JP6334211B2 - 毛髪及び頭皮ケア組成物、及びその使用方法 - Google Patents

毛髪及び頭皮ケア組成物、及びその使用方法 Download PDF

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Description

発明の属する技術分野
本発明は毛髪組成物及び頭皮ケア組成物とその使用方法に関し、さらに詳細には毛髪と頭皮を同時にトリートメントしながら頭皮に有効成分を浸透させ、べたつきがなく、頭皮の活性と、頭皮及び毛髪の保湿効果を発揮する毛髪及び頭皮ケア組成物とその使用方法に関する。
従来、頭皮ケア(スカルプケア)製品は市場に存在していたが、目的としては健やかな毛髪を育成するという点に主眼をおかれていた。しかしながら最近では、乾燥によるかゆみやかさつき、フケ等の悩みから、頭皮の環境というものに消費者の関心が集まり、性別や年齢を問わず、頭皮の環境改善に意識が高まりつつある。
一般的に従来の頭皮ケア製剤は、毛髪の育成が目的であるため、薬剤を効率良く毛穴に浸透させる考えから、頭皮の過剰な油分を取り除くといった機能に特化しているものが主流であった。そのため、エタノールを多量に配合したものが多く、また油分をほぼ含まないものが大半であった。このような製剤は頭皮の保湿という目的には適していなかった。
一方、頭皮ケアを目的にした製剤でも、毛髪につけずに塗布することは困難であるため、毛髪の仕上がりにも対処した技術が検討されている。例えば、べたつきを抑え、髪のボリューム感を改善するものとして、血行促進成分とユーカリエキス、特定のポリマーとエタノールを組み合わせる外用剤が開発されている(特許文献1参照)。
また、近年は女性の社会進出が進み、ストレスや疲労が蓄積する一方で、美容にかける時間が減ってきている。そのような忙しい女性たちは、効率よく美容効果を得るために「オールインワン製剤(複数の機能効果を有する化粧料)」「ながら美容」のような、多種の効果を同時に、かつ手軽に得られる美容に関心を持っている。しかしながら、従来の頭皮ケア製剤は、頭皮に対する浸透効果を期待して、洗髪後にアウトバスで使用するものが多く、シャンプー、コンディショナー等を使用する洗髪行為を含め、2段階の手間が必要であり、昨今の忙しい女性にとっては大変煩雑であった。
頭皮ケア製剤としては、シャンプー、コンディショナー等、本来の洗髪目的でありながら頭皮のマッサージにも適した製剤の開発も行われている。これらの製剤はマッサージにより、頭皮の汚れをしっかり落とすクレンジング効果や、血行促進効果を期待したものであって、例えば、毛髪の絡まりを抑え、マッサージがしやすくなるような製剤として、第3級アミン化合物と脂肪族アルコール、特定のポリマーを組み合わせる技術が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、これらは施術行為による血流改善や新陳代謝促進、頭皮柔軟化、あるいはリラックス効果を目的としたものであり、毛髪化粧料として毛髪状態に及ぼす機能が重視されていた。さらに、頭皮の活性を促すような、薬剤の浸透を高める発想はなく、毛髪のトリートメント効果と頭皮環境の改善効果を同時にもちあわせた製剤はこれまでなかった。
特開2011−016729号公報 特開2012−017299号公報
従って、新たなカテゴリーの製剤として、毛髪と頭皮のトリートメントが一度に行え、頭皮への有効成分の浸透が良好で、べたつかず、かつ毛髪の仕上がりにも優れた、毛髪及び頭皮ケア組成物の開発が望まれていた。
上記実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究の結果、カチオン性界面活性剤、ワセリン、イソステアリン酸又はベンジルアルコール、油溶性ビタミン及びその誘導体から選ばれる1種または2種以上を含有することで、使用時の伸び広がりが良好で、かつ頭皮への浸透と活性効果に優れ、べたつかず、毛髪と頭皮のいずれの保湿感も高い毛髪及び頭皮ケア組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。また、上記組成物をシャンプー後の濡れた毛髪及び頭皮に塗布し、マッサージした後に洗い流すことで、高い効果が得られることを見出した。本発明によれば、頭皮ケアをインバスで行うことで、リラックスタイムである入浴時間を利用して手軽に頭皮のマッサージが行え、一度で毛髪と頭皮の両方に保湿効果をもたらし、毛髪を軽くなめらかに仕上げることが可能となる。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)カチオン性界面活性剤
(B)ワセリン 1〜5質量%
(C)イソステアリン酸 3〜10質量%
(D)油溶性ビタミン及びその誘導体から選ばれる1種または2種以上を含有し、且つ、前記成分(D)がカロチノイド類、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体のいずれかから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする毛髪及び頭皮ケア組成物である。また、該組成物を用いて、毛髪と頭皮を同時にトリートメントし、頭皮に油溶性ビタミン及びその誘導体を浸透させ、活性化するための使用方法に関する。

