JP5588189B2 - レーザ切断装置およびレーザ切断方法 - Google Patents

レーザ切断装置およびレーザ切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、被加工物をレーザビームを用いて切断するレーザ切断装置およびレーザ切断方法に関する。
従来、この種のレーザ切断装置およびレーザ切断方法は、切断用ヘッドおよび切断用ノズルから、レーザビーム、アシストガスおよびシールドガスを照射・噴射することによって被加工物を切断する(例えば特許文献1〜3)。
アシストガスは一般的に高圧酸素が用いられ、酸化反応熱によって加工を促進する役割と、カーフ溝(切断溝)から溶融金属を吹き飛ばす役割とを果たす。シールドガスは、アシストガスの周りを囲むエアカーテンを形成し、アシストガスを保護する役割を果たす。また、アシストガスは、集光レンズや保護ウインドの汚損を防ぐ役割をも果たす。
集光レンズは、レーザ発生装置からのレーザ光を集光する役割を果たすものであり、集光レンズによって集光されたレーザ光が切断用ヘッドおよび切断用ノズルからレーザビームとして照射される。保護ウインドは集光レンズを保護する役割を果たすものであり、一般的にガラス板が用いられている。
特許第2810625号公報 特許第3092021号公報 特許第3532223号公報
造船業界や厚板シャーリング業界においては、厚板の高品質かつ効率的な切断技術が求められている。さらに、将来の原子力発電所の廃炉時に原子炉容器等の解体に厚板水中切断技術が求められている。
しかしながら上記従来技術では、アシストガスによるカーフ溝(切断溝)からの溶融物排出能力に限界があるので、切断可能な被加工物の厚さに限界がある。すなわち、厚板を切断しようとすると、アシストガス流量を増やして溶融金属をより多く吹き飛ばす必要があるが、アシストガス流量を増やすと酸素が過剰に供給されて過剰な燃焼反応(セルフバーニング)が発生し、切断面品質が低下してしまう。また、アシストガス流量を増やすとノズル圧力が上昇し過ぎて保護ウインドの耐圧強度を超えてしまい、保護ウインドが破損する虞がある。
本発明は上記点に鑑みて、アシストガスによるカーフ溝からの溶融物排出能力を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、レーザビームを通すとともに、レーザビームによって溶融した溶融物を吹き飛ばすためのアシストガスを噴射するアシストガスノズル(21、22)と、アシストガスノズル(21、22)に溶融物の粘度を低下させるための粉体を供給する粉体供給装置(45)とを備え、アシストガスノズル(21、22)は、アシストガスに粉体供給装置から供給される粉体を混入して噴射することを特徴とする。
これによると、アシストガスによるカーフ溝からの溶融物排出能力を、アシストガスに混入された粉体によって向上させることができる。
さらに、請求項に記載の発明では、アシストガスノズル(21、22)は、内側ノズル(21)と外側ノズル(22)とからなる二重ノズル構造を有し、内側ノズル(21)は、レーザビームを通すとともに酸素含有ガスを噴射し、外側ノズル(22)は、前記内側ノズル(21)と同軸的に配置され、酸素含有ガスよりも流量が高く且つ酸素濃度が低い高流量ガスを噴射し、酸素含有ガスと高流量ガスとによってアシストガスが形成されるようになっており、記外側ノズル(22)は、高流量ガスに粉体を混入して噴射することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載のレーザ切断装置において、外側ノズル(22)の先端は、前記内側ノズル(21)の先端よりもレーザビームの照射方向に延出しており、外側ノズル(22)のうち内側ノズル(21)よりも延出した部分の最小径は、内側ノズル(21)の先端径よりも小さく絞られていることを特徴とする。
なお、請求項に記載の発明のように、請求項1または2に記載のレーザ切断装置において、粉体の材料として鉄が用いられていれば、酸化鉄の生成を促進して溶融物の粘度を低下させることができるので、カーフ溝からの溶融物の排出を効果的に容易化できる。
また、請求項に記載の発明のように、請求項1または2に記載のレーザ切断装置において、粉体の材料として、スズおよびリンのうち少なくとも一方が用いられていれば、溶融物の流動性を高めることができるので、カーフ溝からの溶融物の排出を効果的に容易化できる。
請求項に記載の発明では、被加工物(W)に対してレーザビームを照射するとともに、レーザビームによって溶融した溶融物を吹き飛ばすためにアシストガスを噴射して被加工物(W)を切断するレーザ切断方法であって、酸素含有ガスと、酸素含有ガスよりも流量が高く且つ酸素濃度が低い高流量ガスとによってアシストガスが形成されるようにし、レーザビームを照射するとともに、酸素含有ガスを噴射し、さらに高流量ガスに溶融物の粘度を低下させるための粉体を混入して噴射することを特徴とする
