JP2016147272A - レーザ加工方法及びレーザ加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護フィルムを剥離することなくワークのレーザ切断加工を行うレーザ切断加工方法及びレーザ加工機を提供する。【解決手段】表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工方法であって、ワークWのピアス加工時には、レーザ加工ヘッド7に備えたノズル15とワークWとのギャップ寸法を、ワークのレーザ切断加工時におけるギャップ寸法よりも大きく保持し、かつ前記レーザ切断加工時におけるアシストガスのガス圧よりも小さなガス圧でもってピアス加工を行う工程と、前記レーザ加工ヘッド7のワークに対する接近動作によって、前記ノズル15とワークWとの間のギャップ寸法がレーザ切断加工に適する寸法になったときに、アシストガスのガス圧をレーザ切断加工に適正なガス圧に昇圧する工程、の各工程を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工方法及びレーザ加工機に係り、さらに詳細には、ワーク表面から保護フィルムを剥離することなくレーザ加工を行うことができるレーザ加工方法及びレーザ加工機に関する。
金属板の表面を保護するために、表面に保護フィルムを備えた板状のワークがある。このワークのレーザ加工を行うとき、ワークへ噴射するアシストガスによって前記保護フィルムがワークから剥離することがある。そこで、前記ワークのレーザ加工時に、ワークから保護フィルムが剥離することを防止するための種々のレーザ加工方法が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特許第3512634号公報 特許第4304808号公報
前記特許文献1に記載の構成においては、保護フィルムとしての樹脂シートを表面に備えたワークのレーザ加工を行う場合、第1加工条件によって穴明け開始部の表面に設けた樹脂シートを円形状に除去する第1加工を行うものである。そして、樹脂シートを除去した部分から、第2加工としてのワークの切断加工を開始するものである。
前記特許文献2に記載の構成は、ピアシング孔の穿設予定ポイントを囲繞する所定範囲の保護シートのみを円形に切断するレーザ加工を行う。その後、ピアシング加工を行うときに、前記円形部分をアシストガスによって吹き飛ばすものである。
すなわち、前記特許文献1,2に記載の構成においては、ピアス加工を行う前に、ワーク表面の保護シートを除去するための加工を行い、その後にピアス加工を行うものである。したがって、作業能率向上を図る上において問題がある。
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工方法であって、
(a)ワークのピアス加工時には、レーザ加工ヘッドに備えたノズルとワークとのギャップ寸法を、ワークのレーザ切断加工時におけるギャップ寸法よりも大きく保持し、かつ前記レーザ切断加工時におけるアシストガスのガス圧よりも小さなガス圧でもってピアス加工を行う工程、
(b)前記レーザ加工ヘッドのワークに対する接近動作によって、前記ノズルとワークとの間のギャップ寸法がレーザ切断加工に適する寸法になったときに、アシストガスのガス圧をレーザ切断加工に適正なガス圧に昇圧する工程、
の各工程を備えていることを特徴とするものである。
また、表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工方法であって、
(a)ワークのピアス加工時には、レーザ加工ヘッドに備えたノズルとワークとのギャップ寸法を、ワークのレーザ切断加工時におけるギャップ寸法よりも大きく保持し、かつ前記レーザ切断加工時におけるアシストガスのガス圧よりも小さなガス圧でもってピアス加工を行う工程、
(b)ピアス加工の終了後に前記レーザ加工ヘッドをワークに接近動作するときには、前記アシストガスのガス圧をレーザ切断加工時のガス圧より低圧でほぼ一定圧に保持する工程、
(c)前記レーザ加工ヘッドの接近動作によって、前記ノズルとワークとの間のギャップ寸法がレーザ切断加工に適する寸法になったときに、アシストガスのガス圧をレーザ切断加工に適正なガス圧に昇圧する工程、
の各工程を備えていることを特徴とするものである。
また、前記レーザ加工方法において、前記レーザ加工ヘッドの接近動作時にはレーザ出力を零に保持することを特徴とするものである。