本発明の毛髪及び頭皮ケア組成物は、従来の頭皮のみを対象とした頭皮ケア(スカルプケア)製品、あるいは毛髪のみを対象としたシャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント製品とは異なり、一度の使用で毛髪と頭皮の両方をトリートメントできる新たな用途の組成物に関する。本発明品は、使用時に良好な伸び広がりを有し、頭皮への浸透と活性効果に優れ、べたつかず、毛髪と頭皮に保湿効果をもたらし、さらには毛髪になめらかさを付与する組成物であり、一度の使用で毛髪及び頭皮の両方をケアできる利便性に優れる。また、該毛髪及び頭皮ケア組成物をシャンプー後に頭皮に塗布し、マッサージをした後に毛髪までなじませ、その後洗い流す使用方法により、さらにその効果を充分に発揮させることできる。
発明の実施の形態
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明に用いられる成分(A)のカチオン性界面活性剤は、毛髪への親和性および吸着性が良好で、毛髪に滑らかさや柔らかさを与える働きがあり、トリートメント効果の付与剤として必須の成分である。本発明で用いられる成分(A)のカチオン性界面活性剤については、通常毛髪用の化粧料に使用されるカチオン性の界面活性剤であれば特に限定されることなく使用できるが、モノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩またはエチレンオキサイド付加型の第4級アンモニウム塩が好ましい。具体的には塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、臭化ジベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、臭化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、臭化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(15E.O.)ヤシ油アルキルメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(4E.O.)ラウリルエーテルジメチルアンモニウム、塩化ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩等を挙げることができる。これらのうち、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウムが、毛髪に滑らかさや柔らかさを付与するコンディショニング効果を得る上で特に好ましい。
本発明において、成分(A)のカチオン性界面活性剤は、必要に応じて1種又は2種以上を単独または組み合わせて含有することができ、その含有量は全組成中0.1〜5質量%(以下、「質量%」を単に「%」と略記する)が好ましく、0.5〜3%であるとより好ましい。この範囲内であれば毛髪に対する優れたコンディショニング効果が得られ、毛髪に滑らかで、柔らかく、しっとりとした良好な感触を得ることができる。
本発明の成分(B)のワセリンは、石油から得た半固形の炭化水素類混合物で、化粧品用や医薬品用として通常使用されているものが好適に使用できる。本発明は頭皮に塗布してマッサージを行うことから、伸び広がりが良好で、かつ、垂れ落ちしない程度の適度な粘性を必要とする。ワセリンは粘性が高いため、含有量によって製剤自体の粘度にも大きく寄与する。そのため、ワセリンはその含有量の増減によって製剤の粘度を効率良く調節するのに有効である。またワセリンは、マッサージの際に製剤の頭皮への付着性を向上させ、頭皮の閉塞性を高めて水分の蒸散を抑制し、製剤をすすいだ後の保湿効果の持続性及び成分(D)の貯留性を高める効果を発揮する。
本発明において、成分(B)のワセリンは、必要に応じて1種又は2種以上を単独または組み合わせて含有することができ、その含有量は全組成中、0.5〜10%が好ましく、1〜5%であるとより好ましい。
本発明の成分(C)のうち、イソステアリン酸は、炭素数18の飽和分岐脂肪酸であり、例えば、ガーベット法にて得られる2−ヘプチルウンデカン酸、アルドール縮合法にて得られる2−イソヘプチルイソウンデカン酸、ダイマー酸製造時に副生する炭素数18の側鎖脂肪酸を精製すること等によって得られる。
本発明の成分(C)のもう一方の成分であるベンジルアルコールは、化粧料において通常溶剤や防腐剤、調合香料等として使用される炭素数7の芳香族アルコールであり、皮膚及び毛髪に対しては浸透作用を有する。
本発明においては、成分(C)のイソステアリン酸又はベンジルアルコールは、頭皮に製剤を塗布してから洗い流すまでの比較的短い時間であっても、成分(D)の頭皮への浸透を高め、効果を最大限発揮させるのに有効である。
本発明において、成分(C)のイソステアリン酸又はベンジルアルコールは、1種又は2種を単独または組み合わせて含有することができ、その含有量は全組成中0.5〜10%が好ましく、1〜5%であるとより好ましい。
本発明に用いられる成分(D)油溶性ビタミン及びその誘導体は、頭皮を活性させ、健やかな頭皮環境へと改善することを目的として含有されるものである。本発明に用いられる成分(D)の油溶性ビタミン及びその誘導体としては、カロチノイド類(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体;デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体、等が挙げられ、これらは必要に応じて1種又は2種以上を単独または併用して用いることができる。これらのうち、カロチノイド類、ビタミンE及びその誘導体がより好ましく、アスタキサンチンがさらに好ましい。
アスタキサンチンは、476nm(エタノール)、468nm(ヘキサン)に吸収極大を持つ赤色の色素でキサントフィル類に分類され、化学構造は3,3’−dihydroxy−β,β−carotene−4,4’−dione(C4052、分子量596.82)である。また、アスタキサンチンの誘導体としては、例えばアスタキサンチンエステル等があげられ、アスタキサンチンのジアセタート(C40502(OCOCH)やジパルミタート(C40502(OCOC1531)等がある。本発明においては、特に断らない限り、上記のアスタキサンチン及びアスタキサンチンエステル等の誘導体を含めて「アスタキサンチン」と称する。