このレーザ切断方法において、粉体の材料として鉄を用いれば、上記した請求項に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
また、粉体の材料として、スズおよびリンのうち少なくとも一方を用いれば、上記した請求項に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
上記した請求項に記載のレーザ切断方法に係る発明は、被加工物(W)を所望の形状・寸法に加工する工程に用いることができる。したがって、上記した請求項に記載の発明を製造方法の発明として把握することも可能である。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態におけるレーザ切断装置の概略を示す構成図である。 図1の切断用ノズルを示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は本実施形態のレーザ切断装置の概略を示す構成図である。
本実施形態のレーザ切断装置は、気中でレーザビームを照射して被加工物Wを切断するという、いわゆる気中切断を行うものである。被加工物Wの例としては、炭素鋼やステンレス(SUS)等にて25〜150mm程度の厚さに形成された厚板部材が挙げられる。
レーザ切断装置は、具体的にはレーザビームの照射と同時にアシストガス、シールドガスおよび加圧水カーテンを噴射する。
アシストガスは酸素を含有するガスであり、酸化反応熱によって加工を促進する役割と溶融物(溶融金属)を吹き飛ばす役割とを果たす。
シールドガスは、アシストガスを保護するエアカーテンとしての役割を果たす。より具体的には、アシストガスを層状に包むことによって大気の巻き込みを遮断するとともにカーフ部(切断面間の溝部)でのアシストガス流速を高める。
加圧水カーテンは、アシストガスを大気から遮断してアシストガスの濃度および圧力を維持するとともに、被加工物Wの過剰な温度上昇を抑えてセルフバーニングの発生を抑制する。なお、気中切断においては加圧水カーテンは必須のものではない。
レーザビーム、アシストガス、シールドガスおよび加圧水カーテンは、切断用ヘッド10および切断用ノズル20を通じて照射・噴射される。
レーザビームは、レーザ発生装置30によって発生するレーザが集光レンズ31を介して切断用ヘッド10に導かれることによって形成される。切断用ヘッド10に導かれたレーザは、切断用ヘッド10のレーザ通過孔101を通じて切断用ノズル20に導かれる。
レーザ通過孔101には、集光レンズ31を保護する保護ウインド32が配置されている。保護ウインド32としてはガラス板等を用いることができる。また、切断用ヘッド10には、切断用ノズル20の中心をレーザビームが通過するようにするためのノズル調芯機構(図示せず)が設けられている。
アシストガスは、酸素(O2 )を含有する酸素含有ガスと、酸素含有ガスよりも流量(圧力)の高い高流量ガスとによって形成される。酸素含有ガスとしては高純度酸素が用いられる。高流量ガスとしては酸素含有ガスよりも酸素濃度の低い気体、例えば空気(Air)または不活性ガス(窒素等)が用いられる。
アシストガスの供給は、アシストガス供給手段40、41によって行われる。アシストガス供給手段40、41は、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガスボンベ(酸素含有ガス供給手段)40と、高流量ガスを供給する高流量ガスボンベ(高流量ガス供給手段)41とで構成されている。
高流量ガスは高流量ガスボンベ41から供給される。酸素含有ガスの流量(圧力)および高流量ガスの流量(圧力)は弁(流量調整手段)42、43によって独立して調整される。
酸素含有ガスの流量(圧力)および高流量ガスの流量(圧力)は、被加工物Wの材質や板厚等に応じて設定される。本例では、酸素含有ガスの流量は30〜50リットル/分に設定され、高流量ガスの流量は300〜350リットル/分に設定される。
弁42、43として手動の弁を用いる場合には、酸素含有ガスの流量(圧力)および高流量ガスの流量(圧力)を手動で設定することとなる。また、弁42、43として電磁弁を用いる場合には、酸素含有ガスの流量(圧力)および高流量ガスの流量(圧力)を制御手段によって制御することができる。
切断用ヘッド10には、酸素含有ガスが流入する酸素含有ガス通路102が形成されている。酸素含有ガス通路102は切断用ヘッド10内においてレーザ通過孔101と連通している。
