JP5764400B2 - 搬送装置 - Google Patents
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例えば、複数の収納棚を備えるラックが間隔を有して対向配置された自動倉庫では、搬送装置を用いて一方のラックから他方のラックへの物品の移動が行われる。搬送装置は、走行レール上を進退する走行台車と、走行台車に立設された支柱に沿って昇降するキャリッジとを備え、このキャリッジに一方のラックの収納棚から取り出した物品を載せ他方のラックの収納棚まで運んで物品を移動する。
また、搬送装置には、上部にガイドレールを備え、走行レールを一本のみにしたものがあり、その具体例が特許文献1、2に記載されている。
なお、特許文献1の搬送装置は2本の支柱を備えたタイプのものであり、特許文献2の搬送装置は1本の支柱を備えている。
一般的に、摩擦力を受けながら可動する部分は塵を生じさせるので、その部分を覆う部材やその部分で発生する塵を吸込む機構を設けることは、クリーン度確保のために有効である。
特許文献2では、走行台車と走行レール(下部ガイドレール)の摺動部がケーシングによって覆われ、更に動摩擦力を受けながら上部のガイドレールを転動するガイドローラから発生する塵は、ファンの作動により生じる気流によって搬送装置の外部に飛散しないようになっている。
特許文献2の搬送装置は、上部のガイドレールと走行レールは距離を有して配置されているので、ガイドレールと走行レールそれぞれの防塵設計を1つにまとめることはできず、防塵設計全体に使用される部材数が増加するという問題を抱えている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、防塵設計のために要する部材の点数増加を抑制する搬送装置を提供することを目的とする。
また、レール及び走行台車は、支柱の通過領域を除いてカバーリングによって覆われ、支柱の通過領域を覆うスクリーンをカバーリングに張設しているので、走行台車がレール上を走行することによって発生する塵をカバーリング内に留めておくことができ、搬送装置が設置された空間をクリーンに保つことが可能である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る搬送装置10は、レール11、11a上を進退する走行台車12と、走行台車12に立設された支柱13、13a、13b、13cの各ガイド部にガイドローラ14を当接させて支柱13、13a、13b、13cに沿って昇降するキャリッジ15と、支柱13、13a、13b、13cの各ガイド部を覆う支柱側防塵機構16を備えている。以下、詳細に説明する。
ラック17、17aは、床18に設置され、それぞれ物品Gを収納可能な複数の収納棚を備えている。搬送装置10はラック17、17aの間に配置されて、ラック17、17aの一方から他方に物品Gを運ぶ。
搬送装置10が備える走行台車12は、レール11上を走行するサドル21とレール11a上を走行するサドル21aを有し、走行台車12、レール11、11a及びベースプレート19は、支柱13、13a、13b、13cの通過領域を除いてカバーリング20によって覆われている。
また、サドル21には、走行台車12の進退方向に沿って距離を有して配置された支柱13、13aが立設され、サドル21aにも走行台車12の進退方向に沿って距離を有して配置された支柱13b、13cが立設されている。走行台車12の進退方向に沿って支柱13a、13cの前側にある支柱13、13bは、図2に示すように、複数の横架材25を介して連結され、支柱13a、13cも複数の横架材25を介して連結されている。
床18に固定されたカバーリング20には、図2、図3に示すように、レール11に沿って、支柱13、13aの通過領域に形成されたスリット28及びレール11aに沿って、支柱13b、13cの通過領域に形成されたスリット28aが設けられ、スリット28には支柱13、13aが挿通し、スリット28aには支柱13b、13cが挿通している。
電動モータ26は、カバーリング20内に配置されている。
支柱13、13aにはそれぞれ、図2、図3に示すように、カバーリング20から突出した部分に、走行台車12の走行方向に沿って貫通する貫通孔30が形成されている。スクリーン29(スクリーン29aについても同じ)は、支柱13、13a(スクリーン29aに対しては支柱13b、13c)の貫通孔30に挿通され、スクリーン29の長手方向両端はカバーリング20の表面に固定されている。
ローラ31、32は、支柱13(支柱13a、13b、13cについても同じ)の貫通孔30にスクリーン29(支柱13b、13cに対してはスクリーン29a)を案内するためのものであり、支柱13に固定された図示しない保持材によって回転可能に支持されている。
ローラ31は、平面視してローラ32に比べて支柱13の近くに設けられ、上部が支柱13に形成された貫通孔30と同じ高さに配置され、ローラ31より低い位置にあるローラ32は、下部がカバーリング20の上面と同じ高さに配置されている。
スクリーン29は、支柱13の一側のローラ32の下部に当接した後、上方に案内されてローラ31の上部に当接し、支柱13の貫通孔30を挿通し、支柱13の他側のローラ31の上部に当接した後、下方に案内されてローラ32の下部に当接している。
