JP5763922B2 - 油性毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、ダメージを受けた毛髪のケアと使用感に優れた、油性毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、特定の二塩基酸のエステル化合物と特定の油剤とを含む、ダメージを受けた毛髪の表面および内部の状態を改善し、さらには毛髪にハリ・コシ感を与えてベタつきがなく軽く仕上がるなどの使用感にも優れる、油性毛髪化粧料およびその製法に関する。
近年、ヘアカラーやパーマネントウェーブなどによる化学処理、ブローなどによる物理処理の影響による、毛髪の表面(キューティクル)や毛髪の内部脂質の流出等のダメージの改善、例えば、キューティクルのリフトアップの防止、毛髪のハリ感や指どおりの改善、パサツキ感の防止等が大きなテーマの1つとなっている。
ダメージを受けた毛髪を改善するため、従来より、ツバキ油、オリーブ油等の植物油を配合することにより、毛髪に適度な油分を補い、なめらかさや柔軟性を与える方法が提案されている。
また、使用感の向上のため、高分子量シリコーンや揮発性シリコーンなどのシリコーン油やその誘導体の併用も提案されてる。
さらに、使用感の向上のため、コハク酸ジエトキシエチルなどのエステル油等の併用も提案されており、また油剤の浸透促進剤として、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール類も用いられている。
しかし、ダメージを受けた毛髪のケアのための成分として植物油のみを用いると、毛髪へ塗布した際の不快なベタつき感を伴い、また重い仕上がりとなるため、十分に満足できる毛髪化粧料を得ることができなかった。
また、シリコーン油等を併用しても、さっぱりとした感触で仕上がりも軽くなるものの、毛髪へのハリ・コシ感の改善が十分でなく、さらには不自然な光沢感により塗布時の毛髪の外観に劣るものとなるため、この場合にも十分に満足できる毛髪化粧料を得ることができなかった。
さらに、従来のエステル油等を併用しても、使用感の改善の観点から必ずしも十分ではなく、保存安定性に劣るなどの問題があり、また浸透促進剤として芳香族アルコール類を用いると、臭気や安全性等の問題があるため、この場合にも十分に満足できる毛髪化粧料を得ることができなかった。
例えば、使用感を改善するために、揮発性炭化水素油、植物油およびジメチコノールなどを配合した油性毛髪化粧料が提案されている(特許文献1)。また、ダメージを受けた毛髪のケアや使用感を改善するために、ジメチルポリシロキサンおよび炭化水素油等を配合した毛髪化粧料(特許文献2)や、ポリウレタンポリマー、シリコーンオイルおよびノニオン界面活性剤等を配合した油性毛髪化粧料(特許文献3)などが提案されている。
さらに、使用感を改善するために、シクロヘキサンジカルボン酸とポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとのジエステルなどを配合した化粧料(特許文献4)、ポリオキシエチレンジカルボン酸エステルなどを配合した毛髪コンディショング剤等の化粧料(特許文献5)、およびジアルキレングリコールモノアルキルエーテルなどを配合した毛髪化粧料(特許文献6)などが提案されている。
しかしながら、上記文献のいずれにも、本発明の特定の二塩基酸のエステル化合物と特定の油剤とを含む、油性毛髪化粧料は開示されておらず、また、上記文献に開示された化粧料はいずれも、ダメージを受けた毛髪のケアと使用感の向上の両方の観点から、毛髪化粧料としての十分な効果の検討や確認が行われていない。
なお、特許文献7には、特定の二塩基酸のエステル化合物を含む油剤等の発明が開示され、該油剤を含む組成物が記載されているが、発明の構成と用途が水性の化粧品であり、また発明の目的が皮膚へ適用した場合の使用感の改善であり、発明の構成、用途、目的および効果が本発明とは異なり、本発明に用いる特定の二塩基酸のエステル化合物と特定の油剤とを含む油性毛髪化粧料が、いかなる作用効果を生じるかについては、全く記載も示唆もされていない。
以上のとおり、ダメージを受けた毛髪の表面および内部の状態を改善し、さらには毛髪にハリ・コシ感を与えてベタつきがなく軽く仕上がるなどの使用感にも優れる油性毛髪化粧料や、かかる毛髪化粧品の製造を可能とする油性毛髪化粧料は存在しない。すなわち、ダメージを受けた毛髪のケアに優れた毛髪化粧料は、使用感に劣る傾向があるのが現状である。
したがって、ダメージを受けた毛髪への高い改善効果と優れた使用感とを併せて有する毛髪化粧料を実現するための、技術および製品の開発が強く求められている。
先行技術文献
特開2008−273902号公報 特開2008−174496号公報 特開2008−137916号公報 特開2008−127342号公報 特開2001−226235号公報 特開平5−163120号公報 国際公開第2008/096845号パンフレット
したがって、本発明の目的は、ダメージを受けた毛髪の表面および内部の状態を改善し、さらには、毛髪にハリ・コシ感や自然な光沢感を与えてベタつきがなく軽く仕上がり、帯電を防止できるなどの使用感にも優れる油性毛髪化粧料およびその製法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の二塩基酸のエステル化合物が、毛髪への浸透性が高く、安全性が良好で、臭いがほとんど気にならないなどの毛髪化粧料の浸透促進剤として非常に優れた特性を有していることを見出した。また、かかる二塩基酸のエステル化合物と特定の油剤とを組み合わせる油性毛髪化粧料とすることにより、従来の毛髪化粧料に比べ、ダメージを受けた毛髪の表面および内部への高い改善効果を有し、さらには、毛髪にハリ・コシ感や自然な光沢感を与えてベタつきがなく軽く仕上がり、帯電を防止できるなどの使用感により優れることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(A)下記一般式(1)
Figure 0005763922
式中、Rは炭素原子数2〜4の置換基を有していてもよいアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜4の置換基を有していてもよいアルキル基であり、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換基を有していてもよいメチル基もしくはエチル基であり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、かつm+n≧1である(ただし、RおよびRが共にエチル基であり、かつmおよびnが共に1である場合を除く)、で表される二塩基酸のエステル化合物と、(B)揮発性油、エステル油、炭化水素油、動植物油およびシリコーン油からなる群より選ばれる1種または2種以上の油剤とを含む、油性毛髪化粧料に関する。
