距離計算式を図示した模式図である。 ワークに加工される線図形の模式図である。 レーザ加工処理のフローチャートである。 レーザ加工処理のフローチャートである。 第2実施の形態におけるレーザ加工機のガス出射装置の系統図である。 レーザ加工処理のフローチャートである。 レーザ加工処理のフローチャートである。 第3実施の形態におけるレーザ加工機のガス出射装置の系統図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず図1を参照してレーザ加工機1の概略の構造について説明する。図1は本発明の第1実施の形態におけるレーザ加工機1のブロック図である。なお、図1の矢印X及びYは、ワークWの平面上の直交座標系を示し、矢印Zは矢印X及びY(X軸およびY軸)と直交する軸を示している。
図1に示すようにレーザ加工機1は、レーザ光を発生するレーザ発生装置2と、レーザ発生装置2により発生されるレーザ光を集光してワークWへ向けて照射する加工ヘッド4と、ワークWを保持する保持装置7とを主に備えて構成されている。ワークWは、シート状や薄い板状に形成された金属製や合成樹脂製等の薄板状の部材である。
レーザ発生装置2は、レーザ光を発振するレーザ発振器(図示せず)を備えて構成される。レーザ発生装置2で発生したレーザ光は、光ファイバ3を通って加工ヘッド4に導入される。加工ヘッド4は筒状に形成される部材であり、レーザ光を集光する集光レンズ5が内部に配置され、集光レンズ5と同軸に設けられた円錐筒状のノズル6が、小径側をワークWに向けて下端部に配置される。
保持装置7は、ワークWの長さ方向または幅方向の両端を挟持し、集光レンズ5で集光されたレーザ光の光軸(ノズル6の軸方向Z)と直交するXY座標平面に沿ってワークWを保持する装置である。本実施の形態では、保持装置7は、加工ヘッド4に対してZ方向(図1上下方向)の位置を調整するために昇降可能に構成されたサーボモータ等のZ駆動装置8を介して、盤状体9に支持されている。また、加工ヘッド4は、ワークWに対してXY方向(ワークWと平行方向)の位置を調整するために水平方向に移動可能に構成されたサーボモータ等のXY駆動装置10を介して、固定の装置本体(図示せず)に支持されている。
ガス出射装置20は、アシストガスを加工ヘッド4に供給するための装置である。ガス出射装置20から出射されたアシストガスは、集光レンズ5より下方の加工ヘッド4に連通する管路21から加工ヘッド4に供給される。アシストガスは、レーザ加工により発生する溶融物等を吹き飛ばすための酸素ガス、圧縮空気、窒素ガス等のガスであり、ノズル6からワークWへ噴き付けられる。管路21は、可撓性を有するホース状の配管である。
制御装置30は、レーザ発生装置2、Z駆動装置8、XY駆動装置10及びガス出射装置20の制御を行うための装置である。制御装置30によるレーザ発生装置2の電圧制御により、任意のエネルギー密度のパルス状のレーザ光(パルスレーザ)がワークWの加工点に照射される。また、制御装置30によるZ駆動装置8の駆動制御により、ノズル6とワークWとのZ方向(図1上下方向)の距離Dが調整され、XY駆動装置10の駆動制御により、ワークWのXY方向に対するレーザ光の集光点の相対位置が調整される。また、制御装置30によるガス出射装置20の制御により、アシストガスが加工ヘッド4へ供給されるか否かが決定される。
次に図2を参照してガス出射装置20について説明する。図2はガス出射装置20の系統図である。ガス出射装置20は、加工ヘッド4に供給するアシストガスを出射するための装置であり、管路21より剛性の大きい管路22の端部に接続されるガス供給源23と、管路22に配設される減圧弁24、流量計25及び開閉弁26とを備えている。ガス供給源23は、酸素ガス、窒素ガス等のアシストガスの供給源である。
減圧弁24は、ガス供給源23から管路22に供給されるガスの圧力を設定された所定の圧力に減圧するための圧力調整器である。流量計25は、減圧弁24により所定の圧力に減圧されたガスの流量を検出すると共に、その検出結果を処理して制御装置30に出力する出力回路(図示せず)とを備えている。開閉弁26は、例えば電磁弁から構成される装置であり、制御装置30からの制御信号により開弁状態または閉止状態に切り替えられる。開閉弁26は一方のポートに管路22が接続され、他方のポートに管路21が接続される。