本発明に用いられるアスタキサンチンは例えば、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母、ヘマトコッカス藻等の天然物から抽出したものや合成品を用いることができるが、ヘマトコッカス藻から抽出されたもの(以下、ヘマトコッカス藻抽出物ともいう)が、品質、生産性の点から特に好ましい。天然物からアスタキサンチンを得る場合の抽出溶媒については、水系溶媒でも有機溶媒であってもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等を用いることができる。また、超臨界状態の二酸化炭素等を用いることもできる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物の由来としては、具体的には、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等が挙げられる。また、広く市販されているヘマトコッカス藻抽出物を用いることができ、例えば、武田紙器(株)製のASTOTS−S、同−5O、同−10O等、富士化学工業(株)製のアスタリールオイル50F、同5F等、オリザ油化製のアスタキサンチン−5C、同20C、バイオジェニック社製のASTABIO(登録商標)AR1、AR5等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料には、上記成分(A)〜(D)以外の通常、化粧料に使用される成分、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、ワックス類、シリコーン油、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、紫外線吸収剤、水溶性高分子、増粘剤、多価アルコール、糖類、低級アルコール等の水性成分、抗菌剤、防腐剤、pH調整剤、清涼剤、成分(D)に該当しないビタミン類、香料、粉体等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
油剤としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等のシリコーン類が挙げられる。
界面活性剤としては、成分(A)カチオン性界面活性剤以外のものを適宜選択して含有することができ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロレンヤシ油脂肪酸モノイソパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、アニオン性高分子としては、例えばアクリル酸・アクリル酸エチル・N−tert−ブチルアクリルアミド共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、ビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等を例示することができる。また両性高分子としては、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体等を例示することができる。カチオン性高分子としては、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体ジエチル硫酸塩、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化グリシジルトリメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体等が例示することができる。非イオン性高分子としては、例えばポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を例示することができる。
水性成分としては、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等の低級アルコール等が挙げられる。
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられ、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
(D) 油溶性ビタミン及びその誘導体以外のビタミン類としては、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。
本発明の毛髪及び頭皮ケア組成物の製造方法は、通常公知の方法で製造可能であり、製造機器としては、一般のディスパーションのような分散機器であれば特に限定されず、好適に使用できる。本発明の組成物の剤型としては特に限定されず、可溶化、水中油型、油中水型、油性型等のいずれでもよいが、水性成分が連続相をなすものが好ましく、特に水中油型が好ましい。また、形態としても、特に限定されず、液状、ゲル状、クリーム状等として実施可能である。本発明の毛髪及び頭皮ケア組成物は、従来のシャンプー、コンディショナー、トリートメント、スカルプケア製剤に代わる複合機能を有する組成物として、種々のインバス使用化粧料、外用剤に利用が可能である。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜5、8〜9、及び11〜18、参考例6、7、1、及び19、並びに比較例1〜3:頭皮及び毛髪ケア組成物
表1及び表2に示す組成の頭皮及び毛髪ケア組成物を、下記製造方法にて調製した。これらの試料について、専門評価パネル10名がシャンプー後に頭皮に塗布し、マッサージをした後に毛髪までなじませ、その後洗い流すという方法で使用し、「使用時の浸透感」、「使用中の適度な粘性」、「頭皮及び毛髪のべたつきのなさ」、「頭皮及び毛髪の保湿感の持続」、「毛髪の軽くなめらかな仕上がり」を評価した。評価は下記評価方法1〜5により(a)〜(e)評価基準に従って行い、さらに全パネルの評点の各々の平均点を、下記判定基準(f)に従って判定した。
結果を併せて表1及び表2に示す。