また本発明は、前記二塩基酸のエステル化合物を構成するポリ(もしくはモノ)エチレングリコールモノエーテルまたはその誘導体成分が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレンングリコールモノプロピルエーテル、ジブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジブチレンングリコールモノブチルエーテル、ジブチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリブチレングリコールモノエチルエーテル、トリブチレンングリコールモノプロピルエーテル、トリブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリブチレンングリコールモノブチルエーテルおよびトリブチレングリコールモノイソブチルエーテルからなる群より選ばれる1種または2種である、前記油性毛髪化粧料に関する。
さらに本発明は、二塩基酸のエステル化合物を構成する二塩基酸が、リンゴ酸またはコハク酸である、前記油性毛髪化粧料に関する。
また本発明は、二塩基酸のエステル化合物が、コハク酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル(コハク酸ビスエトキシジグリコール)である、前記油性毛髪化粧料に関する。
さらに本発明は、二塩基酸のエステル化合物を、油性毛髪化粧料の全質量に対し、1.0〜50質量%含有する、前記油性毛髪化粧料に関する。
また本発明は、油剤を、油性毛髪化粧料の全質量に対し、0.1〜99質量%含有する、前記油性毛髪化粧料に関する。
さらに本発明は、前記いずれかに記載の油性毛髪化粧料を含む、毛髪化粧品に関する。
また本発明は、ヘアオイル、ヘアリキッド、ヘアジェル、ヘアスプレー、ヘアスティックおよびヘアムースからなる群より選択される、前記毛髪化粧品に関する。
さらに本発明は、前記いずれかに記載の油性毛髪化粧料または毛髪化粧品を製造する方法であって、二塩基酸のエステル化合物と、1種または2種以上の油剤とを混合する工程を含む、前記方法に関する。
本発明の油性毛髪化粧料が、特定の二塩基酸のエステル化合物と特定の油剤とを併用することによって、従来の毛髪化粧料と比較して、ダメージを受けた毛髪の改善効果と使用感が併せて向上するメカニズムは必ずしも明らかではない。
本発明の油性毛髪化粧料に用いる特定の二塩基酸のエステル化合物は、従来の浸透促進剤と比較して、水溶性および油溶性の両方の特性にとくに優れた浸透促進剤であり、タンパク質から構成され極性が高く水分を含む毛髪と、ダメージを受けた毛髪のケア成分として配合される油剤の両方との相溶性が高い。
そのため、本発明の二塩基酸のエステル化合物が、ダメージを受けた毛髪表面のキューティクルのリフトアップを抑制し、さらには毛髪の内部脂質が流出した空隙を充填することにより、毛髪に適度な油分を与えてハリ・コシ感を与えるとともに水分の蒸発を防止して静電気の発生を防止し、さらには毛髪表面への余分な油剤の付着を防止してベタつきがなく軽く仕上がるとともに自然な光沢感を与えることなどが考えられる。
本発明の油性毛髪化粧料は、従来の毛髪化粧料と比較して、ダメージを受けた毛髪の状態を改善して、さらには毛髪にハリ・コシ感や自然な光沢感を与えてベタつきがなく軽く仕上げ、毛髪の帯電を防止するなどの使用感にも優れるという効果を有するものである。本発明の油性毛髪化粧料のうち、二塩基酸のエステル化合物が、コハク酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル(コハク酸ビスエトキシジグリコール)である油性毛髪化粧料は、ダメージを受けた毛髪の改善効果と使用感により優れるものである。
したがって、本発明の油性毛髪化粧料は、ヘアオイル、ヘアリキッド、ヘアジェル、ヘアスプレー、ヘアスティック、ヘアムースなどの毛髪化粧品の広い用途に用いることができ、本発明の油性毛髪化粧料を含む毛髪化粧品は、使い勝手に優れるなどの効果が期待されるものである。
発明を実施するための形態
本明細書において「毛髪化粧品」とは、とくに限定されず、人の頭髪の整髪、洗浄、ケアなどのために用いられるあらゆる製品を意味する。なお、本発明の毛髪化粧品は、人や動物の、頭髪、頭皮、毛根、体毛、体皮等を、洗浄、ケア、治療等する製品も包含する。好ましい具体例としては、人の頭髪の整髪、ケアなどのために用いられる油性毛髪化粧品が例示される。
また、本明細書において「毛髪化粧料」とは、とくに限定されず、上記毛髪化粧品の製造に用いられるあらゆる組成物を意味する。
さらに、本明細書において「油性毛髪化粧料」および「油性毛髪化粧品」とは、とくに限定されず、油溶性の性質を有する物質を主成分とする、あらゆる毛髪化粧料および毛髪化粧品を意味する。好ましい具体例としては、実質的に水が配合されていない非水系の油性毛髪化粧料および油性毛髪化粧品が例示される。
本発明の油性毛髪化粧料において、毛髪への浸透促進剤として用いられる二塩基酸のエステル化合物は、下記一般式(1)で表される二塩基酸のエステル化合物である。
Figure 0005763922
上記一般式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基であり、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換基を有していてもよいメチル基もしくはエチル基であり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、かつm+n≧1である(ただし、RおよびRが共にエチル基であり、かつmおよびnが共に1である場合を除く)。
また、Rの炭素原子数は、毛髪への浸透性等の観点から、好ましくは炭素原子数2または3であり、RおよびRの炭素原子数は、毛髪への浸透性、ダメージ毛の改善効果等の観点から、好ましくはそれぞれ独立して炭素原子数2〜4であり、mおよびnの数は、毛髪への浸透性、ダメージ毛の改善効果等の観点から、好ましくはそれぞれ独立して2または3である。
さらに、RおよびRの種類は、より優れた水溶性と油溶性のバランスの観点から、好ましくは水素である。
また、R〜Rの各官能基は、本発明の油性毛髪化粧料の用途に応じて、水溶性および油溶性等を調整するために、1または2以上の置換基を有していてもよく、該置換基としては、水酸基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、エステル基等が挙げられる。
なお、有機合成等の観点から、RおよびRの炭素原子数、mおよびnの数、ならびにRおよびRの種類は、それぞれ互いに同一であることがより好ましい。
本発明の油性毛髪化粧料は、上記一般式(1)で表されるエステル化合物を、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
の具体例としては、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン等が挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレン、イソプロピレン等が挙げられる。