ガス出射装置20は、可撓性を有するホース状の管路21によって加工ヘッド4及びノズル6に連通する。減圧弁24によって減圧されて管路22に供給されるガスの圧力が一定の場合、ガスの流量は、管路21,22、加工ヘッド4及びノズル6のどこで測定しても同じ値である。従って、加工ヘッド4やノズル6に流量計25を配置する必要はなく、加工ヘッド4にガスを流入する管路22に流量計25を配置することができる。
流量計25を有するガス出射装置20は、可撓性を有するホース状の管路21によって加工ヘッド4に連通するので、加工ヘッド4は、ガス出射装置20の質量の影響を受けることなく、XY駆動装置10により駆動される。これにより、加工ヘッド4に流量計25を設置する場合と比較して、加工ヘッド4の構造を簡素化できると共に、加工ヘッド4の質量を小さくできる。加工ヘッド4の質量が大きくなるにつれて、加工ヘッド4を移動させるときに大きな駆動力を必要とするが、加工ヘッド4の質量を小さくできるので、加工ヘッド4を移動させるためのXY駆動装置10を小型化できると共に、加工ヘッド4の構造を簡素化できる。また、質量を小さくすることで加工ヘッド4の慣性力を小さくできるので、XY駆動装置10によって移動される加工ヘッド4の敏捷性を向上できる。
次に図3を参照して、レーザ加工機1の電気的構成について説明する。図3はレーザ加工機1の電気的構成を示したブロック図である。制御装置30は、レーザ加工機1を制御するNC方式の制御装置であり、CPU31、ROM32及びRAM33を備え、それらがバスライン34を介して入出力ポート35に接続されている。入出力ポート35にはレーザ発生装置2やZ駆動装置8等の装置が接続されている。
CPU31は、バスライン34により接続された各部を制御する演算装置である。ROM32はCPU31により実行される制御プログラム(例えば図6や図7に図示されるフローチャートのプログラム)や固定値データ等を記憶する書き換え不能な不揮発性のメモリであり、距離計算式32aが記憶されている。RAM33は、制御プログラムの実行時に各種のデータ(加工点の座標データ等)を書き換え可能に記憶するためのメモリである。
次に図4を参照して、ROM32に記憶された距離計算式32aについて説明する。図4は距離計算式32aを図示した模式図である。距離計算式32aは、ノズル6とワークWとの距離Dと、加工ヘッド4に供給されるガスの流量との関係を示す等式である。図4は、距離計算式32aを、横軸にノズル6とワークWとの距離Dをとり、縦軸に流量計24で検出されるガスの流量をとって図示したものである。ノズル6とワークWとの距離Dがある程度小さい場合には、ノズル6からのガスの噴射がワークWによって阻害されるので、ガスの流量が減少する。本実施の形態では、図4に示すように、距離Dが0.5mm程度より大きい場合にはガスの流量は略一定であるが、距離Dが0.5mm程度より小さくなるにつれて流量が次第に0に近づく。
減圧弁23によりガスの圧力が所定の圧力(一定値)に設定されるので、距離Dが0.5mm程度より小さいときには、ガスの流量に対してノズル6とワークWとの距離は一意的に定まる。そこで、CPU31は流量計25で検出されるガスの流量を距離計算式32aに代入して、ノズル6とワークWとの距離Dを算出する。本実施の形態では、距離が0mmから約0.3mm(図4点Q)までは距離の増加に対して流量が略一定の割合で増加し、距離が約0.3mm(点Q)より大きくなると距離の増加に対する流量の増加率が小さくなる。レーザ加工機1は、ノズル6とワークWとの距離Dが0.2mm〜0.3mm程度(点Qより0に近いところ)に調整されるので、距離Dが0.4mm程度に調整される場合と比較して、距離の変化に対する流量の変化率を大きくできる。その結果、流量による距離の検出感度を高めることができる。
次に図5を参照して、レーザ加工機1によりワークWに加工される線図形について説明する。図5はワークWに加工される線図形の模式図である。本実施の形態では、金属製の薄板(ワークW)に複数の開口(閉じた線図形)が加工されたステンシル(メタルマスク)を例示して説明する。なお、図5ではワークWの一部を図示し、その周辺部の図示を省略する。
図5に示すようにワークWは、複数の開口(線図形)を1つのまとまりとする領域42〜49が複数箇所に設けられる。開口(線図形)は、レーザ光の集光点をワークWに沿って走査した走査軌跡によって形成される。本実施の形態では、便宜上、第1の線図形40、第2の線図形41を有する領域42を「第1の領域」、それ以外の領域43〜49を「他の領域」と称す。以下に説明するレーザ加工処理では、第1の領域42に含まれる第1の線図形40、第2の線図形41の順に加工し、第1の領域42に含まれる6つの線図形の加工が全て終わってから、他の領域43〜49に含まれる線図形の加工を順番に行うものとする。