Figure 0006334211

Figure 0006334211
(製造方法)
A:成分(1)〜(13)を均一に加温溶解する。
B:成分(14)〜(17)を均一に加温溶解する。
C:ディスパーミキサーを用いてBにAを添加して乳化し、毛髪及び頭皮ケア組成物を得た。
評価方法1:頭皮及び毛髪への製剤の浸透感
実施例1〜5、8〜9、及び11〜18、参考例6、7、1、及び19、並びに比較例1〜3の各試料を頭皮及び毛髪に塗布した時の、なじみの速さ、頭皮及び毛髪のしっとり感の変化を感じるまでの時間の短さを浸透感として、下記(a)5段階評価基準を用いて評価した。

(a)5段階評価基準
評点:評価
5:大変短い時間で浸透する
4:短い時間で浸透する
3:浸透する
2:あまりなじまず、浸透しない
1:なじみが悪く、浸透しない
評価方法2:使用中の適度な粘性
実施例1〜5、8〜9、及び11〜18、参考例6、7、1、及び19、並びに比較例1〜3の各試料を頭皮及び毛髪に塗布する際の伸び広がり、及びマッサージを行っている時の垂れ落ちの有無について、下記(b)5段階評価基準を用いて評価した。

(b)5段階評価基準
評点:評価
5:伸び広がりが良好、また垂れ落ちもしない
4:伸び広がりがほぼ良好で、垂れ落ちもほとんどしない
3:伸び広がりがやや良好、若しくはやや垂れ落ちる
2:ほぼ伸び広がらない、若しくは少し垂れ落ちる
1:伸び広がりが悪い、若しくは垂れ落ちる
評価方法3:頭皮及び毛髪のべたつきのなさ
実施例1〜5、8〜9、及び11〜18、参考例6、7、1、及び19、並びに比較例1〜3の各試料を使用し、すすいで乾かした後の頭皮及び毛髪のべたつきのなさについて、下記(c)5段階評価基準を用いて評価した。

(c)5段階評価基準
評点:評価
5:全くべたつきがない
4:べたつきがない
3:わずかにべたつきを感じる
2:ややべたつく
1:かなりべたつく
評価方法4:頭皮及び毛髪の保湿感の持続
実施例1〜5、8〜9、及び11〜18、参考例6、7、1、及び19、並びに比較例1〜3の各試料を使用し、すすいで乾かした後の頭皮及び毛髪の保湿感、及びその持続について、下記(d)5段階評価基準を用いて評価した。

(d)5段階評価基準
評点:評価
5:保湿感が持続して非常に長く感じられる
4:保湿感が持続して感じられる
3:保湿感を感じるが、持続感はあまりない
2:保湿感をほぼ感じない
1:保湿感を感じない
評価方法5:毛髪の軽くなめらかな仕上がり
実施例1〜5、8〜9、及び11〜18、参考例6、7、1、及び19、並びに比較例1〜3の各試料を使用し、すすいで乾かした後の毛髪の軽くなめらかな仕上がりについて、下記(e)5段階評価基準を用いて評価した。

(e)5段階評価基準
評点:評価
5:軽さを感じ、とてもなめらかに仕上がる
4:軽さを感じ、なめらかに仕上がる
3:ややなめらかに仕上がる