したがって、切断用ヘッド10に供給された酸素含有ガスは、切断用ヘッド10の酸素含有ガス通路102およびレーザ通過孔101を通じて切断用ノズル20に供給される。切断用ヘッド10に供給された高流量ガスは、切断用ヘッド10の高流量ガス通路103を通じて切断用ノズル20に供給される。
また、高流量ガス通路103には、粉体供給装置45から粉体が供給される。したがって、高流量ガス(すなわちアシストガス)に粉体が混入されることとなる。粉体の材料(主材料)としては、鉄(Fe)が好ましい。また、粉体の材料(主材料)として、スズ(Sn)やリン(P)等を用いてもよい。
シールドガスとしては、コンプレッサ50によって供給される空気(Air)が用いられる。切断用ヘッド10に供給されたシールドガスは、切断用ヘッド10のシールドガス通路104を通じて切断用ノズル20に供給される。
加圧水カーテンを形成する水(Water)は、水タンク60から水ポンプ61によって供給される。切断用ヘッド10に供給された水は、切断用ヘッド10の水通路105を通じて切断用ノズル20に供給される。
図2は切断用ノズル20を示す断面図である。切断用ノズル20は四重ノズル構造になっている。
最も内側に位置する一重目のノズル21は、切断用ヘッド10のレーザ通過孔101からのレーザビームを通すとともに、切断用ヘッド10の酸素含有ガス通路102およびレーザ通過孔101からの酸素含有ガスを噴射する。したがって、一重目のノズル21を以下、酸素含有ガスノズルと言う。
酸素含有ガスノズル21の外側に位置する二重目のノズル22は、切断用ヘッド10の高流量ガス通路103からの高流量ガスを噴射する。したがって、二重目のノズル22を以下、高流量ガスノズルと言う。
高流量ガスノズル22は酸素含有ガスノズル21と同軸的に配置されている。高流量ガスノズル22の先端は、酸素含有ガスノズル21の先端よりもレーザビームの照射方向に延出している。換言すれば、酸素含有ガスノズル21の先端は、高流量ガスノズル22の先端よりも奥まった位置に配置されている。
高流量ガスノズル22のうち酸素含有ガスノズル21よりも延出した部分の最小径(内径)は、酸素含有ガスノズル21の先端径(内径)よりも小さく絞られている。
これにより、高流量ガスノズル22の先端から酸素含有ガスと高流量ガスとが噴射される。そして、高流量ガスノズル22の先端から噴射された酸素含有ガスと高流量ガスとによってアシストガスが形成される。
すなわち、酸素含有ガスノズル21と高流量ガスノズル22とからなる二重ノズルは、アシストガスを噴射するアシストガスノズルを構成している。換言すれば、酸素含有ガスノズル21は、二重ノズル構造のアシストガスノズルのうち内側ノズルの部分を構成しており、高流量ガスノズル22は、二重ノズル構造のアシストガスノズルのうち外側ノズルの部分を構成している。
高流量ガスノズル22は、スロート部(最狭隘部)221の先にスカート部(拡管部)222があるラバルノズルで構成されている。より具体的には、スロート部221およびスカート部222は、高流量ガスノズル22のうち酸素含有ガスノズル21の先端よりも延出した部分に形成されている。
本例では、長焦点レーザ光の焦点位置が高流量ガスノズル22のスロート部221と一致するように設計されている。
高流量ガスノズル22の外側に位置する三重目のノズル23は、切断用ヘッド10のシールドガス通路104からのシールドガスを噴射する。したがって、三重目のノズル23を以下、シールドガスノズルと言う。
シールドガスノズル23は、酸素含有ガスノズル21および高流量ガスノズル22と同軸的に配置されている。シールドガスノズル23の先端は、高流量ガスノズル22の先端と揃えて配置されている。
最も外側に位置する四重目のノズル24は、切断用ヘッド10の水通路105からの水を噴射して加圧水カーテンを形成する。したがって、四重目のノズル24を以下、加圧水カーテンノズルと言う。
加圧水カーテンノズル24は、酸素含有ガスノズル21、高流量ガスノズル22およびシールドガスノズル23と同軸的に配置されている。加圧水カーテンノズル24の先端は、高流量ガスノズル22およびシールドガスノズル23の先端と揃えて配置されている。
図1および図2の例では、加圧水カーテンノズル24の加圧水噴射口は、軸方向と平行ではなく若干外側向きになっており、加圧水が外側に広がって噴射されるようになっているが、気中切断においては加圧水カーテンノズル24の加圧水噴射口の向きを軸方向と平行にしてもよい。
次に、上記構成における作動を説明する。レーザ切断装置は、被加工物Wに対して、酸素含有ガスノズル21の中心からレーザビームを照射すると同時に、酸素含有ガスノズル21および高流量ガスノズル22から、粉体が混入されたアシストガス(酸素含有ガスおよび高流量ガス)を噴射する。さらに、レーザ切断装置は、シールドガスノズル23からシールドガスを噴射するとともに、加圧水カーテンノズル24から加圧水カーテンを噴射する。