次に図6及び図7を参照して、レーザ加工機1によるレーザ加工処理について説明する。図6及び図7はレーザ加工処理のフローチャートである。この処理は、レーザ加工機1に電源が投入されてスタートスイッチ(図示せず)がオンに操作されると、CPU31によって実行される処理であり、ワークW上の集光点を走査して、その走査軌跡によりワークWに線図形を加工するための処理である。
レーザ加工処理において、CPU31は、まずワークWに対応して予め設定された第1の加工点(第1の線図形40の一部)のXY座標データをRAM33から取得する(S1)。次いで、第1の加工点のXY座標データに基づいてXY駆動装置10を駆動して加工ヘッド4をXY方向へ移動させ、加工ヘッド4の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と第1の加工点のXY座標データとを一致させる(S2)。
次にCPU31は、レーザ光の照射位置(加工ヘッド4の中心線の座標位置)と第1の加工点の座標位置とが一致したか否かを判断する(S3)。S3の処理の結果、レーザ光の照射位置と第1の加工点の座標位置とが不一致の場合には(S3:No)、S2の処理に戻り、XY駆動装置10を駆動する。一方、レーザ光の照射位置と第1の加工点の座標位置とが一致する場合には(S3:Yes)、開閉弁26を開弁してアシストガスをノズル6に供給する(S4)。次いでCPU31は、流量計25により検出されるアシストガスの流量を取得し(S5)、ROM32に記憶されている距離計算式32aを使ってノズル6とワークWとの距離Dを算出する(S6)。
次いでCPU31は、算出された距離Dが、予め設定された所定範囲(本実施の形態では0.2mm±α)になるように、Z駆動装置8を駆動してワークWをZ方向へ移動させる(S7)。CPU31は、流量計25により検出されるアシストガスの流量を取得した後(S8)、ROM32に記憶されている距離計算式32aを使って算出される距離Dが所定範囲内であるか否かを判断する(S9)。その結果、距離Dが所定範囲外の場合には(S9:No)、S7の処理に戻り、Z駆動装置8を駆動して距離Dを調整する。一方、距離Dが所定範囲内の場合には(S9:Yes)、CPU31はレーザ発生装置2を作動させてレーザ光を出射し、ワークWの第1の加工点に照射する(S10、図7参照)。ノズル6とワークWとの距離Dが所定範囲のときにレーザ光が照射されるので、レーザ光の集光点をワークW上に位置させることができ、加工精度を確保できる。
次にCPU31は、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)があるか否かを判断する(S11)。その結果、第2の加工点のデータがあると判断される場合には(S11:Yes)、CPU31は、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)をRAM33から取得する(S12)。次いで、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)が、第1の加工点により加工される線図形(第1の線図形40)を加工するデータ(座標位置)であるか否かを判断する(S13)。S13の処理の結果、第2の加工点のデータが第1の線図形40を加工する加工点のデータであると判断される場合には(S13:Yes)、CPU31は、第2の加工点のXY座標データに基づいてXY駆動装置10を駆動して加工ヘッド4をXY方向へ移動させ、加工ヘッド4の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と第2の加工点のXY座標データとを一致させる(S14)。
次にCPU31は、レーザ光の照射位置(加工ヘッド4の中心線の座標位置)と第2の加工点の座標位置とが一致したか否かを判断し(S15)、レーザ光の照射位置と第2の加工点の座標位置とが不一致の場合には(S15:No)、S14の処理に戻り、XY駆動装置10を駆動する。一方、レーザ光の照射位置と第2の加工点の座標位置とが一致する場合には(S15:Yes)、S10の処理に戻って、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直すことなく、レーザ発生装置2を作動させてレーザ光を出射し、集光したレーザ光をワークWの第2の加工点に照射する(S10)。この処理では、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直さないので、第1の線図形40の加工処理速度を向上できる。
