JP5767423B1 - 拡大内視鏡光学系 - Google Patents

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Abstract

移動レンズ群のストロークを長く保ちつつ、大きい軸外主光線の入射角を確保して、変倍時の合焦操作が容易でありながら小型化する。複数のレンズ群と、撮像素子に接合する負レンズとを備え、前記レンズ群うちの一部のレンズ群を移動させることにより少なくとも通常観察状態と近接拡大状態との切替えが可能であり、以下の条件式(1)を満足する拡大内視鏡光学系を提供する。−65<fr/fw<—2 ・・・(1)但し、frは撮像素子に接合する負レンズの焦点距離であり、fwは通常観察状態(広角端)での全系の焦点距離である。

Description

本発明は、対物光学系に関し、特に、医療用の内視鏡に適用され、拡大観察が可能な拡大内視鏡光学系に関するものである。
医療用の内視鏡において、病変の精密な診断を行うために、拡大観察が可能な対物光学系の要求が強まっている。
このような変倍機能を有する対物光学系の例として、例えば、特許文献1乃至特許文献4に、移動レンズ群を光軸に沿って移動させることで通常観察状態と拡大観察状態とを切替え可能な対物光学系が開示されている。
ところで、拡大観察可能な対物光学系において変倍を行うためには、少なくとも1つのレンズ群を移動させる必要がある。そして、このような対物光学系において、変倍に伴う合焦操作を容易とするためには、移動レンズ群のストロークを長く確保して、緩やかに変倍させることが望ましい。
また、内視鏡の小型化の要請に伴って撮像素子の小型化が進み、軸外主光線の入射角に応じてシェーディング特性を最適化した小型の撮像素子が提供されており、小型でありながら拡大観察が可能な内視鏡が望まれている。
特開2011−48086号公報 特開2009−103874号公報 特開平6−102453号公報 特開2007−233036号公報
しかしながら、対物光学系において、移動レンズ群のストロークを長く確保すると、特に通常観察状態(広角端)において光学系の中で絞りより像側の軸外光線が高くなり、軸外の収差補正が困難となる。小型の撮像素子を適用する場合には、通常サイズの撮像素子に比して、対物光学系における移動レンズ群のストロークが相対的に長くなるため、絞りより像側の軸外光線も相対的に高くなり、軸外の収差補正がより困難となる。
特に、特許文献1乃至特許文献4の対物光学系は、像面近傍に負の屈折力を有するレンズを備えていないことから、移動レンズ群のストロークを長くしつつ軸外主光線の入射角を適切に保つと、軸外の収差補正が困難となり、小型の撮像素子と組み合わせることができず、内視鏡の小型化の要請に反することとなる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、移動レンズ群のストロークを長く保ちつつ、大きい軸外主光線の入射角を確保し、変倍時の合焦操作が容易な小型化の拡大内視鏡光学系を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、像素子に接合する負の単レンズと、移動レンズ群とを備え、前記移動レンズ群を移動させることにより少なくとも通常観察状態と近接拡大状態との切替えが可能であり、以下の条件式(1)を満足する拡大内視鏡光学系を提供する。
−65<fr/fw<―2 ・・・(1)
但し、frは撮像素子に接合する負の単レンズの焦点距離であり、fwは通常観察状態(広角端)での全系の焦点距離である。
本態様によれば、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を同時に確保しながらも、良好に諸収差を補正し、優れた操作性と高画質な画像での内視鏡観察が可能となる。つまり、条件式(1)を満たすことにより、移動群のストロークを長く確保しても、撮像素子に接合した負の単レンズの射出瞳位置調整の効果で、大きい軸外主光線の入射角を確保することが可能であり、変倍光学系で課題となる像面湾曲や非点収差といった軸外の収差も良好に補正することできる。
上記態様において、最も物体側に負の第1レンズを有し、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
−60<Rr/R01<−2 ・・・(2)
但し、Rrは前記撮像素子に接合する負の単レンズの物体側の面の曲率半径であり、R01は前記負の第1レンズの像側の面の曲率半径である。
条件式(2)は、負の第1レンズと撮像素子に接合する負の単レンズの屈折力を規定したものである。条件式(2)を満たすことで、撮像素子に接合する負の単レンズの物体側の面の曲率半径及び負の第1レンズの像側の面の曲率半径を適切に保ち、射出瞳位置の設定を適切に行って大きい軸外主光線の入射角を確保しながら、良好に収差補正を行うことができる。
上記態様において、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.15<Tr/fw<1.7 ・・・(3)
但し、Trは撮像素子に接合した負の単レンズの中肉厚である。
条件式(3)は、撮像素子に接合した負の単レンズの中肉厚と通常観察状態(広角端)の焦点距離を規定したものである。条件式(3)を満たすことで、撮像素子に接合した負の単レンズの中肉厚を適切な厚さとして、射出瞳位置調整を適切に行うことができるとともに、レンズの強度を適切に保つことができる。また、対物光学系の全長も長すぎることがなく、小型化に有利となる。
上記態様において、最も物体側に負の第1レンズを有し、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
5<fr/f01<68 ・・・(4)
但し、f01は負の第1レンズの焦点距離である。
条件式(4)は、第1レンズと撮像素子に接合した負の単レンズの屈折力を規定したものである。条件式(4)を満たすことで、負の単レンズの屈折力を適切な値として、射出瞳位置調整及び収差補正を共に良好に行うことができる。
上記態様において、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群及び負の第4群を備え、該第4群が、撮像素子に接合する負の単レンズを有し、該負の単レンズが、物体側に凹面を向けた負の単レンズであり、前記第3群と前記第4群との群間隔で像位置の調整を行い、前記第2群のみが光軸上を移動することにより合焦及び変倍を行うことが好ましい。
このようにすることで、移動レンズ群の屈折力を適正な値にし、ストロークを長く確保することができ、移動レンズ群の移動量に対する観察倍率の変化(以下、変倍感度と呼ぶ)を小さくして緩やかに変倍させることができる。つまり、変倍時の合焦操作を容易にし、術者に優れた操作性を提供することができる。
上記態様において、以下の条件式(5)乃至(7)を満足することが好ましい。
1.2<dm/fw<2.4 ・・・(5)