およびRの具体例としては、それぞれメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましくはそれぞれエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。RおよびRで表されるアルキル基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、二塩基酸のエステル化合物を構成するポリ(またはモノ)エチレングリコールモノエーテルまたはその誘導体成分、すなわち、R(OCHCHROHおよびR(OCHCHROHは、互いに同一であっても異なっていてもよく、好ましい具体的としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレンングリコールモノプロピルエーテル、ブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ブチレンングリコールモノブチルエーテル、ブチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジブチレングリコールモノメチルエーテル、ジブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレンングリコールモノプロピルエーテル、ジブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジブチレンングリコールモノブチルエーテル、ジブチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリブチレングリコールモノメチルエーテル、トリブチレングリコールモノエチルエーテル、トリブチレンングリコールモノプロピルエーテル、トリブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリブチレンングリコールモノブチルエーテル、トリブチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラブチレングリコールモノメチルエーテル、テトラブチレングリコールモノエチルエーテル、テトラブチレンングリコールモノプロピルエーテル、テトラブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラブチレンングリコールモノブチルエーテル、およびテトラブチレングリコールモノイソブチルエーテル等が挙げられ、毛髪への浸透性、ダメージ毛の改善効果等の観点から、より好ましい具体的としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレンングリコールモノプロピルエーテル、ジブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジブチレンングリコールモノブチルエーテル、ジブチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリブチレングリコールモノエチルエーテル、トリブチレンングリコールモノプロピルエーテル、トリブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリブチレンングリコールモノブチルエーテル、トリブチレングリコールモノイソブチルエーテル等が挙げられ、より優れた水溶性と油溶性のバランスの観点から、さらに好ましい具体的としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル等が挙げられ、とくに好ましい具体的としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
なお、有機合成等の観点から、上記のRおよびR、ならびにR(OCHCHROHおよびR(OCHCHROHは、それぞれ互いに同一であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表されるエステル化合物を構成する二塩基酸は、炭素原子数2〜4の二塩基酸であり、好ましくはリンゴ酸、コハク酸、酒石酸またはアジピン酸等が挙げられ、毛髪への浸透性等の観点から、より好ましくはコハク酸、リンゴ酸等が挙げられる。
およびRがそれぞれ水素である二塩基酸のエステル化合物の好ましい具体例としては、例えば、コハク酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル(コハク酸ビスエトキシジグリコール)、コハク酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスエチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスエチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスエチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスグリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビストリエチレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスエチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスジエチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビストリエチレングリコールイソブチルエーテル等が挙げられ、より好ましい具体例としては、コハク酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル(コハク酸ビスエトキシジグリコール)、コハク酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビストリエチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビストリエチレングリコールエチルエーテル等が挙げられ、とくに好ましい具体例としては、コハク酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル(コハク酸ビスエトキシジグリコール)が挙げられる。
およびRがそれぞれメチル基である二塩基酸のエステル化合物の好ましい具体例としては、例えば、コハク酸ビスプロピレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスジプロピレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビストリプロピレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスプロピレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスジプロピレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビストリプロピレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスプロピレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビストリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスプロピレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビスジプロピレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビストリプロピレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスプロピレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスジプロピレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビストリプロピレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスプロピレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジプロピレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリプロピレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスプロピレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスプロピレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスジプロピレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビストリプロピレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスプロピレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスジプロピレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビストリプロピレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスプロピレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスジプロピレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビストリプロピレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスプロピレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビストリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスプロピレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスジプロピレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビストリプロピレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスプロピレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスジプロピレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビストリプロピレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスプロピレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスジプロピレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビストリプロピレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスプロピレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビストリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスプロピレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスジプロピレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビストリプロピレングリコールイソブチルエーテル等が挙げられ、より好ましい具体例としては、コハク酸ビストリプロピレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビストリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリプロピレングリコールイソプロピルエーテル等が挙げられる。
およびRがそれぞれエチル基である二塩基酸のエステル化合物の好ましい具体例としては、例えば、コハク酸ビスブチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスジブチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビストリブチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビスブチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスジブチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビストリブチレングリコールプロピルエーテル、コハク酸ビスブチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスジブチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビストリブチレングリコールイソプロピルエーテル、コハク酸ビスブチレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビスジブチレングリコールイソブチルエーテル、コハク酸ビストリブチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスブチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスジブチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビストリブチレングリコールエチルエーテル、リンゴ酸ビスブチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジブチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリブチレングリコールプロピルエーテル、リンゴ酸ビスブチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスジブチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビストリブチレングリコールイソプロピルエーテル、リンゴ酸ビスブチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスジブチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビストリブチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスブチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスジブチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビストリブチレングリコールエチルエーテル、酒石酸ビスブチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスジブチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビストリブチレングリコールプロピルエーテル、酒石酸ビスブチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスジブチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビストリブチレングリコールイソプロピルエーテル、酒石酸ビスブチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビスジブチレングリコールイソブチルエーテル、酒石酸ビストリブチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスブチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスジブチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビストリブチレングリコールエチルエーテル、アジピン酸ビスブチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスジブチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビストリブチレングリコールプロピルエーテル、アジピン酸ビスブチレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスジブチレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビストリブチレングリコールイソプロピルエーテル、アジピン酸ビスブチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビスジブチレングリコールイソブチルエーテル、アジピン酸ビストリブチレングリコールイソブチルエーテル等が挙げられ、より好ましい具体例としては、コハク酸ビストリブチレングリコールエチルエーテル、コハク酸ビストリブチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビスジブチレングリコールイソブチルエーテル、リンゴ酸ビストリブチレングリコールイソブチルエーテル等が挙げられる。
前記一般式(1)で表されるエステル化合物の含有量は、油性毛髪化粧料の全質量に対し、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜45質量%であり、さらに好ましくは3〜40質量%であり、とくに好ましくは5〜35質量%である。エステル化合物の含有量が低すぎると十分な浸透促進効果が得られずダメージを受けた毛髪の改善効果に劣る傾向があり、エステル化合物の含有量が高すぎると毛髪への適用時および適用後の使用感に劣る(べとつき感が強くなる)傾向があり、また含有量に見合った効果が得られず不経済であるところ、含有量が上記の範囲であればダメージを受けた毛髪の十分な改善効果と優れた使用感や好適な経済性が得られるため好ましい。
本発明の油性毛髪化粧料において用いられる油剤は、揮発性油、エステル油、炭化水素油、動植物油またはシリコーン油である。毛髪の個人差やダメージの程度、幅広い用途に対応するなど観点から、これらの油剤を2種以上組み合わせて用いることが好ましい。本発明において用いられる具体的な油剤としては、以下のものが例示される。
揮発性油の好ましい具体例としては、例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油等が挙げられる。
上記揮発性油の中で、毛髪への適用時および揮発後の毛髪の使用感等の観点から、より好ましい具体例としては、例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。
エステル油の好ましい具体例としては、例えば、モノエステルではイソノナン酸エステルであるイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル等、2−エチルヘキサン酸であるエチルヘキサン酸セチル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル等、ミリスチン酸エステルであるミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル等、イソステアリン酸エステルであるイソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステリル等、乳酸エステルである乳酸イソステアリル、乳酸オクチルドデシル等、ヒドロキシステアリン酸エステルであるヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル等、オレイン酸エステルであるオレイン酸オレイル、オレイン酸フィトステリル、オレイン酸オクチルドデシル等、ネオペンタン酸エステルであるネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル等、パルミチン酸エステルであるパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル等、その他にはネオデカン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル、ラウロイルサルコシンイソプロピル等が挙げられる。
ジエステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエチルヘキシル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジリノール酸ジイソプロピル、ジオクタン酸エチレングリコール、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)等が挙げられる。
トリエステル油としては、トリエチルヘキサノイン、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等が挙げられ、
テトラエステル油としては、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル等が挙げられる。
ポリエステル油としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2等が挙げられる。
高粘性のエステル油としては、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ミリストイルメチルアラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)、(ジグリセリン/ジリノール酸/ヒドロキシステアリン酸)コポリマー等が挙げられる。