また、前記レーザ加工方法において、ピアス加工時にはノズルギャップを8mm〜40mmの範囲に保持することを特徴とするものである。
また、表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工を行うことができるレーザ加工機であって、ワークテーブル上のワークに対して相対的にX,Y,Z軸方向へ移動位置決め自在なレーザ加工ヘッドと、前記レーザ加工ヘッドに備えたノズル内へアシストガスを供給するアシストガス供給手段と、前記ワークへ照射するレーザ光を発振するレーザ発振器と、前記レーザ加工ヘッドの動作、アシストガスのガス圧及び前記レーザ発振器の出力を制御するための制御装置と、を備え、
前記制御装置は、ワークのピアス加工時における前記ノズルと前記ワークとの間のギャップ寸法を、ワークのレーザ切断加工時におけるギャップ寸法よりも大きく制御するギャップ制御手段と、ワークのピアス加工時におけるアシストガスのガス圧を、レーザ切断加工時におけるガス圧よりも低圧に制御するガス圧制御手段と、ピアス加工の終了後に、前記レーザ加工ヘッドを前記ワークに対して接近動作する際の動作を制御する動作制御手段と、前記レーザ加工ヘッドが前記ワークに対して接近動作する際に、レーザ発振器の出力を零に制御するレーザ出力制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、表面に保護フィルムを備えた板状のワークのレーザ切断加工を行う場合、初期のピアス加工時には、前記保護フィルムとワークとを同時にピアス加工するものである。したがって、一動作でもってピアス加工を行うことができ、ピアス加工からワークのレーザ切断加工へ直ちに移行することができるものであり、ワーク表面から保護フィルムを剥離することがない。よって、レーザ切断加工を能率よく行い得るものである。
本発明の実施形態に係るレーザ加工機の構成を概念的、概略的に示した機能ブロック図である。 ノズルギャップと保護フィルムの剥がれ易さの関係を示す説明図である。 保護フィルムが剥がれないようにワークのレーザ切断加工を行う際の、ノズルギャップの動作パターン、ガス圧の動作パターン及びレーザ出力の動作パターンの説明図である。 動作のフローチャートを示す説明図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係るレーザ加工機について説明するに、表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工を行うことができるレーザ加工機も既によく知られた構成である。したがって、レーザ加工機の全体的構成については概略的に説明し、詳細な説明は省略することとする。
図1を参照するに、本発明の実施形態に係るレーザ加工機1は、例えばビニールなどの樹脂製の保護フィルム3を表面(上面)に備えた金属板であるワークWのレーザ切断加工を行うことができるレーザ加工機であって、一般的なレーザ加工機と同様に、前記ワークWを載置支持するワークパレットやテーブルなどのワークテーブル5を備えている。また、前記レーザ加工機1は、前記ワークWに対してX,Y,Z軸方向へ相対的に移動位置決め自在なレーザ加工ヘッド7を備えている。
前記レーザ加工ヘッド7の、ワークWに対するX,Y,Z軸方向への相対的な移動位置決めは、サーボモータであるX,Y,Z軸モータ(以後、単にモータMと称す)の回転を制御することによって行われるものである。前記レーザ加工ヘッド7には、レーザ発振器9から発振(出射)されたレーザ光LBを先端側へ屈曲するベンドミラー11が備えられていると共に、レーザ光LBを集光してワークWへ照射する集光レンズ13が備えられている。さらに、前記レーザ加工ヘッド7には、ワークWへアシストガスを噴出するノズル15が備えられていると共に、ワークWのレーザ加工位置からの反射光を検出するための反射光検出器17が備えられている。そして、前記ノズル15には、このノズル15の先端部とワークWの表面との間のギャップを検出するための静電容量センサなどのごときギャップセンサ19が備えられている。
また、前記レーザ加工機1は、前記レーザ加工ヘッド7に対してアシストガスを供給するガスボンベなどのアシストガス供給手段21を備えている。そして、このアシストガス供給手段21と前記レーザ加工ヘッド7とを接続したパイプ等のごときアシストガス供給路23には、前記レーザ加工ヘッド7へ供給するアシストガスのガス圧を調節自在な圧力制御弁などのごときガス圧制御手段25が備えられている。さらに、前記レーザ加工機1には、前記ギャップを調節するために前記モータMを制御すると共に、前記レーザ発振器9の出力を制御し、かつ前記アシストガスのガス圧を調節するために前記ガス圧制御手段25の動作を制御する制御装置27が備えられている。