0.9<f4/f2<9.5 ・・・(6)
−0.6<expi(w)/Σd<−0.3 ・・・(7)
但し、dmは第2群の移動量であり、f4は第4群の焦点距離であり、f2は第2群の焦点距離であり、expi(w)は通常観察状態(広角端)での最大像高実光線の射出瞳位置であり、Σdは光学系の全長である。
条件式(5)は、移動レンズ群のストロークを規定するものである。条件式(5)を満足することで、移動群のストロークがを適切な長さとし、大きい軸外主光線の入射角を確保しながら、変倍感度も適切な値として操作性を向上させることができる。
条件式(6)は、第2群と第4群の屈折力を規定するものである。条件式(6)を満たすことで、移動群である第2群の長いストロークを確保しながら、大きい軸外主光線の入射角を確保することができる。
条件式(7)は、射出瞳配置を規定したものである。条件式(7)を満たすことで、大きい軸外主光線の入射角の確保しながら収差補正を良好に行うことができる。
上記態様において、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
−25<f4/f1<−2 ・・・(8)
但し、f1は第1群の焦点距離である。
条件式(8)は第4群と第1群の屈折力を規定するものである。条件式(8)を満たすことで、良好に収差補正を行いながら、大きい軸外主光線の入射角を確保することができる。
本発明によれば、移動レンズ群のストロークを長く保ちつつ、大きい軸外主光線の入射角を確保して、変倍時の合焦操作が容易でありながら小型化することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る拡大内視鏡光学系において、通常観察状態(広角端)の収差図である。 本発明の実施例1に係る拡大内視鏡光学系において、中間状態の収差図である。 本発明の実施例1に係る拡大内視鏡光学系において、近接拡大状態(望遠端)の収差図である。 本発明の実施例2に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図であり、(A)は通常観察状態、(B)は中断(中間状態)、(C)は近接拡大状態を示す。 本発明の実施例2に係る拡大内視鏡光学系において、通常観察状態(広角端)の収差図である。 本発明の実施例2に係る拡大内視鏡光学系において、中間状態の収差図である。 本発明の実施例2に係る拡大内視鏡光学系において、近接拡大状態(望遠端)の収差図である。 本発明の実施例3に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図であり、(A)は通常観察状態、(B)は中断(中間状態)、(C)は近接拡大状態を示す。 本発明の実施例3に係る拡大内視鏡光学系において、通常観察状態(広角端)の収差図である。 本発明の実施例3に係る拡大内視鏡光学系において、中間状態の収差図である。 本発明の実施例3に係る拡大内視鏡光学系において、近接拡大状態(望遠端)の収差図である。 本発明の実施例4に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図であり、(A)は通常観察状態、(B)は中断(中間状態)、(C)は近接拡大状態を示す。 本発明の実施例4に係る拡大内視鏡光学系において、通常観察状態(広角端)の収差図である。 本発明の実施例4に係る拡大内視鏡光学系において、中間状態の収差図である。 本発明の実施例4に係る拡大内視鏡光学系において、近接拡大状態(望遠端)の収差図である。 本発明の実施例5に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図であり、(A)は通常観察状態、(B)は中断(中間状態)、(C)は近接拡大状態を示す。 本発明の実施例5に係る拡大内視鏡光学系において、通常観察状態(広角端)の収差図である。 本発明の実施例5に係る拡大内視鏡光学系において、中間状態の収差図である。 本発明の実施例5に係る拡大内視鏡光学系において、近接拡大状態(望遠端)の収差図である。 本発明の実施例6に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図であり、(A)は通常観察状態、(B)は中断(中間状態)、(C)は近接拡大状態を示す。 本発明の実施例6に係る拡大内視鏡光学系において、通常観察状態(広角端)の収差図である。 本発明の実施例6に係る拡大内視鏡光学系において、中間状態の収差図である。 本発明の実施例6に係る拡大内視鏡光学系において、近接拡大状態(望遠端)の収差図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る拡大内視鏡光学系について図面を参照して説明する。
図1は、拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図を示している。図1に示すように、拡大内視鏡光学系は、複数のレンズ群、すなわち、物体側から順に、第1レンズ群G1、明るさ絞りS、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4を備えている。
第1レンズ群G1は、平凹レンズである第1レンズL1と、平行平面板Fと、負のメニスカスレンズである第2レンズL2と両凸レンズである第3レンズL3とを接合した正の接合レンズCL1とを備え、正の屈折力を有している。
第2レンズ群G2は、平凹レンズである第4レンズL4からなり、負の屈折力を有している。第2レンズ群G2は光軸上を移動可能になっており、第2レンズ群G2が移動することにより通常観察状態から近接拡大状態などへの変倍が可能となっている。
第3レンズ群G3は、両凸レンズである第5レンズL5と、両凸レンズである第6レンズL6と両凹レンズである第7レンズL7とを接合した正の接合レンズCL2からなり、正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、負の屈折力を有し、撮像素子に接合する第8レンズL8である。つまり、第8レンズL8は凹平レンズであり、撮像面と一体的に接着された撮像素子封止ガラスに接合している。
そして、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との群間隔で像位置調整を行うようになっている。
また、本実施形態に係る拡大内視鏡光学系は、以下の条件式(1)を満たすように構成されている。
条件式(1)は、負レンズを撮像素子に接合することによって、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を同時に確保しながらも、良好に諸収差を補正する条件である。
−65<fr/fw<―2 ・・・(1)
但し、frは撮像素子に接合する負レンズ、つまり第8レンズL8の焦点距離であり、fwは通常観察状態(広角端)での全系の焦点距離である。
撮像素子の小型化に伴い、変倍光学系においては、より軸外主光線の入射角を確保することが困難となり、画質の劣化を招きやすい。