2:軽さがなく、ややごわついた仕上がり
1:軽さがなく、かなりごわついた仕上がり
(f)判定基準
評点の平均点 :判 定
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
実施例1〜5、8〜9、及び11〜18並びに参考例6、7、1、及び19は使用時に頭皮及び毛髪に均一に塗布できながらも、垂れ落ちせず、頭皮マッサージを行うのに適度な粘性であり、また使用後の頭皮及び毛髪の仕上がりも良好な製剤であった。これに対して成分(A)を含有せず、代わりにポリソルベート80を用いた比較例1は、毛髪のなめらかさと保湿感の持続に劣るものであった。成分(B)を含有しない比較例2では、使用時に製品の粘度が低下し、頭皮から垂れ落ちてマッサージの際の使用性の悪いものとなり、また、頭皮の保湿感が劣るものであった。また、成分(C)を含有しない比較例3では、肌への浸透感に劣り、十分に肌になじまなかった。


Claims (4)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)カチオン性界面活性剤
    (B)ワセリン 1〜5質量%
    (C)イソステアリン酸 3〜10質量%
    (D)油溶性ビタミン及びその誘導体から選ばれる1種または2種以上
    を含有し、且つ、
    前記成分(D)がカロチノイド類、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体のいずれかから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする毛髪及び頭皮ケア組成物。
  2. 成分(E)として、多価アルコールを含有する請求項1記載の毛髪及び頭皮ケア組成物。
  3. 前記成分(A)の含有量が0.1〜5質量%である、請求項1又は2に記載の毛髪及び頭皮ケア組成物。
  4. 毛髪と頭皮を同時にケアして保湿効果を与え、かつ、頭皮に油溶性ビタミン及びその誘導体を浸透させ、活性化するための使用方法であって、シャンプー後に次の成分(A)〜(D);
    (A)カチオン性界面活性剤
    (B)ワセリン 1〜5質量%
    (C)イソステアリン酸 3〜10質量%
    (D)油溶性ビタミン及びその誘導体から選ばれる1種または2種以上
    を含有し、且つ、前記成分(D)がカロチノイド類、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体のいずれかから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする組成物を頭皮に塗布し、マッサージをした後に毛髪までなじませ、その後洗い流す使用方法。
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