スクリーン29aとスリット28aについてもスクリーン29とスリット28の関係と同じである。
また、支柱13(支柱13a、13b、13cについても同じ)は柱材33と、上部が柱材33に固定され、下部が横架材22(支柱13b、13cに対しては横架材22a)に固定されたベース材34を備えている。柱材33とベース材34の連結部は、支柱13の他の部位より太くなっており、この連結部に貫通孔30が形成されているので、貫通孔30に、スリット28より幅広のスクリーン29を挿通するのに十分な横幅を設けることができる。
そして、支柱13、13bと支柱13a、13cの間には、ラック17又はラック17aから取り出した物品Gを載せて昇降するキャリッジ15が設けられている。
昇降ブロック38、38aは距離を有して配置され、平面視して、昇降ブロック38、38aの間には、矩形のプレート材40が設けられ、プレート材40は、4隅が昇降ブロック38に固定された2本の支持アーム39と昇降ブロック38aに固定された2本の支持アーム39によって保持されている。
カバー体35内には、図1、図2に示すように、電動モータ41(第2の電動モータ)が設けられ、電動モータ41の出力軸42には、チェーン44が巻き付けられたチェーンドラム43とチェーン44aが巻き付けられたチェーンドラム43aが固定されている。
一端がチェーンドラム43に固定されたチェーン44は、スプロケット47に噛合し、他端が昇降ブロック38に取り付けられている。また、一端がチェーンドラム43aに固定されたチェーン44aはスプロケット47a、48に噛合し、他端が昇降ブロック38aに取り付けられている。
なお、スプロケット47、47aはカバー体35内に配置され、スプロケット48はカバー体36内に配置されている。また、スプロケット47、47a、48は、周知の支持機構によって回転可能に支持され、チェーン44aは、スプロケット47a、48の間にある部分が、カバー体48aによって覆われている。
キャリッジ15の昇降動作の動力を発生させる電動モータ41は、出力軸42の回転方向を反転することができ、キャリッジ15が上昇するか降下するかは、出力軸42の回転方向によって決定される。
なお、駆動装置51は周知のボールネジと電動モータによって構成することができる。
また、スライド部材50の代わりに、キャリッジ15に進退可能に取り付けられ、搬送対象物を載せることが可能なフォーク部材を採用することもできる。
図3はガイドレール49、スライド部材50及び駆動装置51を省略して描かれている。
走行台車12を、スライド部材50が収納棚C1から搬送対象物を取り出し可能な位置までレール11、11aに沿って進退させた後、電動モータ41を作動してキャリッジ15の高さ位置を収納棚C1に合わせる。
次に、走行台車12を、スライド部材50が搬送対象物を収納棚C2に収納可能な位置まで進退させ、キャリッジ15の高さ位置を収納棚C2に合わせた後、スライド部材50を収納棚C2内に向かって移動し、スライド部材50のモーターローラによって搬送対象物を収納棚C2に送り出す。
図1、図3に示すように、キャリッジ15が下限位置から上限位置まで移動する際の昇降ブロック38(昇降ブロック38aについても同じ)に設けられた複数のガイドローラ14の軌跡(転動可能領域)はカバー体35(昇降ブロック38aに対してはカバー体36)によって覆われている。
開口部53は、昇降ブロック38の下限位置から上限位置にかけて形成されており、昇降ブロック38の可動領域を確保するためのものである。
ローラ保持部材55(ローラ保持部材55aについても同じ)には、軸心が水平配置された対となったローラ57、58が回転自在に支持されており、ローラ保持部材56(ローラ保持部材56aについても同じ)にも、軸心が水平配置された対となったローラ57a、58aが回転自在に支持されている。
なお、図3は、ローラ保持部材55、55a、56、56aを省略して描かれている。
ローラ57、57aは平面視して同じ位置に配置され、カバーベルト59と昇降ブロック38の連結部及びローラ58、58aも平面視して同じ位置に配置されているので、カバーベルト59は、ローラ57、57a、58、58aに掛け渡され上下方向に張られた状態になっている。
本実施の形態では、スクリーン29、29a及びカバーベルト59が樹脂(具体的にはポリウレタンとポリエチレンテレフタラートの複合材)によって形成されている。
なお、支柱側防塵機構16は、カバー体35、36、カバー体35内に配置されたカバーベルト59、カバー体36内に配置されたカバーベルト59及びローラ57、57a、58、58aによって構成されている。従って、支柱側防塵機構16は、支柱13、13a、13b、13cのガイド部と共に、支柱13、13a、13b、13cのカバーリング20から突出した部分を覆っている。
集塵機60の吸込口には、図4に示すように、一端がカバー体35内に配置されたダクト61(ダクトA)の他端と、一端がカバー体36内に配置されたダクト62(ダクトA)の他端と、一端がカバーリング20内に配置されたダクト63(ダクトB)の他端とが接続されている。従って、集塵機60は、ダクト61を介してカバー体35内の塵を吸込み、ダクト62を介してカバー体36内の塵を吸込み、ダクト63を介してカバーリング20内の塵を吸込むことができる。