拡大内視鏡光学系が、条件式(1)を満たすことにより、移動群のストロークを長く確保しても、撮像素子に接合した負レンズの射出瞳位置調整の効果で、大きい軸外主光線の入射角を確保することが可能となり、変倍光学系で課題となる像面湾曲や非点収差といった軸外の収差も良好に補正することができる。
条件式(1)の上限−2を超えると、撮像素子に接合した負レンズの屈折力が大となり、諸収差の補正が困難となる上、偏芯の製造誤差感度が大となるため高精度な接合が必要となる。また、条件式(1)の下限−65を超えると、撮像素子に接合した負レンズの屈折力が小となり十分な射出瞳位置調整の効果が得られず、大きい軸外主光線の入射角を確保することが困難となる。
また、拡大内視鏡光学系は、条件式(2)乃至(4)を満足するように構成されている。
−60<Rr/R01<−2 ・・・(2)
但し、Rrは前記撮像素子に接合する負の第8レンズL8の物体側の面の曲率半径であり、R01は最も物体側の負の第1レンズL1の像側の面の曲率半径である。
条件式(2)は、第1レンズL1と撮像素子に接合した負の第8レンズL8の屈折力を規定したものである。条件式(2)の上限−2を超えると第8レンズL8の曲率半径が小となり、射出瞳位置の設定には有利であるが、収差補正に不利となる。一方、条件式(2)の下限−60を超えると第8レンズL8の曲率半径が大となり、射出瞳を像面近傍に配置することに不利となり、大きい軸外主光線の入射角を確保するのに好ましくない。
0.15<Tr/fw<1.7 ・・・(3)
但し、Trは撮像素子に接合した負レンズの中肉厚である。
条件式(3)は、撮像素子に接合した負の第8レンズL8の中肉厚と通常観察状態(広角端)の焦点距離を規定したものである。条件式(3)の上限1.7を超えると、負の第8レンズL8の中肉厚が大となり、射出瞳位置調整に不利となり、さらには全長が大となり小型化する上で好ましくない。一方、条件式(3)の下限0.15を超えると、第8レンズL8の中肉厚が小となり、レンズに割れ等の欠陥が発生しやすくなり好ましくない。
5<fr/f01<68 ・・・(4)
但し、f01は負の第1レンズL1の焦点距離である。
条件式(4)は、第1レンズL1と撮像素子に接合した負の第8レンズL8の屈折力を規定したものである。条件式(4)の上限68を超えると、第8レンズL8の屈折力が小となり射出瞳位置調整に不利となる。一方、条件式(4)の下限5を超えると、第8レンズL8の屈折力が大となり射出瞳位置調整には有利であるが、収差補正に不利となる。
なお、上記条件式(4)に代えて、(4)’又は(4)’’を適用すると更に好ましい。
6.5<fr/f01<35 ・・・(4)’
7.5<fr/f01<15 ・・・(4)’’
さらに、本実施形態に係る拡大内視鏡光学系は、以下の条件式(5)乃至条件式(7)を満足するように構成されている。
1.2<dm/fw<2.4 ・・・(5)
0.9<f4/f2<9.5 ・・・(6)
−0.6<expi(w)/Σd<−0.3 ・・・(7)
但し、dmは第2群の移動量であり、f4は第4群の焦点距離であり、f2は第2群の焦点距離であり、expi(w)は通常観察状態(広角端)での最大像高実光線の射出瞳位置であり、Σdは光学系の全長である。
このようにすることで、負の第2レンズ群のみが光軸上を移動して変倍と合焦を行う簡素な変倍光学系とすることが可能となる。
拡大内視鏡光学系において、変倍時の合焦操作を容易にし、術者に優れた操作性を提供するためには、移動レンズ群の移動量に対する観察倍率の変化、(以下、変倍感度と呼ぶ)を小さくして緩やかに変倍させる必要がある。つまり、移動レンズ群の屈折力を適正な値にし、ストロークを長く確保することが重要である。
条件式(5)は、移動レンズ群のストロークを規定するものである。条件式(5)の上限2.4を超えると移動群のストロークが長くなりすぎるため、第3群の光線高が大となり、大きい軸外主光線の入射角を確保することが困難となる。条件式(5)の下限1.2を超えると移動群のストロークが小となるため、変倍感度が大となり操作性の面で好ましくない。
条件式(6)は、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4の屈折力を規定するものである。この範囲を外れると、移動群である第2レンズ群G2の長いストロークと大きい軸外主光線の入射角の両立が困難となる。
即ち、条件式(6)の上限9.5を超えると第2群の屈折力が大となり、長い移動群のストロークを確保するのに不利となる。一方、条件式(6)の下限0.9を超えると第2群の屈折力が小となり、移動群のストロークが長くなりすぎるため小型化に不利であり、さらには大きい軸外主光線の入射角を確保するのに不利となる。
なお、条件式(6)に代えて、条件式(6)’又は条件式(6)’’を適用することがさらに好ましい。
0.95<f4/f2<6.8 ・・・(6)’
1.05<f4/f2<2.4 ・・・(6)’’
条件式(7)は、射出瞳配置を規定したものである。条件式(7)の上限−0.3を超えると、大きい軸外主光線の入射角を得るのに有利であるが、第4レンズ群G4の屈折力が大きくなりやすく、収差補正に不利となる。一方、条件式(7)の下限−0.6を超えると、射出瞳位置が像面から遠ざかり、大きい軸外主光線の入射角を得るのに不利となる。
拡大内視鏡光学系は、以下の条件式(8)を満足するように構成されている。
−25<f4/f1<−2 ・・・(8)
但し、f1は第1群の焦点距離である。
条件式(8)は第4レンズ群G4と第1レンズ群G1の屈折力を規定するものである。条件式(8)の上限−2を超えると第4群の屈折力が大となり収差補正に不利である。一方、条件式(8)の下限−25を超えると、第4群の屈折力が小となり十分な射出瞳位置調整の効果が得られず、大きい軸外主光線の入射角を確保するのが困難となる。
なお、条件式(8)に代えて、条件式(8)’又は条件式(8)’’を適用することがさらに好ましい。
―16<f4/f1<−2.3 ・・・(8)’
―5.5<f4/f1<−2.5 ・・・(8)’’
さらに、本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(9)を満足するように構成されていることが好ましい。
13.5<Σd/IH<19 ・・・(9)
但し、IHは最大像高である。
拡大内視鏡光学系の小型化が一層進み、その全長が小さくなると、レンズの縁肉や中肉の確保が難しくなり、ワレや欠け等の欠陥が発生しやすくなる。そこで、条件式(9)を満足することで、レンズの加工性を確保することができる。
即ち、条件式(9)はレンズの加工性を確保する条件である。条件式(9)の上限19を超えると、像高に対して全長が大となり小型化に不利である。一方、条件式(9)の下限13.5を超えると、像高に対して全長が小となり、各レンズの縁肉、及び中肉が小となり、ワレや欠け等の不良が発生しやすくなり好ましくない。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、条件式(10)を満足するように構成されていることが好ましい。