これに対しS13の処理の結果、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)が、第1の加工点により加工される線図形(第1の線図形40)を加工するデータ(座標位置)でないと判断される場合には(S13:No)、第2の加工点のデータは第1の線図形40とは異なる第2の線図形41のデータなので、第2の線図形41の加工精度を向上させるため、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直す。
この場合、CPU31は、第2の加工点のXY座標データに基づいてXY駆動装置10を駆動して加工ヘッド4をXY方向へ移動させ、加工ヘッド4の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と第2の加工点のXY座標データとを一致させる(S16)。次にCPU31は、レーザ光の照射位置(加工ヘッド4の中心線の座標位置)と第2の加工点の座標位置とが一致したか否かを判断し(S17)、レーザ光の照射位置と第2の加工点の座標位置とが不一致の場合には(S17:No)、S16の処理に戻り、XY駆動装置10を駆動する。
一方、レーザ光の照射位置と第2の加工点の座標位置とが一致する場合には(S17:Yes)、S5(図6参照)の処理に戻って、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直した後、レーザ発生装置2を作動させてレーザ光を出射し、集光したレーザ光をワークWの第2の加工点に照射する(S10)。この処理では、第2の線図形41を加工するときにノズル6とワークWとの距離Dを調整し直すので、距離Dを調整し直す分だけ処理時間を要するが、第2の線図形41の加工精度を向上できる。
これに対しS11の処理の結果、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)がない場合には(S11:No)、このワークWに対する最後の加工点の加工が終了したので、開閉弁26を閉止してアシストガスの供給を停止する(S18)。これにより、このワークWに対するレーザ加工が終了する。
以上説明したレーザ加工処理によれば、ノズル6へ流入するガスの流量が流量計25により検出され、流量計25により検出されたガスの流量に基づき、Z駆動装置8が作動されてノズル6とワークWとの距離Dが調整される。ノズル6へ流入するガスの流量を検出するので、加工中にスパッタがノズル6に付着した場合も、流量の検出値に影響を与えないようにできる。よって、スパッタの影響を受けることなく、ノズル6とワークWとの距離Dを精度良く調整できる。また、加工ヘッド4やノズル6の改良を要しないので、既存の加工ヘッド4やノズル6を用いることができる。
また、レーザ光は、ノズル6とワークWとの距離Dが調整される間はワークWに照射されず、Z駆動装置8が作動されてノズル6とワークWとの距離Dが調整された後に照射される。仮に、ノズル6とワークWとの距離が調整される間にレーザ光がワークWに照射されると、ワークWにレーザ光が照射されて加工された分だけノズル6とワークWとの距離Dが変化したり、レーザ光の集光点が軸方向(Z方向)に移動したりして、加工精度が低下する。これによる加工精度の低下を防止できるので、加工精度を向上できる。
また、距離Dの調整は、第1の線図形40を加工する間は実行されず、第1の線図形40を加工した後、第1の線図形40とは異なる第2の線図形41を加工する前に実行される。仮に、第1の線図形40の加工中に距離Dが調整されると、第1の線図形40の加工中に集光点が軸方向に移動するので、第1の線図形40の加工精度にばらつきが生じると共に、距離Dを調整する分だけ加工速度が低下する。本実施の形態によれば、これらを防止することができ、第1の線図形40の加工精度を均一化できると共に、加工速度の低下を防止できる。