そして、ダクト63は、カバー体36内からカバーリング20内にかけて配管されている。本実施の形態では、ダクト63の吸込口は2つであり、走行台車12の進退方向に沿って、一方の吸込口は、走行台車12の前側に配置された2つの車輪23の間に配置され、他方の吸込口は、走行台車12の後側に配置された2つの車輪23の間に配置されている。これは、カバーリング20内においては、車輪23とレール11、11aの接触箇所で最も多く塵が発生するためである。
カバー体35内にある塵は、ファン64の作動によって発生する気流に沿って降下し、カバー体35の下部に配置されたダクト61(カバー体36の場合はダクト62)の吸込口からダクト61内に吸込まれる。
従って、集塵機60は、ダクト61、62を介してカバー体35、36内で発生した塵を確実に吸引することができる。
搬送装置70は、図5(A)、(B)に示すように、2本のレール71、71a上を走行する走行台車72と、走行台車72に立設された一本の支柱73と、レール71、71a及び走行台車72が内側に配置されたカバーリング74を備えている。
カバーリング74には、支柱73の通過領域に沿って一本のスリット75が形成され、スリット75は、カバーリング74に張設された帯状のスクリーン76によって覆われている。
スクリーン76は、複数のローラを備えた図示しないガイド部材によって貫通孔79に案内されている。
柱材78は、ベース材77に連結されている部分より上側が回転可能になっており、図示しない電動モータから動力を与えられることによって回転する。
また、キャリッジ80は、搬送対象物である物品を載せる2本のアーム80aを有し、柱材78のガイド部に複数のガイドローラ85を当接させ、柱材78に沿って昇降する。
柱材78の回転可能な部分が電動モータから動力を与えられて回転すると、キャリッジ80及び支柱側防塵機構81は、この柱材78の回転可能な部分と一体となって回転する。
例えば、集塵機をカバー体36内に加えてカバー体35内にも設け、カバー体35内の塵はカバー体35に設定された集塵機によって吸引するようにしてもよく、更に、カバーリング20内にもカバーリング20内の塵を吸引する集塵機を設けることができる。
また、搬送装置の設置場所は、自動倉庫に限定されず、部品の組立工場に搬送装置を設けてもよい。
Claims (5)
- レール上を進退する走行台車と、前記走行台車に立設された支柱のガイド部にガイドローラを当接させて該支柱に沿って昇降するキャリッジと、前記ガイド部を覆う支柱側防塵機構とを備えた搬送装置において、
エアフィルタが装着された集塵機を備え、
前記レールは、複数設けられ互いに距離を有して配置され、前記走行台車と共に、前記支柱の通過領域を除いてカバーリングによって覆われ、前記支柱の通過領域を覆うスクリーンを該カバーリングに張設し、しかも前記支柱には、前記スクリーンが挿通する貫通孔を設け、前記支柱側防塵機構は、前記ガイド部と共に前記支柱の前記カバーリングから突出した部分を覆い、該支柱側防塵機構内及び前記カバーリング内の塵は前記集塵機によって吸込まれ、前記集塵機は前記支柱側防塵機構の内側又は前記カバーリングの内側に設けられ、前記集塵機の吸込口には、一端が前記支柱側防塵機構内に配置されたダクトAの他端と、一端が前記カバーリング内に配置されたダクトBの他端とが接続され、前記走行台車は、前後にそれぞれ前記レールに当接する2つの車輪を備え、前記ダクトBは、2つの吸込口を有し、該ダクトBの一方の該吸込口が前記走行台車の前側の2つの前記車輪の間に配置され、該ダクトBの他方の該吸込口が前記走行台車の後側の2つの前記車輪の間に配置されることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1記載の搬送装置において、前記支柱側防塵機構の内側に該支柱側防塵機構内にダウンフローの気流を発生させるファンを設け、前記ダクトAの一端を前記支柱側防塵機構内の下部に配置して、前記集塵機に、前記ファンが発生させた気流に沿って降下した前記塵を前記ダクトAを介して吸込ませることを特徴とする搬送装置。
- 請求項1又は2記載の搬送装置において、前記走行台車の進退動作の動力を発生させる第1の電動モータを前記カバーリング内に配置し、前記キャリッジの昇降動作の動力を発生させる第2の電動モータを前記支柱側防塵機構内に配置することを特徴とする搬送装置。
- 請求項3記載の搬送装置において、前記第2の電動モータの出力軸に固定されたチェーンドラムと、一端が前記チェーンドラムに固定され、他端が前記キャリッジに取り付けられたチェーンと、前記チェーンが噛合されたスプロケットとを、更に、備え、前記チェーンドラム及び前記スプロケットは、前記支柱側防塵機構内に配置されていることを特徴とする搬送装置。
- 請求項4記載の搬送装置において、前記チェーンは2本あって、一方は、他端が前記キャリッジの一側に取り付けられたチェーンP、他方は、他端が前記キャリッジの他側に取り付けられたチェーンQであり、前記スプロケットは3つあって、1つは、前記チェーンPが噛合されたスプロケットpであり、他の2つは、間隔を空けて配置され前記チェーンQが噛合されたスプロケットq1、q2であり、前記チェーンQの前記スプロケットq1、q2間にある部分を覆うカバー体が設けられていることを特徴とする搬送装置。
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