JP2537629B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は毛髪に対し、優れた光沢を与え、なめらかな
感触を付与しながら、かつ良好なセット保持力を有する
毛髪化粧料に関するものである。
[従来の技術] 従来、毛髪化粧料中には毛髪に光沢やなめらかさを与
える目的で重合度3〜650のシリコーン油またはエステ
ル油、炭化水素油などの油分が、可溶化、乳化、溶解し
て用いられている。特に重合度3〜650のシリコン油
は、表面張力が低く毛髪のなじみに優れ、良い光沢が得
られ近年多用されているものである。しかし、油分のも
つ限界があり多量に用いたり消費者が長いあいだ用いた
りすると、頭髪が脂ぎる欠点があった。
また、なめらかさを付与する目的でカチオン活性剤も
多用されているが、望ましい光沢を与えるものではな
く、多量に配合すると安全性上も好ましくないという欠
点があった。
また、毛髪をセットする目的でポリビニルピロリドン
系ポリマー、酸性ポリビニルエーテル系ポリマー、酸性
アクリル系ポリマーあるいはカチオン性ポリマーなどの
高分子化合物が一般に用いられているが、これらの高分
子化合物は毛髪の固定すなわちセット力に優れるもの
の、光沢となめらかさの点において満足するものではな
かった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、このような欠点を解決し、毛髪に優れ
た光沢を与え、なめらかな感触を賦与し、頭髪の脂じみ
がなく、かつ適度なセット力を有する毛髪化粧料を得る
べく鋭意研究を行った結果、特定の高分子量シリコーン
を用いたならば、上記目的を達成できることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は下記一般式 (R1はメチル基または一部がフェニル基を表し、R2はメ
チル基または水酸基を表す。また、nは3,000〜20,000
の整数を表す。) で表される高分子量シリコーンの一種または二種以上を
配合することを特徴とする毛髪化粧料である。
以下、本発明について詳述する。
本発明で使用する高分子量シリコーンは、上記一般式
で表されるもので、式中のnの値が3,000〜20,000であ
り、常温で軟質ゴム状の性状を呈するものである。
具体的な構造を化学名で示せばジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、末端水酸基含有ジ
メチルポリシロキン、末端水酸基含有メチルフェニルポ
リシロキサンなどが挙げられる。
従来、重合度が3〜650の範囲のジメチルポリシロキ
サンは化粧料などの油分として従来から使用されている
が、本発明のごとき高分子量のシリコーンを化粧料に配
合した例は全くみられない。
高分子量のシリコーンの配合量は、化粧料全量中の0.
5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。0.5%未
満では十分な効果が得られず50%を超えると溶解しにく
くなる。
本発明の高分子量シリコーンを毛髪化粧料に配合する
場合、低沸点の油に溶解して配合することが好ましい。
もちろん、毛髪化粧料中に別々に配合して系中で溶解さ
せても構わない。
低沸点油としては、低沸点鎖状シリコーンや低沸点環
状シリコーンまたは低沸点イソパラフィン系炭化水素な
どをあげることができる。
低沸点鎖状シリコーンは次の一般式で表され、具体例
をあげれば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチル
トリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサ
デカメチルヘプタシロキサンなどである。
(式中、nは0〜5の整数を表す。) 低沸点環状シリコーンは次の一般式で表され、具体例
をあげれば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デ
カメチルシクロペンタシロキサン、テトラデカメチルシ
クロヘキサシロキサンなどである。
(式中、nは3〜7の整数を表す。) 低沸点イソパラフィン系炭化水素としては、常圧にお
ける沸点が60〜260℃の範囲にあるイソパラフィン系炭
化水素を挙げることができ、例えば、エクソン社製のア
イソパーA(登録商標)、同C、同D、同E、同G、同
H、同K、同L、同M、シェル社のシェルゾール71(登
録商標)、フィリップ社のソルトール100(登録商標)
あるいは同130、同220などをあげることができる。
上記低沸点油は任意の一種または二種以上を用いるこ
とができ、合計の配合量は高分子量シリコーンに対して
1〜50倍(重量)好ましく、毛髪化粧料全量中の10〜80
重量%が好ましい。
本発明の剤型は任意であり、可溶化系、乳化系、粉末
分散系、油−水の2層系、油−水−粉末の3層系など、
いずれでも構わない。
乳化系の場合は、高分子量シリコーンを含む油相をノ
ニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面
活性剤あるいはそれらの混合物で乳化して用いるのが一
般的であるが、その際に、あらかじめ界面活性剤と水溶
性多価アルコールとの混合物を調製し、ついで油相と混
合して乳化剤組成物を得る方法が好ましい。
水溶性多価アルコールは、分子内に2個以上の水酸基
を有する多価アルコールであり、具体例を挙げれば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレ
ングリコール、1,2−ブチレングルコール、1,3−ブチレ
ングルコール、1,4−ブチレングルコール、テトラメチ
レングルコール、2,3−ブチレングルコール、ペンタメ
チレングルコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキ
シレングリコール、オクチレングリコール等の2価のア
ルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,
6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタ
エリスリトール等の4価のアルコール、キシリトール等
の5価のアルコール、ソルビトール、マンニトール等の
6価のアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、リエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリ
ン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラ
グリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合