なお、図6及び図7に示すフローチャート(レーザ加工処理)において、請求項1記載の移動調整手段としてはS7〜S9の処理が、請求項2記載のレーザ光照射手段としてはS10の処理がそれぞれ該当する。
次に図8から図10を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、アシストガスの流量に基づいてノズル6とワークWとの距離Dを調整する場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、アシストガスとは材質の異なる調整用ガス(安価な圧縮空気等)を使ってノズル6とワークWとの距離Dを調整する場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図8は第2実施の形態におけるレーザ加工機のガス出射装置50の系統図である。なお、第2実施の形態におけるレーザ加工機は、第1実施の形態におけるレーザ加工機1のガス出射装置20及び制御装置30を、ガス出射装置50及び制御装置60に置き換えたものである。
図8に示すようにガス出射装置50は、ガス供給源23の下流側かつ減圧弁24の上流側の管路22に配設される切換弁51と、切換弁51のポートの1つに接続される調整用ガス供給源52とを備えている。切換弁51は、制御装置60からの制御信号によって流路が切り替えられる弁であり、調整用ガス供給源52は、アシストガスとは材質の異なる安価な調整用ガスの供給源である。ガス出射装置50は、制御装置60からの制御信号によって切換弁51の流路を切り替えることで、アシストガス又は調整用ガスが管路21へ供給される。
次に図9及び図10を参照して、ガス出射装置50及び制御装置60を備えるレーザ加工機によるレーザ加工処理について説明する。図9及び図10はレーザ加工処理のフローチャートである。なお、制御装置60のROM32には、第1実施の形態で説明したレーザ加工処理(図6及び図7参照)を実行するプログラムに代えて、図9及び図10を参照して説明するレーザ加工処理のプログラムが記憶されている。
レーザ加工処理において、CPU31は、ワークWに対応して予め設定された第1の加工点(第1の線図形40の一部)のXY座標データをRAM33から取得し(S1)、取得した第1の加工点のXY座標データに基づいてXY駆動装置10を駆動して加工ヘッド4をXY方向へ移動させ、加工ヘッド4の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と第1の加工点のXY座標データとを一致させる(S2)。
CPU31は、レーザ光の照射位置(加工ヘッド4の中心線の座標位置)と第1の加工点の座標位置とが一致する場合には(S3:Yes)、切換弁51を操作して調整用ガスをノズル6に供給する(S21)。CPU31は、流量計25により検出される調整用ガスの流量を取得し(S5)、ROM32に記憶されている距離計算式32aを使ってノズル6とワークWとの距離Dを算出する(S6)。アシストガスとは異なる調整用ガスを用いて距離Dの調整を行うので、アシストガスの消費量を削減できる。
CPU31は、算出された距離Dが、予め設定された所定範囲になるように、Z駆動装置8を駆動してワークWとノズル6との距離Dを調整する(S7,S8,S9)。距離Dが所定範囲内の場合には(S9:Yes)、切換弁51を操作してアシストガスをノズル6に供給した後(S22)、レーザ発生装置2を作動させてレーザ光を出射し、ワークWの第1の加工点に照射する(S10、図10参照)。
次にCPU31は、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)があるか否かを判断し(S11)、第2の加工点のデータがある場合には(S11:Yes)、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)をRAM33から取得する(S12)。次いで、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)が、第1の加工点により加工される線図形(第1の線図形40)が含まれる第1の領域42と異なる他の領域43〜49に含まれる線図形を加工するデータ(座標位置)であるか否かを判断する(S23)。