以上のごとき構成において、制御装置27の制御の下にレーザ発振器9の出力を制御すると共にガス圧力制御手段25を制御してアシストガスのガス圧を制御し、かつモータMを制御して、ワークWに対してレーザ加工ヘッド7を相対的にX,Y,Z軸方向へ移動位置決めすることにより、ワークWのレーザ切断加工が行われることになる。前述のように、ワークWのレーザ切断加工を行うとき、ワークWの表面と保護フィルム3との間にアシストガスが入り込んで、ワークWから保護フィルム3が剥がれることがある。
そこで、表面に保護フィルム3を有しない厚さ2mmのステンレス板をワークとしてレーザ切断加工する際のアシストガスを窒素ガスとし、通常の切断速度4000〜6000mm/minでレーザ切断加工を行う際に、次のごとき加工条件でもってレーザ切断加工を行った。すなわち、ピアス加工時のギャップ量4.0mm、アシストガスのガス圧0.20Mpa、レーザ加工ヘッド7を下降した際(アプローチの際)のギャップ量0.7mm、ガス圧0.7〜1.0Mpa、レーザ切断加工時のギャップ量0.3〜0.7mm、ガス圧0.7〜1.0Mpa、の条件である。この場合、ピアス加工時やアプローチの際に、保護フィルム3の剥がれが多く見られる。
ここで、保護フィルム3がワークWから剥離する要因には、アシストガス圧、保護フィルム3の粘着力、ノズルギャップがあると思われるので、ノズル15の径を一定に保持してそれぞれについて試験した。試験の結果は、アシストガス圧が高くなると、保護フィルム3が剥がれ易く、粘着力が強くなれば剥がれ難いことが確認された。なお、保護フィルム3の粘着力が強くなると、加工の最終工程で保護フィルム3を剥がすことが難しくなる、という問題を生じる。
ノズルギャップが大きくなると、保護フィルム3を剥がす力が弱くなると考えられるので、ノズル15の径を一定に保持し、かつアシストガスのガス圧を0.15Mpa,0.7Mpaに保持して、保護フィルム3の粘着力が一定(弱い粘着力40g/20mm)の場合についてノズルギャップと保護フィルム3の剥がれ易さとの関係を実験的に調べたところ、図2に示すごとき結果が得られた。図2より明らかなように、ノズルギャップが約1mmの場合に最も剥がれ易く、1mm以上、以下になると次第に剥がれ難くなることが分かる。
ここで、図2から明らかなように、ノズルギャップが約0.3mmの場合には、ガス圧が0.15Mpa,0.7Mpaの場合に、ノズルギャップが1.0mmの場合に比較して保護フィルム3は剥がれ難いものである。しかし、ワークWのピアス加工時には、穴が貫通しておらず、ワークWの上方に飛散するスパッタ量が多く、レーザ加工ヘッド7に内装されている保護ガラスや集光レンズへのスパッタの付着が多くなるので、ノズルギャップを約0.3mm以下に保持してピアス加工を行うことは望ましくないものである。なお、保護フィルム3が剥がれる時期を調べたところ、ワークWのピアス加工終了時(ピアス貫通時)、ピアス加工からワークWのレーザ切断加工に移行するために、レーザ加工ヘッド7を下降動作するとき(アプローチ動作時)に多く見られた。
そこで、本実施形態においては、保護フィルム3を備えた厚さ2mmのステンレス板をレーザ切断加工する際のアシストガスとして窒素ガスを使用し、図3に示すごとき条件でレーザ加工を行ったところ、ワークWからの保護フィルム3の剥離を抑制することができた。
すなわち、図2の実験結果に基づきノズルギャップを10mmに設定し、かつガス圧を0.15Mpaに設定してピアス加工を行った。そして、ピアス加工の終了後、レーザ加工ヘッド7を次第に下降してノズルギャップを0.3mmにアプローチするとき、ガス圧を0.10Mpaに下げて、ほぼ一定の低圧に保持した。なお、ピアス加工が終了したか否かは、例えば特開2001−239388号公報に記載されているように、反射光の受光量を検出することや、ワークの下面にスパッタが生じたことを検出する構成など、種々の構成を採用可能である。すなわち、前記反射光検出器17によって検出することができるものである。