体、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエ
ーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エ
チレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エ
チレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコ
ールベンジルエーテル、エチレングリコールイソピロピ
ルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジブチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエー
テル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレン
グリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールイソプロピルエーテル、ジプロピレグリコールメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価ア
ルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、エチレンググリコールモノブ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベ
ート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルアステート、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価
アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラ
キルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノ
アルキルエーテル、ソルビトール、マルチトール、マル
トトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトー
ル、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マル
トース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール
糖の糖アルコール、グリソリッド、テトラハイドロフル
フリルアルコール、POEテトラハイドロフルフリルアル
コール、POPブチルエーテル、POP POEブチルエーテル、
トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POPグ
リセリンエーテル、POPグリセリンエーテルリン酸、POP
POEペンタンエリスリトールエーテル等であり、これら
のうちから一種または二種以上が任意に選択され用いら
れる。
乳化化粧料の油相を構成する油としては、本発明に係
る高分子量シリコーンの他につぎのような油を挙げるこ
とができる。
すなわち、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカ
デミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ
油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚
芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー
油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ
油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、
胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、
トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ
脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊
脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核
油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体
油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバ
ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタン
ロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリ
ン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イ
ソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョ
ジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリ
ンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテ
ート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポ
リエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコー
ルエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライ
ト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、
スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス
等の炭化水素、脂肪酸油、アルコール油、オクタン酸セ
チル、ミリステン酸イソプロピルなどのエステル油、ジ
メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン
などのシリコーン油、シリコーン樹脂など、化粧料で一
般的に用いられる油分である。
上記成分の一般的な配合量は、界面活性剤が毛髪化粧
料全量中の0.5〜10重量%、高分子シリコーンを含む油
相が20〜80重量%であり、あらかじめ界面活性剤と水溶
性多価アルコールとの混合物を調製して油相と混合して
乳化組成物をえる方法の場合は、界面活性剤1〜20重量
%、高分子シリコーンを含む油相が10〜70重量%、水溶
性多価アルコールが毛髪化粧料全量中の5〜30重量%