S23の処理の結果、第2の加工点のデータが第1の領域42に含まれる線図形を加工するデータであると判断される場合には(S23:Yes)、第2の加工点のXY座標データに基づいてXY駆動装置10を駆動して加工ヘッド4をXY方向へ移動させ、加工ヘッド4の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と第2の加工点のXY座標データとを一致させる(S14,S15)。レーザ光の照射位置と第2の加工点の座標位置とが一致する場合には(S15:Yes)、S10の処理に戻って、レーザ発生装置2を作動させてレーザ光を出射し、集光したレーザ光をワークWの第2の加工点に照射する(S10)。この処理では、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直さないので、第1の線図形40が含まれる第1の領域42内の線図形の加工処理速度を向上できる。
これに対しS23の処理の結果、次に加工する第2の加工点のデータ(座標位置)が、第1の加工点により加工される第1の領域42に含まれる線図形を加工するデータでないと判断される場合には(S23:No)、第2の加工点のデータは他の領域43〜49の加工点のデータなので、他の領域43〜49に含まれる線図形の加工精度を向上させるため、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直す。
この場合、CPU31は、第2の加工点のXY座標データに基づいて加工ヘッド4の中心線(レーザ光の光軸)の座標位置と第2の加工点のXY座標データとを一致させた後(S16,S17:Yes)、S21(図9参照)の処理に戻って、ノズル6に供給するガスをアシストガスから調整用ガスに切り替える(S21)。次いで、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直した後(S5〜S8,S9:Yes)、切換弁51を操作してノズル6に供給するガスを調整用ガスからアシストガスに切り替え(S22)、集光したレーザ光をワークWの第2の加工点に照射する(S10)。この処理では、他の領域43〜49に含まれる線図形を加工するときにノズル6とワークWとの距離Dを調整し直すので、他の領域43〜49に含まれる線図形の加工精度を向上できる。
一般に、ワークW上の異なる2つの領域にそれぞれ含まれる加工点間の距離は、同じ領域に含まれる2つの加工点間の距離より大きい場合が多い。また、ワークW上の2つの加工点間の距離が大きくなるにつれ(2点が離れるにつれ)、ワークWの撓み(ワークWの厚さ方向の変位)によってワークWの厚さ方向における2点の位置ずれ量が大きくなる傾向がみられる。そこで、次に加工する加工点が、今加工した加工点と異なる領域に含まれる場合にノズル6とワークWとの距離Dを調整し直すことで、次に加工する加工点が含まれる領域内の線図形の加工精度を向上させることができる。
また、2つの加工点が同じ領域に含まれる場合、ワークWの撓みによってワークWの厚さ方向に生じる2つの加工点間の位置ずれ量は比較的小さいと考えられるので、ノズル6とワークWとの距離Dを調整し直すことなくレーザ光をワークWに照射することで、同じ領域に含まれる線図形の加工処理速度を向上できる。これにより、異なる領域に含まれる線図形の加工精度を向上させ、同じ領域に含まれる線図形の加工処理速度を向上させることで、加工精度の向上と加工処理速度の向上とを両立できる。
なお、図9及び図10に示すフローチャート(レーザ加工処理)において、請求項4記載の線図形判断手段としてはS23の処理が該当する。本実施の形態では、S23の処理(線図形判断手段)において、2つの加工点が同じ領域に存在するか否かを判断する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、2つの加工点の座標データを(x,y),(x,y)としたときの2つの加工点間の距離{(x−x+(y−y1/2を演算して、その距離が、予め設定された所定距離以上か否かを判断することは当然可能である。その判断の結果、所定距離以上の場合にノズル6とワークWとの距離Dを調整し直し、所定距離未満の場合にノズル6とワークWとの距離Dを調整し直すことなくレーザ光をワークWに照射することで、本実施の形態と同様の作用効果を実現できる。