6.7<Σd_R/fw<7.8 ・・・(10)
但し、Σd_Rは、近接拡大状態(望遠端)での移動群像側端から像面までの長さである。
変倍可能な光学系では、少なくとも1つのレンズを移動させる必要があり、レンズを移動させるための機構が必要である。そして、レンズを移動させるための機構としては、例えば、移動レンズ群を保持するレンズ枠に接続されていて、このレンズ枠に駆動力を与えるアクチュエーター等がある。
レンズ系を小型化した場合、レンズを移動させるための機構も同じ係数倍で小型化することは困難であり、大型のレンズ系に比べて、レンズを移動させるための構成部品は相対的に大きくなりがちである。
すなわち、条件式(10)は、通常観察状態(広角端)で全画角120°以上を有する高性能な拡大内視鏡光学系において、レンズを移動させる部品を配置するためのスペースを確保しやすくするための条件である。条件式(10)の上限7.8を超えるとレンズを移動させる部品を配置するのに有利であるが、全長が長くなり小型化に不利である。一方、条件式(10)の下限6.7を超えると、レンズを移動させるための部品を配置することが困難となり好ましくない。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(11)を満足するように構成されていることが好ましい。
−8<f2/fw<−5 ・・・(11)
但し、f2は第2群の焦点距離である。
条件式(11)は、第2レンズ群G2の屈折力を規定したものである。条件式(11)の上限−5を超えると第2レンズ群G2の屈折力が大となり長いストロークを確保するのに不利である。一方、条件式(12)の下限−8を超えると、ストロークが長くなりすぎて第3レンズ群G3の光線高が大となり、収差補正に不利である。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(12)を満足するように構成されていることが好ましい。
2.7<f3/fw<4.2 ・・・(12)
条件式(12)は第3レンズ群G3の屈折力を規定したものである。条件式(12)の上限4.2を超えると第3レンズ群G3の屈折力が小となり、大きい軸外主光線の入射角を確保するのに不利となる。一方、条件式(12)の下限2.7を超えると第3レンズ群G3の屈折力が大となるため、収差補正に不利である。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(13)を満足するように構成されていることが好ましい。
−1.1<f01/fw<−0.87 ・・・(13)
条件式(13)は第1レンズL1の屈折力を規定したものである。条件式(13)の上限−0.87を超えると第1レンズL1の屈折力が大となり、諸収差の補正が困難となる。一方、条件式(13)の下限−1.1を超えると、第1レンズL1の径が大となりやすく、小型化に不利である。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(14)を満足するように構成されていることが好ましい。
−90<f4/Bf<−2 ・・・(14)
但し、Bfは第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の群間隔である。
条件式(14)は第4レンズ群G4の屈折力と、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の群間隔を規定するものである。条件式(14)の上限−2を超えると、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の群間隔が大となり小型化に不利である。一方、条件式(14)の下限−90を超えると、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の郡間隔が小となり、像位置調整に必要な間隔が確保できなくなり好ましくない。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(15)を満足するように構成されていることが好ましい。
−20<f4/f3<−1.6 ・・・(15)
条件式(15)は第4レンズ群G4と第3レンズ群G3の屈折力を規定したものである。条件式(15)の上限−1.8を超えると、第4レンズ群G4の屈折力が大となり、収差補正に不利となる。一方、条件式(15)の下限−20を超えると第4レンズ群G4の屈折力が小となり十分な射出瞳位置調整の効果が得られず、大きい軸外主光線の入射角を確保することが困難となる。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(16)を満足するように構成されていることが好ましい。
−0.67<f3/f2<−0.42 ・・・(16)
但し、f3は第3レンズ群G3の焦点距離である。
条件式(16)は第3レンズ群G3と第2レンズ群G2の屈折力を規定したものである。条件式(16)の上限−0.42を超えると、第2レンズ群G2の屈折力が小となりストロークが長くなる。つまり、全長が長くなり、さらには第3レンズ群G3の光線高も大となって、収差補正にも不利となる。一方、条件式(16)の下限−0.67を超えると、第3レンズ群G3の屈折力が小となり、光学系のバックフォーカスが長くなるため、小型化に不利となる。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(17)を満足するように構成されていることが好ましい。
1.2<f3/f1<1.65 ・・・(17)
条件式(17)は第3レンズ群G3と第1レンズ群G1の屈折力を規定したものである。条件式(17)の上限1.65を超えると第3レンズ群G3の屈折力が小となり、ペッツバール和が大となるため、像面湾曲を補正することが困難となる。一方、条件式(17)の下限1.2を超えると第1レンズ群G1の屈折力が小となり、球面収差が補正不足となるため好ましくない。
本実施形態に係る拡大内視鏡は、以下の条件式(18)を満足するように構成されていることが好ましい。
−3.7<f2/f1<−2 ・・・(18)
条件式(18)は第2レンズ群G2と第1レンズ群G1の屈折力を規定したものである。条件式(18)の上限−2を超えると、第1群の屈折力に対して第2群の屈折力が大となり、第2レンズ群G2の移動による色収差の変動が大となる。一方、条件式(18)の下限−3.7を超えると第1レンズ群G1の屈折力が大となり球面収差の発生量が大となる。
このように、本実施形態によれば、第2レンズ群G2のみが光軸上を移動し、変倍と合焦を行うことにより、全系で4群8枚の簡素な構成を取ることができる。つまり、移動レンズ群である第2レンズ群G2のストロークを長く保ちつつ、大きい軸外主光線の入射角を確保して、変倍時の合焦操作が容易でありながら拡大内視鏡光学系を小型化することができる。なお、第1レンズは像面側に凹面を向けた負のメニスカスレンズでも良い。