前述のように、ピアス加工が終了したときには、レーザ出力は零(出力停止)に保持した。そして、前記ノズルギャップが0.3mmになったときに、ガス圧を0.70Mpaに次第に昇圧すると共にレーザ出力を、ピアス加工時のレーザ出力よりも僅かに大きくしてレーザ切断加工を開始した。その後、ノズルギャップが0.2mmになったときに、ガス圧を0.70Mpaに保持し、かつレーザ出力をピアス加工時のレーザ出力よりも僅かに小さく保持してワークWのレーザ切断加工を行った。この場合、ワークWから保護フィルム3が剥離することなくレーザ切断加工を行うことができた。なお、上記の際の切断速度は、通常の切断速度である。
なお、図2に示された実験結果から、ノズルギャップが8mm以上の場合には、保護フィルム3が剥離し難くなる。しかし、ノズルギャップをより大きくすると、集光レンズ13の焦点位置がワークWの上面から大きく離れることとなり、ピアス穴が大きくなるという問題がある。したがって、図2の実験結果を考慮すると、ピアス加工時のノズルギャップの範囲は8.0mm〜40mmが望ましいものである。
ピアス加工時のガス圧は、ワークWに対する保護フィルム3の粘着力によって影響されるものの、粘着力が弱い(約40g/20mm)場合には、種々の実験によれば0.05〜0.2Mpaの範囲が望ましいものである。すなわち、ガス圧が0.05Mpa未満ではスパッタを吹き飛ばす効果が小さく、ノズルギャップが大きい場合であってもピアス加工時のスパッタがレーザ加工ヘッド7内の光学系に付着しやすくなるものである。また、ガス圧が0.20Mpa以上になると、ノズルギャップの大きさにもよるが、ピアス加工時に保護フィルム3が剥がれ易くなるものである。
なお、保護フィルム3の粘着力が弱い場合において、ピアス加工終了後にレーザ加工ヘッド7を下降する際のガス圧は、種々の実験によれば、0.0〜0.20Mpaの場合であれば、保護フィルム3の剥がれを抑制することができた。すなわちレーザ加工ヘッド7の下降時におけるガス圧は、ピアス加工時のガス圧と同圧、又は低圧或は高圧であってもよいものである。なお、この際のガス圧は、図3(B)に示すようにほぼ一定圧に保持することが望ましいものである。また、保護フィルム3の粘着力が弱い場合において、アプローチ時のノズルギャップは0.2〜0.5mmの範囲において保護フィルム3の剥がれを抑制することができた。
上記説明より理解されるように、図3に示したごとき条件でもってワークWのピアス加工、レーザ切断加工を行うことにより、保護フィルム3とワークWとを同時にピアス加工することができると共に、ピアス加工動作からレーザ切断加工動作へ直ちに移行することができる。また、ピアス加工時にワークWから保護フィルム3が剥離することを抑制することができるものである。
そこで、前記ノズルギャップ、アシストガスのガス圧及びレーザ出力を、図3に示した動作パターンのごとく制御するために、前記モータM、レーザ発振器9、ガス圧制御手段25の動作を制御するための前記制御装置27が備えられている。この制御装置27は、例えばコンピュータから構成してあって、CPU29を備えている。さらに、前記制御装置27には、ギャップメモリ31が備えられている。このギャップメモリ31には、ワークWのレーザ切断加工を行う際のピアス加工時の複数種のノズルギャップを、ワークの材質、板厚、ノズル15の開口径のパラメータとして格納したピアス時メモリ31A、アプローチ時の複数種のノズルギャップを、ワークの材質、板厚、ノズル15の開口径のパラメータとして格納したアプローチ時メモリ31B及び切断加工時の複数種のノズルギャップを、ワークの材質、板厚、ノズル15の開口径のパラメータとして格納した切断加工時メモリ31Cのそれぞれが備えられている。
したがって、上記各メモリ31A,31B,31Cからそれぞれ選択した各パラメータに従ってモータ動作制御手段33の制御の下にモータMの動作を制御し、モータMに備えたロータリーエンコータEの検出信号をフィードバックすることにより、前記ノズル15の先端部とワークWとの間のギャップを、ピアス加工時、アプローチ時及び切断加工時に応じて所望のギャップに制御することができるものである。
既に理解されるように、前記ノズル15とワークWとの間のギャップは、モータ動作制御手段33によって制御されるものである。したがって、前記モータ動作制御手段33は、前記ギャップを制御するギャップ制御手段を構成するものである。
また、前記制御装置27には、レーザ出力メモリ35が備えられている。このレーザ出力メモリ35には、ピアス加工を行う際の複数種のレーザ出力をワークの材質、板厚のパラメータとして格納したピアス時メモリ35A、アプローチ時の複数種のレーザ出力をワークの材質、板厚のパラメータとして格納したアプローチ時メモリ35B及び切断加工時の複数種のレーザ出力をワークの材質、板厚のパラメータとして格納した切断加工時メモリ35Cが備えられている。