次に図11を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、レーザ光の照射と同時にノズル6から噴射するアシストガスの圧力と、ノズル6とワークWとの距離Dを調整するときのアシストガスの圧力とを同一にする場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、ノズル6とワークWとの距離Dを調整するときのアシストガスの圧力を、レーザ光をワークWに照射するときにノズル6から噴射するアシストガスの圧力より低圧に設定する場合について説明する。なお、第1実施の形態および第2実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図11は第3実施の形態におけるレーザ加工機のガス出射装置70の系統図である。なお、第3実施の形態におけるレーザ加工機は、第1実施の形態におけるレーザ加工機1のガス出射装置20及び制御装置30を、ガス出射装置70及び制御装置80に置き換えたものである。
図11に示すようにガス出射装置70は、減圧弁24の下流側かつ流量計25の上流側の管路22に配設される切換弁71と、切換弁71のポートの1つに一端が接続され、ガス供給源23の下流側かつ減圧弁24の上流側の管路22に他端が連通するバイパス管72と、バイパス管72に配設される低圧用減圧弁73とを備えている。低圧用減圧弁73は、減圧弁24の設定圧力より低圧に設定される。バイパス管72は、低圧用減圧弁73の下流側に圧力計74及びリリーフ弁75が配設され、管路22は、減圧弁24の下流側に圧力計76が配設される。
ガス出射装置70は、制御装置80からの制御信号によって切換弁71の流路を切り替えることで、高圧のアシストガスが管路22から管路21へ供給され、又は、低圧のアシストガスがバイパス管72から管路21へ供給される。リリーフ弁75は、切換弁71によって高圧から低圧に切り替えるときに高圧のアシストガスを排気するので、高圧から低圧の切り替えを素早く行うことができる。
第3実施の形態におけるレーザ加工処理は、第2実施の形態で説明したレーザ加工処理(図9及び図10参照)のS21の処理に代えて、切換弁71を操作して低圧のアシストガスをノズル6に供給し、ノズル6とワークWとの距離Dを調整する(S5〜S9)。ノズル6とワークWとの距離Dを調整した後、S22の処理に代えて、切換弁71を操作して高圧のアシストガスをノズル6に供給し、レーザ光をワークWへ照射する(S10)。第3実施の形態によれば、ノズル6とワークWとの距離Dを調整するときには低圧のアシストガスを使うので、第1実施の形態と比較して、アシストガスの消費量を少なくすることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施の形態ではパルスレーザを用いてワークWを加工するレーザ加工機について説明したが、連続波レーザを用いてワークWを加工するレーザ加工機に適用することは当然可能である。
上記各実施の形態では、距離計算式32aを用いてガスの流量を距離に変換した後、ノズル6とワークWとの距離Dを調整する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ガスの流量を距離に変換することなく、流量が所定範囲(例えば6〜8L/min)になるようにノズル6とワークWとの距離Dを調整することは当然可能である。図4から明らかなように、距離が約0.5mmより小さい場合に流量と距離とは1対1の関係にあるので、ノズル6とワークWとの距離Dを調整するときに流量を距離に変換しなくても良いからである。
上記各実施の形態では、Z駆動装置8を駆動して保持装置7を昇降させることにより、加工ヘッド4に対してノズル6の軸方向(Z方向)にワークWを移動させて、ノズル6とワークWとの距離Dを調整する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、ノズル6の軸方向(Z方向)に加工ヘッド4を昇降可能とする駆動装置を設け、その駆動装置によって、ワークWに対して加工ヘッド4を昇降させることは当然可能である。
上記各実施の形態では、XY駆動装置10を駆動してワークWと水平に加工ヘッド4をXY方向に移動させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ワークWの保持装置8をXY方向に移動可能とするステージを設け、そのステージを移動させることにより、加工ヘッド4に対してワークWをXY方向に移動させることは当然可能である。
また、集光レンズ5を加工ヘッド4に対してXY方向に移動可能とする駆動装置を加工ヘッド4に内設し、その駆動装置によって集光レンズ5をXY方向に移動させることにより、ワークW上の集光点をXY方向に移動させることは当然可能である。この場合も、集光点をワークW上に走査することができ、その集光点の走査軌跡によって線図形を加工できる。