上記エステル油の中で、毛髪のコシ・ハリ感の改善等の観点から、より好ましい具体例としては、例えば、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、イソステアリン酸水添ヒマシ油、(ジグリセリン/ジリノール酸/ヒドロキシステアリン酸)コポリマー、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル等が挙げられる。
炭化水素油の好ましい具体例としては、例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、イソパラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ワセリン等が挙げられる。
上記炭化水素油の中で、毛髪適用時の使用感等の観点から、より好ましい具体例としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン等が挙げられる。
高級脂肪酸の好ましい具体例としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
上記高級脂肪酸の中で、毛髪適用時の使用感等の観点から、より好ましい具体例としては、例えば、イソステアリン酸等が挙げられる。
動植物油脂または水添動植物油脂の好ましい具体例としては、例えば、アボガド油、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カヤ油、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、胚芽油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル等が挙げられる。
上記動植物油脂または水添動植物油脂の中で、毛髪適用時の使用感(のびやすさ)および毛髪に柔軟性を付与するなどの観点から、より好ましい具体例としては、例えば、ツバキ油、コメヌカ油、ホホバ油、シアバター等が挙げられる。
シリコーン油の好ましい具体例としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、揮発性シリコーン、アルキルジメチコン等のシリコーン化合物が挙げられる。
上記シリコーン油の中で、毛髪適用時および適用後の使用感(仕上がりの軽さ、指どおり)などの観点から、より好ましい具体例としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、揮発性シリコーン等が挙げられる。
上記油剤の含有量は、油性毛髪化粧料の全質量に対し、好ましくは0.1〜99質量%であり、より好ましくは1〜95質量%であり、さらに好ましくは5〜90質量%である。油剤の含有量が低すぎるとダメージを受けた毛髪の改善効果に劣る傾向があり、油剤の含有量が高すぎても使用感に劣る傾向や、仕上がりが重くなる(仕上がり後の毛髪の見栄えが悪い)傾向があるところ、含有量が上記の範囲であればダメージを受けた毛髪の十分な改善効果と優れた使用感等を得られるため好ましい。
本発明の油性毛髪化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、毛髪化粧料の分野で通常使用される他の成分を含有してもよい。他の成分としてはアルコール類、多価アルコール類、増粘剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、植物抽出物、色素、顔料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料等が挙げられる。これらの成分の1種または2種以上を、適宜配合することが可能である。
本発明において好ましく用いられるアルコールは、とくに限定されず、以下のものが例示される。
分岐アルコールとしては、炭素数10〜40のものであり、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、ドデシルヘキサデカノール、テトラデシルオクタデカノール、ヘキサデシルエイコサノール等が挙げられ、より好ましくはオクチルドデカノール等が挙げられる。
2価アルコールとしては、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、オクチレングリコール、平均分子量が200〜2000であるポリプロピレングリコール等が挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数7以上のものが好ましく、炭素数10以上のものがより好ましく、炭素数15以上のものがさらに好ましい。具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)、セタノール等が挙げられる。
本発明において好ましく用いられる増粘剤は、とくに限定されないが、例えば、アルギン酸、ポリアスパラギン酸、デオキシリボ核酸およびその塩、グアーガム、寒天、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエステル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化グアーガム、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、アラビアゴム、結晶セルロール、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストリン脂肪酸エステル、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックス、シリコン系のゲル化剤である炭素数18以上のアルキルジメチコンやシリコーンポリアミド共重合体、 (ベヘン酸エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸エイコサン二酸)ポリグリセリル−10、(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー等天然または人工の増粘剤等が挙げられる。
また、本発明の油性毛髪化粧料を、医薬品または医薬部外品に用いる場合には、目的または必要に応じて、美白剤、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、ビタミン類、酵素、血行促進剤、アミノ酸類、UV吸収剤、サンスクリーン剤、日焼け剤、育毛用薬剤(抜け毛防止剤、毛髪成長促進剤等)、動植物抽出物、防腐剤、毛髪軟化剤、毛髪加湿剤、メークアップ製剤、ヘアコンディショナ、スキンコンディショナ、毛髪白色化剤、キレート剤、細胞交代促進剤、着色剤、皮膚軟化剤または皮膚加湿剤、消臭剤、制汗剤等を含有してもよい。これらの成分の1種または2種以上を、適宜配合することが可能である。
本発明の油性毛髪化粧料を毛髪化粧品に配合することにより、ダメージを受けた毛髪の改善効果と使用感に優れた毛髪化粧品が得られる。
本発明の毛髪化粧品の形態はとくに限定されず、例えば、ヘアオイル、ヘアリキッド、ヘアジェル、ヘアスプレー、ヘアスティックおよびヘアムース等から選択される各用途において適した形態とすることができ、例えば、液状、ジェル状、ワックス状、クリーム状、多層状のオイル、ポマード、スティック、ムース状等の形態とすることができる。また、容器との組合せにより、ミストタイプ、ヘアスプレー、エアゾール等の形態とすることもできる。