これによると、アシストガスに粉体が混入されているので、アシストガスによるカーフ溝からの溶融金属排出能力を向上させることができる。すなわち、溶融金属に粉体を噴射することによって溶融金属の成分比を変えて溶融金属の粘度を低下させることができるので、カーフ溝からの溶融金属の排出を容易化できる。このため、25〜150mm厚程度の厚い被加工物Wを良好に切断することができる。
特に、ステンレス(SUS)等、溶融状態での粘性が高い合金鋼の切断時には酸化鉄(FeO)の生成を促進することが重要であることから、鉄(Fe)を粉体として混入することが好ましい。
すなわち、融点を超える高温環境下では酸化鉄(FeO)の粘性係数が低くなるため、酸化鉄(FeO)の生成を促進して酸化鉄(FeO)の濃度を高めることによって、カーフ溝からの溶融金属の排出を容易化できる。
また、粉体としてスズ(Sn)やリン(P)を混入すれば、溶融状態の鉄(Fe)の流動性を高めることができるので、カーフ溝からの溶融金属の排出を容易化できる。
また、アシストガスは酸素含有ガスと高流量ガスとで形成されるので、高流量ガスの流量を増やすことによって、厚い被加工物Wに対しても溶融金属を吹き飛ばすのに十分なアシストガス流量を確保することができる。
また、酸素含有ガスは高純度酸素であり、高流量ガスは酸素含有ガスよりも酸素濃度の低い気体であるので、高流量ガスの流量を増やしても酸素の供給を適度に抑えてセルフバーニングの発生を防止できる。このため、良好な切断面品質を得ることができる。
ここで、本実施形態では、アシストガスを噴射するアシストガスノズルは、酸素含有ガスノズル21と高流量ガスノズル22とからなる二重ノズル構造を有しており、両ノズルのうち低流量(低圧)の酸素含有ガスノズル21にレーザビームを通すようになっている。
このため、厚い被加工物Wに対しても溶融金属を吹き飛ばすのに十分なアシストガス流量を確保しても保護ウインド32の耐圧強度を超えることを防止でき、ひいては保護ウインド32の破損を防止できる。
さらに、上述のごとくシールドガスは、アシストガスを保護するエアカーテンとしての役割を果たす。より具体的には、アシストガスを層状に包むことによって大気の巻き込みを遮断するとともにカーフ部(切断面間の溝部)でのアシストガス流速を高める。
以上の効果が合わさることによって、厚い被加工物Wをより良好に切断することができる。
なお、本実施形態では、高流量ガスノズル22の先端は、酸素含有ガスノズル21の先端よりもレーザビームの照射方向に延出しているので、高流量ガスノズル22の内部に酸素含有ガスノズル21が設けられていても高流量ガスノズル22の先端径(内径)を小さく絞ることができる。このため、アシストガスの流速を効果的に高めることができるので、カーフ溝(切断溝)から溶融金属を速やかに排出することができ、ひいては厚い被加工物Wをより良好に切断することができる。
さらに、高流量ガスノズル22はラバルノズルで構成されているので、アシストガスの流速を超音速まで高めてカーフ溝(切断溝)から溶融金属をより速やかに排出することができ、ひいては厚い被加工物Wをより良好に切断することができる。
また、本実施形態では、酸素含有ガスの流量と高流量ガスの流量とを弁42、43によって独立して調整することができるので、アシストガスの流量を適切に調整することと、アシストガスの酸素濃度を適切に調整することとを両立でき、ひいては厚い被加工物Wをより良好に切断することができる。
因みに、酸素含有ガスの流量および高流量ガスの流量は被加工物Wの板厚に応じて設定される。したがって、被加工物Wの板厚が一定である場合には、酸素含有ガスの流量および高流量ガスの流量は切断加工前に予め調整され、被加工物Wの板厚が一定でない場合には、酸素含有ガスの流量および高流量ガスの流量は切断加工中に被加工物Wの切断部位の板厚に応じて調整されるのが好ましい。
また、本実施形態では、上述のごとく加圧水カーテンは、アシストガスを大気から完全に遮断して濃度および高圧を維持するとともに、被加工物Wの過剰な温度上昇を抑えてセルフバーニングの発生を抑制する。このため、厚い被加工物Wをより良好に切断することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態のレーザ切断装置は気中切断を行うものであったが、本第2実施形態のレーザ切断装置は、水中でレーザビームを照射して被加工物Wを切断するという、いわゆる水中切断を行うものである。本実施形態における切断用ノズル20は上記第1実施形態と同様の構成であるので、図示を省略する。
水中切断においては、レーザビームが被切断物に入射される表面に隣接してドライな気体空間を形成する必要がある。この点、本実施形態では、加圧水カーテンが切断用ノズル20の外周にリング状に噴射されるので、加圧水カーテンの内側にエアカーテン(ドライな気体空間)を良好に形成することができる。