上記第1実施の形態では、同じ線図形を加工する間はワークWとノズル6との距離を調整せずに、異なる線図形を加工する前にワークWとノズル6との距離を調整する場合(図形単位の処理)について説明した。また、第2実施の形態では、同じ領域内の線図形を加工する間はワークWとノズル6との距離を調整せずに、異なる領域内の線図形を加工する前にワークWとノズル6との距離を調整する場合(領域単位の処理)について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、第1実施の形態において領域単位の処理を実行し、第2実施の形態において図形単位の処理を実行することは当然可能である。また、当然のことながら、図形単位の処理と領域単位の処理とを組み合わせて実行することは可能である。
1 レーザ加工機
4 加工ヘッド
5 集光レンズ(集光手段)
6 ノズル
8 Z駆動装置(軸方向駆動装置)
10 XY駆動装置(軸直方向駆動装置)
20,50,70 ガス出射装置(レーザ加工機の一部)
30,60,80 制御装置(レーザ加工機の一部)
22 管路
25 流量計
40 第1の線図形(一の線図形)
41 第2の線図形(他の線図形)
42 第1の領域(領域)
43〜49 他の領域(異なる領域)
D 距離
W ワーク

Claims (5)

  1. 薄板状のワークへ向けてノズルからガスを噴射すると共にレーザ光を前記ノズルから前記ワークへ向けて照射する加工ヘッドと、
    その加工ヘッドに内設され前記レーザ光を集光する集光手段と、
    前記加工ヘッドを前記ワークに対して前記ノズルの軸方向に相対移動させる軸方向駆動装置と、
    前記集光手段を前記ワークに対して前記ノズルの軸方向と直交する方向に相対移動させる軸直方向駆動装置と、
    その軸直方向駆動装置によって前記集光手段を前記ワークに対して相対移動させることにより前記ワーク上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工機において、
    前記ノズルへ流入する前記ガスの流量を検出する流量計と、
    その流量計により検出された前記ガスの流量に基づいて前記軸方向駆動装置を作動させて前記ノズルと前記ワークとの距離を調整する距離調整手段とを備えていることを特徴とするレーザ加工機。
  2. 前記ノズルから前記ワークへ向けてレーザ光を照射するレーザ光照射手段を備え、
    そのレーザ光照射手段は、前記距離調整手段により前記ノズルと前記ワークとの距離を調整する間は実行されず、前記距離調整手段により前記軸方向駆動装置を作動させて前記ノズルと前記ワークとの距離を調整した後に実行されることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
  3. 前記距離調整手段は、前記ワークに照射されたレーザ光の前記ワーク上の集光点の走査軌跡によって一の線図形を加工する間は実行されず、前記一の線図形を加工した後、前記一の線図形とは異なる他の線図形を加工する前に実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ加工機。
  4. 前記一の線図形が存在する領域とは異なる領域に前記他の線図形が存在するか否か、又は、前記他の線図形と前記一の線図形との距離が所定距離以上であるか否かを判断する線図形判断手段を備え、
    前記距離調整手段は、前記線図形判断手段により、前記一の線図形が存在する領域と同じ領域に前記他の線図形が存在すると判断される場合、又は、前記他の線図形と前記一の線図形との距離が所定距離未満であると判断される場合には実行されず、
    前記一の線図形が存在する領域と異なる領域に前記他の線図形が存在すると判断される場合、又は、前記他の線図形と前記一の線図形との距離が所定距離以上であると判断される場合に実行されることを特徴とする請求項3記載のレーザ加工機。
  5. 前記流量計は、前記加工ヘッドにガスを流入する管路に配設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレーザ加工機。
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