したがって、上記各メモリ35A,35B,35Cからそれぞれ選択した各パラメータに従って、レーザ出力制御手段37の制御の下に前記レーザ発振器9の出力を制御することにより、ピアス加工時、アプローチ時及び切断加工時に応じてレーザ出力を所望の出力に制御できるものである。なお、ピアス加工時に、ピアス加工が終了したか否かは、前記反射光検出器17によって反射光量の変化を検出することによって検知可能なものである。そして、ピアス加工が終了したことを検知したときには、レーザ発振器9の出力は零に制御されるものである。
さらに、前記制御装置27には、ガス圧メモリ39が備えられている。このガス圧メモリ39には、ピアス加工を行う際の複数種のガス圧を、ワークの材質、板厚、ノズル15の開口径のパラメータとして格納したピアス時メモリ39A、レーザ加工ヘッド7をアプローチ時のノズルギャップまで下降する際の複数種のガス圧を、ワークの材質、板厚、ノズル15の開口径のパラメータとして格納した下降時メモリ39B及びアプローチ時の複数種のガス圧を、ワークの材質、板厚、ノズル15の開口径のパラメータとして格納したアプローチ時メモリ39Cが備えられている。
したがって、上記各メモリ39A,39B,39Cからそれぞれ選択した各パラメータに従って、ガス圧動作制御手段41によって前記ガス圧力制御手段25の動作を制御することにより、前記ノズル15から噴出する際のアシストガスのガス圧を、ピアス加工時、前記ノズル15の下降時及びアプローチ時に応じて所望のガス圧に制御できるものである。
以上のごとき構成において、ワークWのレーザ切断加工を行うには、ステップS1(図4参照)において、ピアス加工時の加工条件の設定を行う。すなわちワークWの材質、板厚に対応して、前記ギャップメモリ31におけるピアス加工時メモリ31A、アプローチ時メモリ31B及び切断加工時メモリ31Cからそれぞれ適正のパラメータを選択すると共に、レーザ出力メモリ35におけるピアス加工時メモリ35A、アプローチ時メモリ35B、切断加工時メモリ35Cからそれぞれ適正のパラメータを選択する。また、ガス圧メモリ39におけるピアス加工時メモリ39A、下降時メモリ39B及びアプローチ時メモリ39Cから適正のパラメータを選択し、制御装置27に備えたメモリ(図示省略)に格納する。
そして、ピアス加工を開始すると(ステップS2)、選択した各パラメータに従ってノズルギャップ、ガス圧及びレーザ出力を制御することにより、図3(A),(B),(C)に示したごときノズルギャップの動作パターン、ガス圧の動作パターン及びレーザ出力の動作パターンでもってワークWのレーザ切断加工を行うことができるものである。すなわち、ピアス加工が開始されると、ステップS3においてピアス加工が終了したか否かの判別が行われる。そして、前述したように、ピアス加工の終了(完了)が前記反射光検出器17によって検出されると、ステップS4に示すように、レーザ加工ヘッド7、ノズル15の下降が開始される。すなわちZ軸下降が行われる。このように、Z軸下降が行われると、ガス圧は、レーザ切断加工時のガス圧よりも低圧でほぼ一定のガス圧に保持される。また、レーザ出力は零に保持される。
そして、ステップS5においては、ノズル5とワークWとの間のギャップが予め設定したアプローチ時のギャップに達したか否かが判別される。前記ギャップがアプローチ時のギャップに達すると、ステップS6においてガス圧が上昇(昇圧)されると共に、レーザ出力は一時的に最大出力に制御される。その後、ステップS7において、前記ギャップは切断加工に適したギャップに制御されると共に、ガス圧も切断加工に適したガス圧に保持される。そして、レーザ出力は、ピアス加工時のレーザ出力よりも僅かに低出力に制御されてレーザ切断加工が行われる。その後、ステップS8においてレーザ切断加工は終了する。
すなわち、ノズルギャップ、ガス圧及びレーザ出力は、図3に示すごとき動作パターンに制御されて、ピアス加工からレーザ切断加工が行われるものである。したがって、表面に保護フィルム3を備えたワークWのレーザ切断加工を行う際、保護フィルム3とワークWのピアス加工が同時に行われると共に、保護フィルム3の剥離を抑制した状態でもってレーザ切断加工を行い得るものである。