本発明は、前記ダメージを受けた毛髪のケアと使用感に優れた油性毛髪化粧料または毛髪化粧品の製造方法にも関するところ、同方法はとくに限定されず、公知の常法を適宜用いることができ、前記一般式(1)で表される二塩基酸のエステル化合物と、揮発性油、エステル油、炭化水素油、動植物油およびシリコーン油からなる群より選ばれる1種または2種以上の油剤とを混合する工程を含む。
例えば、ジェル状の油性毛髪化粧品を製造する場合は、本発明の前記一般式(1)で表される二塩基酸のエステル化合物および油剤を、アルコール類、水溶性高分子等と共に撹拌して均一に分散させた後、冷却してジェル状にすることにより製造することができる。また、クリーム状またはエマルジョン状の油性毛髪化粧品は、本発明の二塩基酸のエステル化合物および油剤を、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子、化粧品分野で通常用いられている乳化剤、可溶化剤等の成分と加熱しながら均一に撹拌して乳化した後、冷却してクリーム状またはエマルジョン状にすることにより製造することができる。さらに、ムース状またはフォーム状の油性毛髪化粧品は、本発明の二塩基酸のエステル化合物および油剤と、界面活性剤および増粘剤(水溶性高分子)とを溶解して分散させた後、液化石油ガス(噴射剤)と共にエアゾール缶に充填し、使用時にムース状またはフォーム状に噴射させればよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、とくに断らない限り、以下に記載する「%」は「質量%」を意味する。
[実施例1〜8]
(ヘアオイルの調製と評価)
表1の各組成からなる実施例1〜8および比較例1のヘアオイルの調製を、下記の調製方法により行った。また、実施例1〜8および比較例1のヘアオイルの各特性の評価を、下記の評価方法により行った。結果を表1に示す。
(調製方法)
表1に示す各組成の成分を所定量で混合し、次いで室温で攪拌しながら溶解して均一な混合物として、実施例1〜8および比較例1のヘアオイルを得た。
(評価方法)
(1)官能評価
(a)評価毛束の作製
パーマ、ヘアカラー等の化学処理を行っていない成人日本人女性の毛髪を、ブリーチ処理(ダリヤ社製、商品名:パルティ)を3回、洗髪とドライヤー乾燥を4回繰り返してダメージを与えた。このダメージを与えた毛髪を用いて、長さ10cm、幅3cm、重さ6gの評価毛束を作製した。
(b)評価毛束の処理
実施例および比較例の各試料0.5gを指に取り、上記の評価毛束の各1束に、指で伸ばしながらなじませて均一に塗布した後、自然乾燥した。次ぎに、この塗布後の評価毛束をシャンプー(資生堂社製、商品名:TSUBAKI)を用いて洗髪した後、ドライヤーで乾燥させた。さらに、この洗髪後の評価毛束に、上記と同様に実施例および比較例の各試料0.5gを均一に塗布して自然乾燥した。この操作を5回繰り返した。
(c)官能評価
上記の処理時および処理後の各評価毛束について、評価パネラー10名が、以下の6項目について5段階評価を行い、各評価の平均点を求めた。
・塗りやすさ(のびやすさ)
・べたつきのなさ
・仕上がりの軽さ・指どおり
・毛髪のまとまり
・ハリ・コシ感
・自然な光沢感
(2)保存安定性
45℃の恒温室に3ヶ月間保存した後の実施例および比較例の各試料、ならびに−5℃と45℃を往復する恒温室に5回往復する期間保存した後の実施例および比較例の各試料について、分離、発汗状態、変色などの外観を目視で観察して、外観の変化の状態について5段階評価を行った。
(3)キューティクルの改善効果
上記実施例および比較例の各試料を用いて処理した各評価毛束の、各1束について、フィールドエミッション型走査電子顕微鏡(日本電子社製、型式:JSM−7000F型)を用いて毛髪表面のキューティクルの剥離の状態およびキューティクルのリフトアップの状態を観察および写真撮影して、キューティクルの改善効果(ダメージ毛の改善効果)について評価した。
キューティクルの剥離状態の評価は、各評価毛束の任意の毛髪の代表的な5箇所のキューティクルの剥離箇所をカウントして、その平均値を求めて5段階評価を行った。
また、キューティクルのリフトアップの評価は、各評価毛束の任意の毛髪の代表的な5箇所のキューティクルのリフトアップ角度(毛髪本体表面とリフトアップしたキューティクルとの間の仰角)を測定して、その平均値を求めて5段階評価を行った。
(4)帯電防止効果
上記実施例および比較例の各試料を用いて処理した評価毛束の、各1束について、プラスチック素材のブラシで7回、毛束の根元から毛先に向かって擦り、静電気を意図的に発生させた。その後、静電電位測定器(春日電機社製、型式:SV−10)を用いて、毛束表面の静電気電圧を測定して、その平均値を求めて5段階評価を行った。
上記各特性の5段階評価は、実施例および比較例の全ての試料の評価・測定結果から、下記基準に基づいて相対的に順位付けを行い評価した。
5・・・良い(○)
4・・・概ね良い(△〜○)
3・・・普通(△)
2・・・やや悪い(×〜△)
1・・・悪い(×)
Figure 0005763922
Figure 0005763922
表1に示されるとおり、実施例1〜8の本発明の油性毛髪化粧料を含むヘアオイルは、塗りやすさ、べたつきのなさ、仕上がりの軽さ・指どおり、毛髪のまとまり、ハリ・コシ感、自然な光沢感といった優れた使用感とともに、高いキューティクルの改善効果を有することは勿論のこと、優れた保存安定性および高い帯電防止効果をも有することが分かる。
これに対し、本発明の二塩基酸のエステル化合物の代わりにベンジルアルコールを含む比較例1は、実施例1〜8と比べて、塗りやすさ、仕上がりの軽さ・指どおり、毛髪のまとまりなどの使用感、キューティクルの改善効果において劣り、とくに、キューティクルの改善効果、仕上がりの軽さ・指どおり、毛髪のまとまりに劣ることが分かる。
[実施例9〜13]
(ヘアジェルの調製と評価)
表2の各組成からなる実施例9〜13および比較例2のヘアジェルの調製を、下記の調製方法により行った。また、実施例9〜13および比較例2のヘアジェルの各特性の評価を、下記の評価方法により行った。結果を表2に示す。
(調製方法)
表2に示す各組成の成分を所定量で混合し、次いで約80〜105℃で攪拌しながら溶解して均一な混合物とした。この混合物を約30℃に冷却して、実施例9〜13および比較例2のヘアジェルを得た。
(評価方法)
前記実施例1〜8と同一の方法で、実施例9〜13および比較例2のヘアジェルの各特性の評価を行った。
Figure 0005763922
Figure 0005763922
表2に示されるとおり、実施例9〜13の本発明の油性毛髪化粧料を含むヘアジェルは、塗りやすさ、べたつきのなさ、仕上がりの軽さ・指どおり、毛髪のまとまり、ハリ・コシ感、自然な光沢感といった優れた使用感とともに、高いキューティクルの改善効果を有することは勿論のこと、優れた保存安定性および高い帯電防止効果をも有することが分かる。
これに対し、本発明の二塩基酸のエステル化合物の代わりにコハク酸ジエトキシエチルを含む比較例2は、実施例9〜13と比べて、塗りやすさ、仕上がりの軽さ・指どおり、ハリ・コシ感などの使用感、キューティクルの改善効果、帯電防止効果において劣り、とくに、キューティクルの改善効果、塗りやすさ、仕上がりの軽さ・指どおりに劣ることが分かる。
[実施例14および15]
(ヘアスプレーの調製と評価)
