JP5762068B2 - 燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム及びその燃料電池の起動方法 - Google Patents
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Description
この固体酸化物形燃料電池は、イオン導電率を高めるために作動温度が高くされているので、ガスタービンの圧縮機から吐出され、かつガスタービンの排ガス熱を利用して高温とされた吐出空気を空気極側に供給する空気(酸化剤)として使用できる。また、固体酸化物形燃料電池で利用できなかった高温の燃料をガスタービンの燃焼器の燃料として使用できる等、ガスタービンとの相性がよい。
特に、大型のコンバインド発電システムにおいては、昇圧時間が著しく長くなるので、短時間で昇圧することが切望されている。
図1−1に示すように、燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム(固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」という)13及びガスタービン11が結合されたシステム)10Aは、ガスタービン11の圧縮機14からの吐出空気18AをSOFC13側に供給する吐出空気流路(空気供給ライン)L2と、SOFC13から排出される排出空気18Bをガスタービン燃焼器16に供給する排出空気流路(排出空気供給ライン)L3と、燃料ガス31をSOFC13側に供給する燃料ガス流路L5と、SOFC13の燃料極側から排出される排燃料ガス13Aをガスタービン燃焼器16に供給する排燃料ガス流路L6と、前記吐出空気流路(空気供給ライン)L2から分岐され、吐出空気18Aを燃料ガス流路L5内に一時的に導入する連通流路L10と、前記燃料ガス流路L5に一時的に導入された吐出空気18Aを置換する置換ガス(例えば窒素ガス)41を供給する置換ガス供給手段とを具備する。
この吐出空気18AはSOFC13で酸化剤として用いられた後、SOFC13の空気極側から排出空気18Bとして排出される。この排出空気18Bは、排出空気流路(排出空気供給ライン)L3を通ってガスタービン燃焼器16に供給される。
排出空気流路L3には、SOFC13とガスタービン11とを切り離す制御弁22が備えられている。
なお、本実施例では省略しているが、燃料ガス流路L5には、排燃料ガス流路L6の排燃料ガス31Aから熱回収する燃料ガス熱交換器を備えるようにしてもよい。
図1−1に示すように、停止状態にあるガスタービン11及びSOFC13の運転を開始する時には、最初にガスタービン11の運転を開始する。
ガスタービン燃焼器16は、この吐出空気18Aを用いて別途供給される燃料ガス34を燃焼させ、高温高圧の燃焼ガス15を生成しタービン17へ供給する。
燃焼ガス15は、タービン17で仕事をした後でも高温を保っており、エアヒータ19で吐出空気18Aを加熱し、排燃焼ガス15Aとして排出される。このエアヒータ19により、排出空気18Aが加熱され、燃料ガス34の流量の減少をはかりつつ、定格運転に達し、発電機12による発電が可能になる。
このように、燃料側と空気側とを連通させ、吐出空気18Aを導入することで、両者を均圧化して昇圧を行うことができる。
次に、図1−2に示すように、所定の圧力に昇圧された後、制御弁21及び制御弁32を閉じ、燃料側に吐出空気18Aを封じ込める。
次に、図1−3に示すように、制御弁42が介装された窒素供給流路L11を介して窒素ガス41を燃料側の燃料ガス流路L5、排燃料ガス流路L6及び再循環流路L7に導入し、窒素パージを行う(図中、太線一点鎖線)。
この間、吐出空気18Aは吐出空気流路L2及び排出空気流路L3を経由してガスタービン燃焼器16に供給される。
この置換操作はガス置換のみであるので、瞬時に終了する。
次に、図1−4に示すように、窒素パージが終了した後、制御弁42を閉じて、燃料ガス流路L5に介装された制御弁35を開き、燃料ガス31をSOFC13の燃料極側の排燃料ガス流路L6及び再循環流路L7に導入する(図中、太線鎖線)。
実施例1の燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム10Aでは、吐出空気18Aと置換するガスを窒素ガス41としていたが、実施例2の燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム10Bでは、図2−1に示すように、タービン17からの排燃焼ガス15Aを導入する排燃焼ガス置換流路L12を設けて、ガス置換するようにしている。
なお、排燃焼ガス15Aを用いてガス置換する以外は、実施例1と同様に操作するようにすればよいので、図2−1、2−2及び図2−4の説明は省略する。
図2−3に示すように、制御弁52が介装された排燃焼ガス置換流路L12を介して排燃焼ガス15Aを燃料側の燃料ガス流路L5、排燃料ガス流路L6及び再循環流路L7に導入し、排燃焼ガス15Aによるパージを行うようにしている(図中、太線一点鎖線)。
11 ガスタービン
12 発電機
13 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
14 圧縮機
15 燃焼ガス
16 ガスタービン燃焼器
17 タービン
18 空気
18A 吐出空気
18B 排出空気
21、22 制御弁
31 燃料ガス
31A 排燃料ガス
41 窒素ガス
Claims (3)
- 空気極および燃料極を有する固体酸化物形燃料電池と、ガスタービンとを備えた燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムであって、
ガスタービン圧縮機からの吐出空気を前記空気極に供給する吐出空気流路と、
前記空気極側から排出される排出空気をガスタービン燃焼器に供給する排出空気流路と、
燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料ガス流路と、
前記燃料極側から排出される排燃料ガスをガスタービン燃焼器に供給する排燃料ガス流路と、
前記吐出空気流路から分岐され、吐出空気を前記燃料ガス流路内に一時的に導入する連通流路と、
前記連通流路に介装され、前記吐出空気流路を流れる前記吐出空気の流量を調整する制御弁と、
前記燃料ガス流路に置換ガスを供給する置換ガス供給手段とを具備し、
前記置換ガス供給手段により置換ガスを前記燃料ガス流路内に導入して前記燃料ガス流路の雰囲気を前記置換ガスで置換するように構成したことを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。 - 前記置換ガスが、タービンからの排燃焼ガスであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システム。
- 請求項1又は2に記載の燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムにおいて、
燃料電池起動の際に、
連通流路を介して吐出空気流路、排出空気流路、燃料ガス流路及び排燃料ガス流路に、吐出空気を供給することで燃料極側流路と空気極側流路とを均圧化しつつ昇圧を行い、
次いで、前記連通流路に導入する吐出空気を停止し、吐出空気を前記燃料ガス流路及び前記排燃料ガス流路内に封じ込め、
次いで、置換ガス導入することにより、封じ込めた吐出空気を前記置換ガスで置換し、
その後燃料ガスを前記燃料ガス流路に導入することを特徴とする燃料電池・ガスタービンコンバインド発電システムの燃料電池の起動方法。
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