(変形例)
また、変形例として、拡大内視鏡光学系を以下のように構成することもできる。
変形例に係る拡大内視鏡光学系は、図2に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1、明るさ絞りS、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4を備えており、各レンズ群が以下のように構成されている。
第1レンズ群G1は、像面側に凹面を向けた平凹レンズである第1レンズL1、像面側に凸面を向けた正のメニスカスレンズである第2レンズL2、及び正レンズである第3レンズL3と負レンズである第4レンズL4とを正負の順に接合した正の接合レンズCL1を備えている。
第2レンズ群G2は、像面側に凹面を向けた平凹レンズである第5レンズL5と正レンズである第6レンズL6とを接合した負の接合レンズCL2を備えている。
第3レンズ群G3は、正レンズである第7レンズL7、及び、正レンズである第8レンズL8と負レンズである第9レンズL9とを正負の順に接合した正の接合レンズCL3を備えている。
第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けた凹平レンズである第10レンズL10を備えている。なお、第10レンズL10は撮像面と一体的に接着された撮像素子封止ガラスに接合している。
そして、第3レンズ群G3と負の第4レンズ群G4との群間隔で像位置調整を行い、第2レンズ群G2と第2レンズ群G2の物体側に配置した明るさ絞りSとが一体となって光軸上を移動し、変倍と合焦を行うことにより、全系で4群10枚の偏芯の製造誤差に強い構成を取ることができる。なお、第1レンズは像面側に凹面を向けた負のメニスカスレンズでも良い。
本変形例に係る拡大内視鏡光学系も、上記条件式(1)乃至条件式(8)を満たすように構成されており、更に条件式(9)乃至条件式(18)を満たすように構成されることが更に好ましい。
なお、明るさ絞りSを第2レンズ群G2の像側に配置することもできる。この場合には、第2レンズ群と明るさ絞りSとが一体となって光軸上を移動し、合焦および変倍を行うことによって、第3レンズ群G3の光線高を小とする効果がある。つまり、第3レンズ群G3のレンズ径を小とすることが可能であり、レンズ枠部品やアクチュエーターの構成上、第3レンズ群G3のレンズ径を小としたい場合に大きなメリットがある。
続いて、上述した何れかの実施形態に係る対物光学系の実施例1乃至実施例6について、図3乃至図26を参照して説明する。各実施例に記載のレンズデータにおいて、rは曲率半径(単位mm)、dは面間隔(mm)、Neはe線に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数を示している。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図を図3に示す。
実施例1に係る拡大内視鏡光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群と正の屈折力の第3レンズ群と負の屈折力の第4レンズ群から構成されている。また、明るさ絞りは第2レンズ群の物体側に固定されている。
そして、第2レンズ群が光軸上を像側に移動して通常観察状態(広角端)から近接拡大状態(望遠端)への変倍と合焦を行う。つまり、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍と合焦を行う。
また、図3に示す通り、第1レンズ群が平凹レンズと、平行平面板、負のメニスカスレンズと両凸レンズを接合した正の接合レンズから構成され、第2レンズ群が平凹レンズから構成され、第3レンズ群が両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズとを接合した正の接合レンズから構成され、第4レンズ群が凹平レンズから構成されている。なお、第4レンズ群の凹平レンズと撮像素子封止ガラスと撮像面は一体に接着されている。
本実施例1は、条件式(1)乃至条件式(8)を満足し、これにより、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を確保している。
なお、平行平面板には、特定波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外線領域の光をカットするためのフィルタを適用することができる。
本実施例1に係る拡大内視鏡光学系の収差図を図4乃至図6に夫々示すと共に、そのレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Ne νd
0(物体面)∞ D0
1 ∞ 0.1938 1.88814 40.78
2 0.4970 0.7845
3 ∞ 0.2907 1.52300 65.13
4 ∞ 0.1248
5 12.2699 0.2422 1.88815 40.76
6 0.6584 0.7503 1.72341 50.23
7 −0.9927 0.0484
8(絞り) ∞ D1
9 ∞ 0.2422 1.82017 46.62
10 2.8875 D2
11 1.7244 1.1890 1.48915 70.23
12 −8.4378 0.0480
13 1.6342 1.1030 1.59143 61.14
14 −1.4281 0.3817 1.93429 18.90
15 36.6777 0.5082
16 −2.6189 0.3198 1.51825 64.14
17 ∞ 0.0097 1.51500 64.00
18 ∞ 0.3876 1.50700 63.26
19 ∞
各種データ
通常観察状態 中間状態 近接拡大状態
(広角端) (望遠端)
D0 9.6899 4.3605 2.3256
D1 0.1163 0.5597 1.1531
D2 1.2984 0.8550 0.2616
fl 0.568 0.632 0.711
Fno 4.92 5.56 6.51
(実施例2)
本発明の実施例2に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図を図7に示す。
本実施例に係る拡大内視鏡光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群と正の屈折力の第3レンズ群と負の屈折力の第4レンズ群にて構成されている。また、明るさ絞りは第2レンズ群の物体側に配置されている。
そして、本実施例に係る拡大内視鏡用光学系においては、第2レンズ群が明るさ絞りと一体となって光軸上を像側に移動して通常観察状態(広角端)から近接拡大状態(望遠端)への変倍と合焦を行う。つまり、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍と合焦を行う。