で、界面活性剤に対して50〜99重量%程度にするのが好
ましい。
なお、乳化化粧料の乳化形式としては油中水型または
水中油型のいずれでもとりえるが、本発明の効果である
撥水性を失わないように調製することが望ましい。
本発明の毛細化粧料には上記の必須構成成分に加え
て、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的
範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、ビタミ
ン、ホルモンなどの薬剤、香料を配合してもよい。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、これらによって限定されるものではない。配
合量は全て重量%である。
実施例1 ヘアオイル (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 70.0% (2)ジメチルポリシロキサン 5cs 20.0 (3)ジメチルポリシロキサン (R1およびR2はメチル基、n=7000) 10.0 (4)香料 適量 (1)〜(4)を70〜80℃で攪拌溶解、混合する。粘
度500cpsの粘性のある透明性のよい液状ヘアオイルを得
た。
実施例2 ヘアブロー (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0% (2)メチルフェニルポリシロキサン (R1の10%がフェニル基で残りはメチル基、 R2はメチル基、n=15,000) 1.0 (3)1,3ブチレングリコール 2.0 (4)ポリエチレン(60)硬化ヒマシ油エステル 2.0 (5)エチルアルコール 95% 15.0 (6)精製水 75.0 (7)香料 適量 (3)に(4)を溶解し、(1)、(2)を添加し乳
化して(5)、(6)、(7)と混合する。ディスペン
サー容器に詰め、霧状で頭髪に噴霧する。
実施例3 泡状毛髪セット剤 (1)ジメチルポリシロキサン 1.5cs 3.0% (2)ジメチルポリシロキサン 20.0cs 2.0 (3)ジメチルポリシロキサン (R1はメチル基、R2は水酸基 n=5,000) 5.0 (4)グリセリン 3.0 (5)ポリエチレングリコール(120) 硬化ヒマシ油エステル 3.0 (6)ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 0.7
(7)香料 適量 (8)精製水 83.3 (4)、(5)を溶解し、(1)、(2)、(3)の
混合液を添加し乳化する。ついで(6)、(7)、
(8)の混合液に上記乳化物を添加混合する。
実施例4 ヘアオイル (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 80.0% (2)ジメチルポリシロキサン (R1およびR2はメチル基,n=4,000) 8.0 (3)(CH33 SiO1/2/SiO2/(CH32SiO =2.4/1.6/1.0(モル比)よりなる 有機シリコーン樹脂 2.0 (4)エタノール 10.0 (5)香料 適量 (1)、(5)を70〜80℃で攪拌溶解し、粘度700cps
の液状ヘアオイルを得た。
実施例5 泡状毛髪化粧料 (1)ジメチルポリシロキサン 2.0cs 4.0% (2)ジメチルポリシロキサン 20.0cs 1.0 (3)ジメチルポリシロキサン (R1はメチル基、R2は水酸基 n=5,000) 5.0 (4)グリセリン 10.0 (5)ポリエチレングリコール(100) 硬化ヒマシ油エステル 3.0 (6)ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド 1.0
(7)香料 適量 (8)精製水 72.0 (9)液化石油ガス 4.0 (4)(5)を溶解し、(1)(2)(3)の混合液
を添加し乳化する。ついで(6)(7)(8)の混合液
に上記乳化物を添加混合する。ついでこの原液を缶に充
填後、(9)の噴射ガスを充填し、泡状毛髪化粧料を得
た。
[発明の効果] 本発明の毛髪化粧料は、実施例1〜5に示されるよう
に、高分子シリコーンが毛髪に皮膜として被覆されるの
で、毛髪に豊かな光沢、なめらかさ、損傷防止補修効果
を与え、また毛髪に対して優れたセット保持力を有する
毛髪化粧料である。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 (R1はメチル基または一部がフェニル基を表し、R2はメ
    チル基または水酸基を表す。また、nは3,000〜20,000
    の整数を表す。) で表される高分子量シリコーンの一種または二種以上
    と、 前記高分子量シリコーンを溶解するのに必要な量の、珪
    素数が2〜7の低沸点シリコーンおよび/または沸点が
    60〜260℃の範囲にあるイソパラフィン系炭化水素と、 を含むことを特徴とする毛髪化粧料。
  2. 【請求項2】低沸点シリコーンが環状シリコーンである
    特許請求の範囲第1項記載の毛髪化粧料。
  3. 【請求項3】環状シリコーンがオクタメチルシクロテト
    ラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンまた
    はドデカメチルシクロヘキサシロキサンである特許請求
    の範囲第2項記載の毛髪化粧料。
  4. 【請求項4】低沸点シリコーンが低沸点鎖状シリコーン
    である特許請求の範囲第1項記載の毛髪化粧料。
  5. 【請求項5】低沸点鎖状シリコーンがジメチルポリシロ
    キサンであることを特徴とする特許請求の範囲第4項記
    載の毛髪化粧料。
  6. 【請求項6】毛髪化粧料が乳化化粧料である特許請求の
    範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の毛髪化粧
    料。
  7. 【請求項7】乳化化粧料がノニオン活性剤を含有するも
    のである特許請求の範囲第6項記載の毛髪化粧料。
  8. 【請求項8】乳化化粧料がカチオン活性剤を含有するも
    のである特許請求の範囲第6項記載の毛髪化粧料。
  9. 【請求項9】乳化化粧料がアニオン活性剤を含有するも
    のである特許請求の範囲第6項記載の毛髪化粧料。
  10. 【請求項10】乳化化粧料が水溶性多価アルコールおよ
    び活性剤の混合物と、油相とを混合して乳化せしめた乳
    化化粧料である特許請求の範囲第6項ないし第9項記載
    の毛髪化粧料。
JP62164936A 1986-09-03 1987-07-01 毛髪化粧料 Expired - Lifetime JP2537629B2 (ja)

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