なお、水中切断においては、加圧水カーテンノズル24の加圧水噴射口を軸方向と平行ではなく若干外側向きにして加圧水が外側に広がって噴射されるようにすれば、切断用ノズル20の外周に加圧水カーテンを良好に形成することができて好ましい。
すなわち本実施形態によると、加圧水カーテンは、外部の水がレーザビーム照射部へ侵入するのを防止する。加圧水カーテン内部の水はエアカーテンにより外部へ排除され、被加工物W表面のレーザビーム照射部には気体空間が形成維持される。また、カーフ溝内への水の侵入は、切断用ノズル20から噴射されるアシストガスにより防止することができる。
このため、レーザビームを被加工物Wの底部まで確実に届かせることができるので、厚い被加工物Wであっても水中切断を良好に行うことができる。
(他の実施形態)
なお、上記第各実施形態では、被加工物Wとして25〜150mm程度の厚さに形成された厚板部材を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば被加工物Wとして25mm未満の厚さの部材を用いてもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、粉体供給装置45からの粉体が切断用ヘッド10の高流量ガス通路103に供給されるようになっているが、これに限定されるものではなく。粉体供給装置45からの粉体が切断用ノズル20の高流量ガスノズル22に直接供給されるようになっていてもよい。
また、上記第1実施形態では、シールドガスノズル23から噴射されるシールドガスとして空気が用いられているが、シールドガスとして水と空気とを用いて霧状に噴射してもよい。この場合には、シールドガスに含まれる水によって被加工物Wの過剰な温度上昇を抑えることができるので、セルフバーニングの発生をより抑制することができる。
20 切断用ノズル
21 酸素含有ガスノズル(アシストガスノズル)
22 高流量ガスノズル(アシストガスノズル)
45 粉体供給装置
W 被加工物

Claims (5)

  1. レーザビームを通すとともに、前記レーザビームによって溶融した溶融物を吹き飛ばすためのアシストガスを噴射するアシストガスノズル(21、22)と、
    前記アシストガスノズル(21、22)に前記溶融物の粘度を低下させるための粉体を供給する粉体供給装置(45)とを備え、
    前記アシストガスノズル(21、22)は、前記アシストガスに前記粉体供給装置から供給される粉体を混入して噴射するレーザ切断装置であって、
    前記アシストガスノズル(21、22)は、内側ノズル(21)と外側ノズル(22)とからなる二重ノズル構造を有し、
    前記内側ノズル(21)は、前記レーザビームを通すとともに酸素含有ガスを噴射し、
    前記外側ノズル(22)は、前記内側ノズル(21)と同軸的に配置され、前記酸素含有ガスよりも流量が高く且つ酸素濃度が低い高流量ガスを噴射し、
    前記酸素含有ガスと前記高流量ガスとによって前記アシストガスが形成されるようになっており、
    前記外側ノズル(22)は、前記高流量ガスに前記粉体を混入して噴射することを特徴とするレーザ切断装置。
  2. 前記外側ノズル(22)の先端は、前記内側ノズル(21)の先端よりも前記レーザビームの照射方向に延出しており、
    前記外側ノズル(22)のうち前記内側ノズル(21)よりも延出した部分の最小径は、前記内側ノズル(21)の先端径よりも小さく絞られていることを特徴とする請求項に記載のレーザ切断装置。
  3. 前記粉体の材料として鉄が用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ切断装置。
  4. 前記粉体の材料として、スズおよびリンのうち少なくとも一方が用いられていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ切断装置。
  5. 加工物(W)に対してレーザビームを照射するとともに、前記レーザビームによって溶融した溶融物を吹き飛ばすためにアシストガスを噴射して前記被加工物(W)を切断するレーザ切断方法であって、
    酸素含有ガスと、前記酸素含有ガスよりも流量が高く且つ酸素濃度が低い高流量ガスとによって前記アシストガスが形成されるようにし、
    前記レーザビームを照射するとともに、前記酸素含有ガスを噴射し、さらに前記高流量ガスに前記溶融物の粘度を低下させるための粉体を混入して噴射することを特徴とするレーザ切断方法。
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