第1レンズ群は、平凹レンズと、平行平面板と、像側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、像側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと像側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを接合した正の接合レンズから構成され、第2レンズ群は、平凹レンズと物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズを接合した負の接合レンズから構成され、第3レンズ群は、両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズを接合した正の接合レンズから構成され、第4レンズ群が凹平レンズから構成されている。第4レンズ群の凹平レンズと撮像素子封止ガラスと撮像面は一体に接着されている。
本実施例は、条件式(1)乃至条件式(8)を満足し、これにより、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を確保している。
なお、平行平面板には、特定波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外線領域の光をカットするためのフィルタを適用することができる。
本実施例2に係る拡大内視鏡光学系の収差図を図8乃至図10に夫々示すと共に、そのレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Ne νd
0 ∞ D0
1 ∞ 0.2000 1.88815 40.76
2 0.5337 0.5350
3 ∞ 0.2900 1.52300 65.13
4 ∞ 0.3000
5 −1.7969 0.8058 1.59143 61.14
6 −1.2747 0.0523
7 −32.5151 0.6488 1.65425 58.55
8 −1.4567 0.2728 1.93429 18.90
9 −1.9015 D1
STO ∞ 0.0314
11 ∞ 0.2616 1.88815 40.76
12 1.1847 0.4291 1.65222 33.79
13 15.3335 D2
14 2.1443 1.2872 1.59143 61.14
15 −8.4506 0.0523
16 1.6838 1.0779 1.48915 70.23
17 −1.9790 0.5756 1.93429 18.90
18 7.2481 0.6309
19 −4.2687 0.3453 1.51825 64.14
20 ∞ 0.0090 1.51500 64.00
21 ∞ 0.4100 1.50700 63.26
22 ∞
各種データ
通常観察状態 中間状態 近接拡大状態
(広角端) (望遠端)
D0 10.45 4.2000 2.45
D1 0.1570 0.8020 1.3605
D2 1.4128 0.7678 0.2093
Fl 0.621 0.709 0.779
Fno 5.36 5.72 6.04
(実施例3)
本発明の実施例3に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図を図11に示す。
本実施例に係る拡大内視鏡光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群と正の屈折力の第3レンズ群と負の屈折力の第4レンズ群にて構成されている。また、明るさ絞りは第2レンズ群の物体側に配置されている。
そして、本実施例に係る拡大内視鏡用光学系においては、第2レンズ群が光軸上を像側に移動して通常観察状態(広角端)から近接拡大状態(望遠端)への変倍と合焦を行う。つまり、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍と合焦を行う。
第1レンズ群は、平凹レンズと、平行平面板と、像側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、両凸レンズと像側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを接合した正の接合レンズから構成され、第2レンズ群が平凹レンズと両凸レンズを接合した負の接合レンズから構成され、第3レンズ群が両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズを接合した正の接合レンズと、平行平面板から構成され、第4レンズ群が凹平レンズから構成される。第4レンズ群の凹平レンズと撮像素子封止ガラスと撮像面は一体に接着されている。
本実施例は、条件式(1)乃至条件式(8)を満足し、これにより、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を確保している。
なお、平行平面板には、特定波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外線領域の光をカットするためのフィルタを適用することができる。
本実施例3に係る拡大内視鏡光学系の収差図を図12乃至図14に夫々示すと共に、そのレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Ne νd
0(物体面)∞ D0
1 ∞ 0.3454 1.88815 40.76
2 0.8054 0.6671
3 ∞ 0.5900 1.52300 65.13
4 ∞ 0.2568
5 −3.7649 1.0563 1.59143 61.14
6 −1.7320 0.0787
7 49.4159 1.0484 1.57392 52.95
8 −1.8333 0.3156 1.93429 18.90
9 −2.4621 D1
10(絞り) ∞ 0.0300
11 ∞ 0.3071 1.88815 40.76
12 1.3418 0.5620 1.65222 33.79
13 −14.6543 D2
14 2.6500 0.8806 1.51825 64.14
15 −4.7268 0.0786
16 4.2401 1.1769 1.53430 48.84
17 −2.3186 0.4436 1.93429 18.90
18 23.1374 0.1283
19 ∞ 0.4000 1.52510 58.50
20 ∞ 0.6196
21 −8.7307 0.6908 1.51825 64.14
22 ∞ 0.0099 1.51500 64.00
23 ∞ 0.6908 1.61350 50.49
24 ∞
各種データ
通常観察状態 中間状態 近接拡大状態
(広角端) (望遠端)
D0 10.3618 4.3000 2.0724
D1 0.1974 0.8095 1.7763
D2 1.8750 1.2629 0.2961