ところで、本発明は、前述したごとき実施形態に限ることなく、適宜の変更を行うことにより、その他の形態でもって実施可能なものである。すなわち、前記説明においては、ノズルギャップの制御は、ギャップメモリ31におけるピアス加工時メモリ31A、アプローチ時メモリ31A及び切断加工時メモリ31Cに格納された各パラメータを選択してギャップの制御を行う旨説明した。しかし、例えば切断加工時の基準的なノズルギャップに対して、ピアス加工時、アプローチ時のノズルギャップを、予め実験的に求めたパラメータを用いて演算によって求めることも可能である。また、ガス圧やレーザ出力においても、例えば切断加工時のガス圧、レーザ出力を基準的なガス圧、レーザ出力とし、予め実験的に求めたパラメータを用いてピアス加工時などにおけるガス圧やレーザ出力を演算することも可能である。
1 レーザ加工機
3 保護フィルム
5 ワークテーブル
7 レーザ加工ヘッド
9 レーザ発振器
11 ベンドミラー
13 集光レンズ
15 ノズル
17 反射光検出器
19 ギャップセンサ
21 アシストガス供給手段
23 アシストガス供給路
25 ガス圧制御手段
27 制御装置
29 CPU
31 ギャップメモリ
33 モータ動作制御手段
35 レーザ出力メモリ
37 レーザ出力制御手段
39 ガス圧メモリ
41 ガス圧動作制御手段

Claims (5)

  1. 表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工方法であって、
    (a)ワークのピアス加工時には、レーザ加工ヘッドに備えたノズルとワークとのギャップ寸法を、ワークのレーザ切断加工時におけるギャップ寸法よりも大きく保持し、かつ前記レーザ切断加工時におけるアシストガスのガス圧よりも小さなガス圧でもってピアス加工を行う工程、
    (b)前記レーザ加工ヘッドのワークに対する接近動作によって、前記ノズルとワークとの間のギャップ寸法がレーザ切断加工に適する寸法になったときに、アシストガスのガス圧をレーザ切断加工に適正なガス圧に昇圧する工程、
    の各工程を備えていることを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工方法であって、
    (a)ワークのピアス加工時には、レーザ加工ヘッドに備えたノズルとワークとのギャップ寸法を、ワークのレーザ切断加工時におけるギャップ寸法よりも大きく保持し、かつ前記レーザ切断加工時におけるアシストガスのガス圧よりも小さなガス圧でもってピアス加工を行う工程、
    (b)ピアス加工の終了後に前記レーザ加工ヘッドをワークに接近動作するときには、前記アシストガスのガス圧をレーザ切断加工時のガス圧より低圧でほぼ一定圧に保持する工程、
    (c)前記レーザ加工ヘッドの接近動作によって、前記ノズルとワークとの間のギャップ寸法がレーザ切断加工に適する寸法になったときに、アシストガスのガス圧をレーザ切断加工に適正なガス圧に昇圧する工程、
    の各工程を備えていることを特徴とするレーザ加工方法。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ加工方法において、前記レーザ加工ヘッドの接近動作時にはレーザ出力を零に保持することを特徴とするレーザ加工方法。
  4. 請求項1,2又は3に記載のレーザ加工方法において、ピアス加工時にはノズルギャップを8mm〜40mmの範囲に保持することを特徴とするレーザ加工方法。
  5. 表面に保護フィルムを備えたワークのレーザ加工を行うことができるレーザ加工機であって、ワークテーブル上のワークに対して相対的にX,Y,Z軸方向へ移動位置決め自在なレーザ加工ヘッドと、前記レーザ加工ヘッドに備えたノズル内へアシストガスを供給するアシストガス供給手段と、前記ワークへ照射するレーザ光を発振するレーザ発振器と、前記レーザ加工ヘッドの動作、アシストガスのガス圧及び前記レーザ発振器の出力を制御するための制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、ワークのピアス加工時における前記ノズルと前記ワークとの間のギャップ寸法を、ワークのレーザ切断加工時におけるギャップ寸法よりも大きく制御するギャップ制御手段と、ワークのピアス加工時におけるアシストガスのガス圧を、レーザ切断加工時におけるガス圧よりも低圧に制御するガス圧制御手段と、ピアス加工の終了後に、前記レーザ加工ヘッドを前記ワークに対して接近動作する際の動作を制御する動作制御手段と、前記レーザ加工ヘッドが前記ワークに対して接近動作する際に、レーザ発振器の出力を零に制御するレーザ出力制御手段と、を備えていることを特徴とするレーザ加工機。
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