表3の各組成からなる実施例14、15および比較例3のヘアスプレーの調製を、下記の調製方法により行った。また、実施例14、15および比較例3のヘアスプレーの各特性の評価を、下記の評価方法により行った。結果を表3に示す。
(調製方法)
表3に示す各組成の成分を所定量で混合し、次いで室温で攪拌しながら溶解して均一な混合物とした。この混合物を約30℃に冷却して、実施例14、15および比較例3のヘアスプレー原液を得た。この原液と噴射剤(液化石油ガス)を4:6になるようにエアゾール缶に充填して、実施例14、15および比較例3のヘアスプレーを得た。
(評価方法)
前記実施例1〜8と同様の方法で、実施例14、15および比較例3のヘアスプレーの各特性の評価を行った。なお、評価毛束への塗布は、秤上においてスプレーを評価毛束に噴霧して0.5gの量を付着させた後に、指で伸ばしながらなじませて均一に塗布した。また、保存安定性の評価は、恒温室に一定期間保存した後にスプレーを噴射させて、噴射後の各試料の外観の変化の状態について評価した。
Figure 0005763922
表3に示されるとおり、実施例14および15の本発明の油性毛髪化粧料を含むヘアスプレーは、塗りやすさ、べたつきのなさ、仕上がりの軽さ・指どおり、毛髪のまとまり、ハリ・コシ感、自然な光沢感といった優れた使用感とともに、高いキューティクルの改善効果を有することは勿論のこと、優れた保存安定性および高い帯電防止効果をも有することが分かる。
これに対し、本発明の二塩基酸のエステル化合物の代わりにベンジルアルコールを含む比較例3は、実施例14および15と比べて、塗りやすさ、仕上がりの軽さ・指どおり、毛髪のまとまりなどの使用感、キューティクルの改善効果において劣り、とくに、キューティクルの改善効果、毛髪のまとまりに劣ることが分かる。
[実施例16]
(ヘアスティックの調製と評価)
表4の各組成からなる実施例16および比較例4のヘアスティックの調製を、下記の調製方法により行った。また、実施例16および比較例4のヘアスティックの各特性の評価を、下記の評価方法により行った。結果を表4に示す。
(調製方法)
表4に示す各組成の成分を所定量で混合し、105〜110℃で均一に溶解して、脱泡した。次いでこの混合物を適当な容器に流し込んだ後、冷却して実施例16および比較例4のヘアスティックを製造した。
(評価方法)
前記実施例1〜8と同様の方法で、実施例16および比較例4のヘアスティックの各特性の評価を行った。なお、評価毛束への塗布は、0.5gの量のスティックを評価毛束に擦りつけて塗布した後に、指で伸ばしながらなじませて均一に塗布した。
Figure 0005763922
表4に示されるとおり、実施例16の本発明の油性毛髪化粧料を含むヘアスティックは、塗りやすさ、べたつきのなさ、仕上がりの軽さ・指どおり、毛髪のまとまり、ハリ・コシ感、自然な光沢感といった優れた使用感とともに、高いキューティクルの改善効果を有することは勿論のこと、優れた保存安定性および高い帯電防止効果をも有することが分かる。
これに対し、本発明の二塩基酸のエステル化合物の代わりにコハク酸ジエトキシエチルを含む比較例4は、実施例16と比べて、塗りやすさ、仕上がりの軽さ・指どおりなどの使用感、キューティクルの改善効果、帯電防止効果において劣り、とくに、キューティクルの改善効果、塗りやすさ、仕上がりの軽さ・指どおりに劣ることが分かる。
本発明の油性毛髪化粧料によれば、従来の毛髪化粧料と比較して、ダメージを受けた毛髪の高い改善効果と、さらには毛髪にハリ・コシ感を与えてベタつきがなく軽く仕上がるなどの優れた使用感とを併せて有するものが提供される。したがって、本発明の油性毛髪化粧料は、ヘアオイル、ヘアリキッド、ヘアジェル、ヘアスプレー、ヘアスティック、ヘアムースなどの毛髪化粧品の広い分野においてとくに産業上の利用可能性が高いものであり、化粧品産業およびその関連産業の発展に大きく寄与することが期待される。

Claims (9)

  1. (A)下記一般式(1)
    Figure 0005763922
    式中、Rは炭素原子数2〜4の置換基を有していてもよいアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜4の置換基を有していてもよいアルキル基であり、RおよびRはそれぞれ独立して水素または置換基を有していてもよいメチル基もしくはエチル基であり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、かつm+n≧1である(ただし、RおよびRが共にエチル基であり、かつmおよびnが共に1である場合を除く)、で表される二塩基酸のエステル化合物と、(B)揮発性油、エステル油、炭化水素油、動植物油およびシリコーン油からなる群より選ばれる1種または2種以上の油剤とを含み、二塩基酸のエステル化合物を、油性毛髪化粧料の全質量に対し、1.0〜50質量%含有し、非水系である、油性毛髪化粧料。
  2. 二塩基酸のエステル化合物を構成するポリ(もしくはモノ)エチレングリコールモノエーテルまたはその誘導体成分が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレンングリコールモノプロピルエーテル、ジブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジブチレンングリコールモノブチルエーテル、ジブチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリブチレングリコールモノエチルエーテル、トリブチレンングリコールモノプロピルエーテル、トリブチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリブチレンングリコールモノブチルエーテルおよびトリブチレングリコールモノイソブチルエーテルからなる群より選ばれる1種または2種である、請求項1に記載の油性毛髪化粧料。
  3. 二塩基酸のエステル化合物を構成する二塩基酸が、リンゴ酸またはコハク酸である、請求項1または2に記載の油性毛髪化粧料。
  4. 二塩基酸のエステル化合物が、コハク酸ビスジエチレングリコールエチルエーテル(コハク酸ビスエトキシジグリコール)である、請求項1〜3のいずれかに記載の油性毛髪化粧料。
  5. 二塩基酸のエステル化合物を、油性毛髪化粧料の全質量に対し、1.0〜45質量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の油性毛髪化粧料。
  6. 油剤を、油性毛髪化粧料の全質量に対し、0.1〜99質量%含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の油性毛髪化粧料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の油性毛髪化粧料を含む毛髪化粧品。
  8. ヘアオイル、ヘアリキッド、ヘアジェル、ヘアスプレー、ヘアスティックおよびヘアムースからなる群より選択される、請求項7に記載の毛髪化粧品。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の油性毛髪化粧料または毛髪化粧品を製造する方法であって、二塩基酸のエステル化合物と、1種または2種以上の油剤とを混合する工程を含む、前記方法。
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