fl 1.004 1.057 1.1214
Fno 7.68 7.73 7.84
(実施例4)
本発明の実施例4に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図を図15に示す。
本実施例に係る拡大内視鏡光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群と正の屈折力の第3レンズ群と負の屈折力の第4レンズ群にて構成されている。また、明るさ絞りは第2レンズ群の像側に配置されている。
本実施例は、第2レンズ群が明るさ絞りと一体となって光軸上を像側に移動して通常観察状態(広角端)から近接拡大状態(望遠端)への変倍と合焦を行う。つまり、第2レンズ群を光軸に沿って移動させて変倍と合焦を行う。
第1レンズ群は、平凹レンズと、平行平面板と、像側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、両凸レンズと負のメニスカスレンズを接合した正の接合レンズから構成され、第2レンズ群が平凹レンズと物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズを接合した負の接合レンズから構成され、第3レンズ群が両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズを接合した正の接合レンズから構成され、第4レンズ群が凹平レンズから構成される。また、明るさ絞りは、第2レンズ群の像側に配置されている。第4レンズ群と撮像素子封止ガラスL1と撮像面は一体に接着されている。
本実施例においては、明るさ絞りを移動群の像側端に配置することで第3レンズ群の光線高を小とする効果があり、アクチュエーター等のレンズ駆動部品を構成する上で、第3レンズ群のレンズ径を小としたい場合に有利である。
本実施例は、条件式(1)乃至条件式(8)を満足し、これにより、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を確保している。
なお、平行平面板には、特定波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外線領域の光をカットするためのフィルタを適用することができる。
本実施例4に係る拡大内視鏡光学系の収差図を図16乃至図18に夫々示すと共に、そのレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Ne νd
0(物体面)∞ D0
1 ∞ 0.2200 1.88815 40.76
2 0.5910 0.3588
3 ∞ 0.3200 1.52300 65.13
4 ∞ 0.1300
5 −1.8127 1.0384 1.88815 40.76
6 −2.1662 0.0552
7 32.3983 0.7733 1.88815 40.76
8 −1.2991 0.3093 1.93429 18.90
9 −2.0889 D1
10 ∞ 0.2209 1.88815 40.76
11 1.0792 0.4308 1.65222 33.79
12 7.6906 0.0331
13(絞り) ∞ D2
14 2.3275 1.4360 1.48915 70.23
15 −3.1538 0.0552
16 1.7299 1.2703 1.58482 40.75
17 −1.6592 0.2983 1.93429 18.90
18 3.5945 0.6019
19 −11.0929 0.3645 1.51825 64.14
20 ∞ 0.0110 1.51500 64.00
21 ∞ 0.4419 1.50700 63.26
22 ∞ 0
各種データ
通常観察状態 中間状態 近接拡大状態
(広角端) (望遠端)
D0 11.0500 4.4186 2.5500
D1 0.2209 0.7995 1.3256
D2 1.4471 0.8686 0.3424
fl 0.6344 0.7426 0.8357
Fno 5.15 5.53 5.87
(実施例5)
本発明の実施例5に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図を図19に示す。
本実施例に係る拡大内視鏡光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群と正の屈折力の第3レンズ群と負の屈折力の第4レンズ群にて構成されている。また、明るさ絞りは第2レンズ群の物体側に配置されている。
そして、本実施例に係る拡大内視鏡用光学系においては、第2レンズ群が光軸上を像側に移動して通常観察状態(広角端)から近接拡大状態(望遠端)への変倍と合焦を行う。つまり、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍と合焦を行う。
第1レンズ群は、平凹レンズと、平行平面板と、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズを接合した正の接合レンズから構成され、第2レンズ群が平凹レンズから構成され、第3レンズ群が両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズを接合した正の接合レンズから構成され、第4レンズ群が凹平レンズから構成される。第4レンズ群の凹平レンズと撮像面は一体に接着されている。
本実施例は、条件式(1)乃至条件式(8)を満足し、これにより、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を確保している。
なお、平行平面板には、特定波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外線領域の光をカットするためのフィルタを適用することができる。
本実施例5に係る拡大内視鏡光学系の収差図を図20乃至図22に夫々示すと共に、そのレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Ne νd
0(物体面)∞ D0
1 ∞ 0.1900 1.88814 40.78
2 0.4843 0.7174
3 ∞ 0.2700 1.52300 65.13
4 ∞ 0.1234
5 13.0714 0.2374 1.88815 40.76
6 0.6923 0.7787 1.73234 54.68
7 −1.0180 0.0475 1.
8(絞り) ∞ D1
9 ∞ 0.2350 1.73234 54.68
10 2.9163 D2
11 1.8992 1.0731 1.48915 70.23
12 −4.2752 0.0475
13 1.4102 1.2155 1.48915 70.23
14 −1.5583 0.5413 1.93429 18.90
15 3.6123 0.4629
16 −18.2212 0.3324 1.51825 64.14
17 ∞ 0.
各種データ
通常観察状態 中間状態 近接拡大状態
(広角端) (望遠端)
D0 9.4961 4.50 2.28
D1 0.0950 0.5378 1.3295
D2 1.4719 1.0290 0.2374
fl 0.566 0.622 0.7109
Fno 4.92 5.49 6.58
(実施例6)
本発明の実施例6に係る拡大内視鏡光学系の全体構成を示す断面図を図23に示す。
本実施例に係る拡大内視鏡光学系は、物体側より順に、正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群と正の屈折力の第3レンズ群と負の屈折力の第4レンズ群にて構成されている。また、明るさ絞りは第2レンズ群の物体側に配置されている。
そして、本実施例に係る拡大内視鏡用光学系においては、第2レンズ群が光軸上を像側に移動して通常観察状態(広角端)から近接拡大状態(望遠端)への変倍と合焦を行う。つまり、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより変倍と合焦を行う。
第1レンズ群は、平凹レンズと、平行平面板と、像側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズを接合した正の接合レンズから構成され、第2レンズ群が平凹レンズから構成され、第3レンズ群が両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズを接合した正の接合レンズから構成され、第4レンズ群が凹平レンズから構成される。第4レンズ群の凹平レンズと撮像素子封止ガラスと撮像面は一体に接着されている。
本実施例は、条件式(1)乃至条件式(8)を満足し、これにより、長い移動群のストロークと大きい軸外主光線の入射角を確保している。
なお、平行平面板には、特定波長、例えばYAGレーザーの1060nm、半導体レーザーの810nmあるいは近赤外線領域の光をカットするためのフィルタを適用することができる。
本実施例6に係る拡大内視鏡光学系の収差図を図24乃至図26に夫々示すと共に、そのレンズデータを以下に示す。
レンズデータ
面番号 r d Ne νd
0(物体面)∞ D0
1 ∞ 0.2000 1.88814 40.78
2 0.4969 0.4584*
3 ∞ 0.3500 1.52300 65.13
4 ∞ 0.2016
5 −1.5468 0.3015 1.51977 52.43
6 −1.2434 0.0532
7 13.1293 0.2443 1.88815 40.76
8 0.7355 0.7496 1.72341 50.23
9 −1.1468 0.0504
10(絞り) ∞ D1
11 ∞ 0.2519 1.82017 46.62
12 2.5488 D2
13 1.8930 1.2981 1.48915 70.23
14 −6.4504 0.0502
15 1.6370 1.0600 1.59143 61.14
16 −1.8353 0.3195 1.93429 18.90
17 ∞ 0.5887
18 −1.7300 0.4535 1.51825 64.14
19 ∞ 0.0150 1.51500 64.00
20 ∞ 0.3900 1.50700 63.26
21 ∞
各種データ
通常観察状態 中間状態 近接拡大状態
(広角端) (望遠端)
D0 10.0775 4.5000 2.3500
D1 0.1209 0.5826 1.1992
D2 1.3000 0.8384 0.2217
fl 0.589 0.669 0.764
Fno 4.86 5.62 6.76
なお、上記した実施例1乃至実施例6において、上記(1)乃至(8)式に係る値を表1に示す。
Figure 0005767423
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
L8 第8レンズ
L9 第9レンズ
L10 第10レンズ
CL1 接合レンズ
CL2 接合レンズ

Claims (7)

  1. 像素子に接合する負の単レンズと、移動レンズ群とを備え、
    前記移動レンズ群を移動させることにより少なくとも通常観察状態と近接拡大状態との切替えが可能であり、以下の条件式(1)を満足する拡大内視鏡光学系。
    −65<fr/fw<―2 ・・・(1)
    但し、frは撮像素子に接合する負の単レンズの焦点距離であり、fwは通常観察状態(広角端)での全系の焦点距離である。
  2. 最も物体側に負の第1レンズを有し、以下の条件式(2)を満足する請求項1記載の拡大内視鏡光学系。
    −60<Rr/R01<−2 ・・・(2)
    但し、Rrは前記撮像素子に接合する負の単レンズの物体側の面の曲率半径であり、R01は前記負の第1レンズの像側の面の曲率半径である。
  3. 以下の条件式(3)を満足する請求項1記載の拡大内視鏡光学系。
    0.15<Tr/fw<1.7 ・・・(3)
    但し、Trは撮像素子に接合した負の単レンズの中肉厚である。
  4. 最も物体側に負の第1レンズを有し、以下の条件式(4)を満足する請求項1記載の拡大内視鏡光学系。
    5<fr/f01<68 ・・・(4)
    但し、f01は負の第1レンズの焦点距離である。
  5. 物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正の第3群及び負の第4群を備え、
    該第4群が、撮像素子に接合する負の単レンズを有し、
    該負の単レンズが、物体側に凹面を向けた負の単レンズであり、
    前記第3群と前記第4群との群間隔で像位置の調整を行い、前記第2群のみが光軸上を移動することにより合焦及び変倍を行う、請求項1記載の拡大内視鏡光学系。
  6. 以下の条件式(5)乃至(7)を満足する請求項5記載の拡大内視鏡光学系。
    1.2<dm/fw<2.4 ・・・(5)
    0.9<f4/f2<9.5 ・・・(6)
    −0.6<expi(w)/Σd<−0.3 ・・・(7)
    但し、dmは第2群の移動量であり、f4は第4群の焦点距離であり、f2は第2群の焦点距離であり、expi(w)は通常観察状態(広角端)での最大像高実光線の射出瞳位置であり、Σdは光学系の全長である。
  7. 以下の条件式(8)を満足する、請求項6記載の拡大内視鏡光学系。
    −25<f4/f1<−2 ・・・(8)
    但し、f1は第1群の焦